JPWO2003033693A1 - 蛍光蛋白質 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、オワンクラゲ以外の生物に由来する新規な蛍光蛋白質を提供することである。本発明によれば、アザミサンゴ(Galaxea fascicularis)由来の下記の特性を有する蛍光蛋白質が提供される。(1)分子量は約27000;(2)平衡化状態で4量体を形成する;(3)励起極大波長が492nmであり、蛍光極大波長は505nmである;(4)モル吸光係数は74100である;(5)量子収率は0.625である;及び(6)pH5〜12の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い:

Description

技術分野
本発明は、改善された特性を有する新規な蛍光蛋白質に関する。より詳細には、本発明は、アザミサンゴ(Galaxea fascicularis)由来の新規な蛍光蛋白質及びその利用に関する。
背景技術
クラゲのエクオレア・ビクトリア(Aequorea victoria)に由来する緑色蛍光蛋白質(GFP)は、生物系において多くの用途を有する。最近、ランダム突然変異誘発法および半合理的(semi−rational)突然変異誘発法に基づいて、色を変化させたり、折りたたみ特性を改善したり、輝度を高めたり、あるいはpH感受性を改変したといった様々なGFP変異体が作製されている。遺伝子組み換え技術により他の蛋白質をGFP等の蛍光蛋白質に融合させて、それらの発現および輸送のモニタリングを行うことが行われている。
最もよく使用されるGFP変異体の一つとして黄色蛍光蛋白質(YFP)が挙げられる。YFPは、クラゲ(Aequorea)GFP変異体の中でも最長波長の蛍光を示す。大部分のYFPのεおよびΦは、それぞれ60,000〜100,000M−1cm−1および0.6〜0.8であり(Tsien,R.Y.(1998).Ann.Rev.Biochem.67,509−544)、これらの値は、一般的な蛍光団(フルオレセインおよびローダミンなど)の値に匹敵する。従ってYFPの絶対的輝度の改善は、ほぼ限界に達しつつある。
発明の開示
本発明は、オワンクラゲ以外の生物に由来する新規な蛍光蛋白質を提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、オワンクラゲ由来の蛍光蛋白質と比較して改善された蛍光特性を有する新規な蛍光蛋白質を提供することを解決すべき課題とした。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討し、既知の蛍光蛋白のアミノ酸配列に基づいて好適なプライマーを設計し、蛍光を示すアザミサンゴ(Galaxea fascicularis)のcDNAライブラリーから上記プライマーを用いて蛍光蛋白質を増幅してクローニングすることに成功した。さらに本発明者らは、得られたアザミサンゴ(Galaxea fascicularis)由来の蛍光蛋白質の蛍光特性を調べた結果、当該蛍光蛋白質が所望の蛍光特性を有することを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、アザミサンゴ(Galaxea fascicularis)由来の下記の特性を有する蛍光蛋白質が提供される。
(1)分子量は約27000;
(2)平衡化状態で4量体を形成する;
(3)励起極大波長が492nmであり、蛍光極大波長は505nmである;
(4)モル吸光係数は74100である;
(5)量子収率は0.625である;及び
(6)pH5〜12の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い:
本発明の別の態様によれば、以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が提供される。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、蛍光特性を有するアミノ酸配列:
本発明のさらに別の態様によれば、配列番号1に記載のアミノ酸配列において76番目のGlnをArgに、106番目のAsnをAspに、118番目のIleをThrに、150番目のAspをGlyに、そして157番目のValをAspに置換したアミノ酸配列を有する、蛍光蛋白質が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、配列番号1に記載のアミノ酸配列において123番目のValをThrに、188番目のTyrをAlaに、190番目のPheをLysに置換したアミノ酸配列を有する、蛍光蛋白質が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、上記した本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAが提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、以下の何れかのDNAが提供される。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、蛍光特性を有するアミノ酸配列をコードするDNA:
本発明のさらに別の態様によれば、以下の何れかの塩基配列を有するDNAが提供される。
(a)配列番号2に記載の塩基配列;又は、
(b)配列番号2に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、蛍光特性を有する蛋白質をコードする塩基配列:
本発明のさらに別の態様によれば、上記した本発明のDNAを有する組み換えベクターが提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、上記した本発明のDNA又は組み換えベクターを有する形質転換体が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、上記した本発明の蛍光蛋白質と他の蛋白質とから成る融合蛍光蛋白質が提供される。好ましくは、他の蛋白質が細胞内に局在する蛋白質であり、さらに好ましくは他の蛋白質は細胞内小器官に特異的な蛋白質である。
本発明のさらに別の態様によれば、上記した本発明の融合蛋白質を細胞内で発現させることを特徴とする、細胞内における蛋白質の局在または動態を分析する方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、上記した本発明の蛍光蛋白質、DNA、組み換えベクター、形質転換体、又は融合蛋白質を含む、蛍光試薬キットが提供される。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(1)本発明の蛍光蛋白質
本発明の蛍光蛋白質は、アザミサンゴ(Galaxea fascicularis)由来のものであり、下記の特性を有することを特徴とする。
(1)分子量は約27000;
(2)平衡化状態で4量体を形成する;
(3)励起極大波長が492nmであり、蛍光極大波長は505nmである;
(4)モル吸光係数は74100である;
(5)量子収率は0.625である;及び
(6)pH5〜12の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い:
アザミサンゴ(Galaxea fascicularis)はサンゴの1種で、群体の外形は半球形で、板状あるいは円柱状になることがある。サンゴ個体は角張った長楕円形で、鋭く尖った多くの隔板が飛び出している。
なお、本書中以下の実施例では、アザミサンゴ(Galaxea fascicularis)を出発材料として上記特性を有する本発明の蛍光蛋白質を単離したが、アザミサンゴ以外の蛍光を発するサンゴから本発明の蛍光蛋白質を取得することができる場合もあり、そのような蛍光蛋白質も本発明の範囲内である。
本発明の蛍光蛋白質の分子量は約27000であり、平衡化状態で4量体を形成し、また少量ながら8量体を形成する。4量体の分子量は約116kDaであり8量体の分子量は約204kDaである。平衡化状態とは、例えば、本発明の蛍光蛋白質を50mM HEPES pH7.5、150mM KClで平衡化した状態を言う。また、多量体形成の測定は光散乱を測定することにより行う事ができる。微粒子に光を当てると、大部分は同じ光の波長で散乱する。これをレイリー散乱と言い、この散乱光の強度は、微粒子の数及びその大きさの関数になる。この原理を利用して光散乱検出器によって得た値から分子量を導き出す。具体的には、本発明の蛍光蛋白質を50mM HEPES pH7.5、150mM KClで平衡化し、まず、ゲルろ過により本発明の蛍光蛋白質平衡化溶液を分子量で分ける。続いて多角度光散乱検出器、RI検出器でそれぞれ散乱光、試料濃度を測定して分子量を値として出す。
本発明の蛍光蛋白質は、以下の実施例で示す通り、励起極大波長が492nmであり、蛍光極大波長は505nmである。モル吸光係数は74100であり、量子収率は0.625である。これに対してEGFP(クロンテック)のモル吸光係数は44800であり、量子収率は0.600である。モル吸光係数は蛍光分子1モルあたりの光子の吸収量を表し、量子収率は吸収した光子のどれだけを蛍光として発する事が出来るかを表した数値であるため、モル吸光係数、量子収率の値が大きいことは蛍光が強い事を示す。よってEGFPよりもモル吸光係数、量子収率の値が大きい本発明の蛍光蛋白質は、EGFPよりもより強い蛍光を発する。励起および蛍光の極大波長に関してはEGFPと本発明の蛍光蛋白質との間に大きな差はないが、本発明の蛍光蛋白質の励起、蛍光スペクトルはEGFPのそれに比べてシャープであるため、他の蛍光分子との組み合わせて行うマルチカラーイメージング等に際して有利と言える。
本発明の蛍光蛋白質は、pH5〜12の範囲において蛍光特性のpH感受性が低いことを特徴とする。即ち、pH5〜12の範囲において蛍光強度のピーク値の変動が少なく、このpH範囲において高い蛍光強度を維持することができる。従来から使用されているEGFPの場合には、pH7以下では蛍光強度が低下するため生体内での使用に際して制約があったが、本発明の蛍光蛋白質にはそのような制約がない。
本発明の蛍光蛋白質の具体例としては、以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質が挙げられる。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、蛍光特性を有するアミノ酸配列:
本明細書で言う「1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から20個、好ましくは1から10個、より好ましくは1から7個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
上記(b)で言う「蛍光特性」とは任意の蛍光特性を意味し、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質の蛍光強度、励起波長、蛍光波長又はpH感受性などの蛍光特性と同等の蛍光特性でもよいし、又は異なる蛍光特性であってもよい。
上記変異を有する蛍光蛋白質の一例としては、配列番号1に記載のアミノ酸配列において76番目のGlnをArgに、106番目のAsnをAspに、118番目のIleをThrに、150番目のAspをGlyに、そして157番目のValをAspに置換したアミノ酸配列を有する、蛍光蛋白質が挙げられる。この蛍光蛋白質は、380nmと484nmに励起のピークを持ち、いずれの励起によっても蛍光スペクトルは501nmにピークを示す。メジャーな励起のピークが380nmであり、ストークスシフトは120nmと非常に大きな値となっている。マイナーな484nmの励起のピークはpH6からpH10に向かって値が増加するが、380nmの励起のピーク値は変化しない。そのため、380nmと484nmの励起光による蛍光値の比を測ることにより、pHを測定することがin vitro又は細胞内において可能である。従来のオワンクラゲ由来のGFPの改変体にも2つの励起ピークの増減でpH測定ができるものが存在するが(pHluorin)、AG−pHと違って片方のピークが一定値を取るものではない。従って、この蛍光蛋白質は、380nmのピークを励起することによりpHに左右されることなく蛍光測定を行うことができる。
上記変異を有する蛍光蛋白質の別の一例としては、配列番号1に記載のアミノ酸配列において123番目のValをThrに、188番目のTyrをAlaに、190番目のPheをLysに置換したアミノ酸配列を有する、蛍光蛋白質が挙げられる。この蛋白質は単量体で存在する。光散乱測定により分子量を確認した結果、34kDaであった。この単量体蛍光蛋白質は配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質と同じ蛍光極大505nm、励起極大492nmを示す。
本発明の蛍光蛋白質の取得方法については特に制限はなく、化学合成により合成した蛋白質でもよいし、遺伝子組み換え技術による作製した組み換え蛋白質でもよい。
組み換え蛋白質を作製する場合には、先ず当該蛋白質をコードするDNAを入手することが必要である。本明細書の配列表の配列番号1に記載したアミノ酸配列並びに配列番号2に記載した塩基配列の情報を利用することにより適当なプライマーを設計し、それらを用いて上記したような各種の公知の蛍光蛋白質のcDNAクローンを鋳型にしてPCRを行うことにより、本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAを取得することができる。本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAの一部の断片を上記したPCRにより得た場合には、作製したDNA断片を順番に遺伝子組み換え技術により連結することにより、所望の蛍光蛋白質をコードするDNAを得ることができる。このDNAを適当な発現系に導入することにより、本発明の蛍光蛋白質を産生することができる。発現系での発現については本明細書中後記する。
(2)本発明のDNA
本発明によれば、本発明の蛍光蛋白質をコードする遺伝子が提供される。
本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAの具体例としては、以下の何れかのDNAが挙げられる。
(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;又は、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、蛍光特性を有するアミノ酸配列をコードするDNA:
本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAの更なる具体例としては、以下の何れかの塩基配列を有するDNAが挙げられる。
(a)配列番号2に記載の塩基配列;又は、
(b)配列番号2に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、蛍光特性を有する蛋白質をコードする塩基配列:
本発明のDNAは、例えばホスホアミダイト法などにより合成することができるし、特異的プライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって製造することもできる。本発明のDNA又はその断片の作製方法については、本明細書中上述した通りである。
また、所定の核酸配列に所望の変異を導入する方法は当業者に公知である。例えば、部位特異的変異誘発法、縮重オリゴヌクレオチドを用いるPCR、核酸を含む細胞の変異誘発剤又は放射線への露出等の公知の技術を適宜使用することによって、変異を有するDNAを構築することができる。このような公知の技術は、例えば、Molecular Cloning:A laboratory Mannual,2ndEd.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY.,1989、並びにCurrent Protocols in Molecular Biology,Supplement 1〜38,John Wiley & Sons(1987−1997)に記載されている。
(3)本発明の組み換えベクター
本発明のDNAは適当なベクター中に挿入して使用することができる。本発明で用いるベクターの種類は特に限定されず、例えば、自立的に複製するベクター(例えばプラスミド等)でもよいし、あるいは、宿主細胞に導入された際に宿主細胞のゲノムに組み込まれ、組み込まれた染色体と共に複製されるものであってもよい。
好ましくは、本発明で用いるベクターは発現ベクターである。発現ベクターにおいて本発明のDNAは、転写に必要な要素(例えば、プロモーター等)が機能的に連結されている。プロモータは宿主細胞において転写活性を示すDNA配列であり、宿主の種類に応じて適宜することができる。
細菌細胞で作動可能なプロモータとしては、バチルス・ステアロテルモフィルス・マルトジェニック・アミラーゼ遺伝子(Bacillusstearothermophilus maltogenic amylase gene)、バチルス・リケニホルミスαアミラーゼ遺伝子(Bacillus licheniformis alpha−amylase gene)、バチルス・アミロリケファチエンス・BAN アミラーゼ遺伝子(Bacillus amyloliquefaciens BAN amylase gene)、バチルス・サブチリス・アルカリプロテアーゼ遺伝子(Bacillus Subtilis alkaline protease gene)もしくはバチルス・プミルス・キシロシダーゼ遺伝子(Bacillus pumilus xylosldase gene)のプロモータ、またはファージ・ラムダのP若しくはPプロモータ、大腸菌のlac、trp若しくはtacプロモータなどが挙げられる。
哺乳動物細胞で作動可能なプロモータの例としては、SV40プロモータ、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモータ、またはアデノウイルス2主後期プロモータなどがある。昆虫細胞で作動可能なプロモータの例としては、ポリヘドリンプロモータ、P10プロモータ、オートグラファ・カリホルニカ・ポリヘドロシス塩基性タンパクプロモータ、バキュウロウイルス即時型初期遺伝子1プロモータ、またはバキュウロウイルス39K遅延型初期遺伝子プロモータ等がある。酵母宿主細胞で作動可能なプロモータの例としては、酵母解糖系遺伝子由来のプロモータ、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモータ、TPI1プロモータ、ADH2−4cプロモータなどが挙げられる。
糸状菌細胞で作動可能なプロモータの例としては、ADH3プロモータまたはtpiAプロモータなどがある。
また、本発明のDNAは必要に応じて、例えばヒト成長ホルモンターミネータまたは真菌宿主についてはTPI1ターミネータ若しくはADH3ターミネータのような適切なターミネータに機能的に結合されてもよい。本発明の組み換えベクターは更に、ポリアデニレーションシグナル(例えばSV40またはアデノウイルス5E1b領域由来のもの)、転写エンハンサ配列(例えばSV40エンハンサ)および翻訳エンハンサ配列(例えばアデノウイルス VA RNAをコードするもの)のような要素を有していてもよい。
本発明の組み換えベクターは更に、該ベクターが宿主細胞内で複製することを可能にするDNA配列を具備してもよく、その一例としてはSV40複製起点(宿主細胞が哺乳類細胞のとき)が挙げられる。
本発明の組み換えベクターはさらに選択マーカーを含有してもよい。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)またはシゾサッカロマイセス・ポンベTPI遺伝子等のようなその補体が宿主細胞に欠けている遺伝子、または例えばアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン若しくはヒグロマイシンのような薬剤耐性遺伝子を挙げることができる。
本発明のDNA、プロモータ、および所望によりターミネータおよび/または分泌シグナル配列をそれぞれ連結し、これらを適切なベクターに挿入する方法は当業者に周知である。
(4)本発明の形質転換体
本発明のDNA又は組み換えベクターを適当な宿主に導入することによって形質転換体を作製することができる。
本発明のDNAまたは組み換えベクターを導入される宿主細胞は、本発明のDNA構築物を発現できれば任意の細胞でよく、細菌、酵母、真菌および高等真核細胞等が挙げられる。
細菌細胞の例としては、バチルスまたはストレプトマイセス等のグラム陽性菌又は大腸菌等のグラム陰性菌が挙げられる。これら細菌の形質転換は、プロトプラスト法、または公知の方法でコンピテント細胞を用いることにより行なえばよい。
哺乳類細胞の例としては、HEK293細胞、HeLa細胞、COS細胞、BHK細胞、CHL細胞またはCHO細胞等が挙げられる。哺乳類細胞を形質転換し、該細胞に導入されたDNA配列を発現させる方法も公知であり、例えば、エレクトロポーレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等を用いることができる。
酵母細胞の例としては、サッカロマイセスまたはシゾサッカロマイセスに属する細胞が挙げられ、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevislae)またはサッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)等が挙げられる。酵母宿主への組み換えベクターの導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウム法等を挙げることができる。
他の真菌細胞の例は、糸状菌、例えばアスペルギルス、ニューロスポラ、フザリウム、またはトリコデルマに属する細胞である。宿主細胞として糸状菌を用いる場合、DNA構築物を宿主染色体に組み込んで組換え宿主細胞を得ることにより形質転換を行うことができる。DNA構築物の宿主染色体への組み込みは、公知の方法に従い、例えば相同組換えまたは異種組換えにより行うことができる。
昆虫細胞を宿主として用いる場合には、組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染させ、蛋白質を発現させることができる(例えば、Baculovirus Expression Vectors,A Laboratory Manual;及びカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Bio/Technology,6,47(1988)等に記載)。
バキュロウイルスとしては、例えば、ヨトウガ科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス(Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)等を用いることができる。
昆虫細胞としては、Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞であるSf9、Sf21〔バキュロウイルス・エクスプレッション・ベクターズ、ア・ラボラトリー・マニュアル、ダブリュー・エイチ・フリーマン・アンド・カンパニー(W.H.Freeman and Company)、ニューヨーク(New York)、(1992)〕、Trichoplusia niの卵巣細胞であるHiFive(インビトロジェン社製)等を用いることができる。
組換えウイルスを調製するための、昆虫細胞への組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム法又はリポフェクション法等を挙げることができる。
上記の形質転換体は、導入されたDNA構築物の発現を可能にする条件下で適切な栄養培地中で培養する。形質転換体の培養物から、本発明の蛍光融合蛋白質を単離精製するには、通常の蛋白質の単離、精製法を用いればよい。
例えば、本発明の蛋白質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、超音波破砕機等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られた上清から、通常の蛋白質の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファロース等のレジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S−Sepharose FF(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィー法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、精製標品を得ることができる。
(5)本発明の蛍光蛋白質及びそれを含む融合蛍光蛋白質の利用
本発明は蛍光蛋白質を他の蛋白質と融合させることにより、融合蛍光蛋白質を構築することができる。
本発明の融合蛍光蛋白質の取得方法については特に制限はなく、化学合成により合成した蛋白質でもよいし、遺伝子組み換え技術による作製した組み換え蛋白質でもよい。
組み換え蛋白質を作製する場合には、先ず当該蛋白質をコードするDNAを入手することが必要である。本明細書の配列表の配列番号1に記載したアミノ酸配列及び配列番号2に記載した塩基配列の情報を利用することにより適当なプライマーを設計し、本発明の蛍光蛋白質の遺伝子を含むDNA断片を鋳型にしてPCRを行うことにより、本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAを構築するのに必要なDNA断片を作製することができる。また同様に、融合すべき蛋白質をコードするDNA断片も入手する。
次いで、これらのDNA断片を順番に遺伝子組み換え技術により連結することにより、所望の融合蛍光蛋白質をコードするDNAを得ることができる。このDNAを適当な発現系に導入することにより、本発明の融合蛍光蛋白質を産生することができる。
本発明の蛍光蛋白質は、特に、標識としての利用価値が高い。即ち、本発明の蛍光蛋白質を被検アミノ酸配列との融合蛋白質として精製し、マイクロインジェクション法などの手法により細胞内に導入し、該融合蛋白質の分布を経時的に観察すれば、被検アミノ酸配列の細胞内におけるターゲッティング活性を検出することが可能である。
本発明の蛍光蛋白質を融合させる他の蛋白質(被検アミノ酸配列)の種類は特に限定されるものではないが、例えば、細胞内に局在する蛋白質、細胞内小器官に特異的な蛋白質、ターゲティングシグナル(例えば、核移行シグナル、ミトコンドリアプレ配列)等が好適である。なお、本発明の蛍光蛋白質は、マイクロインジェクション法などにより細胞内に導入する以外に、細胞内で発現させて用いることも可能である。この場合には、本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAが発現可能に挿入されたベクターが宿主細胞に導入される。
また、本発明の蛍光蛋白質は、レポーター蛋白質としてプロモーター活性の測定に用いることも可能である。即ち、被検プロモーターの下流に、本発明の蛍光蛋白質をコードするDNAが配置されたベクターを構築し、これを宿主細胞に導入し、該細胞から発せられる本発明の蛍光蛋白質の蛍光を検出することにより、被検プロモーターの活性を測定することが可能である。被検プロモーターとしては、宿主細胞内で機能するものであれば、特に制限はない。
上記被検アミノ酸配列のターゲティング活性の検出やプロモーター活性の測定において用いられるベクターとしては、特に制限はないが、例えば、動物細胞用ベクターでは、「pNEO」(P.Southern,and P.Berg(1982)J.MOl.Appl.Genet.1:327)、「pCAGGS」(H.Niwa,K.Yamamura,and J.Miyazaki.Gene 108,193−200(1991))、「pRc/CMV」(インビトロゲン社製)、「pCDM8」(インビトロゲン社製)などが、酵母用ベクターでは、「pRS303」,「pRS304」,「pRS305」,「pRS306」,「pRS313」,「pRS314」,「pRS315」,[pRS316](R.S.Sikorski and P.Hieter(1989)Genetics 122:19−27)、「pRS423」,「pRS424」,「pRS425」,「pRS426」(T.W.Christianson,R.S.Sikorski,M.Dante,J.H.Shero,and P.Hieter(1992)Gene 110:119−122)などが好適に用いられる。
また、使用可能な細胞の種類も特に限定されず、各種の動物細胞、例えば、L細胞、BalbC−3T3細胞、NIH3T3細胞、CHO(Chinese hamster ovary)細胞、HeLa細胞、NRK(normal rat kidney)細胞、「Saccharomyces cerevisiae」などの酵母細胞や大腸菌(E.coli)細胞などを使用することができる。ベクターの宿主細胞への導入は、例えば、リン酸カルシウム法やエレクトロポレーション法などの常法により行うことができる。
上記のようにして得た、本発明の蛍光蛋白質と他の蛋白質(蛋白質Xとする)とを融合させた融合蛍光蛋白質を細胞内で発現させ、発する蛍光をモニターすることにより、細胞内における蛋白質Xの局在や動態を分析することが可能になる。即ち、本発明の融合蛍光蛋白質をコードするDNAで形質転換またはトランスフェクトした細胞を蛍光顕微鏡で観察することにより細胞内における蛋白質Xの局在や動態を可視化して分析することができる。
例えば、蛋白質Xとして細胞内オルガネラに特異的な蛋白質を利用することにより、核、ミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体、分泌小胞、ペルオキソームなどの分布や動きを観察できる。
また、例えば、神経細胞の軸索、樹状突起などは発生途中の個体の中で著しく複雑な走向の変化を示すので、こういった部位を蛍光ラベルすることにより動的解析が可能になる。
本発明の蛍光蛋白質の蛍光は、生細胞のまま検出することが可能である。この検出は、例えば、蛍光顕微鏡(カールツァイス社 アキシオフォト フィルターセット 09)や画像解析装置(ATTO デジタルイメージアナライザー)などを用いて行うことが可能である。
顕微鏡の種類は目的に応じて適宜選択できる。経時変化を追跡するなど頻回の観察を必要とする場合には、通常の落射型蛍光顕微鏡が好ましい。細胞内の詳細な局在を追及したい場合など、解像度を重視する場合は、共焦点レーザー顕微鏡の方が好ましい。顕微鏡システムとしては、細胞の生理状態を保ち、コンタミネーションを防止する観点から、倒立型顕微鏡が好ましい。正立顕微鏡を使用する場合、高倍率レンズを用いる際には水浸レンズを用いることができる。
フィルターセットは蛍光蛋白質の蛍光波長に応じて適切なものを選択できる。本発明の蛍光蛋白質の場合は、励起光470〜490nm、蛍光500〜560nm程度のフィルターを使用することが好ましい。
また、蛍光顕微鏡を用いた生細胞での経時観察を行う場合には、短時間で撮影を行うべきなので、高感度冷却CCDカメラを使用する。冷却CCDカメラは、CCDを冷却することにより熱雑音を下げ、微弱な蛍光像を短時間露光で鮮明に撮影することができる。
(6)本発明のキット
本発明によれば、本明細書に記載した蛍光蛋白質、融合蛍光蛋白質、DNA、組み換えベクター又は形質転換体から選択される少なくとも1種以上を含むことを特徴とする、細胞内成分の局在の分析及び/又は生理活性物質の分析のためのキットが提供される。本発明のキットは、それ自体既知の通常用いられる材料及び手法で調製することができる。
蛍光蛋白質又はDNAなどの試薬は、適当な溶媒に溶解することにより保存に適した形態に調製することができる。溶媒としては、水、エタノール、各種緩衝液などを用いることができる。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例
実施例1:珊瑚からの新規蛍光蛋白遺伝子(Azami−Green)の単離
(1)total RNAの抽出
蛍光を放つ珊瑚より蛍光蛋白遺伝子の単離を行った。材料にはアザミサンゴ(Galaxea fascicularis)を用いた。アザミサンゴをハンマーで砕き、砕いたサンゴ8gに”TRIzol”(GIBCO BRL)を15ml加えて攪拌し、1500×gで10分間遠心した。上清にクロロホルム3mlを加え、15秒間攪拌した後、3分間静置した。7500×gで15分間遠心した。上清にイソプロパノール7.5mlを加え、15秒間攪拌した後、10分間静置した。17000×gで10分間遠心した。上清を捨て70%エタノールを6ml加えて17000×gで10分間遠心した。上清を捨て沈殿をDEPC水200μlで溶解した。DEPC水で溶解したtotal RNAを100倍に希釈してO.D.260とO.D.280の値を測定してRNA濃度を測った。300μgのtotal RNAを得た。
(2)First strand cDNAの合成
total RNA 3μgを使用し、First strand cDNAの合成キット”Ready To Go”(Amersham Pharmacia)によりcDNA(33μl)を合成した。
(3)Degenerated PCR
合成したFirst strand cDNA(33μl)のうち3μlを鋳型としてPCRを行った。
プライマーのデザインは既知の蛍光蛋白のアミノ酸配列を見比べて、似ている部分を抜き出し、塩基配列に変換し直し作製した。使用プライマーの配列を以下に記載する。
Figure 2003033693
(ここで、RはA又はGを示し、YはC又はTを示し、VはA、C又はGを示し、DはA、G又はTを示す。)
以下のPCR反応液組成を使用した。
テンプレート(first strand cDNA) 3μl
X10 taq バッファー 5μl
2.5mM dNTPs 4μl
100μM primer1 1μl
100μM primer2 1μl
ミリQ 35μl
taq polymerase(5U/μl) 1μl
以下のPCR反応条件を使用した。
94℃で1分(PAD)
94℃で30秒(変性)
52℃で30秒(アニーリング)
72℃で1分(プライマー伸長)
上記3ステップを30サイクル行い、アニーリング温度を1サイクルごとに0.3℃下げた。即ち、30サイクル時の温度は43℃となる。
72℃で7分(最後の伸長)
4℃(保持)
一回目のPCR反応で得られた増幅産物1μlをテンプレートとして、もう一度同じ条件でPCRを行った。アガロースゲル電気泳動で予想された大きさの350bpのバンドを切り出し、精製した。
(4)サブクローニング及び塩基配列の決定
精製したDNA断片をpT7−blue vector(Novagen)にライゲーションした。大腸菌株(TG1)にトランスフォーメーションしてブルーホワイトセレクションを行い、白いコロニーの大腸菌よりplasmid DNAを精製して、挿入されたDNA断片の塩基配列をDNAシークエンサーにより決定した。得られた塩基配列を他の蛍光蛋白遺伝子の塩基配列と比較してそのDNA塩基配列が蛍光蛋白由来のものであるかを判断した。蛍光蛋白遺伝子の一部であると判断したものに関して、5’−RACE法および3’−RACE法による遺伝子全長のクローニングを行った。
(5)5’−RACE法
Degenerated PCRで得られたDNA断片の5’側の塩基配列を決定するために5’−RACE System for Rapid Amplification of cDNA Ends,Version 2.0(GIBCO BRL)を用いて、5’−RACE法を行った。鋳型として(1)で調製したtotal RNAを3μg使用した。
dC−tailed cDNAの一回目の増幅には、
Figure 2003033693
のプライマーを用いた(ここで、Iはイノシンを示す)。
二回目の増幅には、
Figure 2003033693
のプライマーを用いた。PCR反応条件等はキットのプロトコールに準じた。
アガロースゲル電気泳動で、増幅された300bpのバンドを切り出し、精製した。精製したDNA断片をpT7−blue vector(Novagen)にライゲーションした。大腸菌株(TG1)にトランスフォーメーションしてブルーホワイトセレクションを行い、白いコロニーの大腸菌よりplasmid DNAを精製して、挿入されたDNA断片の塩基配列をDNAシークエンサーにより決定した。
(6)3’−RACE法
Degenerated PCRで得られたDNA断片の3’側部分は、(4)の塩基配列決定で得られた情報を基に作製したプライマーとオリゴdTプライマーのPCRで得た。鋳型として(2)で調製したfirst strand cDNAを3μl使用した。作成したプライマーは、5’−ACTATTTCAAGCAGACTTTT−3’(primer3)(配列番号9)である。
以下のPCR反応液組成を使用した。
テンプレート(first strand cDNA) 3μl
X10 taq バッファー 5μl
2.5mM dNTPs 4μl
20μM primer3 1μl
10μM oligo dT primer 1μl
ミリQ 35μl
taq polymerase(5U/μl) 1μl
以下のPCR反応条件を使用した。
94℃で1分(PAD)
94℃で30秒(変性)
55℃で30秒(アニーリング)
72℃で1分(プライマー伸長)
上記3ステップを30サイクル行った。
72℃で7分(最後の伸長)
4℃(保持)
アガロースゲル電気泳動で、増幅された850bpのバンドを切り出し、精製した。精製したDNA断片をpT7−blue vector(Novagen)にライゲーションした。大腸菌株(TG1)にトランスフォーメーションしてブルーホワイトセレクションを行い、白いコロニーの大腸菌よりplasmid DNAを精製して、挿入されたDNA断片の塩基配列をDNAシークエンサーにより決定した。
(7)大腸菌での蛋白発現
得られた全長の塩基配列より、蛋白のN末端、C末端に相当する部分でプライマーを作製し、(2)で調製したFirst strand cDNAを鋳型としてPCRを行った。全塩基配列および全アミノ酸配列を配列表の配列番号1及び配列番号2に記載する。使用したプライマーを以下に示す。
Figure 2003033693
以下のPCR反応液組成を使用した。
テンプレート(first strand cDNA) 3μl
X10 pyrobest バッファー 5μl
2.5mM dNTPs 4μl
20μM primer4 1μl
20μM primer5 1μl
ミリQ 35μl
pyrobest polymerase(5U/μl)1μl
以下のPCR反応条件を使用した。
94℃で1分(PAD)
94℃で30秒(変性)
55℃で30秒(アニーリング)
72℃で1分(プライマー伸長)
上記3ステップを30サイクル行った。
72℃で7分(最後の伸長)
4℃(保持)
アガロースゲルの電気泳動で、増幅された700bpのバンドを切り出し、精製してpET28 vector(Novagen)のNcoI、XhoI部位にサブクローニングして、大腸菌株(JM109−DE3)で発現させた。C末端にHis−tagが付くようにコンストラクトしたので発現蛋白はNi−Agarose gel(QIAGEN)で精製した。精製の方法は付属のプロトコールに準じた。次に精製した蛋白の性質を解析した。
(8)蛍光特性の解析
蛍光蛋白20μM(分子量27026.52)、50mM HEPES(pH7.5)溶液を用いて、吸収スペクトルを測定した。このスペクトルのピーク(492nm)の値よりモル吸光係数を計算した。450nmの吸収が0.003となるように蛍光蛋白を上記の緩衝液で希釈し、450nmで励起した時の蛍光スペクトルと540nmの蛍光による励起スペクトルを測定した。EGFP(CLONTECH)を同様に450nmの吸収が0.003となるようにして蛍光スペクトルを測定し、EGFPの量子収率を0.6として今回クローニングされた蛍光蛋白の量子収率を求めた。
結果を表1及び図1に示す。
Figure 2003033693
(9)pH感受性の測定
450nmの吸収が0.003となるように蛍光蛋白を50mM HEPES pH7.5で希釈し、450nmで励起した時の蛍光スペクトルと540nmの蛍光による励起スペクトルを測定した。EGFP(CLONTECH)も同様にpH7.5における450nmの吸収が0.003となるようにして蛍光スペクトルを測定し対照とした。各pHの緩衝液は次の通り、
pH4、4.5、5 : 酢酸バッファー
pH5.5、6.5、11 : リン酸バッファー
pH6 : MESバッファー
pH7 : MOPSバッファー
pH8 : HEPESバッファー
pH9、10 : グリシンバッファー
pH12.5 : 水酸化塩化物バッファー
測定結果は図2に示す。
(10)多量体形成の測定
蛍光蛋白を50mM HEPES pH7.5、150mM KClで平衡化して、光散乱による多量体形成の測定を昭光通商株式会社に依頼した。測定の結果、この蛍光蛋白は四量体(116K)および、わずかながら八量体(204K)を形成することが確認された。
光散乱の測定結果は、図3に示す。
実施例2:pH感受性変異体(AG−pH)の作成
Azami−GreenはpH感受性を持たず、pH5.5からpH12.5で安定なグリーンの蛍光を放つ。しかし、Azami−Greenの76番目のグルタミンをアルギニンに、106番目のアスパラギンをアスパラギン酸に、118番目のイソロイシンをトレオニンに、150番目のアスパラギン酸をグリシンに、157番目のバリンをアスパラギン酸に置き換えることでpH感受性を獲得した。この改変蛍光蛋白質をAG−pHとした。
AG−pHは、380nmと484nmに励起のピークを持つ。いずれの励起によっても蛍光スペクトルは501nmにピークを示す。メジャーな励起のピークが380nmであり、ストークスシフトは120nmと非常に大きな値となっている。マイナーな484nmの励起のピークはpH6からpH10に向かって値が増加するが、380nmの励起のピーク値は変化しない。そのため、380nmと484nmの励起光による蛍光値の比を測ることにより、pHを測定することがin vitro又は細胞内において可能である。従来のオワンクラゲ由来のGFPの改変体にも2つの励起ピークの増減でpH測定ができるものが存在するが(pHluorin)、AG−pHと違って片方のピークが一定値を取るものではない。したがって、この改変蛍光蛋白質は380nmのピークを励起することによりpHに左右される事なく蛍光測定を行う事も出来る(図4、5、6、7、8及び9)。
実施例3:単量体化変異体(mAG)の作成
Azami−Greenはホモの四量体を形成するが、123番目のバリンをトレオニンに、188番目のチロシンをアラニンに、190番目のフェニルアラニンをリジンに置き換えることによって、単量体に留まる変異体を取得した。光散乱測定により分子量の確認をした(34kDa)。この改変単量体蛍光蛋白質をmAGとした。mAGは野生型Azami−Greenと同じ蛍光極大505nm、励起極大492nmを示す(図10及び11)。
産業上の利用の可能性
本発明により、クラゲ以外の生物に由来する新規な蛍光蛋白質が提供されることになった。本発明の蛍光蛋白質は、所望の蛍光特性を有し、またpH感受性が低いことから、分子生物学的分析において有用である。
【配列表】
Figure 2003033693
Figure 2003033693
Figure 2003033693
Figure 2003033693
Figure 2003033693
Figure 2003033693
Figure 2003033693

【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のサンゴ由来の蛍光蛋白質(Azami−Green)とEGFPの蛍光特性を解析した結果を示す。
図2は、本発明のサンゴ由来の蛍光蛋白質(Azami−Green)とEGFPの蛍光強度のpH感受性を示す。
図3は、本発明のサンゴ由来の蛍光蛋白質を用いて光散乱による多量体形成を測定した結果を示す。
図4は、pH感受性変異体AG−pHの蛍光及び励起スペクトル(pH8.0)を示す。
図5は、pH6からpH9における励起スペクトルを示す。
図6は、380nmで励起、480nmで励起したときの蛍光値(520nm)のpHによる変動を示す。
図7は、480nmで励起、380nmで励起したときの蛍光値(520nm)の比を示す。
図8は、HeLa細胞でAG−pHを発現し、380nmと480nmで交互に励起したときの細胞内蛍光値のpHによる変動を示す。
HeLa S3トランスフェクション後50時間;減光90%;露光各100ms;15秒間隔測定;
Ex 380HT15,480DF10 Em 510ALP DM 505DRLP
レンズ40倍 Uapo/340 NA1.35
図9は、HeLa細胞でAG−pHを発現し、380nmと480nmで交互に励起したときの細胞内蛍光値の比を示す。
図10は、mAGの蛍光スペクトル及び励起スペクトルを示す。
図11は、光散乱測定結果を示す。

Claims (14)

  1. アザミサンゴ(Galaxea fascicularis)由来の下記の特性を有する蛍光蛋白質。
    (1)分子量は約27000;
    (2)平衡化状態で4量体を形成する;
    (3)励起極大波長が492nmであり、蛍光極大波長は505nmである;
    (4)モル吸光係数は74100である;
    (5)量子収率は0.625である;及び
    (6)pH5〜12の範囲において蛍光特性のpH感受性が低い:
  2. 以下の何れかのアミノ酸配列を有する蛍光蛋白質。
    (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列;又は、
    (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、蛍光特性を有するアミノ酸配列:
  3. 配列番号1に記載のアミノ酸配列において76番目のGlnをArgに、106番目のAsnをAspに、118番目のIleをThrに、150番目のAspをGlyに、そして157番目のValをAspに置換したアミノ酸配列を有する、蛍光蛋白質。
  4. 配列番号1に記載のアミノ酸配列において123番目のValをThrに、188番目のTyrをAlaに、190番目のPheをLysに置換したアミノ酸配列を有する、蛍光蛋白質。
  5. 請求項1から4の何れかに記載の蛍光蛋白質をコードするDNA。
  6. 以下の何れかのDNA。
    (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;又は、
    (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換及び/又は付加を有するアミノ酸配列を有し、蛍光特性を有するアミノ酸配列をコードするDNA:
  7. 以下の何れかの塩基配列を有するDNA。
    (a)配列番号2に記載の塩基配列;又は、
    (b)配列番号2に記載の塩基配列において1から数個の塩基の欠失、置換及び/又は付加を有する塩基配列を有し、蛍光特性を有する蛋白質をコードする塩基配列:
  8. 請求項5から7の何れかに記載のDNAを有する組み換えベクター。
  9. 請求項5から7の何れかに記載のDNA又は請求項8に記載の組み換えベクターを有する形質転換体。
  10. 請求項1から4の何れかに記載の蛍光蛋白質と他の蛋白質とから成る融合蛍光蛋白質。
  11. 他の蛋白質が細胞内に局在する蛋白質である、請求項10に記載の融合蛋白質。
  12. 他の蛋白質が細胞内小器官に特異的な蛋白質である、請求項10又は11に記載の融合蛋白質。
  13. 請求項10から12の何れかに記載の融合蛋白質を細胞内で発現させることを特徴とする、細胞内における蛋白質の局在または動態を分析する方法。
  14. 請求項1から4の何れかに記載の蛍光蛋白質、請求項5から7の何れかに記載のDNA、請求項8に記載の組み換えベクター、請求項9に記載の形質転換体、又は請求項10から12の何れかに記載の融合蛋白質を含む、蛍光試薬キット。
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