JP4915633B2 - 光ファイバアレイの製造方法 - Google Patents
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(光ファイバ芯線被膜除去工程S1)
図3は、4本の光ファイバに被膜42を形成してテープ状とされたテープ芯線4の端部付近を示す。被膜除去工程S1は、図1に示した基板1と固定板2に設けた直線溝22とで形成される空間に挿入するため、テープ芯線4の被膜42を除去して、クラッド部とコア部からなる光ファイバ41の部分をを剥き出しにする工程である。一般的には、光ファイバ皮膜ストリッパを用いて被膜除去が行われる。必要に応じて被服除去後の光ファイバ41をアルコール等により洗浄、脱脂する。被膜42を除去することにより、テープ芯線4は、被膜42により保護されて所定の配列ピッチを保っているテープ芯線部分と、被膜端42aより先端(端部側)の個別の光ファイバ41に分離された部分とになる。各光ファイバ41のピッチは、所定の許容曲げ半径以上となる曲率の範囲内で広げることができ、また光ファイバ41の外径で決まる最小接近距離以上の範囲において狭めることができる。
図4は、基板1,固定板2、及び案内板3の相互配置関係を示す。板配置工程S2は、これらの基板1,固定板2、及び案内板3を、所定の位置間隔を保って配置する工程である。基板1は、平滑な面からなる主面11を備えている。固定板2は、互いに対向する端面の一端面から他端面に向けて平面上に形成された複数の平行な直線溝22を有している。案内板3は、複数の案内溝32を案内溝形成面31に備えている。案内溝32は、案内板3の互いに対向する端面の一端面に入口端32aを有し、他端面に出口端32bを有して形成され、出口端32b付近では固定板2の直線溝22の溝ピッチと略同一の溝ピッチとされている。案内溝32は、光ファイバ41を曲げながら、入口端32aから出口端32bに向けて挿入するため、滑らかな曲線パターンとなるように形成されている。
図5は、光ファイバ挿入工程を段階順に示す。光ファイバ挿入工程S3は、光ファイバ41を基板1と直線溝22により形成された空間に納める工程である。挿入される光ファイバ41の長さは、基板1の全長を十分越える長さ、言い換えると、最長の案内溝32と直線溝22の長さの和を十分越える長さである。光ファイバ41のピッチと入口端32aの配列ピッチとは一致させてある。この光ファイバ41を、基板1と案内溝32とで構成される空間に、案内溝32の入口端32aから挿入する(図5の上段)。
図6は、光ファイバ41の位置決めを示す。光ファイバ位置決め工程S4は、固定板2と光ファイバ41、及び光ファイバ41と基板1を互いに密着状態にする工程である。上述の光ファイバ挿入工程S3においては、基板1と固定板2とは、図6(a)(b)に示すように、主面11と溝形成面21との間に隙間aを有している。この隙間aは、主面11と直線溝22との空間を光ファイバ41が進入できる程度に余裕を持たせ、かつ、この空間から光ファイバ41が外れない程度に空間を制限する寸法とされている(主面11と案内溝形成面31についても同様の隙間が形成されている)。このような隙間構成により、光ファイバ挿入工程における光ファイバ挿入作業が容易となる。
図7は、光ファイバを固定するための接着剤の注入/塗布後の接着剤硬化工程を示す。光ファイバ固定工程S5は、基板1、固定板2、及び光ファイバ41を一体化する工程である。光ファイバ41の接着固定は、少なくとも2箇所で行われる。1箇所は、例えば、基板1と固定板2の隙間であって光ファイバ41の周囲の空間であり、この空間に接着剤5を注入して固定する。他の1箇所は、基板1の端部と光ファイバ41の被膜端42a付近であり、ここに接着剤5を塗布して固定する。
案内板3の機能は、光ファイバ41を直線溝22に挿入することにあり、また、案内板3の案内溝32を介して、テープ芯線4における光ファイバピッチと異なるピッチの光ファイバ配列とした光ファイバアレイを作製可能とすることにある。従って、光ファイバ位置決め工程(S4)の後、又は、光ファイバ固定工程(S5)の後に案内板3を取り除くことができる。光ファイバ固定工程(S5)において各部が接着固定される前であっても、基板1、案内板2、光ファイバ41(テープ芯線4)が前述の光ファイバアレイ製造治具により保持されているので、案内板3以外の各部の配置を保ったまま、案内板3を取り除くことができる。製造コストの高い案内板を使い回しすることが可能となるので、安価に所望のとピッチの光ファイバアレイを作製できる。
図8は、突出光ファイバ端切断工程を示し、図9は、端面研磨工程を示す。基板1と固定板2の端面から突出した光ファイバ41は、例えば、直線溝22のパターンを基準にして、回転ブレード61等により切断除去される。このとき、光ファイバ41のみを切断するのではなく、基板1と固定板2の一部を光ファイバ41とともに切断しても良い。切断は、例えば、ブレード#800を用いて、回転速度30、000(rpm)、送り速度2(mm/sec)以下、の条件のもとで行うことにより、光ファイバアレイのチッピング発生を抑えた切断ができる。この結果、切削面における表面粗さRaとして、約30nmを実現できる。
2 固定板
3 案内板
4 光ファイバテープ芯線
5 接着用樹脂
10 光ファイバアレイ
11 主面
12 流出防止溝
21、31 溝形成面
22 直線溝
32 案内溝
32a 入口端
32b 出口端
41 光ファイバ
42 被膜
P1,P2 ピッチ
Claims (11)
- 基板と、互いに対向する端面の一端面から他端面に向けて平面上に形成された複数の平行な直線溝を有し当該直線溝形成面と前記基板の主面とが併せ面となるように基板に固定された固定板と、前記固定板の直線溝及び前記基板の主面により構成される空間に位置決め固定された光ファイバと、を備えた光ファイバアレイの製造方法において、
前記光ファイバは、テープ芯線からなり、
互いに対向する端面の一端面に入口端を有し他端面に出口端を有して形成され前記出口端付近では前記固定板の直線溝群の溝ピッチと略同一の溝ピッチであり前記入口端付近では前記テープ芯線の配列ピッチと略同一の溝ピッチである複数の案内溝を表面に備えた案内板の当該表面、及び前記固定板の各溝形成面を前記基板の主面に対向させ、かつ、前記案内板の出口端がわ端面と前記固定板の端面とを互いの溝の中心軸が略一致するように対向させて、前記基板、前記固定板、及び前記案内板を配置する板配置工程と、
前記基板と前記案内板の案内溝とで構成される空間に前記案内板の案内溝の入口端から前記光ファイバを挿入し、前記案内板の案内溝を経由して出口端から出てきた前記光ファイバを前記基板と前記固定板の直線溝とで構成される空間に挿入する光ファイバ挿入工程と、
前記基板に前記光ファイバ及び前記固定板を固定する光ファイバ固定工程と、
前記光ファイバ固定工程の前又は後に前記案内板を取り除く案内板取り除き工程と、を備え、
前記基板の主面は平滑面であり、
前記板配置工程において互いに配置された前記基板と前記案内板とは前記案内板の入口端端面が前記基板の端面よりも前記光ファイバを挿入する向きに前進した配置となっており、
前記光ファイバ挿入工程における前記基板と前記案内板の案内溝とで構成される空間及び前記基板と前記固定板の直線溝とで構成される空間は前記光ファイバが進入できる程度に余裕を持たせ、かつ、この空間から前記光ファイバが外れない程度に空間を制限する寸法とされていることを特徴とする光ファイバアレイの製造方法。 - 前記テープ芯線の端部付近における被膜を除去してクラッド部とコア部からなる光ファイバを剥き出しにする被膜除去工程を備えていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバアレイの製造方法。
- 前記光ファイバ固定工程は、前記案内板を配した状態で行われることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ファイバアレイの製造方法。
- 前記光ファイバ固定工程は、前記案内板の案内溝の出口端がわの端面近傍において前記基板に光ファイバ及び前記固定板を固定し、前記案内板の他端面近傍において光ファイバを基板に固定することを特徴とする請求項3に記載の光ファイバアレイの製造方法。
- 前記光ファイバ固定工程は、前記基板又は固定板の端面で、かつ、基板と固定板との隙間付近に樹脂液を塗布し硬化させることにより基板、固定板、及び光ファイバを固定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ファイバアレイの製造方法。
- 前記光ファイバ挿入工程と光ファイバ固定工程との間に、前記基板と固定板との隙間を小さくすることにより各光ファイバを位置決めする光ファイバ位置決め工程を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ファイバアレイの製造方法。
- 前記板配置工程は、前記案内板の案内溝形成面と基板の主面とが接面するように対向配置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ファイバアレイの製造方法。
- 前記案内板は、案内溝のパターン形状が出口端付近において案内板の端面に対して略垂直であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ファイバアレイの製造方法。
- 前記案内板は、案内溝のパターン形状が案内板の両端面付近において該端面に対して略垂直となるように円弧形状とされていることを特徴とする請求項8に記載の光ファイバアレイの製造方法。
- 前記基板は、当該基板の主面における前記固定板と案内板を配する部位の間に、前記光ファイバ固定工程時に用いる固着用樹脂液が案内板側に流出することを防ぐための溝を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ファイバアレイの製造方法。
- 前記固定板は、直線溝の断面形状がV溝形状を有し、かつ、位置決めされた光ファイバの頂上部が直線溝形成面よりも突出するように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ファイバアレイの製造方法。
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