JPWO2004034893A1 - 検眼装置および検眼方法 - Google Patents

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Abstract

乱視・近視・遠視を有する幅広い度数範囲の人に対して精度良く検眼でき、特に混合乱視を有する人にも対応可能な検眼装置および検眼方法を提供する。コンピュータ画面に表示された視標を被検査者に左右片眼づつ視認させることによって自覚的に検眼を行うものであって、乱視軸角度を判定する視標を表示し、乱視軸角度を判定する乱視軸角度判定手段と、判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について遠視・近視を判定する視標を表示し、乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する遠視・近視判定手段と、判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について度数を判定する視標を表示し、乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する度数判定手段とを有する。

Description

この発明は、表示手段に表示した視標を被検査者に左右片眼づつ視認させることにより自覚的に検眼を行う検眼装置および検眼方法に関し、特にたとえばインターネット上でメガネやコンタクトレンズを販売する際にレンズ度数を決定するために行う検眼において好適な検眼装置および検眼方法に関する。
従来、メガネやコンタクトレンズの度数を決定するためには、オートレフラクトメータを用いて、他覚的に眼球の屈折率を判定し、実際に備え付けの矯正レンズを装着して視力を確認するという方法が一般にとられてきた。
しかしながら、かかるオートレフラクトメータは極めて高価な装置であり、取扱いに専門的知識を必要とする。また、実際に矯正レンズを装着して視力を確認することは、各種の矯正レンズを備えた眼科医や眼鏡店に出向いて検眼を受ける必要があり、設備を有しない店舗や自宅等でメガネやコンタクトレンズを注文することは困難であった。
近年、コンピュータ技術やネットワーク技術の進歩を背景として、オートレフラクトメータや矯正レンズ等の設備を有しない店舗や自宅において、利用者が自覚的に検眼できるシステムの開発が進められている(例えば、特開2001−286442号公報に開示されている遠隔視力判定システム)。
かかる従来のシステムでは、コンピュータ画面に第19図のようなランドルト環と呼ばれる視力判定用の視標を表示し、視標の大きさを変化させて被検査者に左右の眼のそれぞれについて視認可能な最小の視標を選択させることで視力を判定する。また、乱視を有する人には、ランドルト環を回転させ、被検査者に切れ目がつながって見える方向を判断させたり、コンピュータ画面に第20図のような乱視軸判定用の視標を表示し、被検査者に左右の眼のそれぞれについて最も濃く見える方向を選択させることによって乱視軸を判定し、判定された乱視軸およびそれと直交する方向について視力判定用の視標により視力を判定する。
しかしながら、インターネットのように不特定多数の人を対象とする場合には被検査者のなかに遠視の人が含まれる可能性があるが、従来の検眼装置では、単に視標の大きさを変化させて視認可能な最小の視標を選択させるものであるため、近視か遠視かは区別できず、誤った検眼結果となる恐れがあった。
特に、コンピュータ画面を用いた検眼では、被検査者はマウス等により視認結果を入力する必要があることから、被検査者の眼と視標の距離が一定の範囲に拘束されるため、視力判定用の視標だけで遠視と近視を区別するのは困難である。
また、乱視を有する人の中には、主軸と副軸の一方が近視で他方が遠視である混合乱視の人も存在するが、従来の検眼装置ではこのような人に対応することは不可能であった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、乱視・近視・遠視を有する幅広い度数範囲の人に対して精度良く検眼でき、特に混合乱視を有する人にも対応可能な検眼装置および検眼方法を提供することである。
請求項1に記載の発明は、表示手段に表示した視標を被検査者に左右片眼づつ視認させ、被検査者が視認した結果を取得することにより自覚的に検眼を行う検眼装置であって、乱視軸角度を判定する視標を表示し、被検査者が視認した結果を取得することにより乱視軸角度を判定する乱視軸角度判定手段と、前記判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について遠視・近視を判定する視標を表示し、被検査者の視認結果を取得することにより前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する遠視・近視判定手段と、前記判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について度数を判定する視標を表示し、被検査者の視認結果を取得することにより前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する度数判定手段とを有する、検眼装置である。
この発明の検眼装置は、遠視・近視判定手段を備え、被検査者の眼が遠視か近視かを判定する機能を有するので、被検査者のなかに遠視を有する人が含まれていても精度良く検眼できる。
また、乱視軸角度判定手段により被検査者の乱視軸を判定し、遠視・近視判定手段によりその乱視軸に基づいて選択された直交する2方向について個別に遠視・近視を判定し、度数判定手段によりその乱視軸に基づいて選択された直交する2方向について度数を判定する機能を有するので、混合乱視を有する人でも検眼できる。
請求項2に記載の発明は、前記乱視軸角度判定手段は、略45度・略90度・略135度・略180度の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記乱視軸判定チャートについて選択された視標に基づいて乱視軸角度を決定する手段とを有する、請求項1に記載の検眼装置である。
表示手段に表示された視標を被検査者に視認させることにより自覚的に検眼する検眼装置では、被検査者は表示手段に表示された視標を単独で視認して判断することが求められるが、乱視軸の判定は視標と被検査者の眼との距離によっても見え方が微妙に異なり、一般の人が1本の直線を放射状に配列した視標や、2本の直線からなる視標を回転させたもの等を使用して乱視軸を正しく判断することは難しいという問題があった。
この発明の検眼装置は、乱視軸角度判定手段において、多数の直線を平行に配列した線状群からなる視標を用い、かつ45度間隔の4方向に限定した視標を組合せた乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させるようにしたので、一般の人でも容易に乱視軸を判断でき、誤った判定を抑制できる。
請求項3に記載の発明は、前記乱視軸角度判定手段は、略45度・略90度・略135度・略180度の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第1の乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された第1の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記4方向の略中間の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第2の乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された第2の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記第1の乱視軸判定チャートについて選択された視標と前記第2の乱視軸判定チャートについて選択された視標とに基づいて乱視軸角度を決定する手段とを有する、請求項1に記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、乱視軸角度判定手段において、多数の直線を平行に配列した線状群からなる視標を用い、かつ45度間隔の4方向に限定した視標を組合せた乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させるようにしたので、一般の人でも容易に乱視軸を判断でき、誤った判定を抑制できる。
また、更に45度・90度・135度・180度の中間の4方向の視標を組合せた乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させ、2つの乱視軸判定チャートについて選択された視標から乱視軸角度を決定するようにしたので、2つの乱視軸判定チャートについて選択された視標の角度から演算によって中間の角度の乱視軸を決定することができ、表示した合計8方向の視標に対して実質的に2倍の分解能で乱視軸角度を決定できる。
請求項4に記載の発明は、前記乱視軸角度判定手段は、略45度・略90度・略135度・略180度の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第1の乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された第1の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記4方向の略中間の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第2の乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された第2の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記第1の乱視軸判定チャートについて被検査者が選択した視標と前記第2の乱視軸判定チャートについて被検査者が選択した視標を含む第3の乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された第3の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記第1の乱視軸判定チャートについて選択された視標と前記第2の乱視軸判定チャートについて選択された視標と前記第3の乱視軸判定チャートについて選択された視標とに基づいて乱視軸角度を決定する手段とを有する、請求項1に記載の検眼方法である。
この発明の検眼装置は、乱視軸角度判定手段において、多数の直線を平行に配列した線状群からなる視標を用い、かつ45度間隔の4方向に限定した視標を組合せた乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させるようにしたので、一般の人でも容易に乱視軸を判断でき、誤った判定を抑制できる。
また、更に45度・90度・135度・180度の中間の4方向の視標を組合せた第2の乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させるとともに、2つの乱視軸判定チャートについて選択された視標を組合せた第3の乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させ、3つの乱視軸判定チャートについて選択された視標から乱視軸角度を決定するようにしたので、3つの乱視軸判定チャートについて選択された視標の角度から演算によって中間の角度の乱視軸を決定することができ、表示した合計8方向の視標に対して実質的に2倍の分解能で乱視軸角度を決定できる。
更に、被検査者が部分的に誤った視標を選択した場合でも、3つの乱視軸判定チャートについて選択された視標を相互にチェックすることにより正しく判定することが可能となり、被検査者の乱視軸角度をより精度良く決定できる。
請求項5に記載の発明は、前記遠視・近視判定手段は、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの一方向に黒系統色の直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第1の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの他方向に黒系統色の直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第2の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、前記第1の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第2の遠視・近視判定チャートについて選択された結果とに基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する手段とを有する、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、遠視・近視判定手段において、双方の領域に乱視軸角度判定手段により判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向のいずれかの方向に黒系統色の直線を配置した視標を使用するものであって、双方の領域に2方向のうちの一方向に直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートと、双方の領域に2方向のうちの他方向に直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートとを表示し、各遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させることで、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する。
これは、人間の眼が赤系統色の領域と青系統色の領域を同時に視認したときに、色収差により赤系統色は奥側に青系統色は手前側に焦点を結ぶため、近視の場合は赤系統色の領域の方が明瞭に見え、遠視の場合は青系統色の領域の方が明瞭に見えることを利用したもので、被検査者はいずれの領域が明瞭に見えるかを判断するだけでよいので容易に判断できる。
また、この遠視・近視判定チャートは、色収差を生ずる2色の領域に乱視軸角度判定手段により判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向に直線を配置した方向性を有する視標を表示するので、遠視・近視の角度依存性を検出できる。これにより、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度のそれぞれについて独立に遠視・近視を判定でき、混合乱視の人にも対応できる。
請求項6に記載の発明は、前記遠視・近視判定手段は、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの一方向に黒系統色の直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第1の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの他方向に黒系統色の直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第2の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、背景が赤系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記一方向に黒系統色の直線を配置し、背景が青系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記他方向に黒系統色の直線を配置した第3の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第3の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、背景が赤系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記他方向に黒系統色の直線を配置し、背景が青系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記一方向に黒系統色の直線を配置した第4の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第4の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、前記第1の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第2の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第3の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第4の遠視・近視判定チャートについて選択された結果とに基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する手段とを有する、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、遠視・近視判定手段において、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域とを有し、双方の領域に乱視軸角度判定手段により判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向のいずれかの方向に黒系統色の直線を配置した視標を使用するものであって、双方の領域に2方向のうちの一方向に直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートと、双方の領域に2方向のうちの他方向に直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートと、一方の領域に2方向のうちの前記一方向に直線を配置し、他方の領域に2方向のうちの前記他方向に直線を配置した第3の遠視・近視判定チャートと、一方の領域に2方向のうちの前記他方向に直線を配置し、他方の領域に2方向のうちの前記一方向に直線を配置した第4の遠視・近視判定チャートとを表示し、各遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させることで、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する。
これは、人間の眼が赤系統色の領域と青系統色の領域を同時に視認したときに、色収差により赤系統色は奥側に青系統色は手前側に焦点を結ぶため、近視の場合は赤系統色の領域の方が明瞭に見え、遠視の場合は青系統色の領域の方が明瞭に見えることを利用したもので、被検査者はいずれの領域が明瞭に見えるかを判断するだけでよいので容易に判断できる。
また、この遠視・近視判定チャートは、色収差を生ずる2色の領域に乱視軸角度判定手段により判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向に直線を配置した方向性を有する視標を表示するので、遠視・近視の角度依存性を検出できる。これにより、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度のそれぞれについて独立に遠視・近視を判定でき、混合乱視の人にも対応できる。
更に、双方の領域に2方向のうちのいずれか一方に直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートと第2の遠視・近視判定チャートの他に、双方の領域に2方向の向きを変えた直線を配置した第3の遠視・近視判定チャートと第4の遠視・近視判定チャートを用いて、遠視・近視を判定するようにしたので、被検査者が部分的に誤って判定した場合でも、4つのチャートにおいて選択された結果を相互にチェックすることにより正しく判定することが可能となり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視をより精度良く判定できる。
尚、第1の遠視・近視判定チャートと第2の遠視・近視判定チャートにおいて、被検査者がいずれも「赤系統色の領域」または「同じに見える」のどちらかを選択し、「青系統色の領域」を選択しなかった場合は、遠視の要因はないと考えられるので、第3の遠視・近視判定チャートと第4の遠視・近視判定チャートを用いた判定は省略するようにしてもよい。これにより、より効率的に遠視・近視を判定できる。
請求項7に記載の発明は、前記遠視・近視判定手段は、前記遠視・近視判定チャートの青系統色の領域の輝度を赤系統色の領域の輝度よりも低くした、請求項5または請求項6に記載の検眼装置である。
通常、コンピュータ画面は手を伸ばした距離(60〜70cm程度)で見ることが多いが、この距離で赤系統色と青系統色の2色を用いた遠視・近視判定チャートを表示して被検査者に判定させると、比較的視力のよい正視や弱い近視の被検査者では、画面までの距離が比較的短いため、網膜の後方で焦点を結ぶ人があり、誤って青系統色の領域を選ぶ場合があった。
この発明の検眼装置は、遠視・近視判定チャートの青系統色の領域の輝度を赤系統色の領域の輝度よりも低くしたので、例えばコンピュータ画面を手を伸ばした距離で見る場合でも、正視または弱い近視の被検査者が誤って青系統色の領域を選択することが防止され、より精度良く遠視・近視を判定できる。
請求項8に記載の発明は、前記遠視・近視判定手段は、前記各遠視・近視判定チャートの表示時間を制限した、請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、各遠視・近視判定チャートの表示時間を制限したので、被検査者に眼の調節力が有意に働かない状態で判断させることができる。これは、特に視標の大きさを一定として、被検査者に視標がはっきり見える位置まで近づいて判断させる場合に有効であり、被検査者がしっかりとピントを合わせようと眼の調節力を強く働かせることで誤った判断となることを防止できる。
請求項9に記載の発明は、前記度数判定手段は、前記選択された直交する2方向について、一定数の直線を平行に配列した視標を段階的に大きさを変化させた度数判定チャートを表示する手段と、前記表示された度数判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させる手段と、前記度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する手段とを有する、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、度数判定手段として、乱視軸角度判定手段により判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について、一定数の直線を平行に配列した視標を度数に対応させて段階的に大きさを変えた度数判定チャートを用い、被検査者に正しく直線の本数を視認できる最小の視標を選択させるようにしたので、ランドルト環のようなものを回転させて部分的な切れ目を判断するものと比較して、視標の大きさの段階を数多くとることができ、それにより度数決定の分解能が上がり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を精度良く判定できる。
尚、度数判定チャートは、段階的に大きさを変えたすべての視標を1つのチャートに含め、その中から視認可能な最小の視標を選択させるようにしてもよいが、視標を大きさによって複数の区分に分け、それぞれを含めたチャートを切替えて表示することで視認可能な最小の視標を選択させるようにしてもよい。また、1つのチャートには1つの視標のみを含めることとし、大きい方から順に切替えて表示して視認可能な最小の視標を判断させるようにしてもよい。
請求項10に記載の発明は、前記度数判定手段は、前記選択された直交する2方向について、一定数の直線を平行に配列した大きさの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示する手段と、前記表示された各度数判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させる手段と、前記各度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する手段とを有する、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の検眼方法である。
この発明の検眼装置は、度数判定手段として、乱視軸角度判定手段により判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について、一定数の直線を平行に配列した視標を度数に対応させて大きさの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示し、各度数判定チャートについて被検査者に正しく直線の本数を視認できる最小の視標を選択させるようにしたので、従来のランドルト環を回転させて部分的な切れ目を判断するような場合と比較して、視標の大きさの段階を数多くとることができ、それにより度数決定の分解能が上がり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を精度良く判定できる。
また、大きさの段階差が2以上の視標を組合せた度数判定チャートを使用するので、被検査者は小さな段階差の視標から視認可能な最小の視標を選択するという微妙な判断から開放され、視認可能な最小の視標を容易に選択できる。
更に、複数の度数判定チャートにおける判断を組合せて視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者が擬似解像等によって部分的に判断を誤った場合でも、相互チェックによって正しく度数を判定することが可能となり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数をより精度良く判定できる。
特に、大きさの段階差を3とした3つの度数判定チャートを使用することが好ましく、被検査者は視認可能な最小の視標を容易に選択でき、かつ3回の判断で度数を精度良く判定できる。
請求項11に記載の発明は、前記度数判定チャートは、前記配列される一定数の直線の幅方向の両外端に、前記直線の幅に対して0.5〜2.0倍の幅を有し、前記直線に対してコントラストを有する両側帯を設けた、請求項9または請求項10に記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、度数判定チャートにおいて、配置される一定数の直線の幅方向の両端に一定幅で直線に対してコントラストを有する両側帯を設けたので、擬似解像が発生した場合に、両側帯部分に出現する直線が背景とコントラストがついて見やすくなり、被検査者は擬似解像が生じていることを容易に判断できる。
また、両側帯がない場合は、視認可能な視標サイズを超えて、より小さな視標サイズを見たときに、ゆるやかにボケてゆくため、視認可能な限界を特定しづらかったが、両側帯がある場合は、直線と線間と両側帯が入り乱れてボケていくため、視認可能な限界が特定しやすくなり、より的確に視認可能な最小の視標を選択できる。
これにより、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数をより精度よく判定できる。
請求項12に記載の発明は、前記度数判定チャートは、前記両側帯の色と前記直線の間の色を異なるものとし、前記両側帯の輝度を前記直線の間の輝度以上とした、請求項11に記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、度数判定チャートにおいて、両側帯と線間の色を変え、両側帯の輝度を線間の輝度以上としたので、被検査者は擬似解像が生じていることをより容易に判断でき、より的確に視認可能な最小の視標を選択できる。これにより、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数をより精度よく判定できる。
尚、ここでいう輝度とは、光が眼に入ったときに感じる明るさを意味し、明るさを比較する尺度としては、例えばYCC表現のY(Y=0.299R+0.587G+0.114B)やHSV表現のV(V=R+G+B)等を用いることができる。
請求項13に記載の発明は、前記度数判定チャートは、前記直線を黒系統色とし、前記直線の間を緑系統色とし、前記両側帯を黄系統色とした、請求項11に記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、度数判定チャートにおいて、配列する直線を黒系統色、線間を緑系統色、両側帯を黄系統色としたもので、各種の色の組合せについて実験した結果、この組合せが被検査者にとって特に見やすく、適確に判定できると判断された。
請求項14に記載の発明は、前記度数判定手段は、被検査者に表示手段から遠い距離で視標を視認させて視認可能な最小の視標を選択させる遠くの度数判定手段と、被検査者に表示手段に近い距離で視標を視認させて視認可能な最小の視標を選択させる近くの度数判定手段と、前記遠くの度数判定手段において選択された視標と前記近くの度数判定手段において選択された視標とに基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する手段とを有する、請求項8ないし請求項13のいずれかに記載の検眼装置である。
通常、コンピュータ画面は手を伸ばした距離(60〜70cm程度)で見ることが多いが、遠視や老視の人のなかには、この距離では近点距離よりも遠くて調節力の範囲内にある人もいるために、度数を判定できない場合がある。
この発明の検眼装置は、度数判定手段において、表示手段から遠い距離で視標を視認させて度数を判定する遠くの度数判定手段と、表示手段に近い距離で度数を判定する近くの度数判定手段とを設け、遠くの度数判定手段において選択された視標と近くの度数判定手段において選択された視標とに基づいて被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する機能を備えたものである。
これにより、遠くの度数判定手段による判定では近点距離より遠くて調節力の範囲にある遠視や老視の被検査者でも度数を判定することが可能となる。
また、遠視・近視判定手段で遠視・近視を判定できなかった場合に、遠くの度数判定で選択された視標と近くの度数判定で選択された視標とを用いて被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定して度数を演算することができる。例えば、遠くの度数判定で選択された視標のサイズと近くの度数判定で選択された視標のサイズの差を求め、これが正であって一定値以上のとき(すなわち、近くの視標の方がよく見えるとき)に近視と判定したり、これが負であって一定値以下のとき(すなわち、遠くの視標の方がよく見えるとき)に遠視と判定したり、直交する2方向について遠くの度数判定で選択された視標のサイズの差と、直交する2方向について近くの度数判定で選択された視標のサイズの差とを求め、これが同符合でかつ前者より後者が大きいとき、その平均値をもって乱視度数とするようにしてもよい。
また、遠視・近視判定手段で遠視・近視が判定されている場合でも、遠くの度数判定で選択された視標と近くの度数判定で選択された視標とを相互チェックして被検査者の誤りを正すようにしてもよく、また度数の判定において、遠くの度数判定で選択された視標と近くの度数で選択された視標の両方を使って演算により度数を求めるようにしてもよい。これにより、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度における遠視・近視判定や度数判定をより精度良く行うことができる。
尚、一般にコンピュータ画面は手を伸ばして画面に触れる程度の距離で見ることが多く、遠視や老視の人の多くは近点距離が30cm以上であることから、遠くの度数判定は例えば被検査者が手を伸ばして表示手段に触れる距離(60〜70cm程度)で行い、近くの度数判定は例えば被検査者の眼と表示手段の間にA4用紙を縦に置いた距離(30cm程度)で行うようにしてもよい。
請求項15に記載の発明は、前記近くの度数判定手段は、所定年令以上であって前記遠視・近視判定手段において遠視と判定された被検査者と、前記遠視・近視判定手段において判定が保留であった被検査者について行うようにした、請求項14に記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、度数判定手段において、近くの度数判定は、一定の年令以上で遠視の人と遠視・近視判定手段で判定できなかった人に限って行うようにしたもので、眼のいい人や近視の人は遠くの度数判定だけでよい結果が得られるので、近くの度数判定を省略した。
このように、近くの度数判定を必要な場合に限定して行うようにしたので、効率的に被検査者の度数を判定できる。
請求項16に記載の発明は、前記度数判定手段は、前記選択された直交する2方向について、均一な太さの赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域と前記線群領域のいずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する視標を段階的に大きさを変化させた度数判定チャートを表示する手段と、前記表示された度数判定チャートについて被検査者に前記線群領域のなかに前記基準色領域と同一色の直線があると視認された最小の視標を選択させる手段と、前記度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する手段とを有する、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域といずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する視標を度数に対応させて段階的に大きさを変化させた度数判定チャートを用いて度数を判定するようにしたものである。
これは、被検査者が2色の直線の配列された視標を見たときに、視力に対応した眼の分解能よりも大きな間隔で配列された視標は正しく2色に分解して見えるが、視力に対応した眼の分解能よりも小さい間隔で配列された視標では2色が混色して見えることを利用して度数を判定するようにしたものである。
これにより、被検査者は視認可能な最小の視標を直感的に判断することができ、擬似解像により直線の数を間違えて判断するという問題も緩和される。
尚、使用する色は必ずしも赤系統色と青系統色に限定されるものではなく、被検査者が混色したことをはっきり認識できるものである限りどのような色の組合せを用いてもよい。
また、ここでは度数に対応させて段階的に大きさを変化させた視標を用いて視認可能な最小の視標を選択させるようにしたが、2つの色を放射状に交互に配置した視標を用い、2色に分解して視認できる中心に最も近い位置の中心からの距離で度数を判定するようにしてもよい。この場合、方位に対応した度数が判定できるので、これを利用して乱視軸角度の判定と度数判定を同時に行うようにしてもよい。また、例えば混色させる色の組合せを波長の長い部分で行ったものと短い部分で行ったものを組合せて、乱視軸の判定と遠視・近視の判定と度数の判定とを同時に行うようにしてもよい。これにより、極めて効率的に検眼を行うことが可能となる。
請求項17に記載の発明は、前記度数判定手段は、前記選択された直交する2方向について、均一な太さの赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域と前記線群領域のいずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する大きさの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示する手段と、前記表示された各度数判定チャートについて被検査者に前記線群領域のなかに前記基準色領域と同一色の直線があると視認された最小の視標を選択させる手段と、前記各度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する手段とを有する、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域といずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する視標を度数に対応させて大きさの段階差を2以上とした複数の度数判定チャートを順次表示して度数を判定するようにしたものである。
このように、2色の混合によって視認可否を判断するので、被検査者は視認可能な最小の視標を直感的に判断することができ、擬似解像により直線の数を間違えて判断するという問題も緩和される。
また、大きさの段階差が2以上の視標を組合せた度数判定チャートを使用するので、被検査者は小さな段階差の視標から視認可能な最小の視標を選択するという微妙な判断から開放され、視認可能な最小の視標を容易に選択できる。
更に、複数の度数判定チャートにおける判断を組合せて視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者が擬似解像等によって部分的に判断を誤った場合でも、相互チェックによって正しく度数を判定することが可能となり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数をより精度良く判定できる。
特に、大きさの段階差を3とした3つの度数判定チャートを使用することが好ましく、被検査者は視認可能な最小の視標を容易に選択でき、かつ3回の判断で度数を精度良く判定できる。
請求項18に記載の発明は、指向性を有しない図形からなる視標を段階的に大きさを変化させた粗判定チャートを表示する手段と、前記表示された粗判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させる手段とを有し、被検査者の粗い見え方を判定する粗判定手段を備え、前記乱視軸判定手段は、前記判定された粗い見え方に基づいて前記表示される各乱視軸判定チャートの各視標の大きさを調節する手段を有する、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、粗判定手段により粗判定チャートを用いて被検査者の粗い見え方を判定し、乱視軸角度判定手段において粗い見え方に基づいて表示する視標の大きさを調節するようにしたので、被検査者は各自の視力に応じた適切な大きさの視標で乱視軸を判定でき、判断が容易となる。
尚、粗判定チャートは、指向性を有しない図形からなる視標を用いているので、被検査者が乱視を有する場合でも、乱視軸角度に左右されることなく粗い見え方を判定することができる。
請求項19に記載の発明は、指向性を有しない図形からなる視標を段階的に大きさを変化させた粗判定チャートを表示する手段と、前記表示された粗判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させる手段とを有し、被検査者の粗い見え方を判定する粗判定手段を備え、前記遠視・近視判定手段は、前記判定された粗い見え方に基づいて前記表示される各遠視・近視判定チャートに配列する直線の幅と間隔を調節する手段を有する、請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、粗判定手段により粗判定チャートを用いて被検査者の粗い見え方を判定し、遠視・近視判定手段において粗い見え方に基づいて各遠視・近視判定チャートに配列する直線の幅と間隔を調節するようにしたので、被検査者は各自の視力に応じた適切な大きさの視標で遠視・近視を判定できる。
また、粗い見え方に基づいて、被検査者の度数が高いほど遠視・近視判定チャートに配列する直線の幅を間隔に対して大きくするようにしてもよい。これにより、近視の強い人ほど赤系統色が膨張して直線が見えにくくなるため、判定しづらいという問題を緩和することができる。
尚、粗判定チャートは、指向性を有しない図形からなる視標を用いているので、被検査者が乱視を有する場合でも、乱視軸角度に左右されることなく粗い見え方を判定することができる。
請求項20に記載の発明は、指向性を有しない図形からなる視標を段階的に大きさを変化させた粗判定チャートを表示する手段と、前記表示された粗判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させる手段とを有し、被検査者の粗い見え方を判定する粗判定手段を備え、前記度数判定手段は、前記判定された粗い見え方に基づいて前記表示される度数判定チャートの視標の大きさの範囲を限定する手段を有することを特徴とする、請求項8ないし請求項16のいずれかに記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、粗判定手段により粗判定チャートを用いて被検査者の粗い見え方を判定し、度数判定手段において粗い見え方に基づいて使用する視標の大きさの範囲を限定するようにしたので、検査時間が短縮されると同時に、被検査者の判断が容易となり、より精度良く検眼できる。
尚、粗判定チャートは、指向性を有しない図形からなる視標を用いているので、被検査者が乱視を有する場合でも、乱視軸角度に左右されることなく粗い見え方を判定することができる。
請求項21に記載の発明は、前記乱視軸角度判定手段と前記遠視・近視判定手段と前記度数判定手段の少なくともいずれかにおいて、被検査者の眼に外光が入らないように遮蔽して視標を視認させるようにした、請求項1ないし請求項20のいずれかに記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、被検査者の眼に外光が入らないように遮断して視標を視認させるので、被検査者が視標を視認する際の照明条件が一定となり、より精度よく検眼できる。
また、外部からの光を遮断することで、被検査者の瞳孔が拡大して焦点深度が浅くなるので、視標の判断が容易となる。
尚、外光を遮断する方法としては、例えば新聞紙やA4用紙等を巻いた不透明の筒を被検査者の眼と表示手段の間にセットさせるようにすればよい。このように、新聞紙やA4用紙等の一定規格のものを用いれば、被検査者の眼と表示手段に表示される視標との距離を一定にできるので、より精度良く検眼できる。
請求項22に記載の発明は、前記度数判定手段により判定された度数に基づいてスタート眼球モデルを選定し、被検査者の任意の調節点におけるモデルの妥当性を検証して眼球光学モデルを決定する眼球光学モデル決定手段と、前記眼球光学モデルを用いて被検査者がメガネ・コンタクトレンズを装用したときの集光性能を検証し、レンズ度数を決定するレンズ度数決定手段とを備えた、請求項1ないし請求項21のいずれかに記載の検眼装置である。
この発明の検眼装置は、眼球光学モデル決定手段により度数判定手段で判定された度数をもとに被検査者の眼を模擬した眼球光学モデルを生成し、レンズ度数決定手段によりその眼球光学モデルを用いて推奨レンズによる矯正後の集光性能を検証してレンズ度数を決定するので、被検査者は自分の眼にあった精度のよいメガネまたはコンタクトレンズを選定することができる。
請求項23に記載の発明は、表示手段に表示した視標を被検査者に左右片眼づつ視認させ、被検査者が視認した結果を取得することにより自覚的に検眼を行う検眼方法であって、乱視軸を判定する視標を表示し、被検査者が視認した結果を取得することにより乱視軸角度を判定するステップと、前記判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について遠視・近視を判定する視標を表示し、被検査者が視認した結果を取得することにより前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定するステップと、前記判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について度数を判定する視標を表示し、被検査者が視認した結果を取得することにより前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定するステップとを有する、検眼方法である。
この発明の検眼方法は、遠視・近視を判定するステップを備え、被検査者の眼が遠視か近視かを判定するので、被検査者のなかに遠視を有する人が含まれていても精度良く検眼できる。
また、乱視軸角度を判定するステップにより被検査者の乱視軸を判定し、遠視・近視を判定するステップによりその乱視軸に基づいて選択された直交する2方向について個別に遠視・近視を判定し、度数を判定するステップによりその乱視軸に基づいて選択された直交する2方向について度数を判定するので、混合乱視を有する人でも精度良く検眼できる。
請求項24に記載の発明は、前記乱視軸角度を判定するステップは、略45度・略90度・略135度・略180度の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第1の乱視軸判定チャートを表示するステップと、前記表示された第1の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させるステップと、前記4方向の略中間の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第2の乱視軸判定チャートを表示するステップと、前記表示された第2の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させるステップと、前記第1の乱視軸判定チャートについて被検査者が選択した視標と前記第2の乱視軸判定チャートについて被検査者が選択した視標を含む第3の乱視軸判定チャートを表示するステップと、前記表示された第3の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させるステップと、前記第1の乱視軸判定チャートについて選択された視標と前記第2の乱視軸判定チャートについて選択された視標と前記第3の乱視軸判定チャートについて選択された視標とに基づいて乱視軸角度を決定するステップとを有する、請求項23に記載の検眼方法である。
この発明の検眼方法は、乱視軸角度を判定するステップにおいて、多数の直線を平行に配列した線状群からなる視標を用い、かつ45度間隔の4方向に限定した視標を組合せた乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させるようにしたので、一般の人でも容易に乱視軸を判断でき、誤った判定を抑制できる。
また、更に45度・90度・135度・180度の中間の4方向の視標を組合せた第2の乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させるとともに、2つの乱視軸判定チャートについて選択された視標を組合せた第3の乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させ、3つの乱視軸判定チャートについて選択された視標から乱視軸角度を決定するようにしたので、3つの乱視軸判定チャートについて選択された視標の角度から演算によってその中間の角度の乱視軸を決定することができ、表示した合計8方向の視標に対して実質的に2倍の分解能で乱視軸角度を決定できる。
更に、被検査者が部分的に誤った視標を選択した場合でも、3つの乱視軸判定チャートについて選択された視標を相互にチェックすることにより正しく判定することが可能となり、被検査者の乱視軸角度をより精度良く決定できる。
請求項25に記載の発明は、前記遠視・近視を判定するステップは、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの一方向に黒系統色の直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートを表示するステップと、前記表示された第1の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させるステップと、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの他方向に黒系統色の直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートを表示するステップと、前記表示された第2の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させるステップと、背景が赤系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記一方向に黒系統色の直線を配置し、背景が青系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記他方向に黒系統色の直線を配置した第3の遠視・近視判定チャートを表示するステップと、前記表示された第3の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させるステップと、背景が赤系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記他方向に黒系統色の直線を配置し、背景が青系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記一方向に黒系統色の直線を配置した第4の遠視・近視判定チャートを表示するステップと、前記表示された第4の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させるステップと、前記第1の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第2の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第3の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第4の遠視・近視判定チャートについて選択された結果とに基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定するステップとを有する、請求項23または請求項24に記載の検眼方法である。
この発明の検眼方法は、遠視・近視を判定するステップにおいて、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域とを有し、双方の領域に乱視軸角度を判定するステップにより判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向のいずれかの方向に黒系統色の直線を配置した視標を使用するものであって、双方の領域に2方向のうちの一方向に直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートと、双方の領域に2方向のうちの他方向に直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートと、一方の領域に2方向のうちの前記一方向に直線を配置し、他方の領域に2方向のうちの前記他方向に直線を配置した第3の遠視・近視判定チャートと、一方の領域に2方向のうちの前記他方向に直線を配置し、他方の領域に2方向のうちの前記一方向に直線を配置した第4の遠視・近視判定チャートとを表示し、各遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させることで、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する。
これは、人間の眼が赤系統色の領域と青系統色の領域を同時に視認したときに、色収差により赤系統色は奥側に青系統色は手前側に焦点を結ぶため、近視の場合は赤系統色の領域の方が明瞭に見え、遠視の場合は青系統色の領域の方が明瞭に見えることを利用したもので、被検査者はいずれの領域が明瞭に見えるかを判断するだけでよいので容易に判断できる。
また、この遠視・近視判定チャートは、色収差を生ずる2色の領域に乱視軸角度を判定するステップにより判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向に直線を配置した方向性を有する視標を表示するので、遠視・近視の角度依存性を検出できる。これにより、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度のそれぞれについて独立に遠視・近視を判定でき、混合乱視の人にも対応できる。
更に、双方の領域に2方向のうちのいずれか一方に直線を配置した2つの遠視・近視判定チャートの他に、双方の領域に2方向の向きを変えた直線を配置した2つの遠視・近視判定チャートを用いて、遠視・近視を判定するようにしたので、被検査者が部分的に誤って判定した場合でも、4つのチャートにおいて選択された結果を相互にチェックすることにより正しく判定することが可能となり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視をより精度良く判定できる。
尚、第1の遠視・近視判定チャートと第2の遠視・近視判定チャートにおいて、被検査者がいずれも「赤系統色の領域」または「同じに見える」のどちらかを選択し、「青系統色の領域」を選択しなかった場合は、遠視の要因はないと考えられるので、第3の遠視・近視判定チャートと第4の遠視・近視判定チャートを用いた判定は省略するようにしてもよい。これにより、より効率的に遠視・近視を判定できる。
請求項26に記載の発明は、前記度数を判定するステップは、前記選択された直交する2方向について、一定数の直線を平行に配列した大きさの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示するステップと、前記表示された各度数判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させるステップと、前記各度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定するステップとを有する、請求項23ないし請求項25のいずれかに記載の検眼方法である。
この発明の検眼方法は、度数を判定するステップとして、乱視軸角度を判定するステップにより判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について、一定数の直線を平行に配列した視標を度数に対応させて大きさの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示し、各度数判定チャートについて被検査者に正しく直線の本数を視認できる最小の視標を選択させるようにしたので、従来のランドルト環を回転させて部分的な切れ目を判断するような場合と比較して、視標の大きさの段階を数多くとることができ、それにより度数決定の分解能が上がり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を精度良く判定できる。
また、大きさの段階差が2以上の視標を組合せた度数判定チャートを使用するので、被検査者は小さな段階差の視標から視認可能な最小の視標を選択するという微妙な判断から開放され、視認可能な最小の視標を容易に選択できる。
更に、複数の度数判定チャートにおける判断を組合せて視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者が擬似解像等によって部分的に判断を誤った場合でも、相互チェックによって正しく度数を判定することが可能となり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数をより精度良く判定できる。
特に、大きさの段階差を3とした3つの度数判定チャートを使用することが好ましく、被検査者は視認可能な最小の視標を容易に選択でき、かつ3回の判断で度数を精度良く判定できる。
請求項27に記載の発明は、前記度数を判定するステップは、被検査者に表示手段から遠い距離で視標を視認させて視認可能な最小の視標を選択させる遠くの度数を判定するステップと、被検査者に表示手段に近い距離で視標を視認させて視認可能な最小の視標を選択させる近くの度数を判定するステップと、前記遠くの度数を判定するステップにおいて選択された視標と前記近くの度数を判定するステップにおいて選択された視標とに基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定するステップとを有する、請求項23ないし請求項26のいずれかに記載の検眼方法である。
通常、コンピュータ画面は手を伸ばした距離(60〜70cm程度)で見ることが多いが、遠視や老視の人のなかには、この距離では近点距離よりも遠くて調節力の範囲内にある人もいるために、度数を判定できない場合がある。
この発明の検眼方法は、度数を判定するステップにおいて、表示手段から遠い距離で視標を視認させて度数を判定する遠くの度数を判定するステップと、表示手段に近い距離で度数を判定する近くの度数を判定するステップとを設け、遠くの度数を判定するステップにおいて選択された視標と近くの度数を判定するステップにおいて選択された視標とに基づいて被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する機能を備えたものである。
これにより、遠くの度数判定手段による判定では近点距離より遠くて調節力の範囲にある遠視や老視の被検査者でも度数を判定することが可能となる。
また、遠視・近視を判定するステップで遠視・近視が判定できなかった場合に、遠くの度数判定で選択された視標と近くの度数判定で選択された視標とを用いて被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定して度数を演算することができる。例えば、遠くの度数判定で選択された視標のサイズと近くの度数判定で選択された視標のサイズの差を求め、これが正であって一定値以上のとき(すなわち、近くの視標の方がよく見えるとき)に近視と判定したり、これが負であって一定値以下のとき(すなわち、遠くの視標の方がよく見えるとき)に遠視と判定したり、直交する2方向について遠くの度数判定で選択された視標のサイズの差と、直交する2方向について近くの度数判定で選択された視標のサイズの差とを求め、これが同符合でかつ前者より後者が大きいとき、その平均値をもって乱視度数とするようにしてもよい。
また、遠視・近視を判定するステップで遠視・近視が判定されている場合でも、遠くの度数判定で選択された視標と近くの度数判定で選択された視標とを相互チェックして被検査者の誤りを正すようにしてもよく、また度数の判定において、遠くの度数判定で選択された視標と近くの度数で選択された視標の両方を使って演算により度数を求めるようにしてもよい。これにより、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度における遠視・近視判定や度数判定をより精度良く行うことができる。
尚、一般にコンピュータ画面は手を伸ばして画面に触れる程度の距離で見ることが多く、遠視や老視の人の多くは近点距離が30cm以上であることから、遠くの度数判定は例えば被検査者が手を伸ばして表示手段に触れる距離(60〜70cm程度)で行い、近くの度数判定は例えば被検査者の眼と表示手段の間にA4用紙を縦に置いた距離(30cm程度)で行うようにしてもよい。
請求項28に記載の発明は、前記度数を判定するステップは、前記選択された直交する2方向について、均一な太さの赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域と前記線群領域のいずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する視標を段階的に大きさを変化させた度数判定チャートを表示するステップと、前記表示された度数判定チャートについて被検査者に前記線群領域のなかに前記基準色領域と同一色の直線があると視認された最小の視標を選択させるステップと、前記度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定するステップとを有する、請求項23ないし請求項25のいずれかに記載の検眼方法である。
この発明の検眼方法は、赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域といずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する視標を度数に対応させて段階的に大きさを変化させた度数判定チャートを用いて度数を判定するようにしたものである。
これは、被検査者が2色の直線の配列された視標を見たときに、眼の調節力の範囲内にあるときは正しく2色に分解して見えるが、眼の調節力の範囲を超えると2色が混色して見えることを利用して度数を判定するようにしたものである。
これにより、被検査者は視認可能な最小の視標を直感的に判断することができ、擬似解像により直線の数を間違えて判断するという問題も緩和される。
尚、使用する色は必ずしも赤系統色と青系統色に限定されるものではなく、被検査者が混色したことをはっきり認識できるものである限りどのような色の組合せを用いてもよい。
また、ここでは度数に対応させて段階的に大きさを変化させた視標を用いて視認可能な最小の視標を選択させるようにしたが、2つの色を放射状に交互に配置した視標を用い、2色に分解して視認できる中心に最も近い位置の中心からの距離で度数を判定するようにしてもよい。この場合、方位に対応した度数が判定できるので、これを利用して乱視軸角度の判定と度数判定を同時に行うようにしてもよい。また、例えば混色させる色の組合せを波長の長い部分で行ったものと短い部分で行ったものを組合せて、乱視軸の判定と遠視・近視の判定と度数の判定とを同時に行うようにしてもよい。これにより、極めて効率的に検眼を行うことが可能となる。
請求項29に記載の発明は、前記度数を判定するステップは、前記選択された直交する2方向について、均一な太さの赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域と前記線群領域のいずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する大きさの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示するステップと、前記表示された各度数判定チャートについて被検査者に前記線群領域のなかに前記基準色領域と同一色の直線があると視認された最小の視標を選択させるステップと、前記各度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定するステップとを有する、請求項23ないし請求項25のいずれかに記載の検眼方法である。
この発明の検眼方法は、赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域といずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する視標を度数に対応させて大きさの段階差を2以上とした複数の度数判定チャートを順次表示して度数を判定するようにしたものである。
このように、2色の混合によって視認可否を判断するので、被検査者は視認可能な最小の視標を直感的に判断することができ、擬似解像により直線の数を間違えて判断するという問題も緩和される。
また、大きさの段階差が2以上の視標を組合せた度数判定チャートを使用するので、被検査者は小さな段階差の視標から視認可能な最小の視標を選択するという微妙な判断から開放され、視認可能な最小の視標を容易に選択できる。
更に、複数の度数判定チャートにおける判断を組合せて視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者が擬似解像等によって部分的に判断を誤った場合でも、相互チェックによって正しく度数を判定することが可能となり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数をより精度良く判定できる。
特に、大きさの段階差を3とした3つの度数判定チャートを使用することが好ましく、被検査者は視認可能な最小の視標を容易に選択でき、かつ3回の判断で度数を精度良く判定できる。
請求項30に記載の発明は、指向性を有しない図形からなる視標を段階的に大きさを変化させた粗判定チャートを表示するステップと、前記表示された粗判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させるステップとを有し、被検査者の粗い見え方を判定するステップを備え、前記乱視軸角度を判定するステップおよび/または前記遠視・近視を判定するステップおよび/または前記度数を判定するステップは、前記判定された粗い見え方に基づいて前記表示される視標の条件を変化させるステップを有する、請求項23ないし請求項29のいずれかに記載の検眼方法である。
この発明の検眼は、粗い見え方を判定するステップにより粗判定チャートを用いて被検査者の粗い見え方を判定し、乱視軸角度を判定するステップや遠視・近視を判定するステップや度数を判定するステップにおいて、粗い見え方に基づいて表示する視標の条件を適切に変化させるので、検査時間が短縮されると同時に、被検査者の判断が容易となり、より精度良く検眼できる。
尚、粗判定チャートは、指向性を有しない図形からなる視標を用いているので、被検査者が乱視を有する場合でも、乱視軸角度に左右されることなく粗い見え方を判定することができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
第1図は、本願発明の一実施形態にかかる検眼システムの構成図である。
第2図は、粗判定チャートの例を示す図である。
第3図は、第1の乱視軸判定チャートの例を示す図である。
第4図は、第2の乱視軸判定チャートの例を示す図である。
第5図は、第3の乱視軸判定チャート(その1)の例を示す図である。
第6図は、第3の乱視軸判定チャート(その2)の例を示す図である。
第7図は、第3の乱視軸判定チャート(その3)の例を示す図である。
第8図は、遠視・近視判定チャートの例を示す図である。
第9図は、度数判定用視標の例を示す図である。
第10図は、第1の度数判定チャートの例を示す図である。
第11図は、第2の度数判定チャートの例を示す図である。
第12図は、第3の度数判定チャートの例を示す図である。
第13図は、度数判定チャートの他の例を示す図である。
第14図は、度数判定視標の他の例を示す図である。
第15図は、本願発明の一実施形態にかかる検眼システムに使用される眼球光学モデルの概念図である。
第16図は、本願発明の一実施形態にかかる検眼システムの処理フロー図(個人情報収集処理と粗判定処理)である。
第17図は、本願発明の一実施形態にかかる検眼システムの処理フロー図(乱視軸判定処理)である。
第18図は、本願発明の一実施形態にかかる検眼システムの処理フロー図(遠視・近視判定処理)である。
第19図は、本願発明の一実施形態にかかる検眼システムの処理フロー図(度数判定処理)である。
第20図は、本願発明の一実施形態にかかる検眼システムの処理フロー図(レンズ度数決定処理)である。
第21図は、従来の視力判定用視標の例(ランドルト環)を示す図である。
第22図は、従来の乱視軸判定用視標の例を示す図である。
第1図は、本願発明の一実施形態にかかる検眼システムの構成図である。図のように、検眼システム10は、検眼サーバ12と被検査者端末50とネットワーク100から構成される。
検眼サーバ12は、被検査者端末50に視標データなどのデータを提供し、被検査者端末50で入力された結果に基づいて、被検査者の乱視軸の判定、遠視・近視の判定、度数の決定を行い、自覚的な検眼を行う機能を有する。検眼サーバ12のハードウェアとしては、パソコン、ワークステーション、サーバ等のコンピュータが使用される。検眼サーバ12は、各種アプリケーションをインストールすることで様々なサービスを提供することができる。また、検眼サーバ12には、図示しないモデムやネットワークインターフェースカードが装着されおり、ネットワーク100を介して、被検査者端末50と双方向のデータ通信を行う。
検眼サーバ12は、中央処理部14を有する。中央処理部14は、後述する各手段の動作を制御・管理する。
中央処理部14には、視標データを提供するWWWサーバ16が接続されている。WWWサーバ16は、ネットワーク100を介して、被検査者端末50と双方向のデータ通信が行える機能を有する。WWWサーバ16は、被検査者端末50のマウスやキーボード等の入力手段(図示せず)により入力・操作された内容に基づき、HTMLデータ、画像データおよび各種プログラムを被検査者端末50に送信する。また、WWWサーバ16は、被検査者端末50において入力され、送信されたデータを受信する。
WWWサーバ16には、CGI18が接続されている。CGI18は、被検査者端末50から送信されたデータの内容に対応して、動的にHTMLデータを生成し、WWWサーバ16に生成したHTMLデータを引き渡す機能を有する。
また、CGI18は、WWWサーバ16から引き渡されたデータから被検査者が視標を視認している状態に関するデータを抽出する。CGI18は、抽出・取得したデータを後述する眼球光学パラメータ決定手段28に引き渡す。
WWWサーバ16が各種データを読み出す記憶領域20には、視標データ22が記憶されている。視標データ22は、検眼に用いる視標の画像を表示するデータである。視標データ22は、JPEG、PNG、GIF、アニメーションGIFやFlash(マクロメディア社の登録商標)データなどの各種画像データとして記憶されている。視標データ22は、適宜HTMLデータの一部として被検査者端末50に送信され、被検査者端末50の表示装置において表示される。視標データ22は、判定内容に応じた種々の視標データ22が記憶されている。以下、判定に用いる視標データ22について説明を行う。
視標データ22には、粗い見え方を判定する視標22aと、乱視軸を判定する視標22bと、遠視・近視を判定する視標22cと、度数を判定する視標22dとが含まれる。
粗い見え方を判定する視標22aは、指向性を有しない一定の太さを有する記号からなる視標であり、ここでは黒地の背景に、2つの無端環状体を略接円状に配置し、線幅が一定の白色の太線で描画することで数字の“8”が黒地の背景に白抜きで描画されているものを用いた。この視標22aは、粗い見え方のランクに対応させて大きさを段階的に変えたものを配列した粗判定チャート(第2図)として使用する。
粗い見え方の判定は、粗判定チャートを被検査者端末に表示し、一定の距離から画面を見て視認可能な最小の視標を選択させることで行う。
このように指向性を有しない記号を用いたのは、指向性を有する直線などが多用された視標を使用すると、その方向に乱視成分を有する人の判定に誤りを生ずるからである。従って、乱視を有しない被検査者に限定される場合には、直線が多用された文字や記号を視標として用いてもよい。また、ここでは白色の太線で数字の“8”を描画した視標を用いたが、明るい背景に黒線を描画したものでもよく、ドーナツ形や2重円や3重円などの指向性を有しない視標を用いてもよい。
乱視軸を判定する視標22bは、ここでは緑地の背景に一定の太さの多数の黒色の直線を等しい間隔をおいて平行に配置させたものを用いた。この視標22bは、直線をそれぞれ45度、90度、135度、180度の方向に向けた4つの視標を組合せた第1の乱視軸判定チャート(第3図)と、直線をそれぞれ23度、68度、113度、158度の方向に向けた4つの視標を組合せた第2の乱視軸判定チャート(第4図)と、第1の乱視軸判定チャートによる判定結果と第2の乱視軸判定チャートによる判定結果をもとに選択された視標を組合せた第3の乱視軸判定チャート(第5図、第6図、第7図)として使用する。
乱視軸角度の判定は、最初に第1の乱視軸判定チャートを被検査者端末に表示して濃く見える視標を選択させ、次に第2の乱視軸判定チャートを表示して濃く見える視標を選択させることにより行い、これらの2つのチャートで乱視軸角度を決定できない場合は、2つのチャートで選択された視標を組合せた第3の乱視軸判定チャートを表示して濃く見える視標を選択させることで乱視軸角度を決定する。このように、45度、90度、135度、180度の方向に直線を向けた視標による判定と、その中間の23度、68度、113度、158度の方向に直線を向けた視標による判定を組合せることで見かけ上両者の中間の角度を決定できるので、用いた視標の最小角度差の実質的に2倍の分解能で乱視軸角度を決定できる。
尚、ここでは、視標22bは被検査者の瞳孔が縮瞳状態にならないようにするため背景を緑色とし、黒色の直線を配列した視標を用いたが、背景に対して直線が十分に識別できるコントラストを有し、被検査者の瞳孔が縮瞳状態にならないものであれば、どのような色の組合せを用いてもよい。
遠視・近視を判定する視標22cは、ここでは矩形の枠内を左右均等に配分して、左を背景が赤色の領域、右を背景が青色の領域として、各領域のそれぞれについて両領域の境界寄りに、一定の太さの黒色の直線を平行に等間隔に配置したものを用いた。この視標22cは、双方の領域に乱視軸角度に対応する方向に直線を配置した第1の遠視・近視判定チャート(第8図(a))と、双方の領域に乱視軸角度と直交する角度に対応する方向に直線を配置した第2の遠視・近視判定チャート(第8図(b))と、赤色の領域に乱視軸角度に対応する方向に直線を配置し、青色の領域に乱視軸角度と直交する角度に対応する方向に直線を配置した第3の遠視・近視判定チャート(第8図(c))と、赤色の領域に乱視軸角度と直交する角度に対応する方向に直線を配置し、青色の領域に乱視軸角度に対応する方向に直線を配置した第4の遠視・近視判定チャート(第8図(d))として使用する。
遠視・近視の判定は、チャートを被検査者端末に表示して、赤色と青色のいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させることによって行う。これは、赤色の光線と青色の光線が眼球に入光したとき、色収差により青色の光線の方が手前側に結像され、赤色に光線の方が奥側に結像されるため、遠視の人と近視の人ではいずれの視標が明瞭に見えるかに差異を生ずることを利用したものである。従って、視標22cの背景は赤色と青色に限定されるものではなく、色収差により上述したような現象が生ずる限りどのような色の組合せを用いてもよい。また、直線についても、各領域の背景に対してコントラストを有し、いずれの領域が明瞭に見えるかを選択できるものである限り、どのような色を用いてもよい。
尚、第1の遠視・近視判定チャートによる判定と第2の遠視・近視判定チャートによる判定のいずれも「赤の領域」または「同じに見える」が選択された場合は正視または近視と考えられるので、第3の遠視・近視判定チャートと第4の遠視・近視判定チャートによる判定は行わず、第1の遠視・近視判定チャートによる判定と第2の遠視・近視判定チャートによる判定のいずれかで「青の領域」が選択された場合にのみ、第3の遠視・近視判定チャートと第4の遠視・近視判定チャートによる判定を行う。
ここでは、各領域は便宜上矩形の枠を用いたが、必ずしも矩形の枠とする必要はなく、円形等でもよい。また、第8図では90度と180度の方向に直線を配置した視標を用いた場合を示しているが、実際には被検査者の乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について直線を配置した視標を用いる。従って、遠視・近視判定チャートは、第8図に示すもののほか、45度と135度の方向に直線を配置した視標と23度と113度の方向に直線を配置した視標と68度と158度の方向に直線を配置した視標とを用いたものが使用される。
尚、乱視軸角度は、演算によって23度刻みの中央の方向となる場合があるが、一般の表示装置では23度刻みの中央の方向の直線は描画が困難であることと、視標の方向が厳密に乱視軸角度と一致していなくても判定可能であることから、最も近い23度刻みの方向を選択して遠視・近視を判定するようにしている。従って、被検査者端末に高解像度の表示手段が使用されている場合には、決定された乱視軸角度に対応した小さな角度刻みの視標を用いて遠視・近視を判定するようにしてもよいことはいうまでもない。
度数を判定する視標22dは、ここでは緑色の背景に一定の太さの3本の黒色の直線を等間隔に配置したものであって、3本の直線の幅方向の両外側に線間と同一幅の黄色の両側帯を設けたものを用いた(第9図)。この視標22dは、度数に対応させて大きさを段階的に変化させた多数の視標が準備されており、ここでは大きさの段階差が3の視標を組合せた第1の度数判定チャート(第10図)と、第2の度数判定チャート(第11図)と、第3の度数判定チャート(第12図)として使用する。
度数の判定は、被検査者端末に各度数判定チャートを順次表示し、それぞれについて黒色の直線が3本に見える最小の視標を選択させ、各チャートについて選択された視標から相互チェックによって視認可能な最小の視標を判定して度数を決定する。
ここで、大きさの段階差が3の視標を組合せた3つのチャートを用いて度数を判定するようにしたのは、被検査者が視認可能な最小の視標を容易に選択できるようにするためと判定結果を相互チェックすることで信頼性の高い判定結果が得られるからである。従って、被検査者が視認可能な最小の視標を選択できる限り段階差が1の視標を組合せたチャートを用いて度数を判定するようにしてもよい。その場合、度数をいくつかに区分し、各区分ごとに視標を組合せた複数のチャートを用いて度数を判定するようにしてもよい。一方、被検査者の視標の選択をさらに容易にするため、大きさの段階差をさらに大きくしてもよいが、それだけチャートの数が増えるので、判定時間は長くなる。
視標に両側帯を設けたのは、両側帯がないと擬似解像が生じたときに3本線の外側にうっすらと黒線が見え、これを本数としてカウントすべきか否かの判断が難しいが、ここに明るい両側帯を設けると擬似解像による直線とコントラストがついて判断しやすくなるからである。また、両側帯がないと、視認可能な視標のサイズを超えて、より小さな視標サイズを見たときにゆるやかにボケてゆくため、視認限界の判断が難しいが、両側帯を設けることで視標を小さくしたときに黒線と線間と両側帯とが入り乱れてボケるため視認限界の判断が容易になるからである。従って、両側帯の色は線間の色と異なり、線間の輝度より高いことが好ましい。また、両側帯の幅は、黒線の幅に対して0.5倍から2倍とすることで上記効果が得られる。
視標の線間や両側帯の色は、赤や青を使用すると色収差の影響を受けるので、その他の色が好ましい。線間の色は、モノクロ・緑色・黄色のいずれかが好ましく、両側帯の色は、モノクロまたは黄色が好ましい。このようなことから、ここでは線間は背景より少し明るい緑色とし、両側帯は線間と色が異なり、輝度の高い黄色を用いた。
また、第10図から第12図のチャートでは、180度の方向に直線を配置した視標を用いた場合を示しているが、実際には被検査者の乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について直線を配置した視標を用いる。従って、遠視・近視判定チャートは、第8図に示すもののほか、90度と45度や135度の方向に直線を配置した視標を用いたものが使用される。
この度数判定チャートにおいては、23度、68度、113度、168度の方向に直線を配置した視標は用いていない。これは、乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数は、視標の方向が厳密に乱視軸角度と一致していなくても誤差は小さく、また23度刻みの方向の直線は、解像度の高くないコンピュータ画面ではギザギザが生ずるため、直線が視認できているかどうかの判断が難しくなり、かえって誤った判断をしてしまう可能性があるからである。このため、乱視軸判定チャートで判定された乱視軸角度に対して45度刻みの最も近い角度およびそれと直交する角度を選択して度数を判定するようにしている。従って、被検査者端末に高解像度の表示手段が使用されている場合には、決定された乱視軸角度に対応した小さな角度刻みの視標を用いて度数を判定するようにしてもよいことはいうまでもない。また、被検査者の乱視軸角度が45度刻みの視標22dの中間にある場合に、その両側の角度の視標で度数を判定し、得られた度数を按分して乱視軸角度の度数を決定するようにしてもよい。
尚、度数の判定には、被検査者が手を伸ばして画面に触れる距離(以下、「手の距離」いう)で行う「遠くの度数判定」と、画面と眼の間にA4用紙を縦に置いた距離(以下、「A4用紙の距離」いう)でおこなう「近くの度数判定」とがあり、通常は「遠くの度数判定」のみを行い、年令が40歳以上で遠視の被検査者と遠視・近視判定で保留になっている被検査者については「近くの度数判定」を行って、2つの結果を照合して度数を決定する。
また、度数を判定する視標22dとして、矩形の枠内に一定の太さの赤色の直線と青色の直線を平行に等間隔に配置した線群領域と、赤色の直線と同色の基準色領域とを設けたものを用いてもよい(第13図)。これは、被検査者が線群領域を見たときに、赤色の直線と青色の直線が視力に対応する眼の分解能よりも大きなピッチで配列されている視標では2色に分解して見ることができるが、視力に対応する眼の分解能よりも小さいピッチで配列されている視標では混色を起こしてピンクに見えることを利用して度数を判定するものである。
この視標による度数の判定は、第13図に示すように、度数に対応させて段階的に大きさを変えた視標を、被検査者端末に小さいものから順に表示し、線群領域の赤色の線がピンクに見えている状態から、基準色領域と同じ赤色に見えた最初の視標を選択させることにより行うことができる。
また、度数に対応させて大きさを段階的に変えた視標を組合せたチャートを被検査者端末に表示し、線群領域のなかに基準色領域の色と同じ色の直線が見える最小の視標を選択させるようにしてもよい。更に、前述の視標のように大きさの段階差が3の視標を組合せた3つのチャートを順次被検査者端末に表示し、それぞれについて線群領域のなかに基準色領域の色と同じ色の直線が見える最小の視標を選択させ、各チャートについて選択された視標から相互チェックによって視認可能な最小の視標を判定して度数を決定するようにしてもよい。
この視標についても、線群領域が45度、90度、135度、180度の方向に向くように、枠全体が傾けられた視標が用意されており、被検査者の乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について度数の判定を行う。
上記実施形態では、視標は矩形の枠内に表示するものとしたが、必ずしも輪郭は矩形である必要はなく、丸味を持たせたものでもよい。例えば、第14図に示すような、魚の胴体が骨になった状態を模した図形としてもよい。これにより、線群領域のことを被検査者が理解しやすい“魚のあばら骨”と呼んだり、基準色領域のことを“魚の中骨”と呼んだりすることによって、より親しみを持って検眼できる。また、基準色領域の色は、赤色の直線と同色としたが、反対に青色の直線と同色としてもよい。また、基準色領域を線群領域に接するように配置したが、これに限らず、被検査者が視認したときに、瞬時に基準色領域の色と線群領域の一方の直線の色とが同じ色であると判断できるものである限りどのような位置に配置されていてもよい。
尚、被検査者端末に表示される視標の大きさや輝度は、表示装置の種類(CRT,液晶)、サイズ(14インチ、17インチなど)、画面解像度(800×600,1024×768など)によって変化することから、すべての表示装置において所定の大きさや明るさで表示されるように、大きさや輝度を変えた複数の視標データを記憶させている。各視標データは、表示装置の条件に基づいて画像処理演算により生成するように構成してもよいことはいうまでもない。
CGI18には、検眼機能部26が接続されている。
検眼機能部26は、眼球光学パラメータ決定手段28、眼球光学モデル決定手段30を有し、被検査者の検眼を行って概算度数を決定し、眼球光学モデルを構築して被検査者に適したメガネやコンタクトレンズを選定する機能を有する。
眼球光学パラメータ決定手段28は、上述した視標を用いて、被検査者の粗い見え方を判定する粗判定処理、乱視軸角度を判定する乱視軸判定処理、乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する遠視・近視判定処理、乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する度数判定処理を行う機能を有する。
眼球光学モデル決定手段30は、年齢区分と概算度数とからスタート眼球光学モデルを選択するように構成されている。スタート眼球光学モデルとは、縦軸に年齢区分、横軸に度数区分を設け、それぞれの区分の中央値における眼球光学モデルをあらかじめ作成したものである。このため、眼球光学モデル決定手段30にはスタート眼球光学モデルデータベース(図示しない)を有し、縦軸を年齢区分、横軸を度数区分とし、各区分の遠点側の調節限界での眼球光学モデルと、年齢に応じた調節力があると仮定した近点側の調節限界での眼球光学モデルとが記憶されている。従って、縦軸をM区分、横軸をN区分とすると、2×M×N個のスタート眼球光学モデルが登録されている。尚、眼球光学モデル決定手段30により決定される眼球光学モデルは、第15図に示すようなレンズ系で人間の眼を模擬したものである。
被検査者端末50は、被検査者が検眼を受ける際に使用する端末であり、自宅や店舗等に設置され、ネットワーク100を介して検眼サーバ12と種々のデータを送受信する。被検査者端末50は、キーボード・マウス等の入力機器を備えたパソコン、ワークステーション等のコンピュータが使用される。
被検査者端末50には、検眼サーバ12にアクセスするためのWWWブラウザ(図示せず)が搭載されており、URL入力欄に検眼サーバ12に割当てられているIPアドレスやURLを入力することでWWWサーバ16と接続され、検眼サービスを受けることができる。WWWブラウザは、WWWサーバ16から受信した視標の画像を画面に表示し、被検査者が入力した判定結果をWWWサーバ16に送信する。
尚、どこでも誰でも検眼を行えるようにするため、ここではネットワーク100としてインターネット回線を使用したが、双方向のデータ通信が可能な回線であればどのようなものでもよく、公衆回線網、ISDN回線網、携帯電話回線網、専用回線などを使用してもよい。
以下、被検査者が被検査者端末50のWWWブラウザを用いて検眼サーバ12にアクセスしたときの検眼サーバ12の動作について、第16図から第20図に示した処理フロー図を用いて説明する。
最初に、検眼サーバ12は、被検査者端末の画面サイズおよび画面解像度などの環境情報と、被検査者の氏名、年齢、身長などの個人情報を入力する入力フォームを被検査者端末に送信する(S100)。これにより、被検査者端末の画面に入力フォームが表示され、被検査者が入力フォームにデータを入力して“送信”ボタンをクリックすることにより、検眼サーバ12は環境情報、個人情報データを受信する(S102)。
次に、検眼サーバ12は、S104〜S112の粗判定処理を行う。
最初に、受信された環境情報、個人情報に基づいて粗判定の視標条件を決定する(S104)。
次に、決定された視標条件に基づいて視標データ22aを選択して組合せた粗判定チャートを被検査者端末に送信する(S106)。これにより、被検査者端末の画面には、第2図に示すような粗判定チャートが表示される。これに対し、被検査者は表示された粗判定チャートを手の距離で左右のいずれか片眼で視認して“8”と読める最小の視標をクリックする。全ての視標が“8”と読めない場合は、“どれも読めない”と表示されている部分をクリックする。これにより、検眼サーバ12は被検査者の粗判定の選択結果を受信し(S108)、選択された視標の大きさ(見え方番号)から被検査者の粗い見え方を確定する(S110)。
以上の処理を左右両眼について行い(S112)、粗判定処理を終了する。
次に、検眼サーバ12は、S200〜S218の乱視軸判定処理を行う。
最初に、受信された環境情報、個人情報および粗判定処理による見え方番号に基づいて乱視軸判定の視標条件を決定する(S200)。
次に、決定された視標条件に基づいて45度、90度、135度、180度の視標を組合せた第1の乱視軸判定チャートを被検査者端末に送信する(S202)。これにより、被検査者端末の画面には第3図に示すようなチャートが表示される。これに対し、被検査者は表示されたチャートのいずれかの視標がはっきり見える距離まで近づき、左右のいずれか片眼で視認し、いずれの視標が濃く見えるかを判定する。1つの視標が濃く見える場合は“1つ濃く見える”と表示されている部分をクリックした後、濃く見える視標をクリックする。2つ以上濃く見える場合は、“2つ以上濃く見える”と表示されている部分をクリックした後、濃く見える順に2つの視標をクリックする。全部が同じ濃さに見える場合は、”全部同じに見える”と表示されている部分をクリックする。これにより、検眼サーバ12は被検査者の第1の乱視軸判定の選択結果を受信する(S204)。
次に、決定された視標条件に基づいて23度、68度、113度、158度の視標を組合せた第2の乱視軸判定チャートを被検査者端末に送信する(S206)。これにより、被検査者端末の画面には第4図に示すようなチャートが表示される。これに対し、被検査者は表示されたチャートのいずれかの視標がはっきり見える距離まで近づき、左右のいずれか片眼で視認し、前記と同様に、いずれの視標が濃く見えるかを判定してクリックする。これにより、検眼サーバ12は被検査者の第2の乱視軸判定の選択結果を受信する(S208)。
次に、第1の乱視軸判定と第2の乱視軸判定における選択結果から第3の乱視軸判定を行うか否かを判定する(S210)。ここでは、第1の乱視軸判定と第2の乱視軸判定のいずれにおいても“全部同じに見える”が選択されていない場合に、第3の乱視軸判定を行うこととした。第3の乱視軸判定を行う場合は、第1の乱視軸判定で選択された視標と第2の乱視軸判定で選択された視標を組合せた第3の乱視軸判定チャートを被検査者端末に送信する(S212)。これにより、被検査者端末の画面には第5図〜第7図に示すようなチャートが表示される。このように、第3の乱視軸判定チャートは、選択された2つの視標が表示されるもの、選択された3つの視標が表示されるもの、選択された4つの視標が表示されるもののいずれかが適宜生成される。これに対し、被検査者は表示されたチャートのいずれかの視標がはっきり見える距離まで近づき、左右のいずれか片眼で視認し、前記と同様に、いずれの視標が濃く見えるかを判定してクリックする。これにより、検眼サーバ12は被検査者の第3の乱視軸判定の選択結果を受信する(S214)。
最後に、各チャートでの選択結果をもとに被検査者の乱視軸角度を決定する(S216)。その決定アルゴリズムは以下の通りである。
各乱視軸判定チャートにおける視標選択の組合せは、表1に示すように11のケースに分類される。
Figure 2004034893
検眼サーバ12は、第1の乱視軸判定チャートで選択された視標の角度と第2の乱視軸判定チャートで選択された視標の角度が大きく違う場合は、データの信頼性がないとしてエラーとする。エラーの対象となるのは表1のケース番号5,6,8,9の場合であり、エラーの判定は式1に示す条件を満たすか否かにより行う。条件を満たす場合は、エラーとして処理され、判定を中断するか、再判定が行われる。
Figure 2004034893
尚、式1において、A1mは第1の乱視軸判定チャートで選択された視標の角度の平均であり、1つ選択の場合はその視標の角度である。A2mは第2の乱視軸判定チャートで選択された視標の角度の平均であり、1つ選択の場合はその視標の角度である。
検眼サーバ12は、表1の各ケースに対して以下のように処理し、乱視軸角度を決定する。
(1)ケース番号1:乱視なしとする。
(2)ケース番号2:第2の乱視軸判定チャートで選択された視標の角度を乱視軸角度とする。
(3)ケース番号3:第2の乱視軸判定チャートで選択された2つの視標の角度の平均を乱視軸角度とする。
(4)ケース番号4:第1の乱視軸判定チャートで選択された視標の角度を乱視軸角度とする
(5)ケース番号5:第3の乱視軸判定チャートで選択された視標が1つの場合はその視標の角度を乱視軸角度とし、“同じに見える”が選択された場合は2つの視標の角度の平均を乱視軸角度とする。
(6)ケース番号6a:第3の乱視軸判定チャートで選択された視標が1つの場合はその視標の角度を乱視軸角度とする。2つの場合は選択された2つの視標の角度の平均を乱視軸角度とする。“同じに見える”が選択された場合は選択判断に誤りがあったとしてエラーとする。
(7)ケース番号6b:第1の乱視軸判定チャート1で選択された視標の角度が、第2の乱視軸判定チャートで選択された2つの視標の角度の平均と等しい場合は、第1の乱視軸判定チャートで選択された視標の角度を乱視軸角度とする。
(8)ケース番号7:第1の乱視軸判定チャートで選択された2つの視標の角度の平均を乱視軸角度とする。
(9)ケース番号8a:第3の乱視軸判定チャートで選択された視標が1つの場合はその視標角度を乱視軸角度とする。2つの場合は選択された2つの視標の角度の平均を乱視軸角度とする。“同じに見える”が選択された場合は選択判断に誤りがあったとしてエラーとする。
(10)ケース番号8b:第2の乱視軸判定チャートで選択された視標の角度が、第1の乱視軸判定チャートで選択された2つの視標の角度の平均と等しい場合は、第2の乱視軸判定チャートで選択された視標の角度を乱視軸角度とする
(11)ケース番号9:第3の乱視軸判定チャートで選択された視標が1つの場合はその視標角度を乱視軸角度とする。2つの場合は選択された2つの視標の角度の平均を乱視軸角度とする。“同じに見える”が選択された場合は乱視なしとする。
このような処理により、用いた視標の角度の刻みの2倍の分解能で乱視軸角度を求めることができる。
以上の処理を左右両眼について行い(S218)、乱視軸判定処理を終了する。
次に、検眼サーバ12は、S300〜S324の遠視・近視判定処理を行う。
最初に、受信された環境情報と個人情報、粗判定処理による見え方番号および乱視軸判定処理により決定された乱視軸角度に基づいて遠視・近視判定の視標条件を決定する(S300)。
提示する視標のサイズと直線の幅と間隔は、粗判定処理による見えかた番号によって、表2のように変更する。このように、見え方番号が大きくなるに従って、視標サイズを大きくするとともに、黒線の線幅と線間隔を大きくする。尚、近視が強いほど赤色が拡大して黒線が見にくくなるため、見え方番号が大きくなるに従って黒線の線幅と線間隔の比を大きくするようにしている。
Figure 2004034893
提示する視標の直線の角度は、原則として乱視軸角度およびそれと直交する角度であるが、前述のように遠視・近視判定視標は23度刻みの中央の方向は設けていないので、決定された乱視軸に対して最も近い23度刻みの角度とそれと直交する角度の視標を用いる。
次に、赤色と青色の双方の領域に乱視軸角度に基づいて選択された角度に直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートを被検査者端末に送信する(S302)。これにより、被検査者端末の画面には第8図(a)に示すようなチャートが表示される。これに対し、被検査者は表示されたチャートを手の距離で左右のいずれか片眼で視認し、赤色と青色のいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを判定し、明瞭に見える領域をクリックするか、“両方同じに見える”をクリックする。これにより、検眼サーバ12は被検査者の第1の遠視・近視判定の選択結果を受信する(S304)。
次に、赤色と青色の双方の領域に乱視軸角度に基づいて選択された角度と直交する角度に直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートを被検査者端末に送信する(S306)。これにより、被検査者端末の画面には第8図(b)に示すようなチャートが表示される。これに対し、被検査者は表示されたチャートを手の距離で左右のいずれか片眼で視認し、前記と同様に、赤色と青色のいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを判定してクリックする。これにより、検眼サーバ12は被検査者の第2の遠視・近視判定の選択結果を受信する(S308)。
以上の第1の遠視・近視判定と第2の遠視・近視判定の選択結果から、第3の遠視・近視判定と第4の遠視・近視判定を行うか否かを判定する(S310)。ここでは、第1の遠視・近視判定と第2の遠視・近視判定のいずれかで、遠視と判定された場合に第3の遠視・近視判定と第4の遠視・近視判定を行うものとしている。
第3の遠視・近視判定と第4の遠視・近視判定を行う場合は、赤色の領域に乱視軸角度に基づいて選択された角度に直線を配置し、青色の領域にそれと直交する角度に直線を配置した第3の遠視・近視判定チャートを被検査者端末に送信する(S312)。これにより、被検査者端末の画面には第8図(c)に示すようなチャートが表示される。これに対し、被検査者は表示されたチャートを手の距離で左右のいずれか片眼で視認し、前記と同様に、赤色と青色のいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを判定してクリックする。これにより、検眼サーバ12は被検査者の第3の遠視・近視判定の選択結果を受信する(S314)。また、青色の領域に乱視軸角度に基づいて選択された角度に直線を配置し、赤色の領域に前記と直交する角度に直線を配置した第4の遠視・近視判定チャートを被検査者端末に送信する(S316)。これにより、被検査者端末の画面には第8図(d)に示すようなチャートが表示される。これに対し、被検査者は表示されたチャートを左右のいずれか片眼で視認し、前記と同様に、赤色の領域と青色の領域のいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを判定してクリックする。これにより、検眼サーバは被検査者の第4の遠視・近視判定の選択結果を受信する(S318)。
次に、4つの遠視・近視判定チャートの選択結果をもとに、被検査者の眼が遠視か近視のいずれに該当するかの眼の分類分け(判定)を行う(S320)。以下に、眼の分類分けの詳細について説明する。4つの遠視・近視判定チャートにおける選択を分類分けすると、表3に示すように11のケースに分類される。
Figure 2004034893
表3において、ケース番号(1)は全ての視標について赤を選択した場合であり、乱視軸角度およびそれと直交する角度の双方が近視と決定する。また、ケース番号(6)、(7)は全て青または青と”同じに見える”のいずれかを選択した場合であり、両軸とも遠視と決定する。その他のケース番号で“同じに見える”と赤と青が混合して選択された場合は、選択結果により、その場で両軸判定できるものと保留すべきものとに弁別する。保留の場合はその結果を保持しておき、次に行う遠くの度数判定の結果、更には近くの度数判定の結果と合わせて総合的に判断し、確実なものは両軸を遠視または近視に判別し、不確実なものは判定不能とする。
以上の処理を左右両眼について行い(S322)、遠視・近視判定処理を終了する。
次に、検眼サーバ12は、S400〜S440の度数判定処理を行う。度数判定は、前述のように通常は手の距離で度数を判定する遠くの度数判定処理のみを行い、特定の場合に追加処理としてA4用紙の距離で度数を判定する近くの度数判定処理を行って総合的に判定する。
遠くの度数判定処理は、最初に、受信された環境情報と個人情報、粗判定処理による見え方番号および乱視軸判定処理により決定された乱視軸角度に基づいて遠くの度数判定の視標条件を決定する(S400)。提示する視標の角度は、原則として決定された乱視軸角度およびそれと直交する角度であるが、前述のように度数判定視標は45度刻みでしか設けていないので、決定された乱視軸に対して最も近い45度刻みの角度とそれと直交する角度の視標を用いる。従って、乱視なし、直乱視、倒乱視の場合には90度、180度の視標にて判定を行い、斜乱視の場合は45度、135度の角度の視標にてチェックを行う。
尚、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度と視標の角度が15度以上離れているときは、90度、180度、45度、135度の角度の視標にてすべて判定を行い、その結果から按分により乱視軸角度とそれと直交する角度の度数を求めるようにしてもよい。これにより、限定された方位の視標に用いて精度良く度数を求めることができる。
提示する視標の大きさは、測定範囲の度数(ディオプタ)×4倍程度が準備されているが、その中から見え方番号により大きさの範囲を9個から18個程度に限定し、これを大きさの段階差を3とした3群に分けて使用する。
次に、3群の各視標を組合せた第1の遠くの度数判定チャート、第2の遠くの度数判定チャート、第3の遠くの度数判定チャートを順次被検査者端末に送信する(S402、S406、S410)。これにより、被検査者端末の画面にはそれぞれ第10図、第11図、第12図のようなチャートが表示される。各チャートに対して、被検査者は表示されたチャートを手の距離で左右のいずれか片眼で視認し、直線が3本に見える最小の視標を選択してクリックする。また、どれも3本に見えないときは“どれも3本に見えない”をクリックする。これにより、検眼サーバ12は被検査者の選択結果を受信する(S404、S408、S412)。これを選択された角度およびそれと直交する角度について行い(S414)、3つのチャートの選択結果を照合して、遠くの度数を決定する(S416)。以下に、3つのチャートの選択結果から遠くの度数を決定する処理について説明する。
まず、3つのチャートにより選択された視標をサイズ順に並べ、隣り合う視標の段階差の最小値が1となる組合せがあるか否かを判断する。例えば、第1のチャートで4番、第2のチャートで5番、第3のチャートで6番が選択された場合は、隣り合う視標の段階差の最小値は1となる。この場合には3つのチャートに対して被検査者は明瞭に視認できている視標を誤りなく選択したものとして判断される。そして、被検査者により明瞭に視認できた視標のうち最も小さい4番を度数として決定する。尚、3つのチャートにより選択された視標同士の段階差の最小値が1となる組合せでない場合は、次のステップにより判定を行う。
次に、3つのチャートにより選択された視標をサイズ順に並べ、隣り合う視標の段階差の最小値が2となる組合せがあるかを判断する。例えば、第1のチャートに対して4番、第2のチャートに対して8番、第3のチャートに対して6番が選択された場合は、3つのチャートにより選択された視標をサイズ順に並べたとき、隣り合う視標の段階差の最小値は2となる。このような選択結果であるときは、3つのチャートにより選択された視標のいずれかが誤って入力された可能性があると判断される。この場合には選択された視標のうちサイズの小さい2つの遠視標の平均値(この場合には5番)を被検査者が明瞭に視認できた最小の視標と判定し、度数を決定する。
次に、遠視・近視判定処理において分類分けが保留になっていたものについて、被検査者の年齢と遠くの度数判定で算出された視標とに基づいて、眼の分類の見直しを行う。尚、ここで判断できない場合は、後に行われる近くの度数判定により判断できそうなものは保留し、残りは判定不能としてエラーとするか、再計測を行う。
以上の処理を左右両眼について行い(S418)、遠くの度数判定処理を終了する。
次に、検眼サーバ12は、追加処理である“近くの度数判定”を行う必要性があるか否かを判断する(S419)。追加処理が必要性である対象者は、眼の分類分けが保留の人全員と、年齢が40歳以上で遠視の人全員である。これは、遠視や老視の人の中には手の長さの距離が近点距離よりも長く、調節力の範囲内にある人もいるために遠くの度数判定だけでは度数を判定できない場合があるからである。
近くの度数判定処理を行う場合は、乱視軸判定処理により決定された乱視軸角度、遠くの度数判定による視標の番号および年齢に基づいて近くの度数判定の視標条件を決定する(S420)。
提示する視標の角度は、直乱視、倒乱視の場合は90度と180度の両方またはどちらかの視標にて判定を行う。また、斜乱視の場合は、(1)45度と135度の片方、(2)45度と135度の両方、(3)45度と135度の片方と90度と180度の片方、(4)45度と135度の両方と90度と180度の両方のいずれかにより判定を行う。この場合、眼の分類分けが保留の人は、上記(2)または(4)で判定を行い、決定している人は上記(1)(3)で判定を行う。
提示する視標の大きさは、遠くの度数判定と同様に、全体の中から見え方番号により大きさの範囲を9個から18個程度に限定し、これを大きさの段階差を3とした3群に分けて使用する。
次に、3群の各視標を組合せた第1の近くの度数判定チャート、第2の近くの度数判定チャート、第3の近くの度数判定チャートを順次被検査者端末に送信する(S422、S426、S430)。被検査者は、表示されたそれぞれのチャートをA4用紙の距離から左右のいずれか片眼で視認し、直線が3本に見える最小の視標を選択してクリックする。また、どれも3本に見えないときは“どれも3本に見えない”をクリックする。これにより、検眼サーバ12は被検査者の選択結果を受信する(S424、S428、S432)。これを選択された角度およびそれと直交する角度について行い(S434)、3つのチャートの選択結果を遠くの度数判定と同様の手順で照合して、近くの度数を決定する(S436)。近くの度数を決定する処理は、前述の遠くの度数を決定する処理と同様にして行う。このとき、遠視・近視判定処理で分類分けが保留になっていたものについて、被検査者の年齢と遠くの度数判定で算出された度数と近くの度数判定で算出された度数とに基づいて眼の分類の見直しを次のような手順により行う。
(1)乱視軸角度およびそれと直交する角度における遠くの度数判定結果と近くの度数判定結果の差を求める。
SA1=F1−N1
SA2=F2−N2
ここで、F1は乱視軸角度の遠くの度数判定視標、N1は乱視軸角度の近くの度数判定視標、F2は乱視軸角度と直交する角度の遠くの度数判定視標、N2は乱視軸角度と直交する角度の近くの度数判定視標である。
(2)近視の確定
遠くの度数判定視標と近くの視標判定視標との視標番号差があって、遠くの度数判定より近くの度数判定の方がよく見えるのが近視であるので、SA1≧0、SA2≧0で、かつSA+SA2≧6のとき、両軸とも近視と判定する。
(3)遠視の確定
遠くの度数判定視標と近くの視標判定視標との視標番号差があって、近くの度数判定より遠くの度数判定の方がよく見えるのが遠視であるので、SA1≦0、SA2≦0で、かつSA1+SA2≦−4のとき、両軸とも遠視と判定する。
(4)乱視成分Cの補正処理
乱視軸相互間の遠くの度数判定と近くの度数判定の差を求める。
CF=F2−N1
CN=N2−F1
ここで、CF×CN>0で、かつCF<CNのとき、両者の平均ともって乱視度数とする。
C=(CF+CN)/2
尚、以上の処理で判断できない場合は、判定不能としてエラーとするか、再計測を行う。
最後に、これまでの判定結果を相互比較して、整合性をチェックする(S440)。チェック方法としては、例えば、粗判定処理との整合性、遠視・近視判定処理の結果と度数判定処理の結果の整合性について検定する。チェックの結果、データが不整合である場合には、エラーとして処理を中止する。
以上の処理により、被検査者の乱視軸角度並びに乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数が得られる。
本実施形態では、上記検眼結果をもとに更に被検査者の眼を模擬した眼球光学モデルを生成し、被検査者の眼にあったレンズ度数を決定する機能を有する。
このため、被検査者の年令と概算度数に基づいてスタート眼球モデルを選定し(S500)、調節中点における集光性能を評価し、最良の集光状態となるように光学系自動設計処理を行って、調節中点における眼球光学モデルを構築する(S501)。
次に、調節限界(近点側)におけるモデルの妥当性をチェックし(S502)、集光状態が不良の場合はS501に戻る。この妥当性チェックは、人の眼球が有している調節力の分だけ眼球屈折度をアップ(UP)させ、光学系自動設計計算により、集光状態が良いことを確認するものである。ここにおいて、調節力分だけ眼球屈折度をアップ(UP)とは、次のようなことをいう。
遠点距離が1m(−1.0D)、近点距離が25cm(−4.0D)とすると、調節中点位置は40cm(−2.5D)となり、近点側では、調節中点位置にくらべ、−1.5Dの補正量に相当する眼球屈折度UPが必要となる。この−1.5D相当の眼球屈折度の増強となるように眼球光学モデルの光学諸元を(1+α×b/a)倍し、光学系自動設計の境界条件を制御しながら、近点距離25cmの位置にある無限に小さい点物体から、眼球光学モデルの瞳径(たとえばφ3mm)に対し、複数の光線を入射高さを変えて入光させ、光線追跡を行い、網膜上の一点に結像する状態にするよう、光学賭元を変化させて光学系自動設計を実行する。その結果、一点に集光したと見なせる状態になれば調節限界における光学モデルのシミュレーションが成功したとし、調節中点におけるその人の眼球光学モデルが妥当であったと判断する。
次に、調節限界(遠点側)におけるモデルの妥当性をチェックし(S504)、集光状態が不良の場合はS501に戻る。この妥当性チェックは、人の眼球が有している調節力の分だけ眼球屈折度をダウン(DOWN)させ、光学系自動設計計算により、集光状態が良いことを確認するものである。ここにおいて、調節力分だけ眼球屈折度をダウン(DOWN)とは、次のようなことをいう。
遠点距離が1m(−1.0D)、近点距離が25cm(−4.0D)とすると、調節中点位置は40cm(−2.5D)となり、遠点側では、調節中点位置にくらべ、+1.5Dの補正量に相当する眼球屈折度ダウン(DOWN)が必要となる。この+1.5D相当の眼球屈折度の減少となるように眼球光学モデルの光学諸元を(1−α×b/a)倍し、光学系自動設計の境界条件を制御しながら、遠点距離1mの位置にある無限に小さい点物体から、眼球光学モデルの瞳径(たとえばφ3mm)に対し、複数の光線を入射高さを変えて入光させ、光線追跡を行い、網膜上の一点に結像する状態にするよう、光学諸元を変化させて光学系自動設計を実行する。その結果、一点に集光したと見なせる状態になれば調節限界における光学モデルのシミュレーションが成功したとし、調節中点におけるその人の眼球光学モデルが妥当であったと判断する。
更に、近点側および遠点側の調節範囲外、すなわち眼球の調節範囲外におけるモデルの妥当性をチェックし(S504)、不整合の場合はS501に戻る。
そして、眼球の光学諸元の調節範囲の確定を行って眼球光学モデルを決定する(S508)。調節中点位置における眼球光学モデル、光学諸元の調節範囲の確定は、次の通りである。
調節限界(近点側)における眼球光学モデルの妥当性をチェックする処理および調節限界(遠点側)における眼球光学モデルの妥当性をチェックする処理のチェックにより調節中点におけるその人の眼球光学モデル構築処理結果の調節中点位置における眼球光学モデルは妥当と判断され、調節限界における光学諸元の変化範囲(特に水晶体が薄くなったり、厚くなったりする時の水晶体厚さ、前面曲率半径、後面曲率半径の変化範囲)は、調節限界(近点側)における眼球光学モデルの妥当性をチェックする処理および調節限界(遠点側)における眼球光学モデルの妥当性をチェックする処理により決定される。
これらが確定すると、物体距離に応じた眼の調節機能をシミュレーションすることができる。
次に、被検査者の裸眼状態における3つの距離における調節を伴う集光性能を算出し検証する(S510)。調節限界(近点側)における眼球光学モデルの妥当性をチェックする処理および調節限界(遠点側)における眼球光学モデルの妥当性をチェックする処理と同様に、物体の距離に応じた、調節中点位置からの眼球屈折度アップ(UP)あるいはダウン(DOWN)させる量を求め、光学系自動設計の境界条件を制御しながら、光学系自動設計を実行する。このようにして求められた光学諸元は、仮想的に眼球がピント調節を行ったときの眼の状態を表している。これ以上に集光状態が良くならないという状態まで繰り返し計算を行い、最終的な光学諸元を物体距離におけるベストの集光状態とする。
集光性能を評価するには、ある距離にある無限に小さい点物体から、眼球光学モデルの瞳径(たとえばφ3mm)に対して数百本程度の光線を均一に分散させて入光させ、光線追跡を行って網膜上のどの場所に結像するかを計算する。ぼけの度合いを評価するには、網膜上の点像の強度分布の2次元フーリエ変換を行うことにより、空間周波数特性(OTF)を算出し像評価を行う。
3つの距離とは、メガネ装用の実用的な距離範囲から、見え方が大きく変わる可能性のある3距離を選ぶ。たとえば、0.3m(近距離)、0.5〜0.6m(中間距離)、5m(遠距離)である。
物体距離が遠点より遠い場合は、これ以上水晶体を薄くすることができないとして、遠点距離における調節力で集光性能チェックする。物体距離が近点より近い場合は、これ以上水晶体を厚くすることができないとして、近点距離における調節力で集光性能チェックする。物体距離が近点と遠点の間にある場合は、中点からの調節力だけ眼球屈折度を変化させて集光性能チェックする。
次に、眼鏡・コンタクトレンズにおいて矯正した後の3つの距離における調節を伴う集光性能を算出し検証する(S512)。すなわち、眼球光学モデルの前に実際の眼鏡レンズ(レンズ前面の曲率半径、後面の曲率半径、硝子材屈折率が既知のレンズ)を置き、裸眼状態における集光性能算出処理と同様の計算を行う。概算レンズ度数と装用条件から、適合する仮想レンズを決定し、その眼鏡・コンタクトレンズを装用した状態における集光性能に関する光学シミュレーションを行う。
3つの距離における鮮鋭度スコアのバランスが悪い場合は、レンズの度数を少し変化させて、再度光学シミュレーションを行う(S514)。
次に、調節力の範囲内で眼の光学諸元を変化させて、集光性能が最適となる状態を作り出し、そのときの鮮鋭度スコアを算出する。
鮮鋭度スコアは集光状態の評価により算出する。ある距離にある無限に小さい点物体から、眼球光学モデルの瞳径(たとえばφ3mm)に対して数百本程度の光線を均一に分散させて入光させ、光線追跡を行って網膜上のどの場所に結像するかを計算する。その点像の強度分布の2次元フーリエ変換して得た値を空間周波数特性(OTF),と言う。網膜上で強度分布がどうなるかを調べれば、ぼけの度合いを評価できる。空間周波数とは縞模様の細かさを表す値であり、単位長あたりの縞の本数で定義される。視覚系の場合は、視角1度あたりの縞の本数で表す。たとえば縞の間隔をw(degree)とすればu=1/w(cycles/deg)となる。
ぼけ判定に用いるw値を網膜の分解能から決定し、その時のu値から鮮鋭度スコアを算出する。
次に、おすすめレンズを確定し(S516)、おすすめレンズによる矯正前および矯正後の3つの距離における視認映像を生成して表示する(S518)。これには、高精細に撮影された3つの距離の画像を用意し、この画像に対し画素単位でN×Nサイズの平滑化フィルタ処理を行い、画像をぼかす。ぼけの具合はN値(最低3)、フィルタ重み付け、処理回数により調整できる。フィルタ処理後の画像について、空間周波数解析によりボケ具合を判定し、前記鮮鋭度スコアとの対応付けを行う。
いくつかの鮮鋭度スコアに対応する画像を準備するか、または準備された画像に特定平滑化フィルタ処理を一回かけた画像に対応するスコア値を算出しておく。鮮鋭度スコアの算出でスコア値が求まれば、そのスコア値により、対応する画像を直接呼び出して表示するか、フィルタ処理を行い、結果画像をその鮮鋭度スコアに一致させて表示する。
さらに、レンズを変更して3距離における視認映像を生成して表示するようにしてもよい。すなわち、レンズ度数を変更して眼鏡・コンタクトレンズを装用した状態の光学シミュレーションを行い、眼球の調節範囲内で光学諸元を変化させて、集光性能が最適となる状態を作り出し、そのときの鮮鋭度スコアも用いて視認映像を生成する。
以上のようなシステムにより、利用者は自己の端末をネットワークを介して検眼システムに接続することで、自覚的に検眼を行うことができ、自分の眼にあったメガネやレンズを簡便に選定できる。
上述の実施形態においては、被検査者はWWWブラウザを用いて検眼サーバと接続して検眼を行うように構成したが、これに限らず、上述した視標を含むアプリケーションを利用者端末にダウンロードして実行するように構成されてもよい。尚、前述した視標を含むアプリケーションは、検眼サーバからダウンロードさせるだけでなく、CD−ROM等の頒布可能な記録媒体により提供されてもよい。
また、この実施形態においては、乱視軸を判定するためにそれぞれ45度、90度、135度、180度の方向に直線を向けた視標を含む第1の乱視軸判定チャートと、前の4つ方向を等分する方向である23度、68度、113度、158度の方向に直線向けた視標を含む第2の乱視軸判定チャートを用いて、約23度毎刻みの視標で被検査者に濃淡を判断させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、さらに細かい刻みで乱視軸を判定したい場合には、第1の乱視軸判定チャートで判定した4つの方向を3等分する方向のいずれかに向けられた4つの視標を組合せた第2の乱視軸判定チャートと、第1の乱視軸判定チャートで判定した4つの方向を3等分する方向のいずれかに向けられた視標で第2の乱視軸判定チャートに含まれていなかった4つの視標を含む第3の乱視軸判定チャートとを用いて、15度刻みの視標で被検査者に濃淡を判断させるようにしてもよい。尚、各乱視軸判定チャートには、被検査者が視標の濃淡を容易に判断できるように、視標の直線がお互い直交する関係にある4つの視標が組み合わされ、1つの乱視軸判定チャートに含まれるように構成する。また、第1、第2および第3の乱視軸判定チャートにより、乱視軸角度が求められない場合には、第1、第2および第3の乱視軸判定チャートそれぞれについて被検査者が選択した視標を組合せて第4の乱視軸判定チャートを表示し、選択させてもよい。尚、第1、第2および第3の乱視軸判定チャートにおいて2つずつ選択できるようにした場合、最高6つの視標が選択される場合があるが、第4の乱視軸判定チャートを表示する場合には、その中から角度の近い視標を4つ選択して乱視軸判定チャートを作成する。これにより、15度刻みの視標の2倍の分解能で乱視軸角度が決まり、乱視軸角度の判定が更に精度良く行える。
この実施形態においては、被検査者に適した大きさの視標を決定するために、最初に粗い見え方を判定する粗判定処理を行ったが、粗判定を行う順番はこれに限らず、視標の大きさを決定する必要のある処理の前に適宜行えばよい。さらに、乱視軸判定処理や遠視・近視判定処理において被検査者に直線が確認できる距離まで画面に近づいてもらい、度数判定処理において全範囲の大きさの視標を表示するようにした場合には、必ずしも粗判定処理は行われなくてもよい。
上述の実施形態においては、乱視軸判定処理、遠視・近視判定処理、度数判定処理を一連の手順として実施するようにしたが、ここで使用される乱視軸判定処理、遠視・近視判定処理、度数判定判定処理はそれぞれ単独に使用するようにしてもよく、上述したようにそれぞれ特有の効果を有している。
この発明によれば、被検査者の主観や判定環境の影響を受けることなく、乱視軸角度の決定、近視・遠視の判定および近視度数・遠視度数・乱視度数の決定が行え、幅広い度数範囲に対応できる検眼方法を提供することができる。
【0001】
【書類名】明細書
【技術分野】
この発明は、表示手段に表示した視標を被検査者に左右片眼づつ視認させることにより自覚的に検眼を行う検眼装置およびレンズ度数決定方法に関し、特にたとえばインターネット上でメガネやコンタクトレンズを販売する際にレンズ度数を決定するために行う検眼において好適な検眼装置およびレンズ度数決定方法に関する。
【背景技術】
従来、メガネやコンタクトレンズの度数を決定するためには、オートレフラクトメータを用いて、他覚的に眼球の屈折率を判定し、実際に備え付けの矯正レンズを装着して視力を確認するという方法が一般にとられてきた。
しかしながら、かかるオートレフラクトメータは極めて高価な装置であり、取扱いに専門的知識を必要とする。また、実際に矯正レンズを装着して視力を確認することは、各種の矯正レンズを備えた眼科医や眼鏡店に出向いて検眼を受ける必要があり、設備を有しない店舗や自宅等でメガネやコンタクトレンズを注文することは困難であった。
近年、コンピュータ技術やネットワーク技術の進歩を背景として、オートレフラクトメータや矯正レンズ等の設備を有しない店舗や自宅において、利用者が自覚的に検眼できるシステムの開発が進められている(例えば、特開2001−286442号公報に開示されている遠隔視力判定システム)。
【0002】
かかる従来のシステムでは、コンピュータ画面に第19図のようなランドルト環と呼ばれる視力判定用の視標を表示し、視標の大きさを変化させて被検査者に左右の眼のそれぞれについて視認可能な最小の視標を選択させることで視力を判定する。また、乱視を有する人には、ランドルト環を回転させ、被検査者に切れ目がつながって見える方向を判断させたり、コンピュータ画面に第20図のような乱視軸判定用の視標を表示し、被検査者に左右の眼のそれぞれについて最も濃く見える方向を選択させることによって乱視軸を判定し、判定された乱視軸およびそれと直交する方向について視力判定用の視標により視力を判定する。
しかしながら、インターネットのように不特定多数の人を対象とする場合には被検査者のなかに遠視の人が含まれる可能性があるが、従来の検眼装置では、単に視標の大きさを変化させて視認可能な最小の視標を選択させるものであるため、近視か遠視かは区別できず、誤った検眼結果となる恐れがあった。
特に、コンピュータ画面を用いた検眼では、被検査者はマウス等により視認結果を入力する必要があることから、被検査者の眼と視標の距離が一定の範囲に拘束されるため、視力判定用の視標だけで遠視と近視を区別するのは困難である。
また、乱視を有する人の中には、主軸と副軸の一方が近視で他方が遠視である混合乱視の人も存在するが、従来の検眼装置ではこのような人に対応することは不可能であった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、乱視・近視・遠視を有する幅広い度数範囲の人に対して精度良く検眼でき、特に混合乱視を有する人にも対応可能な検眼装置およびレンズ度数決定方法を提供することである。
【0003】
【発明の開示】
この発明の検眼装置は、表示手段に表示した視標を被検査者に左右片眼づつ視認させ、被検査者が視認した結果を取得することにより自覚的に検眼を行う検眼装置であって、乱視軸角度を判定する視標を表示し、被検査者が視認した結果を取得することにより乱視軸角度を判定する乱視軸角度判定手段と、前記判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について遠視・近視を判定する視標を表示し、被検査者の視認結果を取得することにより前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する遠視・近視判定手段と、前記判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について度数を判定する視標を表示し、被検査者の視認結果を取得することにより前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する度数判定手段とを有する。
この発明は、遠視・近視判定手段を備え、被検査者の眼が遠視か近視かを判定する機能を有するので、被検査者のなかに遠視を有する人が含まれていても精度良く検眼できる。
また、乱視軸角度判定手段により被検査者の乱視軸を判定し、遠視・近視判定手段によりその乱視軸に基づいて選択された直交する2方向について個別に遠視・近視を判定し、度数判定手段によりその乱視軸に基づいて選択された直交する2方向について度数を判定する機能を有するので、混合乱視を有する人でも検眼できる。
前記乱視軸角度判定手段は、略45度・略90度・略135度・略180度の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記乱視軸判定チャートについて選択された視標に基づいて乱視軸角度を決定する手段
【0004】
とを有することが好ましい。
表示手段に表示された視標を被検査者に視認させることにより自覚的に検眼する検眼装置では、被検査者は表示手段に表示された視標を単独で視認して判断することが求められるが、乱視軸の判定は視標と被検査者の眼との距離によっても見え方が微妙に異なり、一般の人が1本の直線を放射状に配列した視標や、2本の直線からなる視標を回転させたもの等を使用して乱視軸を正しく判断することは難しいという問題があった。
この発明は、乱視軸角度判定手段において、多数の直線を平行に配列した線状群からなる視標を用い、かつ45度間隔の4方向に限定した視標を組合せた乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させるようにしたので、一般の人でも容易に乱視軸を判断でき、誤った判定を抑制できる。
前記乱視軸角度判定手段は、略45度・略90度・略135度・略180度の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第1の乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された第1の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記4方向の略中間の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第2の乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された第2の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記第1の乱視軸判定チャートについて選択された視標と前記第2の乱視軸判定チャートについて選択された視標とに基づいて乱視軸角度を決定する手段とを有することが好ましい。
この発明は、乱視軸角度判定手段において、多数の直線を平行に配列した線状群からなる視標を用い、かつ45度間隔の4方向に限定した視標を組合せた乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標
【0005】
を選択させるようにしたので、一般の人でも容易に乱視軸を判断でき、誤った判定を抑制できる。
また、更に45度・90度・135度・180度の中間の4方向の視標を組合せた乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させ、2つの乱視軸判定チャートについて選択された視標から乱視軸角度を決定するようにしたので、2つの乱視軸判定チャートについて選択された視標の角度から演算によって中間の角度の乱視軸を決定することができ、表示した合計8方向の視標に対して実質的に2倍の分解能で乱視軸角度を決定できる。
前記乱視軸角度判定手段は、略45度・略90度・略135度・略180度の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第1の乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された第1の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記4方向の略中間の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第2の乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された第2の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記第1の乱視軸判定チャートについて被検査者が選択した視標と前記第2の乱視軸判定チャートについて被検査者が選択した視標を含む第3の乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された第3の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記第1の乱視軸判定チャートについて選択された視標と前記第2の乱視軸判定チャートについて選択された視標と前記第3の乱視軸判定チャートについて選択された視標とに基づいて乱視軸角度を決定する手段とを有することが好ましい。
この発明は、乱視軸角度判定手段において、多数の直線を平行に配列した線状群からなる視標を用い、かつ45度間隔の4方向に限定した視
【0006】
標を組合せた乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させるようにしたので、一般の人でも容易に乱視軸を判断でき、誤った判定を抑制できる。
また、更に45度・90度・135度・180度の中間の4方向の視標を組合せた第2の乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させるとともに、2つの乱視軸判定チャートについて選択された視標を組合せた第3の乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させ、3つの乱視軸判定チャートについて選択された視標から乱視軸角度を決定するようにしたので、3つの乱視軸判定チャートについて選択された視標の角度から演算によって中間の角度の乱視軸を決定することができ、表示した合計8方向の視標に対して実質的に2倍の分解能で乱視軸角度を決定できる。
更に、被検査者が部分的に誤った視標を選択した場合でも、3つの乱視軸判定チャートについて選択された視標を相互にチェックすることにより正しく判定することが可能となり、被検査者の乱視軸角度をより精度良く決定できる。
前記遠視・近視判定手段は、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの一方向に黒系統色の直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第1の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの他方向に黒系統色の直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第2の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、前記第1の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と
【0007】
前記第2の遠視・近視判定チャートについて選択された結果とに基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する手段とを有することが好ましい。
この発明は、遠視・近視判定手段において、双方の領域に乱視軸角度判定手段により判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向のいずれかの方向に黒系統色の直線を配置した視標を使用するものであって、双方の領域に2方向のうちの一方向に直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートと、双方の領域に2方向のうちの他方向に直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートとを表示し、各遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させることで、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する。
これは、人間の眼が赤系統色の領域と青系統色の領域を同時に視認したときに、色収差により赤系統色は奥側に青系統色は手前側に焦点を結ぶため、近視の場合は赤系統色の領域の方が明瞭に見え、遠視の場合は青系統色の領域の方が明瞭に見えることを利用したもので、被検査者はいずれの領域が明瞭に見えるかを判断するだけでよいので容易に判断できる。
また、この遠視・近視判定チャートは、色収差を生ずる2色の領域に乱視軸角度判定手段により判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向に直線を配置した方向性を有する視標を表示するので、遠視・近視の角度依存性を検出できる。これにより、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度のそれぞれについて独立に遠視・近視を判定でき、混合乱視の人にも対応できる。
前記遠視・近視判定手段は、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの一方向に黒系統
【0008】
色の直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第1の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの他方向に黒系統色の直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第2の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、背景が赤系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記一方向に黒系統色の直線を配置し、背景が青系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記他方向に黒系統色の直線を配置した第3の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第3の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、背景が赤系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記他方向に黒系統色の直線を配置し、背景が青系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記一方向に黒系統色の直線を配置した第4の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第4の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、前記第1の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第2の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第3の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第4の遠視・近視判定チャートについて選択された結果とに基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する手段とを有することが好ましい。
この発明は、遠視・近視判定手段において、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域とを有し、双方の領域に乱視軸角度判定手段によ
【0009】
り判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向のいずれかの方向に黒系統色の直線を配置した視標を使用するものであって、双方の領域に2方向のうちの一方向に直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートと、双方の領域に2方向のうちの他方向に直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートと、一方の領域に2方向のうちの前記一方向に直線を配置し、他方の領域に2方向のうちの前記他方向に直線を配置した第3の遠視・近視判定チャートと、一方の領域に2方向のうちの前記他方向に直線を配置し、他方の領域に2方向のうちの前記一方向に直線を配置した第4の遠視・近視判定チャートとを表示し、各遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させることで、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する。
これは、人間の眼が赤系統色の領域と青系統色の領域を同時に視認したときに、色収差により赤系統色は奥側に青系統色は手前側に焦点を結ぶため、近視の場合は赤系統色の領域の方が明瞭に見え、遠視の場合は青系統色の領域の方が明瞭に見えることを利用したもので、被検査者はいずれの領域が明瞭に見えるかを判断するだけでよいので容易に判断できる。
また、この遠視・近視判定チャートは、色収差を生ずる2色の領域に乱視軸角度判定手段により判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向に直線を配置した方向性を有する視標を表示するので、遠視・近視の角度依存性を検出できる。これにより、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度のそれぞれについて独立に遠視・近視を判定でき、混合乱視の人にも対応できる。
更に、双方の領域に2方向のうちのいずれか一方に直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートと第2の遠視・近視判定チャートの他に、
【0010】
双方の領域に2方向の向きを変えた直線を配置した第3の遠視・近視判定チャートと第4の遠視・近視判定チャートを用いて、遠視・近視を判定するようにしたので、被検査者が部分的に誤って判定した場合でも、4つのチャートにおいて選択された結果を相互にチェックすることにより正しく判定することが可能となり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視をより精度良く判定できる。
尚、第1の遠視・近視判定チャートと第2の遠視・近視判定チャートにおいて、被検査者がいずれも「赤系統色の領域」または「同じに見える」のどちらかを選択し、「青系統色の領域」を選択しなかった場合は、遠視の要因はないと考えられるので、第3の遠視・近視判定チャートと第4の遠視・近視判定チャートを用いた判定は省略するようにしてもよい。これにより、より効率的に遠視・近視を判定できる。
前記遠視・近視判定手段は、前記遠視・近視判定チャートの青系統色の領域の輝度を赤系統色の領域の輝度よりも低くすることが好ましい。
通常、コンピュータ画面は手を伸ばした距離(60〜70cm程度)で見ることが多いが、この距離で赤系統色と青系統色の2色を用いた遠視・近視判定チャートを表示して被検査者に判定させると、比較的視力のよい正視や弱い近視の被検査者では、画面までの距離が比較的短いため、網膜の後方で焦点を結ぶ人があり、誤って青系統色の領域を選ぶ場合があった。
この発明は、遠視・近視判定チャートの青系統色の領域の輝度を赤系統色の領域の輝度よりも低くしたので、例えばコンピュータ画面を手を伸ばした距離で見る場合でも、正視または弱い近視の被検査者が誤って青系統色の領域を選択することが防止され、より精度良く遠視・近視を判定できる。
前記遠視・近視判定手段は、前記各遠視・近視判定チャートの表示時
【0011】
間を制限することが好ましい。
この発明は、各遠視・近視判定チャートの表示時間を制限したので、被検査者に眼の調節力が有意に働かない状態で判断させることができる。これは、特に視標の大きさを一定として、被検査者に視標がはっきり見える位置まで近づいて判断させる場合に有効であり、被検査者がしっかりとピントを合わせようと眼の調節力を強く働かせることで誤った判断となることを防止できる。
前記度数判定手段は、前記選択された直交する2方向について、一定数の直線を平行に配列した視標を段階的に大きさを変化させた度数判定チャートを表示する手段と、前記表示された度数判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させる手段と、前記度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する手段とを有することが好ましい。
この発明は、度数判定手段として、乱視軸角度判定手段により判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について、一定数の直線を平行に配列した視標を度数に対応させて段階的に大きさを変えた度数判定チャートを用い、被検査者に正しく直線の本数を視認できる最小の視標を選択させるようにしたので、ランドルト環のようなものを回転させて部分的な切れ目を判断するものと比較して、視標の大きさの段階を数多くとることができ、それにより度数決定の分解能が上がり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を精度良く判定できる。
尚、度数判定チャートは、段階的に大きさを変えたすべての視標を1つのチャートに含め、その中から視認可能な最小の視標を選択させるようにしてもよいが、視標を大きさによって複数の区分に分け、それぞれ
【0012】
を含めたチャートを切替えて表示することで視認可能な最小の視標を選択させるようにしてもよい。また、1つのチャートには1つの視標のみを含めることとし、大きい方から順に切替えて表示して視認可能な最小の視標を判断させるようにしてもよい。
前記度数判定手段は、前記選択された直交する2方向について、一定数の直線を平行に配列した大きさの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示する手段と、前記表示された各度数判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させる手段と、前記各度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する手段とを有することが好ましい。
この発明は、度数判定手段として、乱視軸角度判定手段により判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について、一定数の直線を平行に配列した視標を度数に対応させて大きさの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示し、各度数判定チャートについて被検査者に正しく直線の本数を視認できる最小の視標を選択させるようにしたので、従来のランドルト環を回転させて部分的な切れ目を判断するような場合と比較して、視標の大きさの段階を数多くとることができ、それにより度数決定の分解能が上がり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を精度良く判定できる。
また、大きさの段階差が2以上の視標を組合せた度数判定チャートを使用するので、被検査者は小さな段階差の視標から視認可能な最小の視標を選択するという微妙な判断から開放され、視認可能な最小の視標を容易に選択できる。
更に、複数の度数判定チャートにおける判断を組合せて視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者が擬似解像等によって部分的に判断
【0013】
を誤った場合でも、相互チェックによって正しく度数を判定することが可能となり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数をより精度良く判定できる。
特に、大きさの段階差を3とした3つの度数判定チャートを使用することが好ましく、被検査者は視認可能な最小の視標を容易に選択でき、かつ3回の判断で度数を精度良く判定できる。
前記度数判定チャートは、前記配列される一定数の直線の幅方向の両外端に、前記直線の幅に対して0.5〜2.0倍の幅を有し、前記直線に対してコントラストを有する両側帯を設けることが好ましい。
この発明は、度数判定チャートにおいて、配置される一定数の直線の幅方向の両端に一定幅で直線に対してコントラストを有する両側帯を設けたので、擬似解像が発生した場合に、両側帯部分に出現する直線が背景とコントラストがついて見やすくなり、被検査者は擬似解像が生じていることを容易に判断できる。
また、両側帯がない場合は、視認可能な視標サイズを超えて、より小さな視標サイズを見たときに、ゆるやかにボケてゆくため、視認可能な限界を特定しづらかったが、両側帯がある場合は、直線と線間と両側帯が入り乱れてボケていくため、視認可能な限界が特定しやすくなり、より的確に視認可能な最小の視標を選択できる。
これにより、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数をより精度よく判定できる。
前記度数判定チャートは、前記両側帯の色と前記直線の間の色を異なるものとし、前記両側帯の輝度を前記直線の間の輝度以上とすることが好ましい。
この発明は、度数判定チャートにおいて、両側帯と線間の色を変え、両側帯の輝度を線間の輝度以上としたので、被検査者は擬似解像が生じ
【0014】
ていることをより容易に判断でき、より的確に視認可能な最小の視標を選択できる。これにより、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数をより精度よく判定できる。
尚、ここでいう輝度とは、光が眼に入ったときに感じる明るさを意味し、明るさを比較する尺度としては、例えばYCC表現のY(Y=0.299R+0.587G+0.114B)やHSV表現のV(V=R+G+B)等を用いることができる。
前記度数判定チャートは、前記直線を黒系統色とし、前記直線の間を緑系統色とし、前記両側帯を黄系統色とすることが好ましい。
この発明は、度数判定チャートにおいて、配列する直線を黒系統色、線間を緑系統色、両側帯を黄系統色としたもので、各種の色の組合せについて実験した結果、この組合せが被検査者にとって特に見やすく、適確に判定できると判断された。
前記度数判定手段は、被検査者に表示手段から遠い距離で視標を視認させて視認可能な最小の視標を選択させる遠くの度数判定手段と、被検査者に表示手段に近い距離で視標を視認させて視認可能な最小の視標を選択させる近くの度数判定手段と、前記遠くの度数判定手段において選択された視標と前記近くの度数判定手段において選択された視標とに基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する手段とを有することが好ましい。
通常、コンピュータ画面は手を伸ばした距離(60〜70cm程度)で見ることが多いが、遠視や老視の人のなかには、この距離では近点距離よりも遠くて調節力の範囲内にある人もいるために、度数を判定できない場合がある。
この発明は、度数判定手段において、表示手段から遠い距離で視標を視認させて度数を判定する遠くの度数判定手段と、表示手段に近い距離
【0015】
で度数を判定する近くの度数判定手段とを設け、遠くの度数判定手段において選択された視標と近くの度数判定手段において選択された視標とに基づいて被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する機能を備えたものである。
これにより、遠くの度数判定手段による判定では近点距離より遠くて調節力の範囲にある遠視や老視の被検査者でも度数を判定することが可能となる。
また、遠視・近視判定手段で遠視・近視を判定できなかった場合に、遠くの度数判定で選択された視標と近くの度数判定で選択された視標とを用いて被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定して度数を演算することができる。例えば、遠くの度数判定で選択された視標のサイズと近くの度数判定で選択された視標のサイズの差を求め、これが正であって一定値以上のとき(すなわち、近くの視標の方がよく見えるとき)に近視と判定したり、これが負であって一定値以下のとき(すなわち、遠くの視標の方がよく見えるとき)に遠視と判定したり、直交する2方向について遠くの度数判定で選択された視標のサイズの差と、直交する2方向について近くの度数判定で選択された視標のサイズの差とを求め、これが同符合でかつ前者より後者が大きいとき、その平均値をもって乱視度数とするようにしてもよい。
また、遠視・近視判定手段で遠視・近視が判定されている場合でも、遠くの度数判定で選択された視標と近くの度数判定で選択された視標とを相互チェックして被検査者の誤りを正すようにしてもよく、また度数の判定において、遠くの度数判定で選択された視標と近くの度数で選択された視標の両方を使って演算により度数を求めるようにしてもよい。これにより、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度における遠視・近視判定や度数判定をより精度良く行うことができる。
【0016】
尚、一般にコンピュータ画面は手を伸ばして画面に触れる程度の距離で見ることが多く、遠視や老視の人の多くは近点距離が30cm以上であることから、遠くの度数判定は例えば被検査者が手を伸ばして表示手段に触れる距離(60〜70cm程度)で行い、近くの度数判定は例えば被検査者の眼と表示手段の間にA4用紙を縦に置いた距離(30cm程度)で行うようにしてもよい。
前記近くの度数判定手段は、所定年令以上であって前記遠視・近視判定手段において遠視と判定された被検査者と、前記遠視・近視判定手段において判定が保留であった被検査者について行うことが好ましい。
この発明は、度数判定手段において、近くの度数判定は、一定の年令以上で遠視の人と遠視・近視判定手段で判定できなかった人に限って行うようにしたもので、眼のいい人や近視の人は遠くの度数判定だけでよい結果が得られるので、近くの度数判定を省略した。
このように、近くの度数判定を必要な場合に限定して行うようにしたので、効率的に被検査者の度数を判定できる。
前記度数判定手段は、前記選択された直交する2方向について、均一な太さの赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域と前記線群領域のいずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する視標を段階的に大きさを変化させた度数判定チャートを表示する手段と、前記表示された度数判定チャートについて被検査者に前記線群領域のなかに前記基準色領域と同一色の直線があると視認された最小の視標を選択させる手段と、前記度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する手段とを有することが好ましい。
この発明は、赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域といずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する視標を度数に
【0017】
対応させて段階的に大きさを変化させた度数判定チャートを用いて度数を判定するようにしたものである。
これは、被検査者が2色の直線の配列された視標を見たときに、視力に対応した眼の分解能よりも大きな間隔で配列された視標は正しく2色に分解して見えるが、視力に対応した眼の分解能よりも小さい間隔で配列された視標では2色が混色して見えることを利用して度数を判定するようにしたものである。
これにより、被検査者は視認可能な最小の視標を直感的に判断することができ、擬似解像により直線の数を間違えて判断するという問題も緩和される。
尚、使用する色は必ずしも赤系統色と青系統色に限定されるものではなく、被検査者が混色したことをはっきり認識できるものである限りどのような色の組合せを用いてもよい。
また、ここでは度数に対応させて段階的に大きさを変化させた視標を用いて視認可能な最小の視標を選択させるようにしたが、2つの色を放射状に交互に配置した視標を用い、2色に分解して視認できる中心に最も近い位置の中心からの距離で度数を判定するようにしてもよい。この場合、方位に対応した度数が判定できるので、これを利用して乱視軸角度の判定と度数判定を同時に行うようにしてもよい。また、例えば混色させる色の組合せを波長の長い部分で行ったものと短い部分で行ったものを組合せて、乱視軸の判定と遠視・近視の判定と度数の判定とを同時に行うようにしてもよい。これにより、極めて効率的に検眼を行うことが可能となる。
前記度数判定手段は、前記選択された直交する2方向について、均一な太さの赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域と前記線群領域のいずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する大き
【0018】
さの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示する手段と、前記表示された各度数判定チャートについて被検査者に前記線群領域のなかに前記基準色領域と同一色の直線があると視認された最小の視標を選択させる手段と、前記各度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する手段とを有することが好ましい。
この発明は、赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域といずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する視標を度数に対応させて大きさの段階差を2以上とした複数の度数判定チャートを順次表示して度数を判定するようにしたものである。
このように、2色の混合によって視認可否を判断するので、被検査者は視認可能な最小の視標を直感的に判断することができ、擬似解像により直線の数を間違えて判断するという問題も緩和される。
また、大きさの段階差が2以上の視標を組合せた度数判定チャートを使用するので、被検査者は小さな段階差の視標から視認可能な最小の視標を選択するという微妙な判断から開放され、視認可能な最小の視標を容易に選択できる。
更に、複数の度数判定チャートにおける判断を組合せて視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者が擬似解像等によって部分的に判断を誤った場合でも、相互チェックによって正しく度数を判定することが可能となり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数をより精度良く判定できる。
特に、大きさの段階差を3とした3つの度数判定チャートを使用することが好ましく、被検査者は視認可能な最小の視標を容易に選択でき、かつ3回の判断で度数を精度良く判定できる。
この発明の検眼装置は、指向性を有しない図形からなる視標を段階的
【0019】
に大きさを変化させた粗判定チャートを表示する手段と、前記表示された粗判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させる手段とを有し、被検査者の粗い見え方を判定する粗判定手段を備え、前記乱視軸判定手段は、前記判定された粗い見え方に基づいて前記表示される各乱視軸判定チャートの各視標の大きさを調節する手段を有することが好ましい。
この発明は、粗判定手段により粗判定チャートを用いて被検査者の粗い見え方を判定し、乱視軸角度判定手段において粗い見え方に基づいて表示する視標の大きさを調節するようにしたので、被検査者は各自の視力に応じた適切な大きさの視標で乱視軸を判定でき、判断が容易となる。
尚、粗判定チャートは、指向性を有しない図形からなる視標を用いているので、被検査者が乱視を有する場合でも、乱視軸角度に左右されることなく粗い見え方を判定することができる。
この発明の検眼装置は、指向性を有しない図形からなる視標を段階的に大きさを変化させた粗判定チャートを表示する手段と、前記表示された粗判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させる手段とを有し、被検査者の粗い見え方を判定する粗判定手段を備え、前記遠視・近視判定手段は、前記判定された粗い見え方に基づいて前記表示される各遠視・近視判定チャートに配列する直線の幅と間隔を調節する手段を有することが好ましい。
この発明は、粗判定手段により粗判定チャートを用いて被検査者の粗い見え方を判定し、遠視・近視判定手段において粗い見え方に基づいて各遠視・近視判定チャートに配列する直線の幅と間隔を調節するようにしたので、被検査者は各自の視力に応じた適切な大きさの視標で遠視・近視を判定できる。
【0020】
また、粗い見え方に基づいて、被検査者の度数が高いほど遠視・近視判定チャートに配列する直線の幅を間隔に対して大きくするようにしてもよい。これにより、近視の強い人ほど赤系統色が膨張して直線が見えにくくなるため、判定しづらいという問題を緩和することができる。
尚、粗判定チャートは、指向性を有しない図形からなる視標を用いているので、被検査者が乱視を有する場合でも、乱視軸角度に左右されることなく粗い見え方を判定することができる。
この発明の検眼装置は、指向性を有しない図形からなる視標を段階的に大きさを変化させた粗判定チャートを表示する手段と、前記表示された粗判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させる手段とを有し、被検査者の粗い見え方を判定する粗判定手段を備え、前記度数判定手段は、前記判定された粗い見え方に基づいて前記表示される度数判定チャートの視標の大きさの範囲を限定する手段を有することが好ましい。
この発明は、粗判定手段により粗判定チャートを用いて被検査者の粗い見え方を判定し、度数判定手段において粗い見え方に基づいて使用する視標の大きさの範囲を限定するようにしたので、検査時間が短縮されると同時に、被検査者の判断が容易となり、より精度良く検眼できる。
尚、粗判定チャートは、指向性を有しない図形からなる視標を用いているので、被検査者が乱視を有する場合でも、乱視軸角度に左右されることなく粗い見え方を判定することができる。
この発明の検眼装置は、前記乱視軸角度判定手段と前記遠視・近視判定手段と前記度数判定手段の少なくともいずれかにおいて、被検査者の眼に外光が入らないように遮蔽して視標を視認させることが好ましい。
この発明は、被検査者の眼に外光が入らないように遮断して視標を視認させるので、被検査者が視標を視認する際の照明条件が一定となり、
【0021】
より精度よく検眼できる。
また、外部からの光を遮断することで、被検査者の瞳孔が拡大して焦点深度が浅くなるので、視標の判断が容易となる。
尚、外光を遮断する方法としては、例えば新聞紙やA4用紙等を巻いた不透明の筒を被検査者の眼と表示手段の間にセットさせるようにすればよい。このように、新聞紙やA4用紙等の一定規格のものを用いれば、被検査者の眼と表示手段に表示される視標との距離を一定にできるので、より精度良く検眼できる。
この発明の検眼装置は、前記度数判定手段により判定された度数に基づいてスタート眼球モデルを選定し、被検査者の任意の調節点におけるモデルの妥当性を検証して眼球光学モデルを決定する眼球光学モデル決定手段と、前記眼球光学モデルを用いて被検査者がメガネ・コンタクトレンズを装用したときの集光性能を検証し、レンズ度数を決定するレンズ度数決定手段とを備えることが好ましい。
この発明は、眼球光学モデル決定手段により度数判定手段で判定された度数をもとに被検査者の眼を模擬した眼球光学モデルを生成し、レンズ度数決定手段によりその眼球光学モデルを用いて推奨レンズによる矯正後の集光性能を検証してレンズ度数を決定するので、被検査者は自分の眼にあった精度のよいメガネまたはコンタクトレンズを選定することができる。
この発明のレンズ度数決定方法は、表示手段に表示した視標を被検査者に左右片眼づつ視認させ、被検査者が視認した結果を取得することにより自覚的にレンズ度数を決定する方法であって、乱視軸を判定する視標を表示し、被検査者が視認した結果を取得することにより乱視軸角度を判定するステップと、前記判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について遠視・近視を判定する視標を表示し、被検査
【0022】
者が視認した結果を取得することにより前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定するステップと、前記判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について度数を判定する視標を表示し、被検査者が視認した結果を取得することにより前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定するステップとを有する。
この発明は、遠視・近視を判定するステップを備え、被検査者の眼が遠視か近視かを判定するので、被検査者のなかに遠視を有する人が含まれていても精度良くレンズ度数を決定できる。
また、乱視軸角度を判定するステップにより被検査者の乱視軸を判定し、遠視・近視を判定するステップによりその乱視軸に基づいて選択された直交する2方向について個別に遠視・近視を判定し、度数を判定するステップによりその乱視軸に基づいて選択された直交する2方向について度数を判定するので、混合乱視を有する人でも精度良くレンズ度数を決定できる。
前記乱視軸角度を判定するステップは、略45度・略90度・略135度・略180度の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第1の乱視軸判定チャートを表示するステップと、前記表示された第1の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させるステップと、前記4方向の略中間の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第2の乱視軸判定チャートを表示するステップと、前記表示された第2の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させるステップと、前記第1の乱視軸判定チャートについて被検査者が選択した視標と前記第2の乱視軸判定チャートについて被検査者が選択した視標を含む第3の乱視軸判定チャートを表示するステップと、前記表示された第3の乱視軸判定チャートについて被検査
【0023】
者に濃く見える視標を選択させるステップと、前記第1の乱視軸判定チャートについて選択された視標と前記第2の乱視軸判定チャートについて選択された視標と前記第3の乱視軸判定チャートについて選択された視標とに基づいて乱視軸角度を決定するステップとを有することが好ましい。
この発明は、乱視軸角度を判定するステップにおいて、多数の直線を平行に配列した線状群からなる視標を用い、かつ45度間隔の4方向に限定した視標を組合せた乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させるようにしたので、一般の人でも容易に乱視軸を判断でき、誤った判定を抑制できる。
また、更に45度・90度・135度・180度の中間の4方向の視標を組合せた第2の乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させるとともに、2つの乱視軸判定チャートについて選択された視標を組合せた第3の乱視軸判定チャートを表示して被検査者に濃く見える視標を選択させ、3つの乱視軸判定チャートについて選択された視標から乱視軸角度を決定するようにしたので、3つの乱視軸判定チャートについて選択された視標の角度から演算によってその中間の角度の乱視軸を決定することができ、表示した合計8方向の視標に対して実質的に2倍の分解能で乱視軸角度を決定できる。
更に、被検査者が部分的に誤った視標を選択した場合でも、3つの乱視軸判定チャートについて選択された視標を相互にチェックすることにより正しく判定することが可能となり、被検査者の乱視軸角度をより精度良く決定できる。
前記遠視・近視を判定するステップは、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの一方向に黒系統色の直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートを表示す
【0024】
るステップと、前記表示された第1の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させるステップと、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの他方向に黒系統色の直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートを表示するステップと、前記表示された第2の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させるステップと、背景が赤系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記一方向に黒系統色の直線を配置し、背景が青系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記他方向に黒系統色の直線を配置した第3の遠視・近視判定チャートを表示するステップと、前記表示された第3の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させるステップと、背景が赤系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記他方向に黒系統色の直線を配置し、背景が青系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記一方向に黒系統色の直線を配置した第4の遠視・近視判定チャートを表示するステップと、前記表示された第4の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させるステップと、前記第1の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第2の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第3の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第4の遠視・近視判定チャートについて選択された結果とに基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定するステップとを有することが好ましい。
この発明は、遠視・近視を判定するステップにおいて、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域とを有し、双方の領域に乱視軸角度を判定するステップにより判定された乱視軸角度に基づいて選択された直
【0025】
交する2方向のいずれかの方向に黒系統色の直線を配置した視標を使用するものであって、双方の領域に2方向のうちの一方向に直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートと、双方の領域に2方向のうちの他方向に直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートと、一方の領域に2方向のうちの前記一方向に直線を配置し、他方の領域に2方
【0027】
において、被検査者がいずれも「赤系統色の領域」または「同じに見える」のどちらかを選択し、「青系統色の領域」を選択しなかった場合は、遠視の要因はないと考えられるので、第3の遠視・近視判定チャートと第4の遠視・近視判定チャートを用いた判定は省略するようにしてもよい。これにより、より効率的に遠視・近視を判定できる。
前記度数を判定するステップは、前記選択された直交する2方向について、一定数の直線を平行に配列した大きさの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示するステップと、前記表示された各度数判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させるステップと、前記各度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定するステップとを有することが好ましい。
この発明は、度数を判定するステップとして、乱視軸角度を判定するステップにより判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について、一定数の直線を平行に配列した視標を度数に対応させて大きさの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示し、各度数判定チャートについて被検査者に正しく直線の本数を視認できる最小の視標を選択させるようにしたので、従来のランドルト環を回転させて部分的な切れ目を判断するような場合と比較して、視標の大きさの段階を数多くとることができ、それにより度数決定の分解能が上がり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を精度良く判定できる。
また、大きさの段階差が2以上の視標を組合せた度数判定チャートを使用するので、被検査者は小さな段階差の視標から視認可能な最小の視標を選択するという微妙な判断から開放され、視認可能な最小の視標を容易に選択できる。
【0028】
更に、複数の度数判定チャートにおける判断を組合せて視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者が擬似解像等によって部分的に判断を誤った場合でも、相互チェックによって正しく度数を判定することが可能となり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数をより精度良く判定できる。
特に、大きさの段階差を3とした3つの度数判定チャートを使用することが好ましく、被検査者は視認可能な最小の視標を容易に選択でき、かつ3回の判断で度数を精度良く判定できる。
前記度数を判定するステップは、被検査者に表示手段から遠い距離で視標を視認させて視認可能な最小の視標を選択させる遠くの度数を判定するステップと、被検査者に表示手段に近い距離で視標を視認させて視認可能な最小の視標を選択させる近くの度数を判定するステップと、前記遠くの度数を判定するステップにおいて選択された視標と前記近くの度数を判定するステップにおいて選択された視標とに基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定するステップとを有することが好ましい。
通常、コンピュータ画面は手を伸ばした距離(60〜70cm程度)で見ることが多いが、遠視や老視の人のなかには、この距離では近点距離よりも遠くて調節力の範囲内にある人もいるために、度数を判定できない場合がある。
この発明は、度数を判定するステップにおいて、表示手段から遠い距離で視標を視認させて度数を判定する遠くの度数を判定するステップと、表示手段に近い距離で度数を判定する近くの度数を判定するステップとを設け、遠くの度数を判定するステップにおいて選択され
【0030】
尚、一般にコンピュータ画面は手を伸ばして画面に触れる程度の距離で見ることが多く、遠視や老視の人の多くは近点距離が30cm以上であることから、遠くの度数判定は例えば被検査者が手を伸ばして表示手段に触れる距離(60〜70cm程度)で行い、近くの度数判定は例えば被検査者の眼と表示手段の間にA4用紙を縦に置いた距離(30cm程度)で行うようにしてもよい。
前記度数を判定するステップは、前記選択された直交する2方向について、均一な太さの赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域と前記線群領域のいずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する視標を段階的に大きさを変化させた度数判定チャートを表示するステップと、前記表示された度数判定チャートについて被検査者に前記線群領域のなかに前記基準色領域と同一色の直線があると視認された最小の視標を選択させるステップと、前記度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定するステップとを有することが好ましい。
この発明は、赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域といずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する視標を度数に対応させて段階的に大きさを変化させた度数判定チャートを用いて度数を判定するようにしたものである。
これは、被検査者が2色の直線の配列された視標を見たときに、眼の調節力の範囲内にあるときは正しく2色に分解して見えるが、眼の調節力の範囲を超えると2色が混色して見えることを利用して度数を判定するようにしたものである。
これにより、被検査者は視認可能な最小の視標を直感的に判断することができ、擬似解像により直線の数を間違えて判断するという問題も緩和される。
【0031】
尚、使用する色は必ずしも赤系統色と青系統色に限定されるものではなく、被検査者が混色したことをはっきり認識できるものである限りどのような色の組合せを用いてもよい。
また、ここでは度数に対応させて段階的に大きさを変化させた視標を用いて視認可能な最小の視標を選択させるようにしたが、2つの色を放射状に交互に配置した視標を用い、2色に分解して視認できる中心に最も近い位置の中心からの距離で度数を判定するようにしてもよい。この場合、方位に対応した度数が判定できるので、これを利用して乱視軸角度の判定と度数判定を同時に行うようにしてもよい。また、例えば混色させる色の組合せを波長の長い部分で行ったものと短い部分で行ったものを組合せて、乱視軸の判定と遠視・近視の判定と度数の判定とを同時に行うようにしてもよい。これにより、極めて効率的にレンズ度数を決定することが可能となる。
前記度数を判定するステップは、前記選択された直交する2方向について、均一な太さの赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域と前記線群領域のいずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する大きさの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示するステップと、前記表示された各度数判定チャートについて被検査者に前記線群領域のなかに前記基準色領域と同一色の直線があると視認された最小の視標を選択させるステップと、前記各度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定するステップとを有することが好ましい。
この発明は、赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域といずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する視標を度数に対応させて大きさの段階差を2以上とした複数の度数判定チャートを順
【0032】
次表示して度数を判定するようにしたものである。
このように、2色の混合によって視認可否を判断するので、被検査者は視認可能な最小の視標を直感的に判断することができ、擬似解像により直線の数を間違えて判断するという問題も緩和される。
また、大きさの段階差が2以上の視標を組合せた度数判定チャートを使用するので、被検査者は小さな段階差の視標から視認可能な最小の視標を選択するという微妙な判断から開放され、視認可能な最小の視標を容易に選択できる。
更に、複数の度数判定チャートにおける判断を組合せて視認可能な最小の視標を決定するので、被検査者が擬似解像等によって部分的に判断を誤った場合でも、相互チェックによって正しく度数を判定することが可能となり、被検査者の乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数をより精度良く判定できる。
特に、大きさの段階差を3とした3つの度数判定チャートを使用することが好ましく、被検査者は視認可能な最小の視標を容易に選択でき、かつ3回の判断で度数を精度良く判定できる。
この発明のレンズ度数決定方法は、指向性を有しない図形からなる視標を段階的に大きさを変化させた粗判定チャートを表示するステップと、前記表示された粗判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させるステップとを有し、被検査者の粗い見え方を判定するステップを備え、前記乱視軸角度を判定するステップおよび/または前記遠視・近視を判定するステップおよび/または前記度数を判定するステップは、前記判定された粗い見え方に基づいて前記表示される視標の条件を変化させるステップを有することが好ましい。
この発明は、粗い見え方を判定するステップにより粗判定チャートを用いて被検査者の粗い見え方を判定し、乱視軸角度を判定するステップ
【0033】
や遠視・近視を判定するステップや度数を判定するステップにおいて、粗い見え方に基づいて表示する視標の条件を適切に変化させるので、検査時間が短縮されると同時に、被検査者の判断が容易となり、より精度良くレンズ度数を決定できる。
尚、粗判定チャートは、指向性を有しない図形からなる視標を用いているので、被検査者が乱視を有する場合でも、乱視軸角度に左右されることなく粗い見え方を判定することができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本願発明の一実施形態にかかる検眼システムの構成図である。
第2図は、粗判定チャートの例を示す図である。
第3図は、第1の乱視軸判定チャートの例を示す図である。
第4図は、第2の乱視軸判定チャートの例を示す図である。
第5図は、第3の乱視軸判定チャート(その1)の例を示す図である。
第6図は、第3の乱視軸判定チャート(その2)の例を示す図である。
第7図は、第3の乱視軸判定チャート(その3)の例を示す図である。

Claims (30)

  1. 表示手段に表示した視標を被検査者に左右片眼づつ視認させ、被検査者が視認した結果を取得することにより自覚的に検眼を行う検眼装置であって、
    乱視軸角度を判定する視標を表示し、被検査者が視認した結果を取得することにより乱視軸角度を判定する乱視軸角度判定手段と、
    前記判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について遠視・近視を判定する視標を表示し、被検査者の視認結果を取得することにより前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する遠視・近視判定手段と、
    前記判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について度数を判定する視標を表示し、被検査者の視認結果を取得することにより前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する度数判定手段とを有することを特徴とする、検眼装置。
  2. 前記乱視軸角度判定手段は、略45度・略90度・略135度・略180度の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記乱視軸判定チャートについて選択された視標に基づいて乱視軸角度を決定する手段とを有することを特徴とする、請求項1に記載の検眼装置。
  3. 前記乱視軸角度判定手段は、略45度・略90度・略135度・略180度の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第1の乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された第1の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記4方向の略中間の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第2の乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された第2の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記第1の乱視軸判定チャートについて選択された視標と前記第2の乱視軸判定チャートについて選択された視標とに基づいて乱視軸角度を決定する手段とを有することを特徴とする、請求項1に記載の検眼装置。
  4. 前記乱視軸角度判定手段は、略45度・略90度・略135度・略180度の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第1の乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された第1の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記4方向の略中間の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第2の乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された第2の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記第1の乱視軸判定チャートについて被検査者が選択した視標と前記第2の乱視軸判定チャートについて被検査者が選択した視標を含む第3の乱視軸判定チャートを表示する手段と、前記表示された第3の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させる手段と、前記第1の乱視軸判定チャートについて選択された視標と前記第2の乱視軸判定チャートについて選択された視標と前記第3の乱視軸判定チャートについて選択された視標とに基づいて乱視軸角度を決定する手段とを有することを特徴とする、請求項1に記載の検眼装置。
  5. 前記遠視・近視判定手段は、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの一方向に黒系統色の直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第1の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの他方向に黒系統色の直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第2の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、前記第1の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第2の遠視・近視判定チャートについて選択された結果とに基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する手段とを有することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の検眼装置。
  6. 前記遠視・近視判定手段は、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの一方向に黒系統色の直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第1の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの他方向に黒系統色の直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第2の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、背景が赤系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記一方向に黒系統色の直線を配置し、背景が青系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記他方向に黒系統色の直線を配置した第3の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第3の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、背景が赤系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記他方向に黒系統色の直線を配置し、背景が青系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記一方向に黒系統色の直線を配置した第4の遠視・近視判定チャートを表示する手段と、前記表示された第4の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させる手段と、前記第1の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第2の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第3の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第4の遠視・近視判定チャートについて選択された結果とに基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定する手段とを有することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の検眼装置。
  7. 前記遠視・近視判定手段は、前記遠視・近視判定チャートの青系統色の領域の輝度を赤系統色の領域の輝度よりも低くしたことを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の検眼装置。
  8. 前記遠視・近視判定手段は、前記各遠視・近視判定チャートの表示時間を制限したことを特徴とする、請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の検眼装置。
  9. 前記度数判定手段は、前記選択された直交する2方向について、一定数の直線を平行に配列した視標を段階的に大きさを変化させた度数判定チャートを表示する手段と、前記表示された度数判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させる手段と、前記度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する手段とを有することを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の検眼装置。
  10. 前記度数判定手段は、前記選択された直交する2方向について、一定数の直線を平行に配列した大きさの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示する手段と、前記表示された各度数判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させる手段と、前記各度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する手段とを有することを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の検眼装置。
  11. 前記度数判定チャートは、前記配列される一定数の直線の幅方向の両外端に、前記直線の幅に対して0.5〜2.0倍の幅を有し、前記直線に対してコントラストを有する両側帯を設けたことを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の検眼装置。
  12. 前記度数判定チャートは、前記両側帯の色と前記直線の間の色を異なるものとし、前記両側帯の輝度を前記直線の間の輝度以上としたことを特徴とする、請求項11に記載の検眼装置。
  13. 前記度数判定チャートは、前記直線を黒系統色とし、前記直線の間を緑系統色とし、前記両側帯を黄系統色としたことを特徴とする、請求項11に記載の検眼装置。
  14. 前記度数判定手段は、被検査者に表示手段から遠い距離で視標を視認させて視認可能な最小の視標を選択させる遠くの度数判定手段と、被検査者に表示手段に近い距離で視標を視認させて視認可能な最小の視標を選択させる近くの度数判定手段と、前記遠くの度数判定手段において選択された視標と前記近くの度数判定手段において選択された視標とに基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する手段とを有することを特徴とする、請求項8ないし請求項13のいずれかに記載の検眼装置。
  15. 前記近くの度数判定手段は、前記遠視・近視判定手段において判定が保留であった被検査者と、所定年令以上であって前記遠視・近視判定手段において遠視と判定された被検査者について行うようにしたことを特徴とする、請求項14に記載の検眼装置。
  16. 前記度数判定手段は、前記選択された直交する2方向について、均一な太さの赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域と前記線群領域のいずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する視標を段階的に大きさを変化させた度数判定チャートを表示する手段と、前記表示された度数判定チャートについて被検査者に前記線群領域のなかに前記基準色領域と同一色の直線があると視認された最小の視標を選択させる手段と、前記度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する手段とを有することを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の検眼装置。
  17. 前記度数判定手段は、前記選択された直交する2方向について、均一な太さの赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域と前記線群領域のいずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する大きさの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示する手段と、前記表示された各度数判定チャートについて被検査者に前記線群領域のなかに前記基準色領域と同一色の直線があると視認された最小の視標を選択させる手段と、前記各度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定する手段とを有することを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の検眼装置。
  18. 指向性を有しない図形からなる視標を段階的に大きさを変化させた粗判定チャートを表示する手段と、前記表示された粗判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させる手段とを有し、被検査者の粗い見え方を判定する粗判定手段を備え、
    前記乱視軸判定手段は、前記判定された粗い見え方に基づいて前記表示される乱視軸判定チャートの各視標の大きさを調節する手段を有することを特徴とする、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の検眼装置。
  19. 指向性を有しない図形からなる視標を段階的に大きさを変化させた粗判定チャートを表示する手段と、前記表示された粗判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させる手段とを有し、被検査者の粗い見え方を判定する粗判定手段を備え、
    前記遠視・近視判定手段は、前記判定された粗い見え方に基づいて前記表示される遠視・近視判定チャートに配列する直線の幅と間隔を調節する手段を有することを特徴とする、請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の検眼装置。
  20. 指向性を有しない図形からなる視標を段階的に大きさを変化させた粗判定チャートを表示する手段と、前記表示された粗判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させる手段とを有し、被検査者の粗い見え方を判定する粗判定手段を備え、
    前記度数判定手段は、前記判定された粗い見え方に基づいて前記表示される度数判定チャートの視標の大きさの範囲を限定する手段を有することを特徴とする、請求項8ないし請求項16のいずれかに記載の検眼装置。
  21. 前記乱視軸角度判定手段と前記遠視・近視判定手段と前記度数判定手段の少なくともいずれかにおいて、被検査者の眼に外光が入らないように遮蔽して視標を視認させるようにしたことを特徴とする、請求項1ないし請求項20のいずれかに記載の検眼装置。
  22. 前記度数判定手段により判定された度数に基づいてスタート眼球モデルを選定し、被検査者の任意の調節点におけるモデルの妥当性を検証して眼球光学モデルを決定する眼球光学モデル決定手段と、前記眼球光学モデルを用いて被検査者がメガネ・コンタクトレンズを装用したときの集光性能を検証し、レンズ度数を決定するレンズ度数決定手段とを備えたことを特徴とする、請求項1から請求項21のいずれかに記載の検眼装置。
  23. 表示手段に表示した視標を被検査者に左右片眼づつ視認させ、被検査者が視認した結果を取得することにより自覚的に検眼を行う検眼方法であって、
    乱視軸を判定する視標を表示し、被検査者が視認した結果を取得することにより乱視軸角度を判定するステップと、
    前記判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について遠視・近視を判定する視標を表示し、被検査者が視認した結果を取得することにより前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定するステップと、
    前記判定された乱視軸角度に基づいて選択された直交する2方向について度数を判定する視標を表示し、被検査者が視認した結果を取得することにより前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定するステップとを有することを特徴とする、検眼方法。
  24. 前記乱視軸角度を判定するステップは、略45度・略90度・略135度・略180度の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第1の乱視軸判定チャートを表示するステップと、前記表示された第1の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させるステップと、前記4方向の略中間の4方向に多数の直線を平行に配列した4つの視標を含む第2の乱視軸判定チャートを表示するステップと、前記表示された第2の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させるステップと、前記第1の乱視軸判定チャートについて被検査者が選択した視標と前記第2の乱視軸判定チャートについて被検査者が選択した視標を含む第3の乱視軸判定チャートを表示するステップと、前記表示された第3の乱視軸判定チャートについて被検査者に濃く見える視標を選択させるステップと、前記第1の乱視軸判定チャートについて選択された視標と前記第2の乱視軸判定チャートについて選択された視標と前記第3の乱視軸判定チャートについて選択された視標とに基づいて乱視軸角度を決定するステップとを有することを特徴とする、請求項23に記載の検眼方法。
  25. 前記遠視・近視を判定するステップは、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの一方向に黒系統色の直線を配置した第1の遠視・近視判定チャートを表示するステップと、前記表示された第1の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させるステップと、背景が赤系統色の領域と背景が青系統色の領域の双方に前記選択された直交する2方向のうちの他方向に黒系統色の直線を配置した第2の遠視・近視判定チャートを表示するステップと、前記表示された第2の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させるステップと、背景が赤系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記一方向に黒系統色の直線を配置し、背景が青系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記他方向に黒系統色の直線を配置した第3の遠視・近視判定チャートを表示するステップと、前記表示された第3の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させるステップと、背景が赤系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記他方向に黒系統色の直線を配置し、背景が青系統色の領域に前記選択された直交する2方向のうちの前記一方向に黒系統色の直線を配置した第4の遠視・近視判定チャートを表示するステップと、前記表示された第4の遠視・近視判定チャートについて被検査者にいずれの領域の直線が明瞭に見えるかを選択させるステップと、前記第1の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第2の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第3の遠視・近視判定チャートについて選択された結果と前記第4の遠視・近視判定チャートについて選択された結果とに基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の遠視・近視を判定するステップとを有することを特徴とする、請求項23または請求項24に記載の検眼方法。
  26. 前記度数を判定するステップは、前記選択された直交する2方向について、一定数の直線を平行に配列した大きさの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示するステップと、前記表示された各度数判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させるステップと、前記各度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定するステップとを有することを特徴とする、請求項23ないし請求項25のいずれかに記載の検眼方法。
  27. 前記度数を判定するステップは、被検査者に表示手段から遠い距離で視標を視認させて視認可能な最小の視標を選択させる遠くの度数を判定するステップと、被検査者に表示手段に近い距離で視標を視認させて視認可能な最小の視標を選択させる近くの度数を判定するステップと、前記遠くの度数を判定するステップにおいて選択された視標と前記近くの度数を判定するステップにおいて選択された視標とに基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定するステップとを有することを特徴とする、請求項23ないし請求項26のいずれかに記載の検眼方法。
  28. 前記度数を判定するステップは、前記選択された直交する2方向について、均一な太さの赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域と前記線群領域のいずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する視標を段階的に大きさを変化させた度数判定チャートを表示するステップと、前記表示された度数判定チャートについて被検査者に前記線群領域のなかに前記基準色領域と同一色の直線があると視認された最小の視標を選択させるステップと、前記度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定するステップとを有することを特徴とする、請求項23ないし請求項25のいずれかに記載の検眼方法。
  29. 前記度数を判定するステップは、前記選択された直交する2方向について、均一な太さの赤系統色の直線と青系統色の直線とを交互に配列した線群領域と前記線群領域のいずれかの直線と同一色の基準色領域とを有する大きさの段階差が2以上の視標を組合せた複数の度数判定チャートを順次表示するステップと、前記表示された各度数判定チャートについて被検査者に前記線群領域のなかに前記基準色領域と同一色の直線があると視認された最小の視標を選択させるステップと、前記各度数判定チャートについて選択された視標に基づいて前記判定された乱視軸角度およびそれと直交する角度の度数を判定するステップとを有することを特徴とする、請求項23ないし請求項25のいずれかに記載の検眼装置。
  30. 指向性を有しない図形からなる視標を段階的に大きさを変化させた粗判定チャートを表示するステップと、前記表示された粗判定チャートについて被検査者に視認可能な最小の視標を選択させるステップとを有し、被検査者の粗い見え方を判定するステップを備え、
    前記乱視軸角度を判定するステップおよび/または前記遠視・近視を判定するステップおよび/または前記度数を判定するステップは、前記判定された粗い見え方に基づいて前記表示される視標の条件を変化させるステップを有することを特徴とする、請求項23ないし請求項29のいずれかに記載の検眼方法。
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