JPWO2003091282A1 - ヒスタミン受容体h3常活性変異体およびその利用 - Google Patents
ヒスタミン受容体h3常活性変異体およびその利用 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2003091282A1 JPWO2003091282A1 JP2003587840A JP2003587840A JPWO2003091282A1 JP WO2003091282 A1 JPWO2003091282 A1 JP WO2003091282A1 JP 2003587840 A JP2003587840 A JP 2003587840A JP 2003587840 A JP2003587840 A JP 2003587840A JP WO2003091282 A1 JPWO2003091282 A1 JP WO2003091282A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- receptor
- amino acid
- seq
- activity
- normally active
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/94—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving narcotics or drugs or pharmaceuticals, neurotransmitters or associated receptors
- G01N33/9406—Neurotransmitters
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P3/00—Drugs for disorders of the metabolism
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P3/00—Drugs for disorders of the metabolism
- A61P3/04—Anorexiants; Antiobesity agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P3/00—Drugs for disorders of the metabolism
- A61P3/08—Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P43/00—Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P5/00—Drugs for disorders of the endocrine system
- A61P5/48—Drugs for disorders of the endocrine system of the pancreatic hormones
- A61P5/50—Drugs for disorders of the endocrine system of the pancreatic hormones for increasing or potentiating the activity of insulin
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/705—Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
- C07K14/72—Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for hormones
- C07K14/723—G protein coupled receptor, e.g. TSHR-thyrotropin-receptor, LH/hCG receptor, FSH receptor
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2333/00—Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
- G01N2333/435—Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans
- G01N2333/705—Assays involving receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
- G01N2333/72—Assays involving receptors, cell surface antigens or cell surface determinants for hormones
- G01N2333/726—G protein coupled receptor, e.g. TSHR-thyrotropin-receptor, LH/hCG receptor, FSH
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2500/00—Screening for compounds of potential therapeutic value
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Hematology (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Diabetes (AREA)
- Immunology (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Endocrinology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Obesity (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Microbiology (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Pathology (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Emergency Medicine (AREA)
- Child & Adolescent Psychology (AREA)
Abstract
Description
本発明は、ヒスタミン受容体H3常活性変異体およびその利用に関する。
背景技術
多くのホルモンや神経伝達物質は、細胞膜に存在する特異的な受容体を通して生体の機能を調節している。これらの受容体の多くは共役しているグアノシン三リン酸結合蛋白質(G蛋白質)の活性化を通して細胞内のシグナル伝達を行っている。このため、この受容体はG蛋白質共役型受容体(GPCR)と総称されている。あるいは7個の膜貫通領域を有する共通した構造をもっていることから、7回膜貫通型受容体とも総称されている。
G蛋白質共役型受容体は生体の細胞や臓器の各機能細胞表面に存在し、それら生体の細胞や臓器の機能を調節する分子、例えばホルモン、神経伝達物質および生理活性物質等の標的として非常に重要な役割を担っている。このため、G蛋白質共役型受容体は医薬品開発の標的として非常に注目されている。いくつかのG蛋白質共役型受容体は常活性体であることが知られている(Costa,T.et al.,Mol Pharmacol,41,549−560,1992;Lefkowitz,R.et al.,Trends Pharmaco.Sci.,14,303−307,1993)。また、G蛋白質共役型受容体に変異を導入すると、さらに活性が上昇する場合があることが知られている。例えば、G蛋白質共役型受容体の一種であるalB−アドレナリン受容体の常活性変異体が知られている(Kjelsberg,M.A.et al.,J.Biol.Chem.267,1430−33,1992)。また、WO01/77172には、種々のG蛋白質共役型受容体の常活性変異体が開示されている。
また、近年、アンダゴニストの一部にアゴニストの薬理作用と反対の作用を示すもの(インバースアゴニスト)が見出され、G蛋白質共役型受容体を標的とした医薬品候補化合物になりうることが指摘された(Milligan,G.et al.,Trends Pharmaco.Sci.,16,10−13,1995)。G蛋白質共役型受容体にインバースアゴニストが作用すると、G蛋白質共役型受容体のコンフォメーションの変化が生じ、不活性型の割合が増加すると考えられている(Milligan,G.et al.,Trends Pharmaco.Sci.,16,10−13,1995)。
一方、G蛋白質共役型受容体の一種としてヒスタミン受容体H3(H3受容体)が知られている。該受容体をコードする遺伝子は、ヒトをはじめとする種々の生物において報告されている(Lovenberg T.W.et.al.,Molecular Pharmacology,55:1101−1107,1999;Lovenberg T.W.et.al.,Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,293:771−778,2000;Tardivel−Lacombe J.et.al.,Molecular Neuroscience 11:755−759,2000;WO2003004637)。H3受容体遺伝子ノックアウトマウスは、体重、摂食量、血中インスリン量、または、血中レプチン量の増加を呈することが見出されており、H3受容体と体重、摂食量、血中インスリン量、または、血中レプチン量の変化を特徴とする疾患との関連が明らかとなっている(WO2003004637)。また、H3受容体は、天然の状態でも常活性状態にあり、また常活性なコンフォメーションをとりやすいことが報告されている(Morisset,S.et al.,Nature,408,860−864,2000)。しかしながら、これまでに、H3受容体の常活性変異体についての報告例は皆無である。
発明の開示
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、H3受容体の常活性変異体を作製し、該常活性変異体を用いた医薬品候補化合物のスクリーニング方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った。7回膜貫通型G蛋白質共役型受容体の内部ドメイン3はG蛋白質の結合または受容体の活性に重要でありよく保存されている。H3受容体はG蛋白質共役型受容体の一種であり、同様にこの領域は保存されていた。そこで、H3受容体の常活性変異体の作製を試みた。まず、PCR法を用いてマウスH3受容体cDNAにおける該領域をコードする配列に点変異を導入し、MT1、MT2、MT3、MT5、および、MT6クローンを作製した。次いで、ワイルドタイプのマウスH3受容体cDNAおよび5つの変異型マウスH3受容体cDNAをそれぞれHEK293細胞株にトランスフェクションした。次いで、ELISA法によってcAMP量の測定を行った。検討の結果、10μMフォルスコリン存在下、すべてのクローンでヒスタミンにより用量依存的にcAMP量が減少することを見出した。また、10μMフォルスコリン存在下、H3インバースアゴニストであるチオペラミドにより用量依存的にcAMP量が増加することを見出した。さらに、cAMP量はMT1クローンを除き、天然型H3受容体に比べ増加することを見出した。以上の結果は、本発明者らが、非常に強い常活性をもつ変異型H3受容体の作製に成功したことを示すものである。また、H3受容体の常活性変異体を用いることにより、H3受容体のインバースアゴニストなどの医薬品候補化合物をより容易に、かつ、効率的にスクリーニングすることができることを示すものである。
即ち、本発明は、
〔1〕H3受容体の常活性変異体、
〔2〕H3受容体の内部ドメイン3のC末端側に存在する活性化調節部位の少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換した、〔1〕に記載の常活性変異体、
〔3〕配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列における352番目、353番目、354番目または357番目の少なくとも一つの部位に相当する部位のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換した、〔1〕または〔2〕に記載の常活性変異体、
〔4〕H3受容体の活性化調節部位のアミノ酸残基の置換が、下記(a)または(b)である、〔1〕または〔2〕に記載の常活性変異体、
(a)ヒトH3受容体において、RDRKVAKから、KDHKVLK、RARKVAK、RDRKVIK、または、RDRKVKKへの置換
(b)マウス、ラットまたはモルモットH3受容体において、RDKKVAKから、KDHKVLK、RAKKVAK、RDKKVIK、もしくは、RDKKVKKへの置換
〔5〕下記(a)〜(c)の少なくとも一つに記載のアミノ酸置換を含む、〔1〕または〔2〕に記載の常活性変異体、
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において少なくとも、357番目のAからKまたはIへの置換
(b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において少なくとも、353番目のDからAへの置換
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において少なくとも、352番目のRからK、354番目のKからH、および、357番目のAからLへの置換
〔6〕下記(a)〜(c)の少なくとも一つに記載のアミノ酸置換を含む、〔1〕または〔2〕に記載の常活性変異体、
(a)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において少なくとも、357番目のAからKまたはIへの置換
(b)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において少なくとも、353番目のDからAへの置換
(c)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において少なくとも、352番目のRからK、354番目のKからH、および、357番目のAからLへの置換
〔7〕〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の常活性変異体をコードするDNA、
〔8〕〔7〕に記載のDNAが挿入されたベクター、
〔9〕〔7〕に記載のDNAまたは〔8〕に記載のベクターを保持する形質転換細胞、
〔10〕被験化合物がH3受容体の常活性変異体の活性を変化させるか否かを評価する方法であって、
(a)H3受容体の常活性変異体を発現している細胞に被験化合物を接触させる工程、
(b)該細胞における常活性変異体の活性を検出する工程、
を含み、上記活性が、被験化合物を接触させないときに比べ増加または減少している場合に、被験化合物が、上記常活性変異体の活性を変化させると判定される方法、
〔11〕cAMP濃度の変化、カルシウム濃度の変化、G蛋白質の活性の変化、ホスホリパーゼCの活性の変化、または、pHの変化を指標に常活性変異体の活性を検出する、〔10〕に記載の方法、
〔12〕以下の(a)および(b)の工程を含む、H3受容体の常活性変異体の活性を変化させる医薬品候補化合物のスクリーニング方法、
(a)〔10〕または〔11〕に記載の方法により、複数の被験化合物について、H3受容体の常活性変異体の活性を変化させるか否かを評価する工程
(b)複数の被験化合物から、該常活性変異体の活性を変化させると評価された化合物を選択する工程
〔13〕医薬品候補化合物がH3受容体のインバースアゴニストである、〔12〕に記載の方法、
を提供するものである。
H3受容体は、常活性体であることが知られている。これに対し、本発明者らは、天然型常活性体と比較して、さらに活性が上昇しているH3受容体の常活性変異体を作製した。さらに、該常活性変異体を用いることにより、医薬品候補化合物をより容易に、かつ、効率的にスクリーニングできることを見出した。本発明は、これらの知見に基づくものである。
本発明は、H3受容体の常活性変異体を提供する。本発明におけるH3受容体の常活性変異体は、好ましくは実質的に精製されたものである。本発明において、「実質的に精製された」とは、外部の環境から切り離されて、他の成分が多くとも40%、好ましくは25%、より好ましくは10%以下であることを意味する。また、本発明において、「常活性」とは、リガンドの非存在下での活性(リガンド非存在下でも活性を有する状態)を意味する。
本発明の常活性変異体において、その変異部位、変異タイプ、変異数に特に制限はないが、変異部位は、H3受容体の内部ドメイン3のC末端側の活性化調節部位に存在することが好ましい。また、変異タイプとしては、置換変異、欠失変異、挿入変異などが例示できるが、好ましくは置換変異である。このような変異を有する常活性変異体としては、例えばH3受容体の内部ドメイン3のC末端側に存在する活性化調節部位の少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換した常活性変異体が挙げられる。より具体的には、活性化調節部位が、KDHKVLK(配列番号:4)、RARKVAK(配列番号:5)、RDRKVIK(配列番号:6)、RDRKVKK(配列番号:7)、RAKKVAK(配列番号:8)、RDKKVIK(配列番号:9)、または、RDKKVKK(配列番号:10)配列である常活性変異体が例示できるが、本発明の常活性変異体における活性化調節部位の配列としては、これら配列に限定されるものではない。
また、本発明のH3受容体の常活性変異体としては、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列における352番目、353番目、354番目または357番目の少なくとも一つの部位に相当する部位のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換した常活性変異体が例示できるが、これらの常活性変異体に限定されるものではない。例えば、上記部位に加え、さらに、その他の部位にも変異が生じている常活性変異体もまた、本発明の常活性変異体に含まれる。
本発明において、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列における352番目、353番目、354番目または357番目に相当する部位としては、例えば、ラットH3受容体(Q9QYN8)では、マウスやヒトH3受容体と同様に352番目、353番目、354番目または357番目のアミノ酸部位である。
また、本発明のH3受容体の常活性変異体としては、好ましくは、ヒト、マウス、ラットまたはモルモット(ギニアピッグ)H3受容体の常活性変異体であるが、該常活性変異体が由来する生物種は特に制限されない。
本発明におけるヒトH3受容体とは、RDRKVAK配列(配列番号:11)を有するH3受容体を意味する。本発明におけるヒトH3受容体の具体例としては、445AAのQ9Y5N1(配列番号:3)、453AAのBAB20090、および、365AAのAAK50040などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、本発明におけるマウス、ラットまたはモルモットH3受容体とは、RDKKVAK配列(配列番号:12)を有するH3受容体を意味する。具体的には、マウスH3受容体として配列番号:1に記載のアミノ酸配列を有するH3受容体、ラットH3受容体として445AAのQ9QYN8、449AAのBAA88765、4137AAのBAA88767、および、397AAのBAA88768、モルモットH3受容体として445AAのQ9JI35が例示できるが、これらに限定されるものではない。上記の具体的な配列を有するH3受容体が、全て同様の構造的特徴、活性、および、活性化調節部位の配列(ヒトではRDRKVAK(配列番号:11)、マウス、ラットおよびモルモットではRDKKVAK(配列番号:12))を有することが報告されている。
また、本発明におけるヒトH3受容体の常活性変異体の活性化調節部位の配列は、KDHKVLK(配列番号:4)、RARKVAK(配列番号:5)、RDRKVIK(配列番号:6)、または、RDRKVKK(配列番号:7)であることが好ましいが、これらの配列に限定されるものではない。また、本発明におけるマウス、ラットおよびモルモットH3受容体の常活性変異体の活性化調節部位の配列は、KDHKVLK(配列番号:4)、RAKKVAK(配列番号:8)、RDKKVIK(配列番号:9)、または、RDKKVKK(配列番号:10)であることが好ましいが、これらの配列に限定されるものではない。
本発明におけるマウスH3受容体の常活性変異体としては、好ましくは、配列番号:1に記載のアミノ酸配列における357番目のAがKまたはIに置換した常活性変異体、353番目のDがAに置換した常活性変異体、または、352番目のRがK、354番目のKがH、および、357番目のAがLに置換した常活性変異体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、上記置換変異の組み合わせが多数考え得る。
また、ヒトH3受容体の常活性変異体としては、好ましくは、配列番号:3に記載のアミノ酸配列における357番目のAがKまたはIに置換した常活性変異体、353番目のDがAに置換した常活性変異体、または、352番目のRがK、354番目のKがH、および、357番目のAがLに置換した常活性変異体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、上記置換変異の組み合わせが多数考え得る。
本発明のH3受容体の常活性変異体は、例えば、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質と機能的に同等な蛋白質をコードするDNAに対し、該蛋白質の活性がより上昇するような変異を導入することで作製することができる。
「配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質と機能的に同等な蛋白質をコードするDNA」としては、例えば、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質の変異体、アレル、バリアント、ホモログ等をコードするDNAが含まれる。ここで「機能的に同等」とは、対象となる蛋白質が、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質と同等の生物学的機能(役割)や生化学的機能(性質)を有することを指す。本発明において、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質の生物学的機能(役割)としては、例えば、細胞内シグナル伝達機能(例えば、cAMP濃度の変化、カルシウム濃度の変化、G蛋白質の活性の変化、ホスホリパーゼCの活性の変化、または、pHの変化)、または、体重、摂食量、血中インスリン量、もしくは、血中レプチン量を制御する機能が挙げられる。また、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質の生化学的機能(性質)としては、ヒスタミンやそのアナログなどと結合する性質が挙げられる。
このような蛋白質をコードするDNAとしては、ヒト(PCT/JP99/07280、Lovenberg T.W.et.al.,Molecular Pharmacology,55:1101−1107,1999)、ラット(PCT/JP99/07280、Lovenberg T.W.et.al.,Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,293:771−778,2000)、ギニアピッグ(Tardivel−Lacombe J.et.al.,Molecular Neuroscience 11:755−759,2000)、マウス(WO2003004637)由来のDNAが知られており、すでにその配列が開示されている。
その他の配列を有するDNAを調製するためには、例えば、当業者であれば、部位特異的変異誘発法(Gotoh,T.et al.,Gene 152,271−275,1995;Zoller,MJ,and Smith,M.Methods Enzymol.100,468−500,1983;Kramer,W.et al.,Nucleic Acids Res.12,9441−9456,1984;Kramer W,and Fritz HJ Methods.Enzymol.154,350−367,1987;Kunkel,TA.Proc Natl Acad Sci USA.82,488−492,1985;Kunkel Methods Enzymol.85,2763−2766,1988)、ダブルプライマー法(Zoller,M.J.and Smith,M.,Methods Enzymol.154,329−350,1987)、カセット変異法(Wells,et al.,Gene 34,315−23,1985)、メガプライマー法(Sarkar,G.and Sommer,S.S.,Biotechniques 8,404−407,1990)などを用いて、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質をコードするDNAに適宜変異を導入することにより、該蛋白質と機能的に同等な蛋白質をコードするDNAを調製することができる。また、アミノ酸の変異は自然界においても生じうる。なお、変異するアミノ酸数は、通常、30アミノ酸以内であり、好ましくは15アミノ酸以内であり、さらに好ましくは5アミノ酸以内(例えば、3アミノ酸以内)である。
また、ある蛋白質と機能的に同等な蛋白質をコードするDNAを調製する当業者によく知られた他の方法としては、ハイブリダイゼーション技術(Sambrook,J et al.,Molecular Cloning 2nd ed.,9.47−9.58,Cold Spring Harbor Lab.press,1989)を利用する方法が挙げられる。即ち、当業者においては、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質をコードするDNA配列(例えば配列番号:2)もしくはその一部を利用して、これと相同性の高いDNAを単離すること、さらに、該DNAから配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質と機能的に同等な蛋白質を単離することは、周知の技術である。
配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質と機能的に同等な蛋白質をコードするDNAを単離するためのハイブリダイゼーションの条件は、当業者であれば適宜選択することができる。ハイブリダイゼーションの条件としては、例えば、低ストリンジェントな条件が挙げられる。低ストリンジェントな条件とは、ハイブリダイゼーション後の洗浄において、例えば42℃、2×SSC、0.1%SDSの条件であり、好ましくは50℃、2×SSC、0.1%SDSの条件である。より好ましいハイブリダイゼーションの条件としては、高ストリンジェントな条件が挙げられる。高ストリンジェントな条件とは、例えば65℃、0.1×SSC及び0.1%SDSの条件である。これらの条件において、温度を上げる程に高い相同性を有するDNAが効率的に得られることが期待できる。但し、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度や塩濃度など複数の要素が考えられ、当業者であればこれら要素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
また、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質をコードするDNA(例えば配列番号:2)の配列情報を基に合成したプライマーを用いる遺伝子増幅法、例えば、PCR法を利用して、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質と機能的に同等な蛋白質をコードするDNAを単離することも可能である。
これらハイブリダイゼーション技術や遺伝子増幅技術により単離されるDNAがコードする、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質と機能的に同等な蛋白質は、通常、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質とアミノ酸配列において高い相同性を有する。高い相同性とは、アミノ酸レベルにおいて、通常、少なくとも50%以上の同一性、好ましくは75%以上の同一性、さらに好ましくは85%以上の同一性、さらに好ましくは95%以上の同一性を指す。
アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、例えばKarlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5877,1993)によって決定することができる。このアルゴリズムに基づいて、BLASTNやBLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul et al.J.Mol.Biol.215:403−410,1990)。BLASTに基づいてBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore=100、wordlength=12とする。また、BLASTに基づいてBLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)。
また、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質と機能的に同等な蛋白質をコードするDNAとしては、cDNA、ゲノムDNAの他、合成DNAも含まれる。cDNAは、例えば、配列番号:2に記載のcDNAあるいはその断片、それらに相補的なDNA又はRNA、または該cDNAの配列の一部を含む合成オリゴヌクレオチドを32Pなどで標識し、配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質と機能的に同等な蛋白質をコードするDNAが発現している組織(例えば、脳、視床、視床下部)由来のcDNAライブラリーにハイブリダイズさせることによりスクリーニングすることができる。あるいは、cDNAの塩基配列に対応するオリゴヌクレオチドを合成し、適当な組織(例えば、脳、視床、視床下部)由来のcDNAを鋳型にPCR反応により増幅し、クローニングすることもできる。ゲノムDNAは、例えば、配列番号:2に記載のcDNAあるいはその断片、それらに相補的なDNA又はRNA、または該cDNAの配列の一部を含む合成オリゴヌクレオチドを32Pなどで標識し、ゲノムDNAライブラリーにハイブリダイズさせることによりスクリーニングすることができる。あるいは、cDNAの塩基配列に対応するオリゴヌクレオチドを合成し、ゲノムDNAを鋳型にPCR反応により増幅し、クローニングすることもできる。一方、合成DNAは、例えば、配列番号:2に記載のcDNAの部分配列を持つオリゴヌクレオチドを化学合成し、アニーリングさせて二本鎖にし、DNAリガーゼで結合させることにより調製することができる(Khorana,H.G.et al.,J.Biol.Chem.251,565−570,1976;Goeddel D.V.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76,106−10,1979)。
本発明においては、このようにして得られた配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列を含む蛋白質と機能的に同等な蛋白質をコードするDNAに対し、該蛋白質の活性がより上昇するような変異を導入する。DNAに変異が導入された結果、アミノ酸が変異する部位としては、好ましくは配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列における352番目、353番目、354番目または357番目の少なくとも一つの部位に相当する部位であるが、これら部位に限定されるものではない。また、変異タイプとしては、好ましくはアミノ酸置換を伴うタイプが挙げられるが、これに制限されず、具体的には、例えばアミノ酸の欠失、挿入を伴うタイプが挙げられる。
このようにして得られたH3受容体の常活性変異体をコードするDNAから該常活性変異体を調製することは、当業者に周知の方法で実施することができる。
また、本発明は上記H3受容体の常活性変異体をコードするDNAを提供する。本発明のDNAは、好ましくは単離されたものである。ここで「単離された」とは、本来の環境から取り出され、実質的に精製されている状態を意味する。
このようなDNAは、組換え蛋白質の生産に有用である。即ち、上記常活性変異体をコードするDNAを適当な発現ベクターに挿入し、該ベクターを適当な細胞に導入して得た形質転換体を培養し、発現させた蛋白質を精製することにより、本発明の常活性変異体を調製することが可能である。また、本発明の常活性変異体は受容体であるため、細胞膜に発現させて調製することが可能である。
具体的には、宿主が大腸菌エシェリシア・コリ(Escherichia coli)の場合、プラスミドベクターpET−3(Rosenberg,A.H.et al.,Gene 56,125−35,1987)、pGEX−1(Smith,D.B.and Johnson,K.S.,Gene 67,31−40,1988)などが用いられる。大腸菌の形質転換は、Hanahan法(Hanahan,D.,J.Mol.Biol.166,557−580,1983)、電気穿孔法(Dower,W.J.et al.,Nucl.Acids Res.16,6127−6145,1988)などで行う。宿主が分裂酵母シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)の場合には、プラスミドベクターpESP−1(Lu,Q.et al.,Gene 200,135−144,1997)などが用いられる。酵母の形質転換は、例えば、スフェロプラスト法(Beach,D.and Nurse,P.,Nature 290,140,1981)、酢酸リチウム法(Okazaki,K.et al.,Nucleic Acids Res.18,6485−6489,1990)などにより行なわれる。
一方、宿主がほ乳動物細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣由来細胞CHO、ヒトHeLa細胞などの場合、pMSG(クロンテク社)などのベクターが用いられる。また、HEK293細胞の場合、pcDNA3.1(+)が用いられる。ほ乳動物細胞への組換えDNAの導入は、リン酸カルシウム法(Graham,F.L.and van derEb,A.J.,Virology 52,456−467,1973)、DEAE−デキストラン法(Sussman,D.J.and Milman,G.,Mol.Cell.Biol.4,1641−1643,1984)、リポフェクション法(Felgner,P.L.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,7413−7417,1987)、電気穿孔法(Neumann,E.et al.,EMBO J.1,841−845,1982)などで行われる。
宿主が昆虫細胞の場合には、バキュロウイルスベクターpBacPAK8/9(クロンテク社)などが用いられる。昆虫細胞の形質転換は、例えば、バイオ/テクノロジー(Bio/Technology,6,47−55,1980)などに記載の方法に従って行なうことができる。
宿主細胞において発現させた組換え蛋白質は、公知の方法により精製することができる。また、例えば、N末端にヒスチジン残基のタグ、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)などを結合した融合蛋白質の形で合成し、金属キレート樹脂、GST親和性レジンに結合させることにより精製することができる(Smith,M.C.et al.,J.Biol.Chem.263,7211−7215,1988)。例えば、ベクターとしてpESP−1を用いた場合、目的の蛋白質は、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)との融合蛋白質として合成されるため、GST親和性レジンに結合させることより組換え蛋白質を精製できる。融合蛋白質から目的蛋白質を分離するには、例えば、トロンビン、血液凝固因子Xaなどで切断する。
また、本発明は、被験化合物が本発明の常活性変異体の活性を変化させるか否かを評価する方法を提供する。本方法においては、まず、本発明の常活性変異体を発現している細胞に被験化合物を接触させる。本方法に用いる被験化合物としては、特に制限はない。例えば、天然化合物、有機化合物、無機化合物、蛋白質、ペプチド、ヌクレオチドなどの単一化合物、並びに、化合物ライブラリー、遺伝子ライブラリーの発現産物、細胞抽出物、細胞培養上清、発酵微生物産生物、海洋生物抽出物、植物抽出物、リガンドが存在していることが予想される組織もしくは細胞(例えば、脳、視床、視床下部)の抽出液、等が挙げられるが、それらに限定されない。
また、本発明の常活性変異体を発現している細胞は、例えば、本発明の常活性変異体をコードするDNAを含むベクターを細胞(例えば、HEK293)に導入することで作製できる。ベクターの細胞への導入は、一般的な方法、例えば、リン酸カルシウム沈殿法、電気パルス穿孔法、リポフェタミン法、マイクロインジェクション法等によって実施することができる。
また、本発明において「接触」は、例えば、細胞の培養液に被験化合物を添加することにより行うことができる。被験化合物が蛋白質の場合には、例えば、該蛋白質をコードするDNAを含むベクターを、常活性変異体が発現している細胞へ導入することも可能である。
本方法においては、次いで、細胞における常活性変異体の活性を検出する。常活性変異体の活性は、例えば、細胞内シグナル伝達(例えば、cAMP濃度の変化、カルシウム濃度の変化、G蛋白質の活性の変化、ホスホリパーゼCの活性の変化、または、pHの変化)を指標に検出することができる。細胞内シグナル伝達を指標とした常活性変異体の活性の検出は、当業者であれば、周知の方法により実施することができる。本方法においては、上記活性が、被験化合物を接触させないときに比べ増加または減少している場合に、被験化合物が、上記常活性変異体の活性を変化させると判定される。
すでに、H3受容体遺伝子ノックアウトマウスは、体重、摂食量、血中インスリン量、または、血中レプチン量の増加を呈することが見出されている。従って、上記化合物は、体重、摂食量、血中インスリン量、または、血中レプチン量の変化(増加もしくは減少)を特徴とする疾患の治療または予防のための医薬品になりうる。
また、上記評価方法を利用することにより、複数の被験化合物について、常活性変異体の活性を変化させる医薬品候補化合物をスクリーニングすることが可能となる。該医薬品候補化合物としては、H3受容体のアゴニスト、アンタゴニストおよびインバースアゴニスト(受容体と結合することにより、アゴニストの薬理作用と反対の作用を発現する反作用薬)などが例示できるが、これらに限定されるものではない。本発明におけるアゴニストおよびインバースアゴニストには、完全活性を有するものだけでなく、部分活性を有するものも包含される。本発明のスクリーニング方法は、これら種々の医薬品候補化合物のうち、特にH3受容体のインバースアゴニストをスクリーニングすることにおいて、より有効な方法である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
7回膜貫通型G蛋白質結合受容体の内部ドメイン3(internal domain 3)はG蛋白質の結合また受容体の活性に重要でありよく保存されている。H3受容体はG蛋白質共役型受容体の一種であり同様にこの領域は保存されていた。そこでPCR法を用いてマウスH3受容体cDNAおよびヒトH3受容体cDNAにおける該領域をコードする配列に点変異を導入し、マウスH3受容体およびヒトH3受容体の常活性変異体の作製を試みた。
具体的には、まず、アミノ酸変異のデザインを考えた(図1)。次いで、マウスH3受容体cDNA(発現ベクターpcDNA3.1(+))を鋳型にプライマー722F(5’−AGA ACC CCC ACC TGA TGC−3’(配列番号:19))および1338R(5’−TCA CTT CCA GCA CTG CTC CAG G−3’(配列番号:20))、並びに、683F(5’−GCA CTC GTC TTC GGC TGG ATG−3’(配列番号:21))およびMT1(5’−CGA CTT GAG TAC CTT CTT GTC−3’(配列番号:22))、MT2(5’−CGA CTT GAG TAC CTT GTG GTC CTT CGA CAG CCG−3’(配列番号:23))、MT3(5’−CTT CTT GGC CCG CGA CAG CCG−3’(配列番号:24))、MT5(5’−CGA CTT GAT TAC CTT CTT GTC−3’(配列番号:25))、または、MT6(5’−CGA CTT CTT TAC CTT CTT GTC CCG−3’(配列番号:26))を用いてそれぞれPCRを行った。サイクルコンディションは94℃15秒、55℃30秒、72℃30秒を25回繰り返した。次いで、それぞれのPCR反応により得られた断片を鋳型にプライマー683Fおよび1338Rを用いて2回目のPCRを行った。サイクルコンディションは94℃15秒、55℃30秒、72℃30秒を25回繰り返した。2回目のPCRによって生成した断片(656bp)をpCR2.1−TOPOにクローニングした。点変異が導入されることによりMT1、MT5、および、MT6のBstXIサイトがMT2およびMT3のBsmFIサイトがそれぞれ消失したことを確認した。さらにシークエンスにより点変異の導入を確認した。次いで、点変異を含むAor51HI−SfiI断片(174bp)をマウスH3受容体cDNAにクローニングした。PCR反応はすべてExpand high fidelity PCR system(Boehringer mannheim)を使用した。
変異DNA断片をシークエンスし、点変異が導入されたことを確認した後に、Aor51HI−SfiI断片をワイルドタイプのマウスH3受容体cDNA(発現ベクターpcDNA3.1(+))にクローニングした。以上の方法によりMT1、MT2、MT3、MT5、および、MT6クローンを作製した(図2)。
ワイルドタイプのマウスH3受容体cDNAおよび5つの変異型マウスH3受容体cDNAをそれぞれHEK293細胞株にトランスフェクションし、G418選別を行いそれぞれのステーブルクローン(stable clone)を得た。ノーザン解析により発現量のチェックを行い、同程度の発現量をもつステーブルクローンを実験に用いた。
同様な方法で、ヒトH3受容体の常活性変異体を作製し(図3)、該変異体を発現するクローンが得られる。
[実施例2]
H3受容体はGi結合型のG蛋白質共役型受容体であるので、ELISA法によってcAMP量の測定を行った。具体的には、試験前日24−ウエルプレートに1ウエルあたり105細胞を培養した。試験当日、非血清存在下で15分間培養した後、0.5mM IBMXで15分間処理した。フォルスコリン(10μM)、ヒスタミン(10−11M〜10−6M)、チオペラミド(10−10M〜10−5M)をそれぞれ加え15分間処理した。cAMP測定にはcAMP enzymeimmunoassay(EIA)system(amersham)を用いた。キットに添付されている溶解試薬1B 150μlで細胞を破砕した。そのうち5μlのセルライセート(celllysate)とウサギ抗cAMP抗体を抗体固相化プレート中、4℃で2時間静置して反応させた。さらに酵素標識抗体を加え、4℃で1時間静置して反応させた。プレートを緩衝液で洗浄し酵素基質溶液を加え室温で約30分間静置して反応させた。1N硫酸で反応を停止させ吸光度を測定した。標準曲線用cAMP溶液の吸光度より標準曲線を作成し、cAMP量を算出した。なお、pertussis toxin(PTX)は100ng/mlの終濃度で18時間処理し、同様の実験を行った。検討の結果、10μMフォルスコリン存在下、すべてのクローンでヒスタミンにより用量依存的にcAMP量が減少した(図4)。
[実施例3]
10μMフォルスコリン存在下、H3インバースアゴニストであるチオペラミドにより用量依存的にcAMP量が特にMT6クローンで増加することを見出した(図5)。H3受容体は天然の状態でも常活性状態にあり、また常活性なコンフォメーションをとりやすいことが報告されているが、MT6クローンはワイルドタイプに比べ約5倍もcAMPの増加が観察され非常に強い常活性状態にあることが示唆された。また、チオペラミドによるcAMP量の増加はGi蛋白質経路のものであるかを確かめるためにpertussis toxin(PTX)を100ng/mlの終濃度で18時間処理し、同様の実験を行った。その結果、PTXによりワイルドタイプH3、MT6クローンともにチオペラミドによるcAMPの増加が阻害された。
H3受容体はシナプス前部に存在し、自己受容体としてヒスタミンの放出を調節している。H3受容体は常活性体であり、ヒスタミン非存在下においても、ヒスタミンの放出を減少させる方向に働いている。また、ヒスタミンがH3受容体に結合することで、ヒスタミンの放出をさらに減少させる方向に働く。
シナプス後部にあるH1受容体にヒスタミンが結合すると、食欲を減少させる方向に働く。H1アゴニストは抗肥満薬になりうるが、H1の分布は、ユビキタス(Ubiquitous)であるので目的以外の作用も有する。一方、H3アンタゴニストやインバースアゴニストは、中枢でのみ作用し、ヒスタミンの放出を増やすので、抗肥満薬になり得る。
インバースアゴニストは常活性体に対しても、拮抗的な効果を示す。実際、インバースアゴニストがアンタゴニストより有効であることはすでに指摘されている(Milligan,G.et al.,TiPS,16,10−13,1995)。
本実施例においては、H3受容体の内部ドメイン3をコードする配列にPCR法を用いて点変異を導入することにより非常に強い常活性をもつH3クローンの作製に成功した。このクローンを用いることによりH3受容体のインバースアゴニストなどのスクリーニングがより容易、かつ、効率的になるものと考えられる。
産業上の利用の可能性
本発明者らによって、H3受容体の常活性変異体が作製された。H3受容体の常活性変異体を用いることにより、H3受容体のインバースアゴニストなどの医薬品候補化合物をより容易に、かつ、効率的にスクリーニングすることができる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
図1は、H3受容体の変異の導入を核酸配列で示す図である。m−H3はワイルドタイプのマウスH3受容体を意味する。
図2は、マウスH3受容体の変異の導入をアミノ酸配列で示す図である。
図3は、ヒトH3受容体の変異の導入をアミノ酸配列で示す図である。h−H3はワイルドタイプのヒトH3受容体を意味する。
図4は、H3常活性変異体のヒスタミンに対する応答性を示す図である。
図5は、H3常活性変異体のチオペラミドに対する応答性を示す図である。
Claims (13)
- H3受容体の常活性変異体。
- H3受容体の内部ドメイン3のC末端側に存在する活性化調節部位の少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換した、請求項1に記載の常活性変異体。
- 配列番号:1または配列番号:3に記載のアミノ酸配列における352番目、353番目、354番目または357番目の少なくとも一つの部位に相当する部位のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換した、請求項1または2に記載の常活性変異体。
- H3受容体の活性化調節部位のアミノ酸残基の置換が、下記(a)または(b)である、請求項1または2に記載の常活性変異体。
(a)ヒトH3受容体において、RDRKVAKから、KDHKVLK、RARKVAK、RDRKVIK、または、RDRKVKKへの置換
(b)マウス、ラットまたはモルモットH3受容体において、RDKKVAKから、KDHKVLK、RAKKVAK、RDKKVIK、もしくは、RDKKVKKへの置換 - 下記(a)〜(c)の少なくとも一つに記載のアミノ酸置換を含む、請求項1または2に記載の常活性変異体。
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において少なくとも、357番目のAからKまたはIへの置換
(b)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において少なくとも、353番目のDからAへの置換
(c)配列番号:1に記載のアミノ酸配列において少なくとも、352番目のRからK、354番目のKからH、および、357番目のAからLへの置換 - 下記(a)〜(c)の少なくとも一つに記載のアミノ酸置換を含む、請求項1または2に記載の常活性変異体。
(a)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において少なくとも、357番目のAからKまたはIへの置換
(b)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において少なくとも、353番目のDからAへの置換
(c)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において少なくとも、352番目のRからK、354番目のKからH、および、357番目のAからLへの置換 - 請求項1〜6のいずれかに記載の常活性変異体をコードするDNA。
- 請求項7に記載のDNAが挿入されたベクター。
- 請求項7に記載のDNAまたは請求項8に記載のベクターを保持する形質転換細胞。
- 被験化合物がH3受容体の常活性変異体の活性を変化させるか否かを評価する方法であって、
(a)H3受容体の常活性変異体を発現している細胞に被験化合物を接触させる工程、
(b)該細胞における常活性変異体の活性を検出する工程、
を含み、上記活性が、被験化合物を接触させないときに比べ増加または減少している場合に、被験化合物が、上記常活性変異体の活性を変化させると判定される方法。 - cAMP濃度の変化、カルシウム濃度の変化、G蛋白質の活性の変化、ホスホリパーゼCの活性の変化、または、pHの変化を指標に常活性変異体の活性を検出する、請求項10に記載の方法。
- 以下の(a)および(b)の工程を含む、H3受容体の常活性変異体の活性を変化させる医薬品候補化合物のスクリーニング方法。
(a)請求項10または11に記載の方法により、複数の被験化合物について、H3受容体の常活性変異体の活性を変化させるか否かを評価する工程
(b)複数の被験化合物から、該常活性変異体の活性を変化させると評価された化合物を選択する工程 - 医薬品候補化合物がH3受容体のインバースアゴニストである、請求項12に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002123005 | 2002-04-24 | ||
JP2002123005 | 2002-04-24 | ||
PCT/JP2003/005184 WO2003091282A1 (fr) | 2002-04-24 | 2003-04-23 | Mutant a activite ordinaire du recepteur h3 de l'histamine et utilisation correspondante |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2003091282A1 true JPWO2003091282A1 (ja) | 2005-09-02 |
JP4344928B2 JP4344928B2 (ja) | 2009-10-14 |
Family
ID=29267473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003587840A Expired - Fee Related JP4344928B2 (ja) | 2002-04-24 | 2003-04-23 | ヒスタミン受容体h3常活性変異体およびその利用 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7279293B2 (ja) |
EP (1) | EP1505074A4 (ja) |
JP (1) | JP4344928B2 (ja) |
AU (1) | AU2003227358A1 (ja) |
CA (1) | CA2483701A1 (ja) |
WO (1) | WO2003091282A1 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000189171A (ja) | 1998-12-25 | 2000-07-11 | Banyu Pharmaceut Co Ltd | 新規なグアノシン三リン酸(gtp)結合タンパク質共役型のレセプタ―タンパク質 |
AU2003227358A1 (en) | 2002-04-24 | 2003-11-10 | Banyu Pharmaceutical Co., Ltd. | Histamine receptor h3 ordinary activity mutant and utilization thereof |
DK2121919T3 (da) | 2007-03-22 | 2012-05-21 | Heptares Therapeutics Ltd | Mutante g-proteinkoblede receptorer og fremgangsmåder til udvælgelse heraf |
GB0724051D0 (en) | 2007-12-08 | 2008-01-16 | Medical Res Council | Mutant proteins and methods for producing them |
GB0724860D0 (en) | 2007-12-20 | 2008-01-30 | Heptares Therapeutics Ltd | Screening |
GB0802474D0 (en) | 2008-02-11 | 2008-03-19 | Heptares Therapeutics Ltd | Mutant proteins and methods for selecting them |
GB0910725D0 (en) | 2009-06-22 | 2009-08-05 | Heptares Therapeutics Ltd | Mutant proteins and methods for producing them |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2586562B1 (fr) * | 1985-09-02 | 1989-03-10 | Inst Nat Sante Rech Med | Composition pharmaceutique contenant de l'a-methylhistamine |
US5194596A (en) * | 1989-07-27 | 1993-03-16 | California Biotechnology Inc. | Production of vascular endothelial cell growth factor |
FR2661909B1 (fr) * | 1990-05-09 | 1997-08-14 | Inst Nat Sante Rech Med | Nouveaux composes agonistes du recepteur h3 de l'histamine a usage therapeutique, compositions pharmaceutiques agissant comme agonistes dudit recepteur et procede de preparation. |
US5882893A (en) * | 1997-12-04 | 1999-03-16 | Millennium Pharmaceuticals, Inc. | Nucleic acids encoding muscarinic receptors and uses therefor |
US6093545A (en) * | 1997-12-04 | 2000-07-25 | Millennium Pharmaceuticals, Inc. | Methods for detecting nucleic acid molecules encoding a member of the muscarinic family of receptors |
DE69840303D1 (de) * | 1997-12-26 | 2009-01-15 | Banyu Pharma Co Ltd | Neue g-protein gekoppelte rezeptorproteine |
DE69836873T2 (de) * | 1998-10-07 | 2007-07-05 | Ortho-Mcneil Pharmaceutical, Inc. | Für den menschlichen h3 histamin-rezeptor kodierendes isoliertes dna |
JP2000189171A (ja) * | 1998-12-25 | 2000-07-11 | Banyu Pharmaceut Co Ltd | 新規なグアノシン三リン酸(gtp)結合タンパク質共役型のレセプタ―タンパク質 |
WO2001068816A1 (en) * | 2000-03-13 | 2001-09-20 | Smithkline Beecham Corporation | Human histamine h3 gene variant-3 |
MXPA02009902A (es) | 2000-04-07 | 2003-06-17 | Arena Pharm Inc | Receptores acoplados a proteina g, conocidos, activados constitutivamente, no endogenos. |
JP4292401B2 (ja) | 2001-07-02 | 2009-07-08 | 萬有製薬株式会社 | 体重または摂食量の調節に関与するヒスタミン受容体h3遺伝子の利用 |
AU2003227358A1 (en) | 2002-04-24 | 2003-11-10 | Banyu Pharmaceutical Co., Ltd. | Histamine receptor h3 ordinary activity mutant and utilization thereof |
-
2003
- 2003-04-23 AU AU2003227358A patent/AU2003227358A1/en not_active Abandoned
- 2003-04-23 EP EP03717704A patent/EP1505074A4/en not_active Withdrawn
- 2003-04-23 CA CA002483701A patent/CA2483701A1/en not_active Abandoned
- 2003-04-23 US US10/512,240 patent/US7279293B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2003-04-23 WO PCT/JP2003/005184 patent/WO2003091282A1/ja active Application Filing
- 2003-04-23 JP JP2003587840A patent/JP4344928B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CA2483701A1 (en) | 2003-11-06 |
US20050234223A1 (en) | 2005-10-20 |
EP1505074A1 (en) | 2005-02-09 |
WO2003091282A1 (fr) | 2003-11-06 |
JP4344928B2 (ja) | 2009-10-14 |
AU2003227358A1 (en) | 2003-11-10 |
US7279293B2 (en) | 2007-10-09 |
EP1505074A4 (en) | 2005-12-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Llacer et al. | Translational initiation factor eIF5 replaces eIF1 on the 40S ribosomal subunit to promote start-codon recognition | |
JP6426661B2 (ja) | Gタンパク質共役型受容体変異体及びその選択方法 | |
Hulme et al. | Autoinhibitory control of the CaV1. 2 channel by its proteolytically processed distal C‐terminal domain | |
JP6567291B2 (ja) | 変異体タンパク質とその製造方法 | |
Greasley et al. | Mutagenesis and modelling of the α1b-adrenergic receptor highlight the role of the helix 3/helix 6 interface in receptor activation | |
Low et al. | Molecular determinants of proton-sensitive N-methyl-D-aspartate receptor gating | |
Bertheleme et al. | Loss of constitutive activity is correlated with increased thermostability of the human adenosine A2A receptor | |
Ueta et al. | Ribosomal protein L31 in Escherichia coli contributes to ribosome subunit association and translation, whereas short L31 cleaved by protease 7 reduces both activities | |
Kuenze et al. | Allosteric mechanism for KCNE1 modulation of KCNQ1 potassium channel activation | |
Medina et al. | Localization of the effector-specifying regions of Gi2α and Gqα | |
JP4344928B2 (ja) | ヒスタミン受容体h3常活性変異体およびその利用 | |
JP3519078B2 (ja) | 抗血小板剤スクリーニング方法 | |
Papasergi-Scott et al. | Structures of Ric-8B in complex with Gα protein folding clients reveal isoform specificity mechanisms | |
US20060121460A1 (en) | Toll-like receptor 11 | |
Bhandari et al. | Functional inactivation of the human guanylyl cyclase C receptor: modeling and mutation of the protein kinase-like domain | |
JP2019037197A (ja) | ロースト様香料素材のスクリーニング方法 | |
Zuber et al. | Identification of destabilizing and stabilizing mutations of Ste2p, a G protein-coupled receptor in Saccharomyces cerevisiae | |
US7491523B2 (en) | Voltage-dependent calcium channel beta subunit functional core | |
JP4828896B2 (ja) | 変異型hergチャネル発現細胞およびその用途 | |
WO2020175562A1 (ja) | ナトリウムの作用を調節する物質のスクリーニング方法 | |
GB2364057A (en) | G protein coupled receptor | |
JP2002238578A (ja) | ラットedg7受容体 | |
JP2001029083A (ja) | 新規なg蛋白質共役型レセプター | |
JP2004049043A (ja) | Gpcr遺伝子の単離方法及び新規gpcr遺伝子 | |
JP2000157275A (ja) | 高度好熱菌リボソームリサイクリングファクター遺伝子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060327 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081105 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081225 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090316 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090415 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20090526 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20090616 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090617 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090630 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120724 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |