JPWO2003087907A1 - 光ファイバーアレイ - Google Patents
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Abstract
基板に所定の間隔で形成した複数の貫通孔に、光ファイバーを整列固定してなる光ファイバーアレイにおいて、前記貫通孔は光ファイバーの位置決め部とこの位置決め部よりも大径の保持部とからなる構成とした。また、複数の光ファイバーを該光ファイバーの軸を互いに平行に位置決めされかつ所定間隔に整列固定する光ファイバーアレイにおいて、該光ファイバー用アレイが複数の貫通孔を有し前記光ファイバーを前記貫通孔に挿入整列させた後に端面を仕上げる端部基板と、前記光ファイバーを支持する支持基板と、前記段部基板と前記支持基板に所定の間隔を持たせ対向させるスペーサとからなるよう構成した。
Description
技術分野
本発明は光伝送用途で、光スイッチ、光クロスコネクト、光アドドロップモジュール、プロテクションスイッチ等に組み込まれる光ファイバーが高精度に2次元配置された光ファイバーアレイに関する。
背景技術
光通信においては、ファイバーの複数本数の配線要求から、2次元配列のファイバーアレイを用いるようになった。当初は、基板に複数個の微細な穴を開口しファイバーを接着固定するアレイが用いられていた。
さらに、高密度・高精度な光配線要求(これらの光ファイバーアレイに形成する光ファイバー固定用の貫通穴の径は125〜130μm、ピッチ精度は、±数μmが要求される)から、当初の基板に複数の穴を開口する方法では、微細な深穴を高精度に空ける技術が伴わなかったため、基板にV溝を加工したアレイを積み重ねる方式に切り替わってきた。
特開平6−265736号公報には、V溝を用いて、端面において光ファイバーが高精度に2次元配列された光ファイバーアレイが記載されている。ここでは、所定の間隔で基板表面に設けられたV溝に光ファイバーをセットし、上から押え板でファイバーを固定したユニットを上下方向に多段に積み上げることにより2次元状に光ファイバーを配列する光ファイバーアレイが提案されている。
また、1993年に開催された電子情報学会春季大会の論文(高密度2次元ファイバーアレイの試作)では、マイクロキャピラリー内に光ファイバーを挿通し、このマイクロキャピラリーを多数本束ねて金属板などで周囲を固定することで、2次元状に光ファイバーを配列した光ファイバーアレイとする提案が成されている。
また、特表2002−506535号公報には、光ファイバーの先端を円錐または角錐に研磨し、精密に穴位置を加工した治具に挿入突き当てることによりファイバー中心の位置精度を確保する方法が提案されている。
更に、特開2002−365465号公報には、基板に光ファイバーのクラッド層よりも若干大径の狭いセクションと、この狭いセクションに光ファイバーを導くテーパ状の広いセクションを形成し、光ファイバー先端のバッファ層を剥離して中心にコア層を有するクラッド層を剥き出しにし、このクラッド層を前記狭いセクションに挿入するとともに、前記広いセクション内にはエポキシ樹脂等を充填し、光ファイバーを所定位置に固定する方法が提案されている。
最近では、光伝送の更なる高速化・高集積化が要求され、これに合わせて光ファイバーアレイも64本あるいは100本以上の光ファイバーを2次元状に配列した多チャンネル化したものが求められるようになってきている。
しかも小型化からの要求から、穴芯ピッチは250μmから1300μm、ピッチ精度は、±2μmが要求される。
また、ファイバーから発せられた光線は距離をおいたレンズアレイなどへ正確に届く必要が出てきており、光ファイバー中心の位置のみならず、ファイバー軸の平行性も必要となっている。
このような仕様に対して、特開平6−265736号公報に開示されるような、シリコン基板に機械加工でV溝形成するのは、精度上極めて困難である。しかも基板を上下方向に積層した場合には、積層による左右方向のズレも生じてしまう。特に、ピッチが250μmから1300μmのように高密度構成を得るのは困難である。
また、マイクロキャピラリー内に光ファイバーを挿通して束ねる方法にあっては、マイクロキャピラリーの肉厚を均一にしないと光ファイバーの芯間隔がずれてしまう。芯ズレを起こさないような均一な肉厚のマイクロキャピラリーを製造するのは極めて困難であり、またマイクロキャピラリー内に光ファイバーを挿通する作業も面倒で、接着剤等による高精度の位置決めも非常に難しい。
更に、マイクロキャピラリー等のセラミック製品の材料は、ジルコニアを用いる場合が多く、ジルコニアは焼成時の収縮が大きく寸法誤差が生じるという問題もある。
また、特表2002−506535号公報のように、光ファイバーを円錐または角錐の加工し治具に突き当てる方法では、光ファイバーの加工コスト高、および治具背面にクリアランスがあることが予想され、先端ファイバーの中心位置は確保できても光ファイバーの軸の互いの平行度は確保できない。
同様の問題が特開2002−365465号公報に開示される方法にも言える。本発明は、光ファイバーを高精度に配置し光ファイバーの軸の平行性に優れた光ファイバーアレイを提供することを目的とする。
発明の開示
上記課題を解決するために第1発明は、基板に所定の間隔で形成した複数の貫通孔に、光ファイバーを整列固定してなる光ファイバーアレイにおいて、前記貫通孔は光ファイバーの位置決め部とこの位置決め部よりも大径の保持部とからなる構成とした。
光ファイバーが挿入される貫通孔を、高精度に加工された光ファイバー位置決め部と、光ファイバーを支える保持部とで構成することにより、光ファイバーの配置が高精度に行える。
前記位置決め部の基板厚み方向の長さを少なくとも0.3mmとし、この位置決め部の径を光ファイバーの直径に対して0.2μm〜1.4μm大きくし、また前記保持部の径を光ファイバーの直径に対して1μm〜30μm大きくすることで、精度が必要とされる位置決め部を高精度に加工でき、しかも光ファイバーを確実に保持することができる。
前記基板として、厚さが0.3mmから1.5mmのシリコン単結晶を選定することができる。このようにすることで、フォトリソグラフィ技術を利用して、±1μm以上の芯ピッチを容易に出せ、一度に大量に処理できコスト的に有利になる。
また前記基板として、厚さが0.3mmから1.5mmの多結晶セラミックスを選定することができる。このようにすることで、硬度・曲げ強度・靭性が大きく、耐食性もあり、長期の高信頼性が得られる。
また、第2発明は、複数の光ファイバーを該光ファイバーの軸を互いに平行に位置決めして所定間隔に整列固定する光ファイバーアレイにおいて、この光ファイバーアレイは、端面が仕上げ加工された光ファイバーの端部を支持する端部基板と、光ファイバーの端部から離れた箇所を支持する支持基板と、前記端部基板と前記支持基板に所定の間隔を持たせ対向させるスペーサとからなる構成とした。
このように、端部基板と支持基板をスペーサにより一定の距離を持って構成することにより、光ファイバーの配置及び光ファイバー軸の平行度が高精度になる。
上記第2発明において、端部基板に形成した貫通孔と前記光ファイバーとのクリアランスを0.2μmから1.4μmとし、前記支持基板に形成した貫通孔と前記光ファイバーとのクリアランスを0.2μmから6μm、好ましくは0.2μmから2μmとすることが好ましい。
斯かる構成とすることで光ファイバーを挿入する際にスムーズに挿入可能で、精度を必要とされる端部では精度よく位置決めができ、しかもスペーサにより距離が保たれるので光ファイバーの軸の平行性を確実に保持することができる。スペーサの材質は熱膨張係が前記基板に近似したものが好ましい。
前記端部基板および前記支持基板を、厚みが0.15mmから1mmの多結晶セラミックとすることで、硬度・曲げ強度・靭性が大きく、耐食性もあり、長期の高信頼性が得られる。
また、前記端部基板および前記支持基板を、厚みが0.15mmから1mmのシリコン単結晶とすることで、フォトリソグラフィ技術を利用して、±1μm以内の芯ピッチを容易に出せ、同じ穴位置で画描後穴位置のみ端部用・支持用2種類の穴寸法でマスクを製作した基板を対で使用することにより、平行性は極めて向上し、一度に大量に処理できるため安価となる。この場合、貫通穴は円形に限らず、対辺寸法を所定クリアランスとした角穴でもかまわない。
また、基板は同じフォトリソマスクを径のみ変更した物で製作することがもっとも光ファイバーの軸の平行性を確保するのに有効である。
また、前記スペーサが光ファイバーを接着する接着剤の流入口を除いて閉塞している構成とすることができる。スペーサ内には接着剤が入れられるので、接着剤が漏れないように閉塞させておくのが望ましい。
また、上記の光ファイバーアレイの貫通孔に光ファイバーを挿入し、少なくとも前記端部基板および前記支持基板に該光ファイバーを接着固定することによって、光ファイバーが高精度に位置決めされた光コネクタが得られる。
発明を実施するための最良の形態
以下に本発明の実施の形態を第1図から第10図を用いて説明する。
第1図は光ファイバーアレイ1を示す正面図である。縦10mm、横10mm、厚さ1mmの基板11に第1図(a)では4×8の合計32個の貫通孔12が形成され、第1図(b)では12×12の合計144個の貫通孔12が形成されている。貫通孔の数はこれらに限定されるものではなく任意に設定できる。
第2図は貫通孔12の断面図である。1mm厚の内、高精度のファイバー位置決め部121の穴をφ0.125mm+1.4μm〜+0.2μmで0.3mm深さまで確保し、残り0.7mmはファイバー保持部122の穴としてφ0.125mm+30μm〜+1μmに加工している。
ファイバー保持部の挿入口には、0.1mm程度のRを施しファイバーを挿入しやすくしている。
光ファイバーアレイ1の基板11の32個の貫通孔12に、シングルモードの光ファイバーをそれぞれ挿入し、接着後、ファイバー端面及び基板をともに研磨する。
この研磨では最大0.05mm程度削る。したがって、位置決め部121の深さとしては0.2mm〜0.4mm、好ましくは0.25mm〜0.35mm程度の深さがよい。0.4mmより深くなると孔が曲ったり、径の精度としてファイバー径に対して+0.2μm〜+1.4μmから外れるようになる。
しかる後に反射防止薄膜をコーティングし、32芯光ファイバーアレイができあがる。
そのため高精度のファイバー位置決め部の穴を形成する方法としては、多結晶セラミックスでは、マイクロ穴放電加工またはレーザ加工により下穴をあけ、次いでワイヤーカット放電加工、レーザ加工(YAG・フェムト秒)、テーパーワイヤーラップ等のうちの1つもしくは複数の工程により高精度に形成できる。また、超音波加工や研削でマイクロ穴加工をする方法も考えられるが、砥石の消耗を考慮する必要がある。多結晶セラミックスとしては、AlTiC、ZrB2、ジルコニア、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、マシナブルセラミックス、シリコン含浸炭化珪素等などが適用できる。
第3図(a)〜(d)は位置決め部、保持部の製作方法の一例を説明した図であり、基板としては電気抵抗0.003Ω・cmのアルチック(放電加工可能なセラミック)を使用した。
先ず、放電加工機のXYステージ(ワーク台)に前記基板を固定し、XYステージを移動させて、所定の配列位置に(a)に示すように最大径が0.1φの貫通穴を加工した。電極径・加工条件は求める径にあったものを用いた。
その後、(b)に示すように保持部の長さまで0.1φの電極で放電加工し、(c)に示すように0.14φの保持部を形成した。
この後、基板を高精度のワイヤーカットのワーク台にセットし、各穴に0.08φのワイヤーを通し、円状に移動させてワイヤー外周で放電加工して、位置決め部とした。
実施例は、10×10×1mmの基板に0.25×0.25mmのピッチで4列×8段(32穴)の加工を実施し、ピッチ精度±2μm、位置決め部0.125φ〜0.1265φ、保持部0.14φ〜0.15φの精度が得られた。
実施例は基板単体の加工であるが、上下の形状が相似形の位置決め部を得たい場合には、個々に放電加工した基板をワイヤーカットにセットする際に重ね合わせ、2枚同時にワイヤーカットすればよい。
また、シリコン単結晶ではフォトリソグラフィによるマスキング及びエッチングにより加工可能である。
また、貫通孔は位置決め部と保持部とを同時に加工してもよいが、別々に加工してもよい。
位置決め部と保持部とを別々に加工する場合は、保持部となる穴、すなわちファイバー径より1μm〜30μm、好ましくは10μm〜20μm程度大きい穴を0.7mm程度の深さで先に穿設し、次いで位置決め部を上述の方法で加工すると位置精度および孔の径の精度が高精度に加工することができる。
また、保持部の穴入り口へは30μm〜300μmのRまたはC面取りを施すと実際にファイバーの挿入組み立てが容易となる。
ファイバー挿入側のR、C面取りはダイヤモンド刃物による機械加工やブラシ研磨、遊離砥粒を用いる超音波加工で可能である。
本実施例では、32個のファイバーのコアの位置ずれを2.4μm以内で組み立てる事ができた。
また、保持部の径をファイバー径より1〜30μm大きい孔としたのでファイバーの倒れや接着強度にも問題のない光ファイバーアレイとなった。30μmより大きい穴とするとファイバーの倒れの問題が生じる可能性がある。
(アレイの実施例)
次に組み立てたアレイの一例の断面図を第4図に示す。
アレイは厚さ0.4mmの端部基板111と、厚さ0.4mmの支持基板112と、これら端部基板111と支持基板112との間に設けられるスペーサ13から構成される。
端部基板111及び支持基板112にはファイバーの挿入口111a、112aが形成され、挿入口111aは上から0.2mmの深さまでのファイバー保持部の径をφ0.125mm+30μm〜+1μm、下部分0.2mmのファイバー位置決め部の径をφ0.125mm+1.4μm〜+0.2μmとされ、上端には0.05mm程度のRが施され、また挿入口112aの径はφ0.125mm+2μm〜+0.2μmとされ、上端には0.05mm程度のRが施されている。
前記スペーサ13は第6図に示すように、上下方向および一側に開放されるスリット13aが4本形成された櫛歯状をなしている。このスリット13aの幅は0.2〜0.3mmとされ、ファイバーを挿入する際のガイドとなるとともに、スペーサ13は基板の略全域をカバーしているので、例えば端部基板111に装着した光ファイバーの先端部を研磨するなどの後加工の際に基板をバックアップする機能を有する。
特に、スペーサ13を櫛歯状にした場合には、端部基板111及び支持基板112を組付けた後に、側面にスリット13aが開口しているので、この開口から接着剤をスリット13a内に充填して光ファイバーを固定することができる。
また、挿入口111aの上端部の径よりもスリット13aの下端部の幅を小さくし、スリット13aの上端部の幅よりも挿入口112aの下端部の径を小さくすることで、上方から光ファイバー15を挿入する際に、光ファイバーの先端が段差部に当たって折れるなどの不具合が生じない。
第7図(a)〜(e)はスペーサ13の別実施例を示す図であり、(a)に示したスペーサ13はファイバー径に対し十分大きな径の挿入孔を形成している。(b)に示したスペーサ13は片方が座ぐられた形状をしている。(c)〜(e)に示したスペーサ13はそれぞれファイバー束の部分を抜いたリング状・コ字状・枡形状としている。
また、アレイの別実施例の断面図を第8図に示す。
この別実施例は、厚み0.3mmの端部基板111の穴の前面側をφ0.125mm+1.4μm〜+0.2μmとし、穴奥部はファイバー挿入に障害のない径を確保してあればよい。ファイバーの挿入口には0.05mm程度のRを施しファイバーの挿入をしやすくしている。
同様に0.3mm厚みの支持基板112の穴をφ0.125mm+2μm〜0.2μmとし裏表に同様にR加工を施しファイバー挿入ガイドおよび組み立て時のファイバーを折れにくくしている。
スペーサ13を3mm厚みとし端部基板と支持基板の貫通孔の位置をあわせた場合ファイバーを挿入組み立てた軸の最大倒れθは、ファイバーの外形寸法をφ0.1245mm、支持基板の貫通孔をφ0.127mmとした場合、tanθ=0.0025/(0.3×2+3)で0.04度を確保できる。同様にスペーサ13を5mm厚みとすると0.03度を確保できる。
第9図は本発明のアレイの組み立て方法の例を説明する図面である。
支持基板112とスペーサ13及び端部基板111の接着は粘性の低い接着剤を用いる。
先ず支持基板112の上にスペーサ13を載せ接着硬化させる。スペーサ13のもう一方の面に端部基板111を当接させる。尚、図ではスペーサ13の上に支持基板112を載せているがどちらを上にしてもよい。
しかる後に両基板の32個の貫通孔のうち2次元配置で4隅の穴に125.0μmの鋼製ピンゲージ16を挿入し、両基板の貫通孔の位置を仮合わせし、この状態で光ファイバー15を複数本両基板に貫通させ、その後ピンゲージを抜き取る。実際の組立現場ではピンゲージに磨耗や曲がりがある場合が想定され、これに起因する両基板のずれを防止するためである。この状態でスペーサ13と端部基板111合わせ面に接着剤を流入し接着硬化させる。
硬化終了後ピンゲージを抜き取る。硬化前にピンゲージを抜き取ると基板がずれる可能性があり、硬化後の抜き取りが好ましい。
ピンゲージ16を抜き取った後、シングルモードの光ファイバー15をそれぞれ貫通孔に挿入し、光ファイバー15を接着後端部基板111と支持基板112とに接着する。この際に使用する接着剤は粘性が低く収縮率の少ないもの(メレテクノロジー社製XL193など)を使用した。
また、光ファイバーは組み立て時に基板による傷・折れを防ぐため、クラッドを樹脂被服し強化してあるもの(昭和電線電機社製S−Tylusなど)を使用した。
その後ファイバー15端面及び端部基板111をともに研磨する。この際研磨加工コスト、精度出しの困難さ、端部基板111の反射の影響を減らすため、端部基板111は光ファイバー15を保持する面のみを残し研削加工などにより段状のにがし17(第6図参照)を作った後に研磨加工することが好ましい。
本実施例では第10図に示すように、光ファイバー15の最外側から1mm離れた線で囲まれた面以外を#320のダイヤモンド砥石で深さ70μmの段上のにがし加工を行った後研磨した。この研磨では最大0.05mm(50μm)程度削られる。したがって、端部基板111の厚みとしては0.2mm〜1.05mm、好ましくは0.25mm〜0.4mm程度の厚みがよい。
しかる後に反射防止薄膜をコーティングし、32芯光ファイバーアレイができあがる。
端部基板111が0.2mmと薄い場合は、接着剤14の厚みを厚くすることで後加工に必要な強度を得ることができる。
また、スペーサは、接着剤の流入口が開口されている以外は閉塞していることが望ましい。接着剤の漏れが防止できる。
基板11に高精度のファイバー位置決め部の穴加工する方法としては、多結晶セラミックスでは、マイクロ穴放電加工またはレーザ加工により下穴を空け、次いでワイヤーカット放電加工、レーザ加工(YAG・フェムト秒)、テーパーワイヤーラップ等の内の1つもしくは複数の工程により高精度化できる。
また、超音波加工や研削でマイクロ穴加工をする方法も考えられるが、砥石の消耗を考慮する必要がある。多結晶セラミックスとしては、AlTiC、ZrB2、ジルコニア、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、マシナブルセラミックス、シリコン含浸炭化珪素等などが適用できる。
また、シリコン単結晶ではフォトリソグラフィによるマスキング及びエッチングにより加工可能である。
ここで、端部基板111と支持基板112の貫通孔は同時に加工してもよいが、別々に加工してもよい。
しかし両基板を重ねあわせて同時加工するか、同じマスクによりフォトリソグラフィにより加工するなどの方法がより好ましい。すなわち貫通穴のセンター相対位置はきわめて高精度に重なりファイバー15の平行性を確保し、端部基板111のクリアランスを0.2〜1.4μmとすることにより、ファイバー先端の位置を高精度に定めることができ、支持基板112を数ミクロン大きくすることにより、現実に多数のファイバーの組み立てが可能となる。
また、両基板111,112の貫通穴入り口及び支持基板ファイバー出口側へは30μm〜100μmのRまたはC面取りを施すと実際にファイバーを挿入組み立てが容易となってよい。
基板のR、C面取りはダイヤモンド刃物による機械加工やブラシ研磨、遊離砥粒を用いる超音波加工やフォトリソエッチングまたは基板穴あけ後のコーティング等の肉盛りで可能である。
本実施例では、32個のファイバーのコアの位置ずれを、コア間距離250μmでコア位置ずれ量の平均値0.8μm、標準偏差0.6μm、最大のずれ2.4μmで組み立てる事ができた。測定方法は、出来上がったファイバーアレイの全ファイバーのコアに可視光を入射し、端面を高精度カメラで撮影し、これを画像処理しコアの中心座標を算出した。
また、端部基板111と支持基板1112との位置を3mmのスペーサ13により離したのでファイバー15の軸が極めて平行性のよいアレイを得ることができた。
産業上の利用可能性
以上に説明したように本発明によれば、容易に光ファイバーを挿入接着作業が可能となり、さらにファイバーを高精度に2次元配置できる光ファイバーアレイを提供することができる。また、互いの光ファイバー軸の平行性に優れる光ファイバーアレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)及び(b)は、光ファイバーアレイを示す正面図である。
第2図は、本発明にかかる貫通孔の断面図である。
第3図(a)〜(d)は、位置決め部、保持部の製作方法の一例を説明した図である。
第4図は、本発明にかかる端部基板、スペーサ、支持基板からなる光ファイバーアレイの断面図である。
第5図は、第4図に示した光ファイバーアレイの要部拡大断面図である。
第6図は、スペーサの斜視図である。
第7図(a)〜(e)は、スペーサの別実施例を示す図である。
第8図は、別実施例に係る光ファイバーアレイの断面図である。
第9図は、本発明の光ファイバーアレイの組み立て方法を示す図である。
第10図は、本発明にかかる端部基板ににがしを設けた図である。
本発明は光伝送用途で、光スイッチ、光クロスコネクト、光アドドロップモジュール、プロテクションスイッチ等に組み込まれる光ファイバーが高精度に2次元配置された光ファイバーアレイに関する。
背景技術
光通信においては、ファイバーの複数本数の配線要求から、2次元配列のファイバーアレイを用いるようになった。当初は、基板に複数個の微細な穴を開口しファイバーを接着固定するアレイが用いられていた。
さらに、高密度・高精度な光配線要求(これらの光ファイバーアレイに形成する光ファイバー固定用の貫通穴の径は125〜130μm、ピッチ精度は、±数μmが要求される)から、当初の基板に複数の穴を開口する方法では、微細な深穴を高精度に空ける技術が伴わなかったため、基板にV溝を加工したアレイを積み重ねる方式に切り替わってきた。
特開平6−265736号公報には、V溝を用いて、端面において光ファイバーが高精度に2次元配列された光ファイバーアレイが記載されている。ここでは、所定の間隔で基板表面に設けられたV溝に光ファイバーをセットし、上から押え板でファイバーを固定したユニットを上下方向に多段に積み上げることにより2次元状に光ファイバーを配列する光ファイバーアレイが提案されている。
また、1993年に開催された電子情報学会春季大会の論文(高密度2次元ファイバーアレイの試作)では、マイクロキャピラリー内に光ファイバーを挿通し、このマイクロキャピラリーを多数本束ねて金属板などで周囲を固定することで、2次元状に光ファイバーを配列した光ファイバーアレイとする提案が成されている。
また、特表2002−506535号公報には、光ファイバーの先端を円錐または角錐に研磨し、精密に穴位置を加工した治具に挿入突き当てることによりファイバー中心の位置精度を確保する方法が提案されている。
更に、特開2002−365465号公報には、基板に光ファイバーのクラッド層よりも若干大径の狭いセクションと、この狭いセクションに光ファイバーを導くテーパ状の広いセクションを形成し、光ファイバー先端のバッファ層を剥離して中心にコア層を有するクラッド層を剥き出しにし、このクラッド層を前記狭いセクションに挿入するとともに、前記広いセクション内にはエポキシ樹脂等を充填し、光ファイバーを所定位置に固定する方法が提案されている。
最近では、光伝送の更なる高速化・高集積化が要求され、これに合わせて光ファイバーアレイも64本あるいは100本以上の光ファイバーを2次元状に配列した多チャンネル化したものが求められるようになってきている。
しかも小型化からの要求から、穴芯ピッチは250μmから1300μm、ピッチ精度は、±2μmが要求される。
また、ファイバーから発せられた光線は距離をおいたレンズアレイなどへ正確に届く必要が出てきており、光ファイバー中心の位置のみならず、ファイバー軸の平行性も必要となっている。
このような仕様に対して、特開平6−265736号公報に開示されるような、シリコン基板に機械加工でV溝形成するのは、精度上極めて困難である。しかも基板を上下方向に積層した場合には、積層による左右方向のズレも生じてしまう。特に、ピッチが250μmから1300μmのように高密度構成を得るのは困難である。
また、マイクロキャピラリー内に光ファイバーを挿通して束ねる方法にあっては、マイクロキャピラリーの肉厚を均一にしないと光ファイバーの芯間隔がずれてしまう。芯ズレを起こさないような均一な肉厚のマイクロキャピラリーを製造するのは極めて困難であり、またマイクロキャピラリー内に光ファイバーを挿通する作業も面倒で、接着剤等による高精度の位置決めも非常に難しい。
更に、マイクロキャピラリー等のセラミック製品の材料は、ジルコニアを用いる場合が多く、ジルコニアは焼成時の収縮が大きく寸法誤差が生じるという問題もある。
また、特表2002−506535号公報のように、光ファイバーを円錐または角錐の加工し治具に突き当てる方法では、光ファイバーの加工コスト高、および治具背面にクリアランスがあることが予想され、先端ファイバーの中心位置は確保できても光ファイバーの軸の互いの平行度は確保できない。
同様の問題が特開2002−365465号公報に開示される方法にも言える。本発明は、光ファイバーを高精度に配置し光ファイバーの軸の平行性に優れた光ファイバーアレイを提供することを目的とする。
発明の開示
上記課題を解決するために第1発明は、基板に所定の間隔で形成した複数の貫通孔に、光ファイバーを整列固定してなる光ファイバーアレイにおいて、前記貫通孔は光ファイバーの位置決め部とこの位置決め部よりも大径の保持部とからなる構成とした。
光ファイバーが挿入される貫通孔を、高精度に加工された光ファイバー位置決め部と、光ファイバーを支える保持部とで構成することにより、光ファイバーの配置が高精度に行える。
前記位置決め部の基板厚み方向の長さを少なくとも0.3mmとし、この位置決め部の径を光ファイバーの直径に対して0.2μm〜1.4μm大きくし、また前記保持部の径を光ファイバーの直径に対して1μm〜30μm大きくすることで、精度が必要とされる位置決め部を高精度に加工でき、しかも光ファイバーを確実に保持することができる。
前記基板として、厚さが0.3mmから1.5mmのシリコン単結晶を選定することができる。このようにすることで、フォトリソグラフィ技術を利用して、±1μm以上の芯ピッチを容易に出せ、一度に大量に処理できコスト的に有利になる。
また前記基板として、厚さが0.3mmから1.5mmの多結晶セラミックスを選定することができる。このようにすることで、硬度・曲げ強度・靭性が大きく、耐食性もあり、長期の高信頼性が得られる。
また、第2発明は、複数の光ファイバーを該光ファイバーの軸を互いに平行に位置決めして所定間隔に整列固定する光ファイバーアレイにおいて、この光ファイバーアレイは、端面が仕上げ加工された光ファイバーの端部を支持する端部基板と、光ファイバーの端部から離れた箇所を支持する支持基板と、前記端部基板と前記支持基板に所定の間隔を持たせ対向させるスペーサとからなる構成とした。
このように、端部基板と支持基板をスペーサにより一定の距離を持って構成することにより、光ファイバーの配置及び光ファイバー軸の平行度が高精度になる。
上記第2発明において、端部基板に形成した貫通孔と前記光ファイバーとのクリアランスを0.2μmから1.4μmとし、前記支持基板に形成した貫通孔と前記光ファイバーとのクリアランスを0.2μmから6μm、好ましくは0.2μmから2μmとすることが好ましい。
斯かる構成とすることで光ファイバーを挿入する際にスムーズに挿入可能で、精度を必要とされる端部では精度よく位置決めができ、しかもスペーサにより距離が保たれるので光ファイバーの軸の平行性を確実に保持することができる。スペーサの材質は熱膨張係が前記基板に近似したものが好ましい。
前記端部基板および前記支持基板を、厚みが0.15mmから1mmの多結晶セラミックとすることで、硬度・曲げ強度・靭性が大きく、耐食性もあり、長期の高信頼性が得られる。
また、前記端部基板および前記支持基板を、厚みが0.15mmから1mmのシリコン単結晶とすることで、フォトリソグラフィ技術を利用して、±1μm以内の芯ピッチを容易に出せ、同じ穴位置で画描後穴位置のみ端部用・支持用2種類の穴寸法でマスクを製作した基板を対で使用することにより、平行性は極めて向上し、一度に大量に処理できるため安価となる。この場合、貫通穴は円形に限らず、対辺寸法を所定クリアランスとした角穴でもかまわない。
また、基板は同じフォトリソマスクを径のみ変更した物で製作することがもっとも光ファイバーの軸の平行性を確保するのに有効である。
また、前記スペーサが光ファイバーを接着する接着剤の流入口を除いて閉塞している構成とすることができる。スペーサ内には接着剤が入れられるので、接着剤が漏れないように閉塞させておくのが望ましい。
また、上記の光ファイバーアレイの貫通孔に光ファイバーを挿入し、少なくとも前記端部基板および前記支持基板に該光ファイバーを接着固定することによって、光ファイバーが高精度に位置決めされた光コネクタが得られる。
発明を実施するための最良の形態
以下に本発明の実施の形態を第1図から第10図を用いて説明する。
第1図は光ファイバーアレイ1を示す正面図である。縦10mm、横10mm、厚さ1mmの基板11に第1図(a)では4×8の合計32個の貫通孔12が形成され、第1図(b)では12×12の合計144個の貫通孔12が形成されている。貫通孔の数はこれらに限定されるものではなく任意に設定できる。
第2図は貫通孔12の断面図である。1mm厚の内、高精度のファイバー位置決め部121の穴をφ0.125mm+1.4μm〜+0.2μmで0.3mm深さまで確保し、残り0.7mmはファイバー保持部122の穴としてφ0.125mm+30μm〜+1μmに加工している。
ファイバー保持部の挿入口には、0.1mm程度のRを施しファイバーを挿入しやすくしている。
光ファイバーアレイ1の基板11の32個の貫通孔12に、シングルモードの光ファイバーをそれぞれ挿入し、接着後、ファイバー端面及び基板をともに研磨する。
この研磨では最大0.05mm程度削る。したがって、位置決め部121の深さとしては0.2mm〜0.4mm、好ましくは0.25mm〜0.35mm程度の深さがよい。0.4mmより深くなると孔が曲ったり、径の精度としてファイバー径に対して+0.2μm〜+1.4μmから外れるようになる。
しかる後に反射防止薄膜をコーティングし、32芯光ファイバーアレイができあがる。
そのため高精度のファイバー位置決め部の穴を形成する方法としては、多結晶セラミックスでは、マイクロ穴放電加工またはレーザ加工により下穴をあけ、次いでワイヤーカット放電加工、レーザ加工(YAG・フェムト秒)、テーパーワイヤーラップ等のうちの1つもしくは複数の工程により高精度に形成できる。また、超音波加工や研削でマイクロ穴加工をする方法も考えられるが、砥石の消耗を考慮する必要がある。多結晶セラミックスとしては、AlTiC、ZrB2、ジルコニア、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、マシナブルセラミックス、シリコン含浸炭化珪素等などが適用できる。
第3図(a)〜(d)は位置決め部、保持部の製作方法の一例を説明した図であり、基板としては電気抵抗0.003Ω・cmのアルチック(放電加工可能なセラミック)を使用した。
先ず、放電加工機のXYステージ(ワーク台)に前記基板を固定し、XYステージを移動させて、所定の配列位置に(a)に示すように最大径が0.1φの貫通穴を加工した。電極径・加工条件は求める径にあったものを用いた。
その後、(b)に示すように保持部の長さまで0.1φの電極で放電加工し、(c)に示すように0.14φの保持部を形成した。
この後、基板を高精度のワイヤーカットのワーク台にセットし、各穴に0.08φのワイヤーを通し、円状に移動させてワイヤー外周で放電加工して、位置決め部とした。
実施例は、10×10×1mmの基板に0.25×0.25mmのピッチで4列×8段(32穴)の加工を実施し、ピッチ精度±2μm、位置決め部0.125φ〜0.1265φ、保持部0.14φ〜0.15φの精度が得られた。
実施例は基板単体の加工であるが、上下の形状が相似形の位置決め部を得たい場合には、個々に放電加工した基板をワイヤーカットにセットする際に重ね合わせ、2枚同時にワイヤーカットすればよい。
また、シリコン単結晶ではフォトリソグラフィによるマスキング及びエッチングにより加工可能である。
また、貫通孔は位置決め部と保持部とを同時に加工してもよいが、別々に加工してもよい。
位置決め部と保持部とを別々に加工する場合は、保持部となる穴、すなわちファイバー径より1μm〜30μm、好ましくは10μm〜20μm程度大きい穴を0.7mm程度の深さで先に穿設し、次いで位置決め部を上述の方法で加工すると位置精度および孔の径の精度が高精度に加工することができる。
また、保持部の穴入り口へは30μm〜300μmのRまたはC面取りを施すと実際にファイバーの挿入組み立てが容易となる。
ファイバー挿入側のR、C面取りはダイヤモンド刃物による機械加工やブラシ研磨、遊離砥粒を用いる超音波加工で可能である。
本実施例では、32個のファイバーのコアの位置ずれを2.4μm以内で組み立てる事ができた。
また、保持部の径をファイバー径より1〜30μm大きい孔としたのでファイバーの倒れや接着強度にも問題のない光ファイバーアレイとなった。30μmより大きい穴とするとファイバーの倒れの問題が生じる可能性がある。
(アレイの実施例)
次に組み立てたアレイの一例の断面図を第4図に示す。
アレイは厚さ0.4mmの端部基板111と、厚さ0.4mmの支持基板112と、これら端部基板111と支持基板112との間に設けられるスペーサ13から構成される。
端部基板111及び支持基板112にはファイバーの挿入口111a、112aが形成され、挿入口111aは上から0.2mmの深さまでのファイバー保持部の径をφ0.125mm+30μm〜+1μm、下部分0.2mmのファイバー位置決め部の径をφ0.125mm+1.4μm〜+0.2μmとされ、上端には0.05mm程度のRが施され、また挿入口112aの径はφ0.125mm+2μm〜+0.2μmとされ、上端には0.05mm程度のRが施されている。
前記スペーサ13は第6図に示すように、上下方向および一側に開放されるスリット13aが4本形成された櫛歯状をなしている。このスリット13aの幅は0.2〜0.3mmとされ、ファイバーを挿入する際のガイドとなるとともに、スペーサ13は基板の略全域をカバーしているので、例えば端部基板111に装着した光ファイバーの先端部を研磨するなどの後加工の際に基板をバックアップする機能を有する。
特に、スペーサ13を櫛歯状にした場合には、端部基板111及び支持基板112を組付けた後に、側面にスリット13aが開口しているので、この開口から接着剤をスリット13a内に充填して光ファイバーを固定することができる。
また、挿入口111aの上端部の径よりもスリット13aの下端部の幅を小さくし、スリット13aの上端部の幅よりも挿入口112aの下端部の径を小さくすることで、上方から光ファイバー15を挿入する際に、光ファイバーの先端が段差部に当たって折れるなどの不具合が生じない。
第7図(a)〜(e)はスペーサ13の別実施例を示す図であり、(a)に示したスペーサ13はファイバー径に対し十分大きな径の挿入孔を形成している。(b)に示したスペーサ13は片方が座ぐられた形状をしている。(c)〜(e)に示したスペーサ13はそれぞれファイバー束の部分を抜いたリング状・コ字状・枡形状としている。
また、アレイの別実施例の断面図を第8図に示す。
この別実施例は、厚み0.3mmの端部基板111の穴の前面側をφ0.125mm+1.4μm〜+0.2μmとし、穴奥部はファイバー挿入に障害のない径を確保してあればよい。ファイバーの挿入口には0.05mm程度のRを施しファイバーの挿入をしやすくしている。
同様に0.3mm厚みの支持基板112の穴をφ0.125mm+2μm〜0.2μmとし裏表に同様にR加工を施しファイバー挿入ガイドおよび組み立て時のファイバーを折れにくくしている。
スペーサ13を3mm厚みとし端部基板と支持基板の貫通孔の位置をあわせた場合ファイバーを挿入組み立てた軸の最大倒れθは、ファイバーの外形寸法をφ0.1245mm、支持基板の貫通孔をφ0.127mmとした場合、tanθ=0.0025/(0.3×2+3)で0.04度を確保できる。同様にスペーサ13を5mm厚みとすると0.03度を確保できる。
第9図は本発明のアレイの組み立て方法の例を説明する図面である。
支持基板112とスペーサ13及び端部基板111の接着は粘性の低い接着剤を用いる。
先ず支持基板112の上にスペーサ13を載せ接着硬化させる。スペーサ13のもう一方の面に端部基板111を当接させる。尚、図ではスペーサ13の上に支持基板112を載せているがどちらを上にしてもよい。
しかる後に両基板の32個の貫通孔のうち2次元配置で4隅の穴に125.0μmの鋼製ピンゲージ16を挿入し、両基板の貫通孔の位置を仮合わせし、この状態で光ファイバー15を複数本両基板に貫通させ、その後ピンゲージを抜き取る。実際の組立現場ではピンゲージに磨耗や曲がりがある場合が想定され、これに起因する両基板のずれを防止するためである。この状態でスペーサ13と端部基板111合わせ面に接着剤を流入し接着硬化させる。
硬化終了後ピンゲージを抜き取る。硬化前にピンゲージを抜き取ると基板がずれる可能性があり、硬化後の抜き取りが好ましい。
ピンゲージ16を抜き取った後、シングルモードの光ファイバー15をそれぞれ貫通孔に挿入し、光ファイバー15を接着後端部基板111と支持基板112とに接着する。この際に使用する接着剤は粘性が低く収縮率の少ないもの(メレテクノロジー社製XL193など)を使用した。
また、光ファイバーは組み立て時に基板による傷・折れを防ぐため、クラッドを樹脂被服し強化してあるもの(昭和電線電機社製S−Tylusなど)を使用した。
その後ファイバー15端面及び端部基板111をともに研磨する。この際研磨加工コスト、精度出しの困難さ、端部基板111の反射の影響を減らすため、端部基板111は光ファイバー15を保持する面のみを残し研削加工などにより段状のにがし17(第6図参照)を作った後に研磨加工することが好ましい。
本実施例では第10図に示すように、光ファイバー15の最外側から1mm離れた線で囲まれた面以外を#320のダイヤモンド砥石で深さ70μmの段上のにがし加工を行った後研磨した。この研磨では最大0.05mm(50μm)程度削られる。したがって、端部基板111の厚みとしては0.2mm〜1.05mm、好ましくは0.25mm〜0.4mm程度の厚みがよい。
しかる後に反射防止薄膜をコーティングし、32芯光ファイバーアレイができあがる。
端部基板111が0.2mmと薄い場合は、接着剤14の厚みを厚くすることで後加工に必要な強度を得ることができる。
また、スペーサは、接着剤の流入口が開口されている以外は閉塞していることが望ましい。接着剤の漏れが防止できる。
基板11に高精度のファイバー位置決め部の穴加工する方法としては、多結晶セラミックスでは、マイクロ穴放電加工またはレーザ加工により下穴を空け、次いでワイヤーカット放電加工、レーザ加工(YAG・フェムト秒)、テーパーワイヤーラップ等の内の1つもしくは複数の工程により高精度化できる。
また、超音波加工や研削でマイクロ穴加工をする方法も考えられるが、砥石の消耗を考慮する必要がある。多結晶セラミックスとしては、AlTiC、ZrB2、ジルコニア、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、マシナブルセラミックス、シリコン含浸炭化珪素等などが適用できる。
また、シリコン単結晶ではフォトリソグラフィによるマスキング及びエッチングにより加工可能である。
ここで、端部基板111と支持基板112の貫通孔は同時に加工してもよいが、別々に加工してもよい。
しかし両基板を重ねあわせて同時加工するか、同じマスクによりフォトリソグラフィにより加工するなどの方法がより好ましい。すなわち貫通穴のセンター相対位置はきわめて高精度に重なりファイバー15の平行性を確保し、端部基板111のクリアランスを0.2〜1.4μmとすることにより、ファイバー先端の位置を高精度に定めることができ、支持基板112を数ミクロン大きくすることにより、現実に多数のファイバーの組み立てが可能となる。
また、両基板111,112の貫通穴入り口及び支持基板ファイバー出口側へは30μm〜100μmのRまたはC面取りを施すと実際にファイバーを挿入組み立てが容易となってよい。
基板のR、C面取りはダイヤモンド刃物による機械加工やブラシ研磨、遊離砥粒を用いる超音波加工やフォトリソエッチングまたは基板穴あけ後のコーティング等の肉盛りで可能である。
本実施例では、32個のファイバーのコアの位置ずれを、コア間距離250μmでコア位置ずれ量の平均値0.8μm、標準偏差0.6μm、最大のずれ2.4μmで組み立てる事ができた。測定方法は、出来上がったファイバーアレイの全ファイバーのコアに可視光を入射し、端面を高精度カメラで撮影し、これを画像処理しコアの中心座標を算出した。
また、端部基板111と支持基板1112との位置を3mmのスペーサ13により離したのでファイバー15の軸が極めて平行性のよいアレイを得ることができた。
産業上の利用可能性
以上に説明したように本発明によれば、容易に光ファイバーを挿入接着作業が可能となり、さらにファイバーを高精度に2次元配置できる光ファイバーアレイを提供することができる。また、互いの光ファイバー軸の平行性に優れる光ファイバーアレイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)及び(b)は、光ファイバーアレイを示す正面図である。
第2図は、本発明にかかる貫通孔の断面図である。
第3図(a)〜(d)は、位置決め部、保持部の製作方法の一例を説明した図である。
第4図は、本発明にかかる端部基板、スペーサ、支持基板からなる光ファイバーアレイの断面図である。
第5図は、第4図に示した光ファイバーアレイの要部拡大断面図である。
第6図は、スペーサの斜視図である。
第7図(a)〜(e)は、スペーサの別実施例を示す図である。
第8図は、別実施例に係る光ファイバーアレイの断面図である。
第9図は、本発明の光ファイバーアレイの組み立て方法を示す図である。
第10図は、本発明にかかる端部基板ににがしを設けた図である。
Claims (10)
- 基板に所定の間隔で形成した複数の貫通孔に、光ファイバーを整列固定してなる光ファイバーアレイにおいて、前記貫通孔は光ファイバーの位置決め部とこの位置決め部よりも大径の保持部とからなることを特徴とする光ファイバーアレイ。
- 請求の範囲第1項に記載の光ファイバーアレイにおいて、前記位置決め部の基板厚み方向の長さが少なくとも0.3mmでこの位置決め部の径が前記光ファイバーの直径に対して0.2μm〜1.4μm大きく、また前記保持部の径が前記光ファイバーの直径に対して1μm〜30μm大きいことを特徴とする光ファイバーアレイ。
- 請求の範囲第1項または第2項に記載の光ファイバーアレイにおいて、前記基板は、厚さが0.3mmから1.5mmのシリコン単結晶であることを特徴とする光ファイバーアレイ。
- 請求の範囲第1項または第2項に記載の光ファイバーアレイにおいて、前記基板は、厚さが0.3mmから1.5mmの多結晶セラミックスであることを特徴とする光ファイバーアレイ。
- 複数の光ファイバーを該光ファイバーの軸を互いに平行に位置決めして所定間隔に整列固定する光ファイバーアレイにおいて、この光ファイバーアレイは、端面が仕上げ加工された光ファイバーの端部を支持する端部基板と、光ファイバーの端部から離れた箇所を支持する支持基板と、前記端部基板と前記支持基板に所定の間隔を持たせ対向させるスペーサとからなることを特徴とする光ファイバーアレイ。
- 請求の範囲第5項に記載の光ファイバーアレイにおいて、前記端部基板に形成した貫通孔と前記光ファイバーとのクリアランスを0.1μmから1.4μmとし、前記支持基板に形成した貫通孔と前記光ファイバーとのクリアランスを0.2μmから2μmとすることを特徴とする請求の範囲第5項に記載の光ファイバーアレイ。
- 請求の範囲第5項または第6項に記載の光ファイバーアレイにおいて、前記端部基板および前記支持基板の厚みは0.15mmから1mmで、材質はシリコン単結晶であることを特徴とする光ファイバーアレイ。
- 請求の範囲第5項または第6項に記載の光ファイバーアレイにおいて、前記端部基板および前記支持基板の厚みは0.15mmから1mmで、材質は多結晶セラミックであることを特徴とする光ファイバーアレイ。
- 請求の範囲第5項乃至第8項のいずれかに記載の光ファイバーアレイにおいて、前記スペーサが光ファイバーを接着する接着剤の流入口を除いて閉塞していることを特徴とする光ファイバーアレイ。
- 請求の範囲第5項乃至第9項のいずれかに記載の光ファイバーアレイにおいて、前記光ファイバーは接着剤にて端部基板および支持基板に接着されることを特徴とする光ファイバーアレイ。
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