JPWO2003055853A1 - 自己組織化単分子膜を形成する電子受容性化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電子受容性分子の電荷分離機能、光応答性機能、錯体形成機能などを基板上で発現する自己組織化単分子膜を形成させるのに適した化合物に関する。
技術背景:
金属または、金属酸化物を成分とする基板上に、硫黄原子などのヘテロ原子を介して自己組織化単分子膜を形成せしめ、基板に各種の機能性を付与する技術開発が盛んに行われている。電子授受機能を持たせるためには、電子受容性あるいは、電子供与性構造を末端に配置する有機分子を用いて、自己組織化単分子膜を形成させる方法がある。
例えば、J.Chem.Soc.,Faraday Trans.,92,3813,(1996)には、2−(11−メルカプトウンデシル)ハイドロキノンを表面に自己集積させ単分子膜を形成させた金電極上で、電気化学的酸化反応によりキノンが生成していることが記載されている。
また、Langmuir,14,5834,(1998)には、テトラシアノキノジメタンを電子受容構造として末端に有するビス(10−(2−((2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジイリデン)ジマロノニトリル))デシル)ジスルフィドを表面に自己集積させ単分子膜を形成させた金電極において、テトラメチルフェニレンジアミンとの間で電荷移動がおきることが記載されている。
特開2000−261016号公報には、球殻上の炭素分子を受容体として内包している化合物からなる光電荷分離材料が記載されており、さらには、分子内に電子供与体、光増感剤を3次元的に配置した化合物が自己組織化単分子膜を形成している基板が記載されている。
特開2001−253883号公報には、イミダゾリルポルフィリン骨格にアリーレン基及びアルキレン基の少なくとも一方を含む二価の連結基を介して、メルカプト基またはアセチルチオ基を有するメルカプト置換イミダゾリルポルフィリン金属錯体単量体が記載されており、さらに、前記単量体が、イミダゾール基とポルフィリン中心金属と相互作用することによる多量体が、メルカプト基等を介して電極表面に結合することにより電極間を結合し、ナノメートル単位でエネルギーを伝達するデバイスが構築できることが記載されている。
さらに、特開2001−303022号公報には、基体表面に形成された金属又は半導体表面に共有結合又は配位結合により一般式(a)E−L−Bin.(式中、Eは、光吸収する有機残基、Lは長鎖の−(CH2)N−を持つ原子団又は該原子団の主鎖がO、S又はNによって分断されている原子団でEと−NH−CO−、−O−、又は−CO−O−で結合する、及びBin.は化合物(a)を前記金属又は半導体表面との共有結合又は配位結合により結合させる結合基を提供する基である。)で表されるエネルギードナー化合物及び一般式(b)EA−L−Bin.(式中EAは、一般式(a)の化合物の励起光と重なる吸収波長領域を有する光吸収する有機残基、L及びBin.は一般式(a)と同じ。)で表されるエネルギーアクセプター化合物を両化合物間でエネルギー移動可能に混合自己組織化した単分子膜として形成されていることを特徴とする光エネルギー移動素子が記載されている。
発明の開示:
これら電子受容性構造を有する化合物の自己組織化単分子膜に関しては、その例が少なく、求める機能性に対して充分に対応できるべき多様性に欠け、また、その製造法に関しても容易でないものがほとんどであった。今後、光エネルギー変換素子、電子エネルギー伝達素子として利用して行く上では、求める機能に応じて、分子構造に多様性を有し、かつ、製造法もそれに応じた柔軟性を持つような化合物群を利用することが望ましい。
電子受容性を基本機能とする単分子膜を、素子として利用する際には、膜の配向性や緻密性がその性能を発揮するためには重要なファクターであり、上記したこれら電子受容性構造を有する化合物は、その点でまだ、十分なものとは言えず、さらに化合物自体、または、その中間体が不安定であるため、構造変換を行うのに限りがあり、結果その例が限られており、単分子膜内の配向性を制御する目的での分子設計は成されていなかった。
本発明は、構造が簡単で製造が容易で、しかも、電子受容機能を有し、自己組織化により単分子膜を形成し、膜の緻密性、配向性を改善するために構造変換がより容易で、目的とする性能を発揮できる可能性のある化合物を提供することを目的とする。
上記課題に対して、本発明者らは鋭意検討した結果、ジアミノマレオニトリル、もしくは、類似のジアミン構造を有するを化合物を原料として合成することができるシアノ基等を置換基とするピラジン、イミダゾール等の芳香族複素環が、電子受容機能を有し、さらに自己組織化して単分子膜を形成できるように分子変換を各種行うことで上記課題を解決でき、また、電子受容性部分構造に、強固なスタッキング構造をとり得る磁気異方性ユニットとして、芳香族炭化水素環を縮環させることで、自己組織化による配向制御が期待でき、製造が容易で、しかも、電子受容機能を損なわない新規な構造を有する化合物を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)式(I)
(式中、Aは、(i)シアノ基、C1−C6アルコキシカルボニル基、及びC1−C11アシル基からなる群から選ばれる少なくとも1つが環上または共役系を介して結合している芳香族複素環基がSpで表される原子団と環上又は共役系を介して結合している基、又は、(ii)少なくとも一つ以上の芳香族炭化水素環が縮合した電子受容性の官能基を表し、Spは、アリーレン基及びアルキレン基の少なくとも一方を含む二価の連結基を表し、Xは、金属表面、金属酸化物表面、または半導体表面と共有結合又は配位結合により結合を形成させる結合基を表す。)で表される化合物。
(2)式(I)中、芳香族複素環基が、ピラジン、イミダゾールまたはそれらと他の芳香族炭化水素、芳香族複素環との縮合環であることを特徴とする(1)に記載の化合物、
(3)式(I)中、A中の電子受容性の官能基が、式(II)
(式中、T1〜T4は、それぞれ独立に、電子吸引基を表し、点線は、芳香族炭化水素環と縮合可能な部分を表す。)からなる群から選ばれる少なくとも1つを部分構造とする官能基であるをことを特徴とする(1)に記載の化合物、
(4)式(II)中、T1〜T4が、それぞれ独立に、シアノ基、置換基を有していてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、または置換基を有していてもよいC1−C6アルキルスルホニル基を表すことを特徴とする(3)に記載の化合物、
(5)式(I)中、Spが、置換基を有していてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子、アミド結合、エステル結合、シロキサン結合を主鎖に含んでいてもよいC6−20のアリレーン基またはC1−20アルキレン基であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物、
(6)式(I)中、Xが、メルカプト基、置換基を有していてもよいC1−C6アルキルチオ基、C1−C11アシルチオ基、C1−C6アルコキシシリル基、リン酸基、または、ジスルフィド基であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の化合物、
(7)表面に(1)〜(6)のいずれかに記載の化合物を含有する自己組織化単分子膜が形成されていることを特徴とする基板に関する。
Aについて:
(i)本発明である式(I)で表される化合物中、Aの1種は、シアノ基、C1−C6アルコキシカルボニル基、及びC1−C11アシル基からなる群から選ばれる少なくとも1つが環上または共役系を介して結合している芳香族複素環基であり、Spで表される原子団と、環上または共役系を介して結合している官能基を表す。具体的には、下記式A1−A155で表される化合物群を表す。尚、環上または共役系を介して結合している芳香族複素環の置換基としては、シアノ基を代表して記載してあるが、任意のシアノ基をC1−C6アルコキシカルボニル基、又はC1−C11アシル基に置換することができる。また、その他の置換基として、芳香族複素環上の電子密度を下げるために、電子吸引基が好ましく、具体的には、ニトロ基、フッ素原子等のハロゲン原子、トリフルオロメチル基、スルフェニル基、スルホニル基、スルホン酸基、ホスホニル基、ホスホリル基、ホスフィニル基、C1−C7アシルオキシ基等を例示することができる。それぞれの置換基は、さらに、任意の位置にさらに、適当な置換基を有することができる。
(ii)本発明である式(I)で表される化合物中、Aの1種は、少なくとも一つ以上の芳香族炭化水素環が縮合した電子受容性官能基であり、Spで表される原子団と、環直接またはヘテロ原子を介して結合している官能基を表す。具体的には、下記式A161−A172で表される化合物群を表す。尚、式(II)のT1〜T4に該当する置換基としては、シアノ基を代表して記載してあるが、任意のシアノ基を、置換基を有していてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、または置換基を有していてもよいC1−C6アルキルスルホニル基に置換することもできる。また、電子密度を下げるために、電子吸引基で置換するのが好ましく、具体的には、C1−C7アシル基、ニトロ基、フッ素原子等のハロゲン原子、スルフェニル基、スルホニル基、スルホン酸基、ホスホニル基、ホスホリル基、ホスフィニル基、C1−C7アシルオキシ基、トリフルオロメチル基等を例示することができる。
上記式中、rは、水素原子、置換基を有してよいC1−C6アルキル基、置換基を有してよいフェニル等のアリール基、C1−C6アルコキシカルボニル基、C1−C11アシル基、C1−C6アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、C1−C20メルカプトアルキル基等の置換基を表す。具体的には、下記式で表される置換基を例示できる。
C1−C6アルコキシカルボニル基として具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシ基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等を例示でき、C1−C11アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ピバロイル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基等を例示することができる。
また、共役系とは、芳香族複素環上のπ電子またはp軌道電子以上の高軌道電子と共鳴構造をとり得る結合状態を示し、具体的には炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合、炭素−窒素二重結合等例示することができ、芳香族炭化水素、芳香族複素環が複数縮合した場合を含み、さらに、カルボニル基、イミノ基、メチリデン基のsp2炭素を介して、他の芳香族炭化水素または芳香族複素環と結合させた場合も含むこととする。
また、芳香族複素環基中の環上または共役系を介して結合している置換基は、芳香族複素環の他の位置と結合して環を形成していても構わない。
A中の芳香族複素環としては、後述する製造方法の容易さ、原料の入手しやすさ等を考慮した場合に、ピラジン骨格、イミダゾール骨格を有する複素環基を好ましく例示することができる。
式(II)中のT1〜T4におけるC1−C6アルコキシカルボニル基として具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシ基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等を例示でき、C1−C6アルキルスルホニル基としては、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、ペンタフルオロエタンスルホニル基等を例示でき、C1−C7アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ピバロイル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等を例示することができる。
式(I)で表される化合物中、Spは、アリーレン基及びアルキレン基の少なくとも一方を含む二価の連結基を表す。また、前記連結基中には、他の構成単位として、下記に示す官能基を含むことができる。
上記式中、R1〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C20の炭化水素基を表す。また、これらの官能基は、1つの連結基中、2種以上を同時に含んでいてもよい。また、連結基内に環状構造を有していてもよく、その環状構造を、Aの芳香族複素環基、Xの結合基と形成してもよい。Spとして特に、酸素原子、硫黄原子またはその酸化体、置換基を有していてもよい窒素原子、アミド結合、エステル結合、シロキサン結合を構成要素とするC6〜C20のアリレーン基またはC1〜C20好ましくはC6〜C20のアルキレン基を好ましく例示することができる。具体的には、下記式で表される連結基を例示することができる。
式中、n、mはそれぞれ独立に、0または1以上の整数を表す。
式(I)で表される化合物中、Xとしては、金属表面、金属酸化物表面、または半導体表面と共有結合又は配位結合により結合を形成させる結合基を表す。具体的には、メルカプト基、置換基を有していてもよいC1−C6アルキルチオ基、C1−C11アシルチオ基、C1−C6アルコキシシリル基、リン酸基、または、ジスルフィド基等を例示することができ、具体的には、下記式で表される結合基を例示することができる。
上記式中、L、Kはそれぞれ、対応する芳香族複素環基、結合基の番号を表す。
本発明の式(I)で表される化合物はいずれも新規化合物であり、具体的には、下記表に示す化合物を例示することができる。
本発明の式(I)で表される化合物は、例えば、次のようにして製造することができる。
式(I)におけるAの電子受容性部分は、ジアミノマレオニトリル、もしくは、類似のジアミン構造を有する化合物より、例えば、Advances in Heterocyclic Chemistry,vol.41,1−39頁記載の方法で、各種の含窒素ヘテロ環として、製造することができる。
キノン類は、対応するメトキシアレーンのハロゲン化物を、有機金属試薬へと誘導し、単体硫黄と反応させることで、チオールを発生させる。これにアルキル化剤を反応させることで、中間体を得ることができる。また、単体硫黄と反応させずに、有機金属試薬とハロゲン化物を、適当な遷移金属触媒存在下、反応させることで、アレーンに直接炭素で接続した連結基を導入することができる。(下記式(III)を参照)
上記式中、Yは、ハロゲン原子、または、後の工程でハロゲン原子に誘導できる官能基を表し、例えば、エステル基、保護基をかけた水酸基などを表す。
有機金属体とするために用いる金属としては、リチウム、マグネシウム、亜鉛などを用いることができる。また、直接炭素で接続させる際に用いる触媒としては、ニッケル、パラジウムなどの金属錯体を用いることができる。
上記のようにして得られた中間体を、Yがエステル基の場合は、還元して、水酸基とし、保護をかけた水酸基の場合は、脱保護し、水酸基を得る。それをハロゲン化して、末端ハロゲンの中間体へと誘導できる。還元剤としては、LiAlH4、NaBH4、などを用いることができる。また、水酸基をハロゲンに変換する反応は、チオニルハライド、オキシ塩化りん、三ハロゲン化りん、等ハロゲン化試薬との反応、もしくは、スルホン酸エステルにした後、ハロゲン化金属塩との交換反応によって得ることができる。
水酸基の保護基としては、C1−C6アルコキシメチル基、トリフェニルメチル基、2−テトラヒドロピラニル基、C1−C6トリアルキルシリル基、などが挙げられる。このようにして製造してきたハロゲン化物を適当な硫化反応試薬と反応させ、硫黄原子を導入することができる。例えば、チオ尿素を適当な塩基存在下、反応させ、その後、酸性にしてメルカプト基を導入する方法や、チオカルボン酸のアルカリ金属塩を、反応させ、アシルチオ基を導入できる。さらに、得られたメルカプト基を適当な塩基存在下でアルキル化して、望みのスルフィド化合物を得ることができる。(下記式(IV)参照)
式中、Spは式(I)における意味と同じ意味を表す。
上記アルキル化等に用いられる塩基としては、水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、トリエチルアミンのような三級アミン類等を例示することができる。
また、上記のメルカプト体を、塩基存在下、ヨウ素もしくは臭素、あるいは、過酸化水素もしくはその塩と反応させることで、二量体のジスルフィドを得ることができる。
さらに、この化合物を、適当な酸化剤と処理することにより、所望のキノンに導くことができる。この際、Xがメルカプト基のものは、ジスルフィドに変換した後、酸化反応を行うのが好ましい。(下記式(V)参照)
上記式中、Sp、Aは、式(I)における意味と同じ意味を表す。
上記酸化反応に用いる酸化剤としては、硝酸、硝酸セリウム(IV)二アンモニウム塩、酸化銀(II)、タリウム(III)トリフルオロ酢酸塩、等が挙げられる。
さらに上記のキノン化合物を、活性メチレン化合物と適当な触媒存在下反応させることで、キノジメタン化合物を得ることができる。活性メチレン化合物としては、マロノニトリル、マロン酸ジエステル、2−シアノ酢酸エステル、シアノメタンスルホン酸エステル等が挙げられる。用いる触媒としては、ジブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルフォリンなどの二級アミン、四塩化チタン、テトラ(イソプロポキシ)チタンなどのTi(IV)化合物等が挙げられる。
式(I)において、Xがシリル基である化合物を製造する方法としては、末端がオレフィンである中間体に、ヒドロシランを触媒存在下、反応させることで得ることができる。触媒としては、白金、ロジウム、ルテニウムなどの塩化物塩、錯体などを用いることができる。(下記式(VI)参照)
式中、Sp’は、酸素、窒素、硫黄等のヘテロ原子、アミド、エステル、シロキサン結合を主鎖に含んでいてもよいアルキレン基及びアリーレン基の少なくとも一方を含む連結基を表す。
Xがリン酸基である化合物は、末端が水酸基の中間体を、五酸化二リン、ハロゲン化ホスホリル、ないし、活性化されたモノリン酸エステルとの縮合反応、加水分解反応により、所望の化合物を得ることができる。
環状イミド化合物の製造に関しては、対応する酸無水物及びジカルボン酸誘導体と、末端にハロゲンなどの官能基を有する1級アミンを直接反応させるか、末端に水酸基を有する一級アミンと反応させた後、前記ハロゲン化試薬と反応させて、末端にハロゲンなどの官能基を有する中間体を得ることができる。あるいは、環状イミドのNHを、塩基存在下にて、α、ω−ジハロアルカンと反応させることで、同様な中間体を得ることができる。このようにして得た化合物の末端の官能基を、式(IV)、式(V)、及び上記方法と同様に、硫黄、ケイ素、りん酸部を含む官能基に変換できる。(下記式(VII)参照)
上記式中、Qは、水酸基、ハロゲン原子を表し、Lは、ハロゲン原子等の脱離基を表し、Sp、Xは、式(I)における意味と同じ意味を表す。
式(I)において、Spとしてアミド結合を持つものは以下のようにして製造することができる。
(式中、Aは、式(I)と同じ意味を表し、Rは、アミド部分と合わせて、式(I)におけるSp−Xと同じ意味を表す。)
即ち、アミノ基とカルボン酸を適当な縮合剤の存在下、反応させ、所望の化合物を得ることができる。縮合剤としては、カルボニルビス−1H−イミダゾール、カルボジイミド、シアノリン酸エステル、N−ヒドロキシこはく酸、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、等を用いることができる。場合によっては、触媒量もしくは当量以上の塩基を存在させても良く、塩基としては、トリエチルアミンなどの三級アミン、4−ジメチルアミノピリジン、炭酸アルカリ金属塩、等を用いることができる。
式(I)において、Spとして酸素、硫黄、窒素原子を含むものは、例えば以下のような方法で製造することができる。
(式中、Yは、シアノ基、または、塩素原子を表し、Z−R’は、式(I)のSp−X部分に相当する。)
即ち、シアノ基、ハロゲン原子等の適当な脱離基を有するシアノ置換ピラジンと、アルコール、チオール、もしくは、アミンを、−20℃から100℃の間で、反応せしめることで、所望の化合物を得ることができる。場合によっては、触媒量もしくは当量以上の塩基を存在させても良く、塩基としては、トリエチルアミンなどの三級アミン、4−ジメチルアミノピリジン、炭酸アルカリ金属塩、等を用いることができる。
あるいは、上記二つの方法を組合せて、酸素、硫黄、窒素原子とアミド結合の両者を介する式(I)の化合物を得ることもできる。
式(I)において、Spとしてエステル結合を含むものは、以下のような方法で製造することができる。
(式中、Aは、式(I)と同じ意味を表し、CO2R”でSp−X部分を表し、Lは、水酸基、ハロゲン原子、C1−C6アルコキシ基を表す。)
即ち、カルボン酸、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステルと、アルコールを、適当な縮合剤もしくは触媒存在下、反応させることで、所望の化合物を得ることができる。縮合剤もしくは触媒としては、カルボニルビス−1H−イミダゾール、カルボジイミド、シアノリン酸エステル、N−ヒドロキシこはく酸、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、テトラアルコキシチタン、トリエチルアミン等の三級アミン類、塩酸等の鉱酸類、等を用いることができる。
あるいは、式(IX)の方法を組合せて、酸素、硫黄、窒素原子と、エステル結合の両者を介する式(I)の化合物を得ることもできる。
式(I)中、Xとして硫黄原子を有するものは、先にSH基を保護した後、式(VIII)から(X)の製造方法にて、化合物を得ることができる。SH基を保護する保護基としては、アシル基、C1−C6アルコキシアルキル基、2−シアノエチル基、トリフェニルメチル基、t−ブチル基、等が挙げられる。
(式中、Qは、直結合、もしくは、カルボニル基を表し、Spは、式(I)と同じ意味を表し、Prは、保護基を表す。)
上記保護基をはずす方法としては、アシル基、2−シアノエチル基については、水酸化ナトリウム、炭酸セシウムのような、アルカリ金属塩と反応せしめることで、目的のメルカプト化合物を得ることができる。C1−C6アルコキシC1−C6アルキル基、トリフェニルメチル基については、塩酸、臭化水素酸などの鉱酸類、あるいは、酢酸水銀、酢酸銀などの存在下、反応させることで同様に得ることができる。
また、式(VIII)〜(X)の製造方法にて得ることができる、末端部が水酸基、ハロゲン原子である化合物を中間体として、硫黄原子を導入することもできる。
(式中、A、Sp、Xは、式(I)と同じ意味を表し、X’は、水酸基、ハロゲン原子を表す。)
導入時に、用いる試剤としては、チオ酢酸、及びそのアルカリ金属塩、チオ尿素類、ビストリメチルシリルスルフィド、等を用いることができる。
以上の製造方法は、THF、DMF、トルエン、クロロホルム、アセトン、アセトニトリル、アルコール、等の有機溶媒中、もしくは、水−有機溶媒二相系で行うことができ、−80℃から150℃の間で反応させる。
以上のようにして得られた本発明の式(I)で表される化合物は、例えば、それらを溶解した有機溶媒の溶液中に、金等の金属、または金属酸化物等の層を有する基板を浸漬させるだけで、基板上に自己組織化し、単分子膜を形成することができる。
発明を実施するための最良の形態:
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲は、実施例に限定されるものではない。
実施例1 (化合物1.の合成)
[HO2C(CH2)10S]2 0.65gのDMF溶液10mLに、1−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩0.63g、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物 0.51g、4−ジメチルアミノピリジン19mg、トリエチルアミン0.46mLを加え、0℃にて、30分撹拌した。これに2−アミノ−3,5,6−トリシアノピラジンを加え、室温下、22時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水、1M塩酸、飽和食塩水、重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた。これを濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、目的物を淡黄色結晶として得た。
収率3%;融点:102℃(分解);APCI−MS:737(M−H),739(M+H)。
実施例2 (化合物2.の合成)
NCCH2CH2S(CH2)10CO2H 0.54gを用い、実施例1と同様に反応させ、油状の目的物を得た。
収率43%
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm)=9.25(br s,1H),2.79(t,J=7.2Hz,2H),2.70−2.55(m,6H),1.76(tt,J=7.2,7.2Hz,2H),1.60(tt,J=7.2,7.2Hz,2H),1.50−1.19(m,12H);13C NMR(67.8MHz,CDCl3)δ(ppm)=171.85,149.59,133.30,127.11,124.68,118.72,112.15,111.87,111.75,36.90,32.21,29.33,29.25,29.18,29.10,28.97,28.86,28.59,27.50,24.57,18.93
実施例3 (化合物3.の合成)
CH3OCH2S(CH2)10CO2H 0.65gを用い、実施例1と同様に反応させ、油状の目的物を得た。
収率40%
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm)=9.15(br s,1H),4.73(s,2H),3.46(s,3H),2.75(t,J=7.4Hz,2H),2.69(t,J=7.4Hz,2H),1.88(tt,J=7.2,7.2Hz,2H),1.71(tt,J=7.2,7.2Hz,2H),1.56−1.32(m,12H);13C NMR(67.8MHz,CDCl3)δ(ppm)=171.48,149.50,133.23,127.19,124.57,112.00,111.74,111.60,75.54,55.78,37.08,31.07,29.86,29.33,29.25,29.15,29.08,28.92,28.80,24.58
実施例4 (化合物6.の合成)
チオクタン酸 0.52gを用いて、実施例1と同様に反応させた。酢酸エチルに抽出後、水、1M塩酸、飽和食塩水、重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた混合液を減圧濃縮し、酢酸エチル(20mL)、活性炭(1g)を加えて室温にて1時間攪拌した。濾過後減圧濃縮することで目的化合物をワックス状固体として0.76g得た。
収率85%
1H NMR(270MHz,d6−acetone)δ(ppm)=8.19(br s,1H),3.63(dd,J=7.1Hz,7.1Hz,1H),3.27−3.05(m,2H),2.72(t,J=7.1Hz,2H),2.48(m,1H),2.01−1.46(m,7H)
実施例5 (化合物9.の合成)
2,3,5,6−テトラシアノピラジン(3.06g)、HO(CH2)11SCH2CH2CN(2.57g)のDMF(10mL)溶液を、50〜60℃にて3日間攪拌した。冷却後、水を加え、酢酸エチル(80mL)で2回抽出した。有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。これを減圧濃縮した。濾過後減圧濃縮することで目的化合物の粗精製物を得た。カラムクロマトグラフィーによって精製し、油状の化合物2.57gを得た。
収率63%
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm)=4.62(t,J=6.6,2H),2.78(t,J=6.9Hz,2H),2.64(t,J=6.8Hz,2H),2.59(t,J=7.6Hz,2H),1.88(tt,J=7.8,7.8Hz,2H),1.7−1.2(m,16H)
13C NMR(67.8MHz,CDCl3)δ(ppm)=160.69,133.08,125.01,123.59,118.45,111.90,111.78,111.23,71.90,32.25,29.39,29.32,29.09,29.03,28.68,28.05,27.59,25.70,18.92
実施例6 (化合物53.の合成)
ニンヒドリンより上記式にしたがって製造した化合物C0.3g、HO(CH2)11SCH2CH2CN 1.0g、THF 20mLの溶液に、テトライソプロポキシチタン0.03gを加え、3日間還流した。反応混合物をクロロホルムに溶解させ、希塩酸、飽和食塩水、重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。エステル基がβ位がγ位かの決定はできなかった。収率10%
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ(ppm)=8.92(s,1H),8,42(d,J=8.7Hz,1H),8.16(d,J=8.7Hz,1H),8.14(d,J=7.6Hz,1H),7.96(d,J=7.6Hz,1H),7.81(t,J=7.6Hz,1H),7.66(t,J=7.6Hz,1H),4.41(t,J=6.4Hz,2H),2.78(t,J=7.4Hz,2H),2.63(t,J=7.4Hz,2H),2.59(t,J=7.4Hz,2H),1.82(tt,J=6.9,6.9Hz,2H),1.59(tt,J=7.4,7.4Hz,2H),1.44−1.25(m,14H)
13C NMR(67.8MHz,CDCl3)δ(ppm)=189.23,165.34,157.96,150.18,145.25,141.96,141.14,137.03,133.58,133.15,132.11,131.93,129.81,124.93,122.95,118.38,65.90,32.32,29.49,29.45,29.28,29.22,29.15,28.77,28.70,27.64,26.09,18.92
実施例7 (化合物34.の合成)
チオクタン酸1.03gのDMF溶液(10mL)に、カルボニルジイミダゾール0.90gを氷冷下加え、0℃で1時間撹拌後、2−アミノ−4,5−ジシアノイミダゾール0.66gを加え、室温下、15時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水、1M塩酸、飽和食塩水、重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた。これを濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにて精製した。目的物は、完全に濃縮すると重合するため、溶液希釈状態にて保存した。
1H−NMR(270MHz、CD3OD)δ(ppm)3.44(m,1H),3.01(m,3H),2.32(t,2H),1.75(m,1H),1.4−1.7(br.m,8H)
実施例8 (化合物89.の合成)
(1)2−ブロム−1、4−ジメトキシナフタレンの合成
500mLのナスフラスコ中、1、4−ジメトキシナフタレン28.5g(0.15mol)の塩化メチレン200mL溶液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、氷冷下、臭素8.6mL(0.17mol)を滴下した。室温下12時間撹拌後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え撹拌し、有機層を抽出した。無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物32.46g(収率80%)を得た。その構造は、1H−NMR、13C−NMRにより確認した。
(2)2−メルカプト−1、4−ジメトキシナフタレンの合成
窒素雰囲気下、100mLの冷却管つきナスフラスコに、金属マグネシウム1.186g(48.8mmol)をTHF8mlと共に入れ、数滴のエチレンジブロミドで活性化した後、2−ブロム−1、4−ジメトキシナフタレン10.895g(40.7mmol)のTHF溶液60mLを滴下した。室温にて2時間撹拌後、0℃に冷却し、単体硫黄1.565g(48.8mmol)を添加し、室温にて12時間撹拌した。塩酸酸性水溶液に混合物を注ぎ、エーテルにて抽出し、乾燥濃縮残渣をTHF溶液とし、0℃にて、水素化ホウ素ナトリウム約2.5gを加え、室温にて2時間撹拌した。塩酸酸性で加水分解し、エーテル−THF混合溶媒にて抽出、有機層を1MNaOH水溶液にて抽出、水層を塩酸にて酸性化し、塩化メチレンにて抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、カラムクロマトグラフィーにて精製した。目的物6.357g(収率71%)。その構造は、1H−NMR、13C−NMR、IRにより確認した。
(3)2−(8−ブロモオクチル)メルカプト−1、4−ジメトキシナフタレン 100mLのフラスコ中、2−メルカプト−1、4−ジメトキシナフタレン1.101g(5mmol)と1,8−ジブロモオクタン9.2ml(50mmol)の塩化メチレン溶液30mL溶液に、トリエチルアミン0.7mL(5mmol)を加え、室温下、1時間撹拌後、反応液を希塩酸にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、カラムクロマトグラフィーにて精製した。目的物1.91g(収率 93%)。その構造は、1H−NMR、13C−NMR、IRにより確認した。
(4)ビス[8−(1,4−ジメトキシナフト−2−イル)チオオクチル]ジスルフィド
2−(8−ブロモオクチル)メルカプト−1、4−ジメトキシナフタレン0.823g(2mmol)のTHF20mL溶液に、チオ尿素0.761g(10mmol)の10mL水溶液を加え、2時間加熱還流した。混合物をクロロホルムと1N 塩酸水溶液に注ぎ、有機層を分液、乾燥、濃縮した粗生成物をクロロホルム50mL溶液とし、トリエチルアミン10mL、ヨウ素0.3gを順次加え、12時間撹拌した。反応液を希塩酸にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮、カラムクロマトグラフィーにて精製した。目的物0.709g(収率 89%)。その構造は、1H−NMR、13C−NMR、IRにより確認した。
(5)化合物89.の合成
ビス[8−(1,4−ジメトキシナフト−2−イル)チオオクチル]ジスルフィド0.281g(0.3mmol)のアセトニトリル−THF(2:1混合液)溶液に、室温下、セリウムアンモニウムナイトレート(CAN)2.0gの水溶液20mLを加え、そのまま12時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ過物をクロロホルムにて洗浄し、合わせたろ液を飽和食塩水にて洗浄、続いて、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製した。目的物0.121g(収率 61%)。その構造は、1H−NMR、13C−NMR、IRにより確認した。
実施例9 (化合物174.および175.の合成)
(1)N−(12−ブロモドデシル)−1,8−ナフタレイミド
1,8−ナフタレイミド0.98g(5mmol)のDMF10mL溶液に、60%油性水素化ナトリウム0.22g(5.5mmol)を加え、室温下、1時間撹拌後、1,12−ジブロモドデカン4.97g(15mmol)を一気に加えた。50℃まで加熱し、均一系にした後、室温で20時間撹拌した。混合物を水に注ぎ、沈殿物をろ過、水、メタノール、エーテルで順次洗浄し、目的物1.2gを得た。ろ液をクロロホルム抽出し、カラムクロマトグラフィーにより精製し、さらに0.3gを得た。その構造を1H−NMRにより確認した。収率68%
(2)化合物174.及び化合物175.の合成
N−(12−ブロモドデシル)−1,8−ナフタレイミド0.73g(1.6mmol)のTHF 20mL溶液に、チオ尿素0.64g(8.4mmol)の10mL水溶液を加え、8時間加熱還流した。原料の消失を確認後、2MNaOH水溶液5mLを加え、60−80℃で加熱後、混合物を塩酸酸性水溶液にあけ、クロロホルム抽出した。有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製した。トルエン流出分より、化合物175.を0.16g(収率25%)、その後、クロロホルム流出分より、化合物174.を0.30g(収率50%)で得た。各々の化合物は、その構造を1H−NMRにより確認した。
別に、化合物175.のクロロホルム溶液ををアルカリ水溶液と混合することで、化合物174.の生成が1H−NMRにより確認できたことから、化合物174.は、化合物175.を経て、形成されたことがわかった。
実施例10 (化合物176.の合成)
N−(12−ブロモドデシル)−1,8−ナフタレイミド0.75g(1.7mmol)のクロロホルム10mL溶液を、チオ酢酸カリウム塩0.39g(3.4mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.54g(1.7mmol)の水溶液5mLに加え、室温下、6時間激しく撹拌した。1M塩酸水溶液を加え、クロロホルムにて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、カラムクロマトグラフィーにより、生成し、粗生成物をえた。これをエーテルで洗浄し、目的物0.37g(収率49%)を得た。
その構造を1H−NMRにより確認した。
実施例11 (化合物12.の合成)
2,3,5,6−テトラシアノピラジン1.8(g)(10mmol)、ビス(11−ヒドロキシウンデカニル)ジスルフィド0.81(g)(2mmol)を反応容器にいれ、窒素置換した。次に乾燥DMF 4mlを加え、60〜70℃で6日間反応させた。冷却後、水100mlに注ぎ、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後、ろ液を濃縮した。残査をカラムクロマトグラフで精製した。クロロホルムで溶出したものを濃縮し、1.11(g)(収率78%)の黄色油状物の化合物12.を得た。
1H−NMR(500MHz、CDCl3)δ(ppm)=4.6(t,2H),2.7(t,2H),1.75−1.95(m,2H),1.63−1.7(m,2H),1.25−1.43(m,14H).
13C−NMR(500MHz、CDCl3)δ(ppm)=25.6−29.4,39,72,111.1(CN),111.6(CN),111.8(CN),124,125,133,161(C=O)
実施例12 (化合物208.の合成)
ニンヒドリンより上記式によって製造した化合物D0.20gと化合物Eのジスルフィド0.33gのジオキサン5mL溶液を室温にて15時間撹拌し、これを減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物208.を0.23g(収率67%)、黄色結晶として得た。
1H−NMR(270MHz、CDCl3)δ(ppm)=7.69−7.52(m,8H),4.65(d,J=14Hz,4H),4.12(t,J=7Hz,4H),3.53(t,J=12Hz,4H),2.82−2.70(m,2H),2.66(t,J=7Hz,4H),2.22−2.16(m,4H),2.04−1.92(m,4H),1.76−1.57(m,8H),1.42−1.20(m,28H)
13C−NMR(270MHz、CDCl3)δ(ppm)=25.8,28.0,28.4,28.5,29.1,29.2,29.4,39.0,40.2,47.0,64.9,111.1(CN),117.1,122.2,123.8,133.0,135.3,136.3,136.6,138.2,156.4,160.9,173.7(C=O),186.7(C=O)
実施例13 (化合物209.の合成)
上記化合物208.を0.29gとマロノニトリル0.068g、ジオキサン5mL溶液に、トリエチルアミン9.7mgを加えた。室温で22時間、還流下4時間反応させた後、反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製し、0.31g(収率91%)の化合物209.を、赤色結晶として得た。融点:136.5℃(分解)
1H−NMR(270MHz、CDCl3)δ(ppm)=8.26(d,2H),7.86(d,2H),7.66(t,2H),7.56(t,2H),4.65(d,4H),4.12(t,4H),3.59(t,4H),2.76(quint,2H),2.67(t,4H),2.19(dt,4H)1.96(dt,4H),1.6(m,8H),1.3(br.28H),.
13C−NMR(270MHz、CDCl3)δ(ppm)=22.89,28.14,28.49,28.58,29.18,29.21,29.46,39.12,40.27,47.27,65.05,75.17,110.23(CN),111.45(CN),113.23(CN),116.82,123.36,126.24,133.11,134.78,135.56,136.12,136.51,153,23,156.62,156.71,173.72(C=O)
実施例14 (化合物210.および211.の合成)
(1)化合物210.の合成
ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物5.36g、5−ヒドロキシ−1−ペンチルアミン4.54g、p−トルエンスルホン酸0.19g、トルエン100mLの混合物を、ディーンスターク管をもちいて脱水しながら、還流を8時間行った後、溶媒を留去し、水を加えて、ろ過し、ろ過物を水、メタノールで洗浄し、乾燥させ、化合物Fを7.65g(収率87%)を得た。続いて、2.02gの化合物Fと三臭化リン3.26gを触媒量のピリジン存在下、トルエン100mL中で、7時間還流させた後、混合物を濃縮し、水を加えて、ろ過し、ろ過物をクロロホルムに分散させ、セライトを用いて、ろ過し、ろ液を濃縮して、化合物Gの粗生成物2.65gを得た。得られた化合物をクロロホルム50mLに溶解させ、臭化テトラブチルアンモニウム1.66g、チオ硫酸カリウム1.30gの水溶液20mLを順次加え、室温下25時間撹拌した。反応混合物を分液し、水層をクロロホルムにて抽出し、合わせたクロロホルム層を1NHCl洗浄、水洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、得られた粗結晶をメタノールで洗浄し、化合物210.を2.06g(収率81%)得た。融点:184.5−188℃
1H−NMR(270MHz、CDCl3)δ(ppm)=8.76(s,4H),4.20(t,J=7Hz,4H),2.89(t,J=7Hz,4H;CH2S),2.13(s,3H),1.51−1.77(m,12H).
(2)化合物211.の合成
化合物210.(3.21g)のメタノール100mL懸濁液中に、濃塩酸10mLを加え、7日間加熱還流した。混合物を水にあけて、結晶をろ過した後、得られた結晶をクロロホルムに溶解させ、カラムクロマトグラフィーにより、精製し、化合物211.を、0.80g(収率29%)得た。
融点:177−178℃
1H−NMR(270MHz、CDCl3)δ(ppm)=8.77(s,4H),4.21(t,J=7Hz,4H),2.54(q,J=7Hz,4H;CH2S),1.69−1.77(m,8H),1.5(br.s,4H),1.35(t,J=7Hz,2H;SH).
実施例15 (化合物212.の合成)
12−(tert−ブチルチオ)−1−ドデシルアミン1.0gとナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物0.52gを、0.12gの酢酸亜鉛・ニ水和物と共に、酢酸20mL中で、20時間還流し、混合物を水に投下して析出した結晶をろ別し、N、N’−ビス(12−tert−ブチルチオドデシル)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドの粗生成物を得た。この1.24gを、酢酸100mL中、2−ニトロベンゼンスルフェニルクロリド0.61gと、室温下、19時間撹拌した後、混合物を濃縮し、ついで、クロロホルム100mL、メタノール50mL、水10mL、濃塩酸0.5mLを順次加えた懸濁液に、トリフェニルホスフィン0.93gを加え、室温下、20時間撹拌した。混合物を水洗、乾燥後、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより、精製し、0.18gの目的物を得た。
1H−NMR(270MHz、CDCl3)δ(ppm)=8.76(s,4H),4.19(t,4H,J=7.6Hz),2.52(q,4H,J=7.3Hz;CH2S),1.5−1.8(m,8H),1.4−1.2(br.s,34H).
実施例16 (化合物1.を用いた自己組織化単分子膜の調製)
マイカ基板上に、蒸着させた金(111)面基板(10x10mm)を、化合物1.の1mMジクロロメタン溶液に24時間浸漬させた後、基板を取りだし、ジクロロメタンで良く洗浄し、その後、アルゴン雰囲気下で、1時間乾燥させ、有機分子薄膜基板を得た。
(基板の評価)
上記のように調整した基板を、走査型トンネル顕微鏡にて、表面観察を行った。その写真を図1に示す。写真からは、配列した有機分子由来の縞状模様が観測された。
上記のようにして調整した基板を、穴開きサイクリックボルタンメトリ(CV)セルに固定し、電解質として、0.1M n−Bu4N・ClO4アセトニトリル溶液、参照電極としてAg/AgNO3電極、対極として白金電極、作用極として、固定した基板を用い、CVを測定した。結果を図2に示す。対照データとして、化合物1.を上記電解質溶液に溶解させ(10mM)、同条件と金電極を用いた溶液中の結果を、図3に示す。溶液状態で観測される−0.89Vに極めて近い還元電位−0.96Vを観測したことから、化合物1.が、基板上に、電子受容性薄膜を形成していることが判明した。
上記のようにして得た基板をX線電子分光法(XPS)の角度分解法にて解析した結果を図4に示す。深さ方向2nmレベルでは、炭素原子が金原子よりも豊富に存在することから、化合物1.による薄膜形成が成されたことを検証した。
実施例17 (化合物211.を用いた自己組織化単分子膜の調製)
化合物211.を用いた自己組織化単分子膜のサイクリックボルタンメトリ(CV)測定CV測定用金電極(1.6mmφ)を、化合物211.の0.1mMエタノール溶液に24時間浸漬し、エタノール、アセトニトリルで順次洗浄した後、電解質として、0.1Mn−Bu4N・ClO4アセトニトリル溶液、参照電極としてAg/AgNO3電極、対極として白金電極、作用極として上記浸漬電極を用いて、CVを測定した。測定結果を、図5の曲線SAMで示す。対照データとして、化合物211.の上記電解質溶液(0.6mM)を、非浸漬金電極を用いて測定した結果を図6に示す。溶液中の還元電位−1.33Vに相当する電位が、図5において、−1.31Vに観測され、この電位は、非浸漬電極を用いたブランク測定(図5のBlank)でも観測されなかったことから、金表面に、化合物211.の薄膜が形成されたことが検証された。
産業上の利用可能性:
以上、述べたように、本発明の化合物は、製造が容易な新規化合物であり、自己組織化して容易に単分子膜を形成することができる。
本発明の式(I)で表される化合物のうち芳香族炭化水素環が縮合している化合物はその平面性、固有するπ電子に基づく分子間相互作用、等により、その縮合がない化合物に比べて、自己組織化過程において、高い配向性、緻密性を発揮できる。そして、その製造においても、縮合した芳香族炭化水素環の効果として、他の場合に比して、目的物を得やすくなるといった利点がある。例えば、酸化反応によるキノン製造工程では、縮合構造がない場合、容易に二量化を起こして、目的物を得ることが困難になるのに対して、縮合構造を有している場合は、高効率で、目的のキノンを容易に得ることができる。
本発明の化合物は、自己組織化して容易に単分子膜を形成することができ、さらに、電子受容能を示すことから、新たな機能を有する分子デバイスの原料となり、産業の利用価値は高いと言える。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例16において作成した基板の走査型トンネル顕微鏡を用いた表面写真を示す。
図2は、実施例16において作成した基板のCV曲線を示す。
図3は、化合物1.の溶液状態におけるCV曲線を示す。
図4は、XPSの測定による実施例16において作成した基板の元素分布状態を表す。
図5は、実施例17において化合物211.の溶液に浸漬した電極のCV曲線を示す。
図6は、実施例17において化合物211.の電解質溶液中、非浸漬電極を用いて測定したCV曲線を示す。
Claims (7)
- 芳香族複素環基が、ピラジン、イミダゾールまたはそれらと他の芳香族炭化水素、芳香族複素環との縮合環であることを特徴とする請求の範囲1に記載の化合物。
- T1〜T4が、それぞれ独立に、シアノ基、置換基を有していてもよいC1−C6アルコキシカルボニル基、または置換基を有していてもよいC1−C6アルキルスルホニル基であることを特徴とする請求の範囲3に記載の化合物。
- Spが、置換基を有していてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子、アミド結合、エステル結合、シロキサン結合を主鎖に含んでいてもよいC6−20のアリレーン基またはC1−20アルキレン基であることを特徴とする請求の範囲1〜4のいずれかに記載の化合物。
- Xが、メルカプト基、置換基を有していてもよいC1−C6アルキルチオ基、C1−C11アシルチオ基、C1−C6アルコキシシリル基、リン酸基、または、ジスルフィド基であることを特徴とする請求の範囲1〜5のいずれかに記載の化合物。
- 表面に、請求の範囲1〜6のいずれかに記載の化合物を含有する自己組織化単分子膜が形成されていることを特徴とする基板。
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