JP2006327973A - アリール複素環誘導体および農園芸用殺菌剤 - Google Patents

アリール複素環誘導体および農園芸用殺菌剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2006327973A
JP2006327973A JP2005152286A JP2005152286A JP2006327973A JP 2006327973 A JP2006327973 A JP 2006327973A JP 2005152286 A JP2005152286 A JP 2005152286A JP 2005152286 A JP2005152286 A JP 2005152286A JP 2006327973 A JP2006327973 A JP 2006327973A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
alkyl group
compound
atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005152286A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Tanigawa
寿 谷川
Mutsuyuki Saiga
睦幸 斎賀
Yoshihiko Hara
良彦 原
Homare Yamanaka
誉 山中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soda Co Ltd filed Critical Nippon Soda Co Ltd
Priority to JP2005152286A priority Critical patent/JP2006327973A/ja
Publication of JP2006327973A publication Critical patent/JP2006327973A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】工業的に有利に製造でき、効果が確実で安全に使用できる農園芸用殺菌剤となりうる、新規アリール複素環誘導体及びその塩、並びにこの化合物を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤を提供する。
【解決手段】式(1)
Figure 2006327973

で表されるアリ−ル複素環誘導体又はその塩、及びこの化合物を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規なアリール複素環誘導体またはその塩、及びこの化合物を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤に関する。
本発明に関連して、特許文献1には、下記式で示される化合物が殺菌活性を有する旨が開示されている。
Figure 2006327973
(Zは置換されていてもよい複素環基等を、Aは、NR、NRで表される基等を、G3、4は酸素原子等を、Xnはハロゲン原子等を、Rはアルキル基等をそれぞれ示す。)
しかしながら、この文献にはZの複素環基でチアゾールのものは記載されておらす、Xnがベンゼン環と縮環して、例えばインダン環となった化合物は記載されていない。
また、本発明化合物と類似した化合物として、例えば、特許文献2には、下記式に示すアリ−ル複素環化合物が開示されているが、ベンゼン環上の置換基がインダンのような飽和環を形成する化合物が記載されておらず、殺菌活性がある旨も記載されていない。
Figure 2006327973
国際公開第2004/093544号パンフレット 国際公開第97/02257号パンフレット
農園芸作物の栽培に当り、作物の病害に対して多数の防除薬剤が使用されているが、その防除効力が不十分であったり、薬剤耐性の病原菌の出現によりその使用が制限されたり、また植物体に薬害や汚染を生じたり、あるいは人畜魚類に対する毒性や環境への影響の観点から、必ずしも満足すべき防除薬とは言い難いものが少なくない。従って、かかる欠点の少ない安全に使用できる薬剤の出現が強く要請されている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、工業的に有利に製造でき、効果が確実で安全に使用できる農園芸用殺菌剤となりうる、新規アリール複素環誘導体及びその塩、並びにこの化合物を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤を提供することを課題とする。
本発明は第1に、式(1)
Figure 2006327973
[式中、RはC1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基を表す。kは1または2を表し、Tは下記の式(2)、式(3)または式(4)で表されるいずれかの基を表す。
Figure 2006327973
(式中、R、Rは各々独立して、水素原子、C1−6アルキル基、またはC1−6アルキルカルボニル基を表す。R、Rは各々独立して、水素原子またはC1−6アルキル基を表す。nは1〜4の整数を表す。Qは、置換されていてもよい複素環基を表す。)]で示されるアリ−ル複素環誘導体またはその塩を提供する。
本発明のアリ−ル複素環誘導体またはその塩においては、前記Qが、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含有する5乃至6員の複素環基であることが好ましく、前記Qが、式(5)
Figure 2006327973
(式中、Rは、水素原子;C1−6アルキル基;Gで置換されてもよいフェニル基;アルキル基部分がGで置換されてもよく、ベンゼン環部分がGで置換されてもよい、フェニルC1−6アルキル基;または2,3−ジヒドロベンゾフリル基;を表す。
はハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルチオ基またはC1−6ハロアルキル基を表し、GはC1−6アルキル基を表し、複数個のGで置換されている場合、G同士で環を形成してもよい。
は水素原子またはC1−6アルキル基を表す。)]で表される基であることがより好ましい。
本発明は第2に、本発明のアリ−ル複素環誘導体またはその塩の1種または2種以上を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤を提供する。
前記式(1)で表されるアリール複素環またはその塩の1種または2種以上を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤は優れた殺菌効果を示す。
1)式(1)で示されるアリ−ル複素環誘導体またはその塩
本発明の第1は、前記式(1)で示されるアリ−ル複素環誘導体またはその塩である。 前記式(1)の定義において、C1−6アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等を、C1−6アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等を、また、C1−6アルキルカルボニル基としては、アセチル基,プロピオニル基、ブチリル基等を、それぞれ例示することができる。
置換されていてもよい複素環基の複素環基としては、特に制限されないが、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含有する5乃至6員の複素環基が好ましい。
その具体例としては、チアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、チエニル基、ジヒドロチエニル基、テトラヒドロチエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ジヒドロフリル基、テトラヒドロフリル基、ピリジル基、ジヒドロピリジル基、テトラヒドロピリジル基、ピリミジル基、ジヒドロピリミジル基、テトラヒドロピリミジル基、ヘキサヒドロピリミジル基、ピリダジニル基、ジヒドロピリダジニル基、テトラヒドロピリダジル基、ヘキサヒドロピリダジル基、ピラジニル基、ジヒドロピラジニル基、テトラヒドロピラジニル基等が挙げられる。
また複素環の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;シアノ基;水酸基;メチル基、エチル基等のC1−6アルキル基;等を例示することができる。
これらの中でも、前記置換基を有していてもよい複素環基としては、置換基を有していてもよいチアゾリル基が好ましく、式(5)
Figure 2006327973
(式中、Rは水素原子;C1−6アルキル基;Gで置換されてもよいフェニル基;アルキル基部分がGで置換されてもよく、ベンゼン環部分がGで置換されてもよいフェニルC1−6アルキル基;または2,3−ジヒドロベンゾフリル基;を表す。Rは水素原子またはC1−6アルキル基を表す。Gはハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルチオ基またはC1−6ハロアルキル基を表し、GはC1−6アルキル基を表し、Gが複数存在する場合、G同士で環を形成してもよい。)]で表される基が特に好ましい。
上記式(5)の定義において、C1−6アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等を、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等を、C1−6アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等を、フェニルC1−6アルキル基としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−メチルエチル基、1−フェニルプロピル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基等を、C1−6アルキルチオ基としては、メチルチオ基,エチルチオ基,n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基等を、C1−6ハロアルキル基としては、クロロメチル基、フルオロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、ジフルオロメチル基、ジブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリブロモメチル基、トリクロロエチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等を、それぞれ例示することができる。
およびGが複数個置換されている場合、その置換基は同一であっても異なるものであってもよい。
また、アルキル基部分が1または複数のGで置換されてもよく、ベンゼン環部分がGで置換されてもよいフェニルC1−6アルキル基のうち、G同士で環を形成してもよい例として、以下のような化合物を示すことができる。
Figure 2006327973
(式中、G、Rは前記と同じ意味を表す。)
次に、本発明における式(1)で示されるアリール複素環誘導体の製造法について説明する。
前記式(1)で示されるアリール複素環誘導体は、例えば下記に示す製造法で製造することができる。もちろん、下記に示す製造法はあくまで例示であって、式(1)で示されるアリール複素環誘導体の製造法は、これらに限定されるものではない。
(製造法1)
式(1)で示される本発明化合物は、下記の化学反応式に従って、式(I)及び式(II)で示される化合物から、所望により塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
Figure 2006327973
(式中、R、R、R、T及びkは前記と同じ意味を表す。Yは、ハロゲン等の脱離基を表す。)
この反応は、溶媒中または無溶媒で行うことができる。
用いる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒;メタノール、エタノール等のアルコール類;アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;水;及びこれら2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
用いる塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基;ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基;等が挙げられる。
塩基の使用量は、式(I)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
反応温度は、−78℃〜+200℃の温度範囲、好適には−20℃〜+100℃の温度範囲である。
反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、通常30分〜100時間である。
反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の公知慣用の精製手段により容易に精製できる。
(製造法2)
式(1)で示されるアリール複素環誘導体のうち、式(1−2)で示される本発明化合物は、下記の化学反応式に従って、式(1−1)で示される本発明化合物から、酸化剤の存在下、所望により塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
Figure 2006327973
(式中、R、Qおよびkは前記と同じ意味を表す。)
本反応は溶媒中または無溶媒で行うことができる。
用いる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒;メタノール、エタノール等のアルコール類:水;及びこれら2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
用いる酸化剤としては、臭素などのハロゲン類;過酸化水素等の過酸化物類;パラジウム等の金属類;酸化水銀等の金属酸化物:N−クロロサクシンイミド、N−ブロモサクシンイミド;等が挙げられる。
酸化剤の使用量は、式(1−1)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
用いる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基;ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基;等が挙げられる。
塩基の使用量は、式(1−1)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
反応の温度は、−78℃〜+200℃の温度範囲、好適には−20℃〜+100℃の温度範囲である。
反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間である。
反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の公知慣用の精製手段により容易に精製できる。
(中間体の製造1)
下記式(Ia)で示される中間体化合物は、式(III)で表される化合物及び硫化水素、もしくは式(IV)で示されるチオアルキルアミドから、所望により塩基あるいは酸存在下に反応させることにより、下記の化学反応式に従って製造することができる。
Figure 2006327973
(式中、R、T及びkは前記と同じ意味を表し、RはC1−6アルキル基を表す。)
本反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。
用いる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;水;及びこれら2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
硫化水素の使用量は、式(III)で示される化合物に対し、通常1〜100倍モルの範囲であり、好適には10〜20倍モルである。
式(IV)で示されるチオアルキルアミドの使用量は、式(III)で示される化合物に対し、通常1〜5倍モルの範囲であり、好適には1〜3倍モルである。
用いる塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基;及びこれらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒系;が挙げられる。
塩基の使用量は、式(III)で示される化合物に対し、通常1〜100倍モル、好ましくは1〜20倍モルである。
用いる酸としては、蟻酸、塩酸、臭化水素酸等の無機酸等が挙げられる。
酸の使用量は、式(III)で示される化合物に対し通常1〜100倍モル、好ましくは1〜10倍モルである。
反応の温度は、0℃〜200℃の温度範囲、好適には0℃〜100℃の温度範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の公知慣用の精製手段により容易に精製して、目的物を単離することができる。
(中間体の製造2)
前記式(III)で示される中間体化合物のうち、式(III−1)で示される中間体化合物は、下記の化学反応式に従って、式(V)で示されるアミノ体から、通常のジアゾ化及び還元反応により、式(VI)で示されるヒドラジン化合物を製造した後、式(VI)及び式(VII)で示される化合物から、所望により塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
Figure 2006327973
(式中、R、kは前記と同じ意味を表し、Yはハロゲン等の脱離基を表す。)
式(VI)と式(VII)との反応は溶媒存在下または無溶媒で行うことができる。
用いる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒;アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;水;及びこれら2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
式(VII)で示される化合物の使用量は通常1〜5倍モルの範囲であり、好適には1〜2倍モルである。
用いる塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基;ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基;等が挙げられる。
塩基の使用量は。式(VI)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
反応の温度は、−78℃〜+200℃の温度範囲、好適には−20℃〜+100℃の温度範囲である。
反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の公知慣用の精製手段により容易に精製することができる。
(中間体の製造3)
式(V)で示される中間体化合物は、下記の化学反応式に従って、式(VIII)で示されるニトリル化合物から、通常のニトロ化反応により、式(IX)で示されるニトロ体を製造した後、式(IX)で示されるニトロ体の還元反応により製造することができる。
Figure 2006327973
(式中、kは前記と同じ意味を表す。)
式(VIII)で示されるニトリル化合物は、例えば、文献記載の方法(WO2004/000792号パンフレット)により製造することができる。
次に、農園芸用殺菌剤について説明する。
本発明化合物(式(1)で表されるアリール複素環誘導体またはその塩)は、広範囲の種類の糸状菌、例えば、藻菌類(Oomycetes)、子のう(嚢)菌類(Ascomycetes),不完全菌類(Deuteromycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)に属する菌に対しすぐれた殺菌力を有する。
本発明化合物を有効成分とする組成物は、花卉、芝、牧草を含む農園芸作物の栽培に際し発生する種々の病害の防除に、種子処理、茎葉散布、土壌施用または水面施用等により使用することができる。
例えば、
テンサイ 褐斑病(Cercospora beticola)
ラッカセイ 褐斑病(Mycosphaerella arachidis)
黒渋病(Mycosphaerella berkeleyi)
キュウリ うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)
つる枯病(Mycosphaerella melonis)
菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)
灰色かび病(Botrytis cinerea)
黒星病(Cladosporium cucumerinum)
トマト 灰色かび病(Botrytis cinerea)
葉かび病(Cladosporium fulvum)
ナス 灰色かび病(Botrytis cinerea)
黒枯病(Corynespora melongenae)
うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)
イチゴ 灰色かび病(Botrytis cinerea)
うどんこ病(Sohaerotheca humuli)
タマネギ 灰色腐敗病(Botrytis allii)
灰色かび病(Botrytis cinerea)
インゲン 菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)
灰色かび病(Botrytis cinerea)
りんご うどんこ病(Podosphaera leucotricha)
黒星病(Venturia inaequalis)
モニリア病(Monilinia mali)
カキ うどんこ病(Phyllactinia kakicola)
炭そ病(Gloeosporium kaki)
角斑落葉病(Cercospora kaki)
モモ・オウトウ 灰星病(Monilinia fructicola)
ブドウ 灰色かび病(Botrytis cinerea)
うどんこ病(Uncinula necator)
晩腐病(Glomerella cingulata)
ナシ 黒星病(Venturia nashicola)
赤星病(Gymnosporangium asiaticum)
黒斑病(Alternaria kikuchiana)
チャ 輪斑病(Pestalotia theae)
炭そ病(Colletotrichum theae−sinensis)
カンキツ そうか病(Elsinoe fawcetti)
青かび病(Penicillium italicum)
緑かび病(Penicillium digitatum)
灰色かび病(Botrytis cinerea)
オオムギ うどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.hordei)
裸黒穂病(Ustilago nuda)
コムギの赤かび病(Gibberella zeae)
赤さび病(Puccinia recondita)
斑点病(Cochliobolus sativus)
眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)
ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)
うどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.tritici)
紅色雪腐病(Micronectriella nivalis)
イネ いもち病(Pyricularia oryzae)
紋枯病(Rhizoctonia solani)
馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、
ごま葉枯病(Cochliobolus niyabeanus)、
タバコ 菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)
うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)
チューリップ 灰色かび病(Botrytis cinerea)
ベントグラス 雪腐大粒菌核病(Sclerotinia borealis)、
オーチャードグラスのうどんこ病(Erysiphe graminis)、
ダイズ 紫斑病(Cercospora kikuchii)、
ジャガイモ・トマトの疫病(Phytophthora infestans)、
キュウリ べと病(Pseudoperonospora cubensis)、
ブドウ べと病(Plasmopara viticola)、等の防除に使用することができる。
また、近年種々の病原菌においてベンズイミダゾール系殺菌剤やジカルボキシイミド系殺菌剤等に対する耐性が発達し、それらの薬剤の効力不足を生じており、耐性菌にも有効な薬剤が望まれている。本発明の化合物は、それら薬剤に対し感受性の病原菌のみならず、耐性菌にも優れた殺菌効果を有する薬剤である。
例えば、チオファネートメチル、ベノミル、カルベンダジム等のベンズイミダゾール系殺菌剤に耐性を示す灰色かび病菌(Botrytis cinerea)やテンサイ褐斑病菌(Cercospora beticola)、リンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)、ナシ黒星病菌(Venturia nashicola)に対しても感受性菌と同様に本発明化合物は有効である。
さらに、ジカルボキシイミド系殺菌剤(例えば、ビンクロゾリン、プロシミドン、イプロジオン)に耐性を示す灰色かび病菌(Botrytis cinerea)に対しても感受性菌と同様に本発明化合物は有効である。
適用がより好ましい病害としては、テンサイの褐斑病、コムギのうどんこ病、イネのいもち病、リンゴ黒星病、キュウリの灰色かび病、ラッカセイの褐斑病等が挙げられる。
また本発明化合物は薬害が少なく、魚類や温血動物への毒性が低く、安全性の高い薬剤である。本発明殺菌剤は本発明化合物の1種または2種以上を有効成分として含有する。
本発明化合物を実際に施用する際には他成分を加えず純粋な形で使用できるし、また農薬として使用する目的で一般の農薬のとり得る形態、即ち、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、顆粒水和剤等の形態で使用することもできる。
農薬製剤中に添加することのできる添加剤および担体としては、固型剤を目的とする場合は、大豆粉、小麦粉等の植物性粉末、珪藻土、燐灰石、石こう、タルク、ベントナイト、パイロフィライト、クレー等の鉱物性微粉末、安息香酸ソーダ、尿素、芒硝等の有機及び無機化合物が使用される。
また、液体の剤型を目的とする場合は、ケロシン、キシレンおよび石油系の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、トリクロルエチレン、メチルイソブチルケトン、鉱物油、植物油、水等を溶剤として使用することができる。
さらに、これらの製剤において均一かつ安定な形態をとるために、必要に応じ界面活性剤を添加することもできる。
添加することができる界面活性剤としては特に限定はないが、例えば、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
このようにして得られた水和剤、乳剤、フロアブル剤,水溶剤,顆粒水和剤は水で所定の濃度に希釈して溶解液,懸濁液あるいは乳濁液として、粉剤・粒剤はそのまま植物に散布する方法で使用される。
また有効成分量は、通常、組成物(製剤)全体に対して好ましくは0.01〜90重量%であり、より好ましくは0.05〜85重量%である。
製剤化された本発明の殺菌剤組成物は、そのままで、或いは水等で希釈して、植物体、種子、水面または土壌に施用される。施用量は、気象条件、製剤形態、施用磁気、施用方法、施用場所、防除対象病害、対象作物等により異なるが、通常1ヘクタール当たり有効成分化合物量にして1〜1,000g、好ましくは10〜100gである。
水和剤、乳剤、懸濁剤、水溶剤、顆粒水和剤等を水で希釈して施用する場合、その施用濃度は1〜1000ppm、好ましくは10〜250ppmであり、粒剤、粉剤等の場合は、希釈することなくそのまま施用する。
本発明化合物は単独でも十分有効であることは言うまでもないが、各種の殺菌剤や殺虫・殺ダニ剤または共力剤の1種または2種以上と混合して使用することもできる。
本発明化合物と混合して使用できる殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、植物生長調節剤の代表例を以下に示す。
殺菌剤:
キャプタン、フォルペット、チウラム、ジラム、ジネブ、マンネブ、マンコゼブ、プロピネブ、ポリカーバメート、クロロタロニル、キントーゼン、キャプタホル、イプロジオン、プロサイミドン、ビンクロゾリン、フルオロイミド、サイモキサニル、メプロニル、フルトラニル、ペンシクロン、オキシカルボキシン、ホセチルアルミニウム、プロパモカーブ、トリアジメホン、トリアジメノール、プロピコナゾール、ジクロブトラゾール、ビテルタノール、ヘキサコナゾール、マイクロブタニル、フルシラゾール、メトコナゾール、エタコナゾール、フルオトリマゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルトリアフェン、ベンコナゾール、ジニコナゾール、サイプロコナゾーズ、フェナリモール、トリフルミゾール、プロクロラズ、イマザリル、ペフラゾエート、トリデモルフ、フェンプロピモルフ、トリホリン、ブチオベート、ピリフェノックス、アニラジン、ポリオキシン、メタラキシル、オキサジキシル、フララキシル、イソプロチオラン、プロベナゾール、ピロールニトリン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、バリダマイシン、硫酸ジヒドロストレプトマイシン、ベノミル、カルベンダジム、チオファネートメチル、ヒメキサゾール、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、フェンチンアセテート、水酸化トリフェニル錫、ジエトフェンカルブ、メタスルホカルブ、キノメチオナート、ビナパクリル、レシチン、重曹、ジチアノン、ジノカップ、フェナミノスルフ、ジクロメジン、グアザチン、ドジン、IBP、エディフェンホス、メパニピリム、フェルムゾン、トリクラミド、メタスルホカルブ、フルアジナム、エトキノラック、ジメトモルフ、ピロキロン、テクロフタラム、フサライド、フェナジンオキシド、チアベンダゾール、トリシクラゾール、ビンクロゾリン、シモキサニル、シクロブタニル、グアザチン、プロパモカルブ塩酸塩、オキソリニック酸、ヒドロキシイソオキサゾール、イミノクタジン酢酸塩等。
殺虫・殺ダニ剤:
有機燐およびカーバメート系殺虫剤:
フェンチオン、フェニトロチオン、ダイアジノン、クロルピリホス、ESP、バミドチオン、フェントエート、ジメトエート、ホルモチオン、マラソン、トリクロルホン、チオメトン、ホスメット、ジクロルボス、アセフェート、EPBP、メチルパラチオン、オキシジメトンメチル、エチオン、サリチオン、シアノホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、ホサロン、メチダチオン、スルプロホス、クロルフェンビンホス、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、プロパホス、イソフェンホス、エチルチオメトン、プロフェノホス、ピラクロホス、モノクロトホス、アジンホスメチル、アルディカルブ、メソミル、チオジカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、プロポキスル、BPMC、MTMC、MIPC、カルバリル、ピリミカーブ、エチオフェンカルブ、フェノキシカルブ、EDDP等。
ピレスロイド系殺虫剤:
ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメスリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、ピレトリン、アレスリン、テトラメスリン、レスメトリン、ジメスリン、プロパスリン、フェノトリン、プロトリン、フルバリネート、シフルトリン、シハロトリン、フルシトリネート、エトフェンプロクス、シクロプロトリン、トロラメトリン、シラフルオフェン、ブロフェンプロクス、アクリナスリン等。
ベンゾイルウレア系その他の殺虫剤:
ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、トリフルムロン、テトラベンズロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、メトプレン、ベンゾエピン、ジアフェンチウロン、アセタミプリド、イミダクロプリド、ニテンピラム、フィプロニル、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、硫酸ニコチン、ロテノン、メタアルデヒド、機械油、BTや昆虫病原ウイルスなどの微生物農薬等。
殺線虫剤:
フェナミホス、ホスチアゼート等。
殺ダニ剤:
クロルベンジレート、フェニソブロモレート、ジコホル、アミトラズ、BPPS、ベンゾメート、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ポリナクチン、キノメチオネート、CPCBS、テトラジホン、アベルメクチン、ミルベメクチン、クロフェンテジン、シヘキサチン、ピリダベン、フェンピロキシメート、テブフェンピラド、ピリミジフェン、フェノチオカルブ、ジエノクロル等。
植物生長調節剤:
ジベレリン類(例えばジベレリンA3 、ジベレリンA4 、ジベレリンA7 )IAA、NAA。
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されることはない。
(実施例1)7−アミノインダン−5−カルボニトリルの製造
Figure 2006327973
鉄粉1.71gと水15mlの混合物中に、攪拌しながら酢酸0.92gを加えた。そこへ、7−ニトロインダン−5−カルボニトリル1.44g(7.65mmol)のアセトン15ml溶液を70℃にて滴下した後、90℃まで昇温した。3時間撹拌した後、反応液を放冷しセライトろ過を行い不溶物を除いた。ろ液を酢酸エチルにて抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、ろ過した。ろ液から溶媒を減圧留去することにより、目的とする7−アミノインダン−5−カルボニトリル0.89gを得た。収率74%
(実施例2)2−(6−シアノインダン−4−イル)カルバジン酸メチルの製造
Figure 2006327973
7−アミノインダン−5−カルボニトリル0.82g(5.18mmol)を50%硫酸16mlに溶解させた。この溶液に、亜硝酸ナトリウム0.53g(7.68mmol)を0℃で加えた。この溶液を、塩化第1スズ1.97g(10.39mmol)を濃塩酸5mlに溶解させた溶液に−10℃にて加えた後、同温度で30分間撹拌した。反応液に氷水を加えた後、2N−水酸化ナトリウム水溶液で中和した。不溶物をろ過により取り除き、ろ液を酢酸エチルにより抽出した。有機層を水洗した後、無水無水硫酸マグネシウムで乾燥しろ過した。ろ液を濃縮して得られた析出物(粗生成物)をTHF10mlに溶解した。この溶液に、0℃にてクロロ蟻酸メチル0.59g(6.24mmol)、ピリジン0.62g(7.84mmol)を加え、30分撹拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、ろ過した。ろ液から溶媒を減圧留去して得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=7:3(w/w))にて精製して、目的とする2−(6−シアノインダン−4−イル)カルバジン酸メチル0.81gを得た。収率68%
(実施例3)2−(6−チオカルバモイルインダン−4−イル)カルバジン酸メチルの製造
Figure 2006327973
塩酸−N,N−ジメチルホルムアミド溶液(1:1(w/w))4mlに、2−(6−シアノインダン−4−イル)カルバジン酸メチル0.81g(3.50mmol)を加え、さらに室温にてチオアセトアミド0.53g(7.05mmol)を加えた。40℃で3時間攪拌したのち、室温まで放冷した。反応液を氷水中にあけ、析出した結晶をろ取し、水洗、n−ヘキサン洗することにより、2−(6−チオカルバモイルインダン−4−イル)カルバジン酸メチル0.42gを得た。収率45%
(実施例4)2−{6−[4−(4−クロロフェニル)チアゾール−2−イル]インダン−4−イル}カルバジン酸メチル(化合物番号1の6)の製造
Figure 2006327973
2−(6−チオカルバモイルインダン−4−イル)カルバジン酸メチル0.20g(0.75mmol)をメタノール5mlに溶解した。この溶液に、室温にて4−クロロフェナシルブロミド0.18g(0.77mmol)を加えた後、2時間還流した。反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、ろ過した。ろ液から溶媒を減圧留去して得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン−酢酸エチル=7:3(w/w))にて精製して、目的とする2−{6−[4−(4−クロロフェニル)チアゾール−2−イル]インダン−4−イル}カルバジン酸メチル0.19gを得た。収率65%
以上の製造例によって製造された化合物を、下記第1表に示す。
Figure 2006327973
次に、本発明の殺菌殺虫剤組成物の実施例を若干示すが、添加物及び添加割合は、これら実施例に限定されるべきものではなく、広範囲に変化させることが可能である。製剤実施例中の部は重量部を示す。
製剤実施例1 水和剤
本発明化合物 40部
クレー 48部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 4部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 8部
以上を均一に混合して微細に粉砕して、有効成分40%の水和剤を得た。
製剤実施例2 乳剤
本発明化合物 10部
ソルベッソ200 53部
シクロヘキサノン 26部
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩 1部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 10部
以上を混合溶解して、有効成分10%の乳剤を得た。
製剤実施例3 粉剤
本発明化合物 10部
クレー 90部
以上を均一に混合、微細に粉砕して、有効成分10%の粉剤を得た。
製剤実施例4 粒剤
本発明化合物 5部
クレー 73部
ベントナイト 20部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 1部
リン酸カリウム 1部
以上をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して有効成分5%の粒剤を得た。
製剤実施例5 懸濁剤
本発明化合物 10部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 4部
ポリカルボン酸ナトリウム塩 2部
グリセリン 10部
キサンタンガム 0.2部
水 73.8部
以上を混合し、粒度が3ミクロン以下になるまで湿式粉砕して、有効成分10%の懸濁剤を得た。
製剤実施例6 顆粒水和剤
本発明化合物 40部
クレー 36部
塩化カリウム 10部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 1部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 8部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩の
ホルムアルデヒド縮合物 5部
以上を均一に混合して微細に粉砕後,適量の水を加えてから練り込んで粘土状にした。粘土状物を造粒した後乾燥し、有効成分40%の顆粒水和剤を得た。
次に、本発明化合物が各種植物病害防除剤および殺虫剤の有効成分として有用であることを試験例で示す。
試験例1 リンゴ黒星病防除試験
素焼きポットで栽培したリンゴ幼苗(品種「国光」、3〜4葉期)に、本発明化合物の乳剤を有効成分100ppmの濃度で散布した。室温で自然乾燥した後、リンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)の分生胞子を接種し、明暗を12時間毎にくりかえす20℃、高湿度の室内に2週間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた結果、化合物番号1の1、1の6、1の7、1の10、1の11の化合物が75%以上の優れた防除価を示した。
試験例2 コムギうどんこ病防除試験
素焼きポットで栽培したコムギ幼苗(品種「チホク」、1.0〜1.2葉期)に本発明化合物の水和剤100ppmの濃度で散布した。葉を風乾させた後、コムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis f.sp.tritici)の分生胞子を振り払い接種し、22〜25℃の温室で7日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた。その結果、化合物番号1の1、1の6、1の7、1の10、1の11の化合物が75%以上の優れた防除価を示した。
試験例3 トマト疫病防除試験
素焼きポットで栽培したトマト幼苗(品種「レジナ」、4〜5葉期)に、本発明化合物の乳剤を有効成分100ppmの濃度で散布した。散布後、室温で自然乾燥し、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)の遊走子嚢懸濁液を噴霧接種し、明暗を12時間毎に繰り返す高湿度の恒温室(20℃)に4日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた。その結果、化合物番号化合物番号1の1、1の6、1の7、1の10、1の11の化合物が75%以上の優れた防除価を示した。
試験例4 コムギ赤さび病防除試験
素焼きポットで栽培したコムギ幼苗(品種「農林61号」、1.0〜1.2葉期)に本発明化合物の水和剤100ppmの濃度で散布した。葉を風乾させた後、コムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)の夏胞子を振り払い接種し、22〜25℃の温室で10日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた。その結果、化合物番号化合物番号1の1、1の6、1の7、1の10、1の11の化合物が75%以上の優れた防除価を示した。

Claims (4)

  1. 式(1)
    Figure 2006327973
    [式中、RはC1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基を表す。kは1または2を表し、Tは下記の式(2)、式(3)または式(4)で表されるいずれかの基を表す。
    Figure 2006327973
    (式中、R、Rは各々独立して、水素原子、C1−6アルキル基、またはC1−6アルキルカルボニル基を表す。R、Rは各々独立して、水素原子またはC1−6アルキル基を表す。nは1〜4の整数を表す。Qは、置換されていてもよい複素環基を表す。)]で示されるアリ−ル複素環誘導体またはその塩。
  2. Qが、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含有する5乃至6員の複素環基である請求項1記載の化合物。
  3. Qが、式(5)
    Figure 2006327973
    (式中、Rは、水素原子;C1−6アルキル基;Gで置換されてもよいフェニル基;アルキル基部分がGで置換されてもよく、ベンゼン環部分がGで置換されてもよい、フェニルC1−6アルキル基;または2,3−ジヒドロベンゾフリル基;を表す。
    はハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルチオ基またはC1−6ハロアルキル基を表し、GはC1−6アルキル基を表し、複数個のGで置換されている場合、G同士で環を形成してもよい。
    は水素原子またはC1−6アルキル基を表す。)]
    で表される基である請求項1記載の化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の化合物の1種または2種以上を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用殺菌剤。

JP2005152286A 2005-05-25 2005-05-25 アリール複素環誘導体および農園芸用殺菌剤 Pending JP2006327973A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005152286A JP2006327973A (ja) 2005-05-25 2005-05-25 アリール複素環誘導体および農園芸用殺菌剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005152286A JP2006327973A (ja) 2005-05-25 2005-05-25 アリール複素環誘導体および農園芸用殺菌剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006327973A true JP2006327973A (ja) 2006-12-07

Family

ID=37550046

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005152286A Pending JP2006327973A (ja) 2005-05-25 2005-05-25 アリール複素環誘導体および農園芸用殺菌剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006327973A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013509408A (ja) * 2009-10-29 2013-03-14 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 複素二環置換されたアゾリルベンゼン殺菌・殺カビ剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013509408A (ja) * 2009-10-29 2013-03-14 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 複素二環置換されたアゾリルベンゼン殺菌・殺カビ剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4451849B2 (ja) アリール複素環誘導体および農園芸用殺菌剤および殺虫剤
JP5133985B2 (ja) テトラゾイルオキシム誘導体および植物病害防除剤
JPH10324687A (ja) ピロール化合物、製法および農園芸用殺菌剤
JP5215321B2 (ja) オキシムエーテル誘導体および農園芸用殺菌剤
JP4726373B2 (ja) オキシムo−エーテル化合物および農園芸用殺菌剤
JP2005145840A (ja) 縮合ヘテロ環誘導体及び農園芸用殺菌剤
EP1114820A1 (en) Thiazolylcinnamonitriles and pest controlling agents
JP2002308879A (ja) 5−ハロアルキル−アゾロピリミジン化合物、製造方法及び有害生物防除剤
JP4387950B2 (ja) ヒドラジン誘導体、製造中間体および農園芸用殺菌剤および殺虫剤
JPH08193067A (ja) ピラゾール化合物、製法、農園芸用殺菌剤および殺虫・殺ダニ剤
JP2002212157A (ja) アシルアミノサリチル酸誘導体、製造法及び農園芸用殺菌剤
JP2007008891A (ja) ヒドラジンカルボン酸誘導体および農園芸用殺菌剤
JPH09124640A (ja) ピリジルイミダゾール化合物、製法および農園芸用殺菌剤
JP2006327973A (ja) アリール複素環誘導体および農園芸用殺菌剤
JPWO2004011445A1 (ja) アミノサリチル酸アミド誘導体、製造法及び農園芸用殺菌剤
JP2007161621A (ja) 含窒素複素環化合物及び農園芸用殺菌剤
JPH08217754A (ja) イミダゾール化合物、殺虫・殺ダニ剤及び農園芸用殺菌剤
JP2008290945A (ja) アリール複素環誘導体及び農園芸用殺菌剤
JPH09235262A (ja) 新規ベンズアミドオキシム誘導体、その製法及び農園芸用殺菌剤
AU769975B2 (en) Thiazolylcinnamonitrile compounds and insecticides and miticides
JP2002308878A (ja) アゾロピリミジン化合物、その製造方法及び農園芸用殺菌剤
JP2004323516A (ja) 3−アシルアミノサリチル酸アミド誘導体、製造法及び農園芸用殺菌剤
JPH1067730A (ja) 新規なベンズアミドオキシム誘導体、その製法及び農園芸用殺菌剤
JP2005225828A (ja) ピロン類および殺虫・殺ダニ剤、農園芸用殺菌剤
JP2000026471A (ja) 11−ホルミル−インドロ[1,2−b][1,2]ベンズイソチアゾールおよび農園芸用殺菌剤