JPWO2002101237A1 - 可変容量圧縮機 - Google Patents
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Abstract
大きなソレノイド力を必要としない電磁制御弁を使用することができる可変容量圧縮機を提供することを目的とする。吐出室(10)から凝縮器へ向かう冷媒流路(13)に電磁比例式流量制御弁(12)を設け、吐出室(10)からクランク室(1)へ通じる冷媒流路に定差圧弁(14)を設け、クランク室(1)から吸入室(9)へ通じる冷媒流路に固定オリフィス(15)を設け、電磁比例式流量制御弁(12)の前後に発生する差圧(Pd,Pd’)を定差圧弁(14)が感知してクランク室(1)に導入する圧力を制御する構成にした。これにより、定差圧弁(14)は電磁比例式流量制御弁(12)によって設定された開度の絞りを通過する冷媒の前後差圧が一定になるようクランク室(1)の圧力(Pc)を制御するため、吐出される冷媒の流量(Qd)がエンジン回転数変動などに因らず一定になる。差圧は小さなソレノイド力で制御できるため、小型化が可能である。
Description
技術分野
本発明は可変容量圧縮機に関し、特に自動車用空調装置の冷凍サイクルの中で冷媒ガスを圧縮するのに使用される可変容量圧縮機に関する。
背景技術
自動車用空調装置の冷凍サイクル中で冷媒を圧縮するために用いられる圧縮機は、エンジンを駆動源としているので、回転数制御を行うことができない。そこで、エンジンの回転数に制約されることなく適切な冷房能力を得るために、冷媒の圧縮容量を変えることができる可変容量圧縮機が用いられている。
このような可変容量圧縮機においては、エンジンによって回転駆動される軸に取り付けられた揺動板に圧縮用ピストンが連結され、揺動板の角度を変えることによってピストンのストロークを変えることで冷媒の吐出量を変えるようにしている。
揺動板の角度は、密閉されたクランク室内に圧縮された冷媒の一部を導入し、その導入する冷媒の圧力を変化させ、ピストンの両面にかかる圧力の釣り合いを変化させることによって連続的に変えている。
冷媒の吐出口とクランク室との間またはクランク室と吸入口との間には、電磁制御弁が設けられている。この電磁制御弁は、それらの前後差圧を所定値に保つように連通または閉塞させる制御をしており、差圧の所定値を電流値によって外部から設定することができるようになっている。これにより、エンジンの回転数が上昇したときには、クランク室に導入される圧力が増加して圧縮できる容量を小さくし、回転数が低下したときには、クランク室に導入される圧力が減少して圧縮できる容量を大きくするようにして可変容量圧縮機から吐出される冷媒の圧力を一定に保つようにしている。
ところで、自動車用空調装置の冷凍サイクルに使用されている冷媒としては、代替フロンHFC−134aが一般的に用いられるが、近年、冷媒の臨界温度を越えた超臨界域で冷凍作用を行わせる、たとえば二酸化炭素を冷媒とする冷凍サイクルが開発されている。
しかしながら、圧縮機の吐出圧力に応じてクランク室へ導入する圧力を制御する電磁制御弁において、二酸化炭素を冷媒とするような冷凍サイクルでは、冷媒を超臨界域まで昇圧させるため、冷媒の吐出口とクランク室との間または吐出口と吸入口との間の差圧が非常に高くなり、差圧を制御するためのソレノイド力も大きくなって、大型のソレノイドが必要になり、その結果、電磁制御弁の大型化を招き、コストアップに繋がるという問題点があった。
発明の開示
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、一般的なHFC−134aを冷媒とする冷凍サイクルはもちろん、超臨界で作動するような高圧の冷媒を用いた冷凍サイクルにおいても大きなソレノイド力を必要としない電磁制御弁を使用することができる可変容量圧縮機を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、気密に形成されたクランク室内で回転軸に対して傾斜角可変に設けられて前記回転軸の回転駆動により揺動運動をする揺動体と、前記揺動体に連結されて前記揺動体の揺動運動で前記軸線の方向に往復動することにより冷媒の吸入室からシリンダ内への吸入、圧縮およびシリンダから吐出室への吐出を行うピストンとを有する可変容量圧縮機において、前記吸入室へ通じる吸入側冷媒流路または前記吐出室へ通じる吐出側冷媒流路内に配置されて外部条件の変化に応じて開度を設定できる可変オリフィスと、前記吐出室から前記クランク室へ通じる第1の冷媒流路および前記クランク室から前記吸入室へ通じる第2の冷媒流路の任意の位置に配置されて前記可変オリフィスの前後に発生する差圧を感知して前記差圧が所定値になるよう開度調整を行う定差圧弁と、前記第1の冷媒流路および前記第2の冷媒流路の任意の位置に配置された固定オリフィスと、を備え、前記吸入室へ流入する冷媒の流量または前記吐出室から吐出される冷媒の流量を略一定になるようにしたことを特徴とする可変容量圧縮機が提供される。
このような可変容量圧縮機によれば、定差圧弁は、可変オリフィスの前後に発生する差圧を感知して、その差圧が一定になるようクランク室の圧力を制御する。これにより、ある流路面積に設定された可変オリフィスの前後差圧が一定であるため、吸入側および吐出側を流れる冷媒流量は一定に制御されることになる。また、冷媒流量は差圧を制御することで決定できるが、その差圧は小さなソレノイド力で制御することができ、ソレノイド部の小型化が可能である。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図、図2は第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機の定差圧弁の詳細を示す断面図、図3は第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機の電磁比例式流量制御弁の詳細を示す断面図である。
本発明による可変容量圧縮機は、気密に形成されたクランク室1を有し、中には回転自在に支持された回転軸2を有している。この回転軸2の一端は、図示しない軸封装置を介してクランク室1の外まで延びていて、クラッチおよびベルトを介してエンジンの出力軸から駆動力が伝達されるプーリ3が固定されている。回転軸2には、揺動板4が傾斜角可変に設けられている。回転軸2の軸線の回りには、複数(図示の例では1つ)のシリンダ5が配置されている。各シリンダ5には、揺動板4の回転運動を往復運動に変換するピストン6が配置されている。各シリンダ5は、それぞれ吸入用リリーフ弁7および吐出用リリーフ弁8を介して吸入室9および吐出室10に接続されている。
なお、可変容量圧縮機は、複数のシリンダ5を備えているが、各シリンダ5に隣接して形成される吸入室9および吐出室10は、互いに連通して1つの部屋になっており、それぞれ吸入側の冷媒流路11と吐出側の冷媒流路13とに接続されている。
吸入室9は、蒸発器に連通する冷媒流路11に接続され、吐出室10は、電磁比例式流量制御弁12を介して凝縮器またはガスクーラに連通する冷媒流路13に接続される。電磁比例式流量制御弁12は、吐出室10から冷媒流路13へ連通する流路面積を外部信号によって比例的に変化させることができる可変オリフィスを構成している。
吐出室10は、また、定差圧弁14を介してクランク室1に接続され、クランク室1は固定オリフィス15を介して吸入室9に接続されている。定差圧弁14は、また、吐出室10の吐出圧力Pdおよび電磁比例式流量制御弁12を通ってきた冷媒流路13の圧力Pd’とを導入し、電磁比例式流量制御弁12の前後に発生する差圧が一定になるように、吐出室10からクランク室1、さらにはクランク室1から固定オリフィス15を介して吸入室9へ流れる冷媒を制御する弁である。なお、Psは吸入圧力、Pcはクランク室圧力、Qdは吐出流量を表わしている。
電磁比例式流量制御弁12は、図2に示したように、弁部21およびソレノイド部22から構成されている。弁部21は、吐出室10の吐出圧力Pdを導入するポート23と、この弁部21にて減圧された圧力Pd’を冷媒流路13へ導出するポート24とを有し、これらを連通する流路には、弁座25が形成され、この弁座25の上流側にボール形状の弁体26が弁座25に対向して配置されている。ポート23の開口端にはアジャストねじ27が螺着されており、弁体26とアジャストねじ27との間には、弁体26を閉じる方向に付勢するスプリング28が配置されている。また、弁体26は弁孔を介して軸線方向に延びるシャフト29の一端に当接しており、このシャフト29の他端は、軸線方向に進退自在に配置されたピストン30に固定されている。このピストン30は弁孔とほぼ同じ断面積を有し、弁体26より下流側の圧力Pd’が軸線両方向に対して等しくかかるようにして弁体26の制御に圧力Pd’が影響しないようにしている。また、弁体26の上流側空間とピストン30のソレノイド部側空間との間には、連通路29aが設けられており、ピストン30の背圧側に吐出圧力Pdを導入して、弁体26にかかる吐出圧力Pdをキャンセルするようにしている。
ソレノイド部22は、円筒状の中空部を有する電磁コイル31が設けられ、その円筒状の中空部にはスリーブ32が設けられている。このスリーブ32の弁部21側には、固定鉄芯をなすコア33が圧入固定され、スリーブ32の中には、可動鉄芯をなすプランジャ34が軸線方向に移動可能に遊挿配置されている。コア33およびプランジャ34の軸線位置にはシャフト35が貫通配置され、その一端はガイド36によってコア33に支持され、他端はスリーブ32の図の上端に設けられたキャップ37にガイド38を介して支持されている。シャフト35のほぼ中央部には、Eリング39が嵌着されており、プランジャ34がコア33に吸着するよう移動したとき、シャフト35も一緒に移動するようにしている。これにより、プランジャ34が図の下方へ移動すると、シャフト35が図の下端に当接されているピストン30を押し、弁体26を開く方向に作用する。その移動量は、電磁コイル31に供給する電流値に比例する。したがって、この電磁比例式流量制御弁12を通る冷媒の流路面積は、電磁コイル31に供給される制御電流の値によって決めることができる。このソレノイド部22は、弁部21を通過する吐出流量Qdによって小さな差圧を生じさせるよう制御するためのもので、高圧を直接制御するものではないため、ソレノイド力は小さくて済み、したがって、この部分の構成を小型化することができる。
定差圧弁14は、図3に示したように、ボディ40に、吐出室10の吐出圧力Pdを導入するポート41と、この定差圧弁14で制御された圧力Pcをクランク室1へ導入するポート42と、電磁比例式流量制御弁12によって減圧された圧力Pd’を導入するポート43とを有している。
ポート41とポート42とを連通する流路には、弁座44が形成され、この弁座44の上流側に弁体45が弁座44に対向して配置されている。この弁体45には、フランジが設けられていて、弁座44との間に弁体45を開く方向へ付勢するスプリング46が配置されている。
弁体45と同軸上には、軸線方向に進退自在に配置されて両面にポート41からの吐出圧力Pdとポート43からの圧力Pd’とを受ける感圧ピストン47が設けられており、一体に形成されたシャフト48によって弁体45に固定されている。
感圧ピストン47の図の下方には、スプリング荷重調整用のアジャストねじ49がボディ40に螺着され、感圧ピストン47とアジャストねじ49との間には、弁体45を閉じる方向に感圧ピストン47を付勢するスプリング50が配置されている。
以上の構成の可変容量圧縮機において、エンジンから駆動力が伝達されて回転軸2が回転すると、その回転軸2に設けられた揺動板4が回転する。すると、揺動板4の外周部に連結されたピストン6が往復運動し、これによって吸入室9の冷媒がシリンダ5に吸入され、シリンダ5内で圧縮され、圧縮された冷媒が吐出室10へ吐出される。
このとき、電磁比例式流量制御弁12は、所定の制御電流の供給を受けて、凝縮器に連通する冷媒流路13を絞り、所定の大きさのオリフィスを形成し、冷媒流量Qdによって所定の差圧(Pd−Pd’)を発生させるようにしている。
また、定差圧弁14は、感圧ピストン47が所定の差圧(Pd>Pd’)を受け、それによって発生する図の下向きの力とスプリング46,50の荷重とが釣り合う位置に弁体45が静止し、弁開度が制御されている。したがって、制御電流によって決まる電磁比例式流量制御弁12の前後差圧を定差圧弁14が感知し、定差圧弁14は、その差圧があらかじめ設定された所定値(すなわち、一定流量)になるよう弁開度を調整して、クランク室1に導入される冷媒の流量を制御している。
ここで、エンジン回転数が上昇するなどして、電磁比例式流量制御弁12の前後に発生する差圧が大きくなった場合、冷媒の吐出圧力Pdが上昇するので、走差圧弁14の感圧ピストン47は、図3の下方へ移動し、これに伴って弁体45は開く方向へ作用する。これにより、吐出室10からクランク室1へ導入される冷媒が増えるようになり、クランク室1の圧力Pcが上昇して、可変容量圧縮機は、最少運転側に制御されて吐出する冷媒の流量を減らすようにする。これは、電磁比例式流量制御弁12の前後の差圧がソレノイド部22によって設定された弁開度に対応する差圧になるまで継続され、この結果、冷媒の吐出流量Qdは、一定に保たれることになる。
逆に、エンジン回転数が低下するなどして電磁比例式流量制御弁12の前後に発生する差圧が小さくなった場合、冷媒の吐出圧力Pdが低下するので、定差圧弁14の感圧ピストン47は、図3の上方へ移動し、これに伴って弁体45は閉じる方向へ作用する。これにより、クランク室1へ導入される冷媒流量が減少し、クランク室1の圧力Pcが低下し、可変容量圧縮機は、最大運転側に制御されて吐出する冷媒の流量を増やすようにする。これは、電磁比例式流量制御弁12の前後の差圧がソレノイド部22によって設定された弁開度に対応する差圧になるまで継続され、冷媒の吐出流量Qdは、一定に保たれることになる。
このように、定差圧弁14が吐出側の冷媒流路13に設けられた電磁比例式流量制御弁12の前後差圧を感知し、その差圧に応じて定差圧弁14が吐出室10からクランク室1へ導入する冷媒の流量を制御することにより、可変容量圧縮機から吐出される冷媒の吐出流量Qdを、電磁比例式流量制御弁12によって決められた差圧に対応する一定の流量に制御するようにしている。
図4は第2の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図、図5は第2の実施の形態に係る可変容量圧縮機の定差圧弁の詳細を示す断面図である。なお、図4および図5において、図1および図3に示した構成要素と同じまたは同等の要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この第2の実施の形態では、第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機と比較して、電磁比例式流量制御弁12については、設置される場所および構造は同じであるが、定差圧弁14aについては、吐出圧力Pdを導入する方向を弁開方向にし、弁構造を変更している。
定差圧弁14aは、図5に示したように、ボディ40に、吐出室10の吐出圧力Pdを導入するポート41と、この定差圧弁14で制御された圧力Pcをクランク室1へ導入するポート42と、電磁比例式流量制御弁12によって減圧された圧力Pd’を導入するポート43とを有している。
吐出圧力Pdを導入するポート41の側に弁座44が形成され、この弁座44の下流側に弁座44に対向して弁体45aが配置されており、この弁体45aを開く方向へ付勢するスプリング46が配置されている。
感圧ピストン47aは、弁体45aと同軸上に軸線方向に進退自在に配置され、弁孔と同じ径を有している。また、感圧ピストン47aは、弁体45aに固定されており、スプリング50によって弁体45aを閉じる方向に付勢されている。
このような構成の可変容量圧縮機においても、第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機と同じであり、定差圧弁14aが電磁比例式流量制御弁12の前後差圧を感知し、その差圧に応じて定差圧弁14aが吐出室10からクランク室1へ導入する冷媒の流量を制御することにより、可変容量圧縮機から吐出される冷媒の吐出流量Qdを、電磁比例式流量制御弁12によって決められた差圧に対応する一定の流量に制御するようにしている。
図6は第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図、図7は第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機の定差圧弁の詳細を示す断面図である。なお、図6および図7において、図1および図3に示した構成要素と同じまたは同等の要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機では、蒸発器から吸入室9に連絡された冷媒流路11の途中に電磁比例式流量制御弁12を設け、吐出室10とクランク室1とを連通させる冷媒流路の途中に吐出容量を制御する定差圧弁14bを設け、クランク室1と吸入室9との間の冷媒流路の途中に固定オリフィス15を設けている。また、電磁比例式流量制御弁12の上流側および下流側における圧力Pe,Psを定差圧弁14bにそれぞれ導入するための流路も形成されている。
電磁比例式流量制御弁12は、第1および第2の実施の形態で使用したものと同じ構造を有している。ただし、第1および第2の実施の形態では、冷媒の流れを弁閉の方向にしてあるのに対し、本実施の形態では、冷媒の流れを弁開の方向にしてある。
定差圧弁14bは、図7に示したように、ボディ40に、吐出室10の吐出圧力Pdを導入するポート41と、この定差圧弁14bで制御された圧力Pcをクランク室1へ導入するポート42と、蒸発器から導入された圧力Peを導入するポート51と、電磁比例式流量制御弁12を通過して吸入された吸入室9の吸入圧力Psを導入するポート52とを有している。
ポート41とポート42とを連通する流路には、弁座44が形成され、この弁座44の上流側にこの弁座44に対向して弁体45が配置されている。この弁体45には、フランジが設けられていて、弁座44との間に弁体45を開く方向へ付勢するスプリング46が配置されている。
弁体45と同軸上には、軸線方向に進退自在に配置されて両面にポート51からの圧力Peとポート52からの吸入圧力Psとを受けるようにした感圧ピストン47が設けられている。この感圧ピストン47は、スプリング50によって弁体45を閉じる方向に付勢されている。
以上の構成の可変容量圧縮機において、エンジンの駆動力によって回転軸2が回転し、その回転軸2に設けられた揺動板4が回転すると、揺動板4に連結されたピストン6が往復運動し、これによって吸入室9の冷媒がシリンダ5に吸入され、シリンダ5内で圧縮され、圧縮された冷媒が吐出室10へ吐出される。
このとき、電磁比例式流量制御弁12は、所定の制御電流の供給を受けて、蒸発器から吸入室9に連通する冷媒流路を絞り、所定の大きさのオリフィスを形成して吸入室9に吸入される冷媒流量Qsによって所定の差圧(Pe−Ps)を発生させるようにしている。
また、定差圧弁14bは、感圧ピストン47が所定の差圧(Pe>Ps)を受け、それによって発生する図の下向きの力とスプリング46,50の荷重とが釣り合う位置に弁開度が制御されている。したがって、制御電流によって決まる電磁比例式流量制御弁12の前後差圧を定差圧弁14bが感知し、定差圧弁14bは、その差圧があらかじめ設定された所定値になるよう弁開度を調整して、クランク室1に導入される冷媒の流量を制御している。これにより、吸入室9に吸入される冷媒の流量Qsが一定に制御されることにより、吐出室10から吐出される冷媒の流量Qdが一定に制御されることになる。
ここで、エンジン回転数が上昇するなどして、可変容量圧縮機の吐出容量が大きく変化することで電磁比例式流量制御弁12の前後に発生する差圧が大きくなった場合、冷媒の吸入圧力Psが低下するので、定差圧弁14bの感圧ピストン47は、図7の下方へ移動し、これに伴って弁体45は開く方向へ作用する。これにより、吐出室10からクランク室1へ導入される冷媒が増えるようになり、クランク室1の圧力Pcが上昇して、可変容量圧縮機は、最少運転側に制御され、吸入する冷媒の流量を減らすようにする。これは、電磁比例式流量制御弁12の前後の差圧がソレノイド部22によって設定された弁開度に対応する差圧になるまで継続され、この結果、冷媒の吸入流量Qsが一定に保たれるため、冷媒の吐出流量Qdも一定に保たれることになる。
逆に、エンジン回転数が低下するなどして、可変容量圧縮機の吐出容量が小さく変化することで電磁比例式流量制御弁12の前後に発生する差圧が小さくなった場合、冷媒の吸入圧力Psが上昇するので、定差圧弁14bの感圧ピストン47は、図7の上方へ移動し、これに伴って弁体45は閉じる方向へ作用する。これにより、クランク室1へ導入される冷媒流量が減少し、クランク室1の圧力Pcが低下し、可変容量圧縮機は、最大運転側に制御されて、吸入する冷媒の流量を増やすようにする。これは、電磁比例式流量制御弁12の前後の差圧がソレノイド部22によって設定された弁開度に対応する差圧になるまで継続され、この結果、冷媒の吸入流量Qsが一定に保たれるため、冷媒の吐出流量Qdも一定に保たれることになる。
このように、定差圧弁14bが吸入側の冷媒流路11に設けられた電磁比例式流量制御弁12の前後差圧を感知し、その差圧に応じて定差圧弁14bが吐出室10からクランク室1へ導入する冷媒の流量を制御することにより、可変容量圧縮機に吸入される冷媒の吸入流量Qsを、電磁比例式流量制御弁12によって決められた差圧に対応する一定の流量に制御し、これによってエンジンの回転数変動に拘らず吐出流量Qdが一定に制御された定流量圧縮機を構成している。
図8は第4の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図である。なお、図8において、図6に示した構成要素と同じまたは同等の要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この第4の実施の形態では、第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機と比較して、定差圧弁14bに吐出圧力Pdを導入するポートと定差圧弁14bからクランク室1へ通じるポートとを入れ換えた構成にしている。すなわち、吐出室10は、定差圧弁14bの先端部のポート42に連通され、クランク室1は、定差圧弁14bの側部のポート41に連通されている。それ以外の構成は、第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機と同じである。
また、このような構成の動作も、第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機と同じであり、定差圧弁14bが吸入側の冷媒流路11に設けられた電磁比例式流量制御弁12の前後差圧を感知し、その差圧に応じて定差圧弁14bが吐出室10からクランク室1へ導入する冷媒の流量を制御することにより、可変容量圧縮機に吸入される冷媒の吸入流量Qsを、電磁比例式流量制御弁12によって決められた差圧に対応する一定の流量に制御し、これによってエンジンの回転数や外部の負荷が変わっても吐出流量Qdが変化しない定流量圧縮機を構成している。
なお、上記の実施の形態では、定差圧弁を吐出室からクランク室へ連通する冷媒流路内に設け、固定オリフィスをクランク室から吸入室へ連通する冷媒流路内に設けるように構成したが、これら定差圧弁および固定オリフィスは、吐出室からクランク室を通って吸入室へ連通する冷媒流路内の任意の位置に設置することができ、また、定差圧弁および固定オリフィスの挿入位置を逆にすることもできる。
また、上記の実施の形態の可変容量圧縮機は、エンジンの出力軸にクラッチ、ベルトおよびプーリを介して接続する構成例を前提に説明したが、可変オリフィスを構成する電磁比例式流量制御弁は、外部から設定できるソレノイドの電流値をゼロに設定することで冷媒の流量がほぼゼロとなる最少運転に移行させることができるので、エンジンの出力軸を回転軸に直結してクラッチを介在させないように構成した、いわゆるクラッチレスの自動車用空調装置に適用することができる。
以上説明したように、本発明では、吸入側または吐出側の冷媒流路内に任意の差圧を発生させる電磁比例式流量制御弁を配置し、吐出室からクランク室、さらにはクランク室から吸入室へ通じる冷媒流路の任意の位置に固定オリフィスおよび定差圧弁を配置し、定差圧弁が電磁比例式流量制御弁の前後に発生する差圧を感知し、電磁比例式流量制御弁によって決められた弁開度で一定の差圧が出るよう、すなわち吐出流量が一定になるよう開度調整を行い、外部条件変化に応じた吐出流量の設定を電磁比例式流量制御弁に供給する電流値で制御する構成にした。電磁比例式流量制御弁によって冷媒流路に小さい差圧を発生させる構成にしたので、外部条件変化によって吐出流量の設定値である弁開度を変化させるソレノイド力を小さくすることができ、電磁比例式流量制御弁を小型化することができる。
定流量の可変容量圧縮機にしたことにより、エンジン回転数の変化、外部負荷条件の変化などに影響されることなく、常に一定流量の冷媒を供給できることから、システム全体の運転を安定化させることができる。
また、外部から設定できる電磁比例式流量制御弁の電流値をゼロに設定すれば可変容量圧縮機を最少容量にすることができるので、クラッチレス圧縮機を構成することができ、より安価な自動車用空調装置にすることができる。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
【図面の簡単な説明】
図1は、第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図である。
図2は、第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機の定差圧弁の詳細を示す断面図である。
図3は、第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機の電磁比例式流量制御弁の詳細を示す断面図である。
図4は、第2の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図である。
図5は、第2の実施の形態に係る可変容量圧縮機の定差圧弁の詳細を示す断面図である。
図6は、第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図である。
図7は、第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機の定差圧弁の詳細を示す断面図である。
図8は、第4の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図である。
本発明は可変容量圧縮機に関し、特に自動車用空調装置の冷凍サイクルの中で冷媒ガスを圧縮するのに使用される可変容量圧縮機に関する。
背景技術
自動車用空調装置の冷凍サイクル中で冷媒を圧縮するために用いられる圧縮機は、エンジンを駆動源としているので、回転数制御を行うことができない。そこで、エンジンの回転数に制約されることなく適切な冷房能力を得るために、冷媒の圧縮容量を変えることができる可変容量圧縮機が用いられている。
このような可変容量圧縮機においては、エンジンによって回転駆動される軸に取り付けられた揺動板に圧縮用ピストンが連結され、揺動板の角度を変えることによってピストンのストロークを変えることで冷媒の吐出量を変えるようにしている。
揺動板の角度は、密閉されたクランク室内に圧縮された冷媒の一部を導入し、その導入する冷媒の圧力を変化させ、ピストンの両面にかかる圧力の釣り合いを変化させることによって連続的に変えている。
冷媒の吐出口とクランク室との間またはクランク室と吸入口との間には、電磁制御弁が設けられている。この電磁制御弁は、それらの前後差圧を所定値に保つように連通または閉塞させる制御をしており、差圧の所定値を電流値によって外部から設定することができるようになっている。これにより、エンジンの回転数が上昇したときには、クランク室に導入される圧力が増加して圧縮できる容量を小さくし、回転数が低下したときには、クランク室に導入される圧力が減少して圧縮できる容量を大きくするようにして可変容量圧縮機から吐出される冷媒の圧力を一定に保つようにしている。
ところで、自動車用空調装置の冷凍サイクルに使用されている冷媒としては、代替フロンHFC−134aが一般的に用いられるが、近年、冷媒の臨界温度を越えた超臨界域で冷凍作用を行わせる、たとえば二酸化炭素を冷媒とする冷凍サイクルが開発されている。
しかしながら、圧縮機の吐出圧力に応じてクランク室へ導入する圧力を制御する電磁制御弁において、二酸化炭素を冷媒とするような冷凍サイクルでは、冷媒を超臨界域まで昇圧させるため、冷媒の吐出口とクランク室との間または吐出口と吸入口との間の差圧が非常に高くなり、差圧を制御するためのソレノイド力も大きくなって、大型のソレノイドが必要になり、その結果、電磁制御弁の大型化を招き、コストアップに繋がるという問題点があった。
発明の開示
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、一般的なHFC−134aを冷媒とする冷凍サイクルはもちろん、超臨界で作動するような高圧の冷媒を用いた冷凍サイクルにおいても大きなソレノイド力を必要としない電磁制御弁を使用することができる可変容量圧縮機を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、気密に形成されたクランク室内で回転軸に対して傾斜角可変に設けられて前記回転軸の回転駆動により揺動運動をする揺動体と、前記揺動体に連結されて前記揺動体の揺動運動で前記軸線の方向に往復動することにより冷媒の吸入室からシリンダ内への吸入、圧縮およびシリンダから吐出室への吐出を行うピストンとを有する可変容量圧縮機において、前記吸入室へ通じる吸入側冷媒流路または前記吐出室へ通じる吐出側冷媒流路内に配置されて外部条件の変化に応じて開度を設定できる可変オリフィスと、前記吐出室から前記クランク室へ通じる第1の冷媒流路および前記クランク室から前記吸入室へ通じる第2の冷媒流路の任意の位置に配置されて前記可変オリフィスの前後に発生する差圧を感知して前記差圧が所定値になるよう開度調整を行う定差圧弁と、前記第1の冷媒流路および前記第2の冷媒流路の任意の位置に配置された固定オリフィスと、を備え、前記吸入室へ流入する冷媒の流量または前記吐出室から吐出される冷媒の流量を略一定になるようにしたことを特徴とする可変容量圧縮機が提供される。
このような可変容量圧縮機によれば、定差圧弁は、可変オリフィスの前後に発生する差圧を感知して、その差圧が一定になるようクランク室の圧力を制御する。これにより、ある流路面積に設定された可変オリフィスの前後差圧が一定であるため、吸入側および吐出側を流れる冷媒流量は一定に制御されることになる。また、冷媒流量は差圧を制御することで決定できるが、その差圧は小さなソレノイド力で制御することができ、ソレノイド部の小型化が可能である。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図、図2は第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機の定差圧弁の詳細を示す断面図、図3は第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機の電磁比例式流量制御弁の詳細を示す断面図である。
本発明による可変容量圧縮機は、気密に形成されたクランク室1を有し、中には回転自在に支持された回転軸2を有している。この回転軸2の一端は、図示しない軸封装置を介してクランク室1の外まで延びていて、クラッチおよびベルトを介してエンジンの出力軸から駆動力が伝達されるプーリ3が固定されている。回転軸2には、揺動板4が傾斜角可変に設けられている。回転軸2の軸線の回りには、複数(図示の例では1つ)のシリンダ5が配置されている。各シリンダ5には、揺動板4の回転運動を往復運動に変換するピストン6が配置されている。各シリンダ5は、それぞれ吸入用リリーフ弁7および吐出用リリーフ弁8を介して吸入室9および吐出室10に接続されている。
なお、可変容量圧縮機は、複数のシリンダ5を備えているが、各シリンダ5に隣接して形成される吸入室9および吐出室10は、互いに連通して1つの部屋になっており、それぞれ吸入側の冷媒流路11と吐出側の冷媒流路13とに接続されている。
吸入室9は、蒸発器に連通する冷媒流路11に接続され、吐出室10は、電磁比例式流量制御弁12を介して凝縮器またはガスクーラに連通する冷媒流路13に接続される。電磁比例式流量制御弁12は、吐出室10から冷媒流路13へ連通する流路面積を外部信号によって比例的に変化させることができる可変オリフィスを構成している。
吐出室10は、また、定差圧弁14を介してクランク室1に接続され、クランク室1は固定オリフィス15を介して吸入室9に接続されている。定差圧弁14は、また、吐出室10の吐出圧力Pdおよび電磁比例式流量制御弁12を通ってきた冷媒流路13の圧力Pd’とを導入し、電磁比例式流量制御弁12の前後に発生する差圧が一定になるように、吐出室10からクランク室1、さらにはクランク室1から固定オリフィス15を介して吸入室9へ流れる冷媒を制御する弁である。なお、Psは吸入圧力、Pcはクランク室圧力、Qdは吐出流量を表わしている。
電磁比例式流量制御弁12は、図2に示したように、弁部21およびソレノイド部22から構成されている。弁部21は、吐出室10の吐出圧力Pdを導入するポート23と、この弁部21にて減圧された圧力Pd’を冷媒流路13へ導出するポート24とを有し、これらを連通する流路には、弁座25が形成され、この弁座25の上流側にボール形状の弁体26が弁座25に対向して配置されている。ポート23の開口端にはアジャストねじ27が螺着されており、弁体26とアジャストねじ27との間には、弁体26を閉じる方向に付勢するスプリング28が配置されている。また、弁体26は弁孔を介して軸線方向に延びるシャフト29の一端に当接しており、このシャフト29の他端は、軸線方向に進退自在に配置されたピストン30に固定されている。このピストン30は弁孔とほぼ同じ断面積を有し、弁体26より下流側の圧力Pd’が軸線両方向に対して等しくかかるようにして弁体26の制御に圧力Pd’が影響しないようにしている。また、弁体26の上流側空間とピストン30のソレノイド部側空間との間には、連通路29aが設けられており、ピストン30の背圧側に吐出圧力Pdを導入して、弁体26にかかる吐出圧力Pdをキャンセルするようにしている。
ソレノイド部22は、円筒状の中空部を有する電磁コイル31が設けられ、その円筒状の中空部にはスリーブ32が設けられている。このスリーブ32の弁部21側には、固定鉄芯をなすコア33が圧入固定され、スリーブ32の中には、可動鉄芯をなすプランジャ34が軸線方向に移動可能に遊挿配置されている。コア33およびプランジャ34の軸線位置にはシャフト35が貫通配置され、その一端はガイド36によってコア33に支持され、他端はスリーブ32の図の上端に設けられたキャップ37にガイド38を介して支持されている。シャフト35のほぼ中央部には、Eリング39が嵌着されており、プランジャ34がコア33に吸着するよう移動したとき、シャフト35も一緒に移動するようにしている。これにより、プランジャ34が図の下方へ移動すると、シャフト35が図の下端に当接されているピストン30を押し、弁体26を開く方向に作用する。その移動量は、電磁コイル31に供給する電流値に比例する。したがって、この電磁比例式流量制御弁12を通る冷媒の流路面積は、電磁コイル31に供給される制御電流の値によって決めることができる。このソレノイド部22は、弁部21を通過する吐出流量Qdによって小さな差圧を生じさせるよう制御するためのもので、高圧を直接制御するものではないため、ソレノイド力は小さくて済み、したがって、この部分の構成を小型化することができる。
定差圧弁14は、図3に示したように、ボディ40に、吐出室10の吐出圧力Pdを導入するポート41と、この定差圧弁14で制御された圧力Pcをクランク室1へ導入するポート42と、電磁比例式流量制御弁12によって減圧された圧力Pd’を導入するポート43とを有している。
ポート41とポート42とを連通する流路には、弁座44が形成され、この弁座44の上流側に弁体45が弁座44に対向して配置されている。この弁体45には、フランジが設けられていて、弁座44との間に弁体45を開く方向へ付勢するスプリング46が配置されている。
弁体45と同軸上には、軸線方向に進退自在に配置されて両面にポート41からの吐出圧力Pdとポート43からの圧力Pd’とを受ける感圧ピストン47が設けられており、一体に形成されたシャフト48によって弁体45に固定されている。
感圧ピストン47の図の下方には、スプリング荷重調整用のアジャストねじ49がボディ40に螺着され、感圧ピストン47とアジャストねじ49との間には、弁体45を閉じる方向に感圧ピストン47を付勢するスプリング50が配置されている。
以上の構成の可変容量圧縮機において、エンジンから駆動力が伝達されて回転軸2が回転すると、その回転軸2に設けられた揺動板4が回転する。すると、揺動板4の外周部に連結されたピストン6が往復運動し、これによって吸入室9の冷媒がシリンダ5に吸入され、シリンダ5内で圧縮され、圧縮された冷媒が吐出室10へ吐出される。
このとき、電磁比例式流量制御弁12は、所定の制御電流の供給を受けて、凝縮器に連通する冷媒流路13を絞り、所定の大きさのオリフィスを形成し、冷媒流量Qdによって所定の差圧(Pd−Pd’)を発生させるようにしている。
また、定差圧弁14は、感圧ピストン47が所定の差圧(Pd>Pd’)を受け、それによって発生する図の下向きの力とスプリング46,50の荷重とが釣り合う位置に弁体45が静止し、弁開度が制御されている。したがって、制御電流によって決まる電磁比例式流量制御弁12の前後差圧を定差圧弁14が感知し、定差圧弁14は、その差圧があらかじめ設定された所定値(すなわち、一定流量)になるよう弁開度を調整して、クランク室1に導入される冷媒の流量を制御している。
ここで、エンジン回転数が上昇するなどして、電磁比例式流量制御弁12の前後に発生する差圧が大きくなった場合、冷媒の吐出圧力Pdが上昇するので、走差圧弁14の感圧ピストン47は、図3の下方へ移動し、これに伴って弁体45は開く方向へ作用する。これにより、吐出室10からクランク室1へ導入される冷媒が増えるようになり、クランク室1の圧力Pcが上昇して、可変容量圧縮機は、最少運転側に制御されて吐出する冷媒の流量を減らすようにする。これは、電磁比例式流量制御弁12の前後の差圧がソレノイド部22によって設定された弁開度に対応する差圧になるまで継続され、この結果、冷媒の吐出流量Qdは、一定に保たれることになる。
逆に、エンジン回転数が低下するなどして電磁比例式流量制御弁12の前後に発生する差圧が小さくなった場合、冷媒の吐出圧力Pdが低下するので、定差圧弁14の感圧ピストン47は、図3の上方へ移動し、これに伴って弁体45は閉じる方向へ作用する。これにより、クランク室1へ導入される冷媒流量が減少し、クランク室1の圧力Pcが低下し、可変容量圧縮機は、最大運転側に制御されて吐出する冷媒の流量を増やすようにする。これは、電磁比例式流量制御弁12の前後の差圧がソレノイド部22によって設定された弁開度に対応する差圧になるまで継続され、冷媒の吐出流量Qdは、一定に保たれることになる。
このように、定差圧弁14が吐出側の冷媒流路13に設けられた電磁比例式流量制御弁12の前後差圧を感知し、その差圧に応じて定差圧弁14が吐出室10からクランク室1へ導入する冷媒の流量を制御することにより、可変容量圧縮機から吐出される冷媒の吐出流量Qdを、電磁比例式流量制御弁12によって決められた差圧に対応する一定の流量に制御するようにしている。
図4は第2の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図、図5は第2の実施の形態に係る可変容量圧縮機の定差圧弁の詳細を示す断面図である。なお、図4および図5において、図1および図3に示した構成要素と同じまたは同等の要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この第2の実施の形態では、第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機と比較して、電磁比例式流量制御弁12については、設置される場所および構造は同じであるが、定差圧弁14aについては、吐出圧力Pdを導入する方向を弁開方向にし、弁構造を変更している。
定差圧弁14aは、図5に示したように、ボディ40に、吐出室10の吐出圧力Pdを導入するポート41と、この定差圧弁14で制御された圧力Pcをクランク室1へ導入するポート42と、電磁比例式流量制御弁12によって減圧された圧力Pd’を導入するポート43とを有している。
吐出圧力Pdを導入するポート41の側に弁座44が形成され、この弁座44の下流側に弁座44に対向して弁体45aが配置されており、この弁体45aを開く方向へ付勢するスプリング46が配置されている。
感圧ピストン47aは、弁体45aと同軸上に軸線方向に進退自在に配置され、弁孔と同じ径を有している。また、感圧ピストン47aは、弁体45aに固定されており、スプリング50によって弁体45aを閉じる方向に付勢されている。
このような構成の可変容量圧縮機においても、第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機と同じであり、定差圧弁14aが電磁比例式流量制御弁12の前後差圧を感知し、その差圧に応じて定差圧弁14aが吐出室10からクランク室1へ導入する冷媒の流量を制御することにより、可変容量圧縮機から吐出される冷媒の吐出流量Qdを、電磁比例式流量制御弁12によって決められた差圧に対応する一定の流量に制御するようにしている。
図6は第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図、図7は第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機の定差圧弁の詳細を示す断面図である。なお、図6および図7において、図1および図3に示した構成要素と同じまたは同等の要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機では、蒸発器から吸入室9に連絡された冷媒流路11の途中に電磁比例式流量制御弁12を設け、吐出室10とクランク室1とを連通させる冷媒流路の途中に吐出容量を制御する定差圧弁14bを設け、クランク室1と吸入室9との間の冷媒流路の途中に固定オリフィス15を設けている。また、電磁比例式流量制御弁12の上流側および下流側における圧力Pe,Psを定差圧弁14bにそれぞれ導入するための流路も形成されている。
電磁比例式流量制御弁12は、第1および第2の実施の形態で使用したものと同じ構造を有している。ただし、第1および第2の実施の形態では、冷媒の流れを弁閉の方向にしてあるのに対し、本実施の形態では、冷媒の流れを弁開の方向にしてある。
定差圧弁14bは、図7に示したように、ボディ40に、吐出室10の吐出圧力Pdを導入するポート41と、この定差圧弁14bで制御された圧力Pcをクランク室1へ導入するポート42と、蒸発器から導入された圧力Peを導入するポート51と、電磁比例式流量制御弁12を通過して吸入された吸入室9の吸入圧力Psを導入するポート52とを有している。
ポート41とポート42とを連通する流路には、弁座44が形成され、この弁座44の上流側にこの弁座44に対向して弁体45が配置されている。この弁体45には、フランジが設けられていて、弁座44との間に弁体45を開く方向へ付勢するスプリング46が配置されている。
弁体45と同軸上には、軸線方向に進退自在に配置されて両面にポート51からの圧力Peとポート52からの吸入圧力Psとを受けるようにした感圧ピストン47が設けられている。この感圧ピストン47は、スプリング50によって弁体45を閉じる方向に付勢されている。
以上の構成の可変容量圧縮機において、エンジンの駆動力によって回転軸2が回転し、その回転軸2に設けられた揺動板4が回転すると、揺動板4に連結されたピストン6が往復運動し、これによって吸入室9の冷媒がシリンダ5に吸入され、シリンダ5内で圧縮され、圧縮された冷媒が吐出室10へ吐出される。
このとき、電磁比例式流量制御弁12は、所定の制御電流の供給を受けて、蒸発器から吸入室9に連通する冷媒流路を絞り、所定の大きさのオリフィスを形成して吸入室9に吸入される冷媒流量Qsによって所定の差圧(Pe−Ps)を発生させるようにしている。
また、定差圧弁14bは、感圧ピストン47が所定の差圧(Pe>Ps)を受け、それによって発生する図の下向きの力とスプリング46,50の荷重とが釣り合う位置に弁開度が制御されている。したがって、制御電流によって決まる電磁比例式流量制御弁12の前後差圧を定差圧弁14bが感知し、定差圧弁14bは、その差圧があらかじめ設定された所定値になるよう弁開度を調整して、クランク室1に導入される冷媒の流量を制御している。これにより、吸入室9に吸入される冷媒の流量Qsが一定に制御されることにより、吐出室10から吐出される冷媒の流量Qdが一定に制御されることになる。
ここで、エンジン回転数が上昇するなどして、可変容量圧縮機の吐出容量が大きく変化することで電磁比例式流量制御弁12の前後に発生する差圧が大きくなった場合、冷媒の吸入圧力Psが低下するので、定差圧弁14bの感圧ピストン47は、図7の下方へ移動し、これに伴って弁体45は開く方向へ作用する。これにより、吐出室10からクランク室1へ導入される冷媒が増えるようになり、クランク室1の圧力Pcが上昇して、可変容量圧縮機は、最少運転側に制御され、吸入する冷媒の流量を減らすようにする。これは、電磁比例式流量制御弁12の前後の差圧がソレノイド部22によって設定された弁開度に対応する差圧になるまで継続され、この結果、冷媒の吸入流量Qsが一定に保たれるため、冷媒の吐出流量Qdも一定に保たれることになる。
逆に、エンジン回転数が低下するなどして、可変容量圧縮機の吐出容量が小さく変化することで電磁比例式流量制御弁12の前後に発生する差圧が小さくなった場合、冷媒の吸入圧力Psが上昇するので、定差圧弁14bの感圧ピストン47は、図7の上方へ移動し、これに伴って弁体45は閉じる方向へ作用する。これにより、クランク室1へ導入される冷媒流量が減少し、クランク室1の圧力Pcが低下し、可変容量圧縮機は、最大運転側に制御されて、吸入する冷媒の流量を増やすようにする。これは、電磁比例式流量制御弁12の前後の差圧がソレノイド部22によって設定された弁開度に対応する差圧になるまで継続され、この結果、冷媒の吸入流量Qsが一定に保たれるため、冷媒の吐出流量Qdも一定に保たれることになる。
このように、定差圧弁14bが吸入側の冷媒流路11に設けられた電磁比例式流量制御弁12の前後差圧を感知し、その差圧に応じて定差圧弁14bが吐出室10からクランク室1へ導入する冷媒の流量を制御することにより、可変容量圧縮機に吸入される冷媒の吸入流量Qsを、電磁比例式流量制御弁12によって決められた差圧に対応する一定の流量に制御し、これによってエンジンの回転数変動に拘らず吐出流量Qdが一定に制御された定流量圧縮機を構成している。
図8は第4の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図である。なお、図8において、図6に示した構成要素と同じまたは同等の要素については同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この第4の実施の形態では、第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機と比較して、定差圧弁14bに吐出圧力Pdを導入するポートと定差圧弁14bからクランク室1へ通じるポートとを入れ換えた構成にしている。すなわち、吐出室10は、定差圧弁14bの先端部のポート42に連通され、クランク室1は、定差圧弁14bの側部のポート41に連通されている。それ以外の構成は、第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機と同じである。
また、このような構成の動作も、第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機と同じであり、定差圧弁14bが吸入側の冷媒流路11に設けられた電磁比例式流量制御弁12の前後差圧を感知し、その差圧に応じて定差圧弁14bが吐出室10からクランク室1へ導入する冷媒の流量を制御することにより、可変容量圧縮機に吸入される冷媒の吸入流量Qsを、電磁比例式流量制御弁12によって決められた差圧に対応する一定の流量に制御し、これによってエンジンの回転数や外部の負荷が変わっても吐出流量Qdが変化しない定流量圧縮機を構成している。
なお、上記の実施の形態では、定差圧弁を吐出室からクランク室へ連通する冷媒流路内に設け、固定オリフィスをクランク室から吸入室へ連通する冷媒流路内に設けるように構成したが、これら定差圧弁および固定オリフィスは、吐出室からクランク室を通って吸入室へ連通する冷媒流路内の任意の位置に設置することができ、また、定差圧弁および固定オリフィスの挿入位置を逆にすることもできる。
また、上記の実施の形態の可変容量圧縮機は、エンジンの出力軸にクラッチ、ベルトおよびプーリを介して接続する構成例を前提に説明したが、可変オリフィスを構成する電磁比例式流量制御弁は、外部から設定できるソレノイドの電流値をゼロに設定することで冷媒の流量がほぼゼロとなる最少運転に移行させることができるので、エンジンの出力軸を回転軸に直結してクラッチを介在させないように構成した、いわゆるクラッチレスの自動車用空調装置に適用することができる。
以上説明したように、本発明では、吸入側または吐出側の冷媒流路内に任意の差圧を発生させる電磁比例式流量制御弁を配置し、吐出室からクランク室、さらにはクランク室から吸入室へ通じる冷媒流路の任意の位置に固定オリフィスおよび定差圧弁を配置し、定差圧弁が電磁比例式流量制御弁の前後に発生する差圧を感知し、電磁比例式流量制御弁によって決められた弁開度で一定の差圧が出るよう、すなわち吐出流量が一定になるよう開度調整を行い、外部条件変化に応じた吐出流量の設定を電磁比例式流量制御弁に供給する電流値で制御する構成にした。電磁比例式流量制御弁によって冷媒流路に小さい差圧を発生させる構成にしたので、外部条件変化によって吐出流量の設定値である弁開度を変化させるソレノイド力を小さくすることができ、電磁比例式流量制御弁を小型化することができる。
定流量の可変容量圧縮機にしたことにより、エンジン回転数の変化、外部負荷条件の変化などに影響されることなく、常に一定流量の冷媒を供給できることから、システム全体の運転を安定化させることができる。
また、外部から設定できる電磁比例式流量制御弁の電流値をゼロに設定すれば可変容量圧縮機を最少容量にすることができるので、クラッチレス圧縮機を構成することができ、より安価な自動車用空調装置にすることができる。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
【図面の簡単な説明】
図1は、第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図である。
図2は、第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機の定差圧弁の詳細を示す断面図である。
図3は、第1の実施の形態に係る可変容量圧縮機の電磁比例式流量制御弁の詳細を示す断面図である。
図4は、第2の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図である。
図5は、第2の実施の形態に係る可変容量圧縮機の定差圧弁の詳細を示す断面図である。
図6は、第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図である。
図7は、第3の実施の形態に係る可変容量圧縮機の定差圧弁の詳細を示す断面図である。
図8は、第4の実施の形態に係る可変容量圧縮機の構成を示す断面図である。
Claims (6)
- 気密に形成されたクランク室内で回転軸に対して傾斜角可変に設けられて前記回転軸の回転駆動により揺動運動をする揺動体と、前記揺動体に連結されて前記揺動体の揺動運動で前記軸線の方向に往復動することにより冷媒の吸入室からシリンダ内への吸入、圧縮およびシリンダから吐出室への吐出を行うピストンとを有する可変容量圧縮機において、
前記吸入室へ通じる吸入側冷媒流路または前記吐出室へ通じる吐出側冷媒流路内に配置されて外部条件の変化に応じて開度を設定できる可変オリフィスと、
前記吐出室から前記クランク室へ通じる第1の冷媒流路および前記クランク室から前記吸入室へ通じる第2の冷媒流路の任意の位置に配置されて前記可変オリフィスの前後に発生する差圧を感知して前記差圧が所定値になるよう開度調整を行う定差圧弁と、
前記第1の冷媒流路および前記第2の冷媒流路の任意の位置に配置された固定オリフィスと、
を備え、前記吸入室へ流入する冷媒の流量または前記吐出室から吐出される冷媒の流量を略一定になるようにしたことを特徴とする可変容量圧縮機。 - 前記可変オリフィスを前記吸入側冷媒流路内に配置し、前記定差圧弁を前記第1の冷媒流路内に配置し、前記固定オリフィスを前記第2の冷媒流路内に配置したことを特徴とする請求の範囲第1項記載の可変容量圧縮機。
- 前記可変オリフィスを前記吐出側冷媒流路内に配置し、前記定差圧弁を前記第1の冷媒流路内に配置し、前記固定オリフィスを前記第2の冷媒流路内に配置したことを特徴とする請求の範囲第1項記載の可変容量圧縮機。
- 前記可変オリフィスは、前記所定値を電流値によって外部から設定できるソレノイドを備えた電磁比例式流量制御弁であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の可変容量圧縮機。
- 前記電磁比例式流量制御弁は、外部から設定できるソレノイドの電流値をゼロに設定することで冷媒の流量がほぼゼロとなる最少運転に移行することを特徴とする請求の範囲第4項記載の可変容量圧縮機。
- クラッチレスの自動車用空調装置に適用したことを特徴とする請求の範囲第5項記載の可変容量圧縮機。
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