JP4648834B2 - 蛍光蛋白質 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な蛍光蛋白質に関する。より詳細には、本発明は、スボミキクメイシ(favia favus)由来の新規な蛍光蛋白質及びその利用に関する。
クラゲのエクオレア・ビクトリア(Aequorea victoria)に由来する緑色蛍光蛋白質(GFP)は、生物系において多くの用途を有する。最近、ランダム突然変異誘発法および半合理的(semi−rational)突然変異誘発法に基づいて、色を変化させたり、折りたたみ特性を改善したり、輝度を高めたり、あるいはpH感受性を改変したといった様々なGFP変異体が作製されている。遺伝子組み換え技術により他の蛋白質をGFP等の蛍光蛋白質に融合させて、それらの発現および輸送のモニタリングを行うことが行われている。
最もよく使用されるGFP変異体の一つとして黄色蛍光蛋白質(YFP)が挙げられる。YFPは、クラゲ(Aequorea)GFP変異体の中でも最長波長の蛍光を示す。大部分のYFPのεおよびΦは、それぞれ60,000〜100,000M−1cm−1および0.6〜0.8であり(Tsien,R.Y.(1998).Ann.Rev.Biochem.67,509−544)、これらの値は、一般的な蛍光団(フルオレセインおよびローダミンなど)の値に匹敵する。従ってYFPの絶対的輝度の改善は、ほぼ限界に達しつつある。
また、GFP変異体の他の例として、シアン蛍光蛋白質(CFP)があり、ECFP(enhanced cyan fluorescent protein)が知られている。また、イソギンチャク(Discoma sp.)からは赤色蛍光蛋白質(RFP)も単離されており、DasRedが知られている。このように蛍光蛋白質は、緑色、黄色、シアン色、赤色の4種が次々と開発されスペクトルの範囲は大幅に広がっている。
また、刺胞動物には、蛍光を発するものが存在する。刺胞動物由来の蛍光蛋白質遺伝子のクローニングが試みられているが、蛍光および生化学的な特性のレパートリーを増やすためには、より多くの遺伝子のクローニングが必要である。
本発明は、スボミキクメイシ(favia favus)に由来する、新規な蛍光蛋白質を提供することを解決すべき課題とした。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討し、既知の蛍光蛋白質のアミノ酸配列の情報に基づいて好適なプライマーを設計し、スボミキクメイシ(favia favus)由来のcDNAライブラリーから上記プライマーを用いて新規な蛍光蛋白質をコードする遺伝子を増幅してクローニングすることに成功した。さらに本発明者らは、得られたスボミキクメイシ(favia favus)由来の蛍光蛋白質の蛍光特性及びpH感受性を解析した。本発明は、これらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、スボミキクメイシ(favia favus)由来の下記の特性を有する蛍光蛋白質が提供される。
(1)励起極大波長が507nmである;
(2)蛍光極大波長が517nmである;
(3)482nmにおけるモル吸光係数が80000である;
(4)量子収率が0.68である;
(5)蛍光極大のpH感受性がpH=5〜11で安定である:
本発明の別の側面によれば、以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が提供される。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、蛍光を有するアミノ酸配列:
本発明のさらに別の側面によれば、以下の何れかのアミノ酸配列において62番目にアミノ酸残基であるアスパラギン酸をヒスチジンに置換したアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が提供される。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、蛍光を有するアミノ酸配列:
本発明のさらに別の側面によれば、以下の何れかのアミノ酸配列において40番目のアミノ酸残基であるメチオニンをバリンに、62番目のアミノ酸残基であるアスパラギン酸をヒスチジンに、198番目のアミノ酸残基であるイソロイシンをメチオニンに置換したアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が提供される。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、蛍光を有するアミノ酸配列:
本発明のさらに別の側面によれば、以下の何れかのアミノ酸配列において10番目のアミノ酸残基であるメチオニンをイソロイシンに、12番目のアミノ酸残基であるロイシンをバリンに、40番目のアミノ酸残基であるメチオニンをバリンに、60番目のアミノ酸残基であるバリンをアラニンに、62番目のアミノ酸残基であるアスパラギン酸をヒスチジンに、119番目のアミノ酸残基であるチロシンをアスパラギンに、144番目のアミノ酸残基であるプロリンをセリンに、197番目のアミノ酸残基であるアルギニンをロイシンに、198番目のアミノ酸残基であるイソロイシンをメチオニンに置換したアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が提供される。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、蛍光を有するアミノ酸配列:
本発明のさらに別の側面によれば、以下の何れかのアミノ酸配列において10番目のアミノ酸残基であるメチオニンをイソロイシンに、40番目のアミノ酸残基であるメチオニンをバリンに、60番目のアミノ酸残基であるバリンをアラニンに、62番目のアミノ酸残基であるアスパラギン酸をヒスチジンに、70番目のアミノ酸残基であるリジンをグルタミン酸に、119番目のアミノ酸残基であるチロシンをアスパラギンに、197番目のアミノ酸残基であるアルギニンをグルタミンに、198番目のアミノ酸残基であるイソロイシンをメチオニンに置換したアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が提供される。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、蛍光を有するアミノ酸配列:
本発明のさらに別の側面によれば、以下の何れかのアミノ酸配列において60番目のアミノ酸残基であるバリンをアラニンに、62番目のアミノ酸残基であるアスパラギン酸をグリシンに、63番目のアミノ酸残基であるチロシンをヒスチジンに、196番目のアミノ酸残基であるヒスチジンをロイシンに、198番目のアミノ酸残基であるイソロイシンをトレオニンに置換したアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が提供される。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、蛍光を有するアミノ酸配列:
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の蛋白質をコードするDNAが提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、以下の何れかのDNAが提供される。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、蛍光蛋白質をコードするDNA:
本発明のさらに別の側面によれば、以下の何れかの塩基配列を有するDNAが提供される。
(a)配列番号2に記載の塩基配列;又は、
(b)配列番号2に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、蛍光蛋白質をコードする塩基配列:
本発明のさらに別の側面によれば、以下の何れかの塩基配列を有するDNA。
(a)配列番号13、15、17、19又は21に記載の塩基配列;又は、
(b)配列番号13、15、17、19又は21に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、蛍光蛋白質をコードする塩基配列:
本発明のさらに別の側面によれば、本発明のDNAを有する組み換えベクターが提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明のDNA又は組み換えベクターを有する形質転換体が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明の蛍光蛋白質と他の蛋白質とから成る融合蛍光蛋白質が提供される。
好ましくは、他の蛋白質は細胞内に局在する蛋白質であり、さらに好ましくは、細胞内小器官に特異的な蛋白質である。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明の融合蛍光蛋白質を細胞内で発現させることを特徴とする、細胞内における蛋白質の局在または動態を分析する方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明の蛍光蛋白質、DNA、組み換えベクター、形質転換体、又は融合蛍光蛋白質を含む、蛍光試薬キットが提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、GreenからRedへと蛍光特性を光照射依存的に変換できない蛍光蛋白質において、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の62番目に相当するアミノ酸をヒスチジンに置換することを含む、蛍光特性をGreenからRedへと光照射依存的に変換できる蛍光蛋白質を製造する方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、GreenからRedへと蛍光特性を光照射依存的に変換できない蛍光蛋白質において、下記の置換のうちの少なくとも1以上のアミノ酸置換を行うことを含む、蛍光特性をGreenからRedへと光照射依存的に変換できる蛍光蛋白質を製造する方法が提供される。
(1)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の62番目に相当するアミノ酸についてヒスチジンへの置換;
(2)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の10番目に相当するアミノ酸についてイソロイシンへの置換;
(3)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の12番目に相当するアミノ酸についてバリンへの置換;
(4)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の40番目に相当するアミノ酸についてバリンへの置換;
(5)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の60番目に相当するアミノ酸についてアラニンへの置換;
(6)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の70番目に相当するアミノ酸についてグルタミン酸への置換;
(7)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の119番目に相当するアミノ酸についてアスパラギンへの置換;
(8)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の144番目に相当するアミノ酸についてセリンへの置換;
(9)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の197番目に相当するアミノ酸についてロイシンまたはグルタミンへの置換;又は
(10)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の198番目に相当するアミノ酸についてメチオニンへの置換;
本発明のさらに別の側面によれば、蛍光蛋白質において、下記の置換のうちの少なくとも1以上のアミノ酸置換を行うことを含む、GreenからRedに蛍光特性を変換する速度が上がり、且つ、蛍光強度が増大した蛍光蛋白質を製造する方法が提供される。
(1)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の62番目に相当するアミノ酸についてヒスチジンへの置換;
(2)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の54番目に相当するアミノ酸についてフェニルアラニンへの置換;
(3)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の69番目に相当するアミノ酸についてバリンへの置換;
(4)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の87番目に相当するアミノ酸についてチロシンへの置換;
(5)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の93番目に相当するアミノ酸についてメチオニンへの置換;
(6)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の109番目に相当するアミノ酸についてメチオニンへの置換;
(7)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の121番目に相当するアミノ酸についてイソロイシンへの置換;
(8)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の140番目に相当するアミノ酸についてバリンへの置換;又は
(9)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の160番目に相当するアミノ酸についてバリンへの置換;
本発明のさらに別の側面によれば、PurpleからBlueへと蛍光特性を光照射依存的に変換できない蛍光蛋白質において、下記の置換のうちの少なくとも1以上のアミノ酸置換を行うことを含む、蛍光特性をPurpleからBlueへと光照射依存的に変換できる蛍光蛋白質を製造する方法が提供される。
(1)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の60番目に相当するアミノ酸についてアラニンへの置換;
(2)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の62番目に相当するアミノ酸についてグリシンへの置換;
(3)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の63番目に相当するアミノ酸についてヒスチジンへの置換;
(4)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の196番目に相当するアミノ酸についてロイシンへの置換;又は
(5)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の198番目に相当するアミノ酸についてトレオニンへの置換;
図1は、本発明のスボミキクメイシ(favia favus)由来の蛍光蛋白質(KkG)の蛍光スペクトル及び励起スペクトルを測定した結果を示す。
図2は、本発明のスボミキクメイシ(favia favus)由来の蛍光蛋白質(KkG)のpH依存性を示す。
図3は、アミノ酸配列の比較(***は発色団形成アミノ酸を示す)を示す。
図4は、光照射(365nm)によるスペクトル特性の変化を示す。
A1:KkG吸収スペクトル
A2:光照射後のKKH吸収スペクトル
A3:KikGR光照射による吸収スペクトルの推移
A4:KikGR光照射による励起、蛍光スペクトルの変化
図5は、大腸菌・Hela細胞での蛍光強度の比較を示す。
A左:365nm照射前 A右:365nm照射後
B:HeLa細胞での発現
上から順に7時間後、12時間後、18時間後
475AF20/530DF35 exp 1sec Dichroic mirror 430DCLP
Xenon 75W ND 10%T X10 UplanFI NA0.3
図6は、緑から赤への変換と明るさの比較を示す。
A:KikGR蛍光値の推移 B:KikGR発現細胞の画像
C:Kaede蛍光値の推移 D:Kaede発現細胞の画像
Green 475AF20/530DF35 exp 50ms
Red 550DF30/575ALP exp 100ms
Violet 400DF10 exp 100ms
Dicroic mirror :430DCLP
Xenon 75W ND10%T
Bin4 CoolSNAP HQ
X40 UApo340/NA1.35
図7は、KBL2の紫外線(270nm)照射による蛍光スペクトル特性の変化を示す。(Gratingの2次光をふくむ)
380nmの蛍光が紫外線照射により減少し、450nmの蛍光が増加する。
図8は、KBL2の変換後の励起・蛍光スペクトルを示す(Gratingの2次光を含む)。
図9は、365nm照射による吸収スペクトルの変化を示す。照射前(細線)、照射後(太線)
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(1)本発明の蛍光蛋白質
本発明の蛍光蛋白質は、スボミキクメイシ(favia favus)由来のものであり、下記の特性を有することを特徴とする。
(1)励起極大波長が507nmである;
(2)蛍光極大波長が517nmである;
(3)482nmにおけるモル吸光係数が80000である;
(4)量子収率が0.68である;
(5)蛍光極大のpH感受性がpH=5〜11で安定である:
スボミキクメイシ(favia favus)は、刺胞動物門花虫綱六放サンゴ亜綱キクメイシ科に属するサンゴの1種である。
本発明の蛍光蛋白質は、以下の実施例で示す通り、励起極大波長が507nmであり、蛍光極大波長が517nmである。また、482nmにおけるモル吸光係数は80000であり、量子収率は0.68である。モル吸光係数は蛍光分子1モルあたりの光子の吸収量を表し、量子収率は吸収した光子のどれだけを蛍光として発することができるかを表した数値である。
本発明の蛍光蛋白質の具体例としては、以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が挙げられる。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、かつ蛍光を有するアミノ酸配列:
本明細書で言う「1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から20個、好ましくは1から10個、より好ましくは1から7個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
本明細書で言う「蛍光を有する」および「蛍光蛋白質」とは、蛍光を発することができる全ての場合を包含し、蛍光強度、励起波長、蛍光波長、pH感受性などの諸特性は、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛋白質と比較して、変動していてもよいし、同様のままでもよい。
本発明の蛍光蛋白質の取得方法については特に制限はなく、化学合成により合成した蛋白質でもよいし、遺伝子組み換え技術による作製した組み換え蛋白質でもよい。
組み換え蛋白質を作製する場合には、先ず当該蛋白質をコードするDNAを入手することが必要である。本明細書の配列表の配列番号1に記載したアミノ酸配列並びに配列番号2に記載した塩基配列の情報を利用することにより適当なプライマーを設計し、それらを用いてスボミキクメイシ(favia favus)由来のcDNAライブラリーを鋳型にしてPCRを行うことにより、本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAを取得することができる。本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAの一部の断片を上記したPCRにより得た場合には、作製したDNA断片を順番に遺伝子組み換え技術により連結することにより、所望の蛍光蛋白質をコードするDNAを得ることができる。このDNAを適当な発現系に導入することにより、本発明の蛍光蛋白質を産生することができる。発現系での発現については本明細書中後記する。
(2)本発明のDNA
本発明によれば、本発明の蛍光蛋白質をコードする遺伝子が提供される。
本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAの具体例としては、以下の何れかのDNAが挙げられる。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列をコードし、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA。
本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAのさらなる具体例としては、以下の何れかのDNAが挙げられる。
(a)配列番号2に記載の塩基配列を有するDNA;又は、
(b)配列番号2に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、かつ蛍光蛋白質をコードするDNA:
本発明のDNAは、例えばホスホアミダイト法などにより合成することができるし、特異的プライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって製造することもできる。本発明のDNA又はその断片の作製方法については、本明細書中上述した通りである。
また、所定の核酸配列に所望の変異を導入する方法は当業者に公知である。例えば、部位特異的変異誘発法、縮重オリゴヌクレオチドを用いるPCR、核酸を含む細胞の変異誘発剤又は放射線への露出等の公知の技術を適宜使用することによって、変異を有するDNAを構築することができる。このような公知の技術は、例えば、Molecular Cloning:A laboratory Mannual,2ndEd.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY.,1989、並びにCurrent Protocols in Molecular Biology,Supplement 1〜38,John Wiley & Sons(1987−1997)に記載されている。
(3)本発明の組み換えベクター
本発明のDNAは適当なベクター中に挿入して使用することができる。本発明で用いるベクターの種類は特に限定されず、例えば、自立的に複製するベクター(例えばプラスミド等)でもよいし、あるいは、宿主細胞に導入された際に宿主細胞のゲノムに組み込まれ、組み込まれた染色体と共に複製されるものであってもよい。
好ましくは、本発明で用いるベクターは発現ベクターである。発現ベクターにおいて本発明のDNAは、転写に必要な要素(例えば、プロモーター等)が機能的に連結されている。プロモータは宿主細胞において転写活性を示すDNA配列であり、宿主の種類に応じて適宜することができる。
細菌細胞で作動可能なプロモータとしては、バチルス・ステアロテルモフィルス・マルトジェニック・アミラーゼ遺伝子(Bacillusstearothermophilus maltogenic amylase gene)、バチルス・リケニホルミスαアミラーゼ遺伝子(Bacillus licheniformis alpha−amylase gene)、バチルス・アミロリケファチエンス・BANアミラーゼ遺伝子(Bacillus amyloliquefaciens BAN amylase gene)、バチルス・サブチリス・アルカリプロテアーゼ遺伝子(Bacillus Subtilis alkaline protease gene)もしくはバチルス・プミルス・キシロシダーゼ遺伝子(Bacillus pumilus xylosldase gene)のプロモータ、またはファージ・ラムダのP若しくはPプロモータ、大腸菌のlac、trp若しくはtacプロモータなどが挙げられる。
哺乳動物細胞で作動可能なプロモータの例としては、SV40プロモータ、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモータ、またはアデノウイルス2主後期プロモータなどがある。昆虫細胞で作動可能なプロモータの例としては、ポリヘドリンプロモータ、P10プロモータ、オートグラファ・カリホルニカ・ポリヘドロシス塩基性タンパクプロモータ、バキュウロウイルス即時型初期遺伝子1プロモータ、またはバキュウロウイルス39K遅延型初期遺伝子プロモータ等がある。酵母宿主細胞で作動可能なプロモータの例としては、酵母解糖系遺伝子由来のプロモータ、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモータ、TPI1プロモータ、ADH2−4cプロモータなどが挙げられる。
糸状菌細胞で作動可能なプロモータの例としては、ADH3プロモータまたはtpiAプロモータなどがある。
また、本発明のDNAは必要に応じて、例えばヒト成長ホルモンターミネータまたは真菌宿主についてはTPI1ターミネータ若しくはADH3ターミネータのような適切なターミネータに機能的に結合されてもよい。本発明の組み換えベクターは更に、ポリアデニレーションシグナル(例えばSV40またはアデノウイルス5E1b領域由来のもの)、転写エンハンサ配列(例えばSV40エンハンサ)および翻訳エンハンサ配列(例えばアデノウイルスVA RNAをコードするもの)のような要素を有していてもよい。
本発明の組み換えベクターは更に、該ベクターが宿主細胞内で複製することを可能にするDNA配列を具備してもよく、その一例としてはSV40複製起点(宿主細胞が哺乳類細胞のとき)が挙げられる。
本発明の組み換えベクターはさらに選択マーカーを含有してもよい。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)またはシゾサッカロマイセス・ポンベTPI遺伝子等のようなその補体が宿主細胞に欠けている遺伝子、または例えばアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン若しくはヒグロマイシンのような薬剤耐性遺伝子を挙げることができる。
本発明のDNA、プロモータ、および所望によりターミネータおよび/または分泌シグナル配列をそれぞれ連結し、これらを適切なベクターに挿入する方法は当業者に周知である。
(4)本発明の形質転換体
本発明のDNA又は組み換えベクターを適当な宿主に導入することによって形質転換体を作製することができる。
本発明のDNAまたは組み換えベクターを導入される宿主細胞は、本発明のDNA構築物を発現できれば任意の細胞でよく、細菌、酵母、真菌および高等真核細胞等が挙げられる。
細菌細胞の例としては、バチルスまたはストレプトマイセス等のグラム陽性菌又は大腸菌等のグラム陰性菌が挙げられる。これら細菌の形質転換は、プロトプラスト法、または公知の方法でコンピテント細胞を用いることにより行なえばよい。
哺乳類細胞の例としては、HEK293細胞、HeLa細胞、COS細胞、BHK細胞、CHL細胞またはCHO細胞等が挙げられる。哺乳類細胞を形質転換し、該細胞に導入されたDNA配列を発現させる方法も公知であり、例えば、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等を用いることができる。
酵母細胞の例としては、サッカロマイセスまたはシゾサッカロマイセスに属する細胞が挙げられ、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevislae)またはサッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)等が挙げられる。酵母宿主への組み換えベクターの導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウム法等を挙げることができる。
他の真菌細胞の例は、糸状菌、例えばアスペルギルス、ニューロスポラ、フザリウム、またはトリコデルマに属する細胞である。宿主細胞として糸状菌を用いる場合、DNA構築物を宿主染色体に組み込んで組換え宿主細胞を得ることにより形質転換を行うことができる。DNA構築物の宿主染色体への組み込みは、公知の方法に従い、例えば相同組換えまたは異種組換えにより行うことができる。
昆虫細胞を宿主として用いる場合には、組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染させ、蛋白質を発現させることができる(例えば、Baculovirus Expression Vectors,A Laboratory Manual;及びカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Bio/Technology,6,47(1988)等に記載)。
バキュロウイルスとしては、例えば、ヨトウガ科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス(Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)等を用いることができる。
昆虫細胞としては、Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞であるSf9、Sf21〔バキュロウイルス・エクスプレッション・ベクターズ、ア・ラボラトリー・マニュアル、ダブリュー・エイチ・フリーマン・アンド・カンパニー(W.H.Freeman and Company)、ニューヨーク(New York)、(1992)〕、Trichoplusia niの卵巣細胞であるHiFive(インビトロジェン社製)等を用いることができる。
組換えウイルスを調製するための、昆虫細胞への組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム法又はリポフェクション法等を挙げることができる。
上記の形質転換体は、導入されたDNA構築物の発現を可能にする条件下で適切な栄養培地中で培養する。形質転換体の培養物から、本発明の蛍光融合蛋白質を単離精製するには、通常の蛋白質の単離、精製法を用いればよい。
例えば、本発明の蛋白質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、超音波破砕機等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られた上清から、通常の蛋白質の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファロース等のレジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S−Sepharose FF(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィー法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、精製標品を得ることができる。
(5)本発明の蛍光蛋白質及びそれを含む融合蛍光蛋白質の利用
本発明は蛍光蛋白質を他の蛋白質と融合させることにより、融合蛍光蛋白質を構築することができる。
本発明の融合蛍光蛋白質の取得方法については特に制限はなく、化学合成により合成した蛋白質でもよいし、遺伝子組み換え技術による作製した組み換え蛋白質でもよい。
組み換え蛋白質を作製する場合には、先ず当該蛋白質をコードするDNAを入手することが必要である。本明細書の配列表の配列番号1に記載したアミノ酸配列及び配列番号2に記載した塩基配列の情報を利用することにより適当なプライマーを設計し、本発明の蛍光蛋白質の遺伝子を含むDNA断片を鋳型にしてPCRを行うことにより、本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAを構築するのに必要なDNA断片を作製することができる。また同様に、融合すべき蛋白質をコードするDNA断片も入手する。
次いで、これらのDNA断片を順番に遺伝子組み換え技術により連結することにより、所望の融合蛍光蛋白質をコードするDNAを得ることができる。このDNAを適当な発現系に導入することにより、本発明の融合蛍光蛋白質を産生することができる。
本発明の蛍光蛋白質は、特に、標識としての利用価値が高い。即ち、本発明の蛍光蛋白質を被検アミノ酸配列との融合蛋白質として精製し、マイクロインジェクション法などの手法により細胞内に導入し、該融合蛋白質の分布を経時的に観察すれば、被検アミノ酸配列の細胞内におけるターゲッティング活性を検出することが可能である。
本発明の蛍光蛋白質を融合させる他の蛋白質(被検アミノ酸配列)の種類は特に限定されるものではないが、例えば、細胞内に局在する蛋白質、細胞内小器官に特異的な蛋白質、ターゲティングシグナル(例えば、核移行シグナル、ミトコンドリアプレ配列)等が好適である。なお、本発明の蛍光蛋白質は、マイクロインジェクション法などにより細胞内に導入する以外に、細胞内で発現させて用いることも可能である。この場合には、本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAが発現可能に挿入されたベクターが宿主細胞に導入される。
また、本発明の蛍光蛋白質は、レポーター蛋白質としてプロモーター活性の測定に用いることも可能である。即ち、被検プロモーターの下流に、本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAが配置されたベクターを構築し、これを宿主細胞に導入し、該細胞から発せられる本発明の蛍光蛋白質の蛍光を検出することにより、被検プロモーターの活性を測定することが可能である。被検プロモーターとしては、宿主細胞内で機能するものであれば、特に制限はない。
上記被検アミノ酸配列のターゲティング活性の検出やプロモーター活性の測定において用いられるベクターとしては、特に制限はないが、例えば、動物細胞用ベクターでは、「pNEO」(P.Southern,and P.Berg(1982)J.Mol.Appl.Genet.1:327)、「pCAGGS」(H.Niwa,K.Yamamura,and J.Miyazaki.Gene 108,193−200(1991))、「pRc/CMV」(インビトロゲン社製)、「pCDM8」(インビトロゲン社製)などが、酵母用ベクターでは、「pRS303」,「pRS304」,「pRS305」,「pRS306」,「pRS313」,「pRS314」,「pRS315」,[pRS316](R.S.Sikorski and P.Hieter(1989)Genetics 122:19−27)、「pRS423」,「pRS424」,「pRS425」,「pRS426」(T.W.Christianson,R.S.Sikorski,M.Dante,J.H.Shero,and P.Hieter(1992)Gene 110:119−122)などが好適に用いられる。
また、使用可能な細胞の種類も特に限定されず、各種の動物細胞、例えば、L細胞、BalbC−3T3細胞、NIH3T3細胞、CHO(Chinese hamster ovary)細胞、HeLa細胞、NRK(normal rat kidney)細胞、「Saccharomyces cerevisiae」などの酵母細胞や大腸菌(E.coli)細胞などを使用することができる。ベクターの宿主細胞への導入は、例えば、リン酸カルシウム法やエレクトロポレーション法などの常法により行うことができる。
上記のようにして得た、本発明の蛍光蛋白質と他の蛋白質(蛋白質Xとする)とを融合させた融合蛍光蛋白質を細胞内で発現させ、発する蛍光をモニターすることにより、細胞内における蛋白質Xの局在や動態を分析することが可能になる。即ち、本発明の融合蛍光蛋白質をコードするDNAで形質転換またはトランスフェクトした細胞を蛍光顕微鏡で観察することにより細胞内における蛋白質Xの局在や動態を可視化して分析することができる。
例えば、蛋白質Xとして細胞内オルガネラに特異的な蛋白質を利用することにより、核、ミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体、分泌小胞、ペルオキソームなどの分布や動きを観察できる。
また、例えば、神経細胞の軸索、樹状突起などは発生途中の個体の中で著しく複雑な走向の変化を示すので、こういった部位を蛍光ラベルすることにより動的解析が可能になる。
本発明の蛍光蛋白質の蛍光は、生細胞のまま検出することが可能である。この検出は、例えば、蛍光顕微鏡(カールツァイス社 アキシオフォト フィルターセット 09)や画像解析装置(ATTO デジタルイメージアナライザー)などを用いて行うことが可能である。
顕微鏡の種類は目的に応じて適宜選択できる。経時変化を追跡するなど頻回の観察を必要とする場合には、通常の落射型蛍光顕微鏡が好ましい。細胞内の詳細な局在を追及したい場合など、解像度を重視する場合は、共焦点レーザー顕微鏡の方が好ましい。顕微鏡システムとしては、細胞の生理状態を保ち、コンタミネーションを防止する観点から、倒立型顕微鏡が好ましい。正立顕微鏡を使用する場合、高倍率レンズを用いる際には水浸レンズを用いることができる。
フィルターセットは蛍光蛋白質の蛍光波長に応じて適切なものを選択できる。本発明の蛍光蛋白質の場合、励起光490〜510nm、蛍光510〜530nm程度のフィルターを使用することが好ましい。
また、蛍光顕微鏡を用いた生細胞での経時観察を行う場合には、短時間で撮影を行うべきなので、高感度冷却CCDカメラを使用する。冷却CCDカメラは、CCDを冷却することにより熱雑音を下げ、微弱な蛍光像を短時間露光で鮮明に撮影することができる。
(6)本発明のキット
本発明によれば、本明細書に記載した蛍光蛋白質、融合蛍光蛋白質、DNA、組み換えベクター又は形質転換体から選択される少なくとも1種以上を含むことを特徴とする、細胞内成分の局在の分析及び/又は生理活性物質の分析のためのキットが提供される。本発明のキットは、それ自体既知の通常用いられる材料及び手法で調製することができる。
蛍光蛋白質又はDNAなどの試薬は、適当な溶媒に溶解することにより保存に適した形態に調製することができる。溶媒としては、水、エタノール、各種緩衝液などを用いることができる。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例1:珊瑚(キクメイシ)からの新規蛍光蛋白遺伝子の単離
(1)total RNAの抽出
蛍光を放つ珊瑚より蛍光蛋白遺伝子の単離を行った。材料にはスボミキクメイシ(favia favus)を用いた。キクメイシをハンマーで砕き、湿重量11グラムに”TRIzol”(GIBCO BRL)を15ml加えて攪拌し、1500×gで10分間遠心した。上清にクロロホルム3mlをくわえ、15秒間攪拌した後3分間静置した。7500×gで15分間遠心した。上清にイソプロパノール3.75mlをくわえ、15秒間攪拌した後10分間静置した。17000×gで10分間遠心した。上清を捨て70%エタノールを6ml加えて17000×gで10分間遠心した。上清を捨て沈殿をDEPC水200μlで溶解した。DEPC水で溶解したtotal RNAを100倍に希釈してO.D.260とO.D.280の値を測定してRNA濃度を測った。20μgのtotal RNAを得た。
(2)First strand cDNAの合成
total RNA 3μgを使用し、First strand cDNAの合成キット”Ready To Go”(Amersham Pharmacia)によりcDNA(33μl)を合成した。
(3)Degenerated PCR
合成したFirst strand cDNA(33μl)のうち3μlを鋳型としてPCRを行った。プライマーのデザインは既知の蛍光蛋白のアミノ酸配列を見比べて、似ている部分を抜き出し、塩基配列に変換し直し作製した。
使用プライマー
Figure 0004648834
R=A又はG、Y=C又はT、V=A,C又はG、D=A,G又はT
PCR反応液組成
テンプレート(first strand cDNA)3μl
X10 taq バッファー 5μl
2.5mM dNTPs 4μl
100μM primer1 1μl
100μM primer2 1μl
ミリQ 35μl
taq polymerase(5U/μl) 1μl
PCR反応条件
94℃ 1min(PAD)
94℃ 30sec(変性)
52℃ 30sec(鋳型へのプライマーのアニーリング)
72℃ 1min(プライマー伸長)
72℃ 7min(最後の伸長)
4℃ 保持
一回目のPCR反応で得られた増幅産物1μlをテンプレートとして、もう一度同じ温度条件でPCRを行った。ただし、使用プライマーは、
Figure 0004648834
Figure 0004648834
アガロースゲル電気泳動で、予想された大きさの350bpのバンドを切り出し、精製した。
(4)サブクローニング及び塩基配列の決定
精製したDNA断片をpT7−blue vector(Novagen)にライゲーションした。大腸菌株(TG1)にトランスフォーメーションしてブルーホワイトセレクションを行い、白いコロニーの大腸菌よりplasmid DNAを精製して、挿入されたDNA断片の塩基配列をDNAシークエンサーにより決定した。得られた塩基配列を他の蛍光蛋白遺伝子の塩基配列と比較してそのDNA塩基配列が蛍光蛋白由来のものであるかを判断した。蛍光蛋白遺伝子の一部であると判断したものに関して、5’−RACE法および3’−RACE法による遺伝子全長のクローニングを行った。
(5)5’−RACE法
Degenerated PCRで得られたDNA断片の5’側の塩基配列を決定するために5’−RACE System for Rapid Amplification of cDNA Ends,Version2.0(GIBCO BRL)を用いて、5’−RACE法を行った。鋳型として1)で調整したtotal RNAを3μg使用した。
DC−tailed cDNAの一回目の増幅には
Figure 0004648834
のプライマーを用いた。
I=イノシン
二回目の増幅には
Figure 0004648834
のプライマーを用いた。PCR反応条件等はキットのプロトコールに準じた。
アガロースゲル電気泳動で、増幅された700bpのバンドを切り出し、精製した。精製したDNA断片をpT7−blue vector(Novagen)にライゲーションした。大腸菌株(TG1)にトランスフォーメーションしてブルーホワイトセレクションを行い、白いコロニーの大腸菌よりplasmid DNAを精製して、挿入されたDNA断片の塩基配列をDNAシークエンサーにより決定した。
(6)全塩基配列の決定、及び大腸菌での蛋白発現
(5)により得られた蛋白のN末端に相当する部分でプライマーを作製し、C末端側はオリゴdTプライマーを使用して、(2)で調製したFirst strand cDNAを鋳型としてPCRを行った。
使用プライマー
Figure 0004648834
PCR反応液組成
テンプレート(first strand cDNA) 3μl
X10 pyrobest バッファー 5μl
2.5mM dNTPs 4μl
100μM primer7 1μl
100μM オリゴdTプライマー 1μl
ミリQ 35μl
pyrobest polymerase(5U/μl)1μl
PCR反応条件
94℃ 1min(PAD)
94℃ 30sec(変性)
52℃ 30sec(鋳型へのプライマーのアニーリング)
72℃ 1min(プライマー伸長)
上記3ステップを30サイクル行った。
72℃ 7min(最後の伸長)
4℃ 保持
アガロースゲルの電気泳動で、増幅された約900bpのバンドを切り出し、精製してpRSET vector(Invitrogen)のBamHI、EcoRI部位にサブクローニングして、大腸菌株(JM109−DE3)で発現させた。またプラスミドを回収し、挿入された全塩基配列を決定した。クローン名をKkGとした。得られた全長の塩基配列を配列表の配列番号2に示し、全長のアミノ酸配列を配列表の配列番号1に示す。
発現蛋白はN末端にHis−tagが付くようにコンストラクトしたので発現蛋白はNi−Agarose gel(QIAGEN)で精製した。精製の方法は付属のプロトコールに準じた。次に精製した蛋白の性質を解析した。
(7)蛍光特性の解析
10μM蛍光蛋白(KkG)のPBS溶液を用いて吸収スペクトルを測定した。このスペクトルのピークの値よりモル吸光係数を計算した。507nmに吸収のピークが認められ、450nmにおける吸収が0.005となるように蛍光蛋白を上記の緩衝液で希釈して、450nmで励起した時の蛍光スペクトルを測定した(図1)。EGFP(CLONTECH)を同様に450nmにおける吸収が0.005となるようにして蛍光スペクトルを測定し、EGFPの量子収率を0.6として本発明の蛋白質の量子収率を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0004648834
(8)pH感受性の測定
下記の緩衝液で希釈して蛍光スペクトルを測定した。
各pHの緩衝液は次の通り、
pH4、5 :酢酸バッファー
pH6 :MESバッファー
pH7 :MOPSバッファー
pH8 :HEPESバッファー
pH9、10:グリシンバッファー
pH11 :リン酸バッファー
蛍光極大のpH依存性を測定した結果を図2に示す。
実施例2:蛍光特性を改善した各種蛍光蛋白質の作製
(1)GreenからRedへと蛍光特性を光(紫外線及び紫光)照射依存的に変換できる蛍光蛋白質の作製
GreenからRedへと蛍光特性を光照射依存的に変換できない蛍光蛋白質KkGの62番目のアスパラギン酸(D)をヒスチジン(H)に置換することにより、蛍光蛋白質KkGの蛍光特性をGreenからRedへと光照射依存的に変換できる蛍光蛋白質(KKH)(KKHのアミノ酸配列を配列番号12に示し、塩基配列を配列番号13に示す)へと性質を変化することが出来た(図3、図4)。図4A2の矢印は光照射後のRedの蛍光を放つ部分の吸収(583nm)の増加を示す。蛍光蛋白質KkGの40番目のメチオニン(M)をバリン(V)に、62番目のアスパラギン酸(D)をヒスチジン(H)に、198番目のイソロイシン(I)をメチオニン(M)に置換することにより蛍光特性をGreenからRedへと光照射依存的にできる蛍光蛋白質(KKH)よりも光感受性の高い、つまり、弱い光で蛍光特性をGreenからRedへと変換できる蛍光蛋白質(H8PV)(H8PVのアミノ酸配列を配列番号14に示し、塩基配列を配列番号15に示す)にすることが出来た(図3)。
蛍光蛋白質KkGの10番目のメチオニン(M)をイソロイシン(I)に、12番目のロイシン(L)をバリン(V)に、40番目のメチオニン(M)をバリン(V)に、60番目のバリン(V)をアラニン(A)に、62番目のアスパラギン酸(D)をヒスチジン(H)に、119番目のチロシン(Y)をアスパラギン(N)に、144番目のプロリン(P)をセリン(S)に、197番目のアルギニン(R)をロイシン(L)に、198番目のイソロイシン(I)をメチオニン(M)に置換することにより蛍光特性をGreenからRedへと光照射依存的にできる蛍光蛋白質(H8PV)よりも光感受性の高い、つまり、弱い光で蛍光特性をGreenからRedへと変換できる蛍光蛋白質(H38PVLM)(H38PVLMのアミノ酸配列を配列番号16に示し、塩基配列を配列番号17に示す)にすることが出来た(図3)。
蛍光蛋白質KkGの10番目のメチオニン(M)をイソロイシン(I)に、40番目のメチオニン(M)をバリン(V)に、60番目のバリン(V)をアラニン(A)に、62番目のアスパラギン酸(D)をヒスチジン(H)に、70番目のリジン(K)をグルタミン酸(E)に、119番目のチロシン(Y)をアスパラギン(N)に、197番目のアルギニン(R)をグルタミン(Q)に、198番目のイソロイシン(I)をメチオニン(M)に置換することにより蛍光特性をGreenからRedへと光照射依存的にできる蛍光蛋白質(H38PVLM)よりも光感受性の高い、つまり、弱い光で蛍光特性をGreenからRedへと変換できる蛍光蛋白質(KikGR)(KikGRのアミノ酸配列を配列番号18に示し、塩基配列を配列番号19に示す)にすることが出来た(図3、図4)。
図4A3、A4はGreenの蛍光(517nm)を放つ部分の吸収(507nm)が光照射により徐々に減少し、Redの蛍光(593nm)を放つ部分の吸収(583nm)が徐々に増加したことを示す。即ち、GreenからRedへと蛍光特性を光照射依存的に変換できない任意の蛍光蛋白質でKkGの62番目に相当するアミノ酸、具体的には発色団を形成する3つのアミノ酸XYG(図3のアスタリスク部分、Xは任意のアミノ酸、Yは一般的にはチロシン、場合によってはフェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンなどの芳香族アミノ酸もとりうる。Gはグリシン。)のXをヒスチジンに置換することにより、蛍光特性をGreenからRedへと光照射依存的に変換できる蛍光蛋白質をつくりだすことが出来る。さらに、GreenからRedへと蛍光特性を光照射依存的に変換できない任意の蛍光蛋白質でKkGの62番目に相当するアミノ酸をヒスチジン(H)に置換したものに、任意の蛍光蛋白質でKkGの10番目に相当するアミノ酸をイソロイシン(I)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの12番目に相当するアミノ酸をバリン(V)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの40番目に相当するアミノ酸をバリン(V)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの60番目に相当するアミノ酸をアラニン(A)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの70番目に相当するアミノ酸をグルタミン酸(E)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの119番目に相当するアミノ酸をアスパラギン(N)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの144番目に相当するアミノ酸をセリン(S)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの197番目に相当するアミノ酸をロイシン(L)またはグルタミン(Q)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの198番目に相当するアミノ酸をメチオニン(M)にアミノ酸置換するうちの何れかのアミノ酸置換を含むことにより、蛍光特性をGreenからRedへと光照射依存的に変換できる蛍光蛋白質をつくりだすことが出来、且つ、光感受性の高い、つまり、弱い光で蛍光特性をGreenからRedへと変換できる蛍光蛋白質を作製することが出来る。
GreenからRedへと蛍光特性を光照射依存的に変換できる蛍光蛋白質KaedeとKikGRを大腸菌で発現させ比較するとKikGRの方がGreenのときも、光照射特性変換後も蛍光強度が強いことが示された(図5A)。KaedeとKikGRの遺伝子をHeLa細胞に導入し発現させると、KikGRのほうがKaedeよりも早く蛍光を発した(図5B)。また、HeLa細胞で発現させたKikGRとKaedeを光照射により細胞内でGreenからRedに蛍光特性を変化させたとき、KikGRはKaedeに較べて明らかに速くGreenからRedへの蛍光特性の変換が観察され、且つ、蛍光強度が強いことが示された(図6A、B、C、D)。つまり、KaedeとKikGRのアミノ酸配列を比較したときに、アミノ酸が違っている部分はKikGRと同じアミノ酸置換により、GreenからRedに蛍光特性を変換する速度が上がり、且つ、蛍光強度が強くなることが容易に予想される。特に図3のグレー部分は蛋白質が立体構造をとったときにアミノ酸側鎖が蛋白質内部に向くものであり、蛍光特性に大きな影響を与える可能性があると容易に考えられる。具体的には、任意の蛍光蛋白質でKkGの62番目に相当するアミノ酸をヒスチジン(H)に置換したものに、任意の蛍光蛋白質でKkGの54番目に相当するアミノ酸をフェニルアラニン(F)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの69番目に相当するアミノ酸をバリン(V)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの87番目に相当するアミノ酸をチロシン(Y)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの93番目に相当するアミノ酸をメチオニン(M)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの109番目に相当するアミノ酸をメチオニン(M)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの121番目に相当するアミノ酸をイソロイシン(I)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの140番目に相当するアミノ酸をバリン(V)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの160番目に相当するアミノ酸をバリン(V)にアミノ酸置換するうちの何れかのアミノ酸置換を含むことにより、GreenからRedに蛍光特性を変換する速度が上がり、且つ、蛍光強度が強い蛍光蛋白質を作製することができる。
(2)PurpleからBlueへと蛍光特性を光(紫外線及び紫光)照射依存的に変換できる蛍光蛋白質の作製
PurpleからBlueへと蛍光特性を光照射依存的に変換できない蛍光蛋白質KkGの60番目のバリン(V)をアラニン(A)に、62番目のアスパラギン酸(D)をグリシン(G)に、63番目のチロシン(Y)をヒスチジン(H)に、197番目のヒスチジン(H)をロイシン(L)に、199番目のイソロイシン(I)をトレオニン(T)に置換することにより、蛍光蛋白質KkGの蛍光特性をPurple(380nm)からBlue(450nm)へと光照射依存的に変換できる蛍光蛋白質(Kbl2)へと性質を変化することが出来た(Kbl2のアミノ酸配列を配列番号20に示し、塩基配列を配列番号21に示す)(図3、図7、図8、図9)。つまり、任意の蛍光蛋白質でKkGの60番目に相当するアミノ酸をアラニン(A)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの62番目に相当するアミノ酸をグリシン(G)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの63番目に相当するアミノ酸をヒスチジン(H)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの196番目に相当するアミノ酸をロイシン(L)に、任意の蛍光蛋白質でKkGの198番目に相当するアミノ酸をトレオニン(T)に置換することにより、また、前記アミノ酸置換の何れかを含むことによって蛍光特性をPurpleからBlueへと光照射依存的に変換できる蛍光蛋白質を作製することができる。
本発明により、スボミキクメイシ(favia favus)由来の新規な蛍光蛋白質が提供されることになった。本発明の蛍光蛋白質は、従来の蛍光蛋白質とは一次構造が異なる新規な蛋白質である。本発明の蛍光蛋白質は、所定の蛍光特性を有し、分子生物学的分析において有用である。即ち、本発明の蛍光蛋白質を用いることにより哺乳類細胞で毒性を発揮することなく蛍光ラベルができるようになった。今回のように全く新しい遺伝子を出発材料にすることで、より多くの異なる特性を示す蛍光物質が得られる可能性がある。

Claims (9)

  1. 以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質。
    (a)配列番号12、14、16、18又は20に記載のアミノ酸配列;又は、
    (b)配列番号12、14、16、18又は20に記載のアミノ酸配列において1から20個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、蛍光特性を光照射依存的に変換できるアミノ酸配列:
  2. 請求項1に記載の蛋白質をコードするDNA。
  3. 以下の何れかの塩基配列を有するDNA。
    (a)配列番号13、15、17、19又は21に記載の塩基配列;又は、
    (b)配列番号13、15、17、19又は21に記載の塩基配列において1から60個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、蛍光特性を光照射依存的に変換できる蛍光蛋白質をコードする塩基配列:
  4. 請求項2又は3に記載のDNAを有する組み換えベクター。
  5. 請求項2又は3に記載のDNA又は請求項に記載の組み換えベクターを有する形質転換体。
  6. 請求項1に記載の蛍光蛋白質と他の蛋白質とから成る融合蛍光蛋白質。
  7. 他の蛋白質が細胞内に局在する蛋白質である、請求項に記載の融合蛍光蛋白質。
  8. 他の蛋白質が細胞内小器官に特異的な蛋白質である、請求項6又は7に記載の融合蛍光蛋白質。
  9. 請求項1に記載の蛍光蛋白質、請求項2又は3に記載のDNA、請求項に記載の組み換えベクター、請求項に記載の形質転換体、又は請求項6から8の何れかに記載の融合蛍光蛋白質を含む、蛍光試薬キット。
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