JPWO2004021813A1 - 冷却衣服 - Google Patents
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Abstract
本発明は、少ない消費電力で、しかも簡易な構造で、快適に過ごすことのできる冷却衣服を提供する。胴部に対応する服地部の部位には、服地部と下着との間に空気を流通させるための空気流通路が形成されている。空気流通路には、空気を取り出すための空気出口部と、空気を取り入れるための空気入口部が形成されている。空気流通路の空気入口部には強制的に空気を送り込むための送風手段が設けられている。冷却装置50は、気化板45を有する。気化板45は、板状部材41の両面に水吸収性の良い水保持材42を取り付けたものである。空気が冷却装置50内を流通し、水保持材42に含まれる水と接触すると、その水は気化する。このとき、その気化熱が空気から奪われることにより、空気が冷却される。その後、その冷却された空気は空気入口部に導かれ、空気流通路内に入る。
Description
本発明は、高温の環境下でも快適に過ごすことができる冷却衣服に関する。
高温高湿のような劣悪な環境下での作業に従事する作業者は、通常、無理をして作業を行ったり、あるいは、一定時間の作業と体の冷却とを交互に繰り返して作業を行ったりしている。このため、作業者の体は、その劣悪な環境によって大きなダメージを受ける。
したがって、かかる劣悪な環境下でも作業者の体を効率よく冷却することができる衣服を案出することが望まれている。
したがって、かかる劣悪な環境下でも作業者の体を効率よく冷却することができる衣服を案出することが望まれている。
本発明は、このような技術的背景のもとになされたものであり、少ない消費電力で、しかも簡易な構造で、快適に過ごすことのできる冷却衣服を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明に係る冷却衣服は、一又は複数のスペーサにより形成された、服地部と体又は下着との間に空気を流通させるための空気流通路と、空気を前記空気流通路内から取り出すための空気出口部と、空気を前記空気流通路内に取り入れるための空気入口部と、空気を取り込むための取込口と、前記取込口から取り込まれた空気が流通する冷却用空気流通路と、前記冷却用空気流通路内を流通した空気を取り出すための送出口と、前記冷却用空気流通路内に配置された、水を保持する水保持手段とを有し、前記冷却用空気流通路内を流通する空気が前記水保持手段の保持する前記水と接触する際に前記水が周囲から奪う気化熱を利用して、前記冷却用空気流通路内を流通する空気を冷却する冷却手段と、前記冷却手段で冷却された空気を強制的に前記冷却手段の前記送出口から取り出して前記空気入口部内に取り込むと共に、前記空気入口部に取り込んだ空気を強制的に前記空気流通路内に送り出すための送風手段と、前記送風手段に電力を供給するための電源手段と、を具備することを特徴とするものである。
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る冷却衣服は、一又は複数のスペーサにより形成された、服地部と体又は下着との間に空気を流通させるための空気流通路と、空気を前記空気流通路内から取り出すための空気出口部と、空気を前記空気流通路内に取り入れるための空気入口部と、水の気化熱を利用して空気を冷却する気化手段、空気を除湿する除湿手段及び温度の異なる空気の間で熱交換を行うことによって一方の空気を冷却する熱交換手段をそれぞれ少なくとも一つ用い、それらの手段を組み合わせることにより冷却された空気を生成する空気冷却手段と、前記空気冷却手段で冷却された空気を強制的に前記空気入口部内に取り込むと共に、その取り込んだ空気を強制的に前記空気流通路内に送り出すための送風手段と、前記送風手段に電力を供給するための電源手段と、を具備することを特徴とするものである。
尚、「下着」とは、冷却衣服の下に着用する衣類を意味する。
上記の目的を達成するために、本発明に係る冷却衣服は、一又は複数のスペーサにより形成された、服地部と体又は下着との間に空気を流通させるための空気流通路と、空気を前記空気流通路内から取り出すための空気出口部と、空気を前記空気流通路内に取り入れるための空気入口部と、空気を取り込むための取込口と、前記取込口から取り込まれた空気が流通する冷却用空気流通路と、前記冷却用空気流通路内を流通した空気を取り出すための送出口と、前記冷却用空気流通路内に配置された、水を保持する水保持手段とを有し、前記冷却用空気流通路内を流通する空気が前記水保持手段の保持する前記水と接触する際に前記水が周囲から奪う気化熱を利用して、前記冷却用空気流通路内を流通する空気を冷却する冷却手段と、前記冷却手段で冷却された空気を強制的に前記冷却手段の前記送出口から取り出して前記空気入口部内に取り込むと共に、前記空気入口部に取り込んだ空気を強制的に前記空気流通路内に送り出すための送風手段と、前記送風手段に電力を供給するための電源手段と、を具備することを特徴とするものである。
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る冷却衣服は、一又は複数のスペーサにより形成された、服地部と体又は下着との間に空気を流通させるための空気流通路と、空気を前記空気流通路内から取り出すための空気出口部と、空気を前記空気流通路内に取り入れるための空気入口部と、水の気化熱を利用して空気を冷却する気化手段、空気を除湿する除湿手段及び温度の異なる空気の間で熱交換を行うことによって一方の空気を冷却する熱交換手段をそれぞれ少なくとも一つ用い、それらの手段を組み合わせることにより冷却された空気を生成する空気冷却手段と、前記空気冷却手段で冷却された空気を強制的に前記空気入口部内に取り込むと共に、その取り込んだ空気を強制的に前記空気流通路内に送り出すための送風手段と、前記送風手段に電力を供給するための電源手段と、を具備することを特徴とするものである。
尚、「下着」とは、冷却衣服の下に着用する衣類を意味する。
図1(a)は本発明の一実施形態に係る冷却衣服の概略正面図、図1(b)はその冷却衣服の概略背面図である。
図2(a)はその冷却衣服に用いられる冷却装置の概略構成図、図2(b)はその冷却装置の主要部品である気化板の概略斜視図である。
図3は背中に対応する部位に設けられた空気流通路内における空気の流れを説明するための図である。
図4(a)は本実施形態の冷却衣服に用いられるスペーサ部の一部の概略平面図、図4(b)はそのスペーサ部の一部の概略側面図である。
図5は本実施形態の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。
図6は第一変形例の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。
図7は第二変形例の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。
図8(a)は第二変形例の冷却衣服に用いられる除湿手段の概略構成図、図8(b)はその除湿手段の主要部品である除湿板の概略斜視図である。
図9は第三変形例の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。
図10は第三変形例の冷却衣服を応用した防護服における空気の流れを説明するための概略図である。
図2(a)はその冷却衣服に用いられる冷却装置の概略構成図、図2(b)はその冷却装置の主要部品である気化板の概略斜視図である。
図3は背中に対応する部位に設けられた空気流通路内における空気の流れを説明するための図である。
図4(a)は本実施形態の冷却衣服に用いられるスペーサ部の一部の概略平面図、図4(b)はそのスペーサ部の一部の概略側面図である。
図5は本実施形態の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。
図6は第一変形例の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。
図7は第二変形例の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。
図8(a)は第二変形例の冷却衣服に用いられる除湿手段の概略構成図、図8(b)はその除湿手段の主要部品である除湿板の概略斜視図である。
図9は第三変形例の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。
図10は第三変形例の冷却衣服を応用した防護服における空気の流れを説明するための概略図である。
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。
最初に、本発明の一実施形態に係る冷却衣服を説明する。図1(a)は本発明の一実施形態に係る冷却衣服の概略正面図、図1(b)はその冷却衣服の概略背面図、図2(a)はその冷却衣服に用いられる冷却装置の概略構成図、図2(b)はその冷却装置の主要部品である気化板の概略斜視図、図3は背中に対応する部位に設けられた空気流通路内における空気の流れを説明するための図である。
本実施形態の冷却衣服は、図1、図2及び図3に示すように、服地部10と、三つのスペーサ部20a,20b,20cと、空気出口部29と、空気入口部30と、空気を冷却する冷却装置50と、送風手段60と、電源手段(不図示)とを備えるものである。本実施形態では、かかる冷却衣服を、作業服、ユニホーム等、裾の部分をズボンの中に入れないで着用するタイプの衣服に適用した場合について説明する。この冷却衣服は、長袖の衣服であって、ファスナーで前を閉じるタイプのものであるとする。また、この冷却衣服は、下着の上に着用される。ここで、本実施形態では、冷却衣服の下に着用する衣類を「下着」と称することにする。例えば、冷却衣服の下にワイシャツを着ることにすれば、そのワイシャツは、ここでいう「下着」である。
服地部10の裏面には、三つのスペーサ部20a,20b,20cが糸で縫い付けられている。本実施形態では、各スペーサ部20a,20b,20cを、汗のかきやすい箇所、例えば左前側の胴部、右前側の胴部及び背中側の胴部に対応する服地部10の位置に縫い付けている。スペーサ部20a,20b,20cは、服地部10と下着との間に空気を流通させるための空気流通路を形成する。この空気流通路は、人が冷却衣服を着用したときに体表に略平行な空間を構成する。
本実施形態では、冷却衣服を着用したときにその前部を閉じる手段としてファスナーを用いている。ファスナーは簡単に開閉することができ、しかもファスナーを閉じたときにそのファスナーの部分から外部へ空気がほとんど漏れないからである。このため、ファスナーを閉じると、服地部10の前側に設けた二つのスペーサ部20a,20bは全体で一つの空気流通路を構成することになる。
図1(a)に示すように、服地部10の前側の胴部中央には、二つのスリット状の空気出口部29が形成されている。各空気出口部29は、空気流通路内の空気を外部に取り出すためのものである。また、図1(b)に示すように、服地部10の背中側の下部には、一つの空気入口部30が形成されている。空気入口部30は、冷却装置50で冷却された空気を空気流通路内に取り入れるためのものである。
服地部10の素材としては、空気が空気流通路内を流通する途中で実質的に服地部10から漏れないようなものを用いることが望ましい。実質的に空気が漏れないような素材としては、例えば高密度布を用いることができる。また、例えば外気の温度50℃、湿度90%のような劣悪な環境下で作業を行う場合には、外部の空気の温湿度が服地部10の内部に入り込まないように、服地部10の素材としては、断熱性を有し、且つ、湿気を通さないものを用いることが望ましい。
次に、服地部10に取り付けられるスペーサ部20a,20b,20cの構造について説明する。図4(a)は本実施形態の冷却衣服に用いられるスペーサ部20a,20b,20cの一部の概略平面図、図4(b)はそのスペーサ部20a,20b,20cの一部の概略側面図である。この図4では、スペーサ部20a,20b,20cとして、プラスチック製のメッシュからなるメッシュスペーサ21を用いた場合を示している。メッシュスペーサ21は、略平面状のものであって、複数の凸部22が規則的に形成されたものである。メッシュスペーサ21は、凹凸を有する金型の間にプラスチック製のメッシュを入れ、押圧熱成型することによって簡単に製造ことができる。メッシュスペーサ21は、材料となるメッシュ自体が安価で軽量なこと、成型が容易なこと、下着と服地部10との間のスペースを確保するための凸部22それ自体がメッシュであり、空気抵抗が少ないこと等により、冷却衣服用のスペーサ部として用いるのに最適である。メッシュスペーサ21は、服地部10の裏面に縫い付けられる。
三つのスペーサ部20a,20b,20cは、左前側の胴部、右前側の胴部、背中側の胴部のそれぞれに対応する服地部10の位置に縫い付けられる。具体的には、まず、各スペーサ部20a,20b,20cを、服地部10の裏面に対向させるようにして、服地部10の所定部位に配置する。そして、例えばミシン等を用い、各スペーサ部20a,20b,20cを服地部10に縫い付ける。
こうしてスペーサ部20a,20b,20cが縫い付けられた冷却衣服を着用すると、メッシュスペーサ21の凸部22が下着に接するようになる。スペーサ部20a,20b,20cは、冷却衣服の服地部10と下着との間に空間を確保し、スペーサ部20a,20b,20c内に空気を流通させるという目的を有する。
尚、スペーサ部20a,20b,20cを必ずしも空気流通路全体に取り付ける必要はない。例えば、服地部10と体の形状の違いで必然的にスペースが空いてしまうところでは、当然、スペーサ部20a,20b,20cを取り付ける必要性はないからである。この意味では、スペーサ部20a,20b,20cは全体で一つの閉じた空気流通路を構成することになる。したがって、冷却装置50で冷却された空気は、体の胴回りに形成された空気流通路内を流通し、服地部10の前面に形成された空気出口部29から外部に排出される。
次に、冷却装置50について説明する。冷却装置50は、水の気化熱を利用して空気を冷却するものであり、図1(b)及び図2(a)に示すように、冷却用空気流通路51と、空気を取り込む取込口53と、冷却空気を送り出す送出口54と、気化板45とを有する。また、冷却装置50には、冷却装置50を背負うためのバンド(背負い手段)50aが設けられている。
取込口53は外部の空気を冷却用空気流通路51内に取り込むためのものであり、送出口54は冷却された空気を空気入口部30に送り出すためのものである。ここで、冷却装置50の送出口54と服地部10の空気入口部30との間の空気の流通手段としては蛇腹状の管55を用いている。すなわち、冷却装置50の送出口54から送り出された冷却空気は、蛇腹状管55を介して服地部10の空気入口部30に送られる。
冷却用空気流通路51は、取込口53から取り込まれた空気が流通する経路である。気化板45は、図2(b)に示すように、板状の部材41の両面に水吸収性の良いスポンジ等の水保持材42を取り付けたものである。冷却装置50の冷却用空気流通路51内には、気化板45が例えば5mmの隙間をおいて多数配置されている。気化板45を水に浸すことにより水保持材42に水が吸収される。外気を取込口53から冷却用空気流通路51内に導入すると、その空気が気化板45の間を流通するときに、その空気と水保持材42に含まれる水とが接触する。これにより、水保持材42に含まれていた水が気化して、その空気が湿球温度まで冷却される。その冷却された空気は、送出口54から蛇腹状管55を介して空気入口部30に入る。
このように、本実施形態における冷却装置50は、水を保持する水保持機能と、水の気化熱を利用して空気を冷却する気化機能という二つの機能を有するものであって、しかも、これら二つの機能が一体化されたものである。
また、冷却装置50は着脱自在に構成されている。冷却装置50を服地部10に装着するには、まず、着用者は、図1(b)に示すように、冷却装置50に設けられたバンド50aに手を通し、冷却装置50を背中に背負う。その後、冷却装置50の送出口54と服地部10の空気入口部30との間を蛇腹状管55で接続する。このように、冷却装置50を服地部10に簡単に装着することができる。
送風手段60は、空気流通路の内部に空気の流れを強制的に生じさせるためのものであり、また、冷却装置50の冷却用空気流通路51内を陰圧にすることにより、外気を強制的に取込口53から冷却用空気流通路51内に取り込むと共に冷却装置50で冷却された空気を強制的に空気入口部30に流入させるためのものである。送風手段60は、図3に示すように、空気入口部30に対応する位置に取り付けられる。ここで、送風手段60としては、シロッコファンに代表される側流ファンが用いられる。側流ファンとは、羽根の軸方向から吸入した空気を羽根の外周方向へ放射状に送出するファンをいう。したがって、冷却装置50から空気入口部30に向かう空気は、送風手段60により、図3に示すように、背中に対応する服地部10の部位に設けられた空気流通路内に送出される。そして、その空気は、体の両側部における服地部10内の空間を通って、体の前側に対応する服地部10の部位に設けられた空気流通路内に送られた後、空気出口部29から外部に排出される。
尚、送風手段60には、図示しない電源手段により電力が供給される。この電力手段としては、二次電池や燃料電池等が用いられる。
冷却装置50では空気を湿球温度まで冷却することができるが、湿球温度は外気の温湿度によって異なる。例えば、外気温36℃、湿度50%である場合には湿球温度は約27℃であり、外気温50℃、湿度20%である場合には湿球温度は約28℃である。そして、水保持材42に含まれている水分がほぼ無くなるまで、冷却装置50は空気を冷却することができる。水分が無くなったら、冷却装置50ごと蛇腹状管55から取り外し、水中に浸すことにより、冷却装置50の冷却能力を再生することができる。水1kgを水保持材42に含ませれば、理論上580kcalの冷却を行うことができる。
ところで、例えば、室内用エアーコンディショナーで部屋全体の空気を冷却する場合には、冷却対象となる空気の体積が大きいので、部屋全体の空気を冷却するのに時間がかかる。このため、室内用エアーコンディショナーでは、立ち上がり運転時における冷却容量を通常運転時に比べて相当大きくしなければならない。これに対して、本実施形態で用いる冷却装置50では、冷却対象となる空気の体積がそれ程大きくないので、小さな冷却能力ですぐに着用者の体を冷やすことができる。したがって、本実施形態の冷却衣服では、少ない消費電力で十分な冷却効果を得ることができる。
また、上記の実施形態では、スペーサ部としてメッシュスペーサを用いた場合について説明したが、それ以外にもさまざまなスペーサを用いることができる。実用的には、スペーサ部の厚さは2mm以上30mm以下とすることが望ましい。スペーサ部の厚さが2mmより小さいと、そのスペーサ部により形成される空気流通路内に一定の流量の空気を流すためには、空気の圧力をかなり高める必要があり、実用的でないからである。一方、スペーサ部の厚さが30mmより大きいと、冷却衣服の見栄えや着心地が悪くなるからである。
本実施形態の冷却衣服は、高温で乾燥した環境下での使用に適している。すなわち、高温でも露点温度が十分低ければ、湿球温度も低いので、冷却装置50において空気を十分冷却することができる。
図5は本実施形態の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。空気入口部30に対応する服地部10の位置に設けられた送風手段60が動作すると、冷却装置50の冷却用空気流通路51内は陰圧になる。これにより、外気は取込口53から冷却用空気流通路51内に取り込まれる。その外気は、気化板45を通過する際に冷却される。そして、その冷却された空気は送出口54を通り、蛇腹状管55を介して空気入口部30に入り込む。その後、その冷却空気は、空気流通路内を通って、体を冷却した後、空気出口部29から外部に排出される。
次に、本実施形態の冷却衣服の変形例について説明する。図6は第一変形例の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。この第一変形例の冷却衣服は、高温で乾燥した環境下での使用を目的とする。尚、以下に説明する各変形例においては、上述した本実施形態の冷却衣服の構成要素と同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
図5に示す構成の冷却衣服では、冷却装置50において、空気の温度は下がるが、その湿度が100%近くになってしまうので、空気流通路内には湿った冷却空気が流入することになる。第一変形例の冷却衣服は、この点を改良するためのものである。この第一変形例の冷却衣服が図5に示す冷却衣服と異なる点は、図6に示すように、冷却装置50と服地部10との間に熱交換手段100を付加した点である。その他の点については、上述した本実施形態の冷却衣服と同様である。熱交換手段100は、冷却装置50で冷却された空気と外気との間で熱交換を行うものである。この熱交換手段100は着脱自在に構成されている。
第一変形例では、高温の乾燥した空気(外気)は、冷却装置50と熱交換手段100とにそれぞれ取り込まれる。冷却装置50に取り込まれた外気は、冷却装置50により冷却された後、熱交換手段100に流入する。ここで、冷却装置50を通過した空気は、湿った空気となっている。一方、熱交換手段100に取り込まれた外気(乾燥空気)は、熱交換手段100により冷却装置50を通過した空気との間で熱交換されて、冷却される。ここで、熱交換手段100で冷却された乾燥空気については、絶対湿度は変わらないが、温度が下がることにより相対湿度は上昇する。そして、その冷却された乾燥空気は、熱交換手段100の送出口104から蛇腹状管55を介して空気入口部30に流入し、服地部10内に送り出される。これにより、着用者が汗をかいているときには、汗も蒸発させることができるので、より一層体が冷却される。尚、熱交換手段100において外気との間で熱交換された空気は、送風手段106により外部に排出される。第一変形例では、送風手段60,106が本発明の送風手段に該当する。
図7は第二変形例の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。この第二変形例の冷却衣服は、高温・多湿な環境下での使用を目的とする。この第二変形例の冷却衣服が第一変形例のものと異なる点は、図7に示すように、冷却装置50の前に、除湿手段120と熱交換手段(第一の熱交換手段)100aとを付加した点である。その他の点については、第一変形例の冷却衣服と同様である。第一の熱交換手段100aは、熱交換手段(第二の熱交換手段)100と同じ構成を有する。各熱交換手段100a,100はそれぞれ着脱自在に構成されている。
除湿手段120は、流入する外気を除湿するものである。図8(a)は第二変形例の冷却衣服に用いられる除湿手段120の概略構成図、図8(b)はその除湿手段120の主要部品である除湿板の概略斜視図である。除湿手段120は、図8に示すように、冷却装置50と略同様な形状をしている。この除湿手段120は多数の除湿板121を有する。除湿板121は、板状部材41にシリカゲル等の水蒸気を吸収する吸湿剤122を配したものである。尚、除湿手段120を用いた場合、吸湿剤122が水蒸気を吸着できなくなったときは、除湿手段120を取り外し、吸湿剤122を加熱することにより吸湿能力を再生することができる。
第二変形例では、図7に示すように、高温多湿の空気(外気)は、除湿手段120と第一の熱交換手段100aとにそれぞれ取り込まれる。除湿手段120に取り込まれた外気が除湿板121を通過すると、その外気に含まれる水蒸気が吸湿剤122に吸着される。この除湿の際、その空気は発熱し外気よりも温度が高くなってしまう。すなわち、除湿手段120を通過した空気は、高温の乾燥空気となる。その高温の乾燥空気は、第一の熱交換手段100aに流入し、第一の熱交換手段100aにより外気との間で熱交換されて、外気温度まで冷却される。こうして第一の熱交換手段100aで冷却された空気のうち、一部は冷却装置50に、残りの一部は第二の熱交換手段100に流入する。その後は、上記の第一変形例と略同様である。すなわち、第一の熱交換手段100aから直接に第二の熱交換手段100に取り込まれた空気(外気温度を有する乾燥空気)は、第二の熱交換手段100により冷却装置50を通過した空気との間で熱交換されて、冷却される。これにより、最終的に、乾燥した冷却空気が服地部10内に取り入れられる。
尚、一般には、第一の熱交換手段100aの代わりに、除湿手段で除湿された際に温まった空気の熱を外部に放熱することにより当該温まった空気を冷却する放熱手段を用いることができる。
図9は第三変形例の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。この第三変形例の冷却衣服も、高温・多湿な環境下での使用を目的とする。この第三変形例の冷却衣服が図5に示す冷却衣服と大きく異なる点は、図9に示すように、冷却装置50の前に、除湿手段120と熱交換手段100とを設けると共に、服地部10内の空気を外部に排出することなく、除湿手段120、熱交換手段100、冷却装置50及び服地部10の間で循環させる点である。
第三変形例では、図9に示すように、服地部10内の空気は除湿手段120に導かれる。ここで、服地部10内の空気は体温で温められ、温度も湿度も高くなっている。服地部10内の空気は、除湿手段120を通過することにより水分が取り除かれ、高温の乾燥空気となる。次に、その高温の乾燥空気は、熱交換手段100により外気との間で熱交換されて、外気温度まで冷却される。その後、その熱交換手段100で冷却された空気は、冷却装置50によりさらに冷却される。こうして冷却された湿度の高い空気が、服地部10内に取り入れられる。
以上、三つの変形例を示したが、これらに限らず、本実施形態の冷却衣服では、冷却装置、熱交換手段、除湿手段を種々組み合わせることにより、目的に応じた温湿度を有する空気を作り、服地部内に送り込むことができる。この場合、冷却装置、熱交換手段、除湿手段をそれぞれ複数個用いてもよい。すなわち、水の気化熱を利用して空気を冷却する冷却装置、空気を除湿する除湿手段及び温度の異なる空気の間で熱交換を行うことによって一方の空気を冷却する熱交換手段をそれぞれ少なくとも一つ用い、それらの手段を組み合わせることにより冷却された空気を生成するようにしてもよい。
理論的には、十分な除湿が行われた、露点温度の低い空気を用いれば、服地部内に送り込む空気を露点温度まで冷却することができる。但し、その冷却後の空気の温度が0℃以下であると、水保持材に含まれる水が氷になってしまうことに注意する必要がある。実際に、服地部内に送り込む空気の温度としては、せいぜい15℃ぐらいにまで下げれば十分である。
尚、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、種々の変形が可能である。例えば、本発明の冷却衣服は、水を気化させるときに水が奪う気化熱を利用して空気を冷却し、その冷却した空気を服地部内に導入する方法を用いていれば、どのような構成のものであってもよい。また、上記の実施形態では、冷却装置の有する水保持機能と気化機能とを一体化した場合について説明したが、かかる水保持機能と気化機能とを分離させて冷却装置を構成してもよい。
また、冷却装置に用いられている水保持材は、スポンジに限らず、水を良く吸収するものなら何でもよい。例えば、水保持材として、紙おむつなどに使用されている高分子ポリマー等を用いることができる。また、除湿手段に用いられている吸湿剤は、シリカゲルに限らず、空気中の水蒸気分子を効率よく吸着できるものなら何でもよい。
また、外気を取り入れて冷却するタイプの冷却衣服を用いる場合には、着用者の体を冷やすだけでなく、冷却した空気を呼吸用の空気として利用することもできる。この場合、体を冷却する量よりも多くの量の空気を冷却装置に取り入れて冷却し、その冷却された空気の一部を、パイプ(吸気用管)等を通じて着用者の口又は鼻の近傍に導けばよい。
ところで、本実施形態の冷却衣服を応用することにより、除湿衣服を作製することができる。ここでは、かかる除湿衣服を例えば防護服として利用する場合について説明する。
一般に、防護服は、有害な化学物質や病原体が皮膚に付着するのを防ぐためのものであって、通気性及び透湿性のほとんどない服地で作られている。その防護服は、体全体を覆うようにして着用される。作業者が防護服を着用している場合、外気温が高い等、汗をかく状況では、汗が蒸発し、防護服内に水蒸気がこもってしまう。このため、防護服内の湿度は略100%に達し、すぐに汗の蒸発ができなくなるので、防護服内は非常に蒸し暑くなってしまう。
このような場合には、上記の第三変形例の冷却衣服を応用した除湿衣服を防護服として用いることができる。図10は第三変形例の冷却衣服を応用した防護服(除湿衣服)における空気の流れを説明するための概略図である。図10に示す防護服が図9に示す第三変形例の冷却衣服と異なる点は、冷却装置50を設けていない点である。すなわち、防護服は、一又は複数のスペーサにより形成された空気流通路と、空気出口部29と、空気入口部30と、除湿手段120と、熱交換手段100と、送風手段60と、電力手段(不図示)とを備える。ここで、除湿手段120及び熱交換手段100は、背負い手段であるバンドを用いて背中に背負うようにして装着される。
空気流通路内の空気は空気出口部29から取り出され、除湿手段120に導かれる。そして、空気出口部29から除湿手段120に導かれた空気は、除湿手段120を通過することにより水分が取り除かれ、高温の乾燥空気となる。次に、その高温の乾燥空気は、熱交換手段100により外気との間で熱交換されて、外気温度まで冷却される。その後、その熱交換手段100で冷却された空気は、空気入口部30から再び空気流通路内に取り込まれる。ここで、送風手段60は、空気流通路内の空気を強制的に空気出口部29から取り出すと共に、その取り出した空気を強制的に除湿手段120及び熱交換手段100を介して空気入口部30から空気流通路内に再び取り込む役割を果たす。したがって、図10に示す防護服では、空気流通路内の空気と外気とが混合することなく、空気流通路内の空気を除湿することができるので、着用者は蒸し暑さから逃れることができる。
特に、除湿衣服を防護服として利用する場合には、除湿、熱交換の過程で外気が服地部内に混入してしまうのを避けなければならない。この点に関しては、単に各部の繋ぎ目やパイプ等から外気が入り込まないようにするだけでよいので、図10に示す防護服を容易に作製することができる。
尚、当然のことであるが、図10に示す防護服に冷却装置50を付加するようにしてもよい。すなわち、上記の第三変形例の冷却衣服をその構成のまま、防護服に適用してもよい。また、熱交換手段100では、図10に示すように、送風手段106を用いて外気を熱交換手段100内に取り込み、その取り込んだ外気との間で熱交換することにより除湿手段120で除湿された空気を冷却することにしているが、必ずしも送風手段106を用いる必要はなく、除湿手段120で除湿された空気を自然冷却するようにしてもよい。
更に、熱交換手段100を除湿手段120の後に設ける代わりに、除湿された空気を自然冷却する手段や送風手段を用いて強制的に冷却する手段を除湿手段120の中に組み込むようにしてもよい。一般には、熱交換手段100の代わりに、除湿手段120で除湿された際に温まった空気の熱を外部に放熱することによりその温まった空気を冷却する放熱手段を用いることができる。この点は、上記の実施形態、各変形例における熱交換手段についても同様である。
最初に、本発明の一実施形態に係る冷却衣服を説明する。図1(a)は本発明の一実施形態に係る冷却衣服の概略正面図、図1(b)はその冷却衣服の概略背面図、図2(a)はその冷却衣服に用いられる冷却装置の概略構成図、図2(b)はその冷却装置の主要部品である気化板の概略斜視図、図3は背中に対応する部位に設けられた空気流通路内における空気の流れを説明するための図である。
本実施形態の冷却衣服は、図1、図2及び図3に示すように、服地部10と、三つのスペーサ部20a,20b,20cと、空気出口部29と、空気入口部30と、空気を冷却する冷却装置50と、送風手段60と、電源手段(不図示)とを備えるものである。本実施形態では、かかる冷却衣服を、作業服、ユニホーム等、裾の部分をズボンの中に入れないで着用するタイプの衣服に適用した場合について説明する。この冷却衣服は、長袖の衣服であって、ファスナーで前を閉じるタイプのものであるとする。また、この冷却衣服は、下着の上に着用される。ここで、本実施形態では、冷却衣服の下に着用する衣類を「下着」と称することにする。例えば、冷却衣服の下にワイシャツを着ることにすれば、そのワイシャツは、ここでいう「下着」である。
服地部10の裏面には、三つのスペーサ部20a,20b,20cが糸で縫い付けられている。本実施形態では、各スペーサ部20a,20b,20cを、汗のかきやすい箇所、例えば左前側の胴部、右前側の胴部及び背中側の胴部に対応する服地部10の位置に縫い付けている。スペーサ部20a,20b,20cは、服地部10と下着との間に空気を流通させるための空気流通路を形成する。この空気流通路は、人が冷却衣服を着用したときに体表に略平行な空間を構成する。
本実施形態では、冷却衣服を着用したときにその前部を閉じる手段としてファスナーを用いている。ファスナーは簡単に開閉することができ、しかもファスナーを閉じたときにそのファスナーの部分から外部へ空気がほとんど漏れないからである。このため、ファスナーを閉じると、服地部10の前側に設けた二つのスペーサ部20a,20bは全体で一つの空気流通路を構成することになる。
図1(a)に示すように、服地部10の前側の胴部中央には、二つのスリット状の空気出口部29が形成されている。各空気出口部29は、空気流通路内の空気を外部に取り出すためのものである。また、図1(b)に示すように、服地部10の背中側の下部には、一つの空気入口部30が形成されている。空気入口部30は、冷却装置50で冷却された空気を空気流通路内に取り入れるためのものである。
服地部10の素材としては、空気が空気流通路内を流通する途中で実質的に服地部10から漏れないようなものを用いることが望ましい。実質的に空気が漏れないような素材としては、例えば高密度布を用いることができる。また、例えば外気の温度50℃、湿度90%のような劣悪な環境下で作業を行う場合には、外部の空気の温湿度が服地部10の内部に入り込まないように、服地部10の素材としては、断熱性を有し、且つ、湿気を通さないものを用いることが望ましい。
次に、服地部10に取り付けられるスペーサ部20a,20b,20cの構造について説明する。図4(a)は本実施形態の冷却衣服に用いられるスペーサ部20a,20b,20cの一部の概略平面図、図4(b)はそのスペーサ部20a,20b,20cの一部の概略側面図である。この図4では、スペーサ部20a,20b,20cとして、プラスチック製のメッシュからなるメッシュスペーサ21を用いた場合を示している。メッシュスペーサ21は、略平面状のものであって、複数の凸部22が規則的に形成されたものである。メッシュスペーサ21は、凹凸を有する金型の間にプラスチック製のメッシュを入れ、押圧熱成型することによって簡単に製造ことができる。メッシュスペーサ21は、材料となるメッシュ自体が安価で軽量なこと、成型が容易なこと、下着と服地部10との間のスペースを確保するための凸部22それ自体がメッシュであり、空気抵抗が少ないこと等により、冷却衣服用のスペーサ部として用いるのに最適である。メッシュスペーサ21は、服地部10の裏面に縫い付けられる。
三つのスペーサ部20a,20b,20cは、左前側の胴部、右前側の胴部、背中側の胴部のそれぞれに対応する服地部10の位置に縫い付けられる。具体的には、まず、各スペーサ部20a,20b,20cを、服地部10の裏面に対向させるようにして、服地部10の所定部位に配置する。そして、例えばミシン等を用い、各スペーサ部20a,20b,20cを服地部10に縫い付ける。
こうしてスペーサ部20a,20b,20cが縫い付けられた冷却衣服を着用すると、メッシュスペーサ21の凸部22が下着に接するようになる。スペーサ部20a,20b,20cは、冷却衣服の服地部10と下着との間に空間を確保し、スペーサ部20a,20b,20c内に空気を流通させるという目的を有する。
尚、スペーサ部20a,20b,20cを必ずしも空気流通路全体に取り付ける必要はない。例えば、服地部10と体の形状の違いで必然的にスペースが空いてしまうところでは、当然、スペーサ部20a,20b,20cを取り付ける必要性はないからである。この意味では、スペーサ部20a,20b,20cは全体で一つの閉じた空気流通路を構成することになる。したがって、冷却装置50で冷却された空気は、体の胴回りに形成された空気流通路内を流通し、服地部10の前面に形成された空気出口部29から外部に排出される。
次に、冷却装置50について説明する。冷却装置50は、水の気化熱を利用して空気を冷却するものであり、図1(b)及び図2(a)に示すように、冷却用空気流通路51と、空気を取り込む取込口53と、冷却空気を送り出す送出口54と、気化板45とを有する。また、冷却装置50には、冷却装置50を背負うためのバンド(背負い手段)50aが設けられている。
取込口53は外部の空気を冷却用空気流通路51内に取り込むためのものであり、送出口54は冷却された空気を空気入口部30に送り出すためのものである。ここで、冷却装置50の送出口54と服地部10の空気入口部30との間の空気の流通手段としては蛇腹状の管55を用いている。すなわち、冷却装置50の送出口54から送り出された冷却空気は、蛇腹状管55を介して服地部10の空気入口部30に送られる。
冷却用空気流通路51は、取込口53から取り込まれた空気が流通する経路である。気化板45は、図2(b)に示すように、板状の部材41の両面に水吸収性の良いスポンジ等の水保持材42を取り付けたものである。冷却装置50の冷却用空気流通路51内には、気化板45が例えば5mmの隙間をおいて多数配置されている。気化板45を水に浸すことにより水保持材42に水が吸収される。外気を取込口53から冷却用空気流通路51内に導入すると、その空気が気化板45の間を流通するときに、その空気と水保持材42に含まれる水とが接触する。これにより、水保持材42に含まれていた水が気化して、その空気が湿球温度まで冷却される。その冷却された空気は、送出口54から蛇腹状管55を介して空気入口部30に入る。
このように、本実施形態における冷却装置50は、水を保持する水保持機能と、水の気化熱を利用して空気を冷却する気化機能という二つの機能を有するものであって、しかも、これら二つの機能が一体化されたものである。
また、冷却装置50は着脱自在に構成されている。冷却装置50を服地部10に装着するには、まず、着用者は、図1(b)に示すように、冷却装置50に設けられたバンド50aに手を通し、冷却装置50を背中に背負う。その後、冷却装置50の送出口54と服地部10の空気入口部30との間を蛇腹状管55で接続する。このように、冷却装置50を服地部10に簡単に装着することができる。
送風手段60は、空気流通路の内部に空気の流れを強制的に生じさせるためのものであり、また、冷却装置50の冷却用空気流通路51内を陰圧にすることにより、外気を強制的に取込口53から冷却用空気流通路51内に取り込むと共に冷却装置50で冷却された空気を強制的に空気入口部30に流入させるためのものである。送風手段60は、図3に示すように、空気入口部30に対応する位置に取り付けられる。ここで、送風手段60としては、シロッコファンに代表される側流ファンが用いられる。側流ファンとは、羽根の軸方向から吸入した空気を羽根の外周方向へ放射状に送出するファンをいう。したがって、冷却装置50から空気入口部30に向かう空気は、送風手段60により、図3に示すように、背中に対応する服地部10の部位に設けられた空気流通路内に送出される。そして、その空気は、体の両側部における服地部10内の空間を通って、体の前側に対応する服地部10の部位に設けられた空気流通路内に送られた後、空気出口部29から外部に排出される。
尚、送風手段60には、図示しない電源手段により電力が供給される。この電力手段としては、二次電池や燃料電池等が用いられる。
冷却装置50では空気を湿球温度まで冷却することができるが、湿球温度は外気の温湿度によって異なる。例えば、外気温36℃、湿度50%である場合には湿球温度は約27℃であり、外気温50℃、湿度20%である場合には湿球温度は約28℃である。そして、水保持材42に含まれている水分がほぼ無くなるまで、冷却装置50は空気を冷却することができる。水分が無くなったら、冷却装置50ごと蛇腹状管55から取り外し、水中に浸すことにより、冷却装置50の冷却能力を再生することができる。水1kgを水保持材42に含ませれば、理論上580kcalの冷却を行うことができる。
ところで、例えば、室内用エアーコンディショナーで部屋全体の空気を冷却する場合には、冷却対象となる空気の体積が大きいので、部屋全体の空気を冷却するのに時間がかかる。このため、室内用エアーコンディショナーでは、立ち上がり運転時における冷却容量を通常運転時に比べて相当大きくしなければならない。これに対して、本実施形態で用いる冷却装置50では、冷却対象となる空気の体積がそれ程大きくないので、小さな冷却能力ですぐに着用者の体を冷やすことができる。したがって、本実施形態の冷却衣服では、少ない消費電力で十分な冷却効果を得ることができる。
また、上記の実施形態では、スペーサ部としてメッシュスペーサを用いた場合について説明したが、それ以外にもさまざまなスペーサを用いることができる。実用的には、スペーサ部の厚さは2mm以上30mm以下とすることが望ましい。スペーサ部の厚さが2mmより小さいと、そのスペーサ部により形成される空気流通路内に一定の流量の空気を流すためには、空気の圧力をかなり高める必要があり、実用的でないからである。一方、スペーサ部の厚さが30mmより大きいと、冷却衣服の見栄えや着心地が悪くなるからである。
本実施形態の冷却衣服は、高温で乾燥した環境下での使用に適している。すなわち、高温でも露点温度が十分低ければ、湿球温度も低いので、冷却装置50において空気を十分冷却することができる。
図5は本実施形態の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。空気入口部30に対応する服地部10の位置に設けられた送風手段60が動作すると、冷却装置50の冷却用空気流通路51内は陰圧になる。これにより、外気は取込口53から冷却用空気流通路51内に取り込まれる。その外気は、気化板45を通過する際に冷却される。そして、その冷却された空気は送出口54を通り、蛇腹状管55を介して空気入口部30に入り込む。その後、その冷却空気は、空気流通路内を通って、体を冷却した後、空気出口部29から外部に排出される。
次に、本実施形態の冷却衣服の変形例について説明する。図6は第一変形例の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。この第一変形例の冷却衣服は、高温で乾燥した環境下での使用を目的とする。尚、以下に説明する各変形例においては、上述した本実施形態の冷却衣服の構成要素と同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
図5に示す構成の冷却衣服では、冷却装置50において、空気の温度は下がるが、その湿度が100%近くになってしまうので、空気流通路内には湿った冷却空気が流入することになる。第一変形例の冷却衣服は、この点を改良するためのものである。この第一変形例の冷却衣服が図5に示す冷却衣服と異なる点は、図6に示すように、冷却装置50と服地部10との間に熱交換手段100を付加した点である。その他の点については、上述した本実施形態の冷却衣服と同様である。熱交換手段100は、冷却装置50で冷却された空気と外気との間で熱交換を行うものである。この熱交換手段100は着脱自在に構成されている。
第一変形例では、高温の乾燥した空気(外気)は、冷却装置50と熱交換手段100とにそれぞれ取り込まれる。冷却装置50に取り込まれた外気は、冷却装置50により冷却された後、熱交換手段100に流入する。ここで、冷却装置50を通過した空気は、湿った空気となっている。一方、熱交換手段100に取り込まれた外気(乾燥空気)は、熱交換手段100により冷却装置50を通過した空気との間で熱交換されて、冷却される。ここで、熱交換手段100で冷却された乾燥空気については、絶対湿度は変わらないが、温度が下がることにより相対湿度は上昇する。そして、その冷却された乾燥空気は、熱交換手段100の送出口104から蛇腹状管55を介して空気入口部30に流入し、服地部10内に送り出される。これにより、着用者が汗をかいているときには、汗も蒸発させることができるので、より一層体が冷却される。尚、熱交換手段100において外気との間で熱交換された空気は、送風手段106により外部に排出される。第一変形例では、送風手段60,106が本発明の送風手段に該当する。
図7は第二変形例の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。この第二変形例の冷却衣服は、高温・多湿な環境下での使用を目的とする。この第二変形例の冷却衣服が第一変形例のものと異なる点は、図7に示すように、冷却装置50の前に、除湿手段120と熱交換手段(第一の熱交換手段)100aとを付加した点である。その他の点については、第一変形例の冷却衣服と同様である。第一の熱交換手段100aは、熱交換手段(第二の熱交換手段)100と同じ構成を有する。各熱交換手段100a,100はそれぞれ着脱自在に構成されている。
除湿手段120は、流入する外気を除湿するものである。図8(a)は第二変形例の冷却衣服に用いられる除湿手段120の概略構成図、図8(b)はその除湿手段120の主要部品である除湿板の概略斜視図である。除湿手段120は、図8に示すように、冷却装置50と略同様な形状をしている。この除湿手段120は多数の除湿板121を有する。除湿板121は、板状部材41にシリカゲル等の水蒸気を吸収する吸湿剤122を配したものである。尚、除湿手段120を用いた場合、吸湿剤122が水蒸気を吸着できなくなったときは、除湿手段120を取り外し、吸湿剤122を加熱することにより吸湿能力を再生することができる。
第二変形例では、図7に示すように、高温多湿の空気(外気)は、除湿手段120と第一の熱交換手段100aとにそれぞれ取り込まれる。除湿手段120に取り込まれた外気が除湿板121を通過すると、その外気に含まれる水蒸気が吸湿剤122に吸着される。この除湿の際、その空気は発熱し外気よりも温度が高くなってしまう。すなわち、除湿手段120を通過した空気は、高温の乾燥空気となる。その高温の乾燥空気は、第一の熱交換手段100aに流入し、第一の熱交換手段100aにより外気との間で熱交換されて、外気温度まで冷却される。こうして第一の熱交換手段100aで冷却された空気のうち、一部は冷却装置50に、残りの一部は第二の熱交換手段100に流入する。その後は、上記の第一変形例と略同様である。すなわち、第一の熱交換手段100aから直接に第二の熱交換手段100に取り込まれた空気(外気温度を有する乾燥空気)は、第二の熱交換手段100により冷却装置50を通過した空気との間で熱交換されて、冷却される。これにより、最終的に、乾燥した冷却空気が服地部10内に取り入れられる。
尚、一般には、第一の熱交換手段100aの代わりに、除湿手段で除湿された際に温まった空気の熱を外部に放熱することにより当該温まった空気を冷却する放熱手段を用いることができる。
図9は第三変形例の冷却衣服における空気の流れを説明するための概略図である。この第三変形例の冷却衣服も、高温・多湿な環境下での使用を目的とする。この第三変形例の冷却衣服が図5に示す冷却衣服と大きく異なる点は、図9に示すように、冷却装置50の前に、除湿手段120と熱交換手段100とを設けると共に、服地部10内の空気を外部に排出することなく、除湿手段120、熱交換手段100、冷却装置50及び服地部10の間で循環させる点である。
第三変形例では、図9に示すように、服地部10内の空気は除湿手段120に導かれる。ここで、服地部10内の空気は体温で温められ、温度も湿度も高くなっている。服地部10内の空気は、除湿手段120を通過することにより水分が取り除かれ、高温の乾燥空気となる。次に、その高温の乾燥空気は、熱交換手段100により外気との間で熱交換されて、外気温度まで冷却される。その後、その熱交換手段100で冷却された空気は、冷却装置50によりさらに冷却される。こうして冷却された湿度の高い空気が、服地部10内に取り入れられる。
以上、三つの変形例を示したが、これらに限らず、本実施形態の冷却衣服では、冷却装置、熱交換手段、除湿手段を種々組み合わせることにより、目的に応じた温湿度を有する空気を作り、服地部内に送り込むことができる。この場合、冷却装置、熱交換手段、除湿手段をそれぞれ複数個用いてもよい。すなわち、水の気化熱を利用して空気を冷却する冷却装置、空気を除湿する除湿手段及び温度の異なる空気の間で熱交換を行うことによって一方の空気を冷却する熱交換手段をそれぞれ少なくとも一つ用い、それらの手段を組み合わせることにより冷却された空気を生成するようにしてもよい。
理論的には、十分な除湿が行われた、露点温度の低い空気を用いれば、服地部内に送り込む空気を露点温度まで冷却することができる。但し、その冷却後の空気の温度が0℃以下であると、水保持材に含まれる水が氷になってしまうことに注意する必要がある。実際に、服地部内に送り込む空気の温度としては、せいぜい15℃ぐらいにまで下げれば十分である。
尚、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、種々の変形が可能である。例えば、本発明の冷却衣服は、水を気化させるときに水が奪う気化熱を利用して空気を冷却し、その冷却した空気を服地部内に導入する方法を用いていれば、どのような構成のものであってもよい。また、上記の実施形態では、冷却装置の有する水保持機能と気化機能とを一体化した場合について説明したが、かかる水保持機能と気化機能とを分離させて冷却装置を構成してもよい。
また、冷却装置に用いられている水保持材は、スポンジに限らず、水を良く吸収するものなら何でもよい。例えば、水保持材として、紙おむつなどに使用されている高分子ポリマー等を用いることができる。また、除湿手段に用いられている吸湿剤は、シリカゲルに限らず、空気中の水蒸気分子を効率よく吸着できるものなら何でもよい。
また、外気を取り入れて冷却するタイプの冷却衣服を用いる場合には、着用者の体を冷やすだけでなく、冷却した空気を呼吸用の空気として利用することもできる。この場合、体を冷却する量よりも多くの量の空気を冷却装置に取り入れて冷却し、その冷却された空気の一部を、パイプ(吸気用管)等を通じて着用者の口又は鼻の近傍に導けばよい。
ところで、本実施形態の冷却衣服を応用することにより、除湿衣服を作製することができる。ここでは、かかる除湿衣服を例えば防護服として利用する場合について説明する。
一般に、防護服は、有害な化学物質や病原体が皮膚に付着するのを防ぐためのものであって、通気性及び透湿性のほとんどない服地で作られている。その防護服は、体全体を覆うようにして着用される。作業者が防護服を着用している場合、外気温が高い等、汗をかく状況では、汗が蒸発し、防護服内に水蒸気がこもってしまう。このため、防護服内の湿度は略100%に達し、すぐに汗の蒸発ができなくなるので、防護服内は非常に蒸し暑くなってしまう。
このような場合には、上記の第三変形例の冷却衣服を応用した除湿衣服を防護服として用いることができる。図10は第三変形例の冷却衣服を応用した防護服(除湿衣服)における空気の流れを説明するための概略図である。図10に示す防護服が図9に示す第三変形例の冷却衣服と異なる点は、冷却装置50を設けていない点である。すなわち、防護服は、一又は複数のスペーサにより形成された空気流通路と、空気出口部29と、空気入口部30と、除湿手段120と、熱交換手段100と、送風手段60と、電力手段(不図示)とを備える。ここで、除湿手段120及び熱交換手段100は、背負い手段であるバンドを用いて背中に背負うようにして装着される。
空気流通路内の空気は空気出口部29から取り出され、除湿手段120に導かれる。そして、空気出口部29から除湿手段120に導かれた空気は、除湿手段120を通過することにより水分が取り除かれ、高温の乾燥空気となる。次に、その高温の乾燥空気は、熱交換手段100により外気との間で熱交換されて、外気温度まで冷却される。その後、その熱交換手段100で冷却された空気は、空気入口部30から再び空気流通路内に取り込まれる。ここで、送風手段60は、空気流通路内の空気を強制的に空気出口部29から取り出すと共に、その取り出した空気を強制的に除湿手段120及び熱交換手段100を介して空気入口部30から空気流通路内に再び取り込む役割を果たす。したがって、図10に示す防護服では、空気流通路内の空気と外気とが混合することなく、空気流通路内の空気を除湿することができるので、着用者は蒸し暑さから逃れることができる。
特に、除湿衣服を防護服として利用する場合には、除湿、熱交換の過程で外気が服地部内に混入してしまうのを避けなければならない。この点に関しては、単に各部の繋ぎ目やパイプ等から外気が入り込まないようにするだけでよいので、図10に示す防護服を容易に作製することができる。
尚、当然のことであるが、図10に示す防護服に冷却装置50を付加するようにしてもよい。すなわち、上記の第三変形例の冷却衣服をその構成のまま、防護服に適用してもよい。また、熱交換手段100では、図10に示すように、送風手段106を用いて外気を熱交換手段100内に取り込み、その取り込んだ外気との間で熱交換することにより除湿手段120で除湿された空気を冷却することにしているが、必ずしも送風手段106を用いる必要はなく、除湿手段120で除湿された空気を自然冷却するようにしてもよい。
更に、熱交換手段100を除湿手段120の後に設ける代わりに、除湿された空気を自然冷却する手段や送風手段を用いて強制的に冷却する手段を除湿手段120の中に組み込むようにしてもよい。一般には、熱交換手段100の代わりに、除湿手段120で除湿された際に温まった空気の熱を外部に放熱することによりその温まった空気を冷却する放熱手段を用いることができる。この点は、上記の実施形態、各変形例における熱交換手段についても同様である。
以上説明したように、本発明の冷却衣服は、送風手段によって空気流通路内に空気の流れを強制的に生じさせると共に、空気を冷却手段で冷却し、その冷却した空気を空気流通路内に送り出すことにより、冷却した空気を服地部と人体との間において体表に略平行に流すことができる。このため、かかる冷却衣服を着用することにより、着用者は、涼しさ、快適さを得ることができる。したがって、本発明は、少ない消費電力で、しかも簡易な構造で、快適に過ごすことのできる衣服に適用することができる。
Claims (16)
- 一又は複数のスペーサにより形成された、服地部と体又は下着との間に空気を流通させるための空気流通路と、
空気を前記空気流通路内から取り出すための空気出口部と、
空気を前記空気流通路内に取り入れるための空気入口部と、
空気を取り込むための取込口と、前記取込口から取り込まれた空気が流通する冷却用空気流通路と、前記冷却用空気流通路内を流通した空気を取り出すための送出口と、前記冷却用空気流通路内に配置された、水を保持する水保持手段とを有し、前記冷却用空気流通路内を流通する空気が前記水保持手段の保持する前記水と接触する際に前記水が周囲から奪う気化熱を利用して、前記冷却用空気流通路内を流通する空気を冷却する冷却手段と、
前記冷却手段で冷却された空気を強制的に前記冷却手段の前記送出口から取り出して前記空気入口部内に取り込むと共に、前記空気入口部に取り込んだ空気を強制的に前記空気流通路内に送り出すための送風手段と、
前記送風手段に電力を供給するための電源手段と、
を具備することを特徴とする冷却衣服。 - 前記水保持手段が複数個設けられていることを特徴とする請求項1記載の冷却衣服。
- 前記冷却手段を着脱自在に構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の冷却衣服。
- 前記冷却手段を背負うための背負い手段が備えられたことを特徴とする請求項1記載の冷却衣服。
- 前記冷却手段の前記送出口と前記空気入口部との間の空気の流通手段として蛇腹状の管を用いたことを特徴とする請求項1記載の冷却衣服。
- 前記冷却手段で冷却された空気の一部を着用者の口又は鼻の近傍に導くための吸気用管を設けたことを特徴とする請求項1記載の冷却衣服。
- 前記冷却手段で冷却された空気と外部の空気との間で熱交換を行うことにより当該外部の空気を冷却し、その冷却された当該外部の空気を前記空気入口部に導く熱交換手段を備え、前記送風手段を動作させることにより、前記冷却手段で冷却された空気を強制的に前記冷却手段の前記送出口から取り出して、前記空気入口部ではなく前記熱交換手段に取り込むことを特徴とする請求項1、2又は3記載の冷却衣服。
- 外部の空気を除湿する除湿手段と、前記除湿手段で除湿された空気と外部の空気との間で熱交換を行うことにより前記除湿手段で除湿された空気を冷却し、その冷却された空気の一部を前記冷却手段の前記取込口に導く第一の熱交換手段と、前記冷却手段で冷却された空気と前記第一の熱交換手段で冷却された空気の残りの一部との間で熱交換を行うことにより当該残りの一部の空気を冷却し、その冷却された当該残りの一部の空気を前記空気入口部に導く第二の熱交換手段とを備え、前記送風手段を動作させることにより、前記冷却手段で冷却された空気を強制的に前記冷却手段の前記送出口から取り出して、前記空気入口部ではなく前記第二の熱交換手段に取り込むことを特徴とする請求項1、2又は3記載の冷却衣服。
- 前記空気出口部から取り出された空気を除湿する除湿手段と、前記除湿手段で除湿された空気と外部の空気との間で熱交換を行うことにより前記除湿手段で除湿された空気を冷却し、その冷却された空気を前記冷却手段の前記取込口に導く熱交換手段とを備えることを特徴とする請求項1、2又は3記載の冷却衣服。
- 前記除湿手段を着脱自在に構成したことを特徴とする請求項8又は9記載の冷却衣服。
- 一又は複数のスペーサにより形成された、服地部と体又は下着との間に空気を流通させるための空気流通路と、
空気を前記空気流通路内から取り出すための空気出口部と、
空気を前記空気流通路内に取り入れるための空気入口部と、
水の気化熱を利用して空気を冷却する気化手段、空気を除湿する除湿手段及び温度の異なる空気の間で熱交換を行うことによって一方の空気を冷却する熱交換手段をそれぞれ少なくとも一つ用い、それらの手段を組み合わせることにより冷却された空気を生成する空気冷却手段と、
前記空気冷却手段で冷却された空気を強制的に前記空気入口部内に取り込むと共に、その取り込んだ空気を強制的に前記空気流通路内に送り出すための送風手段と、
前記送風手段に電力を供給するための電源手段と、
を具備することを特徴とする冷却衣服。 - 一又は複数のスペーサにより形成された、服地部と体又は下着との間に空気を流通させるための空気流通路と、
空気を前記空気流通路内から取り出すための空気出口部と、
空気を前記空気流通路内に取り入れるための空気入口部と、
前記空気出口部から取り出された空気を除湿する除湿手段と、
前記除湿手段で除湿された際に温まった空気の熱を外部に放熱することにより当該温まった空気を冷却する放熱手段と、
前記空気流通路内の空気を強制的に前記空気出口部から取り出すと共に、その取り出した空気を強制的に前記除湿手段及び前記放熱手段を介して前記空気入口部から前記空気流通路内に再び取り込むための送風手段と、
前記送風手段に電力を供給するための電力手段と、
を具備することを特徴とする除湿衣服。 - 前記放熱手段で冷却された空気を取り込むための取込口と、前記取込口から取り込まれた空気が流通する冷却用空気流通路と、前記冷却用空気流通路内を流通した空気を前記空気入口部に送るための送出口と、前記冷却用空気流通路内に配置された、水を保持する水保持手段とを有し、前記冷却用空気流通路内を流通する空気が前記水保持手段の保持する前記水と接触する際に前記水が周囲から奪う気化熱を利用して、前記冷却用空気流通路内を流通する空気を冷却する冷却手段を備えることを特徴とする請求項12記載の除湿衣服。
- 前記除湿手段は、水蒸気を吸収する吸湿剤を板状部材に取り付けたものを複数個配列することにより構成されたものであることを特徴とする請求項12記載の除湿衣服。
- 有害な化学物質や病原体が体に付着するのを防ぐために体全体を覆うようにして着用される防護服に適用したことを特徴とする請求項12、13又は14記載の除湿衣服。
- 前記除湿手段を背負うための背負い手段が備えられたことを特徴とする請求項12記載の除湿衣服。
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