JPWO2002092096A1 - 抗腫瘍剤 - Google Patents
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Abstract
(3R)−N−(1−(1−tert−ブチルカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(2−ピリジル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル)−N’−(3−(メチルアミノ)フェニル)ウレアを有効成分として含有する本発明の抗腫瘍剤は、各種担癌マウスにおいて、良好に癌の増殖を抑制し、しかも低毒性であることが確認されており、殊に、膵臓癌、大腸癌並びに胃癌の治療に有用である。特に本発明医薬を多剤併用化学療法に用いた場合、副作用の強い抗腫瘍剤の投与量を減少させることが可能であり、良好な抗腫瘍作用を有する副作用の低減された多剤併用化学療法の実現が期待される。
Description
技術分野
本発明は、医薬、殊に膵臓癌の治療に有用な抗腫瘍剤に関する。
背景技術
近年、癌の発生率は増加の一途をたどり、この治療には外科手術や放射線療法とともに各種の抗腫瘍剤による化学療法が行われてきた。例えば、5−FU(5−fluorouracil)及びその誘導体(tegafur,UFT,carmofur,etc.)、MMC(mitomycin C)、ADM(doxorubicin)及びその誘導体(epirubicin,aclarubicin,etc.)などの抗腫瘍剤を併用する多剤併用療法が広く行われている(「癌の化学療法ハンドブック 抗癌剤の使い方と副作用対策」(小川 一誠、堀越 昇 監訳;医薬書院MYW社;1994年10月20日発行),p235−323)。しかし、効果並びに強い副作用(消化器毒性、骨髄抑制、腎毒性、心毒性、脱毛、悪心・嘔吐等)の点から、更に抗癌作用の優れた、副作用の少ない抗腫瘍剤の開発が切望されている。
特に、難治癌の一つである膵臓癌に対して、高い奏効率を示す化学療法剤は未だ無く、標準的なレジメンは確立されていない。最近治療成績が報告された各種抗腫瘍剤のなかで、代謝拮抗剤であるgemcitabine(GEM)が比較的良好な成績を示しているが、骨髄抑制、発熱、悪心・嘔吐等の副作用を有する。膵臓癌の予後を改善するためには、新しいタイプの有効な抗癌剤の創製が切望されている(化学療法の領域,Vol.14,S−1,p275−280,(1998);及び「抗癌剤の選び方と使い方(改訂第2版)」(小川一誠 編集、南江堂、1999年10月15日発行),p41−42)。
一方、本発明医薬の有効成分である下式で示される(3R)−N−(1−(1−tert−ブチルカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(2−ピリジル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル)−N’−(3−(メチルアミノ)フェニル)ウレア(以下化合物Aと略記する)は、優れた選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗作用を有し、殊にガストリンによって引き起こされる胃酸分泌を良好に抑制することが報告されている(J.Med.Chem.1997,40(3),331−341)。
また、WO93/16999号公報には、下記一般式(I)のベンゾジアゼピン誘導体又はその塩、並びにこれらの化合物を有効成分として含有するガストリン又はCCK−Bレセプター拮抗剤として作用する医療用組成物、殊に、ガストリンによって制御される生理的機能の不全によって誘発される疾病の治療用医薬品である前記組成物が開示されている。実施例57には、化合物Aのラセミ体が開示されているが、光学活性体である化合物A自体の開示は無い。
(式中、R1は、−CH2CHOH(CH2)aR4、ケトン基−CH2CO(CH2)aR5又は−CH2COC(CH3)2−R5、aは0又は1、R4及びR5はアルキル及びシクロアルキル基並びにヘテロ原子が任意に置換された飽和複素環基から選択され、(中略)、R2及びR3は独立して、任意に置換された芳香族炭素環及び任意に置換された芳香族複素環残基から選択され、そして、W及びXは独立してハロゲン及び水素原子並びにアルキル及びアルコキシ基から選択される。)
また、WO95/06040号公報の実施例52には、化合物Aが開示され、その製造法並びに該化合物を活性成分として含むガストリンによって制御される生理的機能の不全によって誘発される疾病の治療用医薬組成物が開示されている。
前記2件の特許公報には、ガストリンによって制御される生理学的機能の不全によって誘導される疾病として、胃及び十二指腸潰瘍、胃炎、逆流性食道炎等と併せて、胃及び結腸癌が挙げられている。しかし、これらの公報には、CCK−Bに対する結合親和性とラットにおけるペンタガストリン刺激性胃酸分泌の阻害作用が開示されているのみであり、胃及び結腸癌に対する作用については具体的開示が全く無い。
肺癌や大腸癌細胞にはガストリン/CCK−B受容体が発現しており、ガストリンがこれらの癌細胞の増殖を増大させるとの報告が有る(Am.J.Surg.,149,35−8,1985;及びArch.Sur.124,470−2,1989)。また、1−メチルフェナシルベンゾジアゼピン誘導体がヒトガストリン/CCK−B受容体を発現したマウス細胞において、受容体への結合阻害により細胞増殖抑制効果を発現した報告が有る(特開平8−40908号公報)。
しかし、選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗薬の抗腫瘍剤としての有用性を示す臨床報告は現在まで無い。また、動物モデルを用いた試験においても、選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗薬の抗腫瘍効果を明確に裏付ける報告は無い。
例えば、グルタミン酸誘導体CR2093はヒト胃癌、ラット膵臓癌R42J、若しくはヒト大腸癌担癌マウスへの静脈内投与において、別途ガストリンを投与したガストリン刺激群ではガストリン刺激によって誘導された癌増殖が抑制されたが、ガストリン刺激が無い群では癌増殖が抑制されなかった(Br.J.Cancer,65,879−883,1992)。同様に、ベンゾジアゼピン化合物であるL−365260においても、ガストリン刺激が無い群では、癌増殖抑制が見られなかった(Cancer,68,1255−1260,1991)。これらの事実は、外部から強制的にガストリン刺激を与えた場合のみ、そのガストリンによって誘導された癌細胞の増殖を、選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗薬が抑制したことを意味し、臨床における胃癌、膵臓癌、大腸癌等(即ち、外部からのガストリン刺激のない場合)において、これらの選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗薬が癌増殖抑制効果を有する根拠は何等示されていない。
非選択的なガストリン/CCK受容体拮抗薬であるプログルミドが大腸癌担癌マウスの大腸癌の増殖を良好に抑制し、マウスの死亡率を低下させたことが報告されている(ANN.Surg.202,303−9,1985)。しかし、CCK−A受容体が消化器癌に関与することを示す報告(Journal of Surgical Research 53(3):234−237(1992);及びCancer Letters 106(2):257−262(1996))があり、プログルミドの抗腫瘍効果が、CCK−A受容体を介するものであるのか、或いはガストリン/CCK−B受容体を介するものであるのかは不明であった。
また、非ベンゾジアゼピン化合物である選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗薬CI−988は、ヒト大腸癌担癌マウスにおいて25mg/kgの経口投与時、ガストリン刺激無しで増殖抑制作用を示したものの、50mg/kgでは全く効果が見られず癌増殖抑制作用が消失していた(Clinical and Experimental Pharmacology and physiology,23,438−40,1996)。
上記の通り、癌におけるガストリン/CCK−B受容体の役割は未だ解明されておらず、選択的ガストリン/CCK−B受容体阻害剤が、臨床的に有用な抗腫瘍剤になるか否かは、実際に不明であった。
一方、抗癌作用を有するベンゾジアゼピン誘導体として、2,3,4,5−テトラヒドロ−1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン誘導体(J.Med.Chem.43(20),3587,2000)が報告されているが、本願化合物とは全く構造を異にする。
発明の開示
本発明者等は、化合物Aの生理活性作用について鋭意研究を行った結果、意外にも化合物A((3R)−N−(1−(1−tert−ブチルカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(2−ピリジル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル)−N−(3−(メチルアミノ)フェニル)ウレア)が、良好な抗癌作用、殊に膵臓癌に対して優れた抗癌作用を有し、しかも高用量投与においても副作用が少ないことを見い出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は化合物A又はその塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤に関する。好ましくは、1日当たりの経口投与量が0.1〜1000mg/kg、より好ましくは1mg/kg以上である抗腫瘍剤、並びに、1日当たりの静脈内投与量が0.01〜100mg/kg、より好ましくは0.1mg/kgである抗腫瘍剤である。また、本発明の抗腫瘍剤は、膵臓癌、大腸癌若しくは胃癌の治療剤として好ましく、中でも、膵臓癌の治療剤として特に好ましい。更に、本発明の抗腫瘍剤は、多剤併用化学療法に用いられる抗腫瘍剤、即ち、少なくとも1つの他の抗腫瘍剤と、同時又は異なる時に、同一又は異なる頻度で、及び同一又は異なる投与形態で、併用投与される抗腫瘍剤を包含する。
また、本発明は、化合物A又はその塩の、抗腫瘍剤、殊に多剤併用化学療法に用いる抗腫瘍剤である医薬の製造への使用、有効量の化合物A又はその塩を患者に投与することからなる癌患者の治療方法、並びに、有効量の化合物A又はその塩と、少なくとも1つの他の抗腫瘍剤を投与することを含む多剤併用化学療法による癌患者の治療方法を包含する。
発明を実施するための最良の形態
本発明の有効成分である化合物A又はその塩は前記J.Med.Chem.1997,40(3),331−341、或いはWO95/06040号公報記載の方法により製造することができる。ここに、化合物Aの塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩等の無機酸又は有機酸との塩が挙げられる。
本発明の医薬製剤は,当分野において通常用いられている薬剤用担体,賦形剤等を用いて通常使用されている方法によって調製することができる。投与は錠剤,丸剤,カプセル剤,顆粒剤,散剤,液剤等による経口投与,又は,静注,筋注等の注射剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
本発明による経口投与のための固体組成物としては,錠剤,散剤,顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては,活性物質が少なくともひとつの不活性な希釈剤,例えば乳糖,マンニトール,ブドウ糖,ヒドロキシプロピルセルロース,微結晶セルロース,デンプン,ポリビニルピロリドン,メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は,常法に従って,不活性な希釈剤以外の添加剤,例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤や崩壊剤,安定化剤,溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖,ゼラチン,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は,薬剤的に許容される乳濁剤,溶液剤,懸濁剤,シロップ剤,エリキシル剤等を含み,一般的に用いられる不活性な希釈剤,例えば精製水,エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤,懸濁剤のような補助剤,甘味剤,風味剤,芳香剤,防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては,無菌の水性又は非水性の溶液剤,懸濁剤,乳濁剤を含有する。水性の溶液剤,懸濁剤としては,例えば注射用蒸留水及び生理食塩液を用いることができる。非水溶性の溶液剤,懸濁剤としては,例えばプロピレングリコール,ポリエチレングリコール,オリーブ油のような植物油,エタノールのようなアルコール類,ポリソルベート80(商品名)等を用いることができる。このような組成物は,さらに防腐剤,湿潤剤,乳化剤,分散剤,安定化剤,溶解補助剤のような補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過,殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し,使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
本発明医薬における化合物Aの投与量は、その投与方法、患者の症状,年令,性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。通常、経口投与の場合、1日の投与量は、0.1〜1000mg/kg、好ましくは0.5〜500mg/kg、更に好ましくは1〜100mg/kgが、静脈内投与される場合、1日の投与量は、約0.01〜100mg/kg、好ましくは0.1〜10mg/kgがそれぞれ適当であり,これを1日1回乃至複数回に分けて投与する。
本発明医薬を多剤併用化学療法に用いる場合は、例えば、前出の「癌の化学療法ハンドブック 抗癌剤の使い方と副作用対策」に記載の各種多剤併用化学療法に追加して、或いは、その中の1〜2種の抗癌剤と置換して、適用することができる。本剤と併用できる他の抗腫瘍剤としては、好ましくは、代謝拮抗剤(5−FU及びその誘導体(tegafur,UFT,carmofur,doxifluridine,tegafur−gimestat及びotastat potassium),GEM,methotrexate,6−mercaptopurine,enocitabine,cytarabine等)、抗癌性抗生物質(MMC,ADM,epirubicin,aclarubicin,pirarubicin,THR,bleomycin,neocarzinostatin等)、アルキル化剤(nimustine,carboquone,ACNU,cisplatin,carboplatin等)、抗癌性植物アルカロイド(vincristeine,vinblasteine,etoposide等)、タキサン(taxol、taxotera)、その他(irinotecan、streptozocin等)の併用化学療法に用いられている抗腫瘍剤が挙げられる。より好ましくは、代謝拮抗剤及びタキサンである。殊に、膵臓癌治療作用の知られる5−FU、GEM、taxol及びtaxoteraが好ましい。
化合物A並びに併用される他の抗癌剤の投与量は、併用する薬剤、患者の症状、投与方法等に応じて各薬剤毎に適宜決定される。多剤併用化学療法における化合物Aの投与量は前記と同様である。また、投与時期、投与頻度及び投与形態は、併用する各薬剤毎に最適の方法が選択される。即ち、本発明医薬は、少なくとも1つ(好ましくは1〜4)の他の抗腫瘍剤と、同時又は異なる時に、同一又は異なる頻度で、及び同一又は異なる投与形態で投与される。多剤併用化学療法における化合物Aの投与形態としては、1日1回乃至複数回の経口投与が好ましい。
後記実施例に示す様に、本発明医薬は他の抗腫瘍剤と併用することによって、副作用を増大させることなく、優れた抗腫瘍効果を達成することが確認されている。よって、本発明医薬を多剤併用化学療法に取り入れることによって、副作用の強い他の抗腫瘍剤の投与量を減少させることが可能であり、更に優れた抗腫瘍効果を得ることが期待される。
化合物Aのガストリン/CCK−B受容体への結合親和性(IC50値)は0.1nMと強力であり、また、イヌにおけるガストリン刺激胃酸分泌を0.01mg/kgの経口投与で50%抑制することが報告されている(J.Med.Chem.1997,40(3),331−341)。それに比して、本願の抗腫瘍作用を発現する用量ははるかに高用量であり、その作用がガストリン/CCK−B受容体を介するものか否かは不明である。
化合物Aの抗腫瘍作用並びに毒性を以下の実施例1〜5により示す。また、本発明抗腫瘍剤の調製例を実施例6に示す。
実施例1(各種担癌マウスにおける抗腫瘍作用)
ヒト膵臓癌細胞株(BxPC−3、PANC−1)、ヒト大腸癌細胞株(HT29、COLO320DM)並びにヒト胃癌細胞(MKN28)の3〜10×106個を雌性Balb/cヌードマウスの背側部皮下に移植した。癌細胞皮下移植の翌日から、1日当たり200mg/kgの化合物Aを、0.5%メチルセルロース懸濁液として2回に分けて毎日経口投与した。また、対照群には0.5%メチルセルロース溶液を同様に投与した。腫瘍径の測定にはノギスを用い、最終投与の翌日まで経時的に測定した。腫瘍容量および腫瘍増殖抑制率は以下の計算式で算出した。
腫瘍容量(mm3)=1/2×短径(mm)2×長径(mm)
腫瘍増殖抑制率(%)=
[(対照群の腫瘍容積−化合物A投与群の腫瘍容積)/対照群の腫瘍容積]×100
結果を下表に示す。
本発明の医薬は、ヒト膵臓癌、ヒト大腸癌並びにヒト胃癌において、良好な抗腫瘍作用を有する事が確認された。
実施例2(BxPC−3担癌マウスにおける抗腫瘍作用と毒性)
ヒト膵臓癌細胞株BxPC−3担癌マウスにおいて、腫瘍体積が約120mm3と大きくなってから、試験例1と同様にして化合物Aの投与を開始した。1日当たりの投与量は200又は600mg/kgであり、投与期間は21日間であった。
腫瘍増殖抑制率は以下の計算式で算出した。
腫瘍増殖抑制率(%)=
{[(対照群の投与終了日の腫瘍容積−対照群の投与開始前の腫瘍容積)−(化合物A投与群の投与終了日の腫瘍容積−化合物A投与群の投与開始前の腫瘍容積)]/(対照群の投与終了日の腫瘍容積−対照群の投与開始前の腫瘍容積)}×100
200又は600mg/kg投与時の腫瘍増殖抑制率は各々48%および79%と用量依存的な抗腫瘍作用が確認された。また、このときの体重変化を下表に示す。化合物Aは、600mg/kgを21日間連投してもマウス体重に影響を及ぼさず、副作用も観察されなかった。よって、化合物Aは高投与量においても、副作用の少ない良好な抗腫瘍剤となり得ることが確認された。
実施例3(他の選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗薬との比較)
ヒト大腸癌細胞株COLO320DM担癌マウスにおいて、腫瘍体積が約120mm3と大きくなってから、実施例2と同様にして化合物Aを投与した。1日あたりの投与量は60又は200mg/kgであり、投与期間は10日間であった。比較化合物として、前出のWO93/16999号公報中に「実施例38の化合物」としてイヌにおける良好なペンタガストリン刺激胃酸分泌阻害データが開示される(3RS)−N−(1−(1−tert−ブチルカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(2−ピリジル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル)−N’−(3−(ジメチルアミノ)フェニル)ウレア200mg/kgも同様に投与した。
腫瘍増殖抑制率を実施例2と同様にして求めた。化合物A60又は200mg/kg投与時の腫瘍増殖抑制率は、それぞれ20及び27%であった。一方、比較化合物は腫瘍増殖抑制作用を示さなかった。
本発明の化合物Aが抗腫瘍作用を呈する条件で、先行技術に開示される選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗化合物は抗腫瘍作用を示さなかった。
実施例4(Gemcitabineとの比較試験)
ヒト膵臓癌株BxPC−3を3×106個を雌性Balb/cヌードマウス(6週齢)の背側部皮下に移植した。腫瘍体積が約110mm3と大きくなってから、実施例2と同様にして1日当たり60、200又は600mg/kgの化合物Aを、2回に分けて毎日経口投与した(n=5)。また、対照群には0.5%メチルセルロース溶液を同様に投与した。投与期間は14日間であった。
比較化合物として、既知の膵臓癌治療剤であるGemcitabine(GEM)を同様に試験した。GEMは、1日当たり60、120又は240mg/kgを、3日に1回静脈内投与した。対照群には生理食塩液を同様に投与した。
腫瘍増殖抑制率は実施例2と同様にして求めた。
表3に化合物A投与群の、また、表4にGEM投与群の、腫瘍増殖抑制率を、副作用の程度を示唆する各種パラメーターと共に示す。
化合物AはBxPC−3担癌モデルにおいて、用量依存的な抗腫瘍作用を示した。この時、体重、臓器重量(脾臓、腎臓、肝臓)および赤血球数に影響を及ぼさなかった。また他の血液学的パラメーター(白血球数、血小板数)にも影響はなかった。
一方、GEMの240mg/kg i.v.群では死亡例が観察されたことから、MTD(maximum tolerated dose)は120mg/kgであった。GEMはBxPC−3担癌マウスにおいて、用量依存的な抗腫瘍作用を示したが、赤血球数に対しても用量依存的且つ有意な減少作用を誘発した。さらに、軽度ではあるが体重増加抑制および肝臓重量の減少も見られた。
本発明の化合物Aは、既存抗腫瘍剤GEMと同等の良好な抗腫瘍作用を有し、しかも特に副作用が見られないことから、有用な抗腫瘍剤となり得ることが確認された。
実施例5(Gemcitabineとの併用試験)
実施例4と同様にして、化合物Aを1日当たり200又は600mg/kgを毎日経口投与し、且つGEMを3日に1回60又は120mg/kg静脈内投与した(n=5)。
結果を下表に示す。
化合物A200mg/kgとGEM60mg/kgの併用群において、その抗腫瘍作用(93.4%)はGEM単独60mg/kg投与群(22.2%)並びに化合物A200mg/kg群(25.1%)と比較して格段に優れていた。そして、その作用はGEMのMTDである120mg/kg投与群(80.2%)よりも更に優れるものであった。この時、副作用についてはGEM単独60mg/kg投与群と比較して、変化は見られず、併用により抗腫瘍作用が格段に増強されたにもかかわらず、副作用は同等であることが確認された。また、化合物A600mg/kgとGEM120mg/kgの併用群においては、更に抗腫瘍作用が増強し、増殖抑制率100%以上、即ち腫瘍の退縮が観察された。副作用については、GEM単独投与群で見られた赤血球数減少、体重増加抑制および肝臓重量減少が若干増強する傾向が見られたが、死亡例等の危篤な副作用は見られなかった。
以上の結果は、化合物AのGEMとの併用により、副作用を抑え且つ優れた抗腫瘍効果が達成されたこと、また、GEM単独投与では成し得なかった、腫瘍退縮効果まで達成されたことを示すものである。
実施例6(100mg錠の調整法)
化合物A200g、乳糖146g、コーンスターチ36gを流動造粒コーティング装置(大川原製作所製)を使用して均一に混合した。これに10%ヒドロキシプロピルセルロース溶液90gを噴霧して造粒した。乾燥後、20メッシュの篩を通し、これにカルボキシメチルセルロースカルシウム7.6g、ステアリン酸マグネシウム1.4gを加え、ロータリー打錠機(畑鉄工所製)で8mm×9Rの臼杵を使用して1錠あたり200mgの錠剤を得た。
産業上の利用可能性
本発明の医薬は、各種担癌マウスにおいて、良好に癌の増殖を抑制し、しかも低毒性であることが確認されており、膵臓癌、大腸癌並びに胃癌等の抗腫瘍剤として有用である。殊に、難治性の膵臓癌に対して優れた抗腫瘍作用を有することから膵臓癌の治療に有用である。また、本発明の医薬は毒性が低く、高用量の投与も可能である。そして、経口投与可能であることから投与形態も簡便である。
本発明医薬を多剤併用化学療法に用いた場合、副作用の強い抗腫瘍剤の投与量を減少させることが可能であり、良好な抗腫瘍作用を有する副作用の低減された多剤併用化学療法の実現が期待される。
本発明は、医薬、殊に膵臓癌の治療に有用な抗腫瘍剤に関する。
背景技術
近年、癌の発生率は増加の一途をたどり、この治療には外科手術や放射線療法とともに各種の抗腫瘍剤による化学療法が行われてきた。例えば、5−FU(5−fluorouracil)及びその誘導体(tegafur,UFT,carmofur,etc.)、MMC(mitomycin C)、ADM(doxorubicin)及びその誘導体(epirubicin,aclarubicin,etc.)などの抗腫瘍剤を併用する多剤併用療法が広く行われている(「癌の化学療法ハンドブック 抗癌剤の使い方と副作用対策」(小川 一誠、堀越 昇 監訳;医薬書院MYW社;1994年10月20日発行),p235−323)。しかし、効果並びに強い副作用(消化器毒性、骨髄抑制、腎毒性、心毒性、脱毛、悪心・嘔吐等)の点から、更に抗癌作用の優れた、副作用の少ない抗腫瘍剤の開発が切望されている。
特に、難治癌の一つである膵臓癌に対して、高い奏効率を示す化学療法剤は未だ無く、標準的なレジメンは確立されていない。最近治療成績が報告された各種抗腫瘍剤のなかで、代謝拮抗剤であるgemcitabine(GEM)が比較的良好な成績を示しているが、骨髄抑制、発熱、悪心・嘔吐等の副作用を有する。膵臓癌の予後を改善するためには、新しいタイプの有効な抗癌剤の創製が切望されている(化学療法の領域,Vol.14,S−1,p275−280,(1998);及び「抗癌剤の選び方と使い方(改訂第2版)」(小川一誠 編集、南江堂、1999年10月15日発行),p41−42)。
一方、本発明医薬の有効成分である下式で示される(3R)−N−(1−(1−tert−ブチルカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(2−ピリジル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル)−N’−(3−(メチルアミノ)フェニル)ウレア(以下化合物Aと略記する)は、優れた選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗作用を有し、殊にガストリンによって引き起こされる胃酸分泌を良好に抑制することが報告されている(J.Med.Chem.1997,40(3),331−341)。
また、WO93/16999号公報には、下記一般式(I)のベンゾジアゼピン誘導体又はその塩、並びにこれらの化合物を有効成分として含有するガストリン又はCCK−Bレセプター拮抗剤として作用する医療用組成物、殊に、ガストリンによって制御される生理的機能の不全によって誘発される疾病の治療用医薬品である前記組成物が開示されている。実施例57には、化合物Aのラセミ体が開示されているが、光学活性体である化合物A自体の開示は無い。
(式中、R1は、−CH2CHOH(CH2)aR4、ケトン基−CH2CO(CH2)aR5又は−CH2COC(CH3)2−R5、aは0又は1、R4及びR5はアルキル及びシクロアルキル基並びにヘテロ原子が任意に置換された飽和複素環基から選択され、(中略)、R2及びR3は独立して、任意に置換された芳香族炭素環及び任意に置換された芳香族複素環残基から選択され、そして、W及びXは独立してハロゲン及び水素原子並びにアルキル及びアルコキシ基から選択される。)
また、WO95/06040号公報の実施例52には、化合物Aが開示され、その製造法並びに該化合物を活性成分として含むガストリンによって制御される生理的機能の不全によって誘発される疾病の治療用医薬組成物が開示されている。
前記2件の特許公報には、ガストリンによって制御される生理学的機能の不全によって誘導される疾病として、胃及び十二指腸潰瘍、胃炎、逆流性食道炎等と併せて、胃及び結腸癌が挙げられている。しかし、これらの公報には、CCK−Bに対する結合親和性とラットにおけるペンタガストリン刺激性胃酸分泌の阻害作用が開示されているのみであり、胃及び結腸癌に対する作用については具体的開示が全く無い。
肺癌や大腸癌細胞にはガストリン/CCK−B受容体が発現しており、ガストリンがこれらの癌細胞の増殖を増大させるとの報告が有る(Am.J.Surg.,149,35−8,1985;及びArch.Sur.124,470−2,1989)。また、1−メチルフェナシルベンゾジアゼピン誘導体がヒトガストリン/CCK−B受容体を発現したマウス細胞において、受容体への結合阻害により細胞増殖抑制効果を発現した報告が有る(特開平8−40908号公報)。
しかし、選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗薬の抗腫瘍剤としての有用性を示す臨床報告は現在まで無い。また、動物モデルを用いた試験においても、選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗薬の抗腫瘍効果を明確に裏付ける報告は無い。
例えば、グルタミン酸誘導体CR2093はヒト胃癌、ラット膵臓癌R42J、若しくはヒト大腸癌担癌マウスへの静脈内投与において、別途ガストリンを投与したガストリン刺激群ではガストリン刺激によって誘導された癌増殖が抑制されたが、ガストリン刺激が無い群では癌増殖が抑制されなかった(Br.J.Cancer,65,879−883,1992)。同様に、ベンゾジアゼピン化合物であるL−365260においても、ガストリン刺激が無い群では、癌増殖抑制が見られなかった(Cancer,68,1255−1260,1991)。これらの事実は、外部から強制的にガストリン刺激を与えた場合のみ、そのガストリンによって誘導された癌細胞の増殖を、選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗薬が抑制したことを意味し、臨床における胃癌、膵臓癌、大腸癌等(即ち、外部からのガストリン刺激のない場合)において、これらの選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗薬が癌増殖抑制効果を有する根拠は何等示されていない。
非選択的なガストリン/CCK受容体拮抗薬であるプログルミドが大腸癌担癌マウスの大腸癌の増殖を良好に抑制し、マウスの死亡率を低下させたことが報告されている(ANN.Surg.202,303−9,1985)。しかし、CCK−A受容体が消化器癌に関与することを示す報告(Journal of Surgical Research 53(3):234−237(1992);及びCancer Letters 106(2):257−262(1996))があり、プログルミドの抗腫瘍効果が、CCK−A受容体を介するものであるのか、或いはガストリン/CCK−B受容体を介するものであるのかは不明であった。
また、非ベンゾジアゼピン化合物である選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗薬CI−988は、ヒト大腸癌担癌マウスにおいて25mg/kgの経口投与時、ガストリン刺激無しで増殖抑制作用を示したものの、50mg/kgでは全く効果が見られず癌増殖抑制作用が消失していた(Clinical and Experimental Pharmacology and physiology,23,438−40,1996)。
上記の通り、癌におけるガストリン/CCK−B受容体の役割は未だ解明されておらず、選択的ガストリン/CCK−B受容体阻害剤が、臨床的に有用な抗腫瘍剤になるか否かは、実際に不明であった。
一方、抗癌作用を有するベンゾジアゼピン誘導体として、2,3,4,5−テトラヒドロ−1−(1H−イミダゾール−4−イルメチル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン誘導体(J.Med.Chem.43(20),3587,2000)が報告されているが、本願化合物とは全く構造を異にする。
発明の開示
本発明者等は、化合物Aの生理活性作用について鋭意研究を行った結果、意外にも化合物A((3R)−N−(1−(1−tert−ブチルカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(2−ピリジル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル)−N−(3−(メチルアミノ)フェニル)ウレア)が、良好な抗癌作用、殊に膵臓癌に対して優れた抗癌作用を有し、しかも高用量投与においても副作用が少ないことを見い出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は化合物A又はその塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤に関する。好ましくは、1日当たりの経口投与量が0.1〜1000mg/kg、より好ましくは1mg/kg以上である抗腫瘍剤、並びに、1日当たりの静脈内投与量が0.01〜100mg/kg、より好ましくは0.1mg/kgである抗腫瘍剤である。また、本発明の抗腫瘍剤は、膵臓癌、大腸癌若しくは胃癌の治療剤として好ましく、中でも、膵臓癌の治療剤として特に好ましい。更に、本発明の抗腫瘍剤は、多剤併用化学療法に用いられる抗腫瘍剤、即ち、少なくとも1つの他の抗腫瘍剤と、同時又は異なる時に、同一又は異なる頻度で、及び同一又は異なる投与形態で、併用投与される抗腫瘍剤を包含する。
また、本発明は、化合物A又はその塩の、抗腫瘍剤、殊に多剤併用化学療法に用いる抗腫瘍剤である医薬の製造への使用、有効量の化合物A又はその塩を患者に投与することからなる癌患者の治療方法、並びに、有効量の化合物A又はその塩と、少なくとも1つの他の抗腫瘍剤を投与することを含む多剤併用化学療法による癌患者の治療方法を包含する。
発明を実施するための最良の形態
本発明の有効成分である化合物A又はその塩は前記J.Med.Chem.1997,40(3),331−341、或いはWO95/06040号公報記載の方法により製造することができる。ここに、化合物Aの塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩等の無機酸又は有機酸との塩が挙げられる。
本発明の医薬製剤は,当分野において通常用いられている薬剤用担体,賦形剤等を用いて通常使用されている方法によって調製することができる。投与は錠剤,丸剤,カプセル剤,顆粒剤,散剤,液剤等による経口投与,又は,静注,筋注等の注射剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
本発明による経口投与のための固体組成物としては,錠剤,散剤,顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては,活性物質が少なくともひとつの不活性な希釈剤,例えば乳糖,マンニトール,ブドウ糖,ヒドロキシプロピルセルロース,微結晶セルロース,デンプン,ポリビニルピロリドン,メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は,常法に従って,不活性な希釈剤以外の添加剤,例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤や崩壊剤,安定化剤,溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖,ゼラチン,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は,薬剤的に許容される乳濁剤,溶液剤,懸濁剤,シロップ剤,エリキシル剤等を含み,一般的に用いられる不活性な希釈剤,例えば精製水,エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤,懸濁剤のような補助剤,甘味剤,風味剤,芳香剤,防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては,無菌の水性又は非水性の溶液剤,懸濁剤,乳濁剤を含有する。水性の溶液剤,懸濁剤としては,例えば注射用蒸留水及び生理食塩液を用いることができる。非水溶性の溶液剤,懸濁剤としては,例えばプロピレングリコール,ポリエチレングリコール,オリーブ油のような植物油,エタノールのようなアルコール類,ポリソルベート80(商品名)等を用いることができる。このような組成物は,さらに防腐剤,湿潤剤,乳化剤,分散剤,安定化剤,溶解補助剤のような補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過,殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し,使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
本発明医薬における化合物Aの投与量は、その投与方法、患者の症状,年令,性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。通常、経口投与の場合、1日の投与量は、0.1〜1000mg/kg、好ましくは0.5〜500mg/kg、更に好ましくは1〜100mg/kgが、静脈内投与される場合、1日の投与量は、約0.01〜100mg/kg、好ましくは0.1〜10mg/kgがそれぞれ適当であり,これを1日1回乃至複数回に分けて投与する。
本発明医薬を多剤併用化学療法に用いる場合は、例えば、前出の「癌の化学療法ハンドブック 抗癌剤の使い方と副作用対策」に記載の各種多剤併用化学療法に追加して、或いは、その中の1〜2種の抗癌剤と置換して、適用することができる。本剤と併用できる他の抗腫瘍剤としては、好ましくは、代謝拮抗剤(5−FU及びその誘導体(tegafur,UFT,carmofur,doxifluridine,tegafur−gimestat及びotastat potassium),GEM,methotrexate,6−mercaptopurine,enocitabine,cytarabine等)、抗癌性抗生物質(MMC,ADM,epirubicin,aclarubicin,pirarubicin,THR,bleomycin,neocarzinostatin等)、アルキル化剤(nimustine,carboquone,ACNU,cisplatin,carboplatin等)、抗癌性植物アルカロイド(vincristeine,vinblasteine,etoposide等)、タキサン(taxol、taxotera)、その他(irinotecan、streptozocin等)の併用化学療法に用いられている抗腫瘍剤が挙げられる。より好ましくは、代謝拮抗剤及びタキサンである。殊に、膵臓癌治療作用の知られる5−FU、GEM、taxol及びtaxoteraが好ましい。
化合物A並びに併用される他の抗癌剤の投与量は、併用する薬剤、患者の症状、投与方法等に応じて各薬剤毎に適宜決定される。多剤併用化学療法における化合物Aの投与量は前記と同様である。また、投与時期、投与頻度及び投与形態は、併用する各薬剤毎に最適の方法が選択される。即ち、本発明医薬は、少なくとも1つ(好ましくは1〜4)の他の抗腫瘍剤と、同時又は異なる時に、同一又は異なる頻度で、及び同一又は異なる投与形態で投与される。多剤併用化学療法における化合物Aの投与形態としては、1日1回乃至複数回の経口投与が好ましい。
後記実施例に示す様に、本発明医薬は他の抗腫瘍剤と併用することによって、副作用を増大させることなく、優れた抗腫瘍効果を達成することが確認されている。よって、本発明医薬を多剤併用化学療法に取り入れることによって、副作用の強い他の抗腫瘍剤の投与量を減少させることが可能であり、更に優れた抗腫瘍効果を得ることが期待される。
化合物Aのガストリン/CCK−B受容体への結合親和性(IC50値)は0.1nMと強力であり、また、イヌにおけるガストリン刺激胃酸分泌を0.01mg/kgの経口投与で50%抑制することが報告されている(J.Med.Chem.1997,40(3),331−341)。それに比して、本願の抗腫瘍作用を発現する用量ははるかに高用量であり、その作用がガストリン/CCK−B受容体を介するものか否かは不明である。
化合物Aの抗腫瘍作用並びに毒性を以下の実施例1〜5により示す。また、本発明抗腫瘍剤の調製例を実施例6に示す。
実施例1(各種担癌マウスにおける抗腫瘍作用)
ヒト膵臓癌細胞株(BxPC−3、PANC−1)、ヒト大腸癌細胞株(HT29、COLO320DM)並びにヒト胃癌細胞(MKN28)の3〜10×106個を雌性Balb/cヌードマウスの背側部皮下に移植した。癌細胞皮下移植の翌日から、1日当たり200mg/kgの化合物Aを、0.5%メチルセルロース懸濁液として2回に分けて毎日経口投与した。また、対照群には0.5%メチルセルロース溶液を同様に投与した。腫瘍径の測定にはノギスを用い、最終投与の翌日まで経時的に測定した。腫瘍容量および腫瘍増殖抑制率は以下の計算式で算出した。
腫瘍容量(mm3)=1/2×短径(mm)2×長径(mm)
腫瘍増殖抑制率(%)=
[(対照群の腫瘍容積−化合物A投与群の腫瘍容積)/対照群の腫瘍容積]×100
結果を下表に示す。
本発明の医薬は、ヒト膵臓癌、ヒト大腸癌並びにヒト胃癌において、良好な抗腫瘍作用を有する事が確認された。
実施例2(BxPC−3担癌マウスにおける抗腫瘍作用と毒性)
ヒト膵臓癌細胞株BxPC−3担癌マウスにおいて、腫瘍体積が約120mm3と大きくなってから、試験例1と同様にして化合物Aの投与を開始した。1日当たりの投与量は200又は600mg/kgであり、投与期間は21日間であった。
腫瘍増殖抑制率は以下の計算式で算出した。
腫瘍増殖抑制率(%)=
{[(対照群の投与終了日の腫瘍容積−対照群の投与開始前の腫瘍容積)−(化合物A投与群の投与終了日の腫瘍容積−化合物A投与群の投与開始前の腫瘍容積)]/(対照群の投与終了日の腫瘍容積−対照群の投与開始前の腫瘍容積)}×100
200又は600mg/kg投与時の腫瘍増殖抑制率は各々48%および79%と用量依存的な抗腫瘍作用が確認された。また、このときの体重変化を下表に示す。化合物Aは、600mg/kgを21日間連投してもマウス体重に影響を及ぼさず、副作用も観察されなかった。よって、化合物Aは高投与量においても、副作用の少ない良好な抗腫瘍剤となり得ることが確認された。
実施例3(他の選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗薬との比較)
ヒト大腸癌細胞株COLO320DM担癌マウスにおいて、腫瘍体積が約120mm3と大きくなってから、実施例2と同様にして化合物Aを投与した。1日あたりの投与量は60又は200mg/kgであり、投与期間は10日間であった。比較化合物として、前出のWO93/16999号公報中に「実施例38の化合物」としてイヌにおける良好なペンタガストリン刺激胃酸分泌阻害データが開示される(3RS)−N−(1−(1−tert−ブチルカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(2−ピリジル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル)−N’−(3−(ジメチルアミノ)フェニル)ウレア200mg/kgも同様に投与した。
腫瘍増殖抑制率を実施例2と同様にして求めた。化合物A60又は200mg/kg投与時の腫瘍増殖抑制率は、それぞれ20及び27%であった。一方、比較化合物は腫瘍増殖抑制作用を示さなかった。
本発明の化合物Aが抗腫瘍作用を呈する条件で、先行技術に開示される選択的ガストリン/CCK−B受容体拮抗化合物は抗腫瘍作用を示さなかった。
実施例4(Gemcitabineとの比較試験)
ヒト膵臓癌株BxPC−3を3×106個を雌性Balb/cヌードマウス(6週齢)の背側部皮下に移植した。腫瘍体積が約110mm3と大きくなってから、実施例2と同様にして1日当たり60、200又は600mg/kgの化合物Aを、2回に分けて毎日経口投与した(n=5)。また、対照群には0.5%メチルセルロース溶液を同様に投与した。投与期間は14日間であった。
比較化合物として、既知の膵臓癌治療剤であるGemcitabine(GEM)を同様に試験した。GEMは、1日当たり60、120又は240mg/kgを、3日に1回静脈内投与した。対照群には生理食塩液を同様に投与した。
腫瘍増殖抑制率は実施例2と同様にして求めた。
表3に化合物A投与群の、また、表4にGEM投与群の、腫瘍増殖抑制率を、副作用の程度を示唆する各種パラメーターと共に示す。
化合物AはBxPC−3担癌モデルにおいて、用量依存的な抗腫瘍作用を示した。この時、体重、臓器重量(脾臓、腎臓、肝臓)および赤血球数に影響を及ぼさなかった。また他の血液学的パラメーター(白血球数、血小板数)にも影響はなかった。
一方、GEMの240mg/kg i.v.群では死亡例が観察されたことから、MTD(maximum tolerated dose)は120mg/kgであった。GEMはBxPC−3担癌マウスにおいて、用量依存的な抗腫瘍作用を示したが、赤血球数に対しても用量依存的且つ有意な減少作用を誘発した。さらに、軽度ではあるが体重増加抑制および肝臓重量の減少も見られた。
本発明の化合物Aは、既存抗腫瘍剤GEMと同等の良好な抗腫瘍作用を有し、しかも特に副作用が見られないことから、有用な抗腫瘍剤となり得ることが確認された。
実施例5(Gemcitabineとの併用試験)
実施例4と同様にして、化合物Aを1日当たり200又は600mg/kgを毎日経口投与し、且つGEMを3日に1回60又は120mg/kg静脈内投与した(n=5)。
結果を下表に示す。
化合物A200mg/kgとGEM60mg/kgの併用群において、その抗腫瘍作用(93.4%)はGEM単独60mg/kg投与群(22.2%)並びに化合物A200mg/kg群(25.1%)と比較して格段に優れていた。そして、その作用はGEMのMTDである120mg/kg投与群(80.2%)よりも更に優れるものであった。この時、副作用についてはGEM単独60mg/kg投与群と比較して、変化は見られず、併用により抗腫瘍作用が格段に増強されたにもかかわらず、副作用は同等であることが確認された。また、化合物A600mg/kgとGEM120mg/kgの併用群においては、更に抗腫瘍作用が増強し、増殖抑制率100%以上、即ち腫瘍の退縮が観察された。副作用については、GEM単独投与群で見られた赤血球数減少、体重増加抑制および肝臓重量減少が若干増強する傾向が見られたが、死亡例等の危篤な副作用は見られなかった。
以上の結果は、化合物AのGEMとの併用により、副作用を抑え且つ優れた抗腫瘍効果が達成されたこと、また、GEM単独投与では成し得なかった、腫瘍退縮効果まで達成されたことを示すものである。
実施例6(100mg錠の調整法)
化合物A200g、乳糖146g、コーンスターチ36gを流動造粒コーティング装置(大川原製作所製)を使用して均一に混合した。これに10%ヒドロキシプロピルセルロース溶液90gを噴霧して造粒した。乾燥後、20メッシュの篩を通し、これにカルボキシメチルセルロースカルシウム7.6g、ステアリン酸マグネシウム1.4gを加え、ロータリー打錠機(畑鉄工所製)で8mm×9Rの臼杵を使用して1錠あたり200mgの錠剤を得た。
産業上の利用可能性
本発明の医薬は、各種担癌マウスにおいて、良好に癌の増殖を抑制し、しかも低毒性であることが確認されており、膵臓癌、大腸癌並びに胃癌等の抗腫瘍剤として有用である。殊に、難治性の膵臓癌に対して優れた抗腫瘍作用を有することから膵臓癌の治療に有用である。また、本発明の医薬は毒性が低く、高用量の投与も可能である。そして、経口投与可能であることから投与形態も簡便である。
本発明医薬を多剤併用化学療法に用いた場合、副作用の強い抗腫瘍剤の投与量を減少させることが可能であり、良好な抗腫瘍作用を有する副作用の低減された多剤併用化学療法の実現が期待される。
Claims (8)
- (3R)−N−(1−(1−tert−ブチルカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(2−ピリジル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル)−N’−(3−(メチルアミノ)フェニル)ウレア又はその塩を有効成分として含有する抗腫瘍剤。
- 膵臓癌、大腸癌又は胃癌の治療剤である請求の範囲1記載の剤。
- 膵臓癌の治療剤である請求の範囲2記載の剤。
- 少なくとも1つの他の抗腫瘍剤と、同時又は異なる時に、同一又は異なる頻度で、及び同一又は異なる投与形態で、併用投与されるものである請求の範囲1〜3記載の剤。
- (3R)−N−(1−(1−tert−ブチルカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(2−ピリジル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル)−N’−(3−(メチルアミノ)フェニル)ウレア又はその塩の、抗腫瘍剤である医薬の製造への使用。
- 医薬が、少なくとも1つの他の抗腫瘍剤と、同時又は異なる時に、同一又は異なる頻度で、及び同一又は異なる投与形態で、併用投与される抗腫瘍剤である請求の範囲5記載の使用。
- 癌患者の治療方法であって、有効量の(3R)−N−(1−(1−tert−ブチルカルボニルメチル)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−5−(2−ピリジル)−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル)−N’−(3−(メチルアミノ)フェニル)ウレア又はその塩を患者に投与することからなる方法。
- 請求の範囲7記載の治療方法であって、更に少なくとも1つの他の抗腫瘍剤を、同時又は異なる時に、同一又は異なる頻度で、及び同一又は異なる投与形態で、患者に投与することを含む治療方法。
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