JPWO2003078501A1 - ポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

繰返し単位の80wt%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.8〜2dl/gであって、かつ、(a)粒子の大きさが3mm以下、質量が1mg/個未満;(b)末端カルボキシル基量が25ミリ当量/kg以下;(c)環状ダイマーの含有量が1.5wt%以下であることを特徴とするポリトリメチレンテフタレート組成物粒子。

Description

技術分野
本発明は、ポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子及びその製造方法に関する。
背景技術
ポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTと略記する)は、テレフタル酸及び/又はテレフタル酸の低級アルコールエステルと、1,3−プロパンジオール(トリメチレングリコールともいう:以下、PDOと略記する)との重縮合体である。
PTTを溶融紡糸して得られるPTT繊維は、驚くべきほどのソフトな風合いやドレープ性、優れたストレッチ性、低温染色性、耐候性など、多くの優れた特徴を兼ね備えている。これらの特徴は、従来のポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する)繊維やナイロン6繊維等の既存の合成繊維では得られないものである。
PTTの製造方法としては、溶融重合で得たプレポリマーを一旦ペレット化した後、再溶融させることなくペレットの状態で加熱して重合する方法、即ち、溶融重合と固相重合の組み合わせによって製造する方法が知られている。
PTTの重縮合反応を構成する素反応は、主に、以下の2種の反応から構成され、正反応は2つの末端水酸基の脱PDOによる連鎖成長反応(下記式(a1))、負反応は、エステル部分が排出されなかったPDOによって分解を受ける反応(下記式(a2):即ち、式(a1)の逆反応)とエステル部分の熱分解反応(下記式(b))である。
Figure 2003078501
PTTは、類似骨格を有するPETやポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略記する)よりも熱分解反応が起こりやすい、換言すれば、上記式(b)におけるkdが大きい。そのため、溶融重合のみで分子量を十分に高めることは難しく、溶融重合後に、融点以下の低温で重合を行う固相重合を組み合わせる方法が通常用いられる。
しかしながら、PTTの製造においては、ポリマーの性状に起因する様々な問題がある。
第一の問題は、PTTは溶融重合段階で熱分解を生じやすいことである。PTTでは、上記式(b)におけるkdが大きいので、高温では分子量の低下が起こりやすい。更に、熱分解で生じたカルボキシル基やアリル基は、更なる熱分解を加速し、ポリマーの白度や耐酸化安定性の低下の原因ともなる。
従って、PTTの溶融重合段階では、できるだけ熱分解を抑制することが、高品質のPTTを得る必須要件となるが、公知の技術範囲ではまだ不十分である。このような熱分解の問題は、PETやPBTではほとんど問題とならない。PETやPBTでは、kdに相当する熱分解速度定数がPTTに比べて遙かに小さく、熱分解が起こりにくいので、溶融重合のみでも高品質のポリマーを製造することができるため、固相重合を組み合わせなくとも十分な高分子量ポリマーを得ることができる。従って、この第一の問題は、PTTに極めて特有の問題であり、PETやPBTに関する公知の情報を用いても、この問題を解決することは困難である。
第二の問題は、固相重合を行うことにより熱分解は抑制され、高分子量のPTTを得ることができるが、重合温度の低温化により重合速度が著しく遅くなることである。公知の技術では、PTTの固相重合時間は、プレポリマーの分子量や到達分子量によっても異なるが、かなりの長時間が必要となるために、生産性の低下は避けられない。また、低温とはいえ、200℃近傍の温度で長時間固相重合すると、ある程度の熱分解は避けられない。
第三の問題は、PTTは、ペレットの状態では割れやすく、輸送、乾燥、固相重合等の過程でペレット同士が擦れ合う状態では、粉状物が発生しやすい。また、溶融重合過程で生成する環状オリゴマーがPTTに大量に含まれることである。ペレットに粉状物が混合すると、溶融成形段階で糸切れや毛羽が発生しやすくなる。また、環状オリゴマーは昇華性が高いので、溶融紡糸段階で紡口周辺に析出し、やはりそれが毛羽や糸切れの原因となる。
ペレットの割れ、粉状物の発生及び環状オリゴマーの問題については、PTTに特有の問題であり、類似構造を有するPETやPBTではほとんど問題にならない。
溶融重合のみで製造した場合、PTT中の環状オリゴマー含有量は1.6〜3.5wt%にも達する。これに対し、PET中のオリゴマー含有量は約1wt%程度である。更に、PETのオリゴマーは環状3量体が大部分であるが、PTTの環状オリゴマーは環状ダイマーが大部分であって分子量が小さいため、昇華性や水への溶解性が大きい。従って、製造工程における環状オリゴマーの問題は、PETの場合に比べて、PTTの場合の方が、問題の程度がはるかに深刻である。
PTTを、溶融重合と固相重合を組み合わせて製造方法する方法はいくつか知られているが、以上の問題を同時に解決する方法については未だ知られていない。
例えば、特開平8−311177号公報には、PTTのペレットを200℃近傍で、真空中で数時間固相重合すると、オリゴマーの含有量は1wt%以下になることが記載されている。しかしながら、オリゴマーの問題以外の上記の問題については、認識されておらず、その解決方法に関する記載はない。
米国特許第2001/0056172号A1明細書には、10〜15mgのPTTペレットを固相重合する方法が記載されている。しかしながら、粉状物の発生や環状オリゴマーの問題については、全く認識されておらず、その解決方法に関する示唆はない。
特開2000−159875号公報には、特定の状態のTiとMgとの混合触媒を用いて溶融重縮合した末端ビニル基量の低いポリマーを、減圧下または不活性気体雰囲気下で固相重合し、高品位のPTTを得る方法が開示されている。しかし、この方法では、触媒にMgを使用しているため、くすみのある色相となり、L*値が60〜70前後と低く、色相の悪いペレットとなる。また、上記の問題についての認識やその解決方法に関する示唆はない。
国際特許WO97/23543号パンフレットには、低重合度の溶融PTTをペレット化せずに、ホットプレート上に落とし、60〜190℃で結晶化させて見掛け微結晶サイズが18nm以上の固体状PTTを得、その後に固相重合する方法が記載されている。しかしながら、この方法で得られるPTTは表面の凹凸が激しく、互いに擦り合わせると容易に粉状物が発生するため、成形性はよくないと推定される。また、色調、耐酸化安定性の向上についての記載はなく、成形性、割れ、粉状物についての問題認識やその解決方法に関しては記載も示唆もない。
国際特許WO98/23662号パンフレットの実施例8には、ヒンダードフェノール系安定剤で末端封止したPTTをペレット化した後、固相重合する方法が記載されている。国際特許WO99/11709号パンフレットの実施例8には、リン系安定剤を含有したPTTをペレット化した後、固相重合する方法が記載されている。しかし、いずれにも、成形性、割れ、粉状物についての問題認識やその解決方法に関しては記載も示唆もない。
発明の開示
本発明者らは、上記のようなPTTに特有の問題、即ち、PTTの熱分解に起因する白度の低下、耐酸化安定性に関わる問題、固相重合工程での低生産性の問題、さらに粉状物や環状ダイマーによる成形性低下の問題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、PTTは、PETやPBTとは異なり、特異的に粉体化しやすいという現象をむしろ積極的に活用することにより、低い温度であっても著しく速い固相重合速度で重合できること、ペレットの場合に比べてPTT中の環状ダイマー含有量を減少させることができること、更には、ペレットを用いずに特定サイズの粉体だけにすることにより、溶融成形工程で毛羽や糸切れが発生しにくいことを見出したものである。
更に、溶融重縮合工程で高重合度(高粘度)にする必要がないため溶融重縮合反応の短時間化が可能で、固相重合をより低温化しても、高分子量でかつ熱分解の程度が最小限に抑制されたPTTが得られることをも見出した。
本発明が解決しようとする課題は、白度、耐酸化安定性に優れ、糸切れ、毛羽が少なく成形性に優れたPTT組成物粒子を提供することであり、具体的には、溶融重縮合反応により得た反応物を粒子化し、これを固相重合することによって、熱分解の程度が少ない高品質のPTTを高い生産性で得る方法を提供することである。
すなわち、本発明は下記の通りである。
1.繰返し単位の80wt%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.8〜2dl/gであって、かつ、下記(a)〜(c)の条件を満たすことを特徴とするPTT組成物粒子。
(a)粒子の大きさが3mm以下、質量が1mg/個未満である;
(b)末端カルボキシル基量が25ミリ当量/kg以下である;
(c)環状ダイマーの含有量が1.5wt%以下である:
2.該粒子を260℃にて30分間溶融状態で保持した後の環状ダイマー含有量が2wt%以下であることを特徴とする上記1に記載のPTT組成物粒子。
3.該粒子が、10メッシュのフィルター通過量が95%以上であり、かつ、500メッシュのフィルター通過量が5%以下であることを特徴とする上記1又は2に記載のPTT組成物粒子。
4.繰返し単位の80wt%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.1〜0.79dl/gであって、かつ、下記(a)〜(c)の条件を満たすことを特徴とする、固相重合に適したPTT組成物粒子。
(a)粒子の大きさが3mm以下、質量が1mg/個未満である;
(b)末端カルボキシル基量が35ミリ当量/kg以下である;
(c)環状ダイマーの含有量が1.6〜3.5wt%である:
5.該粒子が、10メッシュのフィルター通過量が95%以上であり、かつ、500メッシュのフィルター通過量が5%以下であることを特徴とする上記4に記載の、固相重合に適したPTT組成物粒子。
6.少なくとも下記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とするPTT組成物粒子の製造方法。
(1)テレフタル酸及び/又はテレフタル酸の低級アルコールエステル誘導体と1,3−プロパンジオールを反応させて、テレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステル及び/又はその重合体を生成させる工程;
(2)上記(1)の工程で得られたテレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステル及び/又はその重合体を粒子化する工程;
(3)粒子化されたテレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステル及び/又はその重合体を固相状態で加熱して、固有粘度を少なくとも0.1dl/g以上、上昇させる工程:
7.テレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステル及び/又はその重合体を粒子化する方法が、下記(1)〜(3)の少なくとも1つであることを特徴とする上記6に記載のPTT組成物粒子の製造方法。
(1)該エステル及び/又はその重合体を溶融状態で押し出した後、切断する方法;
(2)該エステル及び/又はその重合体を霧状に噴霧後、微粒子化する方法;
(3)該エステル及び/又はその重合体を固化させた後、クラッシュする方法:
8.該粒子の大きさが3mm以下で、かつ、質量が1mg/個未満あることを特徴とする上記6又は7に記載のPTT組成物粒子の製造方法。
9.該粒子が、10メッシュのフィルター通過量が95%以上であり、かつ、500メッシュのフィルター通過量が5%以下であることを特徴とする上記7に記載のPTT組成物粒子の製造方法。
10.テレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステルの重合体の末端カルボキシル基量が35ミリ当量/kg以下であることを特徴とする上記6〜9のいずれかに記載のPTT組成物粒子の製造方法。
11.上記3又は4に記載のPTT組成物粒子を固相状態で加熱して、固有粘度を少なくとも0.1dl/g以上、上昇させることを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子の製造方法。
12.固相状態で加熱して、固有粘度を少なくとも0.1dl/g以上、上昇させた後、触媒に残存する重縮合活性の一部又は全部を失活させることを特徴とする上記6〜11のいずれかに記載のPTT組成物粒子の製造方法。
13.上記触媒の重縮合活性の一部又は全部を失活させる方法が、該粒子を少なくとも50℃以上の極性化合物と接触させる方法であることを特徴とする上記12に記載のPTT組成物粒子の製造方法。
14.上記1〜3のいずれかに記載のPTT組成物粒子を、少なくとも50℃以上の極性化合物と接触させることを特徴とするPTT組成物粒子の製造方法。
15.極性化合物が、水、メタノール、リン酸、塩化水素、硫酸、アンモニアから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記13又は14に記載のPTT組成物粒子の製造方法。
16.上記1〜3のいずれかに記載のPTT組成物粒子を成形してなる成形体。
17.上記1〜3のいずれかに記載のPTT組成物粒子を成形してなる繊維。
18.繰返し単位の80wt%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.8〜2dl/gであるPTT組成物粒子を成形してなるタイヤコード。
19.上記18に記載のタイヤコードを用いたタイヤ。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のPTT組成物粒子を構成するPTTは、繰返し単位の80wt%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなるポリマーである。したがって、繰返し単位の20wt%以下、好ましくは10wt%以下の範囲で、テレフタル酸、PDO以外のコモノマーを共重合してもよい。
コモノマーの例としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン酸、ドデカン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチレングリコールダイマー、平均分子量400〜20000のポリアルキレングリコール等の1種またはそれ以上の組み合わせが挙げられる。
本発明のPTT組成物粒子には、必要に応じて各種の添加剤、例えば、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤等が共重縮合または混合されていてもよい。艶消剤としては酸化チタンが好ましく、その含有量はPTT組成物粒子に対して0.01〜3wt%が好ましい。
また、重合過程での熱分解を抑制するために熱安定剤を使用することが好ましい。熱安定剤としては、例えば、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等のリン化合物を、PTT組成物粒子に対しリン元素として、好ましくは2〜250ppm、より好ましくは10〜100ppmに相当する量を含有させることが好ましい。また、熱安定剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を、PTT組成物粒子に対し0.01〜1wt%用いてもよい。
着色が生じる場合は、酢酸コバルト、ギ酸コバルト、蛍光増白剤等の色相調整剤を、PTT組成物粒子に対し0.0001〜0.05wt%添加してもよい。
本発明のPTT組成物粒子の固有粘度は0.8〜2dl/gであり、好ましくは0.8〜1.5dl/gである。
固有粘度が0.8dl/g未満の場合は、重合度が低いため、溶融成形後の成形品の強度、耐久性が低くなる。また、固有粘度が2dl/gを越えると、溶融粘度が高すぎるため、溶融紡糸が困難になる。
本発明のPTT組成物粒子は、固相重合速度、成形性の観点から、粒子の大きさが3mm以下、質量が1mg/個未満である。
粒子の大きさが3mmを越えると、固相重合速度が遅く、また、乾燥、輸送、固相重合等で粉が発生して成形性低下の原因となる。下限については特に制限はないが、一般的な粉状化技術による最小値である0.01μm程度が下限である。
粒子化の容易さ、極性物質による後処理の点などから、好ましい粒子の大きさは2.7mm〜1μmであり、最も好ましくは2mm〜25μmである。
なお、粒子の大きさとは、PTT組成物粒子の最も長い部分を云い、例えば、粒子がほぼ円形であればその直径、ほぼ楕円形であればその長軸となる。
また、本発明のPTT組成物粒子は、10メッシュのフィルター通過量が95%以上であり、かつ、500メッシュのフィルター通過量が5%以下であることが好ましく、特に好ましくは、10メッシュのフィルター通過量が97%以上であり、かつ、500メッシュのフィルター通過量が3%以下である。この範囲であると、重合度、白度、環状ダイマー量等の点で、均質な品質のPTT組成物粒子が得られる。粒子がこのように均質で、均一な粒径を有し、粒子形状が細かいと、伝熱効果が高く、乾燥時間の短時間化、押出温度の低温化が可能であるため、熱劣化の抑制等の効果が顕著である。
PTT組成物粒子の質量としては、成形性の観点から1mg/個未満であり、好ましくは0.5mg/個以下、更に好ましくは0.3mg/個以下である。質量が低すぎると粒子が凝集しやすくなるので、下限については、凝集抑制の点から、0.0001mg/個以上であることが好ましい。
本発明のPTT組成物粒子は、PTT分子末端に由来のカルボキシル基量が、PTT組成物粒子1kg当たり25ミリ当量以下であり、好ましくは15ミリ当量/kg以下、更に好ましくは12ミリ当量/kg以下である。末端カルボキシル基量が25ミリ当量/kgを越えると、加熱時に着色したり、耐酸化安定性が低下する。
本発明のPTT組成物粒子は、環状ダイマーの含有量が、PTT組成物粒子重量に対して1.5wt%以下であり、好ましくは1.3wt%以下であり、更に好ましくは1wt%以下である。環状ダイマーの含有量がこの範囲であると、紡糸過程や加工段階での環状ダイマーによる問題が生じない。なお、環状ダイマーの含有量は少ないほど好ましく、ゼロであることが最も好ましい。
環状ダイマーとは、下記式(1)の構造を有する物質である。
Figure 2003078501
(式中、Phはテレフタル酸に由来するベンゼン環である。)
本発明のPTT組成物粒子は、260℃で30分間溶融状態で保持した後の環状ダイマー含有量が2wt%以下であることが好ましく、より好ましくは1.8wt%以下、更に好ましくは1.5wt%以下、特に好ましくは1.1wt%以下である。2wt%以下であると、PTT組成物粒子を再溶融して、溶融紡糸、溶融製膜、射出成形、押出成形、ブロー成形等の溶融成形工程で、環状ダイマーの増加量を著しく低減することができる。なお、下限については制限はなく、少ないほど好ましく、ゼロであることが最も好ましい。
本発明のPTT組成物粒子は、L*値が75以上であることが好ましく、b*値は−2〜5であることが好ましい。
L*値が75以上、あるいはb*値が5以下であると、例えば、染色や顔料を用いて着色させたとき、製品の色彩、鮮明性に優れる。製品の一層優れた発色、鮮明性を得るためには、L*値は好ましくは80以上、更に好ましくは85以上であり、b*値は好ましくは−1〜5、より好ましくは−1〜4である。
なお、L*値およびb*値は、CIE−L*a*b*(CIE1976)表色系で示される色調の指標である。L*値は明るさを表し、この数値が大きい程明るい。b*値は黄みを表し、数値が大きい程黄みが強くなる。
本発明のPTT組成物粒子の製造方法につき、好ましい一例を以下に述べる。
本発明のPTT組成物粒子は、(1)テレフタル酸及び/又はテレフタル酸の低級アルコールエステルとPDOを反応させて、ビス(3−ヒドロキシプロピル)テレフタレート及び/又はその重合体を生成させる縮合工程、(2)得られたビス(3−ヒドロキシプロピル)テレフタレート及び/又はその重合体を粒子化する工程、(3)得られた粒子を固相重合する工程、により製造される。
ここで、ビス(3−ヒドロキシプロピル)テレフタレートの重合体とは、トリメチレンテレフタレート単位がつながった重合体であり、重合度としては、好ましくは2以上、より好ましくは3〜100であり、その分子末端には、水酸基、カルボキシル基、アリル基等があってもよい。
まず、重縮合工程(1)について説明する。
重合原料として、テレフタル酸及び/又はテレフタル酸の低級アルコールエステルに対するPDOの仕込み比率は、モル比で1〜3であることが好ましく、より好ましくは1.4〜2.5であり、更に好ましくは、1.5〜2.3である。仕込み比率がこの範囲であると、エステル化反応が円滑に進行し、また、融点が高く、優れた白度のポリマーが得られる。
また、原料としては、テレフタル酸の低級アルコールエステルが、得られるPTT組成物粒子の色相がよい点で好ましい。
反応を円滑に進行させるために触媒を用いることが好ましい。触媒としては、例えば、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシドに代表されるチタンアルコキサイド、非晶性酸化チタン沈殿物、非晶性酸化チタン/シリカ共沈殿物、非晶性ジルコニア沈殿物等の金属酸化物、酢酸カルシウム、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸アンチモン等の金属カルボン酸塩、二酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物等を、全カルボン酸成分モノマーに対して0.01〜0.2wt%用いることが、反応速度、ポリマー白度の点から好ましい。
反応温度は好ましくは200〜250℃程度で、副生する水、メタノール等のアルコールを留去しながら反応を行うことができる。反応時間は通常2〜10時間、好ましくは2〜4時間である。
こうして得られた反応物は、ビス(3−ヒドロキシプロピル)テレフタレート及び/又はそのオリゴマーであるが、溶融状態で更に重縮合反応を進行させてもよい。
重縮合反応の目的は、190〜225℃の固相重合温度で固体であるような分子量にすること、即ち、融点を190℃より高くすることが目的で、分子量を極端に高める必要はない。
重縮合反応では、必要に応じて更に、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシドに代表されるチタンアルコキサイド、非晶性酸化チタン沈殿物、非晶性酸化チタン/シリカ共沈殿物、非晶性ジルコニア沈殿物等の金属酸化物、二酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物等を、全カルボン酸成分モノマーに対して0.01〜0.2wt%添加し、公知の方法に従って重縮合反応を行うことができる。
重縮合反応は、好ましくは240〜270℃、より好ましくは250〜265℃で、真空度は好ましくは0.0001〜1kPaで、反応物の末端カルボン酸量を評価しながら、35ミリ当量/kg以下になるように、最適重合時間、通常は3時間以内、好ましくは0.3〜2時間の範囲で行う。
また、重縮合反応時のPDOの留去を効率的に行うためには、重合物の表面積を大にすることが大切である。そのためには、例えば、ヘリカル型撹拌機、ディスクリングリアクタ等を用い、反応物を掻き上げて薄膜ができるように効率的な撹拌を行うと共に、重縮合反応槽の容積に対する原料仕込みの比率を40%以下にすることが好ましく、35%以下にすることがより好ましい。
更に、重縮合反応段階の溶融物の粘度が、時間の経過と共に上昇するうちに重縮合反応を停止することが好ましい。重縮合反応の時間を伸ばしても溶融物の粘度が上がらなかったり、むしろ下がったりする前に重縮合反応を終えることが大切である。なぜならば、時間を伸ばしても粘度が上がらなかったり、むしろ下がったりする場合は、重縮合反応よりも熱分解反応が優位になり、熱分解によって生成する末端カルボン酸量が増加するからである。
なお、重縮合反応の任意の段階で、好ましくは重縮合反応の前に、前記のリン系化合物やヒンダードフェノール系酸化防止剤、色相調整剤を添加することができる。
重縮合反応を経て得られた反応物の固有粘度は、通常0.1〜0.79dl/gであり、熱分解を抑制するためには、好ましくは0.1〜0.5dl/gである。また、通常1.6〜3.5wt%の環状ダイマーを含有する。
重縮合工程が終了したら、次に粒子化工程(2)を行う。
重縮合反応槽から取出した、テレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステル(即ち、ビス(3−ヒドロキシプロピル)テレフタレート)及び/又はその重合体を粒子化する方法は特に制限はないが、例えば、該エステル及び/又はその重合体を溶融状態で押し出した後に、好ましくは冷却固化させた後、細かく切断する方法、霧状に噴霧後、冷却して微粒子化する方法、固化させた後、クラッシュ(砕く)する方法等が挙げられる。
クラッシュする方法は公知の方法を用いることができ、ヘンシェルミキサー、ボールミル、クラッシャー等を用いることができる。得られた粒子の大きさ、質量は、前記の通りである。
こうして得られた粒子状のプレポリマー組成物は、固相重合(3)を行うことによって、本発明のPTT組成物粒子となる。
次に、粒子状のプレポリマー組成物から本発明のPTT組成物粒子を製造する方法について説明する。
なお、固相重合とは、固体状態のプレポリマー組成物を加熱して、固有粘度を、プレポリマー組成物の固有粘度より少なくとも0.1dl/g以上増加させることを言う。
固相重合を行う前に、プレポリマー組成物を、融点以下の温度で熱処理して結晶化を行うことが好ましい。この結晶化により、固相重合工程で、粒子同士の融着による抜出し速度のバラツキを抑制することができる。
熱処理条件は、重縮合反応を行った場合は、好ましくは不活性ガス雰囲気下、粒子の到達温度が190〜225℃で、かつ、この温度を維持する時間が5〜120分で行うことが好ましい。この温度範囲であると、結晶化が十分進行して斑が生じず、固相重合時に粒子の融着を招くことがない。
なお、急激な熱処理により重合斑を生じる場合には、結晶化熱処理の前に80〜180℃、5〜120分の熱処理を加えることが好ましい。
また、重縮合工程を省略した場合は、結晶化熱処理として、100〜200℃で徐々に昇温する方法が融着や溶融を避ける点で好ましい。この結晶化段階では分子量の増加やPDO等の副生物の排出が行われてもよい。
固相重合においては、PTTの着色を抑制し、かつ、固相重合速度を速める上から、固相重合温度は170〜225℃が好ましく、より好ましくは190〜215℃、最も好ましくは195〜210℃である。固相重合温度が上記の範囲であると、十分な固相重合速度が得られ、熱分解が生じず、また、粒子同士が固相重合槽の壁面に融着することがなく、高重合度化や高結晶化物が生成しないので、紡糸時や成型時の溶融安定性が得られる。
固相重合を行う雰囲気としては、真空中で行う場合と不活性ガス気流中で行う場合があり、いずれも粒子表面からの水やPDO等の重合副生物の排出を効率的に行うために有効な方法であり、特定条件下で行うことが重要である。
固相重合を真空中で行う場合は、重合副生物の効率的な排出のために、30kPa以下であることが好ましく、より好ましくは20kPa以下、最も好ましくは0.001〜10kPaである。
固相重合を不活性ガス気流中で行う場合は、以下に説明する。
不活性ガスとは、固相重合温度においてPTTと実質的に反応しないガスのことであり、例えば、窒素、アルゴン、ネオン等が挙げられる。好ましくは、コスト面から窒素ガスを使用するのが好ましい。不活性ガス中に酸素が含まれると、固相重合時に熱分解が促進されて着色が生じるため、酸素含有量は不活性ガスに対し100ppm以下であることが好ましい。
固相重合は、粒子状のPTTを入れた固相重合槽に不活性ガスを流通させて行う。この時の不活性ガスの流通量である空塔速度は、2cm/min以上であることが、固相重合速度の観点から好ましい。空塔速度の上限については特に制限はないが、400cm/minを越えると、重合副生物の排出効率の向上がなくなるので、400cm/minが不活性ガスのむだ使いを避けるための上限値として好ましい。
なお、空塔速度は、ガス流量(cm/min)を、ガスの通過する固相重合槽の断面積(cm)で割った値である。
不活性ガスの流通方法としては、例えば、固相重合槽の一方に一定速度で粒子状プレポリマー組成物を連続的に供給し、粒子状プレポリマー組成物の流れと逆方向から不活性ガスを流通させ、粒子状プレポリマー組成物の供給速度と同一の速度で連続的に一方から抜き出す方法、粒子状プレポリマー組成物を固相重合槽に入れ、好ましくは撹拌し、上記空塔速度の不活性ガスを流通させる方法等がある。
固相重合槽としては、内壁から粒子状プレポリマー組成物に熱を加えることができる重合槽であればよく、例えば、円柱状の筒の上方に粒子状プレポリマー組成物の入り口を設け、下方にすり鉢状の出口を設けたバンカー型の重合槽で、外側から熱媒体または蒸気等で熱を供給できるものが好ましい。
固相重合槽内の粒子状プレポリマー組成物の滞留時間は、好ましくは0.5〜20時間、より好ましくは0.5〜10時間である。連続式固相重合は、一定量ずつ固相重合を行うバッチ式に比べ、生産性が高いためより好ましい。
固相重合においては、PDOの排出を効率的に行うために、粒子状プレポリマー組成物を、効率的に撹拌あるいは、流動させることが好ましい。
以上の固相重合工程によって、高分子量化、環状ダイマー含有量の低減が達成される。
こうして得られた本発明のPTT組成物粒子は、白度、耐酸化安定性、成形性に優れたものであるが、更に、極性化合物で処理することが好ましい。重縮合工程で触媒を用いた場合、固相重合後のPTT組成物粒子は、テレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステル重合体を重縮合する触媒を含有しているが、極性化合物で処理することにより、触媒の重縮合活性の一部又は全部を失活させることができる。触媒を失活させることにより、成形工程で溶融時における環状ダイマーの増加が抑制され、耐光性に優れた一層好ましいPTT組成物粒子が得られる。
本発明においては、PTT組成物粒子であって比表面積が大きいため、ペレットを処理する場合と比較して、上記の極性化合物による処理をより効率良く行うことができる。
PTT組成物粒子と極性化合物を接触させる方法には特に制限はなく、極性化合物との処理によって、触媒の部分的あるいは完全な失活が認められればよい。例えば、PTT組成物粒子を極性化合物雰囲気に入れる方法、溶融状態、固体状態、溶液状態、分散状態のPTT組成物粒子の中に極性化合物を注入あるいは投入する方法等が挙げられる。
PTT組成物粒子を極性化合物で処理するときの温度は、50℃以上が好ましく、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは150℃以上であり、最も好ましくは180〜220℃である。
この処理時に、極性化合物は、液体、気体、臨界点以上の流体であってもよい。
処理時間も特に制限はないが、処理時間が長くなるほど、PTTの加溶媒分解が起こり、分子量の低下が起こるので、できるだけ短時間に処理することが好ましい。通常は60分以内が好ましく、より好ましくは30分、更に好ましくは10分以内である。
極性化合物としては、酸素、窒素、リン、硫黄等のヘテロ原子を有するものであり、より好ましくは水素結合が可能な化合物である。このような化合物の具体例としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、PDO、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、グリセリン、エタノールアミン等のアルコール、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、リン酸、亜リン酸等のリン化合物、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、塩化水素、硫酸等の酸、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン、エチレンイミン、アミン等のアミンが挙げられる。なかでも、水、メタノール、リン酸、塩化水素、硫酸、アンモニアが好ましく、取り扱いの容易さや無毒である点から、水が特に好ましい。
極性化合物とPTT組成物粒子を接触させる時の両化合物の比率としては、特に制限はなく、通常は質量比で100000/1〜0.01/1であればよい。
以上のようにして得られた本発明のPTT組成物粒子は、白度、耐酸化安定性、成形性に優れているので、公知の溶融成形、湿式成形等により、繊維、フィルム、成形品等の成形体に加工することができる。
とりわけ、繊維は、ソフトな風合い、耐疲労性、弾性回復性に優れているので、衣料、資材用途として有用である。例えば、繊維の形態としては、マルチフィラメント、モノフィラメント、スフ、不織布等が挙げられ、単糸繊度としては0.0001〜30000dtex、総繊度としては5〜30000dtexまで広範囲が可能である。また、固有粘度としては、耐疲労性の観点から0.8〜2dl/gが好ましく、強度としては3cN/dtex以上が好ましく、より好ましくは4cN/dtex以上、伸度としては10〜50%が好ましい。
繊維の好適な用途の例としては、撚糸した撚糸物(撚糸コード)にして、例えば、タイヤ、ベルト、ホース等の補強材料用途が挙げられ、特に、優れた耐酸化安定性、耐疲労性を生かしてバイヤスタイヤ用タイヤコードとして極めて有用である。撚糸の種類、方法、合撚本数については特に制限はなく、撚り糸の種類としては、例えば、片撚り糸、もろ撚り糸、ピッコもろ撚り糸、強撚糸などが挙げられる。合撚する本数も特に制限はなく1本撚り、2本撚り、3本撚り、4本撚り、5本撚りのいずれでもよく6本以上の合撚であってもよい。この時、PTT繊維以外の繊維、例えば、ナイロン繊維、PET繊維、アラミド繊維、レーヨン等と合撚することができる。
撚り数については特に制限はなく、単糸繊度や総繊度によって適宜選択することができ、加工条件、使用環境に応じて任意に撚り数を選定すればよい。例えば、単糸繊度が0.01〜10dtex、総繊度が30〜100000dtexであるマルチフィラメントからなる撚糸コードの場合には、下記式で表される撚り係数K(T/m・dtex0.5)が1000〜30000の範囲で撚糸されたものが、強度の発現、耐疲労性の観点から好ましい。
Figure 2003078501
ここで、Yは撚糸コード1mあたりの撚り数(T/m)、Dは撚糸コードの総繊度(dtex)である。この総繊度は、撚糸に用いた全繊維の繊度の和である。例えば、1660dtexの繊維を3本撚り合わせた場合、撚糸物の総表示繊度は4980dtex(1660×3)となる。複数の繊維を撚り合わせ、下撚り、上撚り等の多段の撚りを加えた場合、最後に加えた撚りの回数を撚り数Yとして撚り係数を算出する。
このような撚糸コードに10〜30wt%のレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(以下、RFLと略記する)液を付着させ、少なくとも100℃の熱をかけて固着させることにより、熱特性に優れる処理コードを得ることができる。RFL樹脂の付着量は、繊維の質量に対して2〜7wt%が好ましい。
RFL液の組成は特に限定されず、従来公知の組成のものをそのまま、あるいは変形して使用することができる。RFL液の好ましい組成としては、レゾルシンを0.1〜10wt%、ホルマリンを0.1〜10wt%、ラテックスを1〜28wt%であり、より好ましい組成としては、レゾルシン0.5〜3wt%、ホルマリン0.5〜3wt%、ラテックス10〜25wt%である。
RFL液処理における乾燥温度は、好ましくは120〜250℃、より好ましくは130〜200℃であり、少なくとも10秒、好ましくは20〜120秒間、乾燥熱処理することが望ましい。また、乾燥後のRFL付着コードは、引き続き定長熱処理を行うことが望ましい。熱処理条件としては、処理温度は好ましくは撚糸コードの最大熱収縮温度±50℃、より好ましくは最大熱収縮温度±10℃、最も好ましくは最大熱収縮温度±5℃であり、熱処理時間は好ましくは10〜300秒、より好ましくは30〜120秒である。また、熱処理の際にはコードを定長に維持することが望ましく、熱処理前後のコードの寸法変化は、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下、最も好ましくは0%である。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明は実施例などにより何ら限定されるものでないことは言うまでもない。
なお、測定方法、評価方法等は以下の通りである。
(1)固有粘度
固有粘度[η]は、オストワルド粘度管を用い、35℃、o−クロロフェノールを用いて比粘度ηspと濃度C(g/100ml)の比(ηsp/C)を濃度ゼロに外挿し、下記式に従って求めた。
Figure 2003078501
(2)粒子の大きさ、質量
ノギスと顕微鏡を用いて、任意の50個のPTT組成物粒子の粒の最も長い部分の長さを測定し、その平均値を粒子の大きさとした。
また、粒子の質量は、任意の50個のPTT組成物粒子の質量の平均値を求めた。
(3)通過量
10メッシュ(JIS Z8801 目開き:1.70mm)及び500メッシュ(JIS Z8801 目開き:25μm)のフィルターを用い、PTT組成物粒子を50g通過させ、通過量の比率を求めた。
(4)末端カルボキシル基量
PTT組成物粒子1gをベンジルアルコール25mlに溶解し、次いで、クロロホルム25mlを加えた後、1/50Nの水酸化カリウムベンジルアルコール溶液で滴定した。得られた滴定量(VA)(ml)と、PTT組成物粒子無しのブランク滴定での滴定量(VO)より、下記式(2)にて、ペレット1kg当たりの末端カルボキシル基量(ミリ当量/kg)を求めた。
Figure 2003078501
(5)環状ダイマー含有量
試料0.3gを、5mlのクロロホルムと5mlの(CFCHOHとの混合液に溶解させた後、更にクロロホルム5mlを加え、次いでアセトニトリルを約80ml加えた。この時析出した不溶物をろ別し、溶液を全て集めた。この溶液にアセトニトリルを添加し、200mlの溶液とした。
この溶液を高速液体クロマトグラフィーを用いて分析し、環状オリゴマー量を測定した。カラムは、μBond asphere 15μ C−18−100A 3.9×190mm(ウォータース社製)を用い、移動相としては水/アセトニトリル(容積比30/70)を用い、検出器としては紫外線242nmの波長を用いた。温度は45℃、流量は1.5ml/minで行った。
(6)色調(L*、b*)
PTT組成物粒子を、ガラス製セル(内径61mm×深さ30mm)に深さの9〜10割まで満たし、スガ試験機(株)製の色彩色差計(SM−7−CH)を用いて、CIE−L*a*b*(CIE1976)表色系でL*、b*を測定した。
(7)耐酸化安定性
PTT組成物粒子を、220℃で、24時間、空気中で加熱した後、b*値を測定し、耐酸化安定性の指標とした。
(8)PTT組成物粒子の260℃溶融テスト
試料1gをガラスアンプルに入れ、空気を真空除去してから溶封した後、ガラスアンプルを260℃のオイルバスに入れて30分間加熱した。その後、ガラスアンプルを取り出して冷却し、試料を取り出して環状ダイマー含有量を測定した。
〔実施例1〜3〕
テレフタル酸ジメチル1300g(6.7モル)、PDO1144g(15モル)、チタンブトキシド0.78gを、板状の羽根を備えた3リットルのオートクレーブに仕込み、220℃でメタノールを留去しながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応率は、95%であった。エステル交換反応終了後、触媒としてチタンテトラブトキシド0.52g、熱安定剤としてトリメチルホスフェート0.65gを添加し、30分攪拌後、PDOを留去しながら、20Paの真空度で260℃、2時間重縮合反応を行った。反応後、得られたポリマーを重縮合反応槽底部からロープ状に押出し、切断して、固有粘度が0.5dl/g、質量が25mg/個のペレットを得た。
得られたペレットを井内盛栄堂(株)製のサンプルミルSM−1に入れ、最大速度で1分間細かく粒子化し、粒子の大きさ1mm、質量が0.95mg/個、末端カルボキシル基量が32ミリ当量/kg、環状ダイマー量が2.7wt%のPTT組成物粒子プレポリマーを得た。
得られたプレポリマーを、200℃で、15分間加熱して結晶化した後、5Paの真空下、205℃で固相重合を行った。固相重合の時間、得られたPTT組成物粒子の物性を表1に示す。得られたPTT組成物粒子は、白度、耐酸化安定性に優れ、また、環状ダイマー量も少なかった。
次に、紡糸実験を以下のように行った。
実施例1及び2で得られたPTT組成物粒子を、各々130℃で乾燥後、水分率を50ppm以下とし、2軸押出機を用いて260℃で溶融して押出し、巻取速度1600m/minで3kg毎に巻き取り、未延伸糸を得た。なお、溶融時の滞留時間は約10分であった。
巻き取られた未延伸糸を、55℃のホットロール、140℃のホットプレートを通しながら、伸度が40%になるように熱延伸を行い、84dtex/36fのフィラメントを得た。紡糸実験を3日間行ったが、未延伸糸の巻き取りや延伸工程での糸切れ、毛羽の発生はなかった。
〔実施例4及び5〕
固相重合を以下の条件とした以外は、実施例1と同様にして行った。
不活性ガスとして、207℃に加熱した窒素ガスを空塔速度で100cm/min (標準状態換算)の流量で流しながら、固相重合装置の外壁からは210℃の熱を加えて15分間熱処理を行い、PTT組成物粒子プレポリマーの結晶化を行った。結晶化処理されたPTT組成物粒子プレポリマーを固相重合装置に投入し、205℃に加熱した窒素ガスを空塔速度で100cm/min(標準状態換算)の流量で流しつつ、外壁からは205℃の熱を加えながら固相重合を行い、PTT組成物粒子を得た。固相重合の時間は表1に示した通りである。
得られたPTT組成物粒子は、白度、耐酸化安定性に優れ、また環状ダイマー量も少なかった。
次に、紡糸実験を以下のように行った。
得られたPTT組成物粒子を、各々130℃で乾燥後、水分率を50ppm以下とし、2軸押出機を用いて260℃で溶融して押出し、巻取速度1600m/minで3kg毎に巻き取り、未延伸糸を得た。溶融時の滞留時間は約10分であった。
巻き取られた未延伸糸を55℃のホットロール、140℃のホットプレートを通しながら、伸度が40%になるように熱延伸を行い、84dtex/36fのフィラメントを得た。紡糸実験を3日間行ったが、未延伸糸の巻き取りや延伸工程での糸切れ、毛羽の発生はなかった。
〔実施例6及び7〕
テレフタル酸ジメチル1300g(6.7モル)、PDO1144g(15モル)、チタンブトキシド0.78gを、板状の羽根を備えた3リットルのオートクレーブに仕込み、220℃でメタノールを留去しながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応率は、95%であった。エステル交換反応終了後、得られた反応物を0.5MPaの窒素圧をかけて霧状に噴霧し、粒子化した。得られた粒子は、大きさは0.3mm、質量は0.3mg/個、末端カルボキシル基量は30ミリ当量/kg、環状ダイマー量は2.7wt%であった。
得られた粒子を、5Paの真空中で70℃から200℃まで1時間かけて昇温しながら結晶化した。この時に分子量の増加が起こった。次いで、5Paの真空下、205℃で固相重合を行い、PTT組成物粒子を得た。固相重合の時間、得られたPTT組成物粒子の物性を表1に示す。得られたPTT組成物粒子は、白度、耐酸化安定性に優れ、また環状ダイマー量も少なかった。
〔実施例8〕
テレフタル酸ジメチルの代わりに、同じモル数のテレフタル酸を用い、水を留去させながら、実施例1と同様に行った。
粒子状プレポリマーは、大きさは1.0mm、質量は0.95mg/個、末端カルボキシル基量は34ミリ当量/kg、環状ダイマー量は2.6wt%であった。
得られたPTT組成物粒子は、白度、耐酸化安定性に優れ、また環状ダイマー量も少なかった。
〔実施例9〕
実施例1で得られたPTT組成物粒子を、205℃の水蒸気中で1時間放置し、その後乾燥させた。得られたPTT組成物粒子の物性に大きな変化はなかったが、260℃の溶融テスト後の環状ダイマー量は1.0wt%と少なかった。また、フェードメーターを用い、83℃で100時間の耐光性テストを行ったところ、ほとんど黄色みを帯びていなかった。
これに対し、実施例1で得られたPTT組成物粒子を水蒸気処理せずに、260℃、30分の再溶融試験を行ったところ、再溶融後のPTT組成物中に含まれる環状ダイマー量は1.8wt%であった。またフェードメーターを用い、83℃で100時間の耐光性テストを行ったところ、若干黄色みを帯ていた。
なお、水蒸気処理したPTT組成物粒子を,更に5Paの真空下、205℃で1時間固相重合した結果、固有粘度の上昇は認められなかった。このことは、水蒸気処理により触媒が失活したことを示すものである。
〔実施例10〕
実施例1で得られたPTT組成物粒子を、1wt%のリン酸水溶液中で、130℃、1時間放置し、次いで乾燥させた。得られたPTT組成物粒子の物性に大きな変化はなかったが、260℃の溶融テスト後の環状ダイマー量は0.9wt%と少なかった。またフェードメーターを用い、83℃で100時間の耐光性テストを行ったところ、ほとんど黄色みを帯びていなかった。
なお、リン酸水溶液処理したPTT組成物粒子を、更に5MPaの真空下、205℃で1時間固相重合した結果、固有粘度の上昇は認められなかった。このことは、リン酸水溶液処理により触媒が失活したことを示すものである。
〔比較例1〕
重縮合温度を280℃として溶融重縮合を行ったこと以外は、実施例1と同様にして行った。得られたプレポリマーペレットは、固有粘度が0.7dl/g、L*が74、b*が7.0、末端カルボキシル基量が40ミリ当量/kg、環状ダイマー量が2.9wt%であり、黄みが強く、くすんだ色をしたペレットであった。
実施例1と同様にして、このペレットを粉砕して粒子化後、固相重合を行ったところ、固相重合速度は遅かった。また、得られたPTT組成物粒子は、末端カルボキシル基量が多いため、着色が激しく、また乾燥熱処理時の着色も激しかった。
〔比較例2〕
25mg/個のプレポリマーペレット(直径2.4mm、高さ4.0mmの円筒形状)を砕かずに、そのまま固相重合を行った以外は、実施例1と同様にして行った。得られたPTT組成物粒子は、固有粘度が0.61dl/gであった。
〔実施例11〕
実施例3で得られたPTT組成物粒子を、130℃の窒素気流中で水分率を10ppmまで乾燥させた後、押出機に投入し、290℃で溶融して口径0.23mm×2500個の丸型紡孔を通して押出した。押出機でのスクリュー圧の変動も無く、スムーズに紡糸ができた。
押し出されたフィラメント群に、20℃、相対湿度90%の冷風を0.4m/secの速度で吹き付け、冷却固化させた。固化したフィラメント群に仕上げ剤を付着させ、1600m/minで巻き取って未延伸糸を得た。次に、得られた未延伸糸を、55℃のホットロール、140℃のホットプレートを通しながら、伸度がほぼ40%になるように延伸し、500dtex/250fの延伸糸を得た。得られた延伸糸は、強度は5.3cN/dtex、弾性率は25cN/dtexであった。
こうして得られたPTT繊維を3本用いて、下撚、上撚共に、390T/mで合撚し、1500dtex/750fの生コードを得た。この生コードに、樹脂量20wt%のRFL液を付着させ、コードの樹脂付着率が5wt%になるようにして、130℃、225℃の乾燥機で処理し、タイヤコードを得た。
得られたタイヤコードを用いて、バイヤスタイヤを作製し、回転試験を行った。
1tの乗用車が、35℃のアスファルト面を200km/hrで走行する場合を想定し、その場合と同じ接圧をかけながら、同じ速度で回転させ、96時間の回転試験を行った。
96時間の回転試験後、タイヤからタイヤコードを取り出し、強度保持率を測定した結果、強度低下は殆ど起こっていなかった。
〔実施例12〕
室内に1ヶ月放置した実施例1の組成物粒子と比較例2のポリマーペレットの乾燥テストを行った。
160℃の乾燥空気中で保持したところ、50ppm以下の水分率まで到達するには、実施例1の組成物粒子で3時間、比較例2のポリマーペレットで15時間必要であった。この時、実施例1の組成物粒子はb*に変化はなかったが、比較例2のポリマーペレットはb*が0.4上昇した。
水分率を40ppmまで乾燥した実施例1の組成物粒子と比較例2のポリマーペレットを、押出機を用いて溶融させた。実施例1の組成物粒子は247℃でも安定して吐出できたが、比較例2のポリマーペレットは溶解が不十分で圧力が大きく変動した。
Figure 2003078501
産業上の利用の可能性
本発明のPTT組成物粒子は、白度、耐酸化安定性、成形性、更には、均質性が高く、成形性に優れており、また、粒子形状が細かく、均質であるために、伝熱効果が高く、乾燥時間の短時間化、押出温度の低温化による熱劣化の抑制等の優れた効果を少なくとも1つ以上有している。したがって、本発明のPTT組成物粒子を原料とすることにより、紡糸時の糸切れがなく高品質の繊維、あるいはフィルム等を高い生産性で製造することができる。

Claims (19)

  1. 繰返し単位の80wt%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.8〜2dl/gであって、かつ、下記(a)〜(c)の条件を満たすことを特徴とするポリトリメチレンテフタレート組成物粒子。
    (a)粒子の大きさが3mm以下、質量が1mg/個未満である;
    (b)末端カルボキシル基量が25ミリ当量/kg以下である;
    (c)環状ダイマーの含有量が1.5wt%以下である:
  2. 該粒子を260℃にて30分間溶融状態で保持した後の環状ダイマー含有量が2wt%以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子。
  3. 該粒子が、10メッシュのフィルター通過量が95%以上であり、かつ、500メッシュのフィルター通過量が5%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリトリメチレンテフタレート組成物粒子。
  4. 繰返し単位の80wt%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.1〜0.79dl/gであって、かつ、下記(a)〜(c)の条件を満たすことを特徴とする、固相重合に適したポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子。
    (a)粒子の大きさが3mm以下、質量が1mg/個未満である;
    (b)末端カルボキシル基量が35ミリ当量/kg以下である;
    (c)環状ダイマーの含有量が1.6〜3.5wt%である:
  5. 該粒子が、10メッシュのフィルター通過量が95%以上であり、かつ、500メッシュのフィルター通過量が5%以下であることを特徴とする請求項4に記載の、固相重合に適したポリトリメチレンテフタレート組成物粒子。
  6. 少なくとも下記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子の製造方法。
    (1)テレフタル酸及び/又はテレフタル酸の低級アルコールエステル誘導体と1,3−プロパンジオールを反応させて、テレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステル及び/又はその重合体を生成させる工程;
    (2)上記(1)の工程で得られたテレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステル及び/又はその重合体を粒子化する工程;
    (3)粒子化されたテレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステル及び/又はその重合体を固相状態で加熱して、固有粘度を少なくとも0.1dl/g以上、上昇させる工程:
  7. テレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステル及び/又はその重合体を粒子化する方法が、下記(1)〜(3)の少なくとも1つであることを特徴とする請求項6に記載のポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子の製造方法。
    (1)該エステル及び/又はその重合体を溶融状態で押し出した後、切断する方法;
    (2)該エステル及び/又はその重合体を霧状に噴霧後、微粒子化する方法;
    (3)該エステル及び/又はその重合体を固化させた後、クラッシュする方法:
  8. 該粒子の大きさが3mm以下で、かつ、質量が1mg/個未満あることを特徴とする請求項6又は7に記載のポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子の製造方法。
  9. 該粒子が、10メッシュのフィルター通過量が95%以上であり、かつ、500メッシュのフィルター通過量が5%以下であることを特徴とする請求項7に記載のポリトリメチレンテフタレート組成物粒子の製造方法。
  10. テレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステルの重合体の末端カルボキシル基量が35ミリ当量/kg以下であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子の製造方法。
  11. 請求項3又は4に記載のポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子を固相状態で加熱して、固有粘度を少なくとも0.1dl/g以上、上昇させることを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子の製造方法。
  12. 固相状態で加熱して、固有粘度を少なくとも0.1dl/g以上、上昇させた後、触媒に残存する重縮合活性の一部又は全部を失活させることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子の製造方法。
  13. 上記触媒の重縮合活性の一部又は全部を失活させる方法が、該粒子を少なくとも50℃以上の極性化合物と接触させる方法であることを特徴とする請求項12に記載のポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子の製造方法。
  14. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子を、少なくとも50℃以上の極性化合物と接触させることを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子の製造方法。
  15. 極性化合物が、水、メタノール、リン酸、塩化水素、硫酸、アンモニアから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項13又は14に記載のポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子の製造方法。
  16. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子を成形してなる成形体。
  17. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子を成形してなる繊維。
  18. 繰返し単位の80wt%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.8〜2dl/gであるポリトリメチレンテレフタレート組成物粒子を成形してなるタイヤコード。
  19. 請求項18に記載のタイヤコードを用いたタイヤ。
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