JPWO2004035560A1 - ピロール誘導体及び中間体及び農園芸用殺菌剤 - Google Patents

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寿 谷川
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博 佐野
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Abstract

本発明は、式(1)[式中R1は、水素原子、C1−6アルキル基等を表す。Qは、酸素原子、硫黄原子または式(2)で表される基を表す。式中R2は、水素原子、C1−6アルキル基等を表す。Aは、式(3)で表される基、式(4)で表される基または式(5)で表される基を表す。式中R3は、水素原子、ハロゲン原子等を表す。R4は、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を表す。R5は、水素原子、ハロゲン原子等を表す。Xは、硫黄原子または酸素原子を表す。mは、0または1〜2の整数を表す。]で表されるピロール誘導体及びその塩の1種もしくは2種以上を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤およびその製造中間体である。

Description

技術分野:
本発明は新規なピロール誘導体、該化合物を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤および、該化合物の新規な製造中間体に関する。
背景技術:
農園芸作物の栽培に当り、作物の病害に対して多数の防除薬剤が使用されているが、その防除効力が不十分であったり、薬剤耐性の病原菌の出現によりその使用が制限されたり、また植物体に薬害や汚染を生じたり、あるいは人畜魚類に対する毒性や環境への影響の観点から、必ずしも満足すべき防除薬とは言い難いものが少なくない。従って、かかる欠点の少ない安全に使用できる薬剤の出現が強く要請されている。
本発明に係わるピロール化合物は、殺菌活性を有する4,5−ジハロピロール誘導体の合成中間体として記載されている(例えば、米国特許第USP3,876,660号明細書参照。)。また、殺菌活性を有するピロリルアクリレート化合物の合成中間体等として記載されているが、これらの中間体化合物が殺菌活性を有することは何ら記載されていない(例えば、欧州特許出願公開第206,523号明細書参照。)。
発明の開示:
本発明の目的は、工業的に有利に合成でき効果が確実で安全に使用できる農園芸用殺菌剤となりうるピロール誘導体、及び該ピロール誘導体の有用な製造中間体を提供することにある。
本発明は式(1)
Figure 2004035560
[式中Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルカルボニルオキシC −6アルキル基またはC1−6アルキルスルホニル基を表す。Qは、酸素原子、硫黄原子または式(2)で表される基を表す。
Figure 2004035560
式中Rは、水素原子、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシC1−6アルキル基を表す。
Aは、式(3)で表される基、式(4)で表される基または式(5)で表される基を表す。
Figure 2004035560
式中Rは、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、ニトロ基、シアノ基またはC1−6ハロアルキル基または式(6)で表される基を表す。
Figure 2004035560
式中Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6トリアルキルシリル基を表す。
は、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C1−6アルキル基またはC1−6ハロアルキル基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC1−6ハロアルキル基を表す。
Xは、硫黄原子または酸素原子を表す。mは、0または1〜2の整数を表すピロール誘導体。
式(7)
Figure 2004035560
(式中、R、R、R、X及びmは請求項1と同一の意味を表し、Rは水素原子またはC1−6アルキル基を表す。)で表される製造中間体。
式(8)
Figure 2004035560
(式中、R、R、R、X及びmは請求項1と同一の意味を表し、Rは水素原子またはC1−6アルキル基を表す。)で表される製造中間体。
式(9)
Figure 2004035560
(式中、R、R、R、X及びmは請求項1と同一の意味を表し、Rは水素原子またはC1−6アルキル基を表す。)で表される製造中間体。
式(1)
Figure 2004035560
(式中、R、Q及びAは請求項1と同一の意味を表す。)
で表されるピロール誘導体またはその塩の1種もしくは2種以上を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤である。
発明の実施の形態:
式(1)の定義において
Figure 2004035560
は水素原子;メチル、エチル、プロピル、ブチル等のC1−6アルキル基;メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル等のC1−6アルコキシC1−6アルキル基;アセチル、プロピオニル等のC1−6アルキルカルボニル基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等のC1−6アルキコシカルボニル基;アセチルオキシメチル、プロピルオキシメチル等のC1−6アルキルカルボニルオキシC1−6アルキル基;またはメチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1−6アルキルスルホニル基を表わす。
Qは、酸素原子、硫黄原子または式(2)で表される基を表す。
Figure 2004035560
式中Rは水素原子;メチル、エチル、プロピル、ブチル等のC1−6アルキル基;またはメトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル等のC1−6アルコキシC1−6アルキル基を表す。
Aは、式(3)で表される基、式(4)で表される基または式(5)で表される基を表す。
Figure 2004035560
Xは酸素原子または硫黄原子を表す。
はフッ素、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル、エチル、プロピル、ブチル等のC1−6アルキル基;ビニル、プロペニル等のC1−6アルキニル基;ニトロ基;シアノ基;またはトリフルオロメチル、ジフロロメチル、ペンタフルオロエチル等のC1−6ハロアルキル基を表す。
また式(6)において、Rは水素;メチル、エチル、プロピル等のC1−6アルキル基;トリメチルシリル、トリエチルシリル基等のC1−6トリアルキルシリル基を表す。
は水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子;メチル、エチル、プロピル、ブチル等のC1−6アルキル基;またはトリフルオロメチル、ジフロロメチル、ペンタフルオロエチル等のC1−6ハロアルキル基を表す。
は水素原子;フッ素、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル、エチル、プロピル、ブチル等のC1−6アルキル基;またはトリフルオロメチル、ジフロロメチル、ペンタフルオロエチル等のC1−6ハロアルキル基を表す。
mは0、1または2の整数を表す。mが2のとき、Rは同一でも相異なっていてもよい。
また、本発明に係わる化合物の塩としては、農園芸学上許容される塩をいい、農園芸学上許容される塩であれば、特に制限はない。例えば、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属の塩、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、スズ、マンガンなどの金属塩、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸などの酸の塩が挙げられる。
本発明における式(1)で示されるピロール誘導体の製造法について説明する。式(1)で示されるピロール誘導体は例えば下記の方法で製造できるが、該化合物の製造法は、これらの製造法に限定するものではない。が、例えば、以下のようにして製造することができる。
製造法(1)
下記式(10)
Figure 2004035560
(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)で表されるピロール化合物に下記式(11)
Figure 2004035560
(式中、Q及びAは前記と同じ意味を表し、Yはハロゲン原子等の脱離基を表す。)で表されるアシル化剤を、所望により塩基存在下に反応させることにより、前記式(1)で示される本発明のピロール誘導体を製造することができる。
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、水および、これらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系が挙げられる。
アシル化剤の使用量は化合物(10)に対して通常1〜5倍モルの範囲であり、好適には1〜2倍モルである。
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基等が挙げられる。塩基の使用量はアミン化合物(10)に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜24時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の製法により容易に精製できる。
本発明における式(7−2)で示される中間体の製造法について説明する。式(7−2)で示される中間体は例えば下記の方法で製造できるが、該化合物の製造法は、これらの製造法に限定するものではない。
Figure 2004035560
(式中、R、R、R、X及びmは請求項3と同一の意味を表わす)。
式(13)及び式(14)で示される臭素化化合物は、式(12)で示される化合物と臭素を光照射化で反応することにより製造することができる。該反応の反応温度は、通常−20〜200℃の範囲内であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲内である。該反応に供される臭素の量は、通常式(12)で示される化合物1モルに対して1〜3モルの割合である。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばクロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、濃縮などの後処理操作に付され、目的物が単離される。該目的物は再結晶、クロマトグラフィー等により精製することができる。
式(15)で示される化合物は、式(13)で示される臭素化化合物とNMO(N−メチルモルホリン−N−オキシド)とを反応されることにより製造することができる。該反応の反応温度は、通常−20〜200℃の範囲内であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲内である。該反応に供されるNMOの量は、通常式(13)で示される化合物1モルに対して1〜5モルの割合である。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトニトリル又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、濃縮などの後処理操作に付され、目的物が単離される。該目的物は再結晶、クロマトグラフィー等により精製することができる。
また、式(15)で示される化合物は、式(14)で示される臭素化化合物を含水ピリジン中で加水分解することにより製造することができる。該反応の反応温度は、通常0〜200℃の範囲内であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲内である。該反応に供される含水ピリジンの濃度は、通常20−80%の含水率で、通常式(14)で示される化合物1モルに対して10−100mlを使用する。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N、N−ジメチルホルムアミド等のアミド類又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、濃縮などの後処理操作に付され、目的物が単離される。該目的物は再結晶、クロマトグラフィー等により精製することができる。
式(7−1)で示される化合物は、式(15)で示される化合物とDAST(ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド)とを反応されることにより製造することができる。該反応の反応温度は、通常−20〜70℃の範囲内であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲内である。該反応に供されるDASTの量は、通常式(15)で示される化合物1モルに対して1〜5モルの割合である。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N、N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトニトリル又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、濃縮などの後処理操作に付され、目的物が単離される。該目的物は再結晶、クロマトグラフィー等により精製することができる。
式(7−2)で示される化合物は、式(7−1)で示される化合物を塩基(例えば水酸化カリウム)水溶液で加水分解することにより製造することができる。該反応の反応温度は、通常−20〜100℃の範囲内であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲内である。該反応に供される塩基の量は、通常式(7−1)で示される化合物1モルに対して1〜10モルの割合であり、濃度は0.1〜10Nの範囲内である。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N、N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、メタノール、エタノール等の脂肪族アルコール類又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、中和、濃縮などの後処理操作に付され、目的物が単離される。該目的物は再結晶、クロマトグラフィー等により精製することができる。
本発明における式(8−2)で示される中間体の製造法について説明する。式(8−2)で示される中間体は例えば下記の方法で製造できるが、該化合物の製造法は、これらの製造法に限定するものではない。
Figure 2004035560
(式中、R、R、R、X及びmは請求項4と同一の意味を表わす)。
式(17)及び式(18)で示される臭素化化合物は、式(16)で示される化合物と臭素を光照射化で反応されることにより製造することができる。該反応の反応温度は、通常−20〜200℃の範囲内であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲内である。該反応に供される臭素の量は、通常式(16)で示される化合物1モルに対して1〜3モルの割合である。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばクロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、濃縮などの後処理操作に付され、目的物が単離される。該目的物は再結晶、クロマトグラフィー等により精製することができる。
式(19)で示される化合物は、式(17)で示される臭素化化合物とNMOとを反応されることにより製造することができる。該反応の反応温度は、通常−20〜200℃の範囲内であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲内である。該反応に供されるNMO量は、通常式(17)で示される化合物1モルに対して1〜5モルの割合である。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N、N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトニトリル又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、濃縮などの後処理操作に付され、目的物が単離される。該目的物は再結晶、クロマトグラフィー等により精製することができる。
また、式(19)で示される化合物は、式(18)で示される臭素化化合物を含水ピリジン中で加水分解することにより製造することができる。該反応の反応温度は、通常0〜200℃の範囲内であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲内である。該反応に供される含水ピリジンの濃度は、通常20−80%の含水率で、通常式(18)で示される化合物1モルに対して10−100mlを使用する。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N、N−ジメチルホルムアミド等のアミド類又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、濃縮などの後処理操作に付され、目的物が単離される。該目的物は再結晶、クロマトグラフィー等により精製することができる。
式(8−1)で示される化合物は、式(19)で示される化合物とDASTとを反応されることにより製造することができる。該反応の反応温度は、通常−20〜70℃の範囲内であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲内である。該反応に供されるDASTの量は、通常式(19)で示される化合物1モルに対して1〜5モルの割合である。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N、N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトニトリル又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、濃縮などの後処理操作に付され、目的物が単離される。該目的物は再結晶、クロマトグラフィー等により精製することができる
式(8−2)で示される化合物は、式(8−1)で示される化合物を塩基(例えば水酸化カリウム)水溶液で加水分解することにより製造することができる。該反応の反応温度は、通常−20〜100℃の範囲内であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲内である。該反応に供される塩基の量は、通常式(8−1)で示される化合物1モルに対して1〜10モルの割合であり、濃度は0.1〜10Nの範囲内である。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N、N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、メタノール、エタノール等の脂肪族アルコール類又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、中和、濃縮などの後処理操作に付され、目的物が単離される。該目的物は再結晶、クロマトグラフィー等により精製することができる。
本発明における式(9−2)で示される中間体の製造法について説明する。式(9−2)で示される中間体は例えば下記の方法で製造できるが、該化合物の製造法は、これらの製造法に限定するものではない。
Figure 2004035560
(式中、R、R、R、X及びmは請求項5と同一の意味を表わす)。
式(21)及び式(22)で示される臭素化化合物は、式(20)で示される化合物と臭素を光照射化で反応されることにより製造することができる。該反応の反応温度は、通常−20〜200℃の範囲内であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲内である。該反応に供される臭素の量は、通常式(20)で示される化合物1モルに対して1〜3モルの割合である。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばクロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、濃縮などの後処理操作に付され、目的物が単離される。該目的物は再結晶、クロマトグラフィー等により精製することができる。
式(23)で示される化合物は、式(21)で示される臭素化化合物とNMOとを反応されることにより製造することができる。該反応の反応温度は、通常−20〜200℃の範囲内であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲内である。該反応に供されるNMO量は、通常式(21)で示される化合物1モルに対して1〜5モルの割合である。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N、N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトニトリル又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、濃縮などの後処理操作に付され、目的物が単離される。該目的物は再結晶、クロマトグラフィー等により精製することができる。
また、式(23)で示される化合物は、式(22)で示される臭素化化合物を含水ピリジン中で加水分解することにより製造することができる。該反応の反応温度は、通常0〜200℃の範囲内であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲内である。該反応に供される含水ピリジンの濃度は、通常20−80%の含水率で、通常式(22)で示される化合物1モルに対して10−100mlを使用する。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N、N−ジメチルホルムアミド等のアミド類又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、濃縮などの後処理操作に付され、目的物が単離される。該目的物は再結晶、クロマトグラフィー等により精製することができる。
式(9−1)で示される化合物は、式(23)で示される化合物とDASTとを反応されることにより製造することができる。該反応の反応温度は、通常−20〜70℃の範囲内であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲内である。該反応に供されるDASTの量は、通常式(23)で示される化合物1モルに対して1〜5モルの割合である。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N、N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトニトリル又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、濃縮などの後処理操作に付され、目的物が単離される。該目的物は再結晶、クロマトグラフィー等により精製することができる
式(9−2)で示される化合物は、式(9−1)で示される化合物を塩基(例えば水酸化カリウム)水溶液で加水分解することにより製造することができる。該反応の反応温度は、通常−20〜100℃の範囲内であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲内である。該反応に供される塩基の量は、通常式(9−1)で示される化合物1モルに対して1〜10モルの割合であり、濃度は0.1〜10Nの範囲内である。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N、N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、メタノール、エタノール等の脂肪族アルコール類又はそれらの混合物があげられる。反応終了後の反応液は、中和、濃縮などの後処理操作に付され、目的物が単離される。該目的物は再結晶、クロマトグラフィー等により精製することができる。
(農園芸用殺菌剤)
本発明化合物(式(1)で表される化合物またはその塩)は、広範囲の種類の糸状菌、例えば、藻菌類(Oomycetes)、子のう(嚢)菌類(Ascomycetes)、不完全菌類(Deuteromycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)に属する菌に対しすぐれた殺菌力を有する。本発明化合物を有効成分とする組成物は、花卉、芝、牧草を含む農園芸作物の栽培に際し発生する種々の病害の防除に、種子処理、茎葉散布、土壌施用または水面施用等により使用することができる。
例えば、
テンサイ褐斑病(Cercospora beticola
ラッカセイ褐斑病(Mycosphaerella arachidis
黒渋病(Mycosphaerella berkeleyi
キュウリうどんこ病(Sphaerotheca fuliginea
つる枯病(Mycosphaerella melonis
菌核病(Sclerotinia sclerotiorum
灰色かび病(Botrytis cinerea
黒星病(Cladosporium cucumerinum
トマト 灰色かび病(Botrytis cinerea
葉かび病(Cladosporium fulvum
ナス 灰色かび病(Botrytis cinerea
黒枯病(Corynespora melongenae
うどんこ病(Erysiphe cichoracearum
イチゴ 灰色かび病(Botrytis cinerea
うどんこ病(Sohaerotheca humuli
タマネギ灰色腐敗病(Botrytis allii
灰色かび病(Botrytis cinerea
インゲン菌核病(Sclerotinia sclerotiorum
灰色かび病(Botrytis cinerea
りんご うどんこ病(Podosphaera leucotricha
黒星病(Venturia inaequalis
モニリア病(Monilinia mali
カキ うどんこ病(Phyllactinia kakicola
炭そ病(Gloeosporium kaki
角斑落葉病(Cercospora kaki
モモ・オウトウ灰星病(Monilinia fructicola
ブドウ 灰色かび病(Botrytis cinerea
うどんこ病(Uncinula necator
晩腐病(Glomerella cingulata
ナシ 黒星病(Venturia nashicola
赤星病(Gymnosporangium asiaticum
黒斑病(Alternaria kikuchiana
チャ 輪斑病(Pestalotia theae
炭そ病(Colletotrichum theae−sinensis
カンキツそうか病(Elsinoe fawcetti
青かび病(Penicillium italicum
緑かび病(Penicillium digitatum
灰色かび病(Botrytis cinerea
オオムギうどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.hordei
裸黒穂病(Ustilago nuda
コムギの赤かび病(Gibberella zeae
赤さび病(Puccinia recondita
斑点病(Cochliobolus sativus
眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoid es
ふ枯病(Leptosphaeria nodorum
うどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.tritici
紅色雪腐病(Micronectriella nivalis
イネ いもち病(Pyricularia oryzae
紋枯病(Rhizoctonia solani
馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、
ごま葉枯病(Cochlibolus niyabeanus)、
タバコ 菌核病(Sclerotinia sclerotiorum
うどんこ病(Erysiphe cichoracearum
チューリップ灰色かび病(Botrytis cinerea
ベントグラス雪腐大粒菌核病(Sclerotinia borealis)、
オーチャードグラスのうどんこ病(Erysiphe graminis)、
ダイズ 紫斑病(Cercospora kikuchii)、
ジャガイモ・トマトの疫病(Phytophthora infestans)、
キュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)、
ブドウ べと病(Plasmopara viticola
等の防除に使用することができる。
また、近年種々の病原菌においてベンズイミダゾール系殺菌剤やジカルボキシイミド系殺菌剤等に対する耐性が発達し、それらの薬剤の効力不足を生じており、耐性菌にも有効な薬剤が望まれている。本発明の化合物は、それら薬剤に対し感受性の病原菌のみならず、耐性菌にも優れた殺菌効果を有する薬剤である。
例えば、チオファネートメチル、ベノミル、カルベンダジム等のベンズイミダゾール系殺菌剤に耐性を示す灰色かび病菌(Botrytis cinerea)やテンサイ褐斑病菌(Cercospora beticola)、リンゴ黒星病菌(Venturia in aequalis)、ナシ黒星病菌(Venturia nashicola)に対しても感受性菌と同様に本発明化合物は有効である。
さらに、ジカルボキシイミド系殺菌剤(例えば、ビンクロゾリン、プロシミドン、イプロジオン)に耐性を示す灰色かび病菌(Botrytis cinerea)に対しても感受性菌と同様に本発明化合物は有効である。
適用がより好ましい病害としては、テンサイの褐斑病、コムギのうどんこ病、イネのいもち病、リンゴ黒星病、キュウリの灰色かび病、ラッカセイの褐斑病等が挙げられる。
本発明化合物は、水棲生物が船底、魚網等の水中接触物に付着するのを防止するための防汚剤として使用することもできる。
本発明化合物の中には、殺虫・殺ダニ活性を示すものもある。
本発明殺菌剤は本発明化合物の1種または2種以上を有効成分として含有する。
本発明化合物を実際に施用する際には他成分を加えず純粋な形で使用できるし、また農薬として使用する目的で一般の農薬のとり得る形態、即ち、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、顆粒水和剤等の形態で使用することもできる。
農薬製剤中に添加することのできる添加剤および担体としては、固型剤を目的とする場合は、大豆粉、小麦粉等の植物性粉末、珪藻土、燐灰石、石こう、タルク、ベントナイト、パイロフィライト、クレー等の鉱物性微粉末、安息香酸ソーダ、尿素、芒硝等の有機及び無機化合物が使用される。
また、液体の剤型を目的とする場合は、ケロシン、キシレンおよび石油系の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、トリクロルエチレン、メチルイソブチルケトン、鉱物油、植物油、水等を溶剤として使用することができる。
さらに、これらの製剤において均一かつ安定な形態をとるために、必要に応じ界面活性剤を添加することもできる。添加することができる界面活性剤としては特に限定はないが、例えば、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合物等が挙げられる。
このようにして得られた水和剤、乳剤、フロアブル剤、水溶剤、顆粒水和剤は水で所定の濃度に希釈して溶解液、懸濁液あるいは乳濁液として、粉剤・粒剤はそのまま植物に散布する方法で使用される。
また有効成分量は、通常、組成物(製剤)全体に対して好ましくは0.01〜90重量%であり、より好ましくは0.05〜85重量%である。
製剤化された本発明の殺菌剤組成物は、そのままで、或いは水等で希釈して、植物体、種子、水面または土壌に施用される。施用量は、気象条件、製剤形態、施用磁気、施用方法、施用場所、防除対象病害、対象作物等により異なるが、通常1ヘクタール当たり有効成分化合物量にして1〜1000g、好ましくは10〜100gである。
水和剤、乳剤、懸濁剤、水溶剤、顆粒水和剤等を水で希釈して施用する場合、その施用濃度は1〜1000ppm、好ましくは10〜250ppmであり、粒剤、粉剤等の場合は、希釈することなくそのまま施用する。
なお、本発明化合物は単独でも十分有効であることは言うまでもないが、各種の殺菌剤や殺虫・殺ダニ剤または共力剤の1種または2種以上と混合して使用することもできる。
本発明化合物と混合して使用できる殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、植物生長調節剤の代表例を以下に示す。
殺菌剤:
キャプタン、フォルペット、チウラム、ジラム、ジネブ、マンネブ、マンコゼブ、プロピネブ、ポリカーバメート、クロロタロニル、キントーゼン、キャプタホル、イプロジオン、プロサイミドン、ビンクロゾリン、フルオロイミド、サイモキサニル、メプロニル、フルトラニル、ペンシクロン、オキシカルボキシン、ホセチルアルミニウム、プロパモカーブ、トリアジメホン、トリアジメノール、プロピコナゾール、ジクロブトラゾール、ビテルタノール、ヘキサコナゾール、マイクロブタニル、フルシラゾール、メトコナゾール、エタコナゾール、フルオトリマゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルトリアフェン、ベンコナゾール、ジニコナゾール、サイプロコナゾーズ、フェナリモール、トリフルミゾール、プロクロラズ、イマザリル、ペフラゾエート、トリデモルフ、フェンプロピモルフ、トリホリン、ブチオベート、ピリフェノックス、アニラジン、ポリオキシン、メタラキシル、オキサジキシル、フララキシル、イソプロチオラン、プロベナゾール、ピロールニトリン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、バリダマイシン、硫酸ジヒドロストレプトマイシン、ベノミル、カルベンダジム、チオファネートメチル、ヒメキサゾール、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、フェンチンアセテート、水酸化トリフェニル錫、ジエトフェンカルブ、メタスルホカルブ、キノメチオナート、ビナパクリル、レシチン、重曹、ジチアノン、ジノカップ、フェナミノスルフ、ジクロメジン、グアザチン、ドジン、IBP、エディフェンホス、メパニピリム、フェルムゾン、トリクラミド、メタスルホカルブ、フルアジナム、エトキノラック、ジメトモルフ、ピロキロン、テクロフタラム、フサライド、フェナジンオキシド、チアベンダゾール、トリシクラゾール、ビンクロゾリン、シモキサニル、シクロブタニル、グアザチン、プロパモカルブ塩酸塩、オキソリニック酸、ヒドロキシイソオキサゾール、イミノクタジン酢酸塩等。
殺虫・殺ダニ剤:
有機燐およびカーバメート系殺虫剤:
フェンチオン、フェニトロチオン、ダイアジノン、クロルピリホス、ESP、バミドチオン、フェントエート、ジメトエート、ホルモチオン、マラソン、トリクロルホン、チオメトン、ホスメット、ジクロルボス、アセフェート、EPBP、メチルパラチオン、オキシジメトンメチル、エチオン、サリチオン、シアノホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、ホサロン、メチダチオン、スルプロホス、クロルフェンビンホス、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、プロパホス、イソフェンホス、エチルチオメトン、プロフェノホス、ピラクロホス、モノクロトホス、アジンホスメチル、アルディカルブ、メソミル、チオジカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、プロポキスル、BPMC、MTMC、MIPC、カルバリル、ピリミカーブ、エチオフェンカルブ、フェノキシカルブ、EDDP等。
ピレスロイド系殺虫剤:
ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメスリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、ピレトリン、アレスリン、テトラメスリン、レスメトリン、ジメスリン、プロパスリン、フェノトリン、プロトリン、フルバリネート、シフルトリン、シハロトリン、フルシトリネート、エトフェンプロクス、シクロプロトリン、トロラメトリン、シラフルオフェン、ブロフェンプロクス、アクリナスリン等。
ベンゾイルウレア系その他の殺虫剤:
ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、トリフルムロン、テトラベンズロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、メトプレン、ベンゾエピン、ジアフェンチウロン、アセタミプリド、イミダクロプリド、ニテンピラム、フィプロニル、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、硫酸ニコチン、ロテノン、メタアルデヒド、機械油、BTや昆虫病原ウイルスなどの微生物農薬等。
殺線虫剤:
フェナミホス、ホスチアゼート等。
殺ダニ剤:
クロルベンジレート、フェニソブロモレート、ジコホル、アミトラズ、BPPS、ベンゾメート、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ポリナクチン、キノメチオネート、CPCBS、テトラジホン、アベルメクチン、ミルベメクチン、クロフェンテジン、シヘキサチン、ピリダベン、フェンピロキシメート、テブフェンピラド、ピリミジフェン、フェノチオカルブ、ジエノクロル等。
植物生長調節剤:
ジベレリン類(例えばジベレリンA3、ジベレリンA4、ジベレリンA7)IAA、NAA。
発明実施のための最良の形態:
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
4−クロロ−3−ブロモメチルチオフェン−2−カルボン酸メチルの製造
Figure 2004035560
4−クロロ−3−メチルチオフェン−2−カルボン酸メチル6.90g(36.2mmol)を四塩化炭素70mlに溶解し、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.07g(0.43mmol)を加え、光照射下臭素12.14g(76.0mmol)の四塩化炭素10ml溶液を滴下した。3時間攪拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で分離精製し、目的とする4−クロロ−3−ブロモメチルチオフェン−2−カルボン酸メチル9.76gを得た。収率100%。
4−クロロ−3−ホルミルチオフェン−2−カルボン酸メチルの製造
Figure 2004035560
4−クロロ−3−ブロモメチルチオフェン−2−カルボン酸メチル9.76g(36.2mmol)をアセトニトリル100mlに溶解し、4−メチルモルホリンN−オキシド8.49g(72.5mmol)を加え、室温で反応させた。3時間後反応溶液を水中にあけ、酢酸エチルエステルで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾別後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で分離精製し、目的とする4−クロロ−3−ホルミルチオフェン−2−カルボン酸メチル5.00gを得た。収率67.5%。mp.72−74℃。
4−クロロ−3−ジフルオロメチルチオフェン−2−カルボン酸メチルの製造
Figure 2004035560
4−クロロ−3−ホルミルチオフェン−2−カルボン酸メチル1.00g(4.89mmol)にN,N−ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド2.36g(14.6mmol)を加え、60℃で反応させた。3時間後反応溶液をクロロホルムで希釈後、水中にあけ、炭酸カリウム水溶液で中和した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾別後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で分離精製し、目的とする4−クロロ−3−ジフルオロメチルチオフェン−2−カルボン酸メチル1.00gを得た。収率90.1%。mp.44−47℃。
4−クロロ−3−ジフルオロメチルチオフェン−2−カルボン酸の製造
Figure 2004035560
4−クロロ−3−ジフルオロチオフェン−2−カルボン酸メチル1.00g(4.41mmol)をメタノール10mlに溶解し、水酸化カリウム水溶液[水酸化カリウム0.27g(4.81mmol)・水2ml]を加え、室温で反応させた。1時間後反応溶液を水中にあけ、2N塩酸で中和し、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾別後、減圧濃縮し、粗生成物として4−クロロ−3−ジフルオロメチルチオフェン−2−カルボン酸0.94gを得た。収率100%。mp.180−182℃。
2−(4−クロロ−3−ジフルオロメチルテノイル)ピロールの製造
Figure 2004035560
4−クロロ−3−ジフルオロメチルチオフェン−2−カルボン酸1.56g(7.34mmol)に塩化チオニル3mlを加え、加熱還流を行った。1時間後、過剰の塩化チオニルを留去し、粗生成物として4−クロロ−3−ジフルオロメチルチオフェン−2−カルボン酸クロリドを得た。別の容器にピロール0.59g(8.79mmol)を乾燥したテトラヒドロフラン15mlに溶解させ、エチルマグネシウムブロミドの3.0Mジエチルエーテル溶液5mlを窒素雰囲気下0℃で滴下した。30分加熱還流した後、10℃に冷却し、4−クロロ−3−ジフルオロメチルチオフェン−2−カルボン酸クロリドの乾燥したテトラヒドロフラン5ml溶液を、窒素雰囲気下で滴下した。室温で2時間攪拌した後、反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルエステルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾別後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で分離精製し、目的とする2−(4−クロロ−3−ジフルオロメチルテノイル)ピロール0.76gを得た。収率39.6%、mp.127−129℃。
上記実施例を含め本発明化合物の具体例を第1表〜第3表に記載する。
Figure 2004035560
Figure 2004035560
Figure 2004035560
Figure 2004035560
Figure 2004035560
(農園芸用殺菌剤)
次に、本発明の殺菌剤組成物の実施例を若干示すが、添加物及び添加割合は、これら実施例に限定されるべきものではなく、広範囲に変化させることが可能である。製剤実施例中の部は重量部を示す。
製剤実施例1 水和剤
本発明化合物 40部
クレー 48部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 4部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 8部
以上を均一に混合して微細に粉砕すれば、有効成分40%の水和剤を得る。
製剤実施例2 乳剤
本発明に係わる化合物 10部
ソルベッソ200 53部
シクロヘキサノン 26部
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩 1部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 10部
以上を混合溶解すれば、有効成分10%の乳剤を得る。
製剤実施例3 懸濁剤
本発明に係わる化合物 10部
リグニンスルホン酸ナトリウム 4部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1部
キサンタンガム 0.2部
水 84.8部
以上を混合し、粒度が1ミクロン以下になるまで湿式粉砕すれば、有効成分10%の懸濁剤を得る。
産業上の利用可能性:
本発明に係わる化合物が各種植物病害防除剤の有効成分として有用であることを試験例で示す。防除効果は、調査時の供試植物の発病状態、すなわち葉、茎等に出現した病斑や菌叢の生育程度を肉眼観察し、無処理と比較することで防除効果を求めた。
試験例1 リンゴ黒星病防除試験(予防試験)
素焼きポットで栽培したリンゴ(品種「国光」、3〜4葉期)に、製剤実施例2の乳剤を有効成分100ppmの濃度で散布した。室温で自然乾燥した後、リンゴ黒星病菌(Ven turia inaequalis)の分生胞子を接種し、明暗を12時間毎に繰り返す高湿度の恒温室(20℃)に2週間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた。その結果、以下の化合物が75%以上の優れた防除価を示した。なお、化合物番号は第1から第2表中の化合物番号に対応する。
化合物番号:1−2、1−8
試験例2 インゲン灰色かび病防除試験(予防試験)
育苗バットで栽培したインゲン(品種「ながうずら」)の花を切除し、製剤実施例2の乳剤を有効成分100ppmの濃度に調整した薬液に浸漬した。浸漬後、室温で自然乾燥し、インゲン灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の胞子懸濁液を噴霧接種した。接種した花を無処理のインゲン葉に乗せ、明暗を12時間毎に繰り返す高湿度の恒温室(20℃)に7日間保持した。葉上の病斑直径を無処理と比較調査し、防除効果を求めた。その結果、以下の化合物が75%以上の優れた防除価を示した。なお、化合物番号は第1〜第2表中の化合物番号に対応する。
化合物番号:1−2、1−8

Claims (5)

  1. 式(1)
    Figure 2004035560
    [式中Rは、水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルカルボニルオキシC −6アルキル基またはC1−6アルキルスルホニル基を表す。Qは、酸素原子、硫黄原子または式(2)で表される基を表す。
    Figure 2004035560
    式中Rは、水素原子、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシC1−6アルキル基を表す。
    Aは、式(3)で表される基、式(4)で表される基または式(5)で表される基を表す。
    Figure 2004035560
    式中Rは、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、ニトロ基、シアノ基、C1−6ハロアルキル基または式(6)で表される基を表す。
    Figure 2004035560
    式中Rは、水素原子、C1−6アルキル基またはC1−6トリアルキルシリル基を表す。
    は、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、C1−6アルキル基またはC1−6ハロアルキル基を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC1−6ハロアルキル基を表す。
    Xは、硫黄原子または酸素原子を表す。mは、0または1〜2の整数を表す。]で表されるピロール誘導体及び塩。
  2. 式(1)
    Figure 2004035560
    (式中、R、Q、及びAは請求項1と同一の意味を表す。)で表されるピロール誘導体またはその塩の1種もしくは2種以上を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤。
  3. 式(7)
    Figure 2004035560
    (式中、R、R、R、X及びmは請求項1と同一の意味を表し、Rは水素原子またはC1−6アルキル基を表す。)で表される化合物。
  4. 式(8)
    Figure 2004035560
    (式中、R、R、R、X及びmは請求項1と同一の意味を表し、Rは水素原子またはC1−6アルキル基を表す。)で表される化合物。
  5. 式(9)
    Figure 2004035560
    (式中、R、R、R、X及びmは請求項1と同一の意味を表し、Rは水素原子またはC1−6アルキル基を表す。)で表される化合物。
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