JPWO2003070952A1 - 蛍光蛋白質 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、オワンクラゲ以外の生物に由来する新規な一次構造を有する蛍光蛋白質を提供することである。本発明によれば、オオカワリイソギンチャク(Halcurias sp.L)由来の下記の特性を有する蛍光蛋白質が提供される。(1)励起極大波長が494nmであり、蛍光極大波長は506nmである;(2)494nmにおけるモル吸光係数が、94600M−1cm−1である;(3)量子収率が0.65である;及び(4)pH4〜11の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い:

Description

技術分野
本発明は、新規な蛍光蛋白質に関する。より詳細には、本発明は、オオカワリイソギンチャク(Halcurias sp.L)由来の新規な蛍光蛋白質及びその利用に関する。
背景技術
クラゲのエクオレア・ビクトリア(Aequorea victoria)に由来する緑色蛍光蛋白質(GFP)は、生物系において多くの用途を有する。最近、ランダム突然変異誘発法および半合理的(semi−rational)突然変異誘発法に基づいて、色を変化させたり、折りたたみ特性を改善したり、輝度を高めたり、あるいはpH感受性を改変したといった様々なGFP変異体が作製されている。遺伝子組み換え技術により他の蛋白質をGFP等の蛍光蛋白質に融合させて、それらの発現および輸送のモニタリングを行うことが行われている。
最もよく使用されるGFP変異体の一つとして黄色蛍光蛋白質(YFP)が挙げられる。YFPは、クラゲ(Aequorea)GFP変異体の中でも最長波長の蛍光を示す。大部分のYFPのεおよびΦは、それぞれ60,000〜100,000M−1cm−1および0.6〜0.8であり(Tsien,R.Y.(1998).Ann.Rev.Biochem.67,509−544)、これらの値は、一般的な蛍光団(フルオレセインおよびローダミンなど)の値に匹敵する。従ってYFPの絶対的輝度の改善は、ほぼ限界に達しつつある。
発明の開示
本発明は、オワンクラゲ以外の生物に由来する新規な一次構造を有する蛍光蛋白質を提供することを解決すべき課題とした。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討し、蛍光を示す生物としてオオカワリイソギンチャクに着目し、オオカワリイソギンチャク由来のcDNAライブラリーを用いてから発現クローニングを行った結果、新規な蛍光蛋白質をコードする遺伝子をクローニングすることに成功した。本発明者らは、得られた蛍光蛋白質の蛍光特性を調べた結果、当該蛍光蛋白質が所望の蛍光特性を有することを見出した。さらに、本発明者らは、この蛍光蛋白質のアミノ酸配列に変異を導入した変異蛋白質を作製し、蛍光特性を調べた結果、蛍光特性が改変された蛍光蛋白質を得ることに成功した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、オオカワリイソギンチャク(Halcurias sp.L)由来の下記の特性を有する蛍光蛋白質が提供される。
(1)励起極大波長が494nmであり、蛍光極大波長は506nmである;
(2)494nmにおけるモル吸光係数が、94600M−1cm−1である;
(3)量子収率が0.65である;及び
(4)pH4〜11の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い:
本発明の別の態様によれば、上記蛍光蛋白質の変異蛋白質であって、下記の特性を有する蛍光蛋白質が提供される。
(1)励起極大波長が494nmであり、蛍光極大波長は507nmである;
(2)494nmにおけるモル吸光係数が、68800M−1cm−1である;
(3)量子収率が0.66である;及び
(4)pH6〜11の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い:
本発明のさらに別の態様によれば、上記蛍光蛋白質の変異蛋白質であって、下記の特性を有する蛍光蛋白質が提供される。
(1)励起極大波長が507nmであり、蛍光極大波長は514nmである;
(2)507nmにおけるモル吸光係数が、88600M−1cm−1である;
(3)量子収率が0.61である;及び
(4)pH9〜11の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い:
本発明のさらに別の態様によれば、上記蛍光蛋白質の変異蛋白質であって、下記の特性を有する蛍光蛋白質が提供される。
(1)励起極大波長が391nmであり、蛍光極大波長は505nmである;
(2)391nmにおけるモル吸光係数が、20000M−1cm−1である;
(3)量子収率が0.84である;及び
(4)pH4〜10の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い:
本発明のさらに別の態様によれば、以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が提供される。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、かつ蛍光を有するアミノ酸配列:
本発明のさらに別の態様によれば、以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が提供される。
(a)配列番号3に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、かつ蛍光を有するアミノ酸配列:
本発明のさらに別の態様によれば、以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が提供される。
(a)配列番号5に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号5に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、かつ蛍光を有するアミノ酸配列:
本発明のさらに別の態様によれば、以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が提供される。
(a)配列番号7に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号7に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、かつ蛍光を有するアミノ酸配列:
本発明のさらに別の態様によれば、以下の何れかのDNAが提供される。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列をコードし、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
(c)配列番号2に記載の塩基配列を有するDNA;又は、
(d)配列番号2に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
本発明のさらに別の態様によれば、以下の何れかのDNAが提供される。
(a)配列番号3に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;又は、
(b)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列をコードし、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
(c)配列番号4に記載の塩基配列を有するDNA;又は、
(d)配列番号4に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
本発明のさらに別の態様によれば、以下の何れかのDNAが提供される。
(a)配列番号5に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;又は、
(b)配列番号5に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列をコードし、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
(c)配列番号6に記載の塩基配列を有するDNA;又は、
(d)配列番号6に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
本発明のさらに別の態様によれば、以下の何れかのDNAが提供される。
(a)配列番号7に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;又は、
(b)配列番号7に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列をコードし、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
(c)配列番号8に記載の塩基配列を有するDNA;又は、
(d)配列番号8に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
本発明のさらに別の態様によれば、上記した何れかのDNAを有する組み換えベクターが提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、上記した何れかのDNA又は組み換えベクターを有する形質転換体が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、上記した何れかの蛍光蛋白質と他の蛋白質とから成る融合蛍光蛋白質が提供される。好ましくは、他の蛋白質は細胞内に局在する蛋白質であり、特に好ましくは細胞内小器官に特異的な蛋白質である。
本発明のさらに別の態様によれば、上記した何れかの融合蛋白質を細胞内で発現させることを特徴とする、細胞内における蛋白質の局在または動態を分析する方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、上記した何れかの蛍光蛋白質、DNA、組み換えベクター、形質転換体、又は融合蛋白質を含む、蛍光試薬キットが提供される。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(1)本発明の蛍光蛋白質
本発明の蛍光蛋白質は、オオカワリイソギンチャク(Halcurias sp.L)由来のものであり、下記の特性を有することを特徴とする。
(1)励起極大波長が494nmであり、蛍光極大波長は506nmである;
(2)494nmにおけるモル吸光係数が、94600M−1cm−1である;
(3)量子収率が0.65である;及び
(4)pH4〜11の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い
オオカワリイソギンチャク(Halcurias sp.L)はイソギンチャクの1種で、蛍光を示すことを特徴とする。なお、本明細書中以下の実施例では、和歌山県田辺市沖から採取したオオカワリイソギンチャクを出発材料として、上記特性を有する本発明の蛍光蛋白質を単離したが、オオカワリイソギンチャク以外の蛍光を発するイソギンチャクから本発明の蛍光蛋白質を取得することができる場合もあり、そのような蛍光蛋白質も本発明の範囲内である。
本発明の蛍光蛋白質は、以下の実施例で示す通り、励起極大波長が494nmであり、蛍光極大波長は506nmであり、494nmにおけるモル吸光係数は94600M−1cm−1であり、量子収率は0.65である。
これに対してEGFP(クロンテック)のモル吸光係数は44800であり、量子収率は0.600である。モル吸光係数は蛍光分子1モルあたりの光子の吸収量を表し、量子収率は吸収した光子のどれだけを蛍光として発する事が出来るかを表した数値であるため、モル吸光係数、量子収率の値が大きいことは蛍光が強い事を示す。よってEGFPよりもモル吸光係数、量子収率の値が大きい本発明の蛍光蛋白質は、EGFPよりもより強い蛍光を発する。
本発明の蛍光蛋白質は、pH4〜11の範囲において蛍光特性のpH感受性が低いことを特徴とする。即ち、pH4〜11の範囲において蛍光強度のピーク値の変動が少なく、このpH範囲において高い蛍光強度を維持することができる。従来から使用されているEGFPの場合には、pH7以下では蛍光強度が低下するため生体内での使用に際して制約があったが、本発明の蛍光蛋白質にはそのような制約がない。
また、本発明の蛍光蛋白質の分子量は約28kDaである。
さらに本発明は、上記した蛍光蛋白質の変異体であって、下記の何れかの特性を有する蛍光蛋白質(以下、変異体1と称する)を提供する。
(1)励起極大波長が494nmであり、蛍光極大波長は507nmである;
(2)494nmにおけるモル吸光係数が、68800M−1cm−1である;
(3)量子収率が0.66である;及び
(4)pH6〜11の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い:
さらに本発明は、上記した蛍光蛋白質の変異体であって、下記の何れかの特性を有する蛍光蛋白質(以下、変異体2と称する)を提供する。
(1)励起極大波長が507nmであり、蛍光極大波長は514nmである;
(2)507nmにおけるモル吸光係数が、88600M−1cm−1である;
(3)量子収率が0.61である;及び
(4)pH9〜11の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い
さらに本発明は、上記した蛍光蛋白質の変異体であって、下記の何れかの特性を有する蛍光蛋白質(以下、変異体3と称する)を提供する。
(1)励起極大波長が391nmであり、蛍光極大波長は505nmである;
(2)391nmにおけるモル吸光係数が、20000M−1cm−1である;
(3)量子収率が0.84である;及び
(4)pH4〜10の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い:
これらの変異体1、2及び3は、上記した本発明の蛍光蛋白質をコードする遺伝子を鋳型にしてMnClを加えた状態でPCRをして無作為に変異を導入することにより得られたものである。
変異体1は明るくなり凝集する性質が緩和された変異体である。変異体2は蛍光スペクトルのピークが長波長にシフトし、pH感受性が高くなっていることを特徴とする。変異体3は励起スペクトルのピークが短波長にシフトした変異体である。また、変異体1及び2のモル吸光係数及び量子収率の値は、EGFPよりも大きいことから、これら変異体1及び2はEGFPよりもより強い蛍光を発する。
また、変異体1、2及び3の分子量は約28kDaである。
以下、本明細書において本発明の蛍光蛋白質と言う場合には、上記の変異体1、2及び3も含めて、本発明の範囲に属する全ての蛍光蛋白質のことを意味する。
本発明の蛍光蛋白質の具体例としては、以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が挙げられる。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質と同等の蛍光特性を有するアミノ酸配列:
また、変異体1の具体例としては、以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が挙げられる。
(a)配列番号3に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、かつ蛍光を有するアミノ酸配列:
さらに、変異体2の具体例としては、以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が挙げられる。
(a)配列番号5に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号5に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、かつ蛍光を有するアミノ酸配列:
さらに、変異体3の具体例としては、以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が挙げられる。
(a)配列番号7に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号7に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、かつ蛍光を有するアミノ酸配列:
本明細書で言う「1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から20個、好ましくは1から10個、より好ましくは1から7個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
本明細書で言う「蛍光を有する」とは、蛍光を発することができる全ての場合を包含し、蛍光強度、励起波長、蛍光波長、pH感受性などの諸特性は変動していてもよいし、同様のままでもよい。
本発明の蛍光蛋白質の取得方法については特に制限はなく、化学合成により合成した蛋白質でもよいし、遺伝子組み換え技術による作製した組み換え蛋白質でもよい。
組み換え蛋白質を作製する場合には、先ず当該蛋白質をコードするDNAを入手することが必要である。本明細書の配列表の配列番号1、3、5又は7に記載したアミノ酸配列並びに配列番号2、4、6又は8に記載した塩基配列の情報を利用することにより適当なプライマーを設計し、それらを用いて上記したような各種の公知の蛍光蛋白質のcDNAクローンを鋳型にしてPCRを行うことにより、本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAを取得することができる。本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAの一部の断片を上記したPCRにより得た場合には、作製したDNA断片を順番に遺伝子組み換え技術により連結することにより、所望の蛍光蛋白質をコードするDNAを得ることができる。このDNAを適当な発現系に導入することにより、本発明の蛍光蛋白質を産生することができる。発現系での発現については本明細書中後記する。
(2)本発明のDNA
本発明によれば、本発明の蛍光蛋白質をコードする遺伝子が提供される。
本発明の蛍光蛋白質(上記変異体1、2及び3を含む)をコードするDNAの具体例としては、以下の何れかのDNAが挙げられる。
(a)配列番号1、3、5又は7に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;又は、
(b)配列番号1、3、5又は7に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列をコードし、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
(c)配列番号2、4、6又は8に記載の塩基配列を有するDNA;又は、
(d)配列番号2、4、6又は8に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
本発明のDNAは、例えばホスホアミダイト法などにより合成することができるし、特異的プライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって製造することもできる。本発明のDNA又はその断片の作製方法については、本明細書中上述した通りである。
また、所定の核酸配列に所望の変異を導入する方法は当業者に公知である。例えば、部位特異的変異誘発法、縮重オリゴヌクレオチドを用いるPCR、核酸を含む細胞の変異誘発剤又は放射線への露出等の公知の技術を適宜使用することによって、変異を有するDNAを構築することができる。このような公知の技術は、例えば、Molecular Cloning:A laboratory Mannual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY.,1989、並びにCurrent Protocols in Molecular Biology,Supplement 1〜38,John Wiley & Sons(1987−1997)に記載されている。
(3)本発明の組み換えベクター
本発明のDNAは適当なベクター中に挿入して使用することができる。本発明で用いるベクターの種類は特に限定されず、例えば、自立的に複製するベクター(例えばプラスミド等)でもよいし、あるいは、宿主細胞に導入された際に宿主細胞のゲノムに組み込まれ、組み込まれた染色体と共に複製されるものであってもよい。
好ましくは、本発明で用いるベクターは発現ベクターである。発現ベクターにおいて本発明のDNAは、転写に必要な要素(例えば、プロモーター等)が機能的に連結されている。プロモータは宿主細胞において転写活性を示すDNA配列であり、宿主の種類に応じて適宜することができる。
細菌細胞で作動可能なプロモータとしては、バチルス・ステアロテルモフィルス・マルトジェニック・アミラーゼ遺伝子(Bacillusstearothermophilus maltogenic amylase gene)、バチルス・リケニホルミスaアミラーゼ遺伝子(Bacillus licheniformis alpha−amylase gene)、バチルス・アミロリケファチエンス・BANアミラーゼ遺伝子(Bacillus amyloliquefaciens BAN amylase gene)、バチルス・サブチリス・アルカリプロテアーゼ遺伝子(Bacillus Subtilis alkaline protease gene)もしくはバチルス・プミルス・キシロシダーゼ遺伝子(Bacillus pumilus xylosldase gene)のプロモータ、またはファージ・ラムダのP若しくはPプロモータ、大腸菌のlac、trp若しくはtacプロモータなどが挙げられる。
哺乳動物細胞で作動可能なプロモータの例としては、SV40プロモータ、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモータ、またはアデノウイルス2主後期プロモータなどがある。昆虫細胞で作動可能なプロモータの例としては、ポリヘドリンプロモータ、P10プロモータ、オートグラファ・カリホルニカ・ポリヘドロシス塩基性タンパクプロモータ、バキュウロウイルス即時型初期遺伝子1プロモータ、またはバキュウロウイルス39K遅延型初期遺伝子プロモータ等がある。酵母宿主細胞で作動可能なプロモータの例としては、酵母解糖系遺伝子由来のプロモータ、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモータ、TPI1プロモータ、ADH2−4cプロモータなどが挙げられる。
糸状菌細胞で作動可能なプロモータの例としては、ADH3プロモータまたはtpiAプロモータなどがある。
また、本発明のDNAは必要に応じて、例えばヒト成長ホルモンターミネータまたは真菌宿主についてはTPI1ターミネータ若しくはADH3ターミネータのような適切なターミネータに機能的に結合されてもよい。本発明の組み換えベクターは更に、ポリアデニレーションシグナル(例えばSV40またはアデノウイルス5E1b領域由来のもの)、転写エンハンサ配列(例えばSV40エンハンサ)および翻訳エンハンサ配列(例えばアデノウイルス VA RNAをコードするもの)のような要素を有していてもよい。
本発明の組み換えベクターは更に、該ベクターが宿主細胞内で複製することを可能にするDNA配列を具備してもよく、その一例としてはSV40複製起点(宿主細胞が哺乳類細胞のとき)が挙げられる。
本発明の組み換えベクターはさらに選択マーカーを含有してもよい。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)またはシゾサッカロマイセス・ポンベTPI遺伝子等のようなその補体が宿主細胞に欠けている遺伝子、または例えばアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン若しくはヒグロマイシンのような薬剤耐性遺伝子を挙げることができる。
本発明のDNA、プロモータ、および所望によりターミネータおよび/または分泌シグナル配列をそれぞれ連結し、これらを適切なベクターに挿入する方法は当業者に周知である。
(4)本発明の形質転換体
本発明のDNA又は組み換えベクターを適当な宿主に導入することによって形質転換体を作製することができる。
本発明のDNAまたは組み換えベクターを導入される宿主細胞は、本発明のDNA構築物を発現できれば任意の細胞でよく、細菌、酵母、真菌および高等真核細胞等が挙げられる。
細菌細胞の例としては、バチルスまたはストレプトマイセス等のグラム陽性菌又は大腸菌等のグラム陰性菌が挙げられる。これら細菌の形質転換は、プロトプラスト法、または公知の方法でコンピテント細胞を用いることにより行なえばよい。
哺乳類細胞の例としては、HEK293細胞、HeLa細胞、COS細胞、BHK細胞、CHL細胞またはCHO細胞等が挙げられる。哺乳類細胞を形質転換し、該細胞に導入されたDNA配列を発現させる方法も公知であり、例えば、エレクトロポーレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等を用いることができる。
酵母細胞の例としては、サッカロマイセスまたはシゾサッカロマイセスに属する細胞が挙げられ、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevislae)またはサッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)等が挙げられる。酵母宿主への組み換えベクターの導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウム法等を挙げることができる。
他の真菌細胞の例は、糸状菌、例えばアスペルギルス、ニューロスポラ、フザリウム、またはトリコデルマに属する細胞である。宿主細胞として糸状菌を用いる場合、DNA構築物を宿主染色体に組み込んで組換え宿主細胞を得ることにより形質転換を行うことができる。DNA構築物の宿主染色体への組み込みは、公知の方法に従い、例えば相同組換えまたは異種組換えにより行うことができる。 昆虫細胞を宿主として用いる場合には、組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染させ、蛋白質を発現させることができる(例えば、Baculovirus Expression Vectors,A Laboratory Manual;及びカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Bio/Technology,6,47(1988)等に記載)。
バキュロウイルスとしては、例えば、ヨトウガ科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス(Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)等を用いることができる。
昆虫細胞としては、Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞であるSf9、Sf21〔バキュロウイルス・エクスプレッション・ベクターズ、ア・ラボラトリー・マニュアル、ダブリュー・エイチ・フリーマン・アンド・カンパニー(W.H.Freeman and Company)、ニューヨーク(New York)、(1992)〕、Trichoplusia niの卵巣細胞であるHiFive(インビトロジェン社製)等を用いることができる。
組換えウイルスを調製するための、昆虫細胞への組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム法又はリポフェクション法等を挙げることができる。
上記の形質転換体は、導入されたDNA構築物の発現を可能にする条件下で適切な栄養培地中で培養する。形質転換体の培養物から、本発明の蛍光融合蛋白質を単離精製するには、通常の蛋白質の単離、精製法を用いればよい。
例えば、本発明の蛋白質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、超音波破砕機等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られた上清から、通常の蛋白質の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファロース等のレジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S−Sepharose FF(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィー法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、精製標品を得ることができる。(5)本発明の蛍光蛋白質及びそれを含む融合蛍光蛋白質の利用
本発明は蛍光蛋白質を他の蛋白質と融合させることにより、融合蛍光蛋白質を構築することができる。
本発明の融合蛍光蛋白質の取得方法については特に制限はなく、化学合成により合成した蛋白質でもよいし、遺伝子組み換え技術による作製した組み換え蛋白質でもよい。
組み換え蛋白質を作製する場合には、先ず当該蛋白質をコードするDNAを入手することが必要である。本明細書の配列表の配列番号1、3、5又は7に記載したアミノ酸配列及び配列番号2、4、6又は8に記載した塩基配列の情報を利用することにより適当なプライマーを設計し、本発明の蛍光蛋白質の遺伝子を含むDNA断片を鋳型にしてPCRを行うことにより、本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAを構築するのに必要なDNA断片を作製することができる。また同様に、融合すべき蛋白質をコードするDNA断片も入手する。
次いで、これらのDNA断片を順番に遺伝子組み換え技術により連結することにより、所望の融合蛍光蛋白質をコードするDNAを得ることができる。このDNAを適当な発現系に導入することにより、本発明の融合蛍光蛋白質を産生することができる。
本発明の蛍光蛋白質は、特に、標識としての利用価値が高い。即ち、本発明の蛍光蛋白質を被検アミノ酸配列との融合蛋白質として精製し、マイクロインジェクション法などの手法により細胞内に導入し、該融合蛋白質の分布を経時的に観察すれば、被検アミノ酸配列の細胞内におけるターゲッティング活性を検出することが可能である。
本発明の蛍光蛋白質を融合させる他の蛋白質(被検アミノ酸配列)の種類は特に限定されるものではないが、例えば、細胞内に局在する蛋白質、細胞内小器官に特異的な蛋白質、ターゲティングシグナル(例えば、核移行シグナル、ミトコンドリアプレ配列)等が好適である。なお、本発明の蛍光蛋白質は、マイクロインジェクション法などにより細胞内に導入する以外に、細胞内で発現させて用いることも可能である。この場合には、本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAが発現可能に挿入されたベクターが宿主細胞に導入される。
また、本発明の蛍光蛋白質は、レポーター蛋白質としてプロモーター活性の測定に用いることも可能である。即ち、被検プロモーターの下流に、本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAが配置されたベクターを構築し、これを宿主細胞に導入し、該細胞から発せられる本発明の蛍光蛋白質の蛍光を検出することにより、被検プロモーターの活性を測定することが可能である。被検プロモーターとしては、宿主細胞内で機能するものであれば、特に制限はない。
上記被検アミノ酸配列のターゲティング活性の検出やプロモーター活性の測定において用いられるベクターとしては、特に制限はないが、例えば、動物細胞用ベクターでは、「pNEO」(P.Southern,and P.Berg(1982)J.Mol.Appl.Genet.1:327)、「pCAGGS」(H.Niwa,K.Yamamura,and J.Miyazaki.Gene 108,193−200(1991))、「pRc/CMV」(インビトロゲン社製)、「pCDM8」(インビトロゲン社製)などが、酵母用ベクターでは、「pRS303」,「pRS304」,「pRS305」,「pRS306」,「pRS313」,「pRS314」,「pRS315」,[pRS316](R.S.Sikorski and P.Hieter(1989)Genetics 122:19−27)、「pRS423」,「pRS424」,「pRS425」,「pRS426」(T.W.Christianson,R.S.Sikorski,M.Dante,J.H.Shero,and P.Hieter(1992)Gene 110:119−122)などが好適に用いられる。
また、使用可能な細胞の種類も特に限定されず、各種の動物細胞、例えば、L細胞、BalbC−3T3細胞、NIH3T3細胞、CHO(Chinese hamster ovary)細胞、HeLa細胞、NRK(normal rat kidney)細胞、「Saccharomyces Cerevisiae」などの酵母細胞や大腸菌(E.coli)細胞などを使用することができる。ベクターの宿主細胞への導入は、例えば、リン酸カルシウム法やエレクトロポレーション法などの常法により行うことができる。
上記のようにして得た、本発明の蛍光蛋白質と他の蛋白質(蛋白質Xとする)とを融合させた融合蛍光蛋白質を細胞内で発現させ、発する蛍光をモニターすることにより、細胞内における蛋白質Xの局在や動態を分析することが可能になる。即ち、本発明の融合蛍光蛋白質をコードするDNAで形質転換またはトランスフェクトした細胞を蛍光顕微鏡で観察することにより細胞内における蛋白質Xの局在や動態を可視化して分析することができる。
例えば、蛋白質Xとして細胞内オルガネラに特異的な蛋白質を利用することにより、核、ミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体、分泌小胞、ペルオキソームなどの分布や動きを観察できる。
また、例えば、神経細胞の軸索、樹状突起などは発生途中の個体の中で著しく複雑な走向の変化を示すので、こういった部位を蛍光ラベルすることにより動的解析が可能になる。
本発明の蛍光蛋白質の蛍光は、生細胞のまま検出することが可能である。この検出は、例えば、蛍光顕微鏡(カールツァイス社 アキシオフォト フィルターセット09)や画像解析装置(ATTOデジタルイメージアナライザー)などを用いて行うことが可能である。
顕微鏡の種類は目的に応じて適宜選択できる。経時変化を追跡するなど頻回の観察を必要とする場合には、通常の落射型蛍光顕微鏡が好ましい。細胞内の詳細な局在を追及したい場合など、解像度を重視する場合は、共焦点レーザー顕微鏡の方が好ましい。顕微鏡システムとしては、細胞の生理状態を保ち、コンタミネーションを防止する観点から、倒立型顕微鏡が好ましい。正立顕微鏡を使用する場合、高倍率レンズを用いる際には水浸レンズを用いることができる。
フィルターセットは蛍光蛋白質の蛍光波長に応じて適切なものを選択できる。本発明の蛍光蛋白質のうち励起極大波長が494nmであり、蛍光極大波長が506又は507nmである蛍光蛋白質の場合は、励起光480〜500nm、蛍光500〜540nm程度のフィルターを使用することが好ましい。また、本発明の蛍光蛋白質のうち励起極大波長が507nmであり、蛍光極大波長は514nmである蛍光蛋白質の場合は、励起光490〜510nm、蛍光510〜550nm程度のフィルターを使用することが好ましい。さらに、本発明の蛍光蛋白質のうち励起極大波長が391nmであり、蛍光極大波長は505nmである蛍光蛋白質の場合は、励起光380〜400nm、蛍光480〜530nm程度のフィルターを使用することが好ましい。
また、蛍光顕微鏡を用いた生細胞での経時観察を行う場合には、短時間で撮影を行うべきなので、高感度冷却CCDカメラを使用する。冷却CCDカメラは、CCDを冷却することにより熱雑音を下げ、微弱な蛍光像を短時間露光で鮮明に撮影することができる。
(6)本発明のキット
本発明によれば、本明細書に記載した蛍光蛋白質、融合蛍光蛋白質、DNA、組み換えベクター又は形質転換体から選択される少なくとも1種以上を含むことを特徴とする、細胞内成分の局在の分析及び/又は生理活性物質の分析のためのキットが提供される。本発明のキットは、それ自体既知の通常用いられる材料及び手法で調製することができる。
蛍光蛋白質又はDNAなどの試薬は、適当な溶媒に溶解することにより保存に適した形態に調製することができる。溶媒としては、水、エタノール、各種緩衝液などを用いることができる。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例
実施例1:イソギンチャクからの蛍光蛋白遺伝子(Tanabe−Green)の単離
蛍光を放つオオカワリギンチャクHalcurias sp.L(和歌山県田辺市沖水深40m地点に生息)から、蛍光蛋白遺伝子を以下の手順で単離した。
(1)total RNAの抽出
酸性グアニジウム/フェノール/クロロホルム法でtotal RNAを抽出した。凍結したオオカワリギンチャクを乳鉢で砕き、変性溶液中でホモジェナイザーにより均質化し、フェノール/クロロホルムを加え、遠心して蛋白質、DNAとRNAを分離する。RNAを含む水層をイソプロパノールに加え、遠心すると、沈殿としてtotal RNAが得られる。
(2)RNAの精製
Oligotex−dT30(Roche社製)を用いて、total RNAからmRNAを分離した。
total RNAにOligotex−dT30<super>を加え、加熱してRNAの2次構造を壊してから、37℃でRNAとOligotex−dTを結合させる。洗浄後、加熱、遠心すると、mRNAが溶出された上清が得られる。Oligotex−dTを取り除いた上、ethanolとNaClでmRNA沈殿させ、水に溶かした。
(3)cDNAの作製
TimeSaverとDirectional Cloning Toolbox(共にAmersham pharmacia社製)を用いてcDNA断片を作製した。
mRNAを加熱して2次構造を壊した後、First−Strand Reaction MixにDTTとNotI−dT primerと共に加え、first−strandを合成する。更にそれをSecond−Strand Reaction Mixに加え、second−strandを合成し、付属のスパンカラムで精製する。精製したdouble−stranded cDNAの両端にEcoRI adaptorを付け、NotIで3’側のみカットする。もう一度スパンカラムで精製して、cDNA断片を得た。
(4)Expression Cloning
pRSET(Invitrogen社製)にEcoRI、NotIサイトを設け、作製したcDNAを挿入、大腸菌のJM109 DE3株に導入して、LAプレートで培養した。この株では蛋白が合成されるため、UVを照射した時に蛍光を発するコロニーを単離した。
その結果、約8万個から24個の蛍光を持つコロニーを得た。塩基配列をDNAシークエンサーにより決定し、このクローンをTanabe−Greenと命名した。このクローンのアミノ酸配列及び塩基配列は、配列表の配列番号1及び2に記載する。
実施例2:蛍光特性の解析
(1)蛋白の発現と精製
得られた全長cDNAのN末端にBamHIサイトを、C末端にEcoRIサイトを設け、pRSET(Invitrogen社製)にin frameでサブクローニングして、大腸菌のJM109DE3株で発現させた。発現蛋白はN末端のHis−tagを利用して、Ni−Agarose gel(QIAGEN社製)を用いて精製した。
(2)吸光係数と蛍光・励起スペクトル、量子収率
上記(1)で得た蛍光蛋白質(Tanabe−Green)について、吸収スペクトルを50mM HEPES(pH8.0)溶液を用いて測り、蛋白濃度と吸収極大(494nm)での吸光度よりモル吸光係数を求めた。蛍光・励起スペクトルは、50mM HEPES(pH8.0)溶液を用い、470nmで励起した時の蛍光スペクトルと530nmの蛍光による励起スペクトルを測定した。結果を図1に示す。また、量子収率は、EGFP(CLONTECH社製)の量子収率をもとに算出した。
(3)pH感受性の特性
470nmの吸収が0.01となるような蛋白濃度にし、バッファーのpHを4〜11まで変化させた場合の蛍光強度(励起:470nm、蛍光:506.5nm)を測定した。結果を図2に示す。
(4)蛍光蛋白質(Tanabe−Green)の特徴
上記(2)及び(3)の測定から判明した蛍光蛋白質(Tanabe−Green)の蛍光特性を含む特徴を以下の表1に示す。
Figure 2003070952
実施例3:哺乳類細胞への蛍光蛋白質(Tanabe−Green)の遺伝子導入
HeLa細胞にはLIPOFECTIN Reagent(Gibco社)を用いて、ラット海馬の神経細胞にはリン酸カルシウム法で、Tanabe−Greenの遺伝子を導入した。
Tanabe−Greenが発現した細胞を図3に示す。
実施例4:蛍光蛋白(Tanabe−Green)への変異の導入(I)
蛍光蛋白(Tanabe−Green)に以下の方法で変異を導入した。
(1)Random Mutagenesis
クローニングしたTanabe−GreenのcDNAをtemplateに、MnClを加えた状態でPCRをして無作為に変異を導入した。
DNA polymeraseはTAKARA Taq(Takara社製)を用い、primerにはforwardとして5’側にBamHIサイトを加えたものと、reverseとして3’側にEcoRIサイトを加えたものを用いた。増幅されたDNAはBamHIとEcoRIでカットしてpRSETに挿入、JM109 DE3株に導入してLAプレートで培養した。プレートにUVを照射して、変異が入ったと思われるコロニーを単離し、塩基配列をDNAシークエンサーにより決定した。
凝集する性質が緩和された変異体(TG26)と蛍光スペクトルのピークが長波長にシフトしpH感受性が高くなった変異体(TG37)を得た。変異体(TG26)のアミノ酸配列及び塩基配列を配列表の配列番号3及び4に記載し、変異体(TG37)のアミノ酸配列及び塩基配列を配列表の配列番号5及び6に記載する。
実施例5:変異体蛍光蛋白の蛍光特性の解析(I)
(1)蛋白の発現と精製
得られた全長cDNA(TG26及びTG37の両方)のN末端にBamHIサイトを、C末端にEcoRIサイトを設け、pRSET(Invitrogen社製)にin frameでサブクローニングして、大腸菌のJM109 DE3株で発現させた。発現蛋白はN末端のHis−tagを利用して、Ni−Agarose gel(QIAGEN社製)を用いて精製した。
(2)吸光係数と蛍光・励起スペクトル、量子収率
変異体TG26については、吸収スペクトルを50mM HEPES(pH8.0)溶液を用いて測り、蛋白濃度と吸収極大(494nm)での吸光度よりモル吸光係数を求めた。蛍光・励起スペクトルは、50mM HEPES(pH8.0)溶液を用い、470nmで励起した時の蛍光スペクトルと530nmの蛍光による励起スペクトルを測定した。測定結果を図4に示す。また、量子収率は、EGFP(CLONTECH社製)の量子収率をもとに算出した。
変異体TG37については、吸収スペクトルを50mM glycin(pH10.0)溶液を用いて測り、蛋白濃度と吸収極大(507nm)での吸光度よりモル吸光係数を求めた。蛍光・励起スペクトルは、50mM glycin(pH10.0)溶液を用い、470nmで励起した時の蛍光スペクトルと530nmの蛍光による励起スペクトルを測定した。測定結果を図4に示す。また、量子収率は、EGFP(CLONTECH社製)の量子収率をもとに算出した。
(3)pH感受性の特性
470nmの吸収が0.01となるような蛋白濃度にし、バッファーのpHを4〜11まで変化させた場合の蛍光強度(励起:470nm、蛍光:506.5nm(TG26)、514.5nm(TG37))を測定した。結果は図5に示す。
(4)変異体蛍光蛋白質(TG26及びTG37)の特徴
上記(2)及び(3)の測定から判明した変異体蛍光蛋白質(TG26及びTG37)の蛍光特性を含む特徴を以下の表2に示す。
Figure 2003070952
実施例6:蛍光蛋白(Tanabe−Green)への変異の導入(II)
蛍光蛋白(Tanabe−Green)に以下の方法で変異を導入した。
(1)Random Mutagenesis
クローニングしたTanabe−GreenのcDNAをtemplateに、MnClを加えた状態でPCRをして無作為に変異を導入した。
DNA polymeraseはTAKARA Taq(Takara社製)を用い、primerにはforwardとして5’側にBamHIサイトを加えたものと、reverseとして3’側にEcoRIサイトを加えたものを用いた。増幅されたDNAはBamHIとEcoRIでカットしてpRSETに挿入、JM109 DE3株に導入してLAプレートで培養した。プレートにUVを照射して、変異が入ったと思われるコロニーを単離し、塩基配列をDNAシークエンサーにより決定した。
励起スペクトルのピークが短波長にシフトした変異体(TGuv)を得た。変異体(TGuv)のアミノ酸配列及び塩基配列を配列表の配列番号7及び8に記載する。
実施例7:変異体蛍光蛋白の蛍光特性の解析(II)
(1)蛋白の発現と精製
得られた全長cDNA(TGuv)のN末端にBamHIサイトを、C末端にEcoRIサイトを設け、pRSET(Invitrogen社製)にin frameでサブクローニングして、大腸菌のJM109 DE3株で発現させた。発現蛋白はN末端のHis−tagを利用して、Ni−Agarose gel(QIAGEN社製)を用いて精製した。
(2)吸光係数と蛍光・励起スペクトル、量子収率
変異体TGuvについて、吸収スペクトルを50mM HEPES(pH7.5)溶液を用いて測り、蛋白濃度と吸収極大(391nm)での吸光度よりモル吸光係数を求めた。蛍光・励起スペクトルは、50mM HEPES(pH7.5)溶液を用い、390nmで励起した時の蛍光スペクトルと510nmの蛍光による励起スペクトルを測定した。測定結果を図6に示す。また、量子収率は、EGFP(CLONTECH社製)の量子収率をもとに算出した。
(3)pH感受性の特性
変異体TGuvについて、391nmの吸収が0.01となるような濃度で、以下のバッファーを用いて391nmで励起した時の505nmの蛍光強度を測定した。
pH4,5 :50mM AcONa−AcOH
pH6 :50mM MES−MaOH
pH7 :50mM MOPS−KOH
pH8 :50mM HEPES−NaOH
pH9,10:50mM glycin−NaOH
結果は図6に示す。
(4)変異体蛍光蛋白質(TGuv)の特徴
上記(2)及び(3)の測定から判明した変異体蛍光蛋白質(TGuv)の蛍光特性を含む特徴を以下の表3に示す。
Figure 2003070952
産業上の利用の可能性
本発明により、イソギンチャク由来の新規な蛍光蛋白質が提供されることになった。本発明の蛍光蛋白質を用いることにより、哺乳類細胞、特に神経系の細胞で毒性を発揮することなく蛍光ラベルすることが可能になった。また、本発明の蛍光蛋白質をコードする遺伝子を出発材料として利用することにより、より多くの異なる特性を示す蛍光蛋白質が得られる可能性が生じる。
【配列表】
Figure 2003070952
Figure 2003070952
Figure 2003070952
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Figure 2003070952
Figure 2003070952
Figure 2003070952
Figure 2003070952

【図面の簡単な説明】
図1は、Tanabe−Greenの励起・蛍光スペクトルを示す。
図2は、Tanabe−GreenのpH感受性を示す。
図3は、哺乳類細胞へTanabe−Greenの遺伝子を導入した結果を示す。1はHeLa細胞、2はラット海馬神経細胞の結果を示す。
図4は、変異蛋白質TG26及びTG37の励起・蛍光スペクトルを示す。
図5は、変異蛋白質TG26及びTG37のpH感受性を示す。
図6は、変異蛋白質TGuvの励起・蛍光スペクトルを示す。
図7は、変異蛋白質TGuvのpH感受性を示す。

Claims (19)

  1. オオカワリイソギンチャク(Halcurias sp.L)由来の下記の特性を有する蛍光蛋白質。
    (1)励起極大波長が494nmであり、蛍光極大波長は506nmである;
    (2)494nmにおけるモル吸光係数が、94600M−1cm−1である;
    (3)量子収率が0.65である;及び
    (4)pH4〜11の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い:
  2. 請求項1に記載の蛍光蛋白質の変異蛋白質であって、下記の特性を有する蛍光蛋白質。
    (1)励起極大波長が494nmであり、蛍光極大波長は507nmである;
    (2)494nmにおけるモル吸光係数が、68800M−1cm−1である;
    (3)量子収率が0.66である;及び
    (4)pH6〜11の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い:
  3. 請求項1に記載の蛍光蛋白質の変異蛋白質であって、下記の特性を有する蛍光蛋白質。
    (1)励起極大波長が507nmであり、蛍光極大波長は514nmである;
    (2)507nmにおけるモル吸光係数が、88600M−1cm−1である;
    (3)量子収率が0.61である;及び
    (4)pH9〜11の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い:
  4. 請求項1に記載の蛍光蛋白質の変異蛋白質であって、下記の特性を有する蛍光蛋白質。
    (1)励起極大波長が391nmであり、蛍光極大波長は505nmである;
    (2)391nmにおけるモル吸光係数が、20000M−1cm−1である;
    (3)量子収率が0.84である;及び
    (4)pH4〜10の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い:
  5. 以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質。
    (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;又は、
    (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、かつ蛍光を有するアミノ酸配列:
  6. 以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質。
    (a)配列番号3に記載のアミノ酸配列;又は、
    (b)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、かつ蛍光を有するアミノ酸配列:
  7. 以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質。
    (a)配列番号5に記載のアミノ酸配列;又は、
    (b)配列番号5に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、かつ蛍光を有するアミノ酸配列:
  8. 以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質。
    (a)配列番号7に記載のアミノ酸配列;又は、
    (b)配列番号7に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、かつ蛍光を有するアミノ酸配列:
  9. 以下の何れかのDNA。
    (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;又は、
    (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列をコードし、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
    (c)配列番号2に記載の塩基配列を有するDNA;又は、
    (d)配列番号2に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
  10. 以下の何れかのDNA。
    (a)配列番号3に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;又は、
    (b)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列をコードし、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
    (c)配列番号4に記載の塩基配列を有するDNA;又は、
    (d)配列番号4に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
  11. 以下の何れかのDNA。
    (a)配列番号5に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;又は、
    (b)配列番号5に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列をコードし、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
    (c)配列番号6に記載の塩基配列を有するDNA;又は、
    (d)配列番号6に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
  12. 以下の何れかのDNA。
    (a)配列番号7に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;又は、
    (b)配列番号7に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列をコードし、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
    (c)配列番号8に記載の塩基配列を有するDNA;又は、
    (d)配列番号8に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
  13. 請求項9から12の何れかに記載のDNAを有する組み換えベクター。
  14. 請求項9から12の何れかに記載のDNA又は請求項13に記載の組み換えベクターを有する形質転換体。
  15. 請求項1から8の何れかに記載の蛍光蛋白質と他の蛋白質とから成る融合蛍光蛋白質。
  16. 他の蛋白質が細胞内に局在する蛋白質である、請求項15に記載の融合蛋白質。
  17. 他の蛋白質が細胞内小器官に特異的な蛋白質である、請求項15又は16に記載の融合蛋白質。
  18. 請求項15から17の何れかに記載の融合蛋白質を細胞内で発現させることを特徴とする、細胞内における蛋白質の局在または動態を分析する方法。
  19. 請求項1から8の何れかに記載の蛍光蛋白質、請求項9から12の何れかに記載のDNA、請求項13に記載の組み換えベクター、請求項14に記載の形質転換体、又は請求項15から17の何れかに記載の融合蛋白質を含む、蛍光試薬キット。
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