JP4170073B2 - オキシアミン誘導体、製造中間体及び農園芸用殺菌剤 - Google Patents

オキシアミン誘導体、製造中間体及び農園芸用殺菌剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なオキシアミン誘導体、該化合物を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
農園芸作物の栽培に当り、作物の病害に対して多数の防除薬剤が使用されているが、その防除効力が不十分であったり、薬剤耐性の病原菌の出現によりその使用が制限されたり、また植物体に薬害や汚染を生じたり、あるいは人畜魚類に対する毒性や環境への影響の観点から、必ずしも満足すべき防除薬とは言い難いものが少なくない。従って、かかる欠点の少ない安全に使用できる薬剤の出現が強く要請されている。
【0003】
本発明化合物と類似したオキシアミン化合物が記載されているが何ら生物活性は明示されていない。(たとえば特許文献1参照)
【0004】
【化6】
Figure 0004170073
【0005】
また次に示すような化合物が記載されているが何ら生物活性は明示されていない。(たとえば非特許文献1参照)
【0006】
【化7】
Figure 0004170073
【0007】
【特許文献1】
欧州特許出願公開第792870号明細書
【非特許文献1】
テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)
第27巻、4209頁(1986年)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、工業的に有利に合成でき効果が確実で安全に使用できる農園芸用殺菌剤オキシアミン誘導体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は第1に、式(1)
【0010】
【化8】
Figure 0004170073
[式中、R1は水素原子、C1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、またはC1-6アルキルスルホニル基を表わす。R2はC1-6アルキル基または、C1-6アルコキシ基を表わす。R3はハロゲン原子、C1-6アルキル基または、C1-6アルコキシ基を表わす。Aは分岐してもよいC1-6アルキレン基または結合を表わす。Qは、Gで置換されてもよいフェニル基、式(2)で表わされる基、または式(3)で表わされる基を表わす。mは、0または1〜4の整数を表わす。
【化9】
Figure 0004170073
【化10】
Figure 0004170073
4は水素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基または、SiR567を表わす。R5〜R7はそれぞれ独立して、C1-6アルキル基を表わす。R8は水素原子、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基または、Gで置換されてもよいフェニル基を表わす。Yは水素原子、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルキル−C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基または、Gで置換されてもよいフェニルC1-6アルキル基を表わす。
Gはハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基、C1-6ハロアルコキシ基を表わし、これらGは同一または相異なって2個から5個置換してもよい。]
で表わされるオキシアミン誘導体、
【0011】
第2に、式(4)
【化11】
Figure 0004170073
(式中、R3、A、Qおよびmは請求項1と同一の意味を表わす。ただしm=0で、Aが結合を表すときQは無置換フェニル基ではない。)で表わされる化合物、および
【0012】
第3に、前記式(1)で表わされるオキシアミン誘導体の1種または2種以上を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤である。
【0013】
【発明の実施の形態】
前記式(1)の定義において、
1は水素原子またはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のC1-6アルキル基;ホルミル、アセチル、n−プロピオニル、n−ブチリル、ピバロイル等のC1-6アルキルカルボニル基;メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニル基を表わす。
【0014】
2は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のC1-6アルキル基;またはメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、t−ブチルオキシ等のC1-6アルコキシ基を表わす。
【0015】
3は、水素原子または、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のC1-6アルキル基、メトキシ、エトキシ等のC1-6アルコキシ基を表わす。
【0016】
Aは、−CH2−,−CH(CH3)−,−C(CH32−,−CH2CH2−等の分岐してもよいC1-6アルキレン基または結合を表わす。
【0017】
mは0、1、2、3,4の整数を表わす。mが2、3,4のとき、R4は同一でも相異なっていてもよい。
Qは、Gで置換されてもよいフェニル基、前記式(2)、または式(3)で表わされる基を表わす。
式(2)中、R4は、水素原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のC1-6アルキル基;エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル等のC2-6アルケニル基;R5〜R7が、それぞれ独立してメチル、エチル、プロピル等のC1-6アルキル基であるSiR567を表わす。
【0018】
式(3)中R8は、水素原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等のC1-6アルキル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ジフルオロクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基等のC1-6ハロアルキル基またはGで置換されてもよいフェニル基を表わす。
【0019】
Yは、水素原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル等のC1-6アルキル基;シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC3-6シクロアルキル基;シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロプロピルエチル等のC3-6シクロアルキル−C1-6アルキル基;エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル等のC2-6アルケニル基;エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル等のC2-6アルキニル基;ベンゼン環部がGで置換されてもよいベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル等のフェニルC1-6アルキル基を表わす。
【0020】
Gは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル等のC1-6アルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ等のC1-6アルコキシ基;クロロメチル、フルオロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、ジフルオロメチル、ジブロモメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、トリブロモメチル、トリクロロエチル、トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル等のC1-6ハロアルキル基;クロロメトキシ、フルオロメトキシ、ブロモメトキシ、ジクロロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ジブロモメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリブロモメトキシ、トリクロロエトキシ、トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ等のC1-6ハロアルコキシ基を表わし、これらGは同一または相異なって2個から5個置換してもよい。
【0021】
本発明の式(1)で示されるオキシアミン誘導体の製造法について説明する。式(1)で示されるオキシアミン誘導体は例えば下記の方法で製造できるが、該化合物の製造法は、これらの製造法に限定されるものではない。
【0022】
【化12】
Figure 0004170073
【0023】
(式中R1、R2、R3、A、Qおよびmは前記と同じ意味を表わし、L1およびL2はハロゲン原子等の脱離基を表わす。)
【0024】
式(1−1)で示されるオキシアミン誘導体は、式(4)で示される製造中間体と、アシル化剤を所望により塩基存在下に反応させることにより製造することができる。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N,N―ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド、水およびこれらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒が挙げられる。
【0025】
アシル化剤の使用量は通常1〜5倍モルの範囲であり、好適には1〜2倍モルである。
【0026】
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピロリジン、N-メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルコラート類、水素化ナトリウム、n−ブチルリチウム等のアルカリ金属類、リチウムジイソプロピルアミド等の金属アミド類等が挙げられる。塩基の使用量は製造中間体(4)に対し、通常1〜10倍モル、好適には1〜2倍モルである。
【0027】
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の方法により容易に精製できる。
【0028】
式(1−2)で示されるオキシアミン誘導体は、式(1−1)で示されるオキシアミン誘導体と、アルキル化剤、アシル化剤またはスルホニル化剤を所望により塩基存在下に反応させることにより製造することができる。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、使用できる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N,N―ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド、水およびこれらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒が挙げられる。
【0029】
アルキル化剤、アシル化剤またはスルホニル化剤の使用量は通常1〜5倍モルの範囲であり、好適には1〜2倍モルである。
【0030】
塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピロリジン、N-メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルコラート類、水素化ナトリウム、n−ブチルリチウム等のアルカリ金属類、リチウムジイソプロピルアミド等の金属アミド類等が挙げられる。塩基の使用量はオキシアミン誘導体(1−1)に対し、通常1〜10倍モル、好適には1〜2倍モルである。
【0031】
本反応の温度は、−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の方法により容易に精製できる。
【0032】
本発明における式(4)で示される中間体の製造法について説明する。式(4)で示される製造中間体は例えば下記の方法で製造できるが、該化合物の製造法は、これらの製造法に限定されるものではない。
【0033】
【化13】
Figure 0004170073
【0034】
(式中、R3、A、Q及びmは請求項1と同一の意味を表わし、L3はハロゲン原子等の脱離基を表わす。)。
【0035】
式(8)で示されるフタルイミド化合物は、式(7)で示される化合物とN−ヒドロキシフタルイミドを所望により塩基存在下に反応させることにより製造することができる。該反応に供されるN−ヒドロキシフタルイミドの量は、通常式(7)で示される化合物1モルに対して1〜5モルの割合である。好適には1〜2倍モルである。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N,N―ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド、水およびこれらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒が挙げられる。塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピロリジン、N-メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルコラート類、水素化ナトリウム、n−ブチルリチウム等のアルカリ金属類、リチウムジイソプロピルアミド等の金属アミド類等が挙げられる。塩基の使用量は式(7)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好適には1〜2倍モルである。該反応の反応温度は、通常−78℃〜200℃の範囲で、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の方法により容易に精製できる。
【0036】
式(4)で示される製造中間体は、式(8)で示されるフタルイミド化合物と酸もしくはヒドラジン化合物を反応させることにより製造することができる。
酸としては、臭化水素酸、塩酸、硫酸等の無機酸類が挙げられる。ヒドラジン化合物としては、ヒドラジン一水和物、N−メチルヒドラジン等が挙げられる。使用量は式(8)で示される化合物に対し、通常1〜50倍モル、好適には1〜5倍モルである。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N,N―ジメチルホルムアミド等のアミド類、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、ジメチルスルホキシド、水およびこれらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒が挙げられる。該反応の反応温度は、通常−78℃〜200℃の範囲であり、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の方法により容易に精製できる。
【0037】
また、式(4)で示される製造中間体は、式(9)で示される化合物とオキシアミン化合物を所望により塩基存在下に反応させることにより製造することができる。該反応に供されるオキシアミン化合物としては、メシチレンスルホニルヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸、2,4−ジニトロフェノキシキシアミン、O−(ジフェニルホスフィニル)ヒドロキシルアミン等が挙げられ、使用される量は、通常式(9)で示される化合物1モルに対して1〜5モルの割合である。好適には1〜3倍モルである。該反応は必要に応じて溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N,N―ジメチルホルムアミド等のアミド類、アセトニトリル、プロピオンニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド、水およびこれらの溶媒を二つ以上混合した混合溶媒が挙げられる。塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピロリジン、N-メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の有機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、t−ブトキシドカリウム等のアルコラート類、水素化ナトリウム、n−ブチルリチウム等のアルカリ金属類、リチウムジイソプロピルアミド等の金属アミド類が挙げられる。塩基の使用量は式(9)で示される化合物に対し、通常1〜10倍モル、好適には1〜3倍モルである。該反応の反応温度は、通常−78℃〜200℃の範囲であり、好適には−20℃〜100℃の範囲である。反応時間は反応試剤の量及び温度により異なるが、30分〜100時間の範囲である。反応終了後は、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の公知慣用の方法により容易に精製できる。
【0038】
(農園芸用殺菌剤)
本発明化合物は、広範囲の種類の糸状菌、例えば、藻菌類(Oomycetes)、子のう(嚢)菌類(Ascomycetes),不完全菌類(Deuteromycetes),担子菌類(Basidiomycetes)に属する菌に対しすぐれた殺菌力を有する。本発明化合物を有効成分とする組成物は、花卉、芝、牧草を含む農園芸作物の栽培に際し発生する種々の病害の防除に、種子処理、茎葉散布、土壌施用または水面施用等により使用することができる。
【0039】
例えば、
Figure 0004170073
Figure 0004170073
Figure 0004170073
等の防除に使用することができる。
【0040】
また、近年種々の病原菌においてベンズイミダゾール系殺菌剤やジカルボキシイミド系殺菌剤等に対する耐性が発達し、それらの薬剤の効力不足を生じており、耐性菌にも有効な薬剤が望まれている。本発明の化合物は、それら薬剤に対し感受性の病原菌のみならず、耐性菌にも優れた殺菌効果を有する薬剤である。
例えば、チオファネートメチル、ベノミル、カルベンダジム等のベンズイミダゾール系殺菌剤に耐性を示す灰色かび病菌(Botrytis cinerea)やテンサイ褐斑病菌(Cercospora beticola)、リンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)、ナシ黒星病菌(Venturia nashicola)に対しても感受性菌と同様に本発明化合物は有効である。
【0041】
さらに、ジカルボキシイミド系殺菌剤(例えば、ビンクロゾリン、プロシミドン、イプロジオン)に耐性を示す灰色かび病菌(Botrytis cinerea)に対しても感受性菌と同様に本発明化合物は有効である。
【0042】
適用が特に好ましい病害としては、テンサイの褐斑病、コムギのうどんこ病、イネのいもち病、リンゴ黒星病、キュウリの灰色かび病、ラッカセイの褐斑病等が挙げられる。
【0043】
また本発明化合物は薬害が少なく、魚類や温血動物への毒性が低く、安全性の高い薬剤である。
【0044】
本発明化合物は、水棲生物が船底、魚網等の水中接触物に付着するのを防止するための防汚剤として使用することもできる
【0045】
本発明殺菌剤および殺虫剤は本発明化合物の1種または2種以上を有効成分として含有する。
本発明化合物を実際に施用する際には他成分を加えず純粋な形で使用できるし、また農薬として使用する目的で一般の農薬のとり得る形態、即ち、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、顆粒水和剤等の形態で使用することもできる。
農薬製剤中に添加することのできる添加剤および担体としては、固型剤を目的とする場合は、大豆粉、小麦粉等の植物性粉末、珪藻土、燐灰石、石こう、タルク、ベントナイト、パイロフィライト、クレー等の鉱物性微粉末、安息香酸ソーダ、尿素、芒硝等の有機及び無機化合物が使用される。
【0046】
また、液体の剤型を目的とする場合は、ケロシン、キシレンおよび石油系の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、トリクロルエチレン、メチルイソブチルケトン、鉱物油、植物油、水等を溶剤として使用することができる。
さらに、これらの製剤において均一かつ安定な形態をとるために、必要に応じ界面活性剤を添加することもできる。添加することができる界面活性剤としては特に限定はないが、例えば、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合物等が挙げられる。
【0047】
このようにして得られた水和剤、乳剤、フロアブル剤,水溶剤,顆粒水和剤は水で所定の濃度に希釈して溶解液,懸濁液あるいは乳濁液として、粉剤・粒剤はそのまま植物に散布する方法で使用される。
また有効成分量は、通常、組成物(製剤)全体に対して好ましくは0.01〜90重量%であり、より好ましくは0.05〜85重量%である。
【0048】
製剤化された本発明の殺菌剤組成物は、そのままで、或いは水等で希釈して、植物体、種子、水面または土壌に施用される。施用量は、気象条件、製剤形態、施用磁気、施用方法、施用場所、防除対象病害、対象作物等により異なるが、通常1ヘクタール当たり有効成分化合物量にして1〜1,000g、好ましくは10〜100gである。
【0049】
水和剤、乳剤、懸濁剤、水溶剤、顆粒水和剤等を水で希釈して施用する場合、その施用濃度は1〜1000ppm、好ましくは10〜250ppmであり、粒剤、粉剤等の場合は、希釈することなくそのまま施用する。
なお、本発明化合物は単独でも十分有効であることは言うまでもないが、各種の殺菌剤や殺虫・殺ダニ剤または共力剤の1種または2種以上と混合して使用することもできる。
【0050】
本発明化合物と混合して使用できる殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、植物生長調節剤の代表例を以下に示す。
【0051】
殺菌剤:
キャプタン、フォルペット、チウラム、ジラム、ジネブ、マンネブ、マンコゼブ、プロピネブ、ポリカーバメート、クロロタロニル、キントーゼン、キャプタホル、イプロジオン、プロサイミドン、ビンクロゾリン、フルオロイミド、サイモキサニル、メプロニル、フルトラニル、ペンシクロン、オキシカルボキシン、ホセチルアルミニウム、プロパモカーブ、トリアジメホン、トリアジメノール、プロピコナゾール、ジクロブトラゾール、ビテルタノール、ヘキサコナゾール、マイクロブタニル、フルシラゾール、メトコナゾール、エタコナゾール、フルオトリマゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フルトリアフェン、ベンコナゾール、ジニコナゾール、サイプロコナゾーズ、フェナリモール、トリフルミゾール、プロクロラズ、イマザリル、ペフラゾエート、トリデモルフ、フェンプロピモルフ、トリホリン、ブチオベート、ピリフェノックス、アニラジン、ポリオキシン、メタラキシル、オキサジキシル、フララキシル、イソプロチオラン、プロベナゾール、ピロールニトリン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、バリダマイシン、硫酸ジヒドロストレプトマイシン、ベノミル、カルベンダジム、チオファネートメチル、ヒメキサゾール、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、フェンチンアセテート、水酸化トリフェニル錫、ジエトフェンカルブ、メタスルホカルブ、キノメチオナート、ビナパクリル、レシチン、重曹、ジチアノン、ジノカップ、フェナミノスルフ、ジクロメジン、グアザチン、ドジン、IBP、エディフェンホス、メパニピリム、フェルムゾン、トリクラミド、メタスルホカルブ、フルアジナム、エトキノラック、ジメトモルフ、ピロキロン、テクロフタラム、フサライド、フェナジンオキシド、チアベンダゾール、トリシクラゾール、ビンクロゾリン、シモキサニル、シクロブタニル、グアザチン、プロパモカルブ塩酸塩、オキソリニック酸、ヒドロキシイソオキサゾール、イミノクタジン酢酸塩等。
【0052】
殺虫・殺ダニ剤:
有機燐およびカーバメート系殺虫剤:
フェンチオン、フェニトロチオン、ダイアジノン、クロルピリホス、ESP、バミドチオン、フェントエート、ジメトエート、ホルモチオン、マラソン、トリクロルホン、チオメトン、ホスメット、ジクロルボス、アセフェート、EPBP、メチルパラチオン、オキシジメトンメチル、エチオン、サリチオン、シアノホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、ホサロン、メチダチオン、スルプロホス、クロルフェンビンホス、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、プロパホス、イソフェンホス、エチルチオメトン、プロフェノホス、ピラクロホス、モノクロトホス、アジンホスメチル、アルディカルブ、メソミル、チオジカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、プロポキスル、BPMC、MTMC、MIPC、カルバリル、ピリミカーブ、エチオフェンカルブ、フェノキシカルブ、EDDP等。
【0053】
ピレスロイド系殺虫剤:
ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメスリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、ピレトリン、アレスリン、テトラメスリン、レスメトリン、ジメスリン、プロパスリン、フェノトリン、プロトリン、フルバリネート、シフルトリン、シハロトリン、フルシトリネート、エトフェンプロクス、シクロプロトリン、トロラメトリン、シラフルオフェン、ブロフェンプロクス、アクリナスリン等。
【0054】
ベンゾイルウレア系その他の殺虫剤:
ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、トリフルムロン、テトラベンズロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、メトプレン、ベンゾエピン、ジアフェンチウロン、アセタミプリド、イミダクロプリド、ニテンピラム、フィプロニル、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、硫酸ニコチン、ロテノン、メタアルデヒド、機械油、BTや昆虫病原ウイルスなどの微生物農薬等。
【0055】
殺線虫剤:
フェナミホス、ホスチアゼート等。
【0056】
殺ダニ剤:
クロルベンジレート、フェニソブロモレート、ジコホル、アミトラズ、BPPS、ベンゾメート、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ポリナクチン、キノメチオネート、CPCBS、テトラジホン、アベルメクチン、ミルベメクチン、クロフェンテジン、シヘキサチン、ピリダベン、フェンピロキシメート、テブフェンピラド、ピリミジフェン、フェノチオカルブ、ジエノクロル等。
【0057】
植物生長調節剤:
ジベレリン類(例えばジベレリンA3 、ジベレリンA4 、ジベレリンA7 )IAA、NAA。
【0058】
【実施例】
次に本発明化合物の製造例および本発明化合物の製造中間体の製造例を、製造例、参考製造例および中間体製造例にて説明する。なお本発明化合物の番号は後記表1〜3に記載の化合物番号で表わされる。
【0059】
実施例1
N-[3- (3,3-ジメチル-1-ブチニル)フェノキシ]カルバミン酸メチル(化合物番号2−3)の製造
【0060】
【化14】
Figure 0004170073
【0061】
粗3- (3,3-ジメチル-1-ブチニル)フェノキシアミン0.62gをピリジン10mlに溶解し、0℃にてクロロ炭酸メチル0.19gを加えた後、室温にて4時間反応させた。反応混合物を氷水中にあけ、有機層を飽和食塩水で洗浄した後で、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒ヘキサン−酢酸エチル=3:1)にて精製して、目的とするN-[3- (3,3-ジメチル-1-ブチニル)フェノキシ]カルバミン酸メチル0.15gを得た。
D 23.61.5531
1H‐NMR:(CDCl3/TMS,δ(ppm))1.32(s,9H),3.82(s,3H),6.95−7.28(m,4H) ,7.67(br,1H)
【0062】
実施例2 中間体
3- (3,3-ジメチル-1-ブチニル)フェノキシアミンの製造
【0063】
【化15】
Figure 0004170073
【0064】
3- (3,3-ジメチル-1-ブチニル)フェノ−ル0.70g(4.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド15mlに溶解しカリウムt−ブトキシド0.45g(4.0mmol)を加えた後、0℃にてメシチルスルホニルオキシアミン0.87g(4.0mmol)を加えた。0℃にて3時間攪拌後、反応混合物を氷水中にあけ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を3%水酸化カリウム水溶液で3回洗浄、飽和食塩水で1回洗浄した後で、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、目的とする粗3- (3,3-ジメチル-1-ブチニル)フェノキシアミン0.62g(含量60%)を得た。
1H‐NMR:(CDCl3/TMS,δ(ppm))1.30(s,9H),5.20(br,2H),6.68−7.22(m,4H)
【0065】
参考製造例1
3- (3,3-ジメチル-1-ブチニル)フェノ−ルの製造
【0066】
【化16】
Figure 0004170073
【0067】
3- ブロモフェノ−ル3.0g(17.3mmol)、3,3-ジメチル-1-ブチン1.52g(52.1mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.4g、ヨウ化銅0.2g、トリエチルアミン20mlの混合物を5時間還流させた。冷却後、トリエチルアミンを減圧留去し、酢酸エチルエステルを加えて生じた不溶物をセライト濾過した後、減圧留去し得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒ヘキサン−酢酸エチル=4:1)にて精製して、目的とする3- (3,3-ジメチル-1-ブチニル)フェノ−ル1.84gを得た。
1H‐NMR:(CDCl3/TMS,δ(ppm))1.30(s,9H),5.43(br,1H),6.72−7.18(m,4H)
【0068】
実施例3
N-(2−クロロ−5−フェニルベンジルオキシ)カルバミン酸メチル(化合物番号1−16)の製造。
【0069】
【化17】
Figure 0004170073
【0070】
2−クロロ−5−フェニルベンジルオキシアミン0.3g(1.3mmol)をクロロホルム20mlに溶解し、トリエチルアミン0.13g(1.3mmol)を加えた後、0℃にてクロロ炭酸メチル0.12g(1.3mmol)を加えた。室温にて3時間攪拌後、反応混合物を氷水中にあけ、有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後で、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒ヘキサン−酢酸エチル=7:1)にて精製して、目的とするN-(2−クロロ−5−フェニルベンジルオキシ)カルバミン酸メチル0.1gを得た。
D 23.61.5778
1H‐NMR:(CDCl3/TMS,δ(ppm))3.78(s,3H),4.96(s,2H),7.29−7.62(m,8H)
【0071】
実施例4 中間体
2−クロロ−5−フェニルベンジルオキシアミンの製造
【0072】
【化18】
Figure 0004170073
【0073】
N−(2−クロロ−5−フェニルベンジルオキシ)フイタルイミド1.29g(3.3mmol)をクロロホルム20mlに溶解し、メチルアルコール5mlに溶解したヒドラジン一水和物0.33g(6.6mmol)を室温にて加えた後、1晩反応させた。反応液中の不溶物をろ別除去後、溶媒を減圧留去し得られた残留物にジエチルエーテルを加えた。生じた不溶物を再度ろ別除去後、減圧留去し、目的とする2−クロロ−5−フェニルベンジルオキシアミン0.73gを得た。
1H‐NMR:(CDCl3/TMS,δ(ppm))4.88(s,2H),5.53(br,2H),7.32−7.70(m,8H)
【0074】
参考製造例2
2−クロロ−5−フェニルベンジルアルコールの製造
【0075】
【化19】
Figure 0004170073
【0076】
5−ブロモ−2−クロロベンジルアルコール1.0g(4.5mmol)、フェニルほう酸0.66g(5.4mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.16g、炭酸水素ナトリウム0.46g(5.4mmol)を50%ジメトキシエタン水溶液40mlと混合し、4時間還流させた。冷却後、反応混合物を氷水中にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後で、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒ヘキサン−酢酸エチル=3:1)にて精製して、目的とする2−クロロ−5−フェニルベンジルアルコール0.99gを得た。
1H‐NMR:(CDCl3/TMS,δ(ppm))4.83(d,2H),7.19−7.72(m,8H)
参考製造例3
2−クロロ−5−フェニルベンジルブロミドの製造
【0077】
【化20】
Figure 0004170073
【0078】
2−クロロ−5−フェニルベンジルアルコール0.98g(4.5mmol)をジエチルエーテル20mlに溶解し、0℃にて3臭化リン0.48g(1.8mmol)を加え、3時間反応させた。反応混合物を氷水中にあけ、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、目的とする2−クロロ−5−フェニルベンジルブロミド1.05gを得た。
1H‐NMR:(CDCl3/TMS,δ(ppm))5.42(s,2H),7.23−7.89(m,8H)
【0079】
参考製造例4
N−(2−クロロ−5−フェニルベンジルオキシ)フタルイミドの製造
【0080】
【化21】
Figure 0004170073
【0081】
N−ヒドロキシフタルイミド0.58g(3.6mmol)をアセトン20mlに溶解し、トリエチルアミン0.36g(3.6mmol)を加えた、0℃にて2−クロロ−5−フェニルベンジルブロミド1.0g(3.6mmol)を加えた後、室温で1晩反応させた。反応液を氷水中にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、次いで5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、目的とするN−(2−クロロ−5−フェニルベンジルオキシ)フタルイミド1.29gを得た。
1H‐NMR:(CDCl3/TMS,δ(ppm))4.58(s,2H),7.31−7.65(m,12H)
【0082】
実施例5
N-[2−クロロ−5−(3,3-ジメチル-1-ブチニル)ベンジルオキシ]カルバミン酸メチル(化合物番号2−11)の製造
【0083】
【化22】
Figure 0004170073
【0084】
2−クロロ−5- (3,3-ジメチル-1-ブチニル)ベンジルアミン0.62g(2.6mmol)をクロロホルム20mlに溶解し、トリエチルアミン0.26g(2.6mmol)を加えた後、0℃にてクロロ炭酸メチル0.25g(2.6mmol)を加えた。室温にて3時間攪拌後、反応混合物を氷水中にあけ、有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後で、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒ヘキサン−酢酸エチル=9:1)にて精製して、目的とするN-[2−クロロ−5−(3,3-ジメチル-1-ブチニル)ベンジルオキシ]カルバミン酸メチル0.27gを得た。
D 22.61.5420
1H‐NMR:(CDCl3/TMS,δ(ppm)) 1.31(s,9H), 3.78(s,3H),4.97(s,2H),7.27(d,2H),7.47(s,1H)
【0085】
実施例6 中間体
2−クロロ−5- (3,3-ジメチル-1-ブチニル)ベンジルアミンの製造
【0086】
【化23】
Figure 0004170073
【0087】
N−[2−クロロ−5−(3,3-ジメチル-1-ブチニル)ベンジルオキシ]フタルイミド1.0g(2.7mmol)をクロロホルム20mlに溶解し、メチルアルコール5mlに溶解したヒドラジン一水和物0.27g(5.4mmol)を室温にて加えた後、1晩反応させた。反応液中の不溶物をろ別除去後、溶媒を減圧留去し得られた残留物にジエチルエーテルを加えた。生じた不溶物を再度ろ別除去後、減圧留去し、目的とする2−クロロ−5- (3,3-ジメチル-1-ブチニル)ベンジルアミン0.62gを得た。
D 22.11.5545
1H‐NMR:(CDCl3/TMS,δ(ppm))1.31(s,9H), 3.77(br,2H),4.78(s,2H),7.21−7.29(m,2H),7.46(s,1H)
【0088】
上記実施例を含め本発明化合物の具体例を第1表〜第2表に記載する。
【0089】
【表1】
Figure 0004170073
【0090】
【表2】
Figure 0004170073
【0091】
【表3】
Figure 0004170073
【0092】
次に、本発明の殺菌剤組成物の実施例を若干示すが、添加物及び添加割合は、これら実施例に限定されるべきものではなく、広範囲に変化させることが可能である。
製剤実施例中の部は重量部を示す。
【0093】
製剤実施例1 水和剤
本発明化合物 40部
クレー 48部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 4部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 8部
以上を均一に混合して微細に粉砕すれば、有効成分40%の水和剤を得る。
【0094】
製剤実施例2 乳剤
本発明化合物 10部
ソルベッソ200 53部
シクロヘキサノン 26部
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩 1部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 10部
以上を混合溶解すれば、有効成分10%の乳剤を得る。
【0095】
製剤実施例3 粉剤
本発明化合物 10部
クレー 90部
以上を均一に混合して微細に粉砕すれば、有効成分10%の粉剤を得る。
【0096】
製剤実施例4 粒剤
本発明化合物 5部
クレー 73部
ベントナイト 20部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 1部
リン酸カリウム 1部
以上をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して有効成分5%の粒剤を得る。
【0097】
製剤実施例5 懸濁剤
本発明化合物 10部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 4部
ポリカルボン酸ナトリウム塩 2部
グリセリン 10部
キサンタンガム 0.2部
水 73.8部
以上を混合し、粒度が3ミクロン以下になるまで湿式粉砕すれば、有効成分10%の懸濁剤を得る。
【0098】
製剤実施例6 顆粒水和剤
本発明化合物 40部
クレー 36部
塩化カリウム 10部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 1部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 8部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩の
ホルムアルデヒド縮合物 5部
以上を均一に混合して微細に粉砕後,適量の水を加えてから練り込んで粘土状にする.粘土状物を造粒した後乾燥すれば、有効成分40%の顆粒水和剤を得る。
【0099】
【発明の効果】
次に、本発明化合物が各種植物病害防除剤の有効成分として有用であることを試験例で示す。
【0100】
試験例1 リンゴ黒星病防除試験
素焼きポットで栽培したリンゴ幼苗(品種「国光」、3〜4葉期)に、本発明化合物の乳剤を有効成分100ppmの濃度で散布した。室温で自然乾燥した後、リンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)の分生胞子を接種し、明暗を12時間毎にくりかえす20℃、高湿度の室内に2週間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた結果、1−1、1−15、1−16、2−3の化合物が75%以上の優れた防除価を示した。
【0101】
試験例2 トマト疫病防除試験
素焼きポットで栽培したトマト幼苗(品種「レジナ」、4〜5葉期)に、本発明化合物の乳剤を有効成分200ppmの濃度で散布した。散布後、室温で自然乾燥し、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)の遊走子嚢懸濁液を噴霧接種し、明暗を12時間毎に繰り返す高湿度の恒温室(20℃)に4日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた。その結果、化合物番号2−3の化合物が75%以上の優れた防除価を示した。

Claims (2)

  1. 式(1)
    Figure 0004170073
    (式中、Rは水素原子、C1−6アルキル基、C1−6アルキルカルボニル基、またはC1−6アルキルスルホニル基を表わす。RはC1−6アルキル基または、C1−6アルコキシ基を表わす。Rはハロゲン原子、C1−6アルキル基または、C1−6アルコキシ基を表わす。Qは、Gで置換されてもよいフェニル基または式(2)で表わされる基を表わす。mは、0または1〜4の整数を表わす。
    Figure 0004170073
    は水素原子、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基または、SiRを表わす。R〜Rはそれぞれ独立して、C1−6アルキル基を表わす。Gはハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6ハロアルキル基、または、1−6ハロアルコキシ基を表わし、これらGは同一または相異なって2個から5個置換してもよい。)で表わされるオキシアミン誘導体。
  2. 請求項1記載の式(1)で表されるオキシアミン誘導体を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤。
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