JPWO2003100065A1 - 絹タンパク質、及び、機能性を付与した遺伝子組換え絹様タンパク質の大量生産方法 - Google Patents

絹タンパク質、及び、機能性を付与した遺伝子組換え絹様タンパク質の大量生産方法 Download PDF

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Abstract

大腸菌を用いた絹又は絹様タンパク質の生産方法。家蚕絹フィブロイン、野蚕絹フィブロイン、エラスチン及びフィブロネクチンの中から選択され、前記家蚕絹フィブロイン又は野蚕絹フィブロインの何れかを必須とする少なくとも1個のタンパク質からなる絹又は絹様高分子を設計し、該絹又は設計された高分子の最小単位を合成する。合成された該最小単位の高分子を、T7プロモーターを含む発現ベクターの中から選択された少なくとも1つの発現ベクターに組み込み、次いで該発現ベクターを、BL21(DE3)pLysS又はBLR(DE3)pLysSの何れかの大腸菌に組み込む。次いでその大腸菌を複合培地から選択された培地を用いて育成する。

Description

技術分野
本発明は、絹タンパク質、及び機能性を付与した遺伝子組み換え絹様タンパク質の大量生産方法に関し、特に細胞接着性又は弾性若しくは強度を付与させた遺伝子組み換え絹様タンパク質の大量生産方法に関する。
背景技術
絹は高強度・高弾性な繊維であり、生体に含まれるアミノ酸を構成単位としているため生体適合性があることから、衣料品のみではなく、食品や化粧品等様々な分野で利用されている。
この優れた物性の起源を探るべく、絹の詳細な構造解析が行われてきた。絹の一次構造は、数種類の、ある決まったアミノ酸配列(モチーフ)が十数回繰り返すブロック共重合体であることが特徴である。近年、そのモチーフ単位での二次構造が明らかになるにつれて、絹繊維の構造と物性との相関についての成果が蓄積されつつある。
近年では絹タンパク質をコードする合成DNAから人工的な絹様タンパク質を合成する研究が為されてきた。絹タンパク質は同じアミノ酸配列の繰り返し構造を有するため、特定のアミノ酸の出現回数が多くなる事が特徴である。そのため数種のアミノアシルtRNAの枯渇が原因となり、タンパク質合成の終結にエラーが生じることがある。また、DNA配列の繰り返しは大腸菌内で配列の組み換えを起こりやすくする原因となるため、繰り返し配列を持つ絹様タンパク質を大腸菌を用いて大量に得る事は未だ困難であった。
そこで発現効率を上げるために、発現ベクターに強力なT7プロモーターを融合させたベクターが広く利用されるようになったが、強力であるが故に、目的とするタンパク質が大腸菌にとって強いストレスになる場合には、該タンパク質が菌体の増殖に影響を与えて発現効率が上がらないという欠点があった。
そこで本発明者等は、家蚕絹フィブロイン、野蚕絹フィブロイン、エラスチン及びフィブロネクチンの機能部位モチーフを任意に選択して、4種類の機能性絹様タンパク質を設計し、これら4種類の繰り返し配列を有する機能性絹様タンパク質に関して、発現ベクターの選択、宿主大腸菌の選択及び発現条件の最適化を行ったところ、前記設計した機能性絹様タンパク質を大腸菌を用いて大量生産することが可能となること、及びこの方法を一般の絹タンパク質に対しても応用することが可能であることを見出し、本発明に到達した。
従って、本発明の目的は、絹タンパク質及び機能性を付与した絹様タンパク質の大量生産方法を提供することにある。
発明の開示
本発明の目的は、家蚕絹フィブロイン、野蚕絹フィブロイン、エラスチン及びフィブロネクチンの中から選択され、前記家蚕絹フィブロイン又は野蚕絹フィブロインの何れかを必須とする2以上の蛋白質の組み合わせからなる絹様高分子を設計し、該絹又は設計された高分子の最小単位を合成し、合成された該最小単位の高分子を、T7プロモーターを含む発現ベクターの中から選択された少なくとも1つの発現ベクターに組み込み、次いで該発現ベクターを、BL21(DE3)pLysS又はBLR(DE3)pLysSの何れかの大腸菌に組み込み、該大腸菌を、複合培地から選択された培地を用いて育成することを特徴とする絹様蛋白質の生産方法によって達成された。
また、本発明は、大腸菌の育成温度を、大腸菌の増殖最適温度より2〜7℃下げることが好ましく、特に、T7プロモーターを含む発現ベクターとしてT71acプロモーターを含む発現ベクターを使用することが好ましい。
発明を実施するための最良の形態
本発明において、家蚕絹フィブロインとは、家蚕(Bombyx mori)の後部絹糸腺から分泌されるタンパク質を意味し、野蚕絹フィブロインは、野蚕の後部絹糸腺から分泌されるタンパク質を意味する。
これらについては、蚕糸学用語辞典 日本蚕糸学会編(1979)に記載されている。
また、エラスチンとは、様々な生物の組織に存在する弾性を担うタンパク質であり、このエラスチンの一次構造の中には、Val−Pro−Gly−Val−Gly(配列表1)という5残基のアミノ酸配列が数回連なった領域が、頻度高く存在する(例えば、ヒヨコのエラスチンについてはBressan,G.M.,Argos,P.and Stanley,K.K.Repeating structure of chick tropoelastin revealed by complementary DNA cloning,Biochemistry 26,1497−1503(1987)、ウシのエラスチンについてはRaju,K.and Anwar,R.A.Primary structures of bovine elastin a,b and c deduced from the sequences of cDNA clones,J.Biol.Chem.262,5755−5762(1987)に詳しい)。従って、本発明におけるエラスチンの機能性部位モチーフとは、上記5残基のアミノ酸配列を意味する。
また、フィブロネクチンとは、様々な生物の細胞外マトリックスに存在する細胞接着性のタンパク質であり、この細胞接着性は、そこに含まれるArg−Gly−Asp−Ser(配列表2)という4残基のアミノ酸配列が関連して発現している(参考文献:Pierschbacher M D,Rouslahti E,Nature 309 30〜33(1984))。従ってフィブロネクチンに含まれるArg−Gly−Asp−Serという4残基のアミノ酸配列はフィブロネクチンの機能性部位モチーフである。そこで本発明ではArg−Gly−Asp−Serが細胞接着性を発現するために必要な二次構造を保持できるようにするために、Thr−Gly−Arg−Gly−Asp−Ser−Pro−Ala(配列表3)を機能性部位モチーフとした。従って必ずこの8残基の配列でなければならないというわけではないが、上記の余分な配列部分は、人工皮膚などとして利用する場合の生体適合性を考慮し、ヒトのフィブロネクチンに含まれるArg−Gly−Asp−Ser配列の周辺のアミノ酸配列をそのまま採用したものである。
本発明においては、Lewisらによって提案された、絹タンパク質に含まれるモチーフの種類とその組み合わせ方を様々に変えることによって、絹の物性、機能性が変化するという考え方に基いてタンパク質を設計する。本発明では、天然絹繊維に含まれるモチーフやエラスチン、フィブロネクチンに特有の機能(それらはそれぞれ熱応答性(温度を上げると凝集して水に溶けなくなる性質)、細胞接着性)を発現すると考えられているモチーフ配列を様々に組み合わせる。
具体的には、天然絹繊維に含まれるモチーフを新たに様々に組み換えることによって、天然絹繊維にはない新しい物性、機能性を持つタンパク質を設計するために、SLP(絹様タンパク質)、SLPA(ポリアラニンを有する絹様タンパク質)、SELP(絹及びエラスチン様タンパク質)、SLPF(フィブロネクチンを有する絹様タンパク質)を下記のように設計した。
SLP(Silk−like Protein(絹様タンパク質)の略号):家蚕絹に含まれるアミノ酸配列(Gly Ala Gly Ser Gly Ala)(配列表4)と野蚕絹に含まれるグリシンリッチ領域のアミノ酸配列Gly Gly Ala Gly Ser Gly Tyr Gly Gly Gly Tyr Gly His Gly Tyr Gly Ser Asp Gly Gly(配列表5)の組み合わせ
SLPA(Silk−like Protein with poly−alanine(ポリアラニンを有する絹様タンパク質)の略号):家蚕絹に含まれるアミノ酸配列Gly Val Gly Ala Gly Tyr(配列表6)、Gly Ala Gly Ala Gly Tyr(配列表7)、Gly Val Gly Ala Gly Tyr及びGly Ala Gly Val Gly Tyr(配列表8)と野蚕絹に含まれるポリアラニン領域に類似したアミノ酸配列(A)18(配列表9)の組み合わせ
SELP(Silk and Elastin−like Protein(絹及びエラスチン様タンパク質)の略号):家蚕絹に含まれるアミノ酸配列(Gly Ala Gly Ser Gly Ala)(配列表4)とエラスチンに含まれるアミノ酸配列(Gly Val Pro Gly Val)(配列表10)の組み合わせ
SLPF(Silk−like Protein with Fibronectine(フィブロネクチンを有する絹様タンパク質)の略号):家蚕絹に含まれるアミノ酸配列(Gly Ala Gly Ser Gly Ala)(配列表4)とフィブロネクチンに含まれるアミノ酸配列Thr Gly Arg Gly Asp Ser Pro Ala(配列表11)の組み合わせ
繊維には、結晶領域と非晶領域が存在することが必要であり、新しい絹様タンパク質を設計する際には、これらの領域を同時に形成するようにモチーフを組み合わせることが必要である。例えば、SLPとSLPAの場合には、家蚕絹、野蚕絹の1種であるエリ蚕絹中で、結晶領域又は非晶領域を形成するようなモチーフをそれぞれ組み合わせる。また、SELPとSLPFの場合には、繊維としてだけではなく、バイオマテリアルとして利用するためにエラスチン、フィブロネクチンの機能性部位モチーフを絹タンパク質と組み合わせることによって、絹が持つ熱安定性や生分解性などの機能性に加えて、さらに新たな機能性を付与することが出来る。
本発明においては、発現ベクターとしてT7プロモーターを含むpET30a、発現の際の宿主大腸菌として発現誘導型のBL21(DE3)pLysS又はBLR(DE3)pLysSを選択する。これらの組み合わせにより、発現誘導物質としてIPTG(イソプロピルチオ−β−D−ガラクトシド)を添加するまでは、T7 RNAポリメラーゼが発現しない為にT7プロモーターの下流にある目的タンパク質が発現されず、従って大過剰発現による大腸菌へのストレスが軽減される。また、プラスミドpLysSはさらにT7リゾチームを発現してT7 RNAポリメラーゼを不活性化するため、2段階での抑制が期待できる。本発明においては、発現ベクターを、T7lacプロモーターを含む発現ベクターの中から選択することが好ましく、特にpET30aを使用することが好ましい。
発現誘導後は、複合培地から選択された培地を用い、培養温度及びIPTG添加濃度並びにpH等の培養条件を最適化することにより、大腸菌へのストレスを軽減させる。本発明においては、故意に大腸菌の増殖にとって最適な培養条件からはずすことによって、目的タンパク質の発現を穏やかに進行させることが出来、これによって長時間の培養が可能となり、目的タンパク質の収量を上げることが出来る。従って、本発明においては、培養温度を、大腸菌の増殖最適温度より2〜7℃低温に設定することが好ましい。
また、本発明で使用する培地はTB培地であることが特に好ましい。IPTG添加濃度は0.2〜1.0mMであることが好ましい。更にpHは6.7〜7.0であることが好ましい。
実施例
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。尚、以下において、特にことわりのない限り、「%」は「重量%」を表し、比は重量比を意味する。又、文章中の各記号の意味は下記の通りである。
実施例1.
<SLP遺伝子の構築>
旭テクノグラス(株)の合成による、配列表12〜15に示された4本のオリゴヌクレオチドを設計した。
合成したフィルム状のオリゴヌクレオチドを、Tris(トリス)EDTA(10mM Tris−HCl(pH8.0),1mM EDTA(pH8.0):以下TEとする)を用いて、濃度が1μg/μlとなるように溶解した。それぞれの相補鎖を等モル混合し、99℃で30秒間熱処理した後、1時間かけて37℃に冷まし、30分間静置することによって、配列表16及び17で表されるアミノ酸をコードする2本の二本鎖DNAを構築した。それぞれの二本鎖DNAを等量混合した後、TaKaRa Ligation Kit ver2 slution I(タカラライゲーションキットバージョン2溶液I(宝酒造(株)製の商品名))を用い、16℃で1時間結合させ、SLPモノマーをコードする二本鎖DNAを調整した(SLPのアミノ酸配列;Thr Ser[Gly Gly Ala Gly Ser Gly Tyr Gly Gly Gly Tyr Gly His Gly Tyr Gly Ser Asp Gly Gly(Gly Ala Gly Ala Gly Ser) Ala Ser](n=2,4,6)、配列表18(n=2の場合)参照)。
クローニングベクターpUC118(宝酒造(株)製)を、制限酵素BamHIを用いて37℃で1時間30分消化し、CIAP(Calf Intestine Alkaline Phosphatase(仔ウシ小腸由来アルカリ性フォスファターゼ)(宝酒造(株)製))を加え、37℃で30分間処理を行った(以降「アルカリフォスファターゼ処理」と記す)。反応液を、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールが25:24:1(重量比)の混合溶液を用いて抽出し、精製した。精製した反応液にエタノールを加えて生じた沈殿を滅菌水に溶解し、ベクター試料とした。
SLPのモノマーDNAとpUC118ベクター試料を10:1(重量比)で混合し、Takara Ligation Kit ver2 slution Iを用いて16℃で1時間結合させた。反応終了後、コンピテントセルDH5αを用いて形質転換した。X−gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド)を用いたカラーセレクションによって挿入遺伝子の有無を確認し、挿入遺伝子を含むものについてDNAシークエンシングを行い、配列を確認することによってSLPのモノマーDNAを含むプラスミドpUC−SLP(1)を得た。
<PUC−Linkの構築>
本研究に用いるクローニングベクターpUC118は、制限酵素Nhe I、Spe Iによって消化される領域を含まない。そこで、pUC118に制限酵素Nhe I及びSpe Iの認識領域を付け加える事を目的とし、アダプターを設計して(配列表19)、pUC118−Link(設計したアダプターを含むプラスミド)を構築した。またアダプターには制限酵素Nhe I及びSpe Iの認識領域の他に、メチオニン残基をコードするコドンを両側に配置させた。これにより、発現して得られたタンパク質の挿入遺伝子の両側にメチオニン残基が付加され、臭化シアンを用いてメチオニン残基を特異的に切断することにより、プラスミド由来の配列を含まない試料が得られた。
合成したフィルム状のオリゴヌクレオチドを、TE(10mM Tris−HCl(pH8.0),1mM EDTA(pH8.0))を用いて1μg/μlとなるように溶解した。それぞれの相補鎖を等モル混合し、99℃で30秒間熱処理した後、1時間かけて37℃に冷まし、30分間静置することによって二本鎖DNAを構築した。それぞれの二本鎖DNAを等量混合した後、クローニングベクターpUC118(宝酒造(株)製)を、制限酵素Xba Iを用い、37℃で1時間30分消化し、CIAPを加え、37℃で30分間処理を行った。反応液を、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールが25:24:1(重量比)の混合溶液を用いて抽出し精製した。精製した反応液にエタノールを加えて生じた沈殿を滅菌水に溶解し、ベクター試料とした。
アダプターDNAとpUC118ベクター試料を10:1(重量比)で混合し、Takara Ligation Kit ver2 slution Iを用いて16℃で1時間結合させた。反応終了後、コンピテントセルDH5αを用いて形質転換した。X−galを用いたカラーセレクションによって挿入遺伝子の有無を確認し、挿入遺伝子を含むものについてDNAシークエンシングを行い、配列を確認することによって、アダプターを含むプラスミドpUC−Linkを得た。
<SLP(n)の構築>
SLPモノマーの両端には、Spe IとNhe Iの制限酵素認識領域が含まれている。制限酵素Spe IとNhe Iによって消化された断片の突出末端は、いずれも相補的であり互いに結合することができる。さらに、結合して新たに出来た配列は、Spe IとNhe Iの制限酵素認識領域のいずれとも異なっており、Spe IとNhe Iによっては消化されない。この性質を利用して、一方向にSLPモノマーを重合してSLPをn回繰り返しコードするDNAを含むプラスミドpUC−Link SLP(n)を構築した。
pUC−SLP(1)で、コンピテントセルDH5αを形質転換し、2xYT培地で、37℃で18時間培養した。培養液から、アルカリ−SDS法によってプラスミドを抽出し、TEに溶解した。試料を、37℃で1時間30分、Nhe I及びSpe I(共に宝酒造(株)製)によって同時に消化し、プラスミドからSLP(1)を単離した。反応液をマイクロコン(MicroCon)(Millipore社製)を用いて5μlにまで濃縮した後、1.5%のアガロースゲルを用いて電気泳動させ、インサートDNAのバンドを切り出した。ゲルからのDNAの抽出にはUltrafreeDA(ウルトラフリーDA)(Millipore社製)を用い、抽出液を再びマイクロコンを用いて5μlにまで濃縮し、挿入遺伝子試料とした。
pUC−LinkをNhe Iで消化した後、CIAPを加えてアルカリフォスファターゼ処理した。反応液を、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールの混合溶液(重量比で25:24:1)を用いて抽出し、精製した。精製した反応液にエタノールを加えて生じた沈殿を滅菌水に溶解し、ベクター試料とした。
1.5%アガロースゲルを用いた電気泳動法によって、挿入遺伝子試料とベクター試料中のDNA濃度を確認し、挿入遺伝子試料とベクター試料が10:1になるように混合し、混合液と等量のTakara Ligation kit ver2 solution Iを加え、16℃で1時間結合させた。
反応終了後、コンピテントセルDH5αを形質転換した。アンピシリンを加えたLBプレートに植菌してスクリーニングした。発生したコロニーをピックアップして2xYT培地に接種し、37℃で18時間培養した。培地から、アルカリ−SDSミニプレップ法によってプラスミドを抽出し、TEに溶解して試料とした。試料を、Nhe IとSpe Iを用いて同時に消化した後、電気泳動法によって、挿入遺伝子の有無とサイズを確認した。その後、DNAシークエンシングを行い、配列を確認することによってプラスミドpUC−Link SLP(1)を得た。
pUC−Link SLP(1)を、Nhe Iで消化した後、CIAPを加えてアルカリフォスファターゼ溶液処理をした。反応液を、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールの混合溶液(重量比で25:24:1)を用いて抽出し、精製した。精製した反応液にエタノールを加えて生じた沈殿を滅菌水に溶解し、ベクター試料とした。
1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によって、挿入遺伝子試料とベクター試料中のDNA濃度を確認し、挿入遺伝子試料とベクター試料が重量比で10:1になるように混合し、混合液と等量のTakara Ligation kit ver2 solution Iを加え、16℃で1時間結合させた。
反応終了後、コンピテントセルDH5αを形質転換した。アンピシリンを加えたLBプレートに植菌してスクリーニングした。発生したコロニーをピックアップして2xYT培地に接種し、37℃で18時間培養した。培地から、アルカリ−SDSミニプレップ法によってプラスミドを抽出し、TEに溶解して試料とした。試料を、Nhe IとSpe Iを用いて同時に消化した後、電気泳動によって挿入遺伝子の有無とサイズを確認した。その後、DNAシークエンシングを行い、配列を確認することによってプラスミドpUC−Link SLP(2)(2量体)を得た。
pUC−Link SLP(2)にSLP(2)を挿入してpUC−Link SLP(4)(4量体)を構築し、次いでpUC−Link SLP(4)にSLP(2)を挿入してpUC−Link SLP(6)(6量体)を構築した。
<発現ベクターpET−SLP(n)の構築>
上記のようにして得られたpUC−Link SLP(2、4、6)を、制限酵素BamHI及びHind III(共に宝酒造(株)製)を用いて消化した。反応液をマイクロコンを用いてを5μlにまで濃縮した後、1.5%のアガロースゲルを用い、電気泳動法によってインサートDNAのバンドを切り出した。ゲルからのDNAの抽出にはUltrafreeDAを用い、抽出液を再びマイクロコンを用いてを5μlにまで濃縮し、挿入遺伝子試料とした。
発現ベクターpET30a(Novagen社製)を、BamHIとHind IIIで消化した後、CIAPを加えてアルカリフォスファターゼ処理した。反応液をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールの混合溶液(重量比で25:24:1)を用いて抽出し、精製した。精製した反応液にエタノールを加えて生じた沈殿を滅菌水に溶解し、ベクター試料とした。
1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によって、挿入遺伝子試料とベクター試料中のDNA濃度を確認し、挿入遺伝子試料とベクター試料が10:1になるように混合し、混合液と等量のTakara Ligation kit ver2 solution Iを加え、16℃で1時間結合させた。
ライゲーション反応液をコンピテントセルDH5αで形質転換し、カナマイシンを加えたLBプレートに植菌してスクリーニングした。発生したコロニーをピックアップし、2 x YT培地に接種して培養した。培地から、アルカリ−SDS法によってベクターを抽出し、TEに溶解して試料とした。試料を、Nhe IとSpe Iを用いて同時に消化した後、電気泳動法によってインサートDNAの有無とサイズを確認した後DNAシークエンシングによって配列の確認を行い、発現ベクターpET−SLP(2,4、6)を構築した。
<pET−SLP(2、4、6)の発現>
上記のようにして得られたプラスミドpET−SLP(2、4、6)それぞれを持つ宿主大腸菌BL21(DE3)pLysS(Novagen社製)を、1mlの2 x TY(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)液体培地で、37℃で16時間培養した。次に、その培養液100μlを5mlの前記2xTY(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)の入ったL字管に加え、37℃で1時間(OD600=0.5〜0.7(Shimadzu UV−160))培養した。この場合、SLPの発現を誘導するためにIPTG(最終濃度1mM)を添加し、1時間おきに100μlの培地をエッペンドルフチューブに採取して3時間まで培養した。採取した培地は、遠心分離(14500rpm、5分、4℃)した後上清を捨て、ペレットを2 x sample buffer(試料溶解用緩衝液)に溶解した後100℃で5分間熱処理し、SDS−PAGEの試料とした。第1図に示したように、SLP 2では19kDa、SLP 4では29kDa、SLP 6では40kDaに、それぞれIPTGに依存したユニークなバンドが観測された。このことから、IPTG添加によりSLP遺伝子が誘導され、大量発現する株を得ることの出来ることが実証された。
次に、プラスミドpET−SLP(2、4、6)それぞれを持つ宿主大腸菌BL21(DE3)pLysSを、2.5mlの2 x TY(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)液体培地で、37℃で16時間培養した。次に、その培養液を250mlの2xTY(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)の入った500mlのコルベンに加え、37℃で1時間(OD600=0.5〜0.7(島津UV−160))培養した。この際に、タンパク質の発現を誘導するためにIPTG(最終濃度1mM)を添加し、さらに2時間培養して集菌(5000rpm、10分、4℃)することにより菌体を得た。得られた菌体を−30℃で保存した。
−30℃で保存した上記菌体を氷上でゆっくり解凍し、Lysis buffer(タンパク質溶解用緩衝液)(50mM Tris−HCl、300mM NaCl、10mM イミダゾール)に懸濁し、氷上で超音波破砕(Out put 3.5、Duty 60%(TOMY UD201))を、1分間の冷却時間を設けながら1分間ずつ、4回行った。得られた菌体破砕液を遠心分離(10,000rpm、10分、4℃)し、上清を回収した。
得られた上清を添加試料とし、あらかじめ同緩衝液を用いて平衡化したNi−NTAアガロースビーズを充填したカラムを用い、アフィニティークロマトグラフィー(流速15〜20ml/時間)による精製を行った。各溶出液を分画し、SDS−PAGEによって目的タンパク質の存在する分画を確認し回収した。
得られた分画を、蒸留水に対して24〜48時間適宜外液を交換しながら透析した後、凍結乾燥することによって白色粉末が得られた。分子量19kDa、29kDa、40kDaの各タンパク質についてそれぞれの収量を表1に示す。
Figure 2003100065
<SLPの同定>
各タンパク質について、N−末端アミノ酸シーケンスによりN−末端の数残基のアミノ酸配列を決定した。各タンパク質を、ポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動法によって挟雑タンパク質から分離し、ザルトブロット2−S(ザルトリウス社製)を用いてPVDF(ポリビニリデンフロライド)膜に転写した。転写後、染色液で5分間染色した後、メタノールで脱色し洗浄したハサミを用いて目的タンパク質のバンドを切りだした。この試料を用い、ABI 473気相式エドマンシーケンサーによってN−末端アミノ酸配列を決定した。この結果は予想されるアミノ酸配列と一致し、発現したタンパク質がプラスミド由来のタンパク質であることが確認された。
<臭化シアンによるタグ配列の切断>
設計したSLP 2、4、6には、アダプターによって挿入遺伝子の両側にメチオニン残基が配置されている。SLP 2、4、6自身にはメチオニン残基を含まないため、メチオニン残基を化学的に切断することによって、タグなどプラスミド由来のアミノ酸配列を含まないタンパク質を得ることができる。タンパク質のメチオニン残基を切断し、N−末端アミノ酸シーケンスによりN−末端の数残基のアミノ酸配列を決定した。
SLP 6を10mgエッペンドルフチューブに取り、90%のギ酸に溶解した。完全に溶解したことを確認した後、milli Q水(超純水)を加えギ酸の最終濃度が70%となるまで希釈した。臭化シアン10mgを試料溶液に加えて溶解した後、アルミホイルで完全に遮光し、室温で12〜48時間放置した。反応溶液に対して10倍量のmilli Q水を加え、反応を止めた後、蒸留水を外液にして透析を行い、次いで凍結乾燥を行う事によって白色粉末を得た。得られた白色粉末を2 x sample bufferに溶解し、SDS−PAGEによって分子量を比較したところ、臭化シアン処理前の試料に比べて分子量の減少が確認された。
この様にして精製されたSLP 6を、ポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動法によって不純タンパク質から分離し、ザルトブロット2−S(ザルトリウス)を用いてPVDF膜に転写した。転写後、染色液を用いて5分間染色した後メタノールで脱色し、洗浄したハサミを用いて目的とするタンパク質のバンドを切りだした。この試料を用い、ABI 473気相式エドマンシーケンサーを用いてN−末端アミノ酸配列を決定した。決定したN−末端アミノ酸配列は予想されるアミノ酸配列と一致し、目的としたタンパク質SLP 6であることが確認された。
実施例2.
<SLPA遺伝子の構築>
旭テクノグラス(株)で合成した配列表20〜23に示される4本のオリゴヌクレオチドを設計した。
合成したフィルム状のオリゴヌクレオチドを、TE(10mM Tris−HCl(pH8.0),1mM EDTA(pH8.0))を用いて、濃度が1μg/μlとなるように溶解した。それぞれの相補鎖を等モル混合し、99℃で30秒間熱処理した後1時間かけて37℃に冷まし、30分間静置して配列表24及び25で表されるアミノ酸配列をコードする2本の二本鎖DNAを構築した。
クローニングベクターpUC118を、制限酵素BamHIを用いて37℃で1時間30分消化し、CIAPを加え、37℃で30分間処理を行った。反応液を、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールの混合溶液(重量比で25:24:1)を用いて抽出し、精製した。精製した反応液にエタノールを加え、生じた沈殿を滅菌水に溶解してベクター試料とした。
それぞれの二本鎖DNAとpUC118ベクター試料を10:1で混合し、TaKaRa Ligation Kit ver2 solution Iを用いて16℃で1時間結合させ、配列表24及び25で表されるアミノ酸配列をコードする二本鎖DNAを調製した。反応終了後、コンピテントセルDH5αを用いて形質転換した。X−galを用いたカラーセレクションによって挿入遺伝子の有無を確認し、挿入遺伝子を含むものについてDNAシークエンシングを行い、配列を確認することによって、ポリアラニン(配列表24)をコードするDNA配列を含むプラスミドpUC−ALAと、グリシンの交互共重合体GX(X=Ala、Tyr、Val)(配列表25)をコードするDNA配列を含むプラスミドpUC−GXを得た。
pUC−ALAをコンピテントセルDH5αで形質転換し、2xYT培地で、37℃で18時間培養した。培養液から、アルカリ−SDS法によってプラスミドを抽出し、TEに溶解した。試料を37℃で1時間30分、Nhe IとSpe Iを用いて同時に消化し、プラスミドからALAを単離した。反応液をマイクロコンを用いて5μlにまで濃縮した後、1.5%のアガロースゲルを用い、電気泳動法によってインサートDNAのバンドを切り出した。ゲルからのDNAの抽出にはUltrafreeDAを用い、再びマイクロコンを用いて抽出した液を5μlにまで濃縮し、挿入遺伝子試料とした。
PUC−GXをSpe Iを用いて消化した後、CIAPを加えてアルカリフォスファターゼ処理した。反応液を、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールの混合溶液(重量比で25:24:1)を用いて抽出し、精製した。精製した反応液にエタノールを加え、生じた沈殿を滅菌水に溶解してベクター試料とした。
1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によって、挿入遺伝子試料とベクター試料中のDNA濃度を確認し、挿入遺伝子試料とベクター試料が10:1になるように混合し、混合液と等量のTakara Ligation kit ver2 solution Iを加え、16℃で1時間結合させた。
反応終了後、コンピテントセルDH5αを形質転換した。アンピシリンを加えたLBプレートに植菌してスクリーニングした。発生したコロニーをピックアップして2xYT培地に接種し、37℃で18時間培養した。培地からアルカリ−SDSミニプレップ法でプラスミドを抽出し、TEに溶解して試料とした。試料を、Nhe IとSpe Iで同時に消化した後、電気泳動法によって挿入遺伝子の有無とサイズを確認した。次いで、DNAシークエンシングを行って配列を確認することにより、プラスミドpUC−SLPA(1)を得た(SLPAのアミノ酸配列;[Ala Ser(Ala)18 Thr Ser Gly Val Gly Ala Gly Tyr Gly Ala Gly Ala Gly Tyr Gly Val Gly Ala Gly Tyr Gly Ala Gly Val Gly Tyr Gly Ala Gly Ala Gly Tyr]、配列表26(n=4の場合)参照)。
<SLPA(n)の構築>
pUC−SLPA(1)を用いてコンピテントセルDH5αを形質転換し、2xYT培地で、37℃で18時間培養した。アルカリ−SDS法によって培養液からプラスミドを抽出し、TEに溶解した。試料を37℃で1時間30分、Nhe IとSpe Iで同時に消化し、プラスミドからSLPA(1)を単離した。マイクロコンを用いて反応液を5μlにまで濃縮した後、1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によってインサートDNAのバンドを切り出した。ゲルからのDNAの抽出にはUltrafreeDAを用い、再びマイクロコンを用いて抽出した液を5μlにまで濃縮し、挿入遺伝子試料とした。
pUC−SLPA(1)をNhe Iで消化した後、CIAPを加えてアルカリフォスファターゼ処理した。反応液を、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール混合溶液(重量比25:24:1)を用いて抽出し、精製した。精製した反応液にエタノールを加えて生じた沈殿を滅菌水に溶解し、ベクター試料とした。
1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によって、挿入遺伝子試料とベクター試料中のDNA濃度を確認し、挿入遺伝子試料とベクター試料が10:1になるように混合し、混合液と等量のTakara Ligation kit ver2 solution Iを加え、16℃で1時間結合させた。
反応終了後、コンピテントセルDH5αを形質転換した。アンピシリンを加えたLBプレートに植菌してスクリーニングした。発生したコロニーをピックアップし、2xYT培地に接種し、37℃で18時間培養した。アルカリ−SDSミニプレップ法によって培地からプラスミドを抽出し、TEに溶解して試料とした。試料を、Nhe IとSpe Iで同時に消化した後、電気泳動法によって挿入遺伝子の有無とサイズを確認した。次いで、DNAシークエンシングを行い、配列を確認することによってプラスミドpUC−SLPA(2)(2量体)を得た。
pUC−SLPA(2)にSLPA(2)を挿入してpUC−SLPA(4)(4量体)を構築した。
<発現ベクターpET−SLPA(4)の構築>
pUC−SLPA(4)をBamHIを用いて消化した。マイクロコンを用いて反応液を5μlにまで濃縮した後、1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によってインサートDNAのバンドを切り出した。ゲルからのDNAの抽出にはUltrafree DAを用い、再びマイクロコンを用いて抽出した液を5μlにまで濃縮し、挿入遺伝子試料とした。
発現ベクターpET30aをBamHIで消化した後、CIAPを加えてアルカリフォスファターゼ処理した。反応液を、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールの混合溶液(重量比で25:24:1)を用いて抽出し精製した。精製した反応液にエタノールを加えて生じた沈殿を滅菌水に溶解し、ベクター試料とした。
1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によって、挿入遺伝子試料とベクター試料中のDNA濃度を確認し、挿入遺伝子試料とベクター試料が10:1になるように混合し、混合液と等量のTakara Ligation kit ver2 solution Iを加え、16℃で1時間結合させた。
ライゲーション反応液をDH5αを用いて形質転換し、カナマイシンを加えたLBプレートに植菌してスクリーニングした。発生したコロニーをピックアップし、2 x YT培地に接種して培養した。アルカリ−SDS法を用いて培地からベクターを抽出し、TEに溶解して試料とした。試料を、Nhe IとSpe Iで同時に消化した後、電気泳動法によってインサートDNAの有無とサイズを確認した。次いでDNAシークエンシングによって配列の確認を行うことにより、発現ベクターpET−SLPA(4)を構築した。
<pET−SLPA(4)の発現>
プラスミドpET−SLPA(4)それぞれを持つ宿主大腸菌BL21(DE3)pLysSを、1.5mlの2 x TY(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)液体培地で、37℃で16時間培養した。次にその培養液100μlを、5mlの2 x TY(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)の入った試験管に加え、37℃で1時間(OD600=0.5〜0.7(島津UV−160))培養した。この場合、SLPA 4の発現を誘導するためにIPTG(最終濃度1mM)を添加し、1時間おきに100μlの培地をエッペンドルフチューブに採取し、4時間まで培養した。採取した培地を遠心(14500rpm、5分、4℃)分離した後上清を捨て、ペレットを2 x sample bufferに溶解した後、100℃で5分間熱処理してSDS−PAGEの試料とした。
SDS−PAGEとした後、His−Tag抗体を用いたウェスタンブロットを行うことにより、SLPA 4を検出した(第2図)。
図から明らかなように、SLPA4では29kDaにバンドが観測された。この結果から、IPTG添加によってSLP遺伝子が誘導され大量発現する株を得られることが実証された。
プラスミドpET−SLPA(4)を持つ宿主大腸菌BL21(DE3)pLysSを、1.5mlの2xYT(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)液体培地で、37℃で16時間培養した。次にその培養液を12mlの2xYT(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)の入った試験管に加え、37℃で16時間培養した。次に、1.21の2xYT(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)の入った21のファーメンターに加え、37℃でOD600=0.5〜0.7(島津UV−160))となるまで培養した。この場合、タンパク質の発現を誘導するためにIPTG(最終濃度1mM)を添加し、さらに4時間培養して集菌(8500rpm、30分、4℃)することにより菌体を得た。得られた菌体を−20℃で保存した。
−20℃で保存された菌体を氷上でゆっくり解凍し、Lysis buffer(50mM Tris−HCl、300mM NaCl、10mM イミダゾール)に懸濁し、氷上で超音波破砕(Out put 3.5、Duty 60%(TOMY UD201))を、1分間の冷却時間を設けながら、2分間ずつ20回行った。得られた菌体破砕液について遠心分離(10,000rpm、40分、4℃)操作を行い、沈殿を回収した。
得られた沈殿にBuffer B(100mM NaHPO、10mM Tris−Cl、8M尿素、pH8.0)を加え、超音波破砕を行った。ここで得られた菌体破砕液を遠心分離(10,000rpm、40分、4℃)して、上清を回収した。
得られた上清を添加試料とし、あらかじめ同緩衝液を用いて平衡化したNi−NTAアガロースビーズを充填したカラムを用い、アフィニティークロマトグラフィー(流速15〜20ml/h)による精製を行った。各溶出液を分画し、SDS−PAGEによって目的とするタンパク質が存在する分画を確認し回収した。
蒸留水に対して24〜48時間適宜外液を交換しながら得られた分画を透析した後、凍結乾燥することによって白色粉末を得た。収量は34.2mg/Lであった。
実施例3.
<SELP遺伝子の構築>
旭テクノグラス(株)で合成し配列表27〜30で表される、4本のオリゴヌクレオチドを設計した。
合成したフィルム状のオリゴヌクレオチドを、TE(10mM Tris−HCl(pH8.0),1mM EDTA(pH8.0))を用いて1μg/μlとなるように溶解した。それぞれの相補鎖を等モル混合し、99℃で30秒間熱処理した後1時間かけて37℃に冷まし、30分間静置して配列表31及び32で表されるアミノ酸配列をコードする2本の二本鎖DNAを構築した。それぞれの二本鎖DNAを等量混合した後、TaKaRa Ligation Kit ver2 solution Iを用い、16℃で1時間結合させ、SELPモノマーをコードするで表される二本鎖DNAを調整した(SELPのアミノ酸配列;Thr Ser[(Gly Val Pro Gly Val) Gly Gly(Gly Ala Gly Ala Gly Ser) Ala Ser]、配列表33(n=8の場合)参照)。
クローニングベクターpUC118を、制限酵素BamHIを用いて37℃で1時間30分消化し、CIAPを加え、37℃で30分間処理した。反応液をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール混合溶液(重量比25:24:1)を用いて抽出し精製した。精製した反応液にエタノールを加え、生じた沈殿を滅菌水に溶解してベクター試料とした。
SELPモノマーDNAとpUC118ベクター試料を10:1で混合し、TaKaRa Ligation Kit ver2 solution Iを用いて16℃で1時間結合させた。反応終了後、コンピテントセルDH5αを用いて形質転換した。X−galを用いたカラーセレクションによって挿入遺伝子の有無を確認し、挿入遺伝子を含むものについてDNAシークエンシングを行い、配列を確認することによってSELPモノマーDNAを含むプラスミドpUC−SELP(1)を得た。
<SELP(n)の構築>
pUC−SELP(1)を用いて、コンピテントセルDH5αを形質転換し、2xYT培地で37℃、18時間培養した。培養液からアルカリ−SDS法によってプラスミドを抽出し、次いでTEに溶解した。試料を37℃で1時間30分、Nhe IとSpe Iによって同時に消化し、プラスミドからSLP(1)を単離した。マイクロコンを用いて反応液を5μlにまで濃縮した後、1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によってインサートDNAのバンドを切り出した。ゲルからのDNAの抽出にはUltrafree DAを用い、再びマイクロコンを用いて抽出した液を5μlにまで濃縮し、挿入遺伝子試料とした。
pUC−LinkをNhe Iで消化した後、CIAPを加えてアルカリフォスファターゼ処理した。反応液をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールの混合溶液(重量比で25:24:1)を用いて抽出し精製した。精製した反応液にエタノールを加え、生じた沈殿を滅菌水に溶解してベクター試料とした。
1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法よって、挿入遺伝子試料とベクター試料中のDNA濃度を確認し、挿入遺伝子試料とベクター試料が10:1になるように混合し、混合液と等量のTakara Ligation kit ver2 solution Iを加え、16℃で1時間結合させた。
反応終了後、コンピテントセルDH5αを形質転換した。アンピシリンを加えたLBプレートに植菌してスクリーニングした。発生したコロニーをピックアップし、2xYT培地に接種して37℃で18時間培養した。アルカリ−SDSミニプレップ法によって培地からプラスミドを抽出し、TEに溶解して試料とした。試料を、Nhe IとSpe Iで同時に消化した後、電気泳動法によって挿入遺伝子の有無とサイズを確認した。次いで、DNAシークエンシングを行い、配列を確認することによってプラスミドpUC−Link SELP(1)を得た。
pUC−Link SELP(1)を用いて、コンピテントセルDH5αを形質転換し、2xYT培地で、37℃で18時間培養した。培養液からアルカリ−SDS法によってプラスミドを抽出し、TEに溶解した。試料を37℃で1時間30分、Nhe IとSpe Iによって同時に消化し、プラスミドからSELP(1)を単離した。マイクロコンを用いて反応液を5μlにまで濃縮した後、1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によってインサートDNAのバンドを切り出した。ゲルからのDNAの抽出にはUltrafreeDAを用い、再びマイクロコンを用いて抽出液を5μlにまで濃縮し、挿入遺伝子試料とした。
pUC−Link SELP(1)をNhe Iによって消化した後、CIAPを加えてアルカリフォスファターゼ処理した。反応液をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールの混合溶液(重量比で25:24:1)を用いて抽出し精製した。精製した反応液にエタノールを加え、生じた沈殿を滅菌水に溶解してベクター試料とした。
1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によって挿入遺伝子試料とベクター試料中のDNA濃度を確認し、挿入遺伝子試料とベクター試料が10:1になるように混合し、混合液と等量のTakara Ligation kit ver2 solution Iを加え、16℃で1時間結合させた。
反応終了後、コンピテントセルDH5αを形質転換した。アンピシリンを加えたLBプレートに植菌してスクリーニングした。発生したコロニーをピックアップし、2xYT培地に接種し、37℃で18時間培養した。アルカリ−SDSミニプレップ法によって培地からプラスミドを抽出し、TEに溶解して試料とした。試料を、Nhe IとSpe Iで同時に消化した後、電気泳動法によって挿入遺伝子の有無とサイズを確認した。次いで、DNAシークエンシングを行い、配列を確認することによってプラスミドpUC−Link SELP(2)を得た。
pUC−Link SELP(2)にSELP(2)を挿入してpUC−Link SELP(4)を構築し、pUC−Link SELP(4)にSELP(4)を挿入してpUC−Link SELP(8)を構築した。
<発現ベクターpET−SELP(n)の構築>
pUC−SELP 8をBamHIとHind IIIを用いて消化した。マイクロコンを用いて反応液を5μlにまで濃縮した後、1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によってインサートDNAのバンドを切り出した。ゲルからのDNAの抽出にはUltrafreeDAを用い、再びマイクロコンを用いて抽出液を5μlにまで濃縮し、挿入遺伝子試料とした。
発現ベクターpET30aを制限酵素BamHIとHind IIIで消化した後、CIAPを加えてアルカリフォスファターゼ処理した。反応液をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールの混合溶液(重量比で25:24:1)を用いて抽出し精製した。精製した反応液にエタノールを加え、生じた沈殿を滅菌水に溶解してベクター試料とした。
1.5%のアガロースゲルを使用した電気泳動法によって、挿入遺伝子試料とベクター試料中のDNA濃度を確認し、挿入遺伝子試料とベクター試料が10:1になるように混合し、混合液と等量のTakara Ligation kit ver2 solution Iを加え、16℃で1時間結合させた。
ライゲーション反応液を用いてコンピテントセルDH5αを形質転換し、カナマイシンを加えたLBプレートに植菌してスクリーニングした。発生したコロニーをピックアップし、2 x YT培地に接種して培養した。アルカリ−SDS法によって培地からベクターを抽出し、TEに溶解して試料とした。試料を、Nhe IとSpe Iで同時に消化した後、電気泳動法によってインサートDNAの有無とサイズを確認し、DNAシークエンシングによって配列の確認をおこなうことにより、発現ベクターpET−SELP 8を構築した。
pET−SELP(8)の発現
プラスミドpET−SELP(8)それぞれを持つ宿主大腸菌BL21(DE3〕pLysSを、1.5mlの2 x YT(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)液体培地で、37℃で16時間培養した。次に、5mlの2 x YT(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)の入った試験管にその培養液100μlを加え、37℃でOD600=0.5〜0.7となるまで培養した。この場合、SELP 8の発現を誘導させるためにIPTG(最終濃度1mM)を添加し、1時間おきに100μlの培地をエッペンドルフチューブに採取し、4時間まで培養した。採取した培地を遠心分離(14,500rpm、5分、4℃)して上清を捨て、ペレットを2 x sample bufferに溶解した後、100℃で5分間熱処理してSDS−PAGEの試料とした。
SDS−PAGEとした後、His−Tag抗体を用いたウェスタンブロットを行うことによって、SELP 8を検出した(第3図)。
図に示したように、SELP 8では35kDaにバンドが観測された。この結果から、IPTG添加によりSLP遺伝子が誘導され、大量発現する株を得られることが実証された。
プラスミドpET−SELP 8それぞれを持つ宿主大腸菌BL21(DE3)pLysSを、1.5mlの2 x YT(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)液体培地で、37℃で16時間培養した。次に、その培養液を12mlの2 x YT(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)液体培地で、37℃で16時間培養した。さらにその培養液を1.21の2xYT(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)の入った21のファーメンターに加え、37℃でOD600=0.5〜0.7となるまで培養した。この場合、タンパク質の発現を誘導させるためにIPTG(最終濃度0.2mM)を添加し、温度を30℃まで下げてさらに4時間培養し、集菌(8500rpm、30分、4℃)することにより菌体を得た。得られた菌体は−20℃で保存した。
−20℃で保存した菌体を氷上でゆっくり解凍し、Lysis buffer(50mM Tris−HCl、300mM NaCl、10mM イミダゾール)に懸濁し、氷上で超音波破砕(Out put 3.5、Duty 60%(TOMY UD201))を、1分間の冷却時間を設けながら、2分間ずつ20回行った。得られた菌体破砕液を遠心分離(10000rpm、30分、4℃)して上清を回収した。
得られた上清を添加試料とし、あらかじめ同緩衝液を用いて平衡化したNi−NTAアガロースビーズを充填したカラムを用い、アフィニティークロマトグラフィー(流速15〜20ml/h)による精製を行った。各溶出液を分画し、SDS−PAGEによって目的とするタンパク質の存在する分画を確認し回収した。
蒸留水に対して24〜48時間適宜外液を交換しながら、得られた分画を透析した後凍結乾燥することによって、白色粉末が得られた。35kDaのタンパク質についての収量は38.8mgであった。
実施例4.
<SLPF遺伝子の構築>
旭テクノグラス(株)によって合成され、配列表34〜37に示される4本のオリゴヌクレオチドを設計した。
合成したフィルム状のオリゴヌクレオチドを、TE(10mM Tris−HCl(pH8.0),1mM EDTA(pH8.0))を用いて1μg/μlとなるように溶解した。それぞれの相補鎖を等モル混合し、99℃で30秒間熱処理した後、1時間かけて37℃に冷まし、30分間静置して配列表38及び39で表されるアミノ酸配列をコードする2本の二本鎖DNAを構築した。それぞれの二本鎖DNAを等量混合した後、TaKaRa Ligation Kit ver2 solution Iを用いて16℃で1時間結合させ、SLPFモノマーをコードする二本鎖DNAを調整した(SLPFのアミノ酸配列;[Thr Ser Thr Gly Arg Gly Asp Ser Pro Ala Gly Gly(Gly Ala Gly Ala Gly Ser) Ala Ser]、配列表40(n=5の場合)参照)。
クローニングベクターpUC118を制限酵素BamHIを用いて37℃で1時間30分消化し、次いでCIAPを加え、37℃で30分間処理を行った。反応液をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールの混合溶液(重量比で25:24:1)を用いて抽出し精製した。精製した反応液にエタノールを加え、生じた沈殿を滅菌水に溶解してベクター試料とした。
SLPFモノマーDNAとpUC118ベクター試料を10:1で混合し、TaKaRa Ligation Kit ver2 solution Iを用いて16℃で1時間結合させた。反応終了後、コンピテントセルDH5αを用いて形質転換した。X−galを用いたカラーセレクションによって挿入遺伝子の有無を確認し、挿入遺伝子を含むものについてDNAシークエンシングを行い、配列を確認することによってSLPFモノマーDNAを含むプラスミドpUC−SLPF(1)を得た。
<SLPF(n)の構築>
SLPFモノマーの両端にはSpe Iと、Nhe Iの制限酵素認識領域を含んでいる。Spe Iと、Nhe Iによって消化された断片の突出末端は、いずれも相補的であり互いに結合することができる。さらに、結合して新たに出来た配列は、Spe Iと、Nhe I制限酵素認識領域のいずれとも異なっており、Spe Iと、Nhe Iによっては消化されない。この性質を利用して、一方向にSLPFモノマーを重合してpUC−Link SLPF(n)を構築した。
pUC−SLPF(1)を、コンピテントセルDH5αを用いて形質転換し、2xYT培地で、37℃で18時間培養した。培養液からアルカリ−SDS法によってプラスミドを抽出し、TEに溶解した。試料を、37℃で1時間30分Nhe IとSpe Iを用いて同時に消化し、プラスミドからSLPF(1)を単離した。マイクロコンを用いて反応液を5μlにまで濃縮した後、1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によってインサートDNAのバンドを切り出した。ゲルからのDNAの抽出にはUltrafreeDAを用い、再びマイクロコンを用いて抽出した液を5μlにまで濃縮し、挿入遺伝子試料とした。
1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によって挿入遺伝子試料中のDNA濃度を確認し、挿入遺伝子試料と等量のTakara Ligation kit ver2 solution Iを加えて16℃で16時間結合させた。
pUC−LinkをNhe Iで消化した後、CIAPを加えてアルカリフォスファターゼ処理した。反応液をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールの混合溶液(重量比で25:24:1)を用いて抽出し精製した。精製した反応液にエタノールを加えて生じた沈殿を滅菌水に溶解してベクター試料とした。
1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によって、挿入遺伝子試料とベクター試料中のDNA濃度を確認し、挿入遺伝子試料とベクター試料が10:1になるように混合し、混合液と等量のTakara Ligation kit ver2 solution Iを加え、16℃で1時間結合させた。
反応終了後、コンピテントセルDH5αを形質転換した。アンピシリンを加えたLBプレートに植菌してスクリーニングした。発生したコロニーをピックアップし、2xYT培地に接種して、37℃で18時間培養した。アルカリ−SDSミニプレップ法によって培地からプラスミドを抽出し、TEに溶解して試料とした。試料を、Nhe IとSpe Iで同時に消化した後、電気泳動法によって挿入遺伝子の有無とサイズを確認した。次いで、DNAシークエンシングを行い、配列を確認することによってプラスミドpUC−Link SLPF(5)を得た。
<発現ベクターpET−SLPF(5)の構築>
pUC−SLPF(5)をBamHIとHind IIIを用いて消化した。マイクロコンを用いて反応液を5μlにまで濃縮した後、1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によってインサートDNAのバンドを切り出した。ゲルからのDNAの抽出にはUltrafreeDAを用い、再びマイクロコンを用いて抽出液を5μlにまで濃縮し、挿入遺伝子試料とした。
発現ベクターpET30aを、BamHIとHind IIIで消化した後、CIAPを加えてアルカリフォスファターゼ処理した。反応液をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールの混合溶液(重量比で25:24:1)を用いて抽出し精製した。精製した反応液にエタノールを加え、生じた沈殿を滅菌水に溶解してベクター試料とした。
1.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法によって、挿入遺伝子試料とベクター試料中のDNA濃度を確認し、挿入遺伝子試料とベクター試料が10:1になるように混合し、混合液と等量のTakara Ligation kit ver2 solution Iを加え、16℃で1時間結合させた。
ライゲーション反応液を用いてコンピテントセルDH5αを形質転換し、カナマイシンを加えたLBプレートに植菌してスクリーニングした。発生したコロニーをピックアップし、2 x YT培地に接種して培養した。アルカリ−SDS法によって培地からベクターを抽出し、TEに溶解して試料とした。試料を、Nhe IとSpe Iで同時に消化した後、電気泳動法によってインサートDNAの有無とサイズを確認し、DNAシークエンシングによって配列の確認をおこない、発現ベクターpET−SLPF 5を構築した。
pET−SLPF(5)の発現
プラスミドpET−SLPF(5)を持つ宿主大腸菌BLR(DE3)pLysS(Novagen社製)を1.5mlの2 x TY(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)液体培地で、37℃で16時間培養した。次に、5mlの2 x TY(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)の入った試験管にその培養液100μlを加え、37℃でOD600=0.5〜0.7となるまで培養した。この場合、SLPF 5の発現を誘導させるためにIPTG(最終濃度1mM)を添加し、1時間おきに100μlの培地をエッペンドルフチューブに採取して4時間まで培養した。採取した培地を遠心分離(14500rpm、5分、4℃)して上清を捨て、ペレットを2 x sample bufferに溶解した後、100℃で5分間熱処理してSDS−PAGEの試料とした。
SDS−PAGEとした後、His−Tag抗体を用いたウェスタンブロットを行うことにより、SLPF 5を検出した(第4図)。
第4図に示したように、SLPF 5では23kDaにバンドが観測された。この結果から、IPTG添加によりSLPF遺伝子が誘導され大量発現する株を得られることが実証された。
プラスミドpET−SLPF 5それぞれを持つ宿主大腸菌BLR(DE3)pLysSを、1.5mlの2 x YT(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)液体培地で、37℃で16時間培養した。次にその培養液を、5mlの2 x YT(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)液体培地で、37℃で16時間培養した。さらにその培養液を、250mlの2xYT(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)の入った1lの三角フラスコに加え、37℃でOD600=0.5〜0.7となるまで培養した。この場合、タンパク質の発現を誘導させるためにIPTG(最終濃度0.2mM)を添加し、さらに4時間培養して集菌(8,500rpm、30分、4℃)することにより菌体を得た。得られた菌体を−20℃で保存した。
−20℃で保存した菌体を氷上でゆっくり解凍し、Lysis buffer(50mM Tris−HCl、300mM NaCl、10mM イミダゾール)に懸濁し、氷上で超音波破砕(Out put 3.5、Duty 60%(TOMY UD201))を、1分間の冷却時間を設けながら、2分間ずつ20回行った。得られた菌体破砕液を遠心分離(10000rpm、30分、4℃)して上清を回収した。
得られた上清を添加試料とし、あらかじめ同緩衝液を用いて平衡化したNi−NTAアガロースビーズを充填したカラムを用いてアフィニティークロマトグラフィー(流速15〜20ml/h)による精製を行った。各溶出液を分画し、SDS−PAGEによって目的とするタンパク質の存在する分画を確認し、回収した。
蒸留水に対して24〜48時間適宜外液を交換しながら、得られた分画を透析した後凍結乾燥することによって、白色粉末が得られた。23kDaのタンパク質について収量は38.8mg/Lであった。
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
第1図は、SLP2、4、6を大腸菌株BL21(DE3)pLysS内で発現させたときのSDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動)の結果である。
第2図は、SLPA4をSDS−PAGEで分離した後、His−Tag抗体を用いたウェスタンブロットで検出した結果である。
第3図は、SELP8をSDS−PAGEで分離した後、His−Tag抗体を用いたウェスタンブロットで検出した結果である。
第4図は、SLPF5をSDS−PAGEで分離した後、His−Tag抗体を用いたウェスタンブロットで検出した結果である。
【0007】
ることが好ましい。
発現誘導後は、複合培地から選択された培地を用い、培養温度及びIPTG添加濃度並びにpH等の培養条件を最適化することにより、大腸菌へのストレスを軽減させる。本発明においては、故意に大腸菌の増殖にとって最適な培養条件からはずすことによって、目的タンパク質の発現を穏やかに進行させることが出来、これによって長時間の培養が可能となり、目的タンパク質の収量を上げることが出来る。従って、本発明においては、培養温度を、大腸菌の増殖最適温度より2〜7℃低温に設定する。
また、本発明で使用する培地はTB培地であることが特に好ましい。IPTG添加濃度は0.2〜1.0mMであることが好ましい。更にpHは6.7〜7.0であることが好ましい。
実施例
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。尚、以下において、特にことわりのない限り、「%」は「重量%」を表し、比は重量比を意味する。文、文章中の各記号の意味は下記の通りである。
参考例1.
<SLP遺伝子の構築>
旭テクノグラス(株)の合成による、配列表12〜15に示された4本のオリゴヌクレオチドを設計した。
合成したフィルム状のオリゴヌクレオチドを、Tris(トリス) EDTA(10mM Tris−HCl(pH8.0),1mM EDTA(pH8.0):以下TEとする)を用いて、濃度が1μg/μlとなるように溶解した。それぞれの相補
【0016】
この様にして精製されたSLP6を、ポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動法によって不純タンパク質から分離し、ザルトブロット2−S(ザルトリウス)を用いてPVDF膜に転写した。転写後、染色液を用いて5分間染色した後メタノールで脱色し、洗浄したハサミを用いて目的とするタンパク質のバンドを切りだした。この試料を用い、ABI 473気相式エドマンシーケンサーを用いてN−末端アミノ酸配列を決定した。決定したN−末端アミノ酸配列は予想されるアミノ酸配列と一致し、目的としたタンパク質SLP6であることが確認された。
参考例2.
<SLPA遺伝子の構築>
旭テクノグラス(株)で合成した配列表20〜23に示される4本のオリゴヌクレオチドを設計した。
合成したフィルム状のオリゴヌクレオチドを、TE(10mM Tris−HCl(pH8.0),1mM EDTA(pH8.0))を用いて、濃度が1μg/μlとなるように溶解した。それぞれの相補鎖を等モル混合し、99℃で30秒間熱処理した後1時間かけて37℃に冷まし、30分間静置して配列表24及び25で表されるアミノ酸配列をコードする2本の二本鎖DNAを構築した。
クローニングベクターpUC118を、制限酵素BamHIを用いて37℃で1時間30分消化し、CIAPを加え、37℃で30分間処理を行った。反応液を、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールの混合溶液(重量比で25:24:1)を用いて抽出し、精製した。精製した反応液にエタノールを加え、生じた沈殿を滅菌水に溶解してベクター試料とした。
それぞれの二本鎖DNAとpUC118ベクター試料を10:1で混合し、TaKaRa Ligation Kit ver2 solution Iを用いて16℃で1時間
【0022】
蒸留水に対して24〜48時間適宜外液を交換しながら得られた分画を透析した後、凍結乾燥することによって白色粉末を得た。収量は34.2mg/Lであった。
実施例1.
<SELP遺伝子の構築>
旭テクノグラス(株)で合成し配列表27〜30で表される、4本のオリゴヌクレオチドを設計した。
合成したフィルム状のオリゴヌクレオチドを、TE(10mM Tris−HCl(pH8.0),1mM EDTA(pH8.0))を用いて1μg/μlとなるように溶解した。それぞれの相補鎖を等モル混合し、99℃で30秒間熱処理した後1時間かけて37℃に冷まし、30分間静置して配列表31及び32で表されるアミノ酸配列をコードする2本の二本鎖DNAを構築した。それぞれの二本鎖DNAを等量混合した後、TaKaRa Ligation Kit ver2 solution Iを用い、16℃で1時間結合させ、SELPモノマーをコードするで表される二本鎖DNAを調整した(SELPのアミノ酸配列;Thr Ser[(Gly Val Pro Gly Val) Gly Gly(Gly Ala Gly Ala Gly Ser) Ala Ser]、配列表33(n=8の場合)参照)。
クローニングベクターpUC118を、制限酵素BamHIを用いて37℃で1時間30分消化し、CIAPを加え、37℃で30分間処理した。反応液をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール混合溶液(重量比25:24:1)を用いて抽出し精製した。精製した反応液にエタノールを加え、生じた沈殿を滅菌水に溶解してベクター試料とした。
SELPモノマーDNAとpUC118ベクター試料を10:1で混合し、TaKaRa Ligation Kit ver2 solution Iを用いて16℃で1時間結合させた。反応終了後、コンピテントセルDH5αを用いて形質転換した。X−galを用いたカラーセレクションによって挿入遺伝子の有無を確認
【0027】
さらにその培養液を1.2lの2xYT(25μg/mlカナマイシン、25μg/mlクロラムフェニコール)の入った2lのファーメンターに加え、37℃でOD600=0.5〜0.7となるまで培養した。この場合、タンパク質の発現を誘導させるためにIPTG(最終濃度0.2mM)を添加し、温度を30℃まで下げてさらに4時間培養し、集菌(8500rpm、30分、4℃)することにより菌体を得た。得られた菌体は−20℃で保存した。
−20℃で保存した菌体を氷上でゆっくり解凍し、Lysis buffer(50mM Tris−HCl、300mM NaCl、10mMイミダゾール)に懸濁し、氷上で超音波破砕(Out put 3.5、Duty 60%(TOMY UD201))を、1分間の冷却時間を設けながら、2分間ずつ20回行った。得られた菌体破砕液を遠心分離(10000rpm、30分、4℃)して上清を回収した。
得られた上清を添加試料とし、あらかじめ同緩衝液を用いて平衡化したNi−NTA アガロースビーズを充填したカラムを用い、アフィニティークロマトグラフィー(流速15〜20ml/h)による精製を行った。各溶出液を分画し、SDS−PAGEによって目的とするタンパク質の存在する分画を確認し回収した。
蒸留水に対して24〜48時間適宜外液を交換しながら、得られた分画を透析した後凍結乾燥することによって、白色粉末が得られた。35kDaのタンパク質についての収量は38.8mgであった。
参考例3.
<SLPF遺伝子の構築>
旭テクノグラス(株)によって合成され、配列表34〜37に示される4本のオリゴヌクレオチドを設計した。
合成したフィルム状のオリゴヌクレオチドを、TE(10mM Tris−HCl(pH8.0),1mM EDTA(pH8.0))を用いて1μg/μlとなるように溶

Claims (5)

  1. 家蚕絹フィブロイン、野蚕絹フィブロイン、エラスチン及びフィブロネクチンの中から選択され、前記家蚕絹フィブロイン又は野蚕絹フィブロインの何れかを必須とする少なくとも1個のタンパク質からなる絹又は絹様高分子を設計し、該絹又は設計された高分子の最小単位を合成し、合成された該最小単位の高分子を、T7プロモーターを含む発現ベクターの中から選択された少なくとも1つの発現ベクターに組み込み、次いで該発現ベクターを、BL21(DE3)pLysS又はBLR(DE3)pLysSの何れかの大腸菌に組み込み、該大腸菌を、複合培地から選択された培地を用いて育成することを特徴とする、絹又は絹様タンパク質の生産方法。
  2. 前記大腸菌の育成に際し、大腸菌の増殖最適温度より2〜7℃下げた温度条件で培養する請求項1に記載された、絹又は遺伝子組換え絹様タンパク質の生産方法。
  3. 発現ベクターがT71acプロモーターを含む発現ベクターの中から選択された発現ベクターである、請求項1又は2に記載された、絹又は遺伝子組換え絹様タンパク質の生産方法。
  4. 発現ベクターがpET30aである請求項3に記載された、絹又は遺伝子組換え絹様タンパク質の生産方法。
  5. 前記培地がTB培地である請求項1に記載された、絹又は遺伝子組換え絹様タンパク質の生産方法。
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