JPWO2003040013A1 - 巻上機及びエレベータ装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、巻上機において、外部から綱車(6)の回動に係わる軸受(5)に向けてグリースを給脂するための給脂路(2)を、巻上機に固設された支軸(1)の内部に設けたものである。これによって、回動しない不動の給脂路(1)に向けて、グリースを供給できるために、軸受(5)へのグリース給脂作業を容易かつ確実に行うことができる。
Description
技術分野
本発明は、巻上機及びエレベータ装置に関し、特に、軸受を介して支軸に支持された綱車を備えて、綱車に巻き掛けられた牽引ロープを駆動して乗りかごとカウンタウェイトとの昇降を行う巻上機及びエレベータ装置に関するものである。
背景技術
従来から、軸受を介して支軸に支持された綱車を備えたエレベータ装置用の巻上機において、軸受の高寿命化を目的として、巻上機を分解せずに軸受にグリースを給脂する技術が知られている。
以下、図4を用いて、既知の巻上機について説明する。図4は、既知の巻上機を示す概略断面図である。
同図において、1は支軸、1A〜1Eは支軸1の一部をなす径の異なる段部、4は給脂路の入口に設置されたニップル、5は支軸1に係合する軸受、5aはころ、ボール等からなる軸受5の転動部、5bは軸受5の内輪、5cは軸受5の外輪、6は軸受5を介して支軸1に支持されて支軸1を中心として回動する綱車6、6aは牽引ロープが巻き掛けられた綱車6の本体部、6bは綱車6の外周に設置されたマグネット、8は本体部6aにほぼ半周巻き掛けられた牽引ロープ、9は支持軸1の一部、軸受5、綱車6等を内部に収納するハウジング、9aはハウジング9の表面、9a1はハウジング9外部からニップル4へのグリースの給脂を可能とする表面9aに形成された穴、9bはハウジング9の裏面、10はマグネット6bとともに回転電動機を構成するためにハウジング9の内壁部に設けられたステータ、13は軸受5の周辺部に設けられたオイルシール等のシール、15は支軸1をハウジング9に締結するためのボルト、17は支軸1の外周部に係合してシール13のリップ部が当接するカラー、18は支軸1に形成されたおねじ部と螺合して軸受5及びカラー17のスラスト方向の位置決めをするナット、22は綱車6の内部に設けられた給脂路、22aは給脂路22の入口、22bは給脂路22の出口、23は綱車6の内部に設けられた排脂路、23aは排脂路23の入口、23bは排脂路23の出口を示す。
ここで、支軸1は、その両端をハウジング9に支持されている。詳しくは、複数の段部1A〜1Eを有する支軸1は、ハウジング9の裏面9b側から挿入されたものである。そして、最も大きな径にて形成された支軸1の段部1Eは、ハウジング9の裏面9bに形成された段形状の穴部に嵌合される。他方、最も小さな径にて形成された支軸1の段部1Aは、ハウジング9の表面9aに形成された穴部に嵌合される。
また、軸受5は、2つのころがり軸受であって、支軸1の本体部に相当する段部1Bにおいて支軸1の軸方向に間隙Sを設けて配置されている。そして、グリースを給脂するために綱車6に設けられた給脂路22における出口22bは、間隙Sに向けて開口している。他方、グリースを排脂するために綱車6に設けられた排脂路23における入口23aは、軸受5とシール13との間隙に向けて開口している。さらに、排脂路23の出口23bは、ハウジング9の内部であって綱車6の外部に向けて開口している。
また、給脂路22の入口22aに設置されたニップル4は、グリースの供給装置としてのグリースガン(不図示である。)と嵌合可能に形成されており、このニップル4を介して外部から給脂路22へのグリース供給が可能となる。
なお、図示は省略するが、以上のように構成された巻上機は、エレベータ装置における、機械室や昇降路内等に設置される。そして、巻上機の綱車6に巻き掛けられた牽引ロープ8は、一端側に乗りかごを懸架し、他端側にカウンタウェイトを懸架する。そして、マグネット6bとステータ10とからなる回転電動機により、綱車6が支軸1を中心として正逆両方向に回動する。これにより、牽引ロープ8を駆動して、牽引ロープ8に懸架された乗りかごとカウンタウェイトとを昇降させることになる。
このように構成されたエレベータ装置における巻上機においては、軸受5の高寿命化を目的として、グリースが給脂路22を介して軸受5に適宜給脂される。以下、巻上機へのグリースの給脂方法について説明する。
まず、巻上機を停止させる。そして、綱車6に設けられたニップル4が、ハウジング9の穴9a1に近づくように、綱車6を回転させる。その後、ハウジング9の穴9a1からグリースガンを挿入して、グリースガンをニップル4に嵌合させて、軸受5へのグリースの供給を行う。詳しくは、グリースガンからは連続的にグリースが給脂されて、後方のグリースに押し出されるように先方のグリースは、ニップル4、給脂路22を順次経由して、軸受5の間隙Sに至る。さらに、間隙Sに到達したグリースは、軸受5における内輪5bと外輪5cと複数の転動体5aとの間隙に入り込み、その後、軸受5の外部(軸受5とシール13との間隙である。)に至る。そして、軸受5の外部に至ったグリースは、排脂路23を介して出口23bから、綱車6の外部に排出される。
以上のように、グリースの流路において、先方のグリースは、後方のグリースに押し出されるようにして、図中の矢印方向に流動する。これにより、既に所定時間使用されて劣化したグリースを、新しいグリースに入れ替えることができる。
そして、以上述べたグリースの給脂作業が完了した後に、軸受5における内輪5bと外輪5cと複数の転動体5aとの間隙に入り込んだグリースは、綱車6の回動により、転動体5aと内輪5bとの僅かな間隙と、転動体5aと外輪5cとの僅かな間隙とに充填され、転動体5a、内輪5b、外輪5cの摩擦による磨耗を軽減することになる。
ところが、上述した既知の巻上機においては、軸受へのグリースの給脂作業の作業性が悪いという問題があった。具体的には、第1に、グリースを給脂するためには、綱車6を回転させて、綱車6に設置されたニップル4を所定位置に移動させる必要があり、これが作業性を悪化させる原因となっていた。第2に、グリースを給脂するためには、グリースガンを巻上機の内部に挿入させる必要があり、これが作業性を悪化させる原因となっていた。第3に、グリースの給脂作業中に、綱車6が回動しないように、細心の注意を払う必要があった。第4に、グリースは、排脂路23の出口23bから巻上機の内部に排出されるために、それによる不具合の防止を目的としたグリースの清掃作業を、例えば、ハウジングを分解して適宜行う必要があった。
この発明は上記問題点を解消するためになされたもので、巻上機内部の軸受へのグリースの給脂が容易かつ確実にできる、作業性が高く、信頼性の高い巻上機及びエレベータ装置を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明は、巻上機において、外部から綱車の回動に係わる軸受に向けてグリースを給脂するための給脂路を、巻上機に固設された支軸の内部に設けたものである。これによって、回動しない不動の給脂路に向けて、グリースを供給できるために、軸受へのグリース給脂作業を容易かつ確実に行うことができる。
また、本発明は、上述の改良された巻上機において、巻上機のハウジングの外部に向けて、支軸内の給脂路における入口を開口したものである。これによって、巻上機の内部にグリースガンを挿入させる必要がなく、直接外部からグリースを供給できるために、軸受へのグリース給脂作業を容易かつ確実に行うことができる。
また、本発明は、上述の改良された巻上機において、支軸内の給脂路における出口を、2つの軸受の間隙に向けて開口したものである。これによって、2つの軸受に向けて外部から新しいグリースを供給できるために、軸受内の磨耗を軽減して、軸受の高寿命化を達成することができる。
また、本発明は、上述の改良された巻上機において、軸受に向けて給脂したグリースを外部に排脂するための排脂路を、巻上機に固設された支軸の内部に設けたものである。これによって、グリースは、排脂路から巻上機の外部に排出されるので、ハウジング内部の面倒なグリースの清掃作業が不要となり、軸受へのグリース給脂作業が効率化される。
また、本発明は、上述の改良された巻上機において、巻上機のハウジングの外部に向けて、支軸内の排脂路における出口を開口するとともに、軸受の周辺部にシールを設けたものである。これによって、グリースは、ハウジング内部に飛散することなく排脂路から巻上機の外部に排出されるので、ハウジング内部の面倒なグリースの清掃作業が不要となり、軸受へのグリース給脂作業が効率化される。
また、本発明は、上述の改良された巻上機において、ころがり軸受の転動体に向けて、支軸内の排脂路における入口を開口したものである。これによって、軸受内を循環した劣化したグリースを排脂路に導いて、巻上機の外部に排出できるので、ハウジング内部の面倒なグリースの清掃作業が不要となり、軸受へのグリース給脂作業が効率化される。
また、本発明は、エレベータ装置において、上述の改良された巻上機を設けたものである。これによって、巻上機内部の軸受へのグリースの給脂が容易かつ確実にできるために、メンテナンスの作業性が高く、信頼性の高いエレベータ装置を提供することができる。
発明を実施するための最良の形態
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる巻上機を示す概略断面図である。
同図において、1は支軸、1A〜1Eは支軸1の一部をなす径の異なる段部、2は支軸1の内部に設けられた給脂路、2aは給脂路2の入口、2bは給脂路2の出口、3は支軸1の内部に設けられた排脂路、3aは排脂路3の入口、3bは排脂路3の出口、4は給脂路2の入口2aに設置されたニップル、5は支軸1に係合する軸受、5aはころ、ボール等からなる軸受5の転動部、5bは軸受5の内輪、5cは軸受5の外輪、6は軸受5を介して支軸1に支持されて支軸1を中心として回動する綱車6、6aは牽引ロープ8が巻き掛けられた綱車6の本体部、6bは綱車6の外周に設置されたマグネット、8は本体部6aにほぼ半周巻き掛けられた牽引ロープ、9は支持軸1の一部、軸受5、綱車6等を内部に収納するハウジング、9aはハウジング9の表面、9bはハウジング9の裏面、10はマグネット6bとともに回転電動機を構成するためにハウジング9の内壁部に設けられたステータ、13、14は軸受5の周辺部に設けられたオイルシール等のシール、15は支軸1をハウジング9に締結するためのボルト、17は支軸1の外周部に係合してシール13のリップ部が当接するカラー、18は支軸1に形成されたおねじ部と螺合して軸受5及びカラー17のスラスト方向の位置決めをするナットを示す。
ここで、支軸1は、その両端をハウジング9に支持されている。詳しくは、複数の段部1A〜1Eを有する支軸1は、ハウジング9の裏面9b側から挿入されたものである。そして、最も大きな径にて形成された支軸1の段部1Eは、ハウジング9の裏面9bに形成された段形状の穴部に嵌合される。他方、最も小さな径にて形成された支軸1の段部1Aは、ハウジング9の表面9aに形成された穴部に嵌合される。なお、ハウジング9は、表面9a側と裏面9b側との2つのパーツからなり、それらは着脱可能に形成されている。
また、軸受5は、ころがり軸受であって、支軸1の本体部に相当する段部1Bにおいて支軸1の軸方向に間隙Sを設けて2つ配置されている。そして、グリースを給脂するために支軸1に設けられた給脂路2における入口2aは、ハウジング9の外部に露呈する露呈部(支軸1の段部1Aの表面である。)に開口している。また、給脂路2の出口2bは、2つの軸受5の間隙Sに向けて開口している。なお、給脂路2は、支軸1のほぼ中心軸上を入口2a側から段部1Bの中央部に向けて通過する第1流路と、第1流路から放射状に出口2b側に向けて通過する複数の第2流路とからなる。給脂路2の第1流路及び第2流路は、例えば、旋盤加工後の支軸1に対してボール盤等による2次的な加工を施すことで、形成されるものである。
他方、グリースを排脂するために支軸1に設けられた複数の排脂路3における入口3aは、軸受5の転動体5aに向けて、すなわち、内輪5bと外輪5cとの間に向けて開口している。さらに、複数の排脂路3の出口3bは、ハウジング9の外部に露呈する露呈部(支軸1の段部1Eの表面である。)に開口している。なお、複数の排脂路3は、支軸1の中心軸に対してほぼ平行となるように、入口3a側から出口3b側に向けて段部1C〜1Eを貫通して通過する流路である。排脂路3は、給脂路2と同様に、例えば、ボール盤等による2次的な加工を施すことで、形成されるものである。
また、2つのシール13、14のうち、ハウジング9の表面9a側のシール13は、リップ部がカラー17の外周に圧接しており、これにより軸受5に給脂されたグリースがハウジング9内部に飛散するのを防止している。他方、ハウジング9の裏面9b側のシール14は、リップ部が支軸1における段部1Cの外周に圧接しており、これにより軸受5に給脂されたグリースがハウジング9内部に飛散するのを防止している。なお、裏面9b側のシール14の径は、表面9a側のシール13の径よりも大きく形成されている。
また、給脂路2の入口2aに設置されたニップル4は、グリースの供給装置としてのグリースガン(不図示である。)と嵌合可能に形成されており、このニップル4を介して外部から給脂路2へのグリース供給が可能となる。
なお、図示は省略するが、以上のように構成された巻上機は、エレベータ装置における、機械室や昇降路内等に設置される。そして、巻上機の綱車6に巻き掛けられた牽引ロープ8は、一端側に乗りかごを懸架し、他端側にカウンタウェイトを懸架する。そして、マグネット6bとステータ10とからなる回転電動機により、綱車6が支軸1を中心として正逆両方向に回動する。これにより、牽引ロープ8を駆動して、牽引ロープ8に懸架された乗りかごとカウンタウェイトとを昇降させることになる。
このように構成されたエレベータ装置における巻上機においては、軸受5の高寿命化を目的として、グリースが給脂路2を介して軸受5に適宜給脂される。以下、巻上機へのグリースの給脂方法について説明する。
まず、巻上機を停止させる。その後、ハウジング9の外部からグリースガンをニップル4に嵌合させて、軸受5へのグリースの供給を行う。詳しくは、グリースガンからは連続的にグリースが給脂されて、後方のグリースに押し出されるように先方のグリースは、ニップル4、給脂路2を順次経由して、軸受5の間隙Sに至る。さらに、間隙Sに到達したグリースは、軸受5における内輪5bと外輪5cと複数の転動体5aとの間隙に入り込み、その後、軸受5の外部(軸受5とシール13、14との間隙である。)に至る。そして、軸受5の外部に至ったグリースは、排脂路3を介して出口3bから、巻上機の外部に排出される。なお、2つの軸受5のうち、紙面左側の軸受5に入り込んだグリースは、内輪5bと外輪5cと複数の転動体5aとから形成される複数の間隙(複数の転動体5aの数に相当する間隙である。)に、循環する往復の流路が形成される。すなわち、例えば、隣接する間隙において、一方の間隙が紙面右側(間隙S側である。)から左側(シール13側である。)に抜ける往路となり、他方の間隙が紙面左側から右側に抜ける復路となる。こうして、紙面左側の軸受5に入り込んだ先方のグリースは、後方のグリースに押し出されて、上述の循環する流路を通過した後に、紙面右側の軸受5、排脂路3を介して、巻上機の外部に排脂される。
なお、排脂路3より排脂されたグリースは、そのまま巻上機外部に排出されても大きな不具合はないために、原則的には排脂処理が不要であるが、巻上機の下方にパン等を設けて排脂処理を行うこともできる。いずれにしても、上述の排脂路3の構成により、巻上機の裏面9b側からのメンテナンスが不要となり、エレベータ装置における巻上機の設置性が向上するものである。すなわち、排脂路3の出口3bを有する巻上機の裏面9b側を、例えば、昇降路に壁に近接して設置することができるために、その分だけ昇降路の大きさを小さくして省スペース化を達成することができる。
以上のように、グリースの流路において、先方のグリースは、後方のグリースに押し出されるようにして、図中の矢印方向に流動する。これにより、既に所定時間使用されて劣化したグリースを、新しいグリースに入れ替えることができる。
そして、以上述べたグリースの給脂作業が完了した後に、軸受5における内輪5bと外輪5cと複数の転動体5aとの間隙に入り込んだグリースは、綱車6の回動により、転動体5aと内輪5bとの僅かな間隙と、転動体5aと外輪5cとの僅かな間隙とに充填され、転動体5a、内輪5b、外輪5cの摩擦による磨耗を軽減することになる。
以上説明したように、本第1の実施の形態にかかる巻上機によれば、巻上機内部の軸受5へのグリースの給脂が容易かつ確実にできて、メンテナンスの作業性が向上する。すなわち、グリースを外部から軸受5に向けて給脂するための給脂路2が、回動しない支持軸1の内部に形成されており、さらに、給脂路2の入口2aは巻上機の外部に向けて開口されている。このために、巻上機に対するニップル4の位置は、不動の位置に固定されることになる。さらに、グリースを給脂するために、巻上機の内部にグリースガンを挿入させる必要がなく、直接外部からグリース給脂作業ができる。また、グリースの給脂作業中に、綱車6の回動に対して、特別の注意を払う必要がなくなる。また、グリースは、排脂路3の出口3bから巻上機の外部に排出されるために、ハウジング9内部の面倒なグリースの清掃作業が不要となる。
なお、本第1の実施の形態における軸受1は、図示したテーパころ軸受に限定されることなく、円錐ころ軸受、玉軸受等のころがり軸受とすることもできる。
また、本第1の実施の形態では、巻上機を停止した後にグリースの給脂作業を開始したが、例えば、巻上機が機械室に設置されていて乗りかご等の昇降がグリース給脂作業に影響しない場合には、巻上機を停止させずに動作させたまま給脂することもできる。この場合には、グリース給脂作業の作業性がさらに向上することになる。
図2は、本発明の第2の実施の形態にかかる巻上機を示す概略断面図である。
本第2の実施の形態は、支軸1の内部に設けられた排脂路の構成のみが、前記第1の実施の形態と相違する。
図2において、1は支軸、2は支軸1の内部に設けられた給脂路、3Aは支軸1の内部に設けられた第1排脂路、3Aaは第1排脂路3Aの入口、3Abは第1排脂路3Aの出口、3Bは支軸1内部及びカラー17内部に設けられた第2排脂路、3Baは第2排脂路3Bの入口、3Bbは第2排脂路3Bの出口を示す。
ここで、グリースを給脂するために支軸1に設けられた給脂路2は、前記第1の実施の形態と同様に、入口2aがハウジング9の外部に向けて開口し、出口2bが2つの軸受5の間隙Sに向けて開口している。
他方、グリースを排脂するために支軸1に設けられた第1排脂路3Aは、前記第1の実施の形態と同様に、入口3Aaが軸受5の転動体5aに向けて開口し、出口3Abがハウジング9の外部に向けて開口している。さらに、第2排脂路3Bは、入口3Baが軸受5とシール13との間隙に向けて開口し、出口3Bbがハウジング9の外部に向けて開口している。なお、同図に示すように、第2排脂路3Bは、支軸1の中心軸に対してほぼ平行に出口3Bbから段部1Bの中央部に向けて通過する第2流路と、支軸1の中心軸に対して直交方向に入口3Baから第2流路に通じるようにカラー17を貫通して支軸1内部を通過する第1流路とからなる。
このように構成されたエレベータ装置の巻上機において、前記第1の実施の形態と同様に、ニップル4に嵌合させたグリースガンから、軸受5へグリースが供給される。詳しくは、グリースガンからは連続的にグリースが給脂されて、後方のグリースに押し出されるように先方のグリースは、ニップル4、給脂路2を順次経由して、軸受5の間隙Sに至る。さらに、間隙Sに到達したグリースは、軸受5における内輪5bと外輪5cと複数の転動体5aとの間隙に入り込み、その後、軸受5の外部に至る。そして、2つの軸受5の外部に至ったグリースは、一方は第1排脂路3Aを介して出口3Abから、巻上機の外部に排出される。そして、他方は第2排脂路3Bを介して出口3Bbから、巻上機の外部に排出される。すなわち、グリースの流路において、先方のグリースは、後方のグリースに押し出されるようにして、図中の矢印方向に流動して、巻上機の双方の側9a、9bから排脂されることになる。
以上説明したように、本第2の実施の形態にかかる巻上機によれば、前記第1の実施の形態と同様に、巻上機内部の軸受5へのグリースの給脂が容易かつ確実にできて、メンテナンスの作業性が向上する。
図3は、本発明の第3の実施の形態にかかる巻上機を示す概略断面図である。
本第3の実施の形態は、支軸1の内部に設けられた給脂路の構成のみが、前記第1の実施の形態と相違する。
図3において、1は支軸、2は支軸1の内部に設けられた給脂路、2aは給脂路2の入口、2bは給脂路2の出口、3は支軸1の内部に設けられた排脂路、3aは排脂路3の入口、3bは排脂路3の出口、4は給脂路2の入口2aに設けられたニップルを示す。
ここで、グリースを給脂するために支軸1に設けられた給脂路2は、入口2aがハウジング9の外部(ハウジング9の裏面9b側である。)に向けて開口し、出口2bが2つの軸受5の間隙Sに向けて開口している。なお、給脂路2は、支軸1のほぼ中心軸上を入口2a側から段部1Bの中央部に向けて通過する第1流路と、第1流路から放射状に出口2b側に向けて通過する複数の第2流路とからなる。
他方、グリースを排脂するために支軸1に設けられた排脂路3は、前記第1の実施の形態と同様に、入口3aが軸受5の転動体5aに向けて開口し、出口3bがハウジング9の外部に向けて開口している。すなわち、ハウジング9の裏面9b側に露呈する支軸1の露呈部には、給脂路2の入口2aと、排脂路3の出口3bとが、並設されることになる。
このように構成されたエレベータ装置の巻上機において、前記第1の実施の形態と同様に、ニップル4に嵌合させたグリースガンから、軸受5へグリースが供給される。詳しくは、グリースガンからは連続的にグリースが給脂されて、後方のグリースに押し出されるように先方のグリースは、ニップル4、給脂路2を順次経由して、軸受5の間隙Sに至る。さらに、間隙Sに到達したグリースは、2つの軸受5、排脂路3を介して、出口3bから巻上機の外部に排出される。
以上説明したように、本第3の実施の形態にかかる巻上機によれば、前記各実施の形態と同様に、巻上機内部の軸受5へのグリースの給脂が容易かつ確実にできて、メンテナンスの作業性が向上する。さらに、本第3の実施の形態にかかる巻上機によれば、特に、グリースの排脂処理を積極的に行う場合に、前記各実施の形態に対して優位性を有することになる。すなわち、グリースの給脂が行われる巻上機の側と、グリースの排脂処理が行われる巻上機の側とが、同じ側(裏面9b側である。)となるために、作業性が向上する。なお、本第3の実施の形態においては、上述の作業性を考慮して、巻上機の裏面9b側のエレベータ装置における作業空間を確保して、表面9a側を昇降路の壁に近接させる構成とするのが望ましい。
なお、本発明において、支軸1内部に設けられる給脂路2及び排脂路3は、上記各実施の形態に限定されず、種々のレイアウトの経路が可能である。例えば、図1における、給脂路2の第2流路の位置を紙面左側に移動して、給脂路2の出口2bが軸受5とシール13との間隙に向けて開口するような経路を形成することもできる。
また、上記各実施の形態では、巻上機をエレベータ装置に適用したが、本発明における巻上機はこれに限定されることなく、巻上機に巻き掛けられた牽引ロープを駆動して移送対象物を移送する他のすべてのリフトに適用することができる。
さらに、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態の中で示唆した以外にも、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明にかかる巻上機は、外部から綱車の回動に係わる軸受に向けてグリースを給脂するための給脂路を、巻上機に固設された支軸の内部に設けたものである。これによって、回動しない不動の給脂路に向けて、グリースを供給できるために、軸受へのグリース給脂作業を容易かつ確実に行うことができる巻上機として有用である。
また、本発明にかかる巻上機は、巻上機のハウジングの外部に向けて、支軸内の給脂路における入口を開口したものである。これによって、巻上機の内部にグリースガンを挿入させる必要がなく、直接外部からグリースを供給できるために、軸受へのグリース給脂作業を容易かつ確実に行うことができる巻上機として有用である。
また、本発明にかかる巻上機は、支軸内の給脂路における出口を、2つの軸受の間隙に向けて開口したものである。これによって、2つの軸受に向けて外部から新しいグリースを供給できるために、軸受内の磨耗を軽減して、軸受の高寿命化を達成することができる巻上機として有用である。
また、本発明にかかる巻上機は、軸受に向けて給脂したグリースを外部に排脂するための排脂路を、巻上機に固設された支軸の内部に設けたものである。これによって、グリースは、排脂路から巻上機の外部に排出されるので、ハウジング内部の面倒なグリースの清掃作業が不要となり、軸受へのグリース給脂作業が効率化される巻上機として有用である。
また、本発明にかかる巻上機は、巻上機のハウジングの外部に向けて、支軸内の排脂路における出口を開口するとともに、軸受の周辺部にシールを設けたものである。これによって、グリースは、ハウジング内部に飛散することなく排脂路から巻上機の外部に排出されるので、ハウジング内部の面倒なグリースの清掃作業が不要となり、軸受へのグリース給脂作業が効率化される巻上機として有用である。
また、本発明にかかる巻上機は、ころがり軸受の転動体に向けて、支軸内の排脂路における入口を開口したものである。これによって、軸受内を循環した劣化したグリースを排脂路に導いて、巻上機の外部に排出できるので、ハウジング内部の面倒なグリースの清掃作業が不要となり、軸受へのグリース給脂作業が効率化される巻上機として有用である。
また、本発明にかかるエレベータ装置は、上述の改良された巻上機を設けたものである。これによって、巻上機内部の軸受へのグリースの給脂が容易かつ確実にできるために、メンテナンスの作業性が高く、信頼性の高いエレベータ装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、この発明にかかる好ましい第1の巻上機を示す概略断面図である。
図2は、この発明にかかる好ましい第2の巻上機を示す概略断面図である。
図3は、この発明にかかる好ましい第3の巻上機を示す概略断面図である。
図4は、既知の巻上機を示す概略断面図である。
本発明は、巻上機及びエレベータ装置に関し、特に、軸受を介して支軸に支持された綱車を備えて、綱車に巻き掛けられた牽引ロープを駆動して乗りかごとカウンタウェイトとの昇降を行う巻上機及びエレベータ装置に関するものである。
背景技術
従来から、軸受を介して支軸に支持された綱車を備えたエレベータ装置用の巻上機において、軸受の高寿命化を目的として、巻上機を分解せずに軸受にグリースを給脂する技術が知られている。
以下、図4を用いて、既知の巻上機について説明する。図4は、既知の巻上機を示す概略断面図である。
同図において、1は支軸、1A〜1Eは支軸1の一部をなす径の異なる段部、4は給脂路の入口に設置されたニップル、5は支軸1に係合する軸受、5aはころ、ボール等からなる軸受5の転動部、5bは軸受5の内輪、5cは軸受5の外輪、6は軸受5を介して支軸1に支持されて支軸1を中心として回動する綱車6、6aは牽引ロープが巻き掛けられた綱車6の本体部、6bは綱車6の外周に設置されたマグネット、8は本体部6aにほぼ半周巻き掛けられた牽引ロープ、9は支持軸1の一部、軸受5、綱車6等を内部に収納するハウジング、9aはハウジング9の表面、9a1はハウジング9外部からニップル4へのグリースの給脂を可能とする表面9aに形成された穴、9bはハウジング9の裏面、10はマグネット6bとともに回転電動機を構成するためにハウジング9の内壁部に設けられたステータ、13は軸受5の周辺部に設けられたオイルシール等のシール、15は支軸1をハウジング9に締結するためのボルト、17は支軸1の外周部に係合してシール13のリップ部が当接するカラー、18は支軸1に形成されたおねじ部と螺合して軸受5及びカラー17のスラスト方向の位置決めをするナット、22は綱車6の内部に設けられた給脂路、22aは給脂路22の入口、22bは給脂路22の出口、23は綱車6の内部に設けられた排脂路、23aは排脂路23の入口、23bは排脂路23の出口を示す。
ここで、支軸1は、その両端をハウジング9に支持されている。詳しくは、複数の段部1A〜1Eを有する支軸1は、ハウジング9の裏面9b側から挿入されたものである。そして、最も大きな径にて形成された支軸1の段部1Eは、ハウジング9の裏面9bに形成された段形状の穴部に嵌合される。他方、最も小さな径にて形成された支軸1の段部1Aは、ハウジング9の表面9aに形成された穴部に嵌合される。
また、軸受5は、2つのころがり軸受であって、支軸1の本体部に相当する段部1Bにおいて支軸1の軸方向に間隙Sを設けて配置されている。そして、グリースを給脂するために綱車6に設けられた給脂路22における出口22bは、間隙Sに向けて開口している。他方、グリースを排脂するために綱車6に設けられた排脂路23における入口23aは、軸受5とシール13との間隙に向けて開口している。さらに、排脂路23の出口23bは、ハウジング9の内部であって綱車6の外部に向けて開口している。
また、給脂路22の入口22aに設置されたニップル4は、グリースの供給装置としてのグリースガン(不図示である。)と嵌合可能に形成されており、このニップル4を介して外部から給脂路22へのグリース供給が可能となる。
なお、図示は省略するが、以上のように構成された巻上機は、エレベータ装置における、機械室や昇降路内等に設置される。そして、巻上機の綱車6に巻き掛けられた牽引ロープ8は、一端側に乗りかごを懸架し、他端側にカウンタウェイトを懸架する。そして、マグネット6bとステータ10とからなる回転電動機により、綱車6が支軸1を中心として正逆両方向に回動する。これにより、牽引ロープ8を駆動して、牽引ロープ8に懸架された乗りかごとカウンタウェイトとを昇降させることになる。
このように構成されたエレベータ装置における巻上機においては、軸受5の高寿命化を目的として、グリースが給脂路22を介して軸受5に適宜給脂される。以下、巻上機へのグリースの給脂方法について説明する。
まず、巻上機を停止させる。そして、綱車6に設けられたニップル4が、ハウジング9の穴9a1に近づくように、綱車6を回転させる。その後、ハウジング9の穴9a1からグリースガンを挿入して、グリースガンをニップル4に嵌合させて、軸受5へのグリースの供給を行う。詳しくは、グリースガンからは連続的にグリースが給脂されて、後方のグリースに押し出されるように先方のグリースは、ニップル4、給脂路22を順次経由して、軸受5の間隙Sに至る。さらに、間隙Sに到達したグリースは、軸受5における内輪5bと外輪5cと複数の転動体5aとの間隙に入り込み、その後、軸受5の外部(軸受5とシール13との間隙である。)に至る。そして、軸受5の外部に至ったグリースは、排脂路23を介して出口23bから、綱車6の外部に排出される。
以上のように、グリースの流路において、先方のグリースは、後方のグリースに押し出されるようにして、図中の矢印方向に流動する。これにより、既に所定時間使用されて劣化したグリースを、新しいグリースに入れ替えることができる。
そして、以上述べたグリースの給脂作業が完了した後に、軸受5における内輪5bと外輪5cと複数の転動体5aとの間隙に入り込んだグリースは、綱車6の回動により、転動体5aと内輪5bとの僅かな間隙と、転動体5aと外輪5cとの僅かな間隙とに充填され、転動体5a、内輪5b、外輪5cの摩擦による磨耗を軽減することになる。
ところが、上述した既知の巻上機においては、軸受へのグリースの給脂作業の作業性が悪いという問題があった。具体的には、第1に、グリースを給脂するためには、綱車6を回転させて、綱車6に設置されたニップル4を所定位置に移動させる必要があり、これが作業性を悪化させる原因となっていた。第2に、グリースを給脂するためには、グリースガンを巻上機の内部に挿入させる必要があり、これが作業性を悪化させる原因となっていた。第3に、グリースの給脂作業中に、綱車6が回動しないように、細心の注意を払う必要があった。第4に、グリースは、排脂路23の出口23bから巻上機の内部に排出されるために、それによる不具合の防止を目的としたグリースの清掃作業を、例えば、ハウジングを分解して適宜行う必要があった。
この発明は上記問題点を解消するためになされたもので、巻上機内部の軸受へのグリースの給脂が容易かつ確実にできる、作業性が高く、信頼性の高い巻上機及びエレベータ装置を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明は、巻上機において、外部から綱車の回動に係わる軸受に向けてグリースを給脂するための給脂路を、巻上機に固設された支軸の内部に設けたものである。これによって、回動しない不動の給脂路に向けて、グリースを供給できるために、軸受へのグリース給脂作業を容易かつ確実に行うことができる。
また、本発明は、上述の改良された巻上機において、巻上機のハウジングの外部に向けて、支軸内の給脂路における入口を開口したものである。これによって、巻上機の内部にグリースガンを挿入させる必要がなく、直接外部からグリースを供給できるために、軸受へのグリース給脂作業を容易かつ確実に行うことができる。
また、本発明は、上述の改良された巻上機において、支軸内の給脂路における出口を、2つの軸受の間隙に向けて開口したものである。これによって、2つの軸受に向けて外部から新しいグリースを供給できるために、軸受内の磨耗を軽減して、軸受の高寿命化を達成することができる。
また、本発明は、上述の改良された巻上機において、軸受に向けて給脂したグリースを外部に排脂するための排脂路を、巻上機に固設された支軸の内部に設けたものである。これによって、グリースは、排脂路から巻上機の外部に排出されるので、ハウジング内部の面倒なグリースの清掃作業が不要となり、軸受へのグリース給脂作業が効率化される。
また、本発明は、上述の改良された巻上機において、巻上機のハウジングの外部に向けて、支軸内の排脂路における出口を開口するとともに、軸受の周辺部にシールを設けたものである。これによって、グリースは、ハウジング内部に飛散することなく排脂路から巻上機の外部に排出されるので、ハウジング内部の面倒なグリースの清掃作業が不要となり、軸受へのグリース給脂作業が効率化される。
また、本発明は、上述の改良された巻上機において、ころがり軸受の転動体に向けて、支軸内の排脂路における入口を開口したものである。これによって、軸受内を循環した劣化したグリースを排脂路に導いて、巻上機の外部に排出できるので、ハウジング内部の面倒なグリースの清掃作業が不要となり、軸受へのグリース給脂作業が効率化される。
また、本発明は、エレベータ装置において、上述の改良された巻上機を設けたものである。これによって、巻上機内部の軸受へのグリースの給脂が容易かつ確実にできるために、メンテナンスの作業性が高く、信頼性の高いエレベータ装置を提供することができる。
発明を実施するための最良の形態
本発明をより詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる巻上機を示す概略断面図である。
同図において、1は支軸、1A〜1Eは支軸1の一部をなす径の異なる段部、2は支軸1の内部に設けられた給脂路、2aは給脂路2の入口、2bは給脂路2の出口、3は支軸1の内部に設けられた排脂路、3aは排脂路3の入口、3bは排脂路3の出口、4は給脂路2の入口2aに設置されたニップル、5は支軸1に係合する軸受、5aはころ、ボール等からなる軸受5の転動部、5bは軸受5の内輪、5cは軸受5の外輪、6は軸受5を介して支軸1に支持されて支軸1を中心として回動する綱車6、6aは牽引ロープ8が巻き掛けられた綱車6の本体部、6bは綱車6の外周に設置されたマグネット、8は本体部6aにほぼ半周巻き掛けられた牽引ロープ、9は支持軸1の一部、軸受5、綱車6等を内部に収納するハウジング、9aはハウジング9の表面、9bはハウジング9の裏面、10はマグネット6bとともに回転電動機を構成するためにハウジング9の内壁部に設けられたステータ、13、14は軸受5の周辺部に設けられたオイルシール等のシール、15は支軸1をハウジング9に締結するためのボルト、17は支軸1の外周部に係合してシール13のリップ部が当接するカラー、18は支軸1に形成されたおねじ部と螺合して軸受5及びカラー17のスラスト方向の位置決めをするナットを示す。
ここで、支軸1は、その両端をハウジング9に支持されている。詳しくは、複数の段部1A〜1Eを有する支軸1は、ハウジング9の裏面9b側から挿入されたものである。そして、最も大きな径にて形成された支軸1の段部1Eは、ハウジング9の裏面9bに形成された段形状の穴部に嵌合される。他方、最も小さな径にて形成された支軸1の段部1Aは、ハウジング9の表面9aに形成された穴部に嵌合される。なお、ハウジング9は、表面9a側と裏面9b側との2つのパーツからなり、それらは着脱可能に形成されている。
また、軸受5は、ころがり軸受であって、支軸1の本体部に相当する段部1Bにおいて支軸1の軸方向に間隙Sを設けて2つ配置されている。そして、グリースを給脂するために支軸1に設けられた給脂路2における入口2aは、ハウジング9の外部に露呈する露呈部(支軸1の段部1Aの表面である。)に開口している。また、給脂路2の出口2bは、2つの軸受5の間隙Sに向けて開口している。なお、給脂路2は、支軸1のほぼ中心軸上を入口2a側から段部1Bの中央部に向けて通過する第1流路と、第1流路から放射状に出口2b側に向けて通過する複数の第2流路とからなる。給脂路2の第1流路及び第2流路は、例えば、旋盤加工後の支軸1に対してボール盤等による2次的な加工を施すことで、形成されるものである。
他方、グリースを排脂するために支軸1に設けられた複数の排脂路3における入口3aは、軸受5の転動体5aに向けて、すなわち、内輪5bと外輪5cとの間に向けて開口している。さらに、複数の排脂路3の出口3bは、ハウジング9の外部に露呈する露呈部(支軸1の段部1Eの表面である。)に開口している。なお、複数の排脂路3は、支軸1の中心軸に対してほぼ平行となるように、入口3a側から出口3b側に向けて段部1C〜1Eを貫通して通過する流路である。排脂路3は、給脂路2と同様に、例えば、ボール盤等による2次的な加工を施すことで、形成されるものである。
また、2つのシール13、14のうち、ハウジング9の表面9a側のシール13は、リップ部がカラー17の外周に圧接しており、これにより軸受5に給脂されたグリースがハウジング9内部に飛散するのを防止している。他方、ハウジング9の裏面9b側のシール14は、リップ部が支軸1における段部1Cの外周に圧接しており、これにより軸受5に給脂されたグリースがハウジング9内部に飛散するのを防止している。なお、裏面9b側のシール14の径は、表面9a側のシール13の径よりも大きく形成されている。
また、給脂路2の入口2aに設置されたニップル4は、グリースの供給装置としてのグリースガン(不図示である。)と嵌合可能に形成されており、このニップル4を介して外部から給脂路2へのグリース供給が可能となる。
なお、図示は省略するが、以上のように構成された巻上機は、エレベータ装置における、機械室や昇降路内等に設置される。そして、巻上機の綱車6に巻き掛けられた牽引ロープ8は、一端側に乗りかごを懸架し、他端側にカウンタウェイトを懸架する。そして、マグネット6bとステータ10とからなる回転電動機により、綱車6が支軸1を中心として正逆両方向に回動する。これにより、牽引ロープ8を駆動して、牽引ロープ8に懸架された乗りかごとカウンタウェイトとを昇降させることになる。
このように構成されたエレベータ装置における巻上機においては、軸受5の高寿命化を目的として、グリースが給脂路2を介して軸受5に適宜給脂される。以下、巻上機へのグリースの給脂方法について説明する。
まず、巻上機を停止させる。その後、ハウジング9の外部からグリースガンをニップル4に嵌合させて、軸受5へのグリースの供給を行う。詳しくは、グリースガンからは連続的にグリースが給脂されて、後方のグリースに押し出されるように先方のグリースは、ニップル4、給脂路2を順次経由して、軸受5の間隙Sに至る。さらに、間隙Sに到達したグリースは、軸受5における内輪5bと外輪5cと複数の転動体5aとの間隙に入り込み、その後、軸受5の外部(軸受5とシール13、14との間隙である。)に至る。そして、軸受5の外部に至ったグリースは、排脂路3を介して出口3bから、巻上機の外部に排出される。なお、2つの軸受5のうち、紙面左側の軸受5に入り込んだグリースは、内輪5bと外輪5cと複数の転動体5aとから形成される複数の間隙(複数の転動体5aの数に相当する間隙である。)に、循環する往復の流路が形成される。すなわち、例えば、隣接する間隙において、一方の間隙が紙面右側(間隙S側である。)から左側(シール13側である。)に抜ける往路となり、他方の間隙が紙面左側から右側に抜ける復路となる。こうして、紙面左側の軸受5に入り込んだ先方のグリースは、後方のグリースに押し出されて、上述の循環する流路を通過した後に、紙面右側の軸受5、排脂路3を介して、巻上機の外部に排脂される。
なお、排脂路3より排脂されたグリースは、そのまま巻上機外部に排出されても大きな不具合はないために、原則的には排脂処理が不要であるが、巻上機の下方にパン等を設けて排脂処理を行うこともできる。いずれにしても、上述の排脂路3の構成により、巻上機の裏面9b側からのメンテナンスが不要となり、エレベータ装置における巻上機の設置性が向上するものである。すなわち、排脂路3の出口3bを有する巻上機の裏面9b側を、例えば、昇降路に壁に近接して設置することができるために、その分だけ昇降路の大きさを小さくして省スペース化を達成することができる。
以上のように、グリースの流路において、先方のグリースは、後方のグリースに押し出されるようにして、図中の矢印方向に流動する。これにより、既に所定時間使用されて劣化したグリースを、新しいグリースに入れ替えることができる。
そして、以上述べたグリースの給脂作業が完了した後に、軸受5における内輪5bと外輪5cと複数の転動体5aとの間隙に入り込んだグリースは、綱車6の回動により、転動体5aと内輪5bとの僅かな間隙と、転動体5aと外輪5cとの僅かな間隙とに充填され、転動体5a、内輪5b、外輪5cの摩擦による磨耗を軽減することになる。
以上説明したように、本第1の実施の形態にかかる巻上機によれば、巻上機内部の軸受5へのグリースの給脂が容易かつ確実にできて、メンテナンスの作業性が向上する。すなわち、グリースを外部から軸受5に向けて給脂するための給脂路2が、回動しない支持軸1の内部に形成されており、さらに、給脂路2の入口2aは巻上機の外部に向けて開口されている。このために、巻上機に対するニップル4の位置は、不動の位置に固定されることになる。さらに、グリースを給脂するために、巻上機の内部にグリースガンを挿入させる必要がなく、直接外部からグリース給脂作業ができる。また、グリースの給脂作業中に、綱車6の回動に対して、特別の注意を払う必要がなくなる。また、グリースは、排脂路3の出口3bから巻上機の外部に排出されるために、ハウジング9内部の面倒なグリースの清掃作業が不要となる。
なお、本第1の実施の形態における軸受1は、図示したテーパころ軸受に限定されることなく、円錐ころ軸受、玉軸受等のころがり軸受とすることもできる。
また、本第1の実施の形態では、巻上機を停止した後にグリースの給脂作業を開始したが、例えば、巻上機が機械室に設置されていて乗りかご等の昇降がグリース給脂作業に影響しない場合には、巻上機を停止させずに動作させたまま給脂することもできる。この場合には、グリース給脂作業の作業性がさらに向上することになる。
図2は、本発明の第2の実施の形態にかかる巻上機を示す概略断面図である。
本第2の実施の形態は、支軸1の内部に設けられた排脂路の構成のみが、前記第1の実施の形態と相違する。
図2において、1は支軸、2は支軸1の内部に設けられた給脂路、3Aは支軸1の内部に設けられた第1排脂路、3Aaは第1排脂路3Aの入口、3Abは第1排脂路3Aの出口、3Bは支軸1内部及びカラー17内部に設けられた第2排脂路、3Baは第2排脂路3Bの入口、3Bbは第2排脂路3Bの出口を示す。
ここで、グリースを給脂するために支軸1に設けられた給脂路2は、前記第1の実施の形態と同様に、入口2aがハウジング9の外部に向けて開口し、出口2bが2つの軸受5の間隙Sに向けて開口している。
他方、グリースを排脂するために支軸1に設けられた第1排脂路3Aは、前記第1の実施の形態と同様に、入口3Aaが軸受5の転動体5aに向けて開口し、出口3Abがハウジング9の外部に向けて開口している。さらに、第2排脂路3Bは、入口3Baが軸受5とシール13との間隙に向けて開口し、出口3Bbがハウジング9の外部に向けて開口している。なお、同図に示すように、第2排脂路3Bは、支軸1の中心軸に対してほぼ平行に出口3Bbから段部1Bの中央部に向けて通過する第2流路と、支軸1の中心軸に対して直交方向に入口3Baから第2流路に通じるようにカラー17を貫通して支軸1内部を通過する第1流路とからなる。
このように構成されたエレベータ装置の巻上機において、前記第1の実施の形態と同様に、ニップル4に嵌合させたグリースガンから、軸受5へグリースが供給される。詳しくは、グリースガンからは連続的にグリースが給脂されて、後方のグリースに押し出されるように先方のグリースは、ニップル4、給脂路2を順次経由して、軸受5の間隙Sに至る。さらに、間隙Sに到達したグリースは、軸受5における内輪5bと外輪5cと複数の転動体5aとの間隙に入り込み、その後、軸受5の外部に至る。そして、2つの軸受5の外部に至ったグリースは、一方は第1排脂路3Aを介して出口3Abから、巻上機の外部に排出される。そして、他方は第2排脂路3Bを介して出口3Bbから、巻上機の外部に排出される。すなわち、グリースの流路において、先方のグリースは、後方のグリースに押し出されるようにして、図中の矢印方向に流動して、巻上機の双方の側9a、9bから排脂されることになる。
以上説明したように、本第2の実施の形態にかかる巻上機によれば、前記第1の実施の形態と同様に、巻上機内部の軸受5へのグリースの給脂が容易かつ確実にできて、メンテナンスの作業性が向上する。
図3は、本発明の第3の実施の形態にかかる巻上機を示す概略断面図である。
本第3の実施の形態は、支軸1の内部に設けられた給脂路の構成のみが、前記第1の実施の形態と相違する。
図3において、1は支軸、2は支軸1の内部に設けられた給脂路、2aは給脂路2の入口、2bは給脂路2の出口、3は支軸1の内部に設けられた排脂路、3aは排脂路3の入口、3bは排脂路3の出口、4は給脂路2の入口2aに設けられたニップルを示す。
ここで、グリースを給脂するために支軸1に設けられた給脂路2は、入口2aがハウジング9の外部(ハウジング9の裏面9b側である。)に向けて開口し、出口2bが2つの軸受5の間隙Sに向けて開口している。なお、給脂路2は、支軸1のほぼ中心軸上を入口2a側から段部1Bの中央部に向けて通過する第1流路と、第1流路から放射状に出口2b側に向けて通過する複数の第2流路とからなる。
他方、グリースを排脂するために支軸1に設けられた排脂路3は、前記第1の実施の形態と同様に、入口3aが軸受5の転動体5aに向けて開口し、出口3bがハウジング9の外部に向けて開口している。すなわち、ハウジング9の裏面9b側に露呈する支軸1の露呈部には、給脂路2の入口2aと、排脂路3の出口3bとが、並設されることになる。
このように構成されたエレベータ装置の巻上機において、前記第1の実施の形態と同様に、ニップル4に嵌合させたグリースガンから、軸受5へグリースが供給される。詳しくは、グリースガンからは連続的にグリースが給脂されて、後方のグリースに押し出されるように先方のグリースは、ニップル4、給脂路2を順次経由して、軸受5の間隙Sに至る。さらに、間隙Sに到達したグリースは、2つの軸受5、排脂路3を介して、出口3bから巻上機の外部に排出される。
以上説明したように、本第3の実施の形態にかかる巻上機によれば、前記各実施の形態と同様に、巻上機内部の軸受5へのグリースの給脂が容易かつ確実にできて、メンテナンスの作業性が向上する。さらに、本第3の実施の形態にかかる巻上機によれば、特に、グリースの排脂処理を積極的に行う場合に、前記各実施の形態に対して優位性を有することになる。すなわち、グリースの給脂が行われる巻上機の側と、グリースの排脂処理が行われる巻上機の側とが、同じ側(裏面9b側である。)となるために、作業性が向上する。なお、本第3の実施の形態においては、上述の作業性を考慮して、巻上機の裏面9b側のエレベータ装置における作業空間を確保して、表面9a側を昇降路の壁に近接させる構成とするのが望ましい。
なお、本発明において、支軸1内部に設けられる給脂路2及び排脂路3は、上記各実施の形態に限定されず、種々のレイアウトの経路が可能である。例えば、図1における、給脂路2の第2流路の位置を紙面左側に移動して、給脂路2の出口2bが軸受5とシール13との間隙に向けて開口するような経路を形成することもできる。
また、上記各実施の形態では、巻上機をエレベータ装置に適用したが、本発明における巻上機はこれに限定されることなく、巻上機に巻き掛けられた牽引ロープを駆動して移送対象物を移送する他のすべてのリフトに適用することができる。
さらに、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態の中で示唆した以外にも、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明にかかる巻上機は、外部から綱車の回動に係わる軸受に向けてグリースを給脂するための給脂路を、巻上機に固設された支軸の内部に設けたものである。これによって、回動しない不動の給脂路に向けて、グリースを供給できるために、軸受へのグリース給脂作業を容易かつ確実に行うことができる巻上機として有用である。
また、本発明にかかる巻上機は、巻上機のハウジングの外部に向けて、支軸内の給脂路における入口を開口したものである。これによって、巻上機の内部にグリースガンを挿入させる必要がなく、直接外部からグリースを供給できるために、軸受へのグリース給脂作業を容易かつ確実に行うことができる巻上機として有用である。
また、本発明にかかる巻上機は、支軸内の給脂路における出口を、2つの軸受の間隙に向けて開口したものである。これによって、2つの軸受に向けて外部から新しいグリースを供給できるために、軸受内の磨耗を軽減して、軸受の高寿命化を達成することができる巻上機として有用である。
また、本発明にかかる巻上機は、軸受に向けて給脂したグリースを外部に排脂するための排脂路を、巻上機に固設された支軸の内部に設けたものである。これによって、グリースは、排脂路から巻上機の外部に排出されるので、ハウジング内部の面倒なグリースの清掃作業が不要となり、軸受へのグリース給脂作業が効率化される巻上機として有用である。
また、本発明にかかる巻上機は、巻上機のハウジングの外部に向けて、支軸内の排脂路における出口を開口するとともに、軸受の周辺部にシールを設けたものである。これによって、グリースは、ハウジング内部に飛散することなく排脂路から巻上機の外部に排出されるので、ハウジング内部の面倒なグリースの清掃作業が不要となり、軸受へのグリース給脂作業が効率化される巻上機として有用である。
また、本発明にかかる巻上機は、ころがり軸受の転動体に向けて、支軸内の排脂路における入口を開口したものである。これによって、軸受内を循環した劣化したグリースを排脂路に導いて、巻上機の外部に排出できるので、ハウジング内部の面倒なグリースの清掃作業が不要となり、軸受へのグリース給脂作業が効率化される巻上機として有用である。
また、本発明にかかるエレベータ装置は、上述の改良された巻上機を設けたものである。これによって、巻上機内部の軸受へのグリースの給脂が容易かつ確実にできるために、メンテナンスの作業性が高く、信頼性の高いエレベータ装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、この発明にかかる好ましい第1の巻上機を示す概略断面図である。
図2は、この発明にかかる好ましい第2の巻上機を示す概略断面図である。
図3は、この発明にかかる好ましい第3の巻上機を示す概略断面図である。
図4は、既知の巻上機を示す概略断面図である。
Claims (7)
- 支軸と、該支軸に係合する軸受とを備えた巻上機であって、
前記支軸は、グリースを外部から前記軸受に向けて給脂するための給脂路を内部に備えたことを特徴とする巻上機。 - 前記支軸を支持するとともに、前記支軸の一部と前記軸受と当該軸受を介して前記支軸に支持された綱車とを内部に収納するハウジングを備え、
前記支軸は、前記ハウジングの外部に露呈する露呈部に開口する前記給脂路の入口を備えたことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の巻上機。 - 前記軸受は、前記支軸の軸方向に間隙を設けて係合された2つの軸受であって、
前記支軸は、前記2つの軸受の前記間隙に向けて開口する前記給脂路の出口を備えたことを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の巻上機。 - 前記支軸は、前記軸受に給脂されたグリースを外部に排脂するための排脂路をさらに備えたことを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の巻上機。
- 前記支軸を支持するとともに、前記支軸の一部と前記軸受と当該軸受を介して前記支軸に支持された綱車とを内部に収納するハウジングを備え、
前記支軸は、前記ハウジングの外部に露呈する露呈部に開口する前記排脂路の出口を備え、
前記軸受の周辺部に、前記軸受に給脂されたグリースを前記ハウジングの内部に飛散させないためのシールを備えたことを特徴とする請求の範囲第4項に記載の巻上機。 - 前記軸受は、内輪と外輪と当該内輪及び外輪に当接する複数の転動体とを備えたころがり軸受であって、
前記支軸は、前記ころがり軸受の前記転動体に向けて開口する前記排脂路の入口を備えたことを特徴とする請求の範囲第4項又は第5項に記載の巻上機。 - 請求の範囲第1項〜第6項のいずれかに記載の巻上機を備えたことを特徴とするエレベータ装置。
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