JPWO2003042563A1 - 密封形転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、高いシール密封性を確保しつつ軸受内部圧力を外部圧力と同じとすることを可能とした密封形転がり軸受を提供することである。本発明において、密封形転がり軸受(1)における被水側の接触シール(8a)には、リップ(10)に空気孔を設けず、反被水側の接触シール(8b)にはリップ(10)の先端(11)に空気孔(12)を設けて構成する。
Description
技術分野
本発明は、内輪と外輪との間に接触形の密封板を左右両側に備えてなる密封形転がり軸受に関する。
背景技術
従来、自動車などの車輌において、冷凍サイクルのコンプレッサへの動力伝達を行なうための動力伝達プーリや電磁クラッチ等に使用される密封形転がり軸受には、何れも片側に一枚ずつ計二枚の接触シール(密封板)を配設して密封を図っている。
これらの両側密封板のシールリップには、夫々円周方向の少なくとも一ヶ所に空気孔(又はスリット)を付けている。
これは、空気孔を持たない接触シール軸受を組み込んだ場合、軸受の使用環境により軸受内部の圧力が上昇したり下がったりした時に、軸受内外の圧力を均等にすることができず、シール外れやシールリップの吸着現象等を招く虞が有ったことから、この空気孔から空気を逃がし軸受内部の圧力を外部の圧力と同じにする事で、上述のシール外れやシールリップの吸着現象等を防いでいるものである(例えば、実公平6−50655号・実開平6−73454号等)。
しかしながら、従来の空気孔を持った接触シール(密封板)軸受は、高温状態で外部から被水され軸受が急冷される時(車両走行中に水たまりを通過した時など)、軸受内部の圧力が急に下がり、この空気孔から空気を引き込むと同時に外部の水も一緒に引き込んでしまい、軸受の寿命が著しく低下する。
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、高いシール密封性を確保しつつ軸受内部圧力を外部圧力と同じとすることを可能とした密封形転がり軸受を提供することである。
発明の開示
上記課題を達成するために本発明がなした技術的手段は、動力伝達プーリ又は電磁クラッチに組み込まれる軸受であって、内輪と外輪との間で、反被水側と被水側に夫々接触形の密封板を備え、反被水側には軸受内部と外部の圧力調整を行なうための空気孔をリップ先端に設けた密封板を備え、被水側には空気孔を設けない密封板を備えたことである。
また、内輪と外輪との間に接触形の密封板を左右両側に備えてなる転がり軸受において、片側の接触形の密封板のみリップ先端に軸受内部と外部の圧力調整を行なうための空気孔を持ち、使用条件によって空気孔を持つ接触シールと反対側のシールの配設向きを最適にすることである。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の一実施形態を説明する。
本実施形態は、本発明密封形転がり軸受の一実施形態を説明するにあたって複列アンギュラ玉軸受を代表的に開示したものにすぎず、何等これに限定されるものではなく、組合せアンギュラ玉軸受等本発明の範囲内において適宜変更可能である。
第1図は本実施形態の密封形転がり軸受1を部分的に示す縦断面図で、該軸受1は、内輪2、外輪4、転動体6、保持器7、密封板8を夫々示す。
なお、内輪2、外輪4、転動体6、保持器7にあっては特に本実施形態に示す構造に限定されるものではなく、本発明の範囲内において周知構造が適用可能であるため、その詳細は省略する。
密封板8は、外径9側を外輪内径面に設けた周溝5にかしめ等により固定し、内径側のリップ10を内輪外径面に設けた周溝3に接触させて配設されるゴム・合成樹脂などの弾性体からなる全体円盤状に構成されており、内外輪2,4間の左右両側に備えられている。そして、反被水側の密封板(接触シール)8bにおけるリップ10の先端(端面)11側にだけ空気孔12を設け、被水側の密封板(接触シール)8aにおけるリップ10には空気孔を設けない構成とする。
空気孔12は、内輪外径面の周溝壁面3aと接するリップ10の先端(端面)11側にて径方向に貫通状に設けられている。
空気孔12は、周方向に一個または間隔をあけて複数個設ける。複数個設ける場合、その各空気孔12…の位置は周方向に同一であっても、ずれているものであってもよく、また各空気孔12…の間隔は同一であっても異なっているものであってもよく本発明の範囲内において夫々任意である。
また、空気孔12は、上記壁面3aと接するリップ10の端面11に、該端面11の径方向にわたり連通するよう形成される連続溝であっても同様の作用効果が得られる(図示省略)。
これらの場合における溝の径や数量は任意で、また溝の形状もストレートに限らず任意の形状が選択できる。
本実施形態の接触シール8は芯金13を有するものとしたが、芯金13の形状は特に限定されるものではなく、また芯金を有しない接触シールであっても構わない。
さらに、リップ10も図示形状に何等限定されるものでなく、周溝3に接触する端面11を有する周知構造であれば全て本発明の範囲内で任意に適用可能である。すなわち、リップ10に空気孔12を設けた構造を除き、密封板8の全体構造は周知の構造が適用可能である。
従って、反被水側の接触シール8bには、リップ10の先端(端面)11側に空気孔12があり、軸受の急冷による内部圧力の低下が生じても、この空気孔12により外部圧力と内部圧力とを均一に保つことが出来るため、シールリップ10の吸着を発生することはない。一方、被水側の接触シール8aには、リップ10に空気孔12を持たないため、被水により軸受が急冷されても外部の水を引き込む事はない。
第6図に軸受注水試験結果を示す。
[試験条件]
軸受温度:120℃×1h後注水
回転数:1600rpm
注水量:540cc/min
時間:10min
これにより、注水側(被水側)の接触シール8aには空気孔が無く、反注水側(反被水側)の接触シール8bには空気孔12を設けた本実施形態軸受1の方が、両側の接触シールに空気孔を設けた比較例軸受よりも密封性が優れている事がわかる。
また、第7図にシールリップの吸着試験結果を示す。
本試験では、120℃×1h後に、所望温度で放置後測定した。
これにより、両側の接触シールに空気孔を設けない比較例軸受は、−30〜80℃の何れの温度においてもリップの吸着による起動トルクの上昇が見られるが、注水側(被水側)の接触シール8aには空気孔が無く、反注水側(反被水側)の接触シール8bには空気孔12を設けた本実施形態軸受1では吸着が見られず、軸受内部と外部の圧力を均一に保っている事が分かる。
実施例
「第一実施例」
本発明密封形転がり軸受1を、動力伝達プーリ14に組み込んだ具体的実施の一例を、第4図に基いて説明する。なお、図面は本発明密封形転がり軸受を組み込む動力伝達プーリの一例にすぎず、何等限定はされない。なお、本実施例では複列アンギュラ玉軸受を組み込んだ実施例を示すが、動力伝達プーリに組み込まれる密封形転がり軸受はこれに何等限定はされない。
図中、1は本実施形態に示す密封形転がり軸受、15はプーリ、16はコンプレッサハウジングを示す。
自動車などの車輌用冷凍サイクルのコンプレッサへの動力伝達を行なうための動力伝達プーリ14は、その構造上、コンプレッサ側と反コンプレッサ側とでは被水のしやすさが大きく異なる。
すなわち、コンプレッサ側(被水側)は外部からの水の浸入により被水され易いため、リップ10に空気孔を設けない接触シール8aを備え、これに対し反コンプレッサ側(反被水側)は被水され難いためリップ10に空気孔を設けている接触シール8bを備えることとした。
従って、車両走行中に水たまりを通過した時など、高温状態の軸受が外部からの被水により急冷される時、軸受内部の圧力が急に下がるが、本実施例のように本発明密封形転がり軸受1を組み込むことにより、反被水側の接触シール8bのリップ10には空気孔12があるため、外部の空気を引き込み軸受内部と外部の圧力を同じに保つ事が出来る。また、被水側の接触シール8aのリップ10には空気孔がないことから、外部の水を引き込む事が無い。
「第二実施例」
本発明密封形転がり軸受1を、電磁クラッチ17に組み込んだ具体的実施の一例を、第5図に基いて説明する。なお、本実施例では複列アンギュラ玉軸受を組み込んだ実施例を示すが、電磁クラッチに組み込まれる密封形転がり軸受はこれに何等限定はされない。
図中、1は本実施形態に示す密封形転がり軸受、18は電磁コイル、19はコンプレッサハウジング、20は長いラビリンスを示す。
自動車などの車輌走行用エンジンの回転動力を断続して車輌用冷凍サイクルのコンプレッサに伝える電磁クラッチ17は、その構造上、コンプレッサ側が被水され難いため、リップ10に空気孔12を設けている接触シール8bを備え、これに対し反コンプレッサ側は外部からの水の浸入により被水され易いため、リップ10に空気孔を設けない接触シール8aを備えることとした。
従って、車輌走行中に水たまりを通過した時など、高温状態の軸受が外部からの被水により急冷される時、軸受内部の圧力が急に下がるが、本実施例のように本発明密封形転がり軸受1を組み込むことにより、反被水側の接触シール8bのリップ10には空気孔12があるため、外部の空気を引き込み軸受内部と外部の圧力を同じに保つ事が出来る。また、被水側の接触シール8aのリップ10には空気孔がないことから、外部の水を引き込む事が無い。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2001年11月13日出願の日本特許出願(特願2001−348043)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
産業上の利用可能性
発明は、上述の通りの構成としたため、高いシール密封性を確保しつつ軸受内部圧力を外部圧力と同じとすることを可能とした密封形転がり軸受を提供し得た。すなわち、被水し難い側に空気孔を持った接触シールを、その反対の被水しやすい側の接触シールには空気孔を持たない完全密封シールを配設することで、高温状態で外部から被水され軸受が急冷される時の空気孔による水の吸い込みを防ぎ且つ反対側シールリップにある空気孔で、軸受内の圧力の低下や上昇に伴うシールリップ吸着やシール外れ等の問題を防ぐ事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明密封形転がり軸受の一実施形態を部分的に示す縦断面図である。
第2図は、第1図に示す実施形態における反被水側の密封板部位を拡大して示す縦断面図である。
第3図は、第1図に示す実施形態における被水側の密封板部位を拡大して示す縦断面図である。
第4図は、具体的実施の一例を示す図で、動力伝達プーリに本発明密封形転がり軸受を組み込んだ状態を示す一部縦断面図である。
第5図は、具体的実施の他の例を示す図で、電磁クラッチに本発明密封形転がり軸受を組み込んだ状態を示す一部縦断面図である。
第6図は、軸受注水試験結果を示す図である。
第7図は、シールリップ吸着試験結果(軸受起動トルク)を示す図である。
なお、図中の符号、1は密封形転がり軸受、2は内輪、4は外輪、8aは被水側密封板、8bは反被水側密封板、10はリップ、12は空気孔、14は動力伝達プーリ、17は電磁クラッチである。
本発明は、内輪と外輪との間に接触形の密封板を左右両側に備えてなる密封形転がり軸受に関する。
背景技術
従来、自動車などの車輌において、冷凍サイクルのコンプレッサへの動力伝達を行なうための動力伝達プーリや電磁クラッチ等に使用される密封形転がり軸受には、何れも片側に一枚ずつ計二枚の接触シール(密封板)を配設して密封を図っている。
これらの両側密封板のシールリップには、夫々円周方向の少なくとも一ヶ所に空気孔(又はスリット)を付けている。
これは、空気孔を持たない接触シール軸受を組み込んだ場合、軸受の使用環境により軸受内部の圧力が上昇したり下がったりした時に、軸受内外の圧力を均等にすることができず、シール外れやシールリップの吸着現象等を招く虞が有ったことから、この空気孔から空気を逃がし軸受内部の圧力を外部の圧力と同じにする事で、上述のシール外れやシールリップの吸着現象等を防いでいるものである(例えば、実公平6−50655号・実開平6−73454号等)。
しかしながら、従来の空気孔を持った接触シール(密封板)軸受は、高温状態で外部から被水され軸受が急冷される時(車両走行中に水たまりを通過した時など)、軸受内部の圧力が急に下がり、この空気孔から空気を引き込むと同時に外部の水も一緒に引き込んでしまい、軸受の寿命が著しく低下する。
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、高いシール密封性を確保しつつ軸受内部圧力を外部圧力と同じとすることを可能とした密封形転がり軸受を提供することである。
発明の開示
上記課題を達成するために本発明がなした技術的手段は、動力伝達プーリ又は電磁クラッチに組み込まれる軸受であって、内輪と外輪との間で、反被水側と被水側に夫々接触形の密封板を備え、反被水側には軸受内部と外部の圧力調整を行なうための空気孔をリップ先端に設けた密封板を備え、被水側には空気孔を設けない密封板を備えたことである。
また、内輪と外輪との間に接触形の密封板を左右両側に備えてなる転がり軸受において、片側の接触形の密封板のみリップ先端に軸受内部と外部の圧力調整を行なうための空気孔を持ち、使用条件によって空気孔を持つ接触シールと反対側のシールの配設向きを最適にすることである。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の一実施形態を説明する。
本実施形態は、本発明密封形転がり軸受の一実施形態を説明するにあたって複列アンギュラ玉軸受を代表的に開示したものにすぎず、何等これに限定されるものではなく、組合せアンギュラ玉軸受等本発明の範囲内において適宜変更可能である。
第1図は本実施形態の密封形転がり軸受1を部分的に示す縦断面図で、該軸受1は、内輪2、外輪4、転動体6、保持器7、密封板8を夫々示す。
なお、内輪2、外輪4、転動体6、保持器7にあっては特に本実施形態に示す構造に限定されるものではなく、本発明の範囲内において周知構造が適用可能であるため、その詳細は省略する。
密封板8は、外径9側を外輪内径面に設けた周溝5にかしめ等により固定し、内径側のリップ10を内輪外径面に設けた周溝3に接触させて配設されるゴム・合成樹脂などの弾性体からなる全体円盤状に構成されており、内外輪2,4間の左右両側に備えられている。そして、反被水側の密封板(接触シール)8bにおけるリップ10の先端(端面)11側にだけ空気孔12を設け、被水側の密封板(接触シール)8aにおけるリップ10には空気孔を設けない構成とする。
空気孔12は、内輪外径面の周溝壁面3aと接するリップ10の先端(端面)11側にて径方向に貫通状に設けられている。
空気孔12は、周方向に一個または間隔をあけて複数個設ける。複数個設ける場合、その各空気孔12…の位置は周方向に同一であっても、ずれているものであってもよく、また各空気孔12…の間隔は同一であっても異なっているものであってもよく本発明の範囲内において夫々任意である。
また、空気孔12は、上記壁面3aと接するリップ10の端面11に、該端面11の径方向にわたり連通するよう形成される連続溝であっても同様の作用効果が得られる(図示省略)。
これらの場合における溝の径や数量は任意で、また溝の形状もストレートに限らず任意の形状が選択できる。
本実施形態の接触シール8は芯金13を有するものとしたが、芯金13の形状は特に限定されるものではなく、また芯金を有しない接触シールであっても構わない。
さらに、リップ10も図示形状に何等限定されるものでなく、周溝3に接触する端面11を有する周知構造であれば全て本発明の範囲内で任意に適用可能である。すなわち、リップ10に空気孔12を設けた構造を除き、密封板8の全体構造は周知の構造が適用可能である。
従って、反被水側の接触シール8bには、リップ10の先端(端面)11側に空気孔12があり、軸受の急冷による内部圧力の低下が生じても、この空気孔12により外部圧力と内部圧力とを均一に保つことが出来るため、シールリップ10の吸着を発生することはない。一方、被水側の接触シール8aには、リップ10に空気孔12を持たないため、被水により軸受が急冷されても外部の水を引き込む事はない。
第6図に軸受注水試験結果を示す。
[試験条件]
軸受温度:120℃×1h後注水
回転数:1600rpm
注水量:540cc/min
時間:10min
これにより、注水側(被水側)の接触シール8aには空気孔が無く、反注水側(反被水側)の接触シール8bには空気孔12を設けた本実施形態軸受1の方が、両側の接触シールに空気孔を設けた比較例軸受よりも密封性が優れている事がわかる。
また、第7図にシールリップの吸着試験結果を示す。
本試験では、120℃×1h後に、所望温度で放置後測定した。
これにより、両側の接触シールに空気孔を設けない比較例軸受は、−30〜80℃の何れの温度においてもリップの吸着による起動トルクの上昇が見られるが、注水側(被水側)の接触シール8aには空気孔が無く、反注水側(反被水側)の接触シール8bには空気孔12を設けた本実施形態軸受1では吸着が見られず、軸受内部と外部の圧力を均一に保っている事が分かる。
実施例
「第一実施例」
本発明密封形転がり軸受1を、動力伝達プーリ14に組み込んだ具体的実施の一例を、第4図に基いて説明する。なお、図面は本発明密封形転がり軸受を組み込む動力伝達プーリの一例にすぎず、何等限定はされない。なお、本実施例では複列アンギュラ玉軸受を組み込んだ実施例を示すが、動力伝達プーリに組み込まれる密封形転がり軸受はこれに何等限定はされない。
図中、1は本実施形態に示す密封形転がり軸受、15はプーリ、16はコンプレッサハウジングを示す。
自動車などの車輌用冷凍サイクルのコンプレッサへの動力伝達を行なうための動力伝達プーリ14は、その構造上、コンプレッサ側と反コンプレッサ側とでは被水のしやすさが大きく異なる。
すなわち、コンプレッサ側(被水側)は外部からの水の浸入により被水され易いため、リップ10に空気孔を設けない接触シール8aを備え、これに対し反コンプレッサ側(反被水側)は被水され難いためリップ10に空気孔を設けている接触シール8bを備えることとした。
従って、車両走行中に水たまりを通過した時など、高温状態の軸受が外部からの被水により急冷される時、軸受内部の圧力が急に下がるが、本実施例のように本発明密封形転がり軸受1を組み込むことにより、反被水側の接触シール8bのリップ10には空気孔12があるため、外部の空気を引き込み軸受内部と外部の圧力を同じに保つ事が出来る。また、被水側の接触シール8aのリップ10には空気孔がないことから、外部の水を引き込む事が無い。
「第二実施例」
本発明密封形転がり軸受1を、電磁クラッチ17に組み込んだ具体的実施の一例を、第5図に基いて説明する。なお、本実施例では複列アンギュラ玉軸受を組み込んだ実施例を示すが、電磁クラッチに組み込まれる密封形転がり軸受はこれに何等限定はされない。
図中、1は本実施形態に示す密封形転がり軸受、18は電磁コイル、19はコンプレッサハウジング、20は長いラビリンスを示す。
自動車などの車輌走行用エンジンの回転動力を断続して車輌用冷凍サイクルのコンプレッサに伝える電磁クラッチ17は、その構造上、コンプレッサ側が被水され難いため、リップ10に空気孔12を設けている接触シール8bを備え、これに対し反コンプレッサ側は外部からの水の浸入により被水され易いため、リップ10に空気孔を設けない接触シール8aを備えることとした。
従って、車輌走行中に水たまりを通過した時など、高温状態の軸受が外部からの被水により急冷される時、軸受内部の圧力が急に下がるが、本実施例のように本発明密封形転がり軸受1を組み込むことにより、反被水側の接触シール8bのリップ10には空気孔12があるため、外部の空気を引き込み軸受内部と外部の圧力を同じに保つ事が出来る。また、被水側の接触シール8aのリップ10には空気孔がないことから、外部の水を引き込む事が無い。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2001年11月13日出願の日本特許出願(特願2001−348043)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
産業上の利用可能性
発明は、上述の通りの構成としたため、高いシール密封性を確保しつつ軸受内部圧力を外部圧力と同じとすることを可能とした密封形転がり軸受を提供し得た。すなわち、被水し難い側に空気孔を持った接触シールを、その反対の被水しやすい側の接触シールには空気孔を持たない完全密封シールを配設することで、高温状態で外部から被水され軸受が急冷される時の空気孔による水の吸い込みを防ぎ且つ反対側シールリップにある空気孔で、軸受内の圧力の低下や上昇に伴うシールリップ吸着やシール外れ等の問題を防ぐ事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明密封形転がり軸受の一実施形態を部分的に示す縦断面図である。
第2図は、第1図に示す実施形態における反被水側の密封板部位を拡大して示す縦断面図である。
第3図は、第1図に示す実施形態における被水側の密封板部位を拡大して示す縦断面図である。
第4図は、具体的実施の一例を示す図で、動力伝達プーリに本発明密封形転がり軸受を組み込んだ状態を示す一部縦断面図である。
第5図は、具体的実施の他の例を示す図で、電磁クラッチに本発明密封形転がり軸受を組み込んだ状態を示す一部縦断面図である。
第6図は、軸受注水試験結果を示す図である。
第7図は、シールリップ吸着試験結果(軸受起動トルク)を示す図である。
なお、図中の符号、1は密封形転がり軸受、2は内輪、4は外輪、8aは被水側密封板、8bは反被水側密封板、10はリップ、12は空気孔、14は動力伝達プーリ、17は電磁クラッチである。
Claims (1)
- 動力伝達プーリ又は電磁クラッチに組み込まれる軸受であって、内輪と外輪との間で、反被水側と被水側に夫々接触形の密封板を備え、反被水側には軸受内部と外部の圧力調整を行なうための空気孔をリップ先端に設けた密封板を備え、被水側には空気孔を設けない密封板を備えた密封形転がり軸受。
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