JPWO2004014230A1 - 平衡状態解析装置、平衡状態解析方法、そのプログラム、記録媒体 - Google Patents

平衡状態解析装置、平衡状態解析方法、そのプログラム、記録媒体 Download PDF

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Abstract

被験者が運動する領域または姿勢の自由度が限定されることが少ない平衡状態解析装置、平衡状態解析方法、そのプログラム、記録媒体を提供すること。人体の体幹部に装着され、水平面内の少なくとも1方向に生じる加速度を検出する加速度情報検出手段1と、前記検出された加速度を記憶する運動情報記憶手段と3、前記記憶された加速度情報を利用して、人体の平衡状態を解析する平衡状態解析手段4と、を備える平衡状態解析装置。

Description

本発明は、重心動揺計など身体機能を検査する装置、高齢者を含む人々の自活支援、リハビリテーション支援を行う機器、サービス、居住施設等に応用可能な平衡状態解析装置、平衡状態解析方法、そのプログラム、記録媒体に関する。
近年、高齢社会の到来という背景のもとに高齢者の介護が注目されている。特に、足腰の機能低下が見うけられる高齢者にとって、転倒による事故は問題視されている。また、リハビリテーションについては高齢者の社会復帰という観点から今後役割が急激に増大していくことが考えられる。さらに、近年、高齢者に限らず一般の生活者にとっても健康管理の意識は増大してきている。
このような背景から転倒の防止、および健康管理の指標やリハビリテーションの進行具合を客観的に判断できる指標の確立については今後大変重要になると考えられる。
従来、転倒の検出手法としては加速度センサや傾斜センサなどの出力からのものなどが提案されている。またリハビリテーションについては、医者や介護者が常時付き添って経過を見守り、進行具合の判断については医者や介護者にゆだねられている。
また、一般的に重心動揺が大きいほど転倒の可能性が大きいことから、転倒の危険性を図る尺度として重心動揺の度合を測定する手法が用いられており、実際の医療現場にも重心動揺検出装置として徐々に導入されてきている。なお、この装置による重心動揺の時系列的な変化を観察することによりリハビリテーションの度合を測ることにも使用されている。この重心動揺検出装置としては、圧力検知プレートの上に乗り、重心動揺を記録する装置(床反力計)などがすでに存在している(例えば、特許第2760472号公報、特許第2823841号公報、特許第2823842号公報を参照。上記の文献の全ての開示は、そっくりそのまま引用することにより、ここに一体化する。)。
上述のように、転倒防止やリハビリテーションといった観点における重心動揺の検出装置として、一部の装置の導入が開始されてきているが、その装置の価格としては数百万以上と大変高価なものである。そのため、装置の重要性は充分認知されているにもかかわらず一般的な病院に普及しているとは言えず、神経内科などの重心動揺検出装置のデータ自体に興味のある医師のみが所有しているにすぎない。
また、従来の装置は据えつけタイプであるため、専用の設置場所が必要となるのとともに、計測にも手間がかかり使い勝手がよいとは言えない。
また、これら従来の技術によると平衡状態の解析は、圧力検知プレートなどの荷重検出手段上に被験者が乗って行わねばならず、運動の行われる領域、姿勢が極めて狭小に限定される、という課題も有する。
上記課題を鑑みて、本発明は、被験者が運動する領域または姿勢の自由度が限定されることが少ない平衡状態解析装置、平衡状態解析方法、そのプログラム、記録媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の本発明は、人体の体幹部に装着され、水平面内の少なくとも1方向に生じる加速度を検出する加速度情報検出手段と、
前記検出された加速度を記憶する運動情報記憶手段と、
前記記憶された加速度情報を積分することにより、人体の平衡状態を解析する平衡状態解析手段と、を備える平衡状態解析装置である。
第2の本発明は、前記加速度情報検出手段は、水平面内で直交するx、y方向に生じる加速度を検出することができ、
前記平衡状態解析手段は、前記x方向に生じる加速度、および前記y方向に生じる加速度をそれぞれ積分することにより速度を算出して出力する、第1の本発明の平衡状態解析装置である。
第3の本発明は、前記x方向の加速度をAxtとし、前記y方向の加速度をAytとしたとき(tはサンプリングタイミング、t=0,1,2...P/I、Pは計測時間、Iはサンプリング間隔をそれぞれ示すである。)、前記速度(Vt)は、
Figure 2004014230
で算出され、前記平衡状態解析手段は、前記算出された速度(Vt)から、計測時間Pにわたる平均速度を算出して出力する、第2の本発明の平衡状態解析装置である。
第4の本発明は、前記出力されたデータを表示するための表示装置をさらに備え、
前記運動情報記憶手段は、前記算出された平均速度、および前記計測が行われた日付データを記憶し、
前記平衡状態解析手段は、前記運動情報記憶手段に記憶されている前記日付データに対応する前記算出された平均速度を、経時的に前記表示装置に表示する、第3の本発明の平衡状態解析装置である。
第5の本発明は、個人特有のIDを設定する個人情報設定手段と、
前記各IDに対応する、前記平衡状態解析手段からの出力を管理する情報管理手段と、をさらに備え、
前記各IDに対応する、前記平衡状態解析手段からの出力を指標として提供する、第2の本発明の平衡状態解析装置である。
第6の本発明は、前記平衡状態解析手段は、前記加速度の計測の開始から終了までの時間に相当する前記記憶された加速度情報を積算して出力する、第1の本発明の平衡状態解析装置である。
第7の本発明は、前記出力されたデータを表示するための表示装置をさらに備え、
前記運動情報記憶手段は、前記積算された加速度、および前記計測が行われた日付データを記憶し、
前記平衡状態解析手段は、前記運動情報記憶手段に記憶されている前記日付データに対応する前記積算された加速度を、経時的に前記表示手段に出力する、第6の本発明の平衡状態解析装置である。
第8の本発明は、前記平衡状態解析手段は、前記積算された加速度情報をランク分けする、第6の本発明の平衡状態解析装置である。
第9の本発明は、前記加速度情報検出手段は、水平面内で直交するx、y方向に生じる加速度を検出することができ、
前記平衡状態解析手段は、前記x方向に生じる加速度、および前記y方向に生じる加速度をそれぞれ2回積分することにより、前記人体の重心の変位を算出して出力する、第1の本発明の平衡状態解析装置である。
第10の本発明は、前記x方向の加速度をAxtとし、前記y方向の加速度をAytとしたとき(tはサンプリングタイミング、t=0,1,2...P/I、Pは計測時間、Iはサンプリング間隔をそれぞれ示す。)、前記変位(St)および重心動揺指数(Gn)(nは測定回数)は、
Figure 2004014230
で算出されて、前記平衡状態解析手段は前記算出された変位および重心動揺指数を出力する、第9の本発明の平衡状態解析装置である。
第11の本発明は、前記平衡状態解析手段は、前記算出されたGnを、G1,G2、...Gn−1と比較し、Gn<Gn−1であれば、「良好」を出力し、Gn=Gn−1であれば「普通」を出力し、Gn>Gn−1であれば、「注意」を出力する、第10の本発明の平衡状態解析装置である。
第12の本発明は、前記平衡状態解析手段は、前記変位が人体の重心位置から所定領域内にあるときは、前記人体が制止立位にあると判定し、前記変位が前記所定領域外にあるときは、前記人体が転倒または転倒への移行状態にあることを判定する、第10の本発明の平衡状態解析装置である。
第13の本発明は、前記平衡状態解析手段に接続された、立位信号を入力するための立位信号入力手段をさらに備え、
前記立位信号入力手段に前記立位信号が入力されたとき、前記平衡状態解析手段は、前記平衡状態の解析を開始する、第1の本発明の平衡状態解析装置である。
第14の本発明は、人体の体幹部に装着された加速度情報検出手段により、水平面内の少なくとも1方向に生じる加速度を検出する加速度情報検出工程と、
前記検出された加速度を記憶する運動情報記憶工程と、
前記記憶された加速度情報を積分することにより、人体の平衡状態を解析する平衡状態解析工程と、を備える平衡状態解析方法である。
第15の本発明は、第1の本発明の平衡状態解析装置の、前記検出された加速度を記憶する運動情報記憶手段と、前記記憶された加速度情報を積分することにより、人体の平衡状態を解析する平衡状態解析手段として、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
第16の本発明は、第15の本発明のプログラムを担持させた記録媒体であって、コンピュータにより処理可能な記録媒体である。
被験者が運動する領域または姿勢の自由度が限定されることが少ない平衡状態解析装置、平衡状態解析方法、そのプログラム、記録媒体を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態1の平衡状態解析装置のブロック図である。
図2は、本発明の実施の形態1の平衡状態解析装置の概略図である。
図3は、本発明の実施の形態1の加速度情報検出手段の装着例を示す上面図である。
図4は、本発明の実施の形態1の平衡状態解析装置における重心動揺指数の模式図である。
図5は、本発明の実施の形態1平衡状態解析装置の動作を示すフロー図である。
図6は、本発明の実施の形態1の平衡状態解析装置から出力される表示手段への表示例である。
図7は、本発明の実施の形態2の平衡状態解析装置のブロック図である。
図8は、本発明の実施の形態2の平衡状態解析装置に使用される加速度情報検出手段の装着例である。
図9は、本発明の実施の形態2の平衡状態解析装置の動作を示すフロー図である。
図10は、本発明の実施の形態3の平衡状態解析装置のブロック図である。
図11は、本発明の実施の形態3の平衡状態解析装置の使用形態図である。
図12は、本発明の実施の形態4にかかる平衡状態検出装置の概略構成図である。
図13は、本発明の実施の形態4の平衡状態解析装置の使用例を示す図である。
図14は、本発明の実施の形態4の平衡状態解析装置テンプレート例の模式図である。
図15は、本発明の実施の形態4の平衡状態解析装置における平衡状態の時系列変化の模式図である。
図16は、本発明の実施の形態5の平衡状態解析装置を利用した平衡状態検出システムの概略構成図である。
図17は、本発明の実施の形態6の平衡状態解析装置を利用した平衡状態検出システムの概略構成図である。
図18は、本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置のブロック図である。
図19は、本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置のブロック図である。
図20は、本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置の使用状況を説明する概略図である。
図21は、本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置の動作フローを示す図である。
図22は、本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置における運動解析のフローにおいて水平面上における重心位置と任意の時間における前後方向の加速度と左右方向との関係を示した図である。
図23は、本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置における、解析の開始からから所定の時間までの重心の軌跡を示した図である。
図24は、本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置における、立位人体の骨盤の高さにおけると装着具と加速度検知部の位置関係を示したものである。
図25は、本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置の立位人体の骨盤の高さにおけると装着具と加速度検知部の位置関係を示したものである。
図26は、図22に示した座標平面上に設定した基底面の例を示した図である。
符号の説明
1 加速度情報検出手段
2 計測制御手段
3 運動情報記憶手段
4 平衡状態解析手段
5 表示手段
6、20 装着手段
7 立位信号入力手段
8 コンピュータ
9 個人情報設定手段
10 情報管理手段
11 管理情報提示手段
12 ホストコンピュータ
19 人体
22 人体の前向きを示す矢印
23 人体の右向きを示す矢印
s1 計測時間設定ステップ
s2 加速度情報入力ステップ
s3 平衡状態解析ステップ
s4 運動情報記憶ステップ
s5 身体情報入力ステップ
s6 身体情報判定ステップ
s7 出力ステップ
111.平衡状態検出装置
112.加速度センサ
113.信号処理手段
114.収集用ROM
115.算出手段
116.ROM
117.表示手段
118.保持部材
121.スイッチ
131.加速度収集結果
141.蓄積手段
151.情報送信手段
152.情報受信手段
161.携帯電話
162.使用者
201,211,216 加速度検知部
202 通信制御部
203 運動解析部
204 情報提示部
205 情報管理部
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
人間が立位で一見静止しているときでも人体は常に揺らぎながら立位の保持を行う。この揺らぎが重心動揺であり、その程度を示す指標が重心動揺指数である。重心動揺指数は人間の姿勢反射、立位保持機能などの運動機能の測定に用いられ、めまいや平衡機能障害の障害箇所や障害の程度の評価に用いられる。図1は本発明の実施の形態1の平衡状態解析装置のブロック図である。1は加速度情報検出手段、2は計測制御手段、3は運動情報記憶手段、4は重心動揺解析手段、5は表示手段、6は装着手段である。
本実施の形態においては、図2に示すように、加速度情報検出手段1は装着手段6により、人体の腰部すなわち、右側の腸骨稜近傍に固定されている。計測制御手段2、平衡状態解析手段4、運動情報記憶手段3、表示手段5はパーソナルコンピュータ8をベースとしたシステム上で作動している。加速度情報検出手段1を人体の右側の腸骨稜近傍に装着した場合の加速度検出方向を図3に示す。図3は人体を上から鳥瞰した図で、図中に示す19は人体、20は人体に巻いたベルト状の装着具、22は人体の前後方向(前向きを正の向きとする)、23は人体の左右方向(右向きを正の向きとする)を示す。本実施の形態においては、水平面上に生じる加速度を検出するために、水平面上で直交するx軸およびy軸を人体の前後方向および左右方向とし、それぞれの方向における加速度を検出できるように加速度情報検出手段1においては2軸構成の加速度センサを配置している。この配置により体動にともない加速度情報検出手段1は、水平面上に生じる加速度を電圧値として検出し、A/D変換後デジタル値として出力する。
このとき計測制御手段2は、A/D変換の際のサンプリング間隔の設定、および加速度情報検出手段1の動作の開始・終了のスイッチングを行なう。従って、加速度情報検出手段1は、設定されたサンプリング間隔で計測の開始から終了までの水平面内に生じる加速度をデジタル値として出力する。また、加速度情報検出手段1は、加速度情報を検出した年月日、時刻を有するカレンダー情報を加速度情報に併せて運動情報記憶手段3に出力する。
平衡状態解析手段4は、運動情報記憶手段3から加速度データを時系列に沿って入力し、重心動揺指数を演算し、運動情報記憶手段3および/または、表示手段5へ出力する。運動情報記憶手段3は計測された加速度情報と共に重心動揺指数の蓄積も行う。表示手段5は平衡状態解析手段4から出力される重心動揺指数を、付帯情報であるカレンダー情報とともに提示する。これらの構成は1人の個人に対して、被験者の平衡状態解析からその結果の提示までを行うことを可能にする。
図4に平衡状態解析手段1において出力される重心動揺指数の模式図を示した。図4において、人体の重心の水平面上への射影をGとし、経過時間をtで表し、計測開始時間T経過後のGの軌跡および、Tにおける重心移動の速度変化を示す動揺速度をVTとしている。この場合、Tにおける重心動揺指数は、VTの経過時間(t=0からt=T)の区間平均で定義される。一般的に、重心動揺が大きくなると図4に示した軌跡長は長くなる。人間は重心の運動の方向を筋活動により微妙に変化させることで、足底で構成される安定基底面から重心が外れないように調節している。しかし重心が動揺する場合は、筋活動に伴い加速度が発生し重心の運動の速度の大きさ・向きに変化を生じ、一定時間で重心の軌跡が生じる。本実施の形態における重心動揺指数はこのときの速度変化の大きさVTを用いて表現されている。
本実施の形態1の重心動揺解析装置の具体的な重心動揺の解析アルゴリズムを図5に示す。s1は計測時間設定ステップ、s2は加速度情報入力ステップ、s3は重心動揺解析ステップ、s4は運動情報記憶ステップ、s7は出力ステップを表す。アルゴリズムの開始とともに、計測時間設定ステップs1において、サンプリング間隔I、計測時間設定ステップPを入力する。このとき計測時間がP、サンプリング間隔がIのとき、2軸の加速度情報Ax、Ayの入力回数はP/Iとなる。加速度情報入力ステップs2にて2軸の加速度情報Ax、Ayの入力が行なわれ、キャリブレーションに基づき加速度の単位を付加する。キャリブレーションにおいては、加速度情報検出手段1からの0Gのときの出力値および1Gのときの出力値を平衡状態解析手段4に記憶しておき、Ax、Ayを加速度換算する。本実施の形態においては、一例としてサンプリング間隔(I)を1秒、計測時間(P)を30秒とした。
そして(数1)に示すように、重心動揺解析ステップs3においてAx、Ayを一秒間積分し、それぞれの平方和に対し、平方根をとることで2軸の加速度情報Ax、Ayの入力に対して秒速Vtを算出する。そしてVtに対しP秒の区間における時間平均を算出し、この値によって、重心動揺指数を定義する。なお、積分に際して、t=0のとき、Vt=0(すなわち、計測開始時は、被験者は立位であり静止状態である。)という初期条件を使用する。
Figure 2004014230
そして、以上の動作が繰り返されると複数の重心動揺指数が蓄積され、蓄積された複数の重心動揺指数の管理が可能となる。例えば、重心動揺指数にカレンダー情報を付随させ、蓄積された複数の重心動揺指数を時系列情報として出力することができる。
本実施の形態の場合、P=30、I=1としたので、加速度情報Ax、Ayの入力回数は30となりPに等しい。本実施の形態においては、あらかじめ計測時間設定ステップs1において、サンプリング間隔Iを1秒、計測時間をP=30秒と設定しておき、被験者が立位になったときに動作を開始させる。動作開始とともに、加速度情報入力ステップs2にて2軸の加速度情報Ax、Ayの入力が30秒間行なわれ、キャリブレーションに基づき加速度の単位が付加される。このとき計測時間Pが30、サンプリング間隔Iが1なので、2軸の加速度情報Ax、Ayの入力回数はPに等しい30となる。そして重心動揺解析ステップs3においてAx、Ayを一秒間積分し、それぞれを平方した和に対し、平方根をとることで2軸の加速度情報Ax、Ayの入力に対して秒速Vtを算出する。そしてVtに対し30秒の区間における時間平均を算出し、この値によって、重心動揺指数を定義する。そして、重心動揺指数にカレンダー情報を付随させ時系列情報V(D)として出力する。本実施の形態においては配列の添字Dは、例えば入力した加速度情報の記録を行った日付の順序に従い、整数が割り当てられる。
図6は本実施の形態における平衡状態解析装置を用いて、下肢の骨格筋の縫合手術を行った患者の重心動揺指数の術後経過を出力ステップs7から出力・表示したものである。このように本実施の形態にかかる平衡状態解析装置によれば、加速度情報を用いた重心動揺指数の日観比較を実施することが可能になる。
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2の平衡状態解析装置のブロック図である。7は立位信号入力手段である。本実施の形態においては、図8に示すように、加速度情報検出手段1は装着手段6により、人体の右側の腸骨稜近傍および腹部に固定されている。図8は人体を上から鳥瞰した図で、図中に示す19は人体、20は人体に巻いたベルト状の装着具、22は人体の前後方向(前向きを正の向きとする)、23は人体の左右方向(右向きを正の向きとする)、1は人体に装着された加速度情報検出手段を示す。その他の構成は、実施の形態1の場合と同様であり、その、説明を省略する。
本実施の形態においては、水平面上に生じる加速度を検出するために、水平面上で直交するx軸およびy軸を人体の前後方向および左右方向とし、それぞれの方向における加速度を検出できる。本実施の形態においては加速度情報検出手段1として1軸構成の加速度センサを用い、装着具20により、加速度情報検出手段1を2個、図8に示すように人体に装着している。この配置により体動にともない水平面上に生じる加速度を電圧値として検出し、A/D変換後デジタル値を出力する。
平衡状態解析手段4において出力される重心動揺指数は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態における重心動揺解析のアルゴリズムを図9に示す。s1は計測時間設定ステップ、s5は身体情報入力ステップ、s6は身体情報判定ステップ、s3は重心動揺解析ステップ、s4は運動情報記憶ステップ、s7は出力ステップを表す。
本実施の形態において、身体情報Fpはコンピュータ8のキーボードから入力するが、キャリッジリターンコードに例えば”standing position”の文字列を割り付け、それ以外のキー入力に対しては例えば””(空白)を割り付けて入力する。また、アルゴリズムの実行が開始されてからは、身体情報Fpはキー入力が行われない限り、以前の入力である身体情報Fpt−1を保持する。そして身体情報判定ステップs6で身体情報Fpが立位(”standing posture”)か否かにより条件分岐し、trueの場合、重心動揺解析ステップ3を実行し、falseの場合は引き続き身体情報入力ステップs5を実行する。このように本実施の形態にかかる平衡状態解析装置によれば、立位時のみの加速度情報を用いた重心動揺指数の日観比較を実施することが可能になる。
(実施の形態3)
図10は本発明の実施の形態3の平衡状態解析装置のブロック図である。9は個人情報設定手段、10は情報管理手段、11は管理情報提示手段である。図11は本実施の形態を示すイメージ図である。
本実施の形態においても実施の形態1と同様、図11に示すように、加速度情報検出手段1は装着手段6により、人体の腰部すなわち、右側の腸骨稜近傍に固定されている。また、検出する水平面上の互いに直交する2軸(x軸およびy軸)も実施の形態1と同様である。計測制御手段2、平衡状態解析手段4、運動情報記憶手段3、表示手段5、立位信号入力手段7、個人情報設定手段9はパーソナルコンピュータ8をベースとしたシステム上で作動している。実施の形態2の場合と同様に、平衡状態解析手段4は姿勢情報が立位を表す場合にのみ作動し、加速度情報検出手段1から加速度データを時系列に沿って入力し、重心動揺指数を演算し、出力する。また、このとき、加速度情報検出手段1から出力されたカレンダー情報は、個人情報設定手段9から入力された個人特有のID番号とともに算出された重心動揺指数の付帯情報として運動情報記憶手段3に保持される。
運動情報記憶手段3は、個人ID番号、カレンダー情報と共に重心動揺指数の蓄積を行う。表示手段5は運動情報記憶手段4に蓄積された重心動揺指数を、付帯情報であるカレンダー情報とともに提示する。情報管理手段10は、ネットワークに接続されている複数または単数の運動情報記憶手段3に記憶されている重心動揺指数ならびに付帯情報を読み込み、ID番号およびカレンダー情報を参照することで複数の個人にわたる長期間の重心動揺指数の管理を行なう。また管理情報提示手段11は、ID番号別に重心動揺指数の経時変化を提示することができる。平衡状態解析手段4から出力される重心動揺指数は、実施の形態1の場合と同様である。本実施の形態においては情報管理手段10ならびに管理情報提示手段11としてホストコンピュータ12を用いている。ホストコンピュータ12は、各個人のIDごとに対応付けされたコンピュータ8とLANにより通信回線を確保している。
このように、本実施の形態の平衡状態解析装置により、複数の個人の立位時のみの加速度情報を用いた重心動揺指数の日間比較とその結果の提示までを行うことを可能にする。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4の平衡状態解析装置について図面を参照しながら説明する。図12は、本実施の形態の平衡状態解析装置の概略構成を示すものである。
図12は、平衡状態解析装置11における加速度取得手段の方式として加速度センサを用いた場合の構成を示している。
平衡状態解析装置111は、加速度情報を取得する加速度センサ112(本発明の加速度情報検出手段に一例として対応)、加速度センサ112から得た加速度情報にともなう出力を処理する信号処理手段113、信号処理手段113からの処理信号を積算する収集用RAM114、積算した信号をあらかじめ規定したしきい値と比較することにより重心の動揺の度合に対応した指標をランク分けする算出手段115、しきい値を格納しておくROM116ならびに算出手段115の算出結果を表示する表示手段117から構成される。
人体には平衡状態解析装置111が装着される。人体の体幹である腰部に装着するため、専用の保持部材118を装備しておいてもよい。ここでは平衡状態解析装置111全体を装着することを想定して図示しているが、かならずしもこれに限らず、加速度センサ112が腰部に配置されていればよく、他の部分については必ずしも腰部に装着する必要はない。
人体が動揺計測開始から動揺するに伴い加速度センサ112に出力が生じる。信号処理手段113は順次加速度センサ112から出力されるアナログ信号をあらかじめ規定したサンプリングレートでA/D変換してデジタル出力に変換する。変換されたデジタル出力は、一定時間積算され、収集用RAM114に一時保存される。算出手段115は収集用RAM114に格納された積算出力を参照するとともに、ROM116に格納したしきい値を参照して、人体の動揺の度合をランク分けする。算出結果は表示手段117に表示する。
図13は平衡状態解析装置111の実際の使用方法を示したものである。図13(a)に示す構成は、図12で示した装置の加速度収集用RAM114にさらに信号入力手段として押しスイッチ121が接続されている。本装置の使用者は、重心動揺を検出するタイミングに基づきスイッチ121を押す(図13(b)参照)。スイッチ121が押されたときに生じる入力信号に同期して、加速度収集用RAM114において加速度情報の収集を開始する。なお、収集開始のタイミングをスイッチにする必要は必ずしもなく、表示手段117に開始を表す表示をしてもよい。また、さらにブザーを装備し、加速度収集が完了したことを知らせる構成にしてもよい。
図14は、重心動揺の算出手段115における動揺算出用のテンプレート例について示したものである。図14(b)に示したように、あらかじめ算出結果の範囲131を細分化しておき、図14(a)のように収集した加速度出力の積算と比較してランク分けする。なお、ランク分けの20000−22000などの数値の単位は、積分値である。大きい方が動揺度が大きくなることを示す。10,11などは単なる例である。
また、図15(a)は、図12の構成にさらに蓄積手段141を装備したものを示し、図15(b)は、時系列的にランクの遷移を示した模式図を示したものである。例として脚部のリハビリテーション中の使用者が長期間継続使用し、日が経過するにつれて患部が治癒していく過程を示している。この結果から、徐々に積算結果が小さくなっていき、ランク分けのレベルが小さくなっていくことから、患部の治癒が順調に進行していっていることを客観的な指標で示すことができるようになることがわかる。この経過を表示手段に表示することにより、本人や担当医などが治癒状況を把握することができる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5の平衡状態解析システムについて図面を参照しながら説明する。図16は本発明の実施の形態の平衡状態解析システムの概略構成図を示すものである。以下に本実施の形態における構成を説明する。
本実施の形態5は、図12で示した平衡状態解析装置111をベースに、算出手段115内にさらに情報送信手段151を装備し、さらに情報受信手段152を装備するシステム構成である。
平衡状態解析装置111は、図12と同様に使用者の加速度情報を取得、収集し、動揺を示す指標を算出する。算出された動揺に伴う情報は情報送信手段151により情報受信手段152に送信される。情報受信手段152が患者の重心の動揺に関する情報を受信することにより、遠隔地にいる家族や医者などがリハビリテーションの進行状況を知ることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態6の平衡状態解析システムについて図面を参照しながら説明する。図17は本実施の形態の平衡状態解析システムの概略構成図を示すものである。以下に本実施の形態における構成を説明する。図17は、情報受信手段151として携帯電話161を用い、複数の使用者における使用状況を示したものである。
使用者62が装着した平衡状態解析装置111から算出手段115により算出された算出結果を、情報送信手段151はそれぞれの使用者162があらかじめ登録した担当医あるいは家族などが所有する携帯電話に個別に情報を送信する。このような情報を受信した携帯電話161を介して、例えば独自の着信音やバイブレーション機能を用いて使用者162のリハビリテーションの進行状況を遠隔的に把握することができる。
なお、本構成にさらに中継器(図示せず)を装備し、平衡状態解析装置111において算出された個々の算出結果に独自のID情報を付加するとともに、中継器が送信登録情報を所持しており、平衡状態解析装置111と携帯電話161の間を中継し、算出結果がいずれの使用者162のものであるかを特定し、個々の登録した携帯電話161に送信する構成にしてもよい。
以上の説明から明らかなように、実施の形態5、6の平衡状態解析システムによれば、現在まで安価でコンパクトな方法が存在していなかった、重心動揺の度合を検出する装置およびシステムの実現が可能になる。
また、取りつけ位置を腰部などの体幹にすることにより取得データの位置を実際の重心に近づけることができ、取得情報の信頼性も向上できる。
また、算出結果を時系列的に蓄積する蓄積手段をさらに備えて蓄積結果を使用者や担当医に表示することで、一般の健康管理という観点からも有効に機能する。
なお、重心動揺の測定を開始する方式として、押しボタンなどの信号入力手段をさらに備えて装着者が自主的に開始する構成にしてもよいし、表示手段により開始時間を指示する構成にしてもよい。
さらに測定終了時刻をブザーにて通知することにより明確に測定終了時期を測定者が知る構成にしてもよい。また、算出結果を医者の所有する携帯電話などに自動通知するようなシステムにしてもよい。
(実施の形態7)
図18は本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置のブロック図である。201は本発明の加速度情報検出手段の一例である加速度検知部、202は通信制御部、203は平衡状態解析部、204は情報提示部である。加速度検知部201は、人体に対して前後方向、左右方向、上下(鉛直)方向のうち、少なくとも1方向における人体腰部の加速度を検知し、通信制御部202を介して人体加速度を平衡状態解析部203へ出力する。通信制御部202は少なくとも1方向の加速度データに対し1チャンネル、または一つの加速度検知部201に対し1チャンネルを割り当て、複数方向の加速度データを、あるいは複数の加速度検知部からの出力を、一つの平衡状態解析部203へ無線または有線にて伝送する。
平衡状態解析部203は通信制御部202から入力された加速度データをチャンネルごとに時系列に沿って蓄積し、上記加速度データを一連の波形データとして蓄積し、波形解析を行う。
情報提示部204は平衡状態解析部203の解析結果を提示する。これらの構成は1人の被験者に対して、上記被験者の平衡状態解析からその結果の提示までを行うことを可能にする。
図19は、本実施の形態の平衡状態解析装置をさらに詳しく説明するためのブロック図である。同じ構成要素は同じ番号を付している。205は情報管理部、206は管理情報提示部である。
加速度検知部1は、人体に対して前後方向、左右方向、上下(鉛直)方向のうち、少なくとも1方向における人体腰部の加速度を検知し、通信制御部202を介して人体加速度を平衡状態解析部203へ出力する。通信制御部202は少なくとも1方向の加速度データに対し1チャンネル、または一つの加速度検知部に対し1チャンネルを割り当て、複数方向の加速度データを、あるいは複数の加速度検知部からの出力を、一つの平衡状態解析部203へ無線または有線にて伝送する。平衡状態解析部203は通信制御部から入力された加速度データをチャンネルごとに時系列に沿って蓄積し、上記加速度データを一連の波形データとして蓄積し、波形解析を行う。情報提示部204は平衡状態解析部203の解析結果を提示する。
情報管理部205は所定の通信プロトコルによって複数の平衡状態解析部203から出力される解析結果を収集し、複数の被験者の平衡状態解析結果を一括管理し、管理情報提示部206によりその管理情報を提示する。
図20は、本実施の形態にかかる平衡状態解析装置を、複数の高齢者が居住するケアハウスに設置したものである。ここで211は加速度検知部、212は通信制御部、213は平衡状態解析部203と情報提示部204を含むパーソナルコンピュータ、215は情報管理部と管理情報提示部を含むパーソナルコンピュータ、216、217、218は二人目の被験者に配給されたそれぞれ加速度検知部、通信制御部、情報提示部である。
211および216は被験者の骨盤の高さに装着具により固定された加速度検知部であり、立位人体に対して前後方向、左右方向、上下方向の3軸の加速度を検出する。212、217の通信制御部は所定の通信プロトコルによって、人体加速度を平衡状態解析部203へ出力する。通信制御部202は少なくとも1方向の加速度データに対し1チャンネルを割り当て、3軸方向の加速度データをパーソナルコンピュータ213、218へ無線で伝送する。パーソナルコンピュータ215に含まれる情報管理部は所定の通信プロトコルにより随時、パーソナルコンピュータ213の平衡状態解析部のデータ収集を行い、ケアハウスのスタッフに被験者ごとの平衡状態解析結果を提示する。この構成により、複数の高齢者の運動を日常の生活において客観的に効率よく見守ることが可能となる。
図21は図20に示した本実施の形態における平衡状態解析方法のフローを示すものである。これは平衡状態解析方法の一例であり、平衡状態解析部203における平衡状態解析方法は立位人体に対する前後方向の加速度と左右方向の加速度から重心動揺を算出するものである。すなわち、平衡状態解析は被験者が通常の静止立位であることを確認して、所定の機会に平衡状態解析を開始し(Step0)、開始と同時に計時を開始し、カウンタ(m)をリセットし(Step1)、Step2にて左右方向の加速度(Ax)および前後方向の加速度(Ay)を入力し、Step3にてStep0から所定の時間間隔(t)における重心位置(S)を算出する。Step3の処理が所定の時間(T)に達するまでStep2からStep4を繰り返す。Step3の処理が所定の回数に達したならば、Step5において、t=0からt=Tの区間を対象に重心位置(S)の積分を行い、その積分値を重心動揺指数(G)に代入する。上記の数式を(数2)に示す。
Figure 2004014230
平衡状態解析部203は内部に蓄積データ(G,G,・・・,Gn− )を有し、Step6にて、上記蓄積データの中で最新の重心動揺指数(Gn−1)を入力し、Step7にて最新の重心動揺指数Gとの比較を行う。GがGn−1よりも小さいときは重心のぶれが改善している(Step7)と判断し良好な傾向であると出力し(Step8)、将来の参照データとする(Step13)。GがGn−1と等しいときは重心のぶれが維持されていると判断し(Step9)普通のであると出力し(Step10)、将来の参照データとする(Step13)。それ以外の場合は重心のぶれが悪化していると判断し注意の必要な状態であると判断される(Step11)。この場合はスタッフの判断(Step12)を経た上で、将来に対する参照データとする(Step13)。Step13終了をもって所定の平衡状態解析を終了する。
図22は平衡状態解析のフローにおいてt=0の重心の位置を原点とする時間tにおける重心位置を水平面上に投影したもので、原点からの距離(すなわち変位(S))とtにおける前後方向の加速度(Ay)と左右方向(Ax)との関係を示したものである。
図23はt=0から所定の時間TまでのSの軌跡を示したもので、Step5における重心動揺指数(G)は重心動揺の量に対応することを示す。
のように、水平面に投影されるデータを用いることは、立体的な平衡状態の解析というより、寝たきりの主因となる転倒の予防支援を簡便におこなうことが可能である。水平面上に位置する人体の接触面または接触点をすべて含む包絡線のうち、その外周が最短の包絡線を外周とする平面を支持基底とし、人体の重心から鉛直方向に投影した線を重力線とした場合、一般的に、人体の安定性は、重力線が支持基底内を通ることにより保たれ、支持基底面積が重心の高さに対して相対的に大きく、重力線が支持基底の中心部を通る場合により増加する。
したがって、人体の安定性は、両足の接地位置により決定される支持基底と、重力線と水平面との交点との位置関係により評価することができる。本実施の形態のSは、水平面上に投影され、重力線と水平面との交点を近似する点であり、水平面上に一定の領域を設定し、その領域を仮の基底面とすることにより、Sと基底面との相対的関係から安定性を評価できる。
図26は図16に示した座標平面上に設定した基底面の例である。図26の場合、座標軸の原点を基底面の中心と一致させている。図26中の記号A,B,Cは領域を示し、領域Aは人体の肩幅(Rx)と足(foot)の長軸方向の長さ(Ry)から仮に設定された基底面である。この領域にSが存在すれば姿勢を保持できる領域である。領域Bは領域Aを各軸方向に、個人に依存する所定の比率(本実施例の場合約130%)で拡大したもので、この領域にSが存在すれば転倒を避けるために足の位置など、姿勢を変えることが必要とされる領域である。Cはそれ以外の領域を示し、Sがこの領域内に存在する場合は、立位の保持が不可能、すなわち転倒を余儀なくされる場合である。立位の場合の姿勢保持はSが領域Cに存在しないことで成立する。すなわち、Sが領域Aにのみ含まれている場合が静止立位で、最も姿勢保持能力が高く、Sが領域Bにも存在する場合は、Sが領域Cに移る予兆を含む。このように、Sと基底面との相対的関係に所定の条件を設定することで転倒の予測が可能となり、転倒の予防を支援することができる。
図24は、立位人体の骨盤の高さにおける装着具と加速度検知部の位置関係を示したものである。219は上面からみた人体であり、220は加速度検知部装着具、221は一方向のみ、または二方向の加速度を検知する加速度検知部、222は加速度検知部221の検知する前後方向の加速度の前向き(正)を示し、223は加速度検知部221の検知する左右方向の加速度の右向き(正)を示す。
加速度検知部221が二方向の加速度を検知するものである場合、他の検知すべき加速度の軸をこの図において鉛直方向に設定すれば、二軸の加速度センサで三軸の加速度の検知が可能となる。
図25は、別の例による立位人体の骨盤の高さにおけると装着具と加速度検知部224の位置関係を示したものである。224は二方向または三方向の加速度を検知する加速度検知部を示す。
なお、加速度検知部221、224は、立位骨盤の高さにおいて保持され、かつ、立位人体に対して前後方向、左右方向、上下方向のすくなくとも一つの方向の加速度が検知できれば、その位置についてそれ以上の限定は必要ない。
また、本実施の形態の平衡状態解析装置によれば、人体の重心の運動計測領域を宅内に拡張し、いわゆる重心動揺以外にも歩行や転倒などの基本的な運動の解析を行うことができる。
なお、以上までの説明において、本発明の加速度情報検出手段は装着手段6により、人体の腰部すなわち、腸骨稜近傍または腹部に固定されているとしたが、本発明の加速度情報検出手段は、上記の例に限定されず、人体の体幹部に装着されれば、人体の重心の動揺を検出することができるので上記と同様の効果を得ることができる。
尚、本発明のプログラムは、上述した本発明の平衡状態解析装置の全部又は一部の手段(又は、装置、素子等)の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
又、本発明の記録媒体は、上述した本発明の平衡状態解析装置の全部又は一部の手段(又は、装置、素子等)の全部又は一部の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムを担持した記録媒体であり、コンピュータにより読み取り可能且つ、読み取られた前記プログラムが前記コンピュータと協動して前記機能を実行する記録媒体である。
尚、本発明の上記「一部の手段(又は、装置、素子等)」とは、それらの複数の手段の内の、一つ又は幾つかの手段を意味する。
又、本発明の上記「手段(又は、装置、素子等)の機能」とは、前記手段の全部又は一部の機能を意味する。
又、本発明のプログラムの一利用形態は、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。
又、本発明のプログラムの一利用形態は、伝送媒体中を伝送し、コンピュータにより読みとられ、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。
又、本発明のデータ構造としては、データベース、データフォーマット、データテーブル、データリスト、データの種類などを含む。
又、記録媒体としては、ROM等が含まれ、伝送媒体としては、インターネット等の伝送媒体、光・電波・音波等が含まれる。
又、上述した本発明のコンピュータは、CPU等の純然たるハードウェアに限らず、ファームウェアや、OS、更に周辺機器を含むものであっても良い。
尚、以上説明した様に、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現しても良いし、ハードウェア的に実現しても良い。
本発明にかかる平衡状態解析装置、平衡状態解析方法、そのプログラム、記録媒体は、被験者が運動する領域または姿勢の自由度が限定されることが少ないというを有し、平衡状態解析装置、平衡状態解析システム等として有用である。
【書類名】 明細書
【特許請求の範囲】
【請求項1】 人体の体幹部に装着され、水平面内の少なくとも1方向に生じる加速度を検出する加速度情報検出手段と、
前記検出された加速度を記憶する運動情報記憶手段と、
前記記憶された加速度情報を積分することにより、人体の平衡状態を解析する平衡状態解析手段と、を備える平衡状態解析装置。
【請求項2】 前記加速度情報検出手段は、水平面内で直交するx、y方向に生じる加速度を検出することができ、
前記平衡状態解析手段は、前記x方向に生じる加速度、および前記y方向に生じる加速度をそれぞれ積分することにより速度を算出して出力する、請求項1に記載の平衡状態解析装置。
【請求項3】 前記x方向の加速度をAxtとし、前記y方向の加速度をAytとしたとき(tはサンプリングタイミング、t=0,1,2...P/I、Pは計測時間、Iはサンプリング間隔をそれぞれ示す。)、前記速度(Vt)は、
【数1】
Figure 2004014230
で算出され、前記平衡状態解析手段は、前記算出された速度(Vt)から、計測時間Pにわたる平均速度を算出して出力する、請求項2に記載の平衡状態解析装置。
【請求項4】 前記出力されたデータを表示するための表示装置をさらに備え、
前記運動情報記憶手段は、前記算出された平均速度、および前記計測が行われた日付データを記憶し、
前記平衡状態解析手段は、前記運動情報記憶手段に記憶されている前記日付データに対応する前記算出された平均速度を、経時的に前記表示装置に表示する、請求項3に記載の平衡状態解析装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重心動揺計など身体機能を検査する装置、高齢者を含む人々の自活支援、リハビリテーション支援を行う機器、サービス、居住施設等に応用可能な平衡状態解析装置、平衡状態解析方法、そのプログラム、記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高齢社会の到来という背景のもとに高齢者の介護が注目されている。特に、足腰の機能低下が見うけられる高齢者にとって、転倒による事故は問題視されている。また、リハビリテーションについては高齢者の社会復帰という観点から今後役割が急激に増大していくことが考えられる。さらに、近年、高齢者に限らず一般の生活者にとっても健康管理の意識は増大してきている。
【0003】
このような背景から転倒の防止、および健康管理の指標やリハビリテーションの進行具合を客観的に判断できる指標の確立については今後大変重要になると考えられる。
【0004】
従来、転倒の検出手法としては加速度センサや傾斜センサなどの出力からのものなどが提案されている。またリハビリテーションについては、医者や介護者が常時付き添って経過を見守り、進行具合の判断については医者や介護者にゆだねられている。
【0005】
また、一般的に重心動揺が大きいほど転倒の可能性が大きいことから、転倒の危険性を図る尺度として重心動揺の度合を測定する手法が用いられており、実際の医療現場にも重心動揺検出装置として徐々に導入されてきている。なお、この装置による重心動揺の時系列的な変化を観察することによりリハビリテーションの度合を測ることにも使用されている。この重心動揺検出装置としては、圧力検知プレートの上に乗り、重心動揺を記録する装置(床反力計)などがすでに存在している(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照。上記の文献の全ての開示は、そっくりそのまま引用することにより、ここに一体化する。)。
【特許文献1】
特許第2760472号公報
【特許文献2】
特許第2823841号公報
【特許文献3】
特許第2823842号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、転倒防止やリハビリテーションといった観点における重心動揺の検出装置として、一部の装置の導入が開始されてきているが、その装置の価格としては数百万以上と大変高価なものである。そのため、装置の重要性は充分認知されているにもかかわらず一般的な病院に普及しているとは言えず、神経内科などの重心動揺検出装置のデータ自体に興味のある医師のみが所有しているにすぎない。
【0007】
また、従来の装置は据えつけタイプであるため、専用の設置場所が必要となるのとともに、計測にも手間がかかり使い勝手がよいとは言えない。
【0008】
また、これら従来の技術によると平衡状態の解析は、圧力検知プレートなどの荷重検出手段上に被験者が乗って行わねばならず、運動の行われる領域、姿勢が極めて狭小に限定される、という課題も有する。
【0009】
上記課題を鑑みて、本発明は、被験者が運動する領域または姿勢の自由度が限定されることが少ない平衡状態解析装置、平衡状態解析方法、そのプログラム、記録媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の本発明は、人体の体幹部に装着され、水平面内の少なくとも1方向に生じる加速度を検出する加速度情報検出手段と、
前記検出された加速度を記憶する運動情報記憶手段と、
前記記憶された加速度情報を積分することにより、人体の平衡状態を解析する平衡状態解析手段と、を備える平衡状態解析装置である。
【0011】
第2の本発明は、前記加速度情報検出手段は、水平面内で直交するx、y方向に生じる加速度を検出することができ、
前記平衡状態解析手段は、前記x方向に生じる加速度、および前記y方向に生じる加速度をそれぞれ積分することにより速度を算出して出力する、第1の本発明の平衡状態解析装置である。
【0012】
第3の本発明は、前記x方向の加速度をAxtとし、前記y方向の加速度をAytとしたとき(tはサンプリングタイミング、t=0,1,2...P/I、Pは計測時間、Iはサンプリング間隔をそれぞれ示すである。)、前記速度(Vt)は、
【0013】
【数1】
Figure 2004014230
【0014】
で算出され、前記平衡状態解析手段は、前記算出された速度(Vt)から、計測時間Pにわたる平均速度を算出して出力する、第2の本発明の平衡状態解析装置である。
【0015】
第4の本発明は、前記出力されたデータを表示するための表示装置をさらに備え、
前記運動情報記憶手段は、前記算出された平均速度、および前記計測が行われた日付データを記憶し、
前記平衡状態解析手段は、前記運動情報記憶手段に記憶されている前記日付データに対応する前記算出された平均速度を、経時的に前記表示装置に表示する、第3の本発明の平衡状態解析装置である。
【0016】
第5の本発明は、個人特有のIDを設定する個人情報設定手段と、
前記各IDに対応する、前記平衡状態解析手段からの出力を管理する情報管理手段と、をさらに備え、
前記各IDに対応する、前記平衡状態解析手段からの出力を指標として提供する、第2の本発明の平衡状態解析装置である。
【0017】
第6の本発明は、前記平衡状態解析手段は、前記加速度の計測の開始から終了までの時間に相当する前記記憶された加速度情報を積算して出力する、第1の本発明の平衡状態解析装置である。
【0018】
第7の本発明は、前記出力されたデータを表示するための表示装置をさらに備え、
前記運動情報記憶手段は、前記積算された加速度、および前記計測が行われた日付データを記憶し、
前記平衡状態解析手段は、前記運動情報記憶手段に記憶されている前記日付データに対応する前記積算された加速度を、経時的に前記表示手段に出力する、第6の本発明の平衡状態解析装置である。
【0019】
第8の本発明は、前記平衡状態解析手段は、前記積算された加速度情報をランク分けする、第6の本発明の平衡状態解析装置である。
【0020】
第9の本発明は、前記加速度情報検出手段は、水平面内で直交するx、y方向に生じる加速度を検出することができ、
前記平衡状態解析手段は、前記x方向に生じる加速度、および前記y方向に生じる加速度をそれぞれ2回積分することにより、前記人体の重心の変位を算出して出力する、第1の本発明の平衡状態解析装置である。
【0021】
第10の本発明は、前記x方向の加速度をAxtとし、前記y方向の加速度をAytとしたとき(tはサンプリングタイミング、t=0,1,2...P/I、Pは計測時間、Iはサンプリング間隔をそれぞれ示す。)、前記変位(St)および重心動揺指数(Gn)(nは測定回数)は、
【0022】
【数2】
Figure 2004014230
【0023】
で算出されて、前記平衡状態解析手段は前記算出された変位および重心動揺指数を出力する、第9の本発明の平衡状態解析装置である。
【0024】
第11の本発明は、前記平衡状態解析手段は、前記算出されたGnを、G1,G2、...Gn−1と比較し、Gn<Gn−1であれば、「良好」を出力し、Gn=Gn−1であれば「普通」を出力し、Gn>Gn−1であれば、「注意」を出力する、第10の本発明の平衡状態解析装置である。
【0025】
第12の本発明は、前記平衡状態解析手段は、前記変位が人体の重心位置から所定領域内にあるときは、前記人体が制止立位にあると判定し、前記変位が前記所定領域外にあるときは、前記人体が転倒または転倒への移行状態にあることを判定する、第10の本発明の平衡状態解析装置である。
【0026】
第13の本発明は、前記平衡状態解析手段に接続された、立位信号を入力するための立位信号入力手段をさらに備え、
前記立位信号入力手段に前記立位信号が入力されたとき、前記平衡状態解析手段は、前記平衡状態の解析を開始する、第1の本発明の平衡状態解析装置である。
【0027】
第14の本発明は、人体の体幹部に装着された加速度情報検出手段により、水平面内の少なくとも1方向に生じる加速度を検出する加速度情報検出工程と、
前記検出された加速度を記憶する運動情報記憶工程と、
前記記憶された加速度情報を積分することにより、人体の平衡状態を解析する平衡状態解析工程と、を備える平衡状態解析方法である。
【0028】
第15の本発明は、第1の本発明の平衡状態解析装置の、前記検出された加速度を記憶する運動情報記憶手段と、前記記憶された加速度情報を積分することにより、人体の平衡状態を解析する平衡状態解析手段として、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0029】
第16の本発明は、第15の本発明のプログラムを担持させた記録媒体であって、コンピュータにより処理可能な記録媒体である。
【0030】
被験者が運動する領域または姿勢の自由度が限定されることが少ない平衡状態解析装置、平衡状態解析方法、そのプログラム、記録媒体を提供することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
人間が立位で一見静止しているときでも人体は常に揺らぎながら立位の保持を行う。この揺らぎが重心動揺であり、その程度を示す指標が重心動揺指数である。重心動揺指数は人間の姿勢反射、立位保持機能などの運動機能の測定に用いられ、めまいや平衡機能障害の障害箇所や障害の程度の評価に用いられる。図1は本発明の実施の形態1の平衡状態解析装置のブロック図である。1は加速度情報検出手段、2は計測制御手段、3は運動情報記憶手段、4は重心動揺解析手段、5は表示手段、6は装着手段である。
【0032】
本実施の形態においては、図2に示すように、加速度情報検出手段1は装着手段6により、人体の腰部すなわち、右側の腸骨稜近傍に固定されている。計測制御手段2、平衡状態解析手段4、運動情報記憶手段3、表示手段5はパーソナルコンピュータ8をベースとしたシステム上で作動している。加速度情報検出手段1を人体の右側の腸骨稜近傍に装着した場合の加速度検出方向を図3に示す。図3は人体を上から鳥瞰した図で、図中に示す19は人体、20は人体に巻いたベルト状の装着具、22は人体の前後方向(前向きを正の向きとする)、23は人体の左右方向(右向きを正の向きとする)を示す。本実施の形態においては、水平面上に生じる加速度を検出するために、水平面上で直交するx軸およびy軸を人体の前後方向および左右方向とし、それぞれの方向における加速度を検出できるように加速度情報検出手段1においては2軸構成の加速度センサを配置している。この配置により体動にともない加速度情報検出手段1は、水平面上に生じる加速度を電圧値として検出し、A/D変換後デジタル値として出力する。
【0033】
このとき計測制御手段2は、A/D変換の際のサンプリング間隔の設定、および加速度情報検出手段1の動作の開始・終了のスイッチングを行なう。従って、加速度情報検出手段1は、設定されたサンプリング間隔で計測の開始から終了までの水平面内に生じる加速度をデジタル値として出力する。また、加速度情報検出手段1は、加速度情報を検出した年月日、時刻を有するカレンダー情報を加速度情報に併せて運動情報記憶手段3に出力する。
【0034】
平衡状態解析手段4は、運動情報記憶手段3から加速度データを時系列に沿って入力し、重心動揺指数を演算し、運動情報記憶手段3および/または、表示手段5へ出力する。運動情報記憶手段3は計測された加速度情報と共に重心動揺指数の蓄積も行う。表示手段5は平衡状態解析手段4から出力される重心動揺指数を、付帯情報であるカレンダー情報とともに提示する。これらの構成は1人の個人に対して、被験者の平衡状態解析からその結果の提示までを行うことを可能にする。
【0035】
図4に平衡状態解析手段1において出力される重心動揺指数の模式図を示した。図4において、人体の重心の水平面上への射影をGとし、経過時間をtで表し、計測開始時間T経過後のGの軌跡および、Tにおける重心移動の速度変化を示す動揺速度をVTとしている。この場合、Tにおける重心動揺指数は、VTの経過時間(t=0からt=T)の区間平均で定義される。一般的に、重心動揺が大きくなると図4に示した軌跡長は長くなる。人間は重心の運動の方向を筋活動により微妙に変化させることで、足底で構成される安定基底面から重心が外れないように調節している。しかし重心が動揺する場合は、筋活動に伴い加速度が発生し重心の運動の速度の大きさ・向きに変化を生じ、一定時間で重心の軌跡が生じる。本実施の形態における重心動揺指数はこのときの速度変化の大きさVTを用いて表現されている。
【0036】
本実施の形態1の重心動揺解析装置の具体的な重心動揺の解析アルゴリズムを図5に示す。s1は計測時間設定ステップ、s2は加速度情報入力ステップ、s3は重心動揺解析ステップ、s4は運動情報記憶ステップ、s7は出力ステップを表す。アルゴリズムの開始とともに、計測時間設定ステップs1において、サンプリング間隔I、計測時間設定ステップPを入力する。このとき計測時間がP、サンプリング間隔がIのとき、2軸の加速度情報Axt、Aytの入力回数はP/Iとなる。加速度情報入力ステップs2にて2軸の加速度情報Axt、Aytの入力が行なわれ、キャリブレーションに基づき加速度の単位を付加する。キャリブレーションにおいては、加速度情報検出手段1からの0Gのときの出力値および1Gのときの出力値を平衡状態解析手段4に記憶しておき、Axt、Aytを加速度換算する。本実施の形態においては、一例としてサンプリング間隔(I)を1秒、計測時間(P)を30秒とした。
【0037】
そして(数1)に示すように、重心動揺解析ステップs3においてAxt、Aytを一秒間積分し、それぞれの平方和に対し、平方根をとることで2軸の加速度情報Axt、Aytの入力に対して秒速Vtを算出する。そしてVtに対しP秒の区間における時間平均を算出し、この値によって、重心動揺指数を定義する。なお、積分に際して、t=0のとき、Vt=0(すなわち、計測開始時は、被験者は立位であり静止状態である。)という初期条件を使用する。
【0038】
【数1】
Figure 2004014230
【0039】
そして、以上の動作が繰り返されると複数の重心動揺指数が蓄積され、蓄積された複数の重心動揺指数の管理が可能となる。例えば、重心動揺指数にカレンダー情報を付随させ、蓄積された複数の重心動揺指数を時系列情報として出力することができる。
【0040】
本実施の形態の場合、P=30、I=1としたので、加速度情報Axt、Aytの入力回数は30となりPに等しい。本実施の形態においては、あらかじめ計測時間設定ステップs1において、サンプリング間隔Iを1秒、計測時間をP=30秒と設定しておき、被験者が立位になったときに動作を開始させる。動作開始とともに、加速度情報入力ステップs2にて2軸の加速度情報Axt、Aytの入力が30秒間行なわれ、キャリブレーションに基づき加速度の単位が付加される。このとき計測時間Pが30、サンプリング間隔Iが1なので、2軸の加速度情報Axt、Aytの入力回数はPに等しい30となる。そして重心動揺解析ステップs3においてAxt、Aytを一秒間積分し、それぞれを平方した和に対し、平方根をとることで2軸の加速度情報Axt、Aytの入力に対して秒速Vtを算出する。そしてVtに対し30秒の区間における時間平均を算出し、この値によって、重心動揺指数を定義する。そして、重心動揺指数にカレンダー情報を付随させ時系列情報V(D)として出力する。本実施の形態においては配列の添字Dは、例えば入力した加速度情報の記録を行った日付の順序に従い、整数が割り当てられる。
【0041】
図6は本実施の形態における平衡状態解析装置を用いて、下肢の骨格筋の縫合手術を行った患者の重心動揺指数の術後経過を出力ステップs7から出力・表示したものである。このように本実施の形態にかかる平衡状態解析装置によれば、加速度情報を用いた重心動揺指数の日観比較を実施することが可能になる。
【0042】
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2の平衡状態解析装置のブロック図である。7は立位信号入力手段である。本実施の形態においては、図8に示すように、加速度情報検出手段1は装着手段6により、人体の右側の腸骨稜近傍および腹部に固定されている。図8は人体を上から鳥瞰した図で、図中に示す19は人体、20は人体に巻いたベルト状の装着具、22は人体の前後方向(前向きを正の向きとする)、23は人体の左右方向(右向きを正の向きとする)、1は人体に装着された加速度情報検出手段を示す。その他の構成は、実施の形態1の場合と同様であり、その説明を省略する。
【0043】
本実施の形態においては、水平面上に生じる加速度を検出するために、水平面上で直交するx軸およびy軸を人体の前後方向および左右方向とし、それぞれの方向における加速度を検出できる。本実施の形態においては加速度情報検出手段1として1軸構成の加速度センサを用い、装着具20により、加速度情報検出手段1を2個、図8に示すように人体に装着している。この配置により体動にともない水平面上に生じる加速度を電圧値として検出し、A/D変換後デジタル値を出力する。
【0044】
平衡状態解析手段4において出力される重心動揺指数は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態における重心動揺解析のアルゴリズムを図9に示す。s1は計測時間設定ステップ、s5は身体情報入力ステップ、s6は身体情報判定ステップ、s3は重心動揺解析ステップ、s4は運動情報記憶ステップ、s7は出力ステップを表す。
【0045】
本実施の形態において、身体情報Fptはコンピュータ8のキーボードから入力するが、キャリッジリターンコードに例えば”standing position”の文字列を割り付け、それ以外のキー入力に対しては例えば””(空白)を割り付けて入力する。また、アルゴリズムの実行が開始されてからは、身体情報Fptはキー入力が行われない限り、以前の入力である身体情報Fpt-1を保持する。そして身体情報判定ステップs6で身体情報Fptが立位(”standing posture”)か否かにより条件分岐し、trueの場合、重心動揺解析ステップ3を実行し、falseの場合は引き続き身体情報入力ステップs5を実行する。このように本実施の形態にかかる平衡状態解析装置によれば、立位時のみの加速度情報を用いた重心動揺指数の日観比較を実施することが可能になる。
(実施の形態3)
図10は本発明の実施の形態3の平衡状態解析装置のブロック図である。9は個人情報設定手段、10は情報管理手段、11は管理情報提示手段である。図11は本実施の形態を示すイメージ図である。
【0046】
本実施の形態においても実施の形態1と同様、図11に示すように、加速度情報検出手段1は装着手段6により、人体の腰部すなわち、右側の腸骨稜近傍に固定されている。また、検出する水平面上の互いに直交する2軸(x軸およびy軸)も実施の形態1と同様である。計測制御手段2、平衡状態解析手段4、運動情報記憶手段3、表示手段5、立位信号入力手段7、個人情報設定手段9はパーソナルコンピュータ8をベースとしたシステム上で作動している。実施の形態2の場合と同様に、平衡状態解析手段4は姿勢情報が立位を表す場合にのみ作動し、加速度情報検出手段1から加速度データを時系列に沿って入力し、重心動揺指数を演算し、出力する。また、このとき、加速度情報検出手段1から出力されたカレンダー情報は、個人情報設定手段9から入力された個人特有のID番号とともに算出された重心動揺指数の付帯情報として運動情報記憶手段3に保持される。
【0047】
運動情報記憶手段3は、個人ID番号、カレンダー情報と共に重心動揺指数の蓄積を行う。表示手段5は運動情報記憶手段4に蓄積された重心動揺指数を、付帯情報であるカレンダー情報とともに提示する。情報管理手段10は、ネットワークに接続されている複数または単数の運動情報記憶手段3に記憶されている重心動揺指数ならびに付帯情報を読み込み、ID番号およびカレンダー情報を参照することで複数の個人にわたる長期間の重心動揺指数の管理を行なう。また管理情報提示手段11は、ID番号別に重心動揺指数の経時変化を提示することができる。平衡状態解析手段4から出力される重心動揺指数は、実施の形態1の場合と同様である。本実施の形態においては情報管理手段10ならびに管理情報提示手段11としてホストコンピュータ12を用いている。ホストコンピュータ12は、各個人のIDごとに対応付けされたコンピュータ8とLANにより通信回線を確保している。
【0048】
このように、本実施の形態の平衡状態解析装置により、複数の個人の立位時のみの加速度情報を用いた重心動揺指数の日間比較とその結果の提示までを行うことを可能にする。
【0049】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4の平衡状態解析装置について図面を参照しながら説明する。図12は、本実施の形態の平衡状態解析装置の概略構成を示すものである。
【0050】
図12は、平衡状態解析装置11における加速度取得手段の方式として加速度センサを用いた場合の構成を示している。
【0051】
平衡状態解析装置111は、加速度情報を取得する加速度センサ112(本発明の加速度情報検出手段に一例として対応)、加速度センサ112から得た加速度情報にともなう出力を処理する信号処理手段113、信号処理手段113からの処理信号を積算する収集用RAM114、積算した信号をあらかじめ規定したしきい値と比較することにより重心の動揺の度合に対応した指標をランク分けする算出手段115、しきい値を格納しておくROM116ならびに算出手段115の算出結果を表示する表示手段117から構成される。
【0052】
人体には平衡状態解析装置111が装着される。人体の体幹である腰部に装着するため、専用の保持部材118を装備しておいてもよい。ここでは平衡状態解析装置111全体を装着することを想定して図示しているが、かならずしもこれに限らず、加速度センサ112が腰部に配置されていればよく、他の部分については必ずしも腰部に装着する必要はない。
【0053】
人体が動揺計測開始から動揺するに伴い加速度センサ112に出力が生じる。信号処理手段113は順次加速度センサ112から出力されるアナログ信号をあらかじめ規定したサンプリングレートでA/D変換してデジタル出力に変換する。変換されたデジタル出力は、一定時間積算され、収集用RAM114に一時保存される。算出手段115は収集用RAM114に格納された積算出力を参照するとともに、ROM116に格納したしきい値を参照して、人体の動揺の度合をランク分けする。算出結果は表示手段117に表示する。
【0054】
図13は平衡状態解析装置111の実際の使用方法を示したものである。図13(a)に示す構成は、図12で示した装置の加速度収集用RAM114にさらに信号入力手段として押しスイッチ121が接続されている。本装置の使用者は、重心動揺を検出するタイミングに基づきスイッチ121を押す(図13(b)参照)。スイッチ121が押されたときに生じる入力信号に同期して、加速度収集用RAM114において加速度情報の収集を開始する。なお、収集開始のタイミングをスイッチにする必要は必ずしもなく、表示手段117に開始を表す表示をしてもよい。また、さらにブザーを装備し、加速度収集が完了したことを知らせる構成にしてもよい。
【0055】
図14は、重心動揺の算出手段115における動揺算出用のテンプレート例について示したものである。図14(b)に示したように、あらかじめ算出結果の範囲131を細分化しておき、図14(a)のように収集した加速度出力の積算と比較してランク分けする。なお、ランク分けの20000−22000などの数値の単位は、積分値である。大きい方が動揺度が大きくなることを示す。10,11などは単なる例である。
【0056】
また、図15(a)は、図12の構成にさらに蓄積手段141を装備したものを示し、図15(b)は、時系列的にランクの遷移を示した模式図を示したものである。例として脚部のリハビリテーション中の使用者が長期間継続使用し、日が経過するにつれて患部が治癒していく過程を示している。この結果から、徐々に積算結果が小さくなっていき、ランク分けのレベルが小さくなっていくことから、患部の治癒が順調に進行していっていることを客観的な指標で示すことができるようになることがわかる。この経過を表示手段に表示することにより、本人や担当医などが治癒状況を把握することができる。
【0057】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5の平衡状態解析システムについて図面を参照しながら説明する。図16は本発明の実施の形態の平衡状態解析システムの概略構成図を示すものである。以下に本実施の形態における構成を説明する。
【0058】
本実施の形態5は、図12で示した平衡状態解析装置111をベースに、算出手段115内にさらに情報送信手段151を装備し、さらに情報受信手段152を装備するシステム構成である。
【0059】
平衡状態解析装置111は、図12と同様に使用者の加速度情報を取得、収集し、動揺を示す指標を算出する。算出された動揺に伴う情報は情報送信手段151により情報受信手段152に送信される。情報受信手段152が患者の重心の動揺に関する情報を受信することにより、遠隔地にいる家族や医者などがリハビリテーションの進行状況を知ることができる。
【0060】
(実施の形態6)
本実施の形態6の平衡状態解析システムについて図面を参照しながら説明する。図17は本実施の形態の平衡状態解析システムの概略構成図を示すものである。以下に本実施の形態における構成を説明する。図17は、情報受信手段151として携帯電話161を用い、複数の使用者における使用状況を示したものである。
【0061】
使用者62が装着した平衡状態解析装置111から算出手段115により算出された算出結果を、情報送信手段151はそれぞれの使用者162があらかじめ登録した担当医あるいは家族などが所有する携帯電話に個別に情報を送信する。このような情報を受信した携帯電話161を介して、例えば独自の着信音やバイブレーション機能を用いて使用者162のリハビリテーションの進行状況を遠隔的に把握することができる。
【0062】
なお、本構成にさらに中継器(図示せず)を装備し、平衡状態解析装置111において算出された個々の算出結果に独自のID情報を付加するとともに、中継器が送信登録情報を所持しており、平衡状態解析装置111と携帯電話161の間を中継し、算出結果がいずれの使用者162のものであるかを特定し、個々の登録した携帯電話161に送信する構成にしてもよい。
【0063】
以上の説明から明らかなように、実施の形態5、6の平衡状態解析システムによれば、現在まで安価でコンパクトな方法が存在していなかった、重心動揺の度合を検出する装置およびシステムの実現が可能になる。
【0064】
また、取りつけ位置を腰部などの体幹にすることにより取得データの位置を実際の重心に近づけることができ、取得情報の信頼性も向上できる。
【0065】
また、算出結果を時系列的に蓄積する蓄積手段をさらに備えて蓄積結果を使用者や担当医に表示することで、一般の健康管理という観点からも有効に機能する。
【0066】
なお、重心動揺の測定を開始する方式として、押しボタンなどの信号入力手段をさらに備えて装着者が自主的に開始する構成にしてもよいし、表示手段により開始時間を指示する構成にしてもよい。
【0067】
さらに測定終了時刻をブザーにて通知することにより明確に測定終了時期を測定者が知る構成にしてもよい。また、算出結果を医者の所有する携帯電話などに自動通知するようなシステムにしてもよい。
【0068】
(実施の形態7)
図18は本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置のブロック図である。201は本発明の加速度情報検出手段の一例である加速度検知部、202は通信制御部、203は平衡状態解析部、204は情報提示部である。加速度検知部201は、人体に対して前後方向、左右方向、上下(鉛直)方向のうち、少なくとも1方向における人体腰部の加速度を検知し、通信制御部202を介して人体加速度を平衡状態解析部203へ出力する。通信制御部202は少なくとも1方向の加速度データに対し1チャンネル、または一つの加速度検知部201に対し1チャンネルを割り当て、複数方向の加速度データを、あるいは複数の加速度検知部からの出力を、一つの平衡状態解析部203へ無線または有線にて伝送する。
【0069】
平衡状態解析部203は通信制御部202から入力された加速度データをチャンネルごとに時系列に沿って蓄積し、上記加速度データを一連の波形データとして蓄積し、波形解析を行う。
【0070】
情報提示部204は平衡状態解析部203の解析結果を提示する。これらの構成は1人の被験者に対して、上記被験者の平衡状態解析からその結果の提示までを行うことを可能にする。
【0071】
図19は、本実施の形態の平衡状態解析装置をさらに詳しく説明するためのブロック図である。同じ構成要素は同じ番号を付している。205は情報管理部、206は管理情報提示部である。
【0072】
加速度検知部1は、人体に対して前後方向、左右方向、上下(鉛直)方向のうち、少なくとも1方向における人体腰部の加速度を検知し、通信制御部202を介して人体加速度を平衡状態解析部203へ出力する。通信制御部202は少なくとも1方向の加速度データに対し1チャンネル、または一つの加速度検知部に対し1チャンネルを割り当て、複数方向の加速度データを、あるいは複数の加速度検知部からの出力を、一つの平衡状態解析部203へ無線または有線にて伝送する。平衡状態解析部203は通信制御部から入力された加速度データをチャンネルごとに時系列に沿って蓄積し、上記加速度データを一連の波形データとして蓄積し、波形解析を行う。情報提示部204は平衡状態解析部203の解析結果を提示する。
【0073】
情報管理部205は所定の通信プロトコルによって複数の平衡状態解析部203から出力される解析結果を収集し、複数の被験者の平衡状態解析結果を一括管理し、管理情報提示部206によりその管理情報を提示する。
【0074】
図20は、本実施の形態にかかる平衡状態解析装置を、複数の高齢者が居住するケアハウスに設置したものである。ここで211は加速度検知部、212は通信制御部、213は平衡状態解析部203と情報提示部204を含むパーソナルコンピュータ、215は情報管理部と管理情報提示部を含むパーソナルコンピュータ、216、217、218は二人目の被験者に配給されたそれぞれ加速度検知部、通信制御部、情報提示部である。
【0075】
211および216は被験者の骨盤の高さに装着具により固定された加速度検知部であり、立位人体に対して前後方向、左右方向、上下方向の3軸の加速度を検出する。212、217の通信制御部は所定の通信プロトコルによって、人体加速度を平衡状態解析部203へ出力する。通信制御部202は少なくとも1方向の加速度データに対し1チャンネルを割り当て、3軸方向の加速度データをパーソナルコンピュータ213、218へ無線で伝送する。パーソナルコンピュータ215に含まれる情報管理部は所定の通信プロトコルにより随時、パーソナルコンピュータ213の平衡状態解析部のデータ収集を行い、ケアハウスのスタッフに被験者ごとの平衡状態解析結果を提示する。この構成により、複数の高齢者の運動を日常の生活において客観的に効率よく見守ることが可能となる。
【0076】
図21は図20に示した本実施の形態における平衡状態解析方法のフローを示すものである。これは平衡状態解析方法の一例であり、平衡状態解析部203における平衡状態解析方法は立位人体に対する前後方向の加速度と左右方向の加速度から重心動揺を算出するものである。すなわち、平衡状態解析は被験者が通常の静止立位であることを確認して、所定の機会に平衡状態解析を開始し(Step0)、開始と同時に計時を開始し、カウンタ(m)をリセットし(Step1)、Step2にて左右方向の加速度(Ax)および前後方向の加速度(Ay)を入力し、Step3にてStep0から所定の時間間隔(t)における重心位置(St)を算出する。Step3の処理が所定の時間(T)に達するまでStep2からStep4を繰り返す。Step3の処理が所定の回数に達したならば、Step5において、t=0からt=Tの区間を対象に重心位置(St)の積分を行い、その積分値を重心動揺指数(Gn)に代入する。上記の数式を(数2)に示す。
【0077】
【数2】
Figure 2004014230
【0078】
平衡状態解析部203は内部に蓄積データ(G1,G2,・・・,Gn-1)を有し、Step6にて、上記蓄積データの中で最新の重心動揺指数(Gn-1)を入力し、Step7にて最新の重心動揺指数Gnとの比較を行う。GnがGn-1よりも小さいときは重心のぶれが改善している(Step7)と判断し良好な傾向であると出力し(Step8)、将来の参照データとする(Step13)。GnがGn-1と等しいときは重心のぶれが維持されていると判断し(Step9)普通のであると出力し(Step10)、将来の参照データとする(Step13)。それ以外の場合は重心のぶれが悪化していると判断し注意の必要な状態であると判断される(Step11)。この場合はスタッフの判断(Step12)を経た上で、将来に対する参照データとする(Step13)。Step13終了をもって所定の平衡状態解析を終了する。
【0079】
図22は平衡状態解析のフローにおいてt=0の重心の位置を原点とする時間tにおける重心位置を水平面上に投影したもので、原点からの距離(すなわち変位(St))とtにおける前後方向の加速度(Ay)と左右方向(Ax)との関係を示したものである。
【0080】
図23はt=0から所定の時間TまでのStの軌跡を示したもので、Step5における重心動揺指数(Gn)は重心動揺の量に対応することを示す。
【0081】
tのように、水平面に投影されるデータを用いることは、立体的な平衡状態の解析というより、寝たきりの主因となる転倒の予防支援を簡便におこなうことが可能である。水平面上に位置する人体の接触面または接触点をすべて含む包絡線のうち、その外周が最短の包絡線を外周とする平面を支持基底とし、人体の重心から鉛直方向に投影した線を重力線とした場合、一般的に、人体の安定性は、重力線が支持基底内を通ることにより保たれ、支持基底面積が重心の高さに対して相対的に大きく、重力線が支持基底の中心部を通る場合により増加する。
【0082】
したがって、人体の安定性は、両足の接地位置により決定される支持基底と、重力線と水平面との交点との位置関係により評価することができる。本実施の形態のStは、水平面上に投影され、重力線と水平面との交点を近似する点であり、水平面上に一定の領域を設定し、その領域を仮の基底面とすることにより、Stと基底面との相対的関係から安定性を評価できる。
【0083】
図26は図16に示した座標平面上に設定した基底面の例である。図26の場合、座標軸の原点を基底面の中心と一致させている。図26中の記号A,B,Cは領域を示し、領域Aは人体の肩幅(Rx)と足(foot)の長軸方向の長さ(Ry)から仮に設定された基底面である。この領域にStが存在すれば姿勢を保持できる領域である。領域Bは領域Aを各軸方向に、個人に依存する所定の比率(本実施例の場合約130%)で拡大したもので、この領域にStが存在すれば転倒を避けるために足の位置など、姿勢を変えることが必要とされる領域である。Cはそれ以外の領域を示し、Stがこの領域内に存在する場合は、立位の保持が不可能、すなわち転倒を余儀なくされる場合である。立位の場合の姿勢保持はStが領域Cに存在しないことで成立する。すなわち、Stが領域Aにのみ含まれている場合が静止立位で、最も姿勢保持能力が高く、Stが領域Bにも存在する場合は、Stが領域Cに移る予兆を含む。このように、Stと基底面との相対的関係に所定の条件を設定することで転倒の予測が可能となり、転倒の予防を支援することができる。
【0084】
図24は、立位人体の骨盤の高さにおける装着具と加速度検知部の位置関係を示したものである。219は上面からみた人体であり、220は加速度検知部装着具、221は一方向のみ、または二方向の加速度を検知する加速度検知部、222は加速度検知部221の検知する前後方向の加速度の前向き(正)を示し、223は加速度検知部221の検知する左右方向の加速度の右向き(正)を示す。
【0085】
加速度検知部221が二方向の加速度を検知するものである場合、他の検知すべき加速度の軸をこの図において鉛直方向に設定すれば、二軸の加速度センサで三軸の加速度の検知が可能となる。
【0086】
図25は、別の例による立位人体の骨盤の高さにおけると装着具と加速度検知部224の位置関係を示したものである。224は二方向または三方向の加速度を検知する加速度検知部を示す。
【0087】
なお、加速度検知部221、224は、立位骨盤の高さにおいて保持され、かつ、立位人体に対して前後方向、左右方向、上下方向のすくなくとも一つの方向の加速度が検知できれば、その位置についてそれ以上の限定は必要ない。
【0088】
また、本実施の形態の平衡状態解析装置によれば、人体の重心の運動計測領域を宅内に拡張し、いわゆる重心動揺以外にも歩行や転倒などの基本的な運動の解析を行うことができる。
【0089】
なお、以上までの説明において、本発明の加速度情報検出手段は装着手段6により、人体の腰部すなわち、腸骨稜近傍または腹部に固定されているとしたが、本発明の加速度情報検出手段は、上記の例に限定されず、人体の体幹部に装着されれば、人体の重心の動揺を検出することができるので上記と同様の効果を得ることができる。
【0090】
尚、本発明のプログラムは、上述した本発明の平衡状態解析装置の全部又は一部の手段(又は、装置、素子等)の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
【0091】
又、本発明の記録媒体は、上述した本発明の平衡状態解析装置の全部又は一部の手段(又は、装置、素子等)の全部又は一部の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムを担持した記録媒体であり、コンピュータにより読み取り可能且つ、読み取られた前記プログラムが前記コンピュータと協動して前記機能を実行する記録媒体である。
【0092】
尚、本発明の上記「一部の手段(又は、装置、素子等)」とは、それらの複数の手段の内の、一つ又は幾つかの手段を意味する。
【0093】
又、本発明の上記「手段(又は、装置、素子等)の機能」とは、前記手段の全部又は一部の機能を意味する。
【0094】
又、本発明のプログラムの一利用形態は、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。
【0095】
又、本発明のプログラムの一利用形態は、伝送媒体中を伝送し、コンピュータにより読みとられ、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。
【0096】
又、本発明のデータ構造としては、データベース、データフォーマット、データテーブル、データリスト、データの種類などを含む。
【0097】
又、記録媒体としては、ROM等が含まれ、伝送媒体としては、インターネット等の伝送媒体、光・電波・音波等が含まれる。
【0098】
又、上述した本発明のコンピュータは、CPU等の純然たるハードウェアに限らず、ファームウェアや、OS、更に周辺機器を含むものであっても良い。
【0099】
尚、以上説明した様に、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現しても良いし、ハードウェア的に実現しても良い。
【0100】
【発明の効果】
本発明にかかる平衡状態解析装置、平衡状態解析方法、そのプログラム、記録媒体は、被験者が運動する領域または姿勢の自由度が限定されることが少ないというを有し、平衡状態解析装置、平衡状態解析システム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施の形態1の平衡状態解析装置のブロック図である。
【図2】
本発明の実施の形態1の平衡状態解析装置の概略図である。
【図3】
本発明の実施の形態1の加速度情報検出手段の装着例を示す上面図である。
【図4】
本発明の実施の形態1の平衡状態解析装置における重心動揺指数の模式図である。
【図5】
本発明の実施の形態1平衡状態解析装置の動作を示すフロー図である。
【図6】
本発明の実施の形態1の平衡状態解析装置から出力される表示手段への表示例である。
【図7】
本発明の実施の形態2の平衡状態解析装置のブロック図である。
【図8】
本発明の実施の形態2の平衡状態解析装置に使用される加速度情報検出手段の装着例である。
【図9】
本発明の実施の形態2の平衡状態解析装置の動作を示すフロー図である。
【図10】
本発明の実施の形態3の平衡状態解析装置のブロック図である。
【図11】
本発明の実施の形態3の平衡状態解析装置の使用形態図である。
【図12】
本発明の実施の形態4にかかる平衡状態検出装置の概略構成図である。
【図13】
本発明の実施の形態4の平衡状態解析装置の使用例を示す図である。
【図14】
本発明の実施の形態4の平衡状態解析装置テンプレート例の模式図である。
【図15】
本発明の実施の形態4の平衡状態解析装置における平衡状態の時系列変化の模式図である。
【図16】
本発明の実施の形態5の平衡状態解析装置を利用した平衡状態検出システムの概略構成図である。
【図17】
本発明の実施の形態6の平衡状態解析装置を利用した平衡状態検出システムの概略構成図である。
【図18】
本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置のブロック図である。
【図19】
本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置のブロック図である。
【図20】
本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置の使用状況を説明する概略図である。
【図21】
本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置の動作フローを示す図である。
【図22】
本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置における運動解析のフローにおいて水平面上における重心位置と任意の時間における前後方向の加速度と左右方向との関係を示した図である。
【図23】
本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置における、解析の開始からから所定の時間までの重心の軌跡を示した図である。
【図24】
本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置における、立位人体の骨盤の高さにおけると装着具と加速度検知部の位置関係を示したものである。
【図25】
本発明の実施の形態7の平衡状態解析装置の立位人体の骨盤の高さにおけると装着具と加速度検知部の位置関係を示したものである。
【図26】
図22に示した座標平面上に設定した基底面の例を示した図である。
【符号の説明】
1 加速度情報検出手段
2 計測制御手段
3 運動情報記憶手段
4 平衡状態解析手段
5 表示手段
6、20 装着手段
7 立位信号入力手段
8 コンピュータ
9 個人情報設定手段
10 情報管理手段
11 管理情報提示手段
12 ホストコンピュータ
19 人体
22 人体の前向きを示す矢印
23 人体の右向きを示す矢印
s1 計測時間設定ステップ
s2 加速度情報入力ステップ
s3 平衡状態解析ステップ
s4 運動情報記憶ステップ
s5 身体情報入力ステップ
s6 身体情報判定ステップ
s7 出力ステップ
111.平衡状態検出装置
112.加速度センサ
113.信号処理手段
114.収集用ROM
115.算出手段
116.ROM
117.表示手段
118.保持部材
121.スイッチ
131.加速度収集結果
141.蓄積手段
151.情報送信手段
152.情報受信手段
161.携帯電話
162.使用者
201,211,216 加速度検知部
202 通信制御部
203 運動解析部
204 情報提示部
205 情報管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 人体の体幹部に装着され、水平面内の少なくとも1方向に生じる加速度を検出する加速度情報検出手段と、
前記検出された加速度を記憶する運動情報記憶手段と、
前記記憶された加速度情報を積分することにより、人体の平衡状態を解析する平衡状態解析手段と、を備える平衡状態解析装置。
【請求項2】 前記加速度情報検出手段は、水平面内で直交するx、y方向に生じる加速度を検出することができ、
前記平衡状態解析手段は、前記x方向に生じる加速度、および前記y方向に生じる加速度をそれぞれ積分することにより速度を算出して出力する、請求項1に記載の平衡状態解析装置。
【請求項3】 前記x方向の加速度をAxtとし、前記y方向の加速度をAytとしたとき(tはサンプリングタイミング、t=0,1,2...P/I、Pは計測時間、Iはサンプリング間隔をそれぞれ示す。)、前記速度(Vt)は、
【数1】
Figure 2004014230
で算出され、前記平衡状態解析手段は、前記算出された速度(Vt)から、計測時間Pに
わたる平均速度を算出して出力する、請求項2に記載の平衡状態解析装置。
【請求項4】 前記出力されたデータを表示するための表示装置をさらに備え、
前記運動情報記憶手段は、前記算出された平均速度、および前記計測が行われた日付データを記憶し、
前記平衡状態解析手段は、前記運動情報記憶手段に記憶されている前記日付データに対応する前記算出された平均速度を、経時的に前記表示装置に表示する、請求項3に記載の平衡状態解析装置。
【請求項5】 個人特有のIDを設定する個人情報設定手段と、
前記各IDに対応する、前記平衡状態解析手段からの出力を管理する情報管理手段と、をさらに備え、
前記各IDに対応する、前記平衡状態解析手段からの出力を指標として提供する、請求項2記載の平衡状態解析装置。
【請求項6】 前記平衡状態解析手段は、前記加速度の計測の開始から終了までの時間に相当する前記記憶された加速度情報を積算して出力する、請求項1記載の平衡状態解析装置。
【請求項7】 前記出力されたデータを表示するための表示装置をさらに備え、
前記運動情報記憶手段は、前記積算された加速度、および前記計測が行われた日付データを記憶し、
前記平衡状態解析手段は、前記運動情報記憶手段に記憶されている前記日付データに対応する前記積算された加速度を、経時的に前記表示手段に出力する、請求項6記載の平衡状態解析装置。
【請求項8】 前記平衡状態解析手段は、前記積算された加速度情報をランク分けする、請求項6記載の平衡状態解析装置。
【請求項9】 前記加速度情報検出手段は、水平面内で直交するx、y方向に生じる加速度を検出することができ、
前記平衡状態解析手段は、前記x方向に生じる加速度、および前記y方向に生じる加速度をそれぞれ2回積分することにより、前記人体の重心の変位を算出して出力する、請求項1記載の平衡状態解析装置。
【請求項10】 前記x方向の加速度をAxtとし、前記y方向の加速度をAytとしたとき(tはサンプリングタイミング、t=0,1,2...P/I、Pは計測時間、Iはサンプリング間隔をそれぞれ示す。)、前記変位(St)および重心動揺指数(Gn)(nは測定回数)は、
【数2】
Figure 2004014230
で算出されて、前記平衡状態解析手段は前記算出された変位および重心動揺指数を出力する、請求項9記載の平衡状態解析装置。
【請求項11】 前記平衡状態解析手段は、前記算出されたGnを、G1,G2、...Gn−1と比較し、Gn<Gn−1であれば、「良好」を出力し、Gn=Gn−1であれば「普通」を出力し、Gn>Gn−1であれば、「注意」を出力する、請求項10記載の平衡状態解析装置。
【請求項12】 前記平衡状態解析手段は、前記変位が人体の重心位置から所定領域内にあるときは、前記人体が制止立位にあると判定し、前記変位が前記所定領域外にあるときは、前記人体が転倒または転倒への移行状態にあることを判定する、請求項10記載の平衡状態解析装置。
【請求項13】 前記平衡状態解析手段に接続された、立位信号を入力するための立位信号入力手段をさらに備え、
前記立位信号入力手段に前記立位信号が入力されたとき、前記平衡状態解析手段は、前記平衡状態の解析を開始する、請求項1記載の平衡状態解析装置。
【請求項14】 人体の体幹部に装着された加速度情報検出手段により、水平面内の少なくとも1方向に生じる加速度を検出する加速度情報検出工程と、
前記検出された加速度を記憶する運動情報記憶工程と、
前記記憶された加速度情報を積分することにより、人体の平衡状態を解析する平衡状態解析工程と、を備える平衡状態解析方法。
【請求項15】 請求項1記載の平衡状態解析装置の、前記検出された加速度を記憶する運動情報記憶手段と、前記記憶された加速度情報を積分することにより、人体の平衡状態を解析する平衡状態解析手段として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項16】 請求項15記載のプログラムを担持させた記録媒体であって、コンピュータにより処理可能な記録媒体。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
人間が立位で一見静止しているときでも人体は常に揺らぎながら立位の保持を行う。この揺らぎが重心動揺であり、その程度を示す指標が重心動揺指数である。重心動揺指数は人間の姿勢反射、立位保持機能などの運動機能の測定に用いられ、めまいや平衡機能障害の障害箇所や障害の程度の評価に用いられる。図1は本発明の実施の形態1の平衡状態解析装置のブロック図である。1は加速度情報検出手段、2は計測制御手段、3は運動情報記憶手段、4は平衡状態解析手段、5は表示手段、6は装着手段である。
図12は、平衡状態解析装置111における加速度取得手段の方式として加速度センサを用いた場合の構成を示している。
(実施の形態6)
本実施の形態6の平衡状態解析システムについて図面を参照しながら説明する。図17は本実施の形態の平衡状態解析システムの概略構成図を示すものである。以下に本実施の形態における構成を説明する。図17は、情報受信手段152として携帯電話161を用い、複数の使用者における使用状況を示したものである。
使用者162が装着した平衡状態解析装置111から算出手段115により算出された算出結果を、情報送信手段151はそれぞれの使用者162があらかじめ登録した担当医あるいは家族などが所有する携帯電話に個別に情報を送信する。このような情報を受信した携帯電話161を介して、例えば独自の着信音やバイブレーション機能を用いて使用者162のリハビリテーションの進行状況を遠隔的に把握することができる。

Claims (4)

  1. 人体の体幹部に装着され、水平面内の少なくとも1方向に生じる加速度を検出する加速度情報検出手段と、
    前記検出された加速度を記憶する運動情報記憶手段と、
    前記記憶された加速度情報を積分することにより、人体の平衡状態を解析する平衡状態解析手段と、を備える平衡状態解析装置。
  2. 前記加速度情報検出手段は、水平面内で直交するx、y方向に生じる加速度を検出することができ、
    前記平衡状態解析手段は、前記x方向に生じる加速度、および前記y方向に生じる加速度をそれぞれ積分することにより速度を算出して出力する、請求項1に記載の平衡状態解析装置。
  3. 前記x方向の加速度をAxとし、前記y方向の加速度をAyとしたとき(tはサンプリングタイミング、t=0,1,2...P/I、Pは計測時間、Iはサンプリング間隔をそれぞれ示す。)、前記速度(V)は、
    Figure 2004014230
    で算出され、前記平衡状態解析手段は、前記算出された速度(V)から、計測時間Pにわたる平均速度を算出して出力する、請求項2に記載の平衡状態解析装置。
  4. 前記出力されたデータを表示するための表示装置をさらに備え、
    前記運動情報記憶手段は、前記算出された平均速度、および前記計測が行われた日付データを記憶し、
    前記平衡状態解析手段は、前記運動情報記憶手段に記憶されている前記日付データに対応する前記算出された平均速度を、経時的に前記表示装置に表示する、請求項3に記載の平衡状態解析装置。
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