JPWO2002102725A1 - ガラス母材の製造方法およびガラス母材 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ガラス母材の製造方法およびガラス母材にかかり、OVD法によるガラス微粒子堆積体の合成を経て光ファイバ母材を製造する方法、特に金属系異物が低減された光ファイバ用ガラス母材に関する。
背景技術
従来、ガラス微粒子堆積体の製造方法としてはVAD法やOVD法が知られている。これらの合成方法は、ガラス微粒子合成用バーナーにガラス原料ガス及び燃焼ガス等を供給してガラス原料を酸水素火炎中で加水分解若しくは酸化することによりガラス微粒子を生成することを基本としている。
上記方法において、ガラス微粒子堆積体の脱水処理及び透明ガラス化処理方法としては特開昭61−270232号公報に示されているような手段がある。ここでは第1加熱処理においてガラス微粒子堆積体を脱水剤を用いて脱水し、続く第2加熱処理においては、不活性ガス(O2を含む)雰囲気中で透明ガラス化処理を行っている。これではガラス微粒子堆積体中の金属系異物を取り除く効果は低い。また、特開昭61−97141号公報では、ガラス微粒子堆積体を透明ガラス化する前に1100〜1300℃の温度で加熱処理を行い、径方向の嵩密度分布を均一化させた後、透明ガラス化させている。
この場合、He種等の気泡数を低減する効果はあるかもしれないが、ガラス微粒子堆積体中に混入している金属系異物を取り除く効果は低く、ファイバの断線は免れない。また、特開平9−169535号公報ではガラス微粒子堆積体(コア/クラッド)中の金属系異物を除去する手段が開示されている。ここでは、ガラス微粒子の原料ガスをろ過することで原料中の金属不純物を除去しているが、これではガラス微粒子堆積物を製造する雰囲気中に含まれる金属系異物がガラス微粒子堆積体中に混入するのを防ぐことができなかった。
特開2000−63147号公報には石英系光ファイバ母材を製造する方法において、径方向の塩素濃度分布の段差が塩素濃度として0.1重量%以下になるように作製することが開示されており、所望の特性を有する光ファイバ母材を得ることができるとしている。この場合、第2クラッド付きガラスロッドを焼結反応炉で不活性ガスと塩素ガスの混合ガス(塩素ガス濃度16モル%)雰囲気下に1470℃で脱水・焼結し、塩素ガスをドープして透明ガラス化しているが、ガラス微粒子堆積体中の金属系異物を低減する効果は不十分である。
上記方法では、ガラス微粒子堆積体中の金属系異物を効率的に低減することができないという問題があった。すなわち、ガラス微粒子堆積体を1000〜1300℃といった透明化温度より低い温度で脱水処理→He雰囲気中で透明ガラス化処理したガラス母材をファイバ化すると、ファイバのスクリーニング試験時に、金属系異物に起因する断線が生じ易いことがわかった。その対策としてガラス微粒子堆積体中に混入する不純物を抑制するための種々の研究を行ってはいるが、望ましい効果を得ることはできなかった。
発明の開示
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、透明ガラス化工程時に炉心管内雰囲気中に塩素系ガスを添加することでガラス微粒子堆積体中の金属系異物を効率的に低減し、それにより高純度、高品質のガラス母材を提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは、ガラス微粒子堆積体に取り込まれた金属系異物を加熱処理によって低減すべく検討を進めた結果、透明ガラス化工程時に炉心管内雰囲気中に塩素系ガスを添加した(塩素を含むガス)雰囲気中で作製したガラス母材を用いて作製したファイバのスクリーニング試験時の断線頻度が激減することを確認した。ここで塩素系ガスとは、塩素ガス、塩素化合物ガスを含むものとする。この金属系異物の除去メカニズムはガラス微粒子堆積体を高温の塩素雰囲気に露呈することで、ガラス微粒子堆積体中の金属系異物が塩化物化し易くなり、揮発除去されるものと考えられる。また、揮発除去されない場合にも、ガラス微粒子堆積体中で角のある形状を有している金属系異物が塩素の存在により、エッチングされほぼ球状に近づくため、スクリーニング試験時に金属系異物の混入箇所における応力集中を抑止することができるものと考えられる。
上記の本発明の目的は、以下の各発明又は態様によって達成することができる。なお、本明細書で「ヒータ温度」とは、「ヒータ中心位置におけるヒータ外表面温度」を意味する。またガラス微粒子堆積体とは、コアロッドの表面にクラッド層を形成するためのガラス微粒子堆積体を形成したもの、コアロッド表面にクラッド層の一部が形成されたコア/クラッドロッド表面にさらにクラッド層(ジャケット層)を形成するためのガラス微粒子堆積体を形成したものをさすものとする。
本発明の第1では、ガラス微粒子堆積体を、塩素を含むガス雰囲気中、すなわち塩素系ガスを含む雰囲気中で透明化する加熱工程を含むことを特徴とする。
望ましくは、前記加熱工程は、ガラス微粒子堆積体を脱水剤となる塩素系ガスを含むガス雰囲気中に露呈してガラス微粒子堆積体に吸着あるいはガラス微粒子堆積体内に含まれる水分を脱水処理する第1の加熱処理工程と、前記第1の加熱処理工程後、塩素系ガスを含むガス雰囲気中で前記ガラス微粒子堆積体を透明化する第2の加熱処理工程とを含むことを特徴とする。
望ましくは、前記加熱工程は、前記第1の加熱処理工程と第2の加熱処理工程との間に、さらに塩素系ガスを含むガス雰囲気中で加熱する第3の加熱処理工程を含むことを特徴とする。
望ましくは、前記加熱処理工程は、透明化に先立ち、塩素系ガスを含むガス雰囲気中で前記ガラス微粒子堆積体を加熱する第3の加熱処理工程とを含むことを特徴とする。
望ましくは、前記加熱工程は、前記ガラス微粒子堆積体を長手方向に順次移動させながら加熱を行う工程を含むことを特徴とする。
望ましくは、前記加熱工程は、各加熱処理工程の少なくとも一つにおいて、塩素系ガスを含む炉心管内雰囲気中に前記ガラス微粒子堆積体を曝し、加熱する工程を含むことを特徴とする。
望ましくは、前記加熱工程で透明化されたガラス母材のクラッド部中の残留塩素濃度が0.20重量%以上となるように加熱処理を行うようにしたことを特徴とする。なお残留塩素濃度は炉心管内の、塩素濃度、加熱温度、および加熱時間によってきまるため、これらの条件を調整するのが望ましい。
望ましくは、前記第1の加熱処理工程は、ヒータ温度が1000〜1350℃となるようにして加熱する工程であることを特徴とする。
望ましくは、前記第2の加熱処理工程は、ヒータ温度が1450〜1600℃となるようにして加熱する工程であることを特徴とする。
望ましくは、前記第3の加熱処理工程は、ヒータ温度が1350〜1450℃であることを特徴とする。
望ましくは、前記第1の加熱処理工程は、投入量(SLM)の比が塩素系ガス:Heガス=1:0〜10となるように、脱水剤の塩素系ガスを含むガスとともにHeガスを含む雰囲気中で加熱する工程であることを特徴とする。
望ましくは、前記第2の加熱処理工程は、投入量(SLM)の比が塩素系ガス:Heガス=1:0〜10となるように、塩素系ガスを含むガスとともにHeガスを含む雰囲気中で加熱する工程であることを特徴とする。
望ましくは、前記加熱工程、前記第3の加熱処理工程は、投入量(SLM)の比が塩素系ガス:Heガス=1:0〜10となるように、脱水剤としての塩素系ガスを含むガスとともにHeガスを含む雰囲気中で加熱する工程であることを特徴とする。
望ましくは、ガラス微粒子堆積体の平均嵩密度が0.4g/cm3〜1.0g/cm3であることを特徴とする。ガラス微粒子堆積体の平均嵩密度が0.4g/cm3〜1.0g/cm3である場合は従来技術によると不純物が低減しにくいが、本発明の方法によれば容易に低減することができ、平均嵩密度が0.4g/cm3〜1.0g/cm3である場合に本発明の方法は特に有効である。
望ましくは、ガラス微粒子堆積体の平均嵩密度が0.4g/cm3〜0.8g/cm3であることを特徴とする。特に、平均嵩密度が0.9g/cm3を越えるとガラス微粒子堆積体の透明ガラス化がやや困難となるため、より有効な範囲は0.4g/cm3〜0.8g/cm3である。
望ましくは、ガラス微粒子堆積体がコア/クラッド若しくはコアを有するコアガラスロッドの両端にダミーガラスロッドを溶融して作製した出発ガラスロッドの外側にガラス微粒子が堆積したものであることを特徴とする。
望ましくは、前記塩素系ガスを含むガス雰囲気中における加熱工程は、総加熱時間が140分以上であることを特徴とする。
望ましくは、前記ガラス微粒子堆積体はOVD法によって形成されたものであることを特徴とする。
本発明のガラス母材は、コアと、前記コアの周りを覆うように形成されたクラッドとを含み、前記クラッドの少なくとも一部の残留塩素濃度が0.2重量%以上であることを特徴とする。
望ましくは、前記クラッド全体の残留塩素濃度が0.2重量%以上であることを特徴とする。
すなわち、クラッドの一部を含むガラス微粒子堆積体を長手方向に順次移動させながら加熱を行い、該ガラス微粒子堆積体を透明化して母材を形成する加熱処理工程からなるガラス母材の製造方法において、好ましくは、全工程を通じてガラス微粒子堆積体(ガラス母材)を上若しくは下にトラバースさせる昇降機を用いて少なくともガラス母材を上若しくは下に移動させながら加熱を行い、かつ、母材を透明化する加熱工程においては炉心管内雰囲気中に塩素系ガスを含むガスを含ませることを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
次に本発明の実施の形態について説明する。
この方法では、ガラス微粒子堆積体中に取り込まれたOH基を除去するために、透明化温度より低い温度において塩素系ガスを含むガス雰囲気中にガラス微粒子堆積体を露呈(第1加熱処理)させた後、塩素系ガスを含むガス雰囲気中でガラス微粒子堆積体を透明ガラス化する際(第2加熱処理)に先立ち、塩素系ガスを含むガス雰囲気で加熱する(第3加熱処理)。
これにより、ガラス微粒子堆積体内の金属系異物が効率的に低減されるので、このガラス母材を用いて作製した光ファイバの強度を高めることができる。このように雰囲気を塩素系ガスを含むガス雰囲気とした第2加熱処理に先立ち、第3加熱処理工程を設け、雰囲気を塩素系ガスを含むガス雰囲気とした第2加熱工程より低い温度で加熱することにより、金属系異物を塩化物化するのに効果的である。これにより金属系異物が除去される、もしくは除去できなくても、金属系異物をほぼ球状化することによってガラスの強度を高めることができる。
ここで、堆積体表面が完全に透明化した状態では塩素系ガスをガラス中に添加することはできない。透明ガラス化工程に先立ち、塩素添加処理工程(第3加熱処理)を設けることにより、効率的に金属系異物の除去もしくは金属系異物の球状化を行うことができる。
また透明化工程(第2加熱処理工程)でも塩素添加処理は可能である。透明化温度で塩素をガラス微粒子中に添加可能な理由はガラス微粒子堆積体のガラス化速度より、塩素のガラス微粒子内への拡散速度のほうが速いためと考えられる。
また、第1加熱工程(脱水)と第2加熱工程(透明ガラス化)に対して別工程としては、塩素添加処理工程すなわち第3の加熱処理工程(金属系異物除去工程)を設けず、透明ガラス化のための加熱工程を異物除去のための塩素添加工程に利用してもよい。これにより、処理時間の短縮化をはかることができる。
さらにまた、第2加熱工程におけるトラバース速度はヒータ長さによっても異なるが、通常1〜10mm/分であり、金属系異物の低減効果と生産性、母材の引き伸び等を考慮すると好ましくは2〜5mm/分である。
図1は、本発明のガラス母材の製造方法を実施するのに適した装置を示すもので、この装置は、炉心管2を挿入するための出し入れ口を上下に有する炉体1、炉体1中に設置されたヒーター3、ヒーター3と母材9とを隔離する炉心管2、母材9挿入後に炉心管2上部の母材の出し入れ口を密封する上蓋4、ヒータ温度をモニターする放射温度計6、及び母材9を上若しくは下にトラバースさせる昇降機7からなる。
この装置を用いて、ガラス微粒子堆積体の脱水・焼結を次のようにして行う。先ず、コア/クラッド部を有するコアグラスロッドの両端にガラスダミーロッドを溶着して出発ガラスロッド10dを作製する。この出発ロッド10dの外周にガラス微粒子をOVD法により堆積させ、得られた堆積体を用いて上記図1に示される構成の装置により母材の脱水・焼結を行う。この際、ガラス微粒子堆積体の嵩密度を予め測定しておく。嵩密度は母材各個所の平均で0.4〜1.0g/cm3の範囲としておくのが好ましい。このガラス母材を図1におけるスタート位置Sに設置し、ヒータ温度を昇温させると同時に、炉心管内に特定比率のCl2とHeとの混合ガスを流す。ヒータ温度を特定温度範囲に保持し、そこから母材を適当な速度で下降させる(第1加熱工程)。母材が図1のトラバースの最終位置(最下端)Fに到着した時点で母材を引き上げてスタート位置Sに戻す。再度昇温を行い、炉心管内には特定比率のCl2とHeとの混合ガスを流し、特定温度範囲になった時点で母材を適当な速度で下降させ(第3加熱工程)、終点位置Fすなわち最下端に到着した時点で母材を引き上げる。
再び昇温を開始し、炉心管内には特定比率のCl2とHeとの混合ガスを流し、ヒーター温度が特定温度範囲になった時点で母材を適当な速度で下降させ(第2加熱工程)、終点位置Fすなわち最下端に到着した時点で母材を引き上げ、炉内ヒーターの電源を切る。こうして、作製した母材をファイバ化しスクリーニング試験を行い断線の頻度を調査して効果を確認する。
脱水工程(第1加熱工程)時のヒーター温度は、1000〜1350℃、特に1000〜1300℃に維持するのが好ましく、更に好ましくは1200〜1300℃の範囲に維持するのが好ましい。塩素添加工程(第3加熱工程)のヒータ温度は1350〜1450℃とするのが好ましい。また、焼結工程(第2加熱工程)のヒーター温度は、1450〜1600℃に維持するのが良く、更に好ましくは、1520〜1570℃の範囲で維持することが好ましい。
〔2〕1つの加熱工程で、脱水と、透明ガラス化と、金属系異物の除去もしくは金属系異物の球状化を同時に行う。このようにすることで、処理時間が短縮され、コストの低減をはかることができるという効果を奏効する。
〔3〕第1加熱処理工程と第2加熱処理工程の間に別の加熱工程を設け、さらに、別の加熱工程の間も炉心管内を塩素系ガスを含むガス雰囲気とすることでガラス微粒子堆積体中の金属系異物の除去もしくは金属系異物のほぼ球状化の効果はさらに高まる。これにより、処理時間は長くなるが、前記(1)、(2)よりファイバ強度が上がる効果が得られる。
〔4〕母材を透明化する加熱工程においては炉心管内雰囲気中に塩素を含ませるが、該透明化加熱工程の前に別の加熱工程を設け、この加熱工程中においても炉心管内雰囲気中に塩素を含ませることによってガラス微粒子堆積体中の金属系異物の除去もしくは金属系異物のほぼ球状化の効果を更に高めることができる。
〔5〕上記(1)〜(4)の方法において、第2加熱処理工程後のガラス母材中の残留塩素濃度が0.20重量%以上、好ましくは0.2〜0.33重量%となるようにすることにより、得られるファイバのスクリーニング試験時の断線頻度が減少するという効果が顕著に現れる。
〔6〕上記(1)又は(3)の方法において、第1加熱処理工程におけるヒーター温度を1000〜1350℃に限定することで、OH基の除去が効率的に行われる。
〔7〕上記(1)〜(4)の方法において、透明ガラス化時のヒーター温度を1450〜1600℃に限定することで、金属系異物の除去もしくは金属系異物のほぼ球状化とともにガラス微粒子堆積体を透明ガラス化できる。また、1600℃を超えると、ガラス母材が軟化して引き伸びる問題が生じる。
〔8〕上記(1)又は(4)の方法において、第1加熱工程と第2加熱工程の間に設けた加熱工程又は透明化工程の前に設ける加熱工程において、ヒーター温度を1350〜1450℃に限定することで効果的に金属系異物が除去されるもしくは金属系異物のほぼ球状化が達成される。
〔9〕上記(1)又は(3)の方法において、第1加熱工程で塩素系ガス/不活性ガスの投入量の比を1:0〜10に限定することでさらに効率よくOH基が除去される。ただし投入量の比が1:10超の場合は炉心管内雰囲気中の塩素濃度が低すぎるため、OH基の除去効果が低い。
〔10〕上記(1)〜(4)の方法において、透明ガラス化工程において塩素系ガス/不活性ガスの投入量の比を1:0〜10に限定することで効率よく金属系異物が除去されるもしくは金属系異物のほぼ球状化がなされる。ただし投入量の比が1:10超の場合は炉心管内雰囲気中の塩素濃度が低すぎるため、金属系異物の除去効果が低い。
〔11〕上記(1)又は(4)の方法において、新たに設けた加熱工程で塩素系ガス/Heガスの投入量の比を1:0〜10に限定することでさらに効率的に金属系異物が除去される。ただし投入量の比が1:10超の場合は炉心管内雰囲気中の塩素濃度が低すぎるため、金属系異物の除去効果が低い。
〔12〕上記(1)〜(11)の方法において、ガラス微粒子体積体のクラッド部分の平均嵩密度を0.4g/cm3〜1.0g/cm3に限定する。0.4g/cm3未満の場合は透明ガラス化時に炉心管雰囲気中に塩素系ガスを添加するとガラス中に塩素が入りすぎて気泡が生じる場合がある。また、1.0g/cm3をこえる嵩密度では熱が伝わりにくく、透明ガラス化が困難である。
〔13〕上記(1)〜(12)の方法において、ガラス微粒子堆積体としては、コア/クラッドを有するコアガラスロッドの外周にガラス微粒子を堆積させたものを用いるのが好ましい。その理由は、ファイバ中においてコアロッドの占める堆積割合は小さくコアロッド中に金属系異物が含まれる確率は低いが、逆にコアガラスロッドの外周に堆積したガラス微粒子をガラス化した部分はファイバ体積の90%以上を占め金属系異物が含まれる確率が高いためである。
〔14〕上記(1)〜(13)の方法において、ヒーターの上端から下端までを加熱領域とし、ガラス微粒子堆積体の長手方向各位置が炉心管内塩素雰囲気中において上記加熱領域を通過した時間(脱水(のための加熱時間)+透明化(のための加熱時間)若しくは透明化(のための加熱時間)のみ若しくは脱水(のための加熱時間)+α+透明化(のための加熱時間)若しくはα+透明化(のための加熱時間))、すなわち塩素雰囲気中で加熱した時間をトータルで140分以上とすることで金属系異物が低減される。140分未満の場合は金属系異物がガラス母材中に残存し易くなる。(ここでαは上記(1)の方法で脱水と透明化の間に追加した塩素添加加熱工程である第3の加熱処理工程若しくは上記(4)の方法で透明化の前に追加した塩素添加加熱工程である第3の加熱処理工程の時間を意味する)。
〔15〕特に、上記(1)〜(14)の方法により得られたガラス母材は、残存する塩素濃度が0.20重量%以上となり、それに伴いファイバ中の金属系異物が低減される。
以下、本発明を実施例、比較例により更に詳細に説明するが限定を意図するものではない。
各例で行われるスクリーニング試験は、ファイバ強度試験のことであり、通常海底用ファイバではファイバ長手方向で2%の引き伸び率となる荷重(1.8〜2.2kgf,1s)をファイバに与えて製品出荷前に低強度箇所を事前に切断しておく。これによってファイバ断線が多くなると、検査頻度や接続箇所が増加し、最終的なファイバコストが何倍にも跳ね上がることになる。
(実施例1)
コア/クラッド部を有する直径20mmのコアガラスロッドの両端にガラスダミーロッドを溶着して出発ガラスロッドを作製した。この出発ロッドの外周にガラス微粒子をOVD法により堆積させ、この堆積体を用いて、図1に示す構成の装置(ヒーター長:400mm)を用いて脱水・焼結を行い、ガラス母材を形成した。ガラス微粒子堆積体の嵩密度は事前に測定し、母材内各箇所の平均で0.7g/cm3であることを確認した。このガラス母材をスタート位置(図1)に設置し、炉内を昇温すると同時に炉心管内にCl2:5SLMとHe:20SLMの混合ガスを流した。ヒーター温度を1300℃にキープし、そこから母材を速度10mm/分で下降させた。トラバースの最下端(図1)に母材が到着した時点で母材を引き上げてスタート位置Sに戻した。同時に昇温を開始し、炉心管内にはCl2:5SLMとHe:20SLMの混合ガスを流した。ヒーター温度が1550℃になった時点で母材を速度3mm/分で下降させて、終了位置Fすなわち最下端に到着した時点で、母材を引き上げると同時に炉内ヒーターの電源を切り、母材を引き上げた。ガラス微粒子堆積体の長手方向各位置が炉心管内塩素雰囲気中においてヒーターを通過したトータル時間は173分であった。作製した母材をファイバ化し、スクリーニング試験を行った結果、10回/Mmの断線頻度となった。
このようにして得られたガラス母材中の残留塩素濃度は0.25重量%であった。塩素濃度測定にはイオンクロマトグラフを用いた(以下同じ)。
脱水時のヒーター温度は1000〜1350℃に維持するのが良く、さらに好ましくは1250〜1350℃の範囲で維持する事が好ましい。また、焼結時のヒーター温度は1450〜1600℃に維持するのが良く、さらに好ましくは1520〜1570℃の範囲で維持する事が好ましい。
(実施例2)
コア/クラッド部を有する直径20mmのコアガラスロッドの両端にガラスダミーロッドを溶着して出発ガラスロッドを作製した。この出発ロッドの外周にガラス微粒子をOVD法により堆積させ、この堆積体を用いて、図1に示す構成の装置(ヒーター長:400mm)を用いて母材の脱水・焼結を行った。ガラス微粒子堆積体の嵩密度は事前に測定し、母材内各箇所の平均で0.7g/cm3であることを確認した。このガラス母材をスタート位置(図1)に設置し、炉内を昇温すると同時に炉心管内にCl2:5SLMとHe:20SLMの混合ガスを流した。ヒーター温度を1550℃にキープし、そこから母材を速度2mm/分で下降させた。終了位置Fすなわち最下端に到着した時点で、母材を引き上げると同時に炉内ヒーターの電源を切り、母材を引き上げた。ガラス微粒子堆積体の長手方向各位置が炉心管内塩素雰囲気中においてヒーターを通過したトータル時間は200分であった。作製した母材をファイバ化し、スクリーニング試験を行った結果、10回/Mmの断線頻度となった。母材中の残留塩素濃度は0.22重量%であった。
焼結時のヒーター温度は1450〜1600℃に維持するのが良く、さらに好ましくは1520〜1570℃の範囲で維持する事が好ましい。
(実施例3)
コア/クラッド部を有する直径20mmのコアガラスロッドの両端にガラスダミーロッドを溶着して出発ガラスロッドを作製した。この出発ロッドの外周にガラス微粒子をOVD法により堆積させ、この堆積体を用いて、図1に示す構成の装置(ヒーター長:400mm)を用いて母材の脱水・焼結を行った。ガラス微粒子堆積体の嵩密度は事前に測定し、母材内各箇所の平均で0.7g/cm3であることを確認した。このガラス母材をスタート位置S(図1)に設置し、炉内を昇温すると同時に炉心管内にCl2:5SLMとHe:20SLMの混合ガスを流した。ヒーター温度を1300℃にキープし、そこから母材を速度10mm/分で下降させた。終了位置Fすなわちトラバースの最下端(図1)に母材が到着した時点で母材を引き上げてスタート位置に戻した。同時に昇温を開始し、炉心管内にはCl2:5SLMとHe:20SLMの混合ガスを流した。ヒーター温度が1400℃になった時点で母材を速度5mm/分で下降させて、最下端に到着した時点で、母材を引き上げてスタート位置に戻した。同時に昇温を開始し、炉心管内にはCl2:5SLMとHe:20SLMの混合ガスを流した。ヒーター温度が1550℃になった時点で母材を速度4mm/分で下降させて、最下端に到着した時点で、母材を引き上げると同時に炉内ヒーターの電源を切り、母材を引き上げた。ガラス微粒子堆積体の長手方向各位置が炉心管内塩素雰囲気中においてヒーターを通過したトータル時間は220分であった。作製した母材をファイバ化し、スクリーニング試験を行った結果、7回/Mmの断線頻度となった。
こうして得られたガラス母材中の残留塩素濃度は0.3重量%であった。
(実施例4)
コア/クラッド部を有する直径20mmのコアガラスロッドの両端にガラスダミーロッドを溶着して出発ガラスロッドを作製した。この出発ロッドの外周にガラス微粒子をOVD法により堆積させ、この堆積体を用いて、図1に示す構成の装置(ヒーター長:400mm)を用いて母材の脱水・焼結を行った。ガラス微粒子堆積体の嵩密度は事前に測定し、母材内各箇所の平均で0.2g/cm3であることを確認した。このガラス母材をスタート位置S(図1)に設置し、炉内を昇温すると同時に炉心管内にCl2:2SLMとHe:20SLMの混合ガスを流した。ヒーター温度を1300℃にキープし、そこから母材を速度10mm/分で下降させた。終了位置Fすなわちトラバースの最下端(図1)に母材が到着した時点で母材を引き上げてスタート位置Sに戻した。同時に昇温を開始し、炉心管内にはCl2:2SLMとHe:20SLMの混合ガスを流した。ヒーター温度が1550℃になった時点で母材を速度3mm/分で下降させて、終了位置Fすなわち最下端に到着した時点で、母材を引き上げると同時に炉内ヒーターの電源を切り、母材を引き上げた。ガラス微粒子堆積体の長手方向各位置が炉心管内塩素雰囲気中においてヒーターを通過したトータル時間は173分であった。作製した母材は塩素が入りすぎたため、ガラス母材中に気泡が若干発生したものの、ファイバ化し、スクリーニング試験を行った結果、11回/Mmの断線頻度となった。ガラス母材注の残留塩素濃度は0.32重量%であった。
(実施例5)
コア/クラッド部を有する直径20mmのコアガラスロッドの両端にガラスダミーロッドを溶着して出発ガラスロッドを作製した。この出発ロッドの外周にガラス微粒子をOVD法により堆積させ、この堆積体を用いて、図1に示す構成の装置(ヒーター長:400mm)を用いて母材の脱水・焼結を行った。ガラス微粒子堆積体の嵩密度は事前に測定し、母材内各箇所の平均で1.2g/cm3であることを確認した。このガラス母材をスタート位置S(図1)に設置し、炉内を昇温すると同時に炉心管内にCl2:5SLMとHe:20SLMの混合ガスを流した。ヒーター温度を1300℃にキープし、そこから母材を速度2mm/分で下降させた。終了位置Fすなわちトラバースの最下端(図1)に母材が到着した時点で母材を引き上げてスタート位置に戻した。同時に昇温を開始し、炉心管内にはCl2:5SLMとHe:20SLMの混合ガスを流した。ヒーター温度が1550℃になった時点で母材を速度0.5mm/分で下降させて、最下端に到着した時点で、母材を引き上げると同時に炉内ヒーターの電源を切り、母材を引き上げた。ガラス微粒子堆積体の長手方向各位置が炉心管内塩素雰囲気中においてヒーターを通過したトータル時間は1000分であった。ガラス微粒子堆積体が硬すぎたため熱がかかりにくく処理時間が長くかかったものの作製した母材を、ファイバ化し、スクリーニング試験を行った結果、13回/Mmの断線頻度となった。残留塩素濃度は0.2重量%であった。
(比較例1)
コア/クラッド部を有する直径20mmのコアガラスロッドの両端にガラスダミーロッドを溶着して出発ガラスロッドを作製した。この出発ロッドの外周にガラス微粒子をOVD法により堆積させ、この堆積体を用いて、図1に示す構成の装置(ヒーター長:400mm)を用いて母材の脱水・焼結を行った。ガラス微粒子堆積体の嵩密度は事前に測定し、母材内各箇所の平均で0.7g/cm3であることを確認した。このガラス母材をスタート位置S(図1)に設置し、炉内を昇温すると同時に炉心管内にCl2:5SLMとHe:20SLMの混合ガスを流した。ヒーター温度を1300℃にキープし、そこから母材を速度10mm/分で下降させた。終了位置Fすなわちトラバースの最下端(図1)に母材が到着した時点で母材を引き上げてスタート位置Sに戻した。同時に昇温を開始し、炉心管内にはHeガスのみを25SLM流した。ヒーター温度が1550℃になった時点で母材を速度3mm/分で下降させて、終了位置Fすなわち最下端に到着した時点で、母材を引き上げると同時に炉内ヒーターの電源を切り、母材を引き上げた。ガラス微粒子堆積体の長手方向各位置が炉心管内塩素雰囲気中においてヒーターを通過したトータル時間は40分であった。作製した母材をファイバ化し、スクリーニング試験を行った結果、100回/Mmの断線頻度となった。
こうして得られたガラス母材中の残留塩素濃度は0.17重量%であった。
(比較例2)
コア/クラッド部を有する直径20mmのコアガラスロッドの両端にガラスダミーロッドを溶着して出発ガラスロッドを作製した。この出発ロッドの外周にガラス微粒子をOVD法により堆積させ、この堆積体を用いて、図1に示す構成の装置(ヒーター長:400mm)を用いて母材の脱水・焼結を行った。ガラス微粒子堆積体の嵩密度は事前に測定し、母材内各箇所の平均で0.7g/cm3であることを確認した。このガラス母材をスタート位置S(図1)に設置し、炉内を昇温すると同時に炉心管内にはHeガスのみを25SLM流した。ヒーター温度を1550℃にキープし、そこから母材を速度2mm/分で下降させた。終了位置Fすなわち最下端に到着した時点で、母材を引き上げると同時に炉内ヒーターの電源を切り、母材を引き上げた。ガラス微粒子堆積体の長手方向各位置が炉心管内塩素雰囲気中においてヒーターを通過したトータル時間は0分であった。作製した母材をファイバ化し、スクリーニング試験を行った結果、200回/Mmの断線頻度となった。こうして得られた母材中の残留塩素濃度は0%であった。
(比較例3)
コア/クラッド部を有する直径20mmのコアガラスロッドの両端にガラスダミーロッドを溶着して出発ガラスロッドを作製した。この出発ロッドの外周にガラス微粒子をOVD法により堆積させ、この堆積体を用いて、図1に示す構成の装置(ヒーター長:400mm)を用いて母材の脱水・焼結を行った。ガラス微粒子堆積体の嵩密度は事前に測定し、母材内各箇所の平均で0.2g/cm3であることを確認した。このガラス母材をスタート位置S(図1)に設置し、炉内を昇温すると同時に炉心管内にCl2:5SLMとHe:20SLMの混合ガスを流した。ヒーター温度を1300℃にキープし、そこから母材を速度10mm/分で下降させた。終了位置Fすなわちトラバースの最下端(図1)に母材が到着した時点で母材を引き上げてスタート位置Sに戻した。同時に昇温を開始し、炉心管内にはCl2:5SLMとHe:20SLMの混合ガスを流した。ヒーター温度が1550℃になった時点で母材を速度4mm/分で下降させて、終了位置Fすなわち最下端に到着した時点で、母材を引き上げると同時に炉内ヒーターの電源を切り、母材を引き上げた。ガラス微粒子堆積体の長手方向各位置が炉心管内塩素雰囲気中においてヒーターを通過したトータル時間は140分であった。作製した母材は塩素が入りすぎたため、ガラス母材中に気泡が多発し、ファイバ化できなかった。残留塩素濃度は0.35重量%であった。
(比較例4)
コア/クラッド部を有する直径20mmのコアガラスロッドの両端にガラスダミーロッドを溶着して出発ガラスロッドを作製した。この出発ロッドの外周にガラス微粒子をOVD法により堆積させ、この堆積体を用いて、図1に示す構成の装置(ヒーター長:400mm)を用いて母材の脱水・焼結を行った。ガラス微粒子堆積体の嵩密度は事前に測定し、母材内各箇所の平均で1.2g/cm3であることを確認した。このガラス母材をスタート位置S(図1)に設置し、炉内を昇温すると同時に炉心管内にCl2:5SLMとHe:20SLMの混合ガスを流した。ヒーター温度を1300℃にキープし、そこから母材を速度10mm/分で下降させた。終了位置Fすなわちトラバースの最下端(図1)に母材が到着した時点で母材を引き上げてスタート位置に戻した。同時に昇温を開始し、炉心管内にはCl2:5SLMとHe:20SLMの混合ガスを流した。ヒーター温度が1550℃になった時点で母材を速度4mm/分で下降させて、最下端に到着した時点で、母材を引き上げると同時に炉内ヒーターの電源を切り、母材を引き上げた。ガラス微粒子堆積体の長手方向各位置が炉心管内塩素雰囲気中においてヒーターを通過したトータル時間は140分であった。作製した母材はガラス微粒子堆積体が硬すぎたため熱がかかりにくく未焼結となり、ファイバ化できなかった。残留塩素濃度は測定不能。
産業上の利用可能性
OVD法によるガラス微粒子堆積体の合成を經てガラス母材を製造する方法において、透明化工程のみの1段階加熱工程若しくは脱水工程及び透明化工程の2段階加熱工程若しくは、脱水工程と透明化工程の間に新たな加熱工程を設けて、どの加熱工程においても塩素系ガスを含むガスを流すことにより塩素による金属系異物低減効果が高められる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の方法を実施するための装置の概念図である。
1は炉体、2は炉心管、3はヒーター、4は上蓋、5は下蓋、6は放射温度計、7は昇降装置、8は吊り棒、9は母材、Sはスタート位置、Fは終了位置
Claims (20)
- ガラス微粒子堆積体を塩素系ガスを含むガス雰囲気中で透明化する加熱工程を含むことを特徴とするガラス母材の製造方法。
- 前記加熱工程は、ガラス微粒子堆積体を脱水剤となる塩素系ガスを含むガス雰囲気中に露呈してガラス微粒子堆積体に吸着あるいはガラス微粒子堆積体内に含まれる水分を脱水処理する第1の加熱処理工程と、
前記第1の加熱処理工程後、塩素系ガスを含むガス雰囲気中で前記ガラス微粒子堆積体を透明化する第2の加熱処理工程とを含むことを特徴とする請求の範囲1に記載のガラス母材の製造方法。 - 前記加熱工程は、前記第1の加熱処理工程と第2の加熱処理工程との間に、さらに塩素系ガスを含むガス雰囲気中で加熱する第3の加熱処理工程を含むことを特徴とする請求の範囲2に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記加熱処理工程は、透明化に先立ち、塩素系ガスを含むガス雰囲気中で前記ガラス微粒子堆積体を加熱する第3の加熱処理工程とを含むことを特徴とする請求の範囲1に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記加熱工程は、前記ガラス微粒子堆積体を長手方向に順次移動させながら加熱を行う工程を含むことを特徴とする請求の範囲1乃至4のいずれかに記載のガラス母材の製造方法。
- 前記加熱工程は、各加熱処理工程の少なくとも一つにおいて、塩素系ガスを含む炉心管内雰囲気中に前記ガラス微粒子堆積体を曝し、加熱する工程を含むことを特徴とする請求の1乃至4のいずれかに記載のガラス母材の製造方法。
- 前記加熱工程で透明化されたガラス母材のクラッド部中の残留塩素濃度が0.20重量%以上となる量の塩素を含有するように前記加熱処理を行うことを特徴とする請求の範囲1乃至4のいずれかに記載のガラス母材の製造方法。
- 前記第1の加熱処理工程は、ヒータ温度が1000〜1350℃となるようにして加熱する工程であることを特徴とする請求の範囲2または3に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記第2の加熱処理工程は、ヒータ温度が1450〜1600℃となるようにして加熱する工程であることを特徴とする請求の範囲1乃至4のいずれかに記載のガラス母材の製造方法。
- 前記第3の加熱処理工程は、ヒータ温度が1350〜1450℃であることを特徴とする請求の範囲3又は4記載のガラス母材の製造方法。
- 前記第1の加熱処理工程は、投入量(SLM)の比が素系ガス:Heガス=1:0〜10となるように、脱水剤の塩素系ガスとともにHeガスを含む雰囲気中で加熱する工程であることを特徴とする請求の範囲項2又は3に記載のガラス母材の製造方法。
- 前記第2の加熱処理工程は、投入量(SLM)の比が塩素系ガス:Heガス=1:0〜10となるように、塩素系ガスとともにHeガスを含む雰囲気中で加熱する工程であることを特徴とする請求の範囲1乃至4のいずれかに記載のガラス母材の製造方法。
- 前記加熱工程、前記第3の加熱処理工程は、投入量(SLM)の比が塩素系ガス:Heガス=1:0〜10となるように、塩素系ガスとともにHeガスを含む雰囲気中で加熱する工程であることを特徴とする請求の範囲3または4に記載のガラス母材の製造方法。
- ガラス微粒子堆積体の平均嵩密度が0.4g/cm3〜1.0g/cm3であることを特徴とする請求の範囲1乃至4のいずれかに記載のガラス母材の製造方法。
- ガラス微粒子堆積体の平均嵩密度が0.4g/cm3〜0.8g/cm3であることを特徴とする請求の範囲1乃至4のいずれかに記載のガラス母材の製造方法。
- ガラス微粒子堆積体がコアのみ若しくはコア/クラッドを有するコアガラスロッドの両端にダミーガラスロッドを溶融して作製した出発ガラスロッドの外側にガラス微粒子が堆積したものであることを特徴とする請求の範囲1乃至4のいずれかに記載のガラス母材の製造方法。
- 前記塩素系ガスを含むガス雰囲気中における加熱工程は、総加熱時間が140分以上であることを特徴とする請求の範囲1乃至4いずれかに記載のガラス母材の製造方法。
- 前記ガラス微粒子堆積体はOVD法によって形成されたものであることを特徴とする請求の範囲1乃至4いずれかに記載のガラス母材の製造方法。
- コアと、前記コアの周りを覆うように形成されたクラッドとを含み、前記クラッドの少なくとも一部の残留塩素濃度が0.2重量%以上であることを特徴とするガラス母材。
- 前記クラッド全体の残留塩素濃度が0.2重量%以上であることを特徴とする請求の範囲19に記載のガラス母材。
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