JP5612151B2 - 芳香族化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、非特許文献1及び2には、2−ハロゲノ−1−アセチレン誘導体に、エタノール中で硫化ナトリウムを反応させることにより、ベンゾカルコゲノフェン誘導体を合成する方法が開示されている。
非特許文献3には、THF(テトラヒドロフラン)溶媒中、ビス(2−ブロモフェニル)アセチレンに、低温下で、tert−ブチルリチウムを反応させ、次いで硫黄、セレン又はテルルを加えることにより[1]ベンゾカルコゲノ[3,2−b][1]ベンゾカルコゲノフェンを合成する方法が開示されている。しかしながら、tert−ブチルリチウムは空気中の水分と反応して発火するという性質を有するため、作業上の安全性と、工業的に使用することが非常に困難であるという問題がある。
非特許文献4には、2−ブロモ−アセチレン誘導体にブチルリチウムを反応させることを特徴とするベンゾチオフェン誘導体の合成方法が開示されている。しかし、この方法においてもアルキルリチウムを使用することから、作業上の安全性と、工業的に使用することに疑問があった。従って、より安全かつ工業的に利用が可能な該化合物の製造方法の確立が要望されていた。
非特許文献5にはトリチエノベンゼン誘導体をジブロモチオフェンから3段階で製造する方法が開示されているが、原料が高価であること、更にブチルリチウムを2工程で用い、極低温で反応させることより安全かつ工業的な製造方法とは言いがたい現状があった。
すなわち本発明の構成は以下の通りである。
[1].下記式(1)で表される化合物と、硫黄、硫化水素、金属水硫化物、及び金属硫化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の硫黄化合物又はセレン化合物とを反応させることを特徴とする、下記式(2)で表される化合物の製造方法。
(式(1)中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ホルミル基、エステル基、置換又は無置換C1−C18アルキル基、置換又は無置換アリール基、置換又は無置換ヘテロアリール基、置換又は無置換C1−C18アルコキシル基、置換又は無置換アミノ基、C1−C18アルキル置換シリル基、又は、置換又は無置換C2−C19アシル基を表し、R2はハロゲン原子を表し、R3は水素原子、C≡C−R1、R1又はR2を表し、nは0〜4の整数を表し、nが2以上の場合、複数のR3は同一でも異なっていてもよい。また、nが2であり、式(1)に表されるベンゼン環を構成する隣り合う炭素原子上にR3が置換する場合、該R3同士が結合してベンゼン環を形成してもよい。)
(式(2)中、R1、R3、nは上記式(1)と同じ意味を示し、Xは硫黄原子又はセレン原子を示す。)
[2].R2で表されるハロゲン原子が、臭素原子又はヨウ素原子であることを特徴とする、上記[1]項の製造方法。
[3].硫黄化合物が、硫化ナトリウム又は水硫化ナトリウムであることを特徴とする上記[1]又は[2]項の製造方法。
[4].少なくとも一種の沸点100℃以上の溶媒を、反応混合物中に含有することを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれか一項の製造方法。
[5].沸点100℃以上の溶媒が、アミド類、グリコール類、又はスルホキシド類であることを特徴とする、上記[4]項の製造方法。
[6].アミド類がN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、及びN,N−ジメチルアセトアミドから選択される溶媒であり;グリコール類がエチレングリコール、プロピレングリコール、及びポリエチレングリコールから選択される溶媒であり;及び、スルホキシド類がジメチルスルホキシドである、上記[5]項の製造方法。
[7].銅、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)、及びヨウ化銅(II)からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属触媒の存在下で反応を行うことを特徴とする、上記[6]項の製造方法。
[8].式(1)で表される化合物が、下記式(3)、(4)又は(5)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする上記[1]〜[7]のいずれか一項の製造方法。
(式(3)中、R1、R2及びR3は式(1)におけるのと同じ意味を示す。)
(式(4)中、R1、R2及びR3は式(1)におけるのと同じ意味を示す。)
(式(5)中、R1、R2及びR3は式(1)におけるのと同じ意味を示す。)
[9].式(1)で表される化合物が、下記式(6)で表される化合物であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれか一項に記載の製造方法。
(式(6)中、R1及びR2は式(1)におけるのと同じ意味を示す。)
[10].R2で表されるハロゲン原子が、臭素原子又は塩素原子であることを特徴とする、[9]に記載の製造方法。
[11].上記[1]〜[10]のいずれか一項の製造方法により製造された、式(2)で表される化合物。
本発明は、上記式(1)で表される化合物と、硫黄、硫化水素、金属水硫化物、及び金属硫化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の硫黄化合物、又はセレン化合物とを反応させることを特徴とする、上記式(2)で表される化合物の製造方法に関する。
また一般式(6)に示されるような構造を有する場合のR2のハロゲン原子としては臭素原子または塩素原子が好ましく、特には塩素原子が好ましい。
上記R1において、エステル基とは上記置換又は無置換C1−C18アルキル基、又は、置換又は無置換アリール基を有するエステル基である。
すなわち、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル等の直鎖の飽和アルキル基;i−プロピル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル等の分岐鎖の飽和アルキル基;シクロプロピル、シクロブチル等の環状の飽和アルキル基;1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル等の不飽和アルキル基が挙げられる。上記のアルキル基のうち、好ましいものは、直鎖のC1−C18アルキル基であり、より好ましくは、直鎖のC5−C12アルキル基である。
これら無置換アリール基は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、フラン、ピロール、チオフェン、ピリジン等から選択される別の芳香環と、さらに縮環しても良い。具体例としては、カルバゾリル、キノリル、イソキノリル、インドレニル、ベンゾチエニル及びベンゾフリルのように、アリール基に5乃至6員環の複素環基が縮環したものが挙げられる。無置換アリール基として好ましい基は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、カルバゾリル及びベンゾチエニルであり、特に好ましい基はフェニルである。
好ましい具体例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、n−ウンデシルオキシ、n−ドデシルオキシ、n−トリデシルオキシ、n−テトラデシルオキシ、n−ペンタデシルオキシ、n−ヘキサデシルオキシ、n−ヘプタデシルオキシ、n−オクタデシルオキシ等の直鎖のC1−C18アルコキシル基であり、より好ましくは、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、n−ウンデシルオキシ、n−ドデシルオキシ等の直鎖のC5−C18アルコキシル基である。
置換基数としては、1より2が好ましい。置換の様式としては、上記のアルキル基とアリール基とが1つずつ置換するよりも、アルキル基又はアリール基が2つ置換する方が好ましく、ジアルキル置換アミノ基がより好ましいが、無置換アミノ基がさらに好ましい。これらの置換アミノ基における置換基、すなわち無置換C1−C18アルキル基及び無置換アリール基は、後述する置換基をさらに有してもよい。
上記の置換基のうち、好ましいものはハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、エステル基、置換又は無置換C1〜C18アルキル基、置換又は無置換アリール基、置換又は無置換C1〜C18アルコキシル基、及び置換又は無置換C2−C19アシル基である。より好ましくはハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、エステル基、無置換C1〜C18アルキル基、無置換アリール基、無置換C1〜C18アルコキシル基、及び無置換C2−C19アシル基であり、特に好ましくは無置換C1〜C18アルキル基である。
以下に、上記式(3)〜(6)で表される化合物の具体例を順次示すが、本発明はこれらに限定されない。まず上記式(3)で表される下記化合物16〜25の具体例を示す。
上記の硫黄化合物として、好ましくは硫黄、含水及び/又は無水の水硫化ナトリウム、含水及び/又は無水の硫化ナトリウム、より好ましくは含水水硫化ナトリウム、及び含水硫化ナトリウムが挙げられる。
上記の製造方法における反応温度は−50℃〜300℃で行うのがよい。この温度の範囲であれば必要に応じて反応温度を変化させてもよい。好ましくは−10℃〜250℃、より好ましくは、40℃〜200℃である。
使用する金属触媒としては、銅原子、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)、及びヨウ化銅(II)等の、金属ハロゲン化物、特に銅ハロゲン化物が好ましい。より好ましくは、銅原子、臭化銅(I)、及びヨウ化銅(I)である。
反応時間は、通常、1時間〜50時間であるが、おおむね24時間以内に終了するように反応温度、ハロゲン化剤、及び、硫黄化合物又はセレン化合物の量を適宜調整するのが好ましい。
必要に応じて公知の方法により、反応混合物から目的化合物を単離・精製してもよい。高純度の目的化合物を得るために、昇華精製、特に真空昇華精製を行うことも可能である。
上記式(2)で表される化合物の具体例として、下記化合物46〜92及び104〜107を例示するが、これらに限定されない。なお式(2)におけるXが硫黄原子であるか又はセレン原子であるかを除き、R1及びR3が同一である化合物を別途に記載するのも煩わしいため、本明細書においては便宜上、化合物46〜92はXが硫黄原子である上記式(2)で表される化合物のみを例示し、該硫黄原子はセレン原子と読替えてよいものとする。
目的化合物の構造は、必要に応じて1H NMR(1H核磁気共鳴スペクトル)、MS(質量分析スペクトル)、融点測定及び元素分析により決定した。使用した機器は以下の通りである。
1H NMR :JEOL Lambda 400 spectrometer
MS :Shimadzu QP−5050A
融点測定 :柳本微量融点測定装置 MP−S3
元素分析 :Parkin Elmer2400 CHN型元素分析計
2,6−ジフェニルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(化合物61)1,4−ジブロモ−2,5−ビスフェニルベンゼン(化合物16)(6.54g,15mmol)のNMP(N−メチル−2−ピロリドン、30ml)に70%NaSH・nH2O(3.60g,92mmol)とヨウ化銅(0.14g,0.8mmol)を加え、内温を140−150℃に3時間保った。放冷してトルエン(100ml)を加えて析出固体をろ別し、トルエン(30ml)、及びメタノール(30ml)で洗浄して乾燥した。得られた化合物を昇華精製して、化合物61(4.37g,収率85%)を得た。
MS(70eV,EI)m/z=342(M+)
2,6−ジフェニルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジセレノフェン(化合物61、S=Se)
窒素雰囲気下、セレン(98.7mg,1.25mmol)、NaBH4(47.3mg,1.25mmol)をエタノール(5ml)に溶解し、5℃に保ち、30分間攪拌した。1,4−ジブロモ−2,5−ビスフェニルベンゼン(化合物16)(216mg,0.50mmol)とNMP(12ml)を加え20時間内温190℃で加熱した。反応液を水にあけ、析出した固体をろ別し、メタノール(30ml)、アセトン(30ml)で洗浄して乾燥後、昇華精製して、黄色結晶の化合物(61、S=Se)(114mg,収率52%)を得た。
MS(70eV,EI)m/z=436(M+)
1,4−ジブロモ−2,5−ビス(オクチン−1−イル)ベンゼン(Br2C6H4(−C≡C−CH2CH2CH2CH2CH2CH3)2)
窒素雰囲気下、1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼン(3.0g,6.2mmol)をジイソプロピルアミン(45ml)と無水ベンゼン(45ml)に溶解後、30分間攪拌した。ヨウ化銅(235mg,0.12mmol)とPdCl2(PPh3)2(430mg,0.61mmol)および、1−ドデシン(1.9ml,12.9mmolを加え、14時間室温で攪拌した。反応液を水にあけ、クロロホルムで抽出し、有機層を水(200ml×3回)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン:ヘキサン=1:3)で精製し、エタノールから再結晶し、無色粉末の1,4−ジブロモ−2,5−ビス(オクチン−1−イル)ベンゼンを得た(1.56g,収率56%)。
1H−NMR(400MHz,CDCL3)δ7.59(s,2H)2.45(t,J=7.2Hz,4H)1.65−1.23(m,32H)0.88(t,J=6.4Hz,6H)
2,6−ジデシルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(化合物91)窒素雰囲気下、1,4−ジブロモ−2,5−ビス(オクチン−1−イル)ベンゼン(216mg,0.5mmol)、70%NaSH・nH2O(96mg)をNMP(12ml)に溶解後、内温160−170℃で20時間加熱した。反応終了後、溶液を水に注ぎ、1時間攪拌した。ヘキサン(15ml×3回)で抽出し、有機層を飽和食塩水(100ml×3回)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮して、2,6−ジデシルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(化合物91)(77.1mg,収率43%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCL3)δ8.01(s,2H)6.98(s,2H)2.89(t,J=7.2Hz,4H)1.75−1.26(m,32H)0.88(t,J=6.4Hz,6H)
MS(70eV,EI)m/z=470(M+)
m.p.144.5−145.5℃
硫黄化合物、硫黄化合物の使用量、反応温度、反応時間及び触媒を、それぞれ下記表2に記載したものに代える以外は実施例1と同様にして、上記化合物16から化合物61を合成した。
硫黄化合物、硫黄化合物の使用量、反応温度、反応時間及び触媒を、それぞれ下記表2に記載したものに代える以外は非特許文献1の実施例2a−f、4a−c及びgの“General Procedure”に記載の方法と同様にして、比較用に上記化合物16から化合物61の合成を行った。
さらに、NMPを溶媒とし、触媒にヨウ化銅を加えた系で、実施例5〜8の実験を行ったところ、収率80%程度と非常に高収率で目的物61が得られた。このように、従来法では合成できなかったものが容易に生産できるなど、本方法が非常に優れていることがわかった。
1,4−ジブロモ−2,5−ビス(ドデシン−1−イル)ベンゼン(Br2C6H4(−C≡C−n−C10H21)2)
1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼン(5.0g,10.3mmol)から、合成例1の方法に従って対応するアセチレンを用い、無色粉末の1,4−ジブロモ−2,5−ビス(ドデシン−1−イル)ベンゼンを得た(4.30g,収率75%)。
MS(70eV,EI)m/z=564(M+)
2,6−ジドデシルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(化合物92)窒素雰囲気下、1,4−ジブロモ−2,5−ビス(ドデシン−1−イル)ベンゼン(1.0g,1.77mmol)を無水エーテル(20ml)に溶解後−78℃まで冷却し、1.59Mt−ブチルリチウム・ペンタン溶液(4.46ml,3.9mmol)を加えた。その温度で30分間攪拌し、−30℃まで昇温して、硫黄粉末(133mg,4.25mmol)を加え、室温まで昇温した。無水エタノール(10ml)を加え、3時間攪拌した後、クロロホルム(15ml×3回)で抽出し、水(100ml×3回)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、エバポレーターで濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン:ヘキサン=1:3)により精製し、ヘキサンで再結晶して化合物92(102mg、11%)を得た。
2,6−ジドデシルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(化合物92)1,4−ジブロモ−2,5−ビス(ドデシン−1−イル)ベンゼン(1.0g,1.77mmol)を用い、実施例3の方法に準じて反応を行い、比較例4の方法で精製し、化合物92(398mg、43%)を得た。
比較例4及び実施例9の結果を以下の表3にまとめた。
ベンゾ[1,2−b:3,4−b’:5,6−b”]トリチオフェン(化合物104)窒素雰囲気下、硫化ナトリム九水和物(1.54g,6.42mmol)、無水NMP(40ml)を加え、10分間攪拌した後、1,3,5−トリクロロ−2,4,6−トリス[(トリメチルシリル)エチニル]ベンゼン(化合物100)(500mg,1.07mmol)を加え、185−195℃で12時間加熱した。反応終了後、水(400ml)に注ぎ、析出した固体を濾取し、クロロホルム(200ml)に溶解させた。得られた溶液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。得られた固体をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,ヘキサン)で精製し、白色結晶の化合物104(156mg,収率60%)を得た。
1H−NMR(270MHz,CDCl3)δ7.64(d,J=5.4Hz,3H)7.54(d,J=5.4Hz,3H),M.S.(70eV,EI)m/z=246(M+)
Claims (6)
- 下記式(6)で表される化合物と、硫黄、硫化水素、金属水硫化物、及び金属硫化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の硫黄化合物又はセレン化合物と、少なくとも1種の沸点100℃以上の溶媒とを含有する反応混合物を40〜200℃で反応させることを特徴とする、下記式(6’)で表される化合物の製造方法。
(式(6)中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ホルミル基、エステル基、置換又は無置換C1−C18アルキル基、置換又は無置換アリール基、置換又は無置換ヘテロアリール基、置換又は無置換C1−C18アルコキシル基、置換又は無置換アミノ基、C1−C18アルキル置換シリル基、又は、置換又は無置換C2−C19アシル基を表し、R2はハロゲン原子を表す。)
(式(6’)中、Xは硫黄原子またはセレン原子を表し、R1は式(6)における場合と同じ意味を示す。) - R2で表されるハロゲン原子が、臭素原子又はヨウ素原子であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- 硫黄化合物が、硫化ナトリウム又は水硫化ナトリウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
- 沸点100℃以上の溶媒が、アミド類、グリコール類、又はスルホキシド類であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- アミド類がN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、及びN,N−ジメチルアセトアミドから選択される溶媒であり;グリコール類がエチレングリコール、プロピレングリコール、及びポリエチレングリコールから選択される溶媒であり;及び、スルホキシド類がジメチルスルホキシドである、請求項4に記載の製造方法。
- 銅、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)、及びヨウ化銅(II)からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属触媒の存在下で反応を行うことを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
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