JPWO2002085204A1 - 動脈硬化度測定装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、空気圧により毛細血管に血液を供給する動脈部位を圧迫して閉塞させるカフ1と、このカフ1の空気圧を制御する空気圧制御手段2と、前記カフにより阻血される毛細血管内における血流状態を検出する血流状態検出手段5と、前記空気圧制御手段2および血流状態検出手段5とそれぞれ接続され、前記カフ1による前記毛細血管の圧迫、解放を制御するとともに、前記血流状態検出手段5による血流回復時間を計測し、血液粘度を演算する中央処理装置3とを有し、非侵襲的に血液粘度を測定することができ、家庭においても血液粘度を簡単に測定してその管理を行うことができるようにしたものである。
Description
技 術 分 野
本発明は、動脈硬化度測定装置に係り、特に、血液粘度や血管の拡張反応を非侵襲的かつ日常的に測定することのできる動脈硬化度測定装置に関する。
背 景 技 術
一般に、血液には、健康な血液と不健康な血液とがある。このうち不健康な血液は血液粘度が高く、「ドロドロ」の血液と称される。これに対し、健康な血液は血液粘度が低く、「サラサラ」の血液と称される。
ドロドロ血液の原因の一つとしては、血漿にコレステロールや脂質を多く含み、血液粘度が上がる場合で「血が脂っぽい」と言われている。もう一つの原因としては、赤血球や血小板が凝集して毛細血管を通りにくくなる場合で「血が濃い」などと表現されている。
また、通常、赤血球や白血球は、毛細血管の口径よりもわずかに大きい寸法を有しており、通常は自分を変形させて毛細血管内を通過して行くが、血液中の血糖値や脂肪が高いと自己変形能が低くなって、毛細血管を通過しにくくなってしまい、血液粘度が上がってしまう。これらは通常「血が硬い」と表現されている。
赤血球の凝集は、水分をあまり摂取しない場合にも起こり、血が濃くなる。そのほか、ストレスやたばこの吸いすぎあるいは加齢によっても赤血球が凝集しやすくなると言われている。
このように血液粘度は、血栓や動脈硬化、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞の原因となるもので、生活習慣病の重要な原因パラメータの一つである。また、食生活においても、日常的に血液をサラサラにする野菜や果物、DHA,EPAなどを多く含む魚介類が紹介され研究されている。
また、血液粘度が高くなると、血管の内皮細胞においてその血液粘度に応じたずり応力が加わる。すると、このずり応力に応じて生理活性物質の1つである一酸化窒素(NO)が血管に放出される。この一酸化窒素は、血管の平滑筋を弛緩させるので、これにより血管は拡張される。このように血管が拡張されると、血液が血管内を通過しやすくなるので、ドロドロの血液による血管へのストレスが緩和されることが知られている。また、前記一酸化窒素は、血液内の血小板や血球が血管の内皮細胞に癒着するのを抑制するように働くので、これにより血管の内皮細胞が平滑な状態に保たれることも知られている。したがって、一酸化窒素が放出されずに血小板等が血管の内皮細胞に癒着した場合には、血管の内径が細くなってしまい、さらにこのような場合には血管が拡張されないので、ドロドロの血液が血管内を通過するのは困難となり、血栓が発生しやすく、さらには動脈硬化の原因となってしまう。これにより、拡張反応が大きい、すなわち柔軟性が高い方が健康な血管であることが分かる。
このように血管の拡張反応も、前記血液粘度と同様に生活習慣病の重要な原因パラメータの一つである。
そして、従来より血液粘度や血管の拡張反応を測定するための動脈硬化度測定装置が知られている。
ここで、血液粘度は、一般に、ポアセイユの法則により求められる。
血液粘度η=4πr・P/8・1・Q
(r:血管半径、P:鎖2点間の血圧差、1:測定部位より先の血管の全長、Q:血液流量)
このポアセイユの法則から求められる血液粘度は、採血して後にヘス法などを使って調べると、健常者においては、朝で5.68〜4.41、夜で3.99程度とされている。
ところで、血液粘度は、一般に、ポアセイユの法則から少なくとも2点間の血圧差が測定できなければ計算できなかった。そのため、従来、血圧差と血流速度は別々に測定されており、非侵襲的な動脈硬化度測定装置としては大がかりな装置になっていた。
しかしながら、近年、血圧差測定を前提にしないで血液粘度を非侵襲的に測定する方法が提案されている。
すなわち、特開平11−316180号公報に示されているように、超音波装置のエコーを使ってニュートン流を仮定した血流速度を数点求め、ナビイエ・ストークスの微分方程式から血液粘度と圧力勾配を同時に求めようとする方法が知られている。
ただし、この公報記載の方法が適用可能な測定部位は、血管内に血流の速度分布があるような大中動脈に限られているため、測定部位や測定技術などを考慮すると家庭で使えるほど容易ではない。
一方、血液を1滴採取するため必ずしも非侵襲的とは言えないが、CCDカメラと顕微鏡を使用して生きた血液細胞を観察する血液細胞分析(Live Blood Analysis)が普及している。
このCCDカメラと顕微鏡により約1万倍に拡大された血液においては血球の状態が映し出され、赤血球の凝集と白血球の状態が生きたまま確認できる。この血液細胞分析は、血液のドロドロ状態を画像として確認できるため優れているが、血液には種々のパターンがあるため、専門家でなくては血液の状態判断が難しく、家庭において気楽に使える装置ではない。特に、採血を行ったうえで顕微鏡による観察を行わなければならないため、研究室レベルでの使用が想定されている装置であると言える。
さらに最近においては、半導体微細加工技術を使用し、ガラス基板に毛細血管を人工的に作り出し、採取した血液により毛細血管中を通過させ、その通過時間により血液粘度を計るMicro Channel aray Flow Analyzer:MC−FAN法が開発されている。菊池佑二他、「細胞マイクロレオロジー測定装置MC−FAN」細胞30(7),281−284(1998)参照。
この方法は採血と装置の扱いが大がかりになるため実験施設内の利用にとどまっている。しかし血液粘度を血液が人工の毛細血管を流れきる時間で表していることを考えると、後述する本発明による生体内毛細血管血流量を使って非侵襲的に血液粘度を測定する装置と原理的にはかなり近いと考えられる。
一般に、細動脈から毛細動脈に分岐した毛細管は、指先など毛細血管が集中する皮膚表面に向かって直角に進んだ後、皮膚表面において反転し、毛細静脈血管に接続されている。
近年のドイツにおける研究(Influence of metabolic control and duration of disease on microvascular dysfunction in diabetes assessed by laser Doppler anemometry:M.F.Meyer,H.Schatz Exp Clin Endocrimol Diabetes 106(1998)395−403,Germany)によると、レーザドップラ血流速度計を使用した単一の毛細血管内の血球レベルでの移動速度においては、毛細血管自体の血管運動による速度が重複しているにもかかわらず、心拍拍動に同期した速度変動が見られる。
そこで、もし赤血球などの変形能が低下したり、赤血球凝集などが生じると、単一の毛細血管レベルでのこの血球速度は、血液粘度の上昇により最大速度振幅値の低下となって現れるだろうと推測された。
しかしながら、1型および2型の10年以上と10年以下の糖尿疾患期間の患者グループと健常者のグループの比較では、この最大血球速度に有意差がなかった。このように最大血球速度に有意差がなかったのは、最大血球速度には個人差があるし、また、心拍周期内程度の時間内では誤差が大きすぎて差が見いだされるに至らなかったと判断されている。
これに対し、上腕動脈をカフにより最高血圧以上に圧迫して1分間閉塞させた後、カフの空気圧を解放し、血液が毛細血管全体に充血することによって毛細動脈管が毛細静脈管に接続される先端の血球速度が回復するまでの時間には糖尿病患者グループと健常者のグループとに有意差が見いだされた。このように有意差が見いだされた原因しては、糖尿病患者では血液粘度が高いため、末端の毛細管内血球速度が回復するには時間がかかるであろうと類推できる。
一方、スエーデンにおける研究(Skin Capillary is More Impaired in the Toes of Diabetes Than Non−diabetic Patients Vascular Disease:G.Jorneskog,K.Brismar,B.Fagrell:DIABETIC MEDICINE,1995;12:36−41,Sweden)によると、足の親指をミニチュアカフを使用して同様に閉塞させた後の回復時間を測定した実験において、糖尿病患者と健常者では有意差が認められている。
一方、血管の拡張反応については、従来より血管径を測定することにより血管の拡張反応を測定する動脈硬化度測定装置が知られている。
この測定装置は、まず平常状態における所定の血管径をエコーを用いて測定する。続いて、上腕動脈をカフにより5分間阻血した後、カフの空気圧を解放して充血させ、前記所定の血管径を前記エコーを用いて測定する。そして、平常時と阻血終了後充血時との血管径を比較し、その血管径の増加の割合から血管の拡張反応を測定する。
しかし、前述のような動脈硬化度測定装置においてはエコーを用いて血管の拡張反応を測定するが、このエコーは大がかりな装置であるため、一般の家庭では使用が困難であった。
発 明 の 開 示
本発明は、血液粘度や血管の拡張反応を簡単にしかも非侵襲的に測定して容易に動脈硬化度を測定しうる動脈硬化度測定装置を提供することを目的としている。
前述した目的を達成するため請求項1に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、空気圧により毛細血管に血液を供給する動脈部位を圧迫して閉塞させるカフと、このカフの空気圧を制御する空気圧制御手段と、前記カフにより圧迫される毛細血管内における血流状態を検出する血流状態検出手段と、前記空気圧制御手段および血流状態検出手段とそれぞれ接続され、前記カフによる前記毛細血管に血液を供給する動脈部位の圧迫、解放を制御するとともに、前記血流状態検出手段による血流回復時間を計測し、血液粘度を演算する中央処理装置とを有する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、非侵襲的に血液粘度を測定することができ、家庭においても血液粘度を簡単に測定してその管理を行うことができる。
請求項2に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、前記カフにより前記毛細血管に血液を供給する動脈部位を一定時間閉塞させるために前記空気圧制御手段によりカフに空気圧を作用させる時間を設定するタイマをさらに有する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、タイマにより毛細血管に血液を供給する動脈部位を一定時間正確に閉塞させることができる。
請求項3に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、前記血流回復時間を計測する回復時間計測タイマをさらに有する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、回復時間計測タイマにより血流回復時間を正確に計測することができる。
請求項4に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、前記血流状態検出手段を光電脈波計測計により構成した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、脈波振幅値に基づいて血流回復状態を検出することができる。
請求項5に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、前記中央処理装置は、前記回復時間計測タイマのスタートと同時に光電脈波計測計が計測した脈波最大振幅値を複数個移動平均させながら移動平均値が平常時の平均値とある偏差以内で一致するかを比較して両者が一致した時点でタイマを終了させ、その経過時間を血流回復時間とするように制御する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、脈波振幅値に基づいて血流回復時間を正確に演算することができる。
請求項6に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、前記血流状態検出手段をレーザドップラ血流計あるいはレーザドップラ血流速度計により構成した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、血流量あるいは血流速度に基づいて血流回復状態を検出することができる。
請求項7に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、前記中央処理装置は、前記回復時間計測タイマのスタートと同時にレーザドップラ血流計あるいはレーザドップラ血流速度計が計測した血流量あるいは血流速度の最大値を複数個移動平均させながら移動平均値が平常時の平均値とある偏差以内で一致するかを比較して両者が一致した時点でタイマを終了させ、その経過時間を回復時間とするように制御する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、血流量あるいは血流速度に基づいて血流回復時間を正確に演算することができる。
請求項8に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、空気圧により毛細血管に血液を供給する動脈部位を圧迫して閉塞させるカフと、このカフの空気圧を制御する空気圧制御手段と、前記カフにより阻血される毛細血管内の光電脈波を光電脈波計測計によって計測し、前記光電脈波のうち直流の周波数帯域の脈波によって前記毛細血管内の血液の血液レベルを検出する血液レベル検出手段と、前記空気圧制御手段によって前記毛細血管に血液を供給する動脈部位を圧迫および解放し、また前記血液レベル検出手段によって平常時および阻血後充血時の前記毛細血管の光電脈波を計測し、前記平常時と阻血後充血時との血液レベルの差を検出し、前記血液レベルの差から血液量の増加分を演算し、この血液量の増加分から血流量の増加分を演算し、前記血流量の増加分から血管拡張反応を測定する中央処理装置とを有する点にある。
ここで、血液レベルとは、指尖頭の毛細血管を流れる酸化および還元ヘモグロビンが近赤外線を吸収する割合を吸光度で表した量である。また、本発明において血液量とは、単位時間あたりの血液量であり、ヘモグロビンすなわち赤血球が増加すれば血液量が増加すると考えられるため、血液レベルと血液量とは相関関係があるといえる。そこで血液レベルが上昇すれば血液量も増加すると考えられる。また、血流量とは、単位時間あたりの血液の流れであるので血液量と血流量は比例し、血液量が増加すれば血流量も増加する。このため、血液レベルの増加分から血流量の増加分を演算することができると考えられる。そして、エコーを使って拡張した血管径を測定する従来の血管拡張反応測定法によれば血流量が増加すると血管が大きく拡張している事が判明しているため、血液レベルを測定することによって血管の拡張度が計測できる。
この血液量を正確に測定するには、従来の光電脈波計のように交流成分のみではなく直流成分を正確に測定なくてはならない。
そして、このような構成を採用したことにより、血液レベル検出手段によって光電脈波の波形だけではなく、平常時と充血時における吸光度の差を検出することができるので、この吸光度の差により血液レベルの差を測定することができ、この血液レベルの差から最終的に血流量の増加分を演算して血管の拡張反応を測定することができる。
請求項9に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、前記カフにより前記毛細血管に血液を供給する動脈部位を一定時間閉塞させるために前記空気圧制御手段によりカフに空気圧を作用させる時間を設定するタイマを有する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、タイマにより毛細血管に血液を供給する動脈部位を一定時間正確に閉塞させることができる。
発明を実施するための最良の形態
図1は本発明に係る動脈硬化度測定装置の実施形態を示すものであり、この図1の動脈硬化度測定装置としての血液粘度測定装置は、空気圧により血管を圧迫して閉塞させるカフ1を有している。このカフ1は、正確な測定結果を演算するため血管内に血流の速度分布が生じない毛細血管に装着されるようになっている。
前記カフ1は、空気圧制御手段2と接続されており、この空気圧制御手段2によりカフ1が必要とする空気圧を供給するとともに、カフ1から空気圧を解放する制御を行うようになっている。また、この空気圧制御手段2には、メモリ4を備えた中央処理装置としてのCPU3が接続されており、このCPU3に設けられているタイマ(図示せず)により前記空気圧制御手段2がカフ1に空気圧を作用させる時間を設定し得るようになっている。このCPU3のその他の機能については後述する。
ところで、前記CPU3のメモリ4には、カフ1から空気圧を解放したときの脈波が平常時の状態に回復するまでの回復時間Treco(s)の平均値、すなわち、予め多数の糖尿病、高コレステロール症、高脂血症患者において測定された回復時間Treco(s)の平均値を世代別にその大きさに応じて±σの統計分布偏差幅をもって記憶させてある。また、一方で前述した患者と同程度の人数規模で健常者の回復時間Treco(s)も同様に統計処理し、メモリ4に記憶しておく。特に、健常者の統計分布においては、高い加齢依存性のある場合があるため、これら統計分布においては2つのグループは別々に分離してメモリ4に記憶しておくほうが血液粘度の状態を判断しやすい。
前記CPU3には、前記カフ1により圧迫される毛細血管内における血流状態を検出する血流状態検出手段の一例としての光電脈波計測計5が接続されている。この光電脈波計測計5は、前記カフ1により圧迫される毛細血管内における血流の脈波の状態を光学的に計測し得るようになっている。なお、前記血流状態検出手段の他例としてレーザドップラ血流計あるいはレーザドップラ血流速度計を使用してもよい。ここにおいて、血流量=血液量×血流速度の関係にあるので、レーザードップラ血流計もレーザドップラ血流速度計における血液速度と同等の指標値となる。
また、前記CPU3には、前記カフ1による圧迫から解放された毛細血管内における血流の脈波が平常時の状態まで戻るのに要する時間を計測する回復時間計測タイマ6が接続されている。
さらに、前記CPU3には、測定結果を印字するためのプリンタ7および測定結果を表示するための表示器8がそれぞれ接続されている。さらにまた、前記CPU3には、測定結果を図示しないパソコンなどに入力するためのメモリカード9が着脱可能に装着されるようになっている。
前記カフ1は、内部を毛細血管に血液を供給する動脈部位が走っている人体の部位に巻回されるようになっている。このカフ1が巻回される部位の例が図2ないし図4にそれぞれ示されている。
図2は、左手第3指あるいは第4指の基第5中手骨底部にカフ1を巻回するとともに、先端部にサック状の光電脈波計測計5を装着して前述した図1の血液粘度測定装置により血液粘度を測定している状態を示している。なお、血液粘度測定装置の本体10からは、LANインタフェースのケーブル11が導出されている。
また、図3は、左手手首にカフ1を巻回するとともに、左手第3指あるいは第4指の先端部にサック状の光電脈波計測計5を装着して図1の血液粘度測定装置により血液粘度を測定している状態を示している。
さらに、図4は、左手上腕部にカフ1を巻回するとともに、左手第3指あるいは第4指の先端部にサック状の光電脈波計測計5を装着して図1の血液粘度測定装置により血液粘度を測定している状態を示している。
なお、図2、図3および図4以外にも内部を毛細血管に血液を供給する動脈部位が走っていれば、足親指の中足骨底部など他の部位でもよい。
次に、前述した構成からなる本発明の実施形態の作用について説明する。なお、本説明においては、図2に示されている左手第4指の基第5中手骨底部にカフ1を巻回する実施形態として説明する。
図5は、カフ1を使用する前後に光電脈波計測計5により計測される脈波振幅値の状態を示すものである。また、図6は、実施形態の作用をステップ順に示すものである。
図1および図2においてカフ1により左手第4指の基第5中手骨底部に空気圧を作用させる前の平常時の脈波最大振幅値をn個あるいはTrest秒だけ平均して図5に示すように、脈波最大振幅値の平均値VmaxAVを求める(図6−ST1)。
このとき、カフ1に作用させる適切な空気圧は被測定者の最高血圧値を数十mmHgだけ大きく設定するのがよいとされているが、場合によっては、カフ1に作用させる空気圧としてどのような数値が適切であるか不明な場合も多い。その場合にはカフ1の空気圧を上げながら脈波振幅の最大値が一定の値Vminだけ下降した地点を最適カフ圧とする方法もあり得る(図6−ST2)。
その後、CPU3に制御された空気圧制御手段2によりカフ1に空気圧を作用し、図5に示す一定の時間Tocだけ動脈である毛細血管を閉塞させる(図6−ST3)。この時間Tocとしては、例えば60秒程度が設定される。
カフ1による毛細血管のToc時間の閉塞後、カフ1に作用させていた空気圧を急速に解放し、閉塞されていた動脈血を再び網状に張り巡らされている毛細血管に流し込む。この脈波が回復する過程においては、血液の粘性状態が増大して例えば赤血球などの変形能が低下し、毛細血管を血球が通過しにくくなったときには時間が余分にかかるはずである。
図5におけるこの回復時間Trecoを決定するため、カフ1の空気圧が解放されると同時に、CPU3が、n個の脈波振幅の最大値を移動平均させるか、あるいは、時定数を合わせるため一定時間Tmov内に取り込まれた脈波最大値の数mで移動平均させる。同時に回復時間測定タイマも起動させる(図6−ST4)。
この移動平均値VmaxMOVは、1秒ごとに先ほど求めておいた平常時における脈波最大値の平均値VmaxAVとCPU3において比較され、その差分値が演算される(図6−ST5)。この算出された差分値がある定められた偏差値σ以内に納まる時点を検出し、この時点においてCPU3からの指令により回復時間タイマ6を停止させる。そして、これまで回復時間タイマ6が計測した時間を回復時間Treco(s)として保存する。また、この回復時間Treco(s)は、表示器9に直ちに表示される(図6−ST6)。
そして、実際に計測された回復時間Treco(s)を予めメモリ4に記憶されている統計分布値としての回復時間Treco(s)と相対比較ができるようにプリンタ7を用いて用紙に印字する(図6−ST7)。
図7は、前述したメモリ4に記憶されている多数の糖尿病、高コレステロール症、高脂血症患者において測定された回復時間Treco(s)の平均値と、患者と同程度の人数規模の健常者において測定された回復時間Treco(s)の平均値を示すものである。特に、健常者の統計分布においては、この回復時間Treco(s)に高い加齢依存性があり、高齢者ほど血液の「サラサラ」が低下している。一方、患者の統計分布においては、この回復時間Treco(s)に加齢依存性が見られず、一様に血液は「ドロドロ」状態となっている。
また、図8に示すように、1日における回復時間Treco(s)の変化を回復時間Treco(s)の大きさに応じて血液の「サラサラ」、「ドロドロ」といった解りやすい表現に改めて血液粘度の目安として相対評価すれば、ふだんから血液がサラサラになる食品を摂取する励みになる(図6−ST8)。
すなわち、一般に、血液粘度は朝方高く、夜に低くなると言われているため、寝る前に水を飲んで寝ている間に上昇しようとする血液粘度を低く維持する健康法が知られている。また、血液粘度はストレスが貯まる場合にも高くなると言われている。そこで、前述した糖尿病など日常的に血液粘度が高い患者群との相対比較とは別に1日の血液粘度を自分自身の相対的変動幅として捉えるのも重要である。
さらに、血液粘度は血圧と同じように長期的に把握しておくことも重要である。そこで何日分かまとまった回復時間Treco(s)を測定時間とともにメモリーカード9に保存しておき、パソコンなどのより上位のデータ処理手段に受け渡せるようにしておく。あるいは、LANインターフェースのケーブル11を通じて直接オンラインによってパソコンへダウンロードさせてもよい(図6−ST9)。
また、前述した1日数回測定された回復時間Treco(s)をメモリ4に記憶しておき、測定時間とともに血液体調チェック表としてプリンタ7を用いて用紙に印字することも肝要である(図6−ST10)。
以上説明したように本実施形態の血液粘度測定装置によれば、血液粘度を簡単にしかも非侵襲的に測定することができるので、家庭においても血液粘度を測定して管理することができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。たとえば、前述した実施形態においては、血流状態検出手段を光電脈波計測計により脈波振幅値に基づいて血流回復時間を検出するように説明したが、血流状態検出手段をレーザドップラ血流あるいはレーザドップラ血流速度計として血流量あるいは血流速度に基づいて血流回復時間を検出することも前述したようにもちろん可能である。
また、本実施形態においては、カフの空気圧を制御し、および光電脈波計測計からの信号を受信等する動作を、血液粘度測定装置に配設された1つの中央処理装置としてのCPUによって行うものであるが、これに限定されない。例えば、血液粘度測定装置が、カフの空気圧を制御する空気制御手段としての自動阻血装置と、毛細血管の血流の状態を検出する血流状態検出手段としての血流状態検出装置とによって構成され、この自動阻血装置と血流状態測定装置とのそれぞれに中央処理装置が配設されるものであってもよい。
次に、本発明に係る動脈硬化度測定装置の第二の実施形態について図9から図12を参照して説明する。
図9に示すように、本実施形態に係る動脈硬化度測定装置としての血管拡張反応測定装置21は、空気圧制御手段としての自動阻血装置22を有しており、この自動阻血装置22には、空気圧により血管を圧迫して閉塞させるカフ23が接続されている。このカフ23は、毛細血管に血液を供給する動脈部位に装着されるようになっている。本実施形態においては、前記カフ23は、前腕部に装着されるようになっているが、動脈を圧迫できる部位であれば、上腕部、手首、指根本、足首等いずれであってもよい。
また、この自動阻血装置22は、第1の中央処理装置としてのCPU24と、前記CPU24を動作させるスタートボタン25と、前記自動阻血装置22がカフ23に空気圧を供給する時間を設定するタイマ26とを有している。
そして、前記自動阻血装置22は、前記カフ23が前腕部の動脈を圧迫して毛細血管を閉塞することができる程度の空気圧を加えるとともに、前記カフ23から空気圧を解放する制御を行うようになっている。本実施形態においては、スタートボタン25を押すと前記カフ23に250mmHgの圧力が加えられ5分間維持された後前記カフ23の空気圧が解放されるようになっている。
さらに、前記自動阻血装置22には、前記カフ23に供給されている圧力を即時に表示するカフ圧表示盤27、およびカフ23に250mmHgの圧力が供給された後の経時時間を表示する時間表示盤28が設けられている。
また、前記血管拡張反応測定装置21は、光電脈波を測定して血液レベルを検出する血液レベル検出手段としての血液レベル検出装置30を有しており、この血液レベル検出装置30は、毛細血管の光電脈波を検出するサック状の光電脈波計測計31を有する。ここで、毛細血管の光電脈波を検出するのは、前記第1の実施形態において述べたように血管内において血流の速度分布が生じないので、光電脈波の正確な検出結果を演算することができるからである。本実施形態においては、前記光電脈波計測計31は、右手第2指の先端部に装着するようになっている。そして、この光電脈波計測計31は、図示しない発光素子によって酸化ヘモグロビンおよび還元ヘモグロビンに吸収されるような光を照射し、この光のうち前記毛細血管を透過した光を図示しない受光素子によって受ける。このとき受光素子は、毛細血管内を流れる酸化、還元ヘモグロビン等によって吸収されない光を受けるようになっており、前記光電脈波計測計31は、酸化、還元ヘモグロビン等が光を吸収した程度である吸光度に基づいて光電脈波を計測するようになっている。
また、前記血液レベル検出装置30は、光電脈波計測計31により計測された光電脈波の周波数帯域のうち直流の周波数帯域の脈波を直流信号として受信して、増幅器を介して増幅するようになされている。このとき、前記光電脈波計測計31は、光電脈波の直流の周波数帯域を測定することにより、光電脈波の振幅を測定するようになっている。
さらに、前記血液レベル検出装置30は、メモリ(図示せず)を備えた第2の中央処理装置としてのCPU32を有している。このCPU32は、前記光電脈波計測計31からの直流信号によって光電脈波の波形だけではなく酸化、還元ヘモグロビン等に吸収される光の吸光度の差を測定することができ、これにより血液レベルを検出するようになっている。
そして、前記CPU32は、平常後の血液レベルと阻血後充血時の血液レベルとの比較値から血流量の増加分を演算して、この血流量の増加分により血管の拡張反応を測定するようになっている。
さらに、前記血液レベル検出装置30には、測定結果を印字するためのプリンタ(図示せず)および測定結果を表示するための表示器(図示せず)がそれぞれ接続されている。また、前記血液レベル検出装置30には、測定結果を、例えばパソコン(図示せず)等に入力するためのメモリカード33が着脱可能に装着されるようになっている。さらにまた、前記血液レベル検出装置30には、パソコンに対してネットワーク接続するためのLANケーブルを接続するLANインタフェース34が設けられている。
次に、第2の実施形態の作用について説明する。
まず、カフ23を前腕部に装着し、光電脈波計測計31を右手第2指の先端部に装着する。
次に、前記カフ23に空気圧を供給する前の平常時において、血液レベル検出装置30を用いて3分間右手第2指の先端部の毛細血管の血液レベルを検出する。
続いて、前記自動阻血装置22のスタートボタン25を押して、カフ23に250mmHgの空気圧を供給して前記前腕部の動脈を5分間阻血した後、前記カフ23の空気圧を急速に解放して、阻血されていた動脈および毛細血管に血液を流し込み充血させる。このとき、前記毛細血管は約1分間程度をもって拡張していくのと同時に、前記毛細血管の血流量も約1分間程度をもって増加していくため、その後の充血状態を含めて前記血液レベル検出装置30を用いてカフ23の解放後数分間(本実施形態においては5分間)前記毛細血管の血液レベルを検出する。
図10は、第2の実施形態に係る血管拡張反応測定装置21を用いて血液レベルを検出した一例を示すグラフである。図10に示すように、動脈を阻血すると、鬱血するので血液レベルは急激に上昇する。その後、血液が流動して鬱血が解消していくのに従い、血液レベルは平常時の値の近くまで徐々に下降する。このとき、脈動はないので脈波は検出されない。続いて、カフの空気圧を解放して充血させると、血液が急激に流れ込むため血液レベルは一瞬急激に上昇するが、血液が供給される量よりも流れ出る量の方が多いため血液レベルは急激に下降する。その後、血液が脈動されながら流れ込むので血液レベルはこの脈動の波形に従いながら徐々に上昇し、充血後約1分程度をもって正確な脈波が現れる。
そして、前記血液レベル検出装置30のCPU32は、平常時の血液レベルの平均値をRとし、正確な脈波が現れた後の充血時の血液レベルの平均値をOCとするとき、血流量の増加分の割合Dを、
D=(OC−R)/R×100[%]
により演算する。この血流量の増加分の割合Dは、前記血液レベル検出装置30のCPU32のメモリに記憶される。
また、図11は、第2の実施形態に係る血管拡張反応測定装置21を用いて血流量の増加分の割合Dを演算したときの4日間に数回分の血流量の増加分の割合Dを図った場合の数値の一例を示すグラフであり、図11に示すように、血流量の増加分の割合Dは、日によって異なるものであり、また1日のうちでも時間によって異なることが分かる。
このため、前記血液レベル検出装置30のCPU32は、数日間1日に数回血流量の増加分の割合Dを演算して、これらの割合Dを前記メモリに記憶する。そして、前記CPU32は、それら血流量の増加分の割合Dから図12に示すような前記各割合Dの平均値等を求め、この平均値に基づいて血管の拡張反応を測定する。
また、血管拡張反応は、血圧や前述の血液粘度と同様に長期的に把握しておくことも必要である。そこで、何日分かまとまった血流量の増加分の割合Dを前記メモリカード33に保存してこのメモリカード33を用いてまたはLANインタフェース34のケーブルを通じて、パーソナルコンピュータ等に血流量の増加分の割合Dのデータを移し、このパーソナルコンピュータ等のデータ処理手段により前記各割合Dの平均値を求めて、血管拡張反応を測定するものであってもよい。
さらに、前記第1の実施形態と同様に、1日数回測定された血流量の増加分の割合Dをメモリに記憶させてプリンタを用いて用紙に印字することもできる。
以上説明したように、本実施形態の血管拡張反応測定装置21によれば、血液レベル検出装置によって光電脈波の直流の周波数帯域の脈波を検出することができるので、光電脈波の波形だけではなく平常時と充血時とにおける酸化、還元ヘモグロビン等に照射させた光の吸光度の差を検出することができる。これにより、血液レベルを測定することができ、そしてこの血液レベルから最終的に血流量を演算して血管の拡張反応を測定することができる。
したがって、簡単にしかも非侵襲的に血管の拡張反応を測定することができる。また、この血管の拡張反応が大きければしなやかで健康的な血管であるので、この血管の拡張反応によって動脈硬化度を測定することができる。この結果、一般家庭において気軽に動脈硬化度を測定することができ、この動脈硬化度に基づいて日常的に動脈硬化の予防を心がけることができる。
なお、本発明は、前述した第2の実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、この第2の実施形態においては自動阻血装置22と血液レベル検出装置30それぞれに中央処理装置としてのCPU24,32が配設されているが、これに限定されず、1つの血管拡張反応測定装置に前記2つのCPUの機能を備えた1つの中央処理装置が配設されているものであってもよい。
また、血管の拡張反応は年齢によっても異なるものであるため、10歳代、20歳代、30歳代等年齢毎の血管の拡張反応の標準値を求めておき、これら標準値を血液レベル検出装置のCPUに記憶させておき、これら標準値に基づいて動脈硬化度を測定してもよい。
さらに、前記血液レベル検出装置30は、光電脈波計測計31からの光電脈波のうち直流の周波数帯域の脈波を直流信号として受信するようになっているが、これに限定されない。例えば、前記第1の実施形態ににおいて血流状態検出手段としての光電脈波計測計としても使用可能とするために、直流信号の他交流信号も受信可能とし、直流信号と交流信号との受信を切り換えるための切り換えスイッチを有するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る動脈硬化度測定装置の実施形態の構成を示すブロック図、
図2は、図1の動脈硬化度測定装置による血液粘度の測定状態の一例を示す正面図、
図3は、図1の動脈硬化度測定装置による血液粘度の測定状態の他例を示す正面図、
図4は、図1の動脈硬化度測定装置による血液粘度の測定状態のさらに他例を示す正面図、
図5は、図1の動脈硬化度測定装置による測定時の脈波振幅の変化状態を示すグラフ、
図6は、図1の動脈硬化度測定装置による測定シーケンスを示すブロック図、
図7は、糖尿病、高コレステロール症、高脂血症患者と健常者における血液粘度の対比を示すグラフ、
図8は、1日における血液粘度の推移の一例を示すグラフ、
図9は、本発明に係る他の動脈硬化度測定装置の実施形態の測定状体の一例を示す正面図、
図10は、図9の動脈硬化度測定装置による測定時の光電脈波の波形および振幅状態を示すグラフ、
図11は、図9の動脈硬化度測定装置によって測定した血流量の増加分の割合を示すグラフ、
図12は、図11のグラフに示された数値の平均値をあらわす図表である。
本発明は、動脈硬化度測定装置に係り、特に、血液粘度や血管の拡張反応を非侵襲的かつ日常的に測定することのできる動脈硬化度測定装置に関する。
背 景 技 術
一般に、血液には、健康な血液と不健康な血液とがある。このうち不健康な血液は血液粘度が高く、「ドロドロ」の血液と称される。これに対し、健康な血液は血液粘度が低く、「サラサラ」の血液と称される。
ドロドロ血液の原因の一つとしては、血漿にコレステロールや脂質を多く含み、血液粘度が上がる場合で「血が脂っぽい」と言われている。もう一つの原因としては、赤血球や血小板が凝集して毛細血管を通りにくくなる場合で「血が濃い」などと表現されている。
また、通常、赤血球や白血球は、毛細血管の口径よりもわずかに大きい寸法を有しており、通常は自分を変形させて毛細血管内を通過して行くが、血液中の血糖値や脂肪が高いと自己変形能が低くなって、毛細血管を通過しにくくなってしまい、血液粘度が上がってしまう。これらは通常「血が硬い」と表現されている。
赤血球の凝集は、水分をあまり摂取しない場合にも起こり、血が濃くなる。そのほか、ストレスやたばこの吸いすぎあるいは加齢によっても赤血球が凝集しやすくなると言われている。
このように血液粘度は、血栓や動脈硬化、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞の原因となるもので、生活習慣病の重要な原因パラメータの一つである。また、食生活においても、日常的に血液をサラサラにする野菜や果物、DHA,EPAなどを多く含む魚介類が紹介され研究されている。
また、血液粘度が高くなると、血管の内皮細胞においてその血液粘度に応じたずり応力が加わる。すると、このずり応力に応じて生理活性物質の1つである一酸化窒素(NO)が血管に放出される。この一酸化窒素は、血管の平滑筋を弛緩させるので、これにより血管は拡張される。このように血管が拡張されると、血液が血管内を通過しやすくなるので、ドロドロの血液による血管へのストレスが緩和されることが知られている。また、前記一酸化窒素は、血液内の血小板や血球が血管の内皮細胞に癒着するのを抑制するように働くので、これにより血管の内皮細胞が平滑な状態に保たれることも知られている。したがって、一酸化窒素が放出されずに血小板等が血管の内皮細胞に癒着した場合には、血管の内径が細くなってしまい、さらにこのような場合には血管が拡張されないので、ドロドロの血液が血管内を通過するのは困難となり、血栓が発生しやすく、さらには動脈硬化の原因となってしまう。これにより、拡張反応が大きい、すなわち柔軟性が高い方が健康な血管であることが分かる。
このように血管の拡張反応も、前記血液粘度と同様に生活習慣病の重要な原因パラメータの一つである。
そして、従来より血液粘度や血管の拡張反応を測定するための動脈硬化度測定装置が知られている。
ここで、血液粘度は、一般に、ポアセイユの法則により求められる。
血液粘度η=4πr・P/8・1・Q
(r:血管半径、P:鎖2点間の血圧差、1:測定部位より先の血管の全長、Q:血液流量)
このポアセイユの法則から求められる血液粘度は、採血して後にヘス法などを使って調べると、健常者においては、朝で5.68〜4.41、夜で3.99程度とされている。
ところで、血液粘度は、一般に、ポアセイユの法則から少なくとも2点間の血圧差が測定できなければ計算できなかった。そのため、従来、血圧差と血流速度は別々に測定されており、非侵襲的な動脈硬化度測定装置としては大がかりな装置になっていた。
しかしながら、近年、血圧差測定を前提にしないで血液粘度を非侵襲的に測定する方法が提案されている。
すなわち、特開平11−316180号公報に示されているように、超音波装置のエコーを使ってニュートン流を仮定した血流速度を数点求め、ナビイエ・ストークスの微分方程式から血液粘度と圧力勾配を同時に求めようとする方法が知られている。
ただし、この公報記載の方法が適用可能な測定部位は、血管内に血流の速度分布があるような大中動脈に限られているため、測定部位や測定技術などを考慮すると家庭で使えるほど容易ではない。
一方、血液を1滴採取するため必ずしも非侵襲的とは言えないが、CCDカメラと顕微鏡を使用して生きた血液細胞を観察する血液細胞分析(Live Blood Analysis)が普及している。
このCCDカメラと顕微鏡により約1万倍に拡大された血液においては血球の状態が映し出され、赤血球の凝集と白血球の状態が生きたまま確認できる。この血液細胞分析は、血液のドロドロ状態を画像として確認できるため優れているが、血液には種々のパターンがあるため、専門家でなくては血液の状態判断が難しく、家庭において気楽に使える装置ではない。特に、採血を行ったうえで顕微鏡による観察を行わなければならないため、研究室レベルでの使用が想定されている装置であると言える。
さらに最近においては、半導体微細加工技術を使用し、ガラス基板に毛細血管を人工的に作り出し、採取した血液により毛細血管中を通過させ、その通過時間により血液粘度を計るMicro Channel aray Flow Analyzer:MC−FAN法が開発されている。菊池佑二他、「細胞マイクロレオロジー測定装置MC−FAN」細胞30(7),281−284(1998)参照。
この方法は採血と装置の扱いが大がかりになるため実験施設内の利用にとどまっている。しかし血液粘度を血液が人工の毛細血管を流れきる時間で表していることを考えると、後述する本発明による生体内毛細血管血流量を使って非侵襲的に血液粘度を測定する装置と原理的にはかなり近いと考えられる。
一般に、細動脈から毛細動脈に分岐した毛細管は、指先など毛細血管が集中する皮膚表面に向かって直角に進んだ後、皮膚表面において反転し、毛細静脈血管に接続されている。
近年のドイツにおける研究(Influence of metabolic control and duration of disease on microvascular dysfunction in diabetes assessed by laser Doppler anemometry:M.F.Meyer,H.Schatz Exp Clin Endocrimol Diabetes 106(1998)395−403,Germany)によると、レーザドップラ血流速度計を使用した単一の毛細血管内の血球レベルでの移動速度においては、毛細血管自体の血管運動による速度が重複しているにもかかわらず、心拍拍動に同期した速度変動が見られる。
そこで、もし赤血球などの変形能が低下したり、赤血球凝集などが生じると、単一の毛細血管レベルでのこの血球速度は、血液粘度の上昇により最大速度振幅値の低下となって現れるだろうと推測された。
しかしながら、1型および2型の10年以上と10年以下の糖尿疾患期間の患者グループと健常者のグループの比較では、この最大血球速度に有意差がなかった。このように最大血球速度に有意差がなかったのは、最大血球速度には個人差があるし、また、心拍周期内程度の時間内では誤差が大きすぎて差が見いだされるに至らなかったと判断されている。
これに対し、上腕動脈をカフにより最高血圧以上に圧迫して1分間閉塞させた後、カフの空気圧を解放し、血液が毛細血管全体に充血することによって毛細動脈管が毛細静脈管に接続される先端の血球速度が回復するまでの時間には糖尿病患者グループと健常者のグループとに有意差が見いだされた。このように有意差が見いだされた原因しては、糖尿病患者では血液粘度が高いため、末端の毛細管内血球速度が回復するには時間がかかるであろうと類推できる。
一方、スエーデンにおける研究(Skin Capillary is More Impaired in the Toes of Diabetes Than Non−diabetic Patients Vascular Disease:G.Jorneskog,K.Brismar,B.Fagrell:DIABETIC MEDICINE,1995;12:36−41,Sweden)によると、足の親指をミニチュアカフを使用して同様に閉塞させた後の回復時間を測定した実験において、糖尿病患者と健常者では有意差が認められている。
一方、血管の拡張反応については、従来より血管径を測定することにより血管の拡張反応を測定する動脈硬化度測定装置が知られている。
この測定装置は、まず平常状態における所定の血管径をエコーを用いて測定する。続いて、上腕動脈をカフにより5分間阻血した後、カフの空気圧を解放して充血させ、前記所定の血管径を前記エコーを用いて測定する。そして、平常時と阻血終了後充血時との血管径を比較し、その血管径の増加の割合から血管の拡張反応を測定する。
しかし、前述のような動脈硬化度測定装置においてはエコーを用いて血管の拡張反応を測定するが、このエコーは大がかりな装置であるため、一般の家庭では使用が困難であった。
発 明 の 開 示
本発明は、血液粘度や血管の拡張反応を簡単にしかも非侵襲的に測定して容易に動脈硬化度を測定しうる動脈硬化度測定装置を提供することを目的としている。
前述した目的を達成するため請求項1に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、空気圧により毛細血管に血液を供給する動脈部位を圧迫して閉塞させるカフと、このカフの空気圧を制御する空気圧制御手段と、前記カフにより圧迫される毛細血管内における血流状態を検出する血流状態検出手段と、前記空気圧制御手段および血流状態検出手段とそれぞれ接続され、前記カフによる前記毛細血管に血液を供給する動脈部位の圧迫、解放を制御するとともに、前記血流状態検出手段による血流回復時間を計測し、血液粘度を演算する中央処理装置とを有する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、非侵襲的に血液粘度を測定することができ、家庭においても血液粘度を簡単に測定してその管理を行うことができる。
請求項2に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、前記カフにより前記毛細血管に血液を供給する動脈部位を一定時間閉塞させるために前記空気圧制御手段によりカフに空気圧を作用させる時間を設定するタイマをさらに有する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、タイマにより毛細血管に血液を供給する動脈部位を一定時間正確に閉塞させることができる。
請求項3に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、前記血流回復時間を計測する回復時間計測タイマをさらに有する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、回復時間計測タイマにより血流回復時間を正確に計測することができる。
請求項4に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、前記血流状態検出手段を光電脈波計測計により構成した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、脈波振幅値に基づいて血流回復状態を検出することができる。
請求項5に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、前記中央処理装置は、前記回復時間計測タイマのスタートと同時に光電脈波計測計が計測した脈波最大振幅値を複数個移動平均させながら移動平均値が平常時の平均値とある偏差以内で一致するかを比較して両者が一致した時点でタイマを終了させ、その経過時間を血流回復時間とするように制御する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、脈波振幅値に基づいて血流回復時間を正確に演算することができる。
請求項6に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、前記血流状態検出手段をレーザドップラ血流計あるいはレーザドップラ血流速度計により構成した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、血流量あるいは血流速度に基づいて血流回復状態を検出することができる。
請求項7に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、前記中央処理装置は、前記回復時間計測タイマのスタートと同時にレーザドップラ血流計あるいはレーザドップラ血流速度計が計測した血流量あるいは血流速度の最大値を複数個移動平均させながら移動平均値が平常時の平均値とある偏差以内で一致するかを比較して両者が一致した時点でタイマを終了させ、その経過時間を回復時間とするように制御する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、血流量あるいは血流速度に基づいて血流回復時間を正確に演算することができる。
請求項8に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、空気圧により毛細血管に血液を供給する動脈部位を圧迫して閉塞させるカフと、このカフの空気圧を制御する空気圧制御手段と、前記カフにより阻血される毛細血管内の光電脈波を光電脈波計測計によって計測し、前記光電脈波のうち直流の周波数帯域の脈波によって前記毛細血管内の血液の血液レベルを検出する血液レベル検出手段と、前記空気圧制御手段によって前記毛細血管に血液を供給する動脈部位を圧迫および解放し、また前記血液レベル検出手段によって平常時および阻血後充血時の前記毛細血管の光電脈波を計測し、前記平常時と阻血後充血時との血液レベルの差を検出し、前記血液レベルの差から血液量の増加分を演算し、この血液量の増加分から血流量の増加分を演算し、前記血流量の増加分から血管拡張反応を測定する中央処理装置とを有する点にある。
ここで、血液レベルとは、指尖頭の毛細血管を流れる酸化および還元ヘモグロビンが近赤外線を吸収する割合を吸光度で表した量である。また、本発明において血液量とは、単位時間あたりの血液量であり、ヘモグロビンすなわち赤血球が増加すれば血液量が増加すると考えられるため、血液レベルと血液量とは相関関係があるといえる。そこで血液レベルが上昇すれば血液量も増加すると考えられる。また、血流量とは、単位時間あたりの血液の流れであるので血液量と血流量は比例し、血液量が増加すれば血流量も増加する。このため、血液レベルの増加分から血流量の増加分を演算することができると考えられる。そして、エコーを使って拡張した血管径を測定する従来の血管拡張反応測定法によれば血流量が増加すると血管が大きく拡張している事が判明しているため、血液レベルを測定することによって血管の拡張度が計測できる。
この血液量を正確に測定するには、従来の光電脈波計のように交流成分のみではなく直流成分を正確に測定なくてはならない。
そして、このような構成を採用したことにより、血液レベル検出手段によって光電脈波の波形だけではなく、平常時と充血時における吸光度の差を検出することができるので、この吸光度の差により血液レベルの差を測定することができ、この血液レベルの差から最終的に血流量の増加分を演算して血管の拡張反応を測定することができる。
請求項9に係る本発明の動脈硬化度測定装置の特徴は、前記カフにより前記毛細血管に血液を供給する動脈部位を一定時間閉塞させるために前記空気圧制御手段によりカフに空気圧を作用させる時間を設定するタイマを有する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、タイマにより毛細血管に血液を供給する動脈部位を一定時間正確に閉塞させることができる。
発明を実施するための最良の形態
図1は本発明に係る動脈硬化度測定装置の実施形態を示すものであり、この図1の動脈硬化度測定装置としての血液粘度測定装置は、空気圧により血管を圧迫して閉塞させるカフ1を有している。このカフ1は、正確な測定結果を演算するため血管内に血流の速度分布が生じない毛細血管に装着されるようになっている。
前記カフ1は、空気圧制御手段2と接続されており、この空気圧制御手段2によりカフ1が必要とする空気圧を供給するとともに、カフ1から空気圧を解放する制御を行うようになっている。また、この空気圧制御手段2には、メモリ4を備えた中央処理装置としてのCPU3が接続されており、このCPU3に設けられているタイマ(図示せず)により前記空気圧制御手段2がカフ1に空気圧を作用させる時間を設定し得るようになっている。このCPU3のその他の機能については後述する。
ところで、前記CPU3のメモリ4には、カフ1から空気圧を解放したときの脈波が平常時の状態に回復するまでの回復時間Treco(s)の平均値、すなわち、予め多数の糖尿病、高コレステロール症、高脂血症患者において測定された回復時間Treco(s)の平均値を世代別にその大きさに応じて±σの統計分布偏差幅をもって記憶させてある。また、一方で前述した患者と同程度の人数規模で健常者の回復時間Treco(s)も同様に統計処理し、メモリ4に記憶しておく。特に、健常者の統計分布においては、高い加齢依存性のある場合があるため、これら統計分布においては2つのグループは別々に分離してメモリ4に記憶しておくほうが血液粘度の状態を判断しやすい。
前記CPU3には、前記カフ1により圧迫される毛細血管内における血流状態を検出する血流状態検出手段の一例としての光電脈波計測計5が接続されている。この光電脈波計測計5は、前記カフ1により圧迫される毛細血管内における血流の脈波の状態を光学的に計測し得るようになっている。なお、前記血流状態検出手段の他例としてレーザドップラ血流計あるいはレーザドップラ血流速度計を使用してもよい。ここにおいて、血流量=血液量×血流速度の関係にあるので、レーザードップラ血流計もレーザドップラ血流速度計における血液速度と同等の指標値となる。
また、前記CPU3には、前記カフ1による圧迫から解放された毛細血管内における血流の脈波が平常時の状態まで戻るのに要する時間を計測する回復時間計測タイマ6が接続されている。
さらに、前記CPU3には、測定結果を印字するためのプリンタ7および測定結果を表示するための表示器8がそれぞれ接続されている。さらにまた、前記CPU3には、測定結果を図示しないパソコンなどに入力するためのメモリカード9が着脱可能に装着されるようになっている。
前記カフ1は、内部を毛細血管に血液を供給する動脈部位が走っている人体の部位に巻回されるようになっている。このカフ1が巻回される部位の例が図2ないし図4にそれぞれ示されている。
図2は、左手第3指あるいは第4指の基第5中手骨底部にカフ1を巻回するとともに、先端部にサック状の光電脈波計測計5を装着して前述した図1の血液粘度測定装置により血液粘度を測定している状態を示している。なお、血液粘度測定装置の本体10からは、LANインタフェースのケーブル11が導出されている。
また、図3は、左手手首にカフ1を巻回するとともに、左手第3指あるいは第4指の先端部にサック状の光電脈波計測計5を装着して図1の血液粘度測定装置により血液粘度を測定している状態を示している。
さらに、図4は、左手上腕部にカフ1を巻回するとともに、左手第3指あるいは第4指の先端部にサック状の光電脈波計測計5を装着して図1の血液粘度測定装置により血液粘度を測定している状態を示している。
なお、図2、図3および図4以外にも内部を毛細血管に血液を供給する動脈部位が走っていれば、足親指の中足骨底部など他の部位でもよい。
次に、前述した構成からなる本発明の実施形態の作用について説明する。なお、本説明においては、図2に示されている左手第4指の基第5中手骨底部にカフ1を巻回する実施形態として説明する。
図5は、カフ1を使用する前後に光電脈波計測計5により計測される脈波振幅値の状態を示すものである。また、図6は、実施形態の作用をステップ順に示すものである。
図1および図2においてカフ1により左手第4指の基第5中手骨底部に空気圧を作用させる前の平常時の脈波最大振幅値をn個あるいはTrest秒だけ平均して図5に示すように、脈波最大振幅値の平均値VmaxAVを求める(図6−ST1)。
このとき、カフ1に作用させる適切な空気圧は被測定者の最高血圧値を数十mmHgだけ大きく設定するのがよいとされているが、場合によっては、カフ1に作用させる空気圧としてどのような数値が適切であるか不明な場合も多い。その場合にはカフ1の空気圧を上げながら脈波振幅の最大値が一定の値Vminだけ下降した地点を最適カフ圧とする方法もあり得る(図6−ST2)。
その後、CPU3に制御された空気圧制御手段2によりカフ1に空気圧を作用し、図5に示す一定の時間Tocだけ動脈である毛細血管を閉塞させる(図6−ST3)。この時間Tocとしては、例えば60秒程度が設定される。
カフ1による毛細血管のToc時間の閉塞後、カフ1に作用させていた空気圧を急速に解放し、閉塞されていた動脈血を再び網状に張り巡らされている毛細血管に流し込む。この脈波が回復する過程においては、血液の粘性状態が増大して例えば赤血球などの変形能が低下し、毛細血管を血球が通過しにくくなったときには時間が余分にかかるはずである。
図5におけるこの回復時間Trecoを決定するため、カフ1の空気圧が解放されると同時に、CPU3が、n個の脈波振幅の最大値を移動平均させるか、あるいは、時定数を合わせるため一定時間Tmov内に取り込まれた脈波最大値の数mで移動平均させる。同時に回復時間測定タイマも起動させる(図6−ST4)。
この移動平均値VmaxMOVは、1秒ごとに先ほど求めておいた平常時における脈波最大値の平均値VmaxAVとCPU3において比較され、その差分値が演算される(図6−ST5)。この算出された差分値がある定められた偏差値σ以内に納まる時点を検出し、この時点においてCPU3からの指令により回復時間タイマ6を停止させる。そして、これまで回復時間タイマ6が計測した時間を回復時間Treco(s)として保存する。また、この回復時間Treco(s)は、表示器9に直ちに表示される(図6−ST6)。
そして、実際に計測された回復時間Treco(s)を予めメモリ4に記憶されている統計分布値としての回復時間Treco(s)と相対比較ができるようにプリンタ7を用いて用紙に印字する(図6−ST7)。
図7は、前述したメモリ4に記憶されている多数の糖尿病、高コレステロール症、高脂血症患者において測定された回復時間Treco(s)の平均値と、患者と同程度の人数規模の健常者において測定された回復時間Treco(s)の平均値を示すものである。特に、健常者の統計分布においては、この回復時間Treco(s)に高い加齢依存性があり、高齢者ほど血液の「サラサラ」が低下している。一方、患者の統計分布においては、この回復時間Treco(s)に加齢依存性が見られず、一様に血液は「ドロドロ」状態となっている。
また、図8に示すように、1日における回復時間Treco(s)の変化を回復時間Treco(s)の大きさに応じて血液の「サラサラ」、「ドロドロ」といった解りやすい表現に改めて血液粘度の目安として相対評価すれば、ふだんから血液がサラサラになる食品を摂取する励みになる(図6−ST8)。
すなわち、一般に、血液粘度は朝方高く、夜に低くなると言われているため、寝る前に水を飲んで寝ている間に上昇しようとする血液粘度を低く維持する健康法が知られている。また、血液粘度はストレスが貯まる場合にも高くなると言われている。そこで、前述した糖尿病など日常的に血液粘度が高い患者群との相対比較とは別に1日の血液粘度を自分自身の相対的変動幅として捉えるのも重要である。
さらに、血液粘度は血圧と同じように長期的に把握しておくことも重要である。そこで何日分かまとまった回復時間Treco(s)を測定時間とともにメモリーカード9に保存しておき、パソコンなどのより上位のデータ処理手段に受け渡せるようにしておく。あるいは、LANインターフェースのケーブル11を通じて直接オンラインによってパソコンへダウンロードさせてもよい(図6−ST9)。
また、前述した1日数回測定された回復時間Treco(s)をメモリ4に記憶しておき、測定時間とともに血液体調チェック表としてプリンタ7を用いて用紙に印字することも肝要である(図6−ST10)。
以上説明したように本実施形態の血液粘度測定装置によれば、血液粘度を簡単にしかも非侵襲的に測定することができるので、家庭においても血液粘度を測定して管理することができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。たとえば、前述した実施形態においては、血流状態検出手段を光電脈波計測計により脈波振幅値に基づいて血流回復時間を検出するように説明したが、血流状態検出手段をレーザドップラ血流あるいはレーザドップラ血流速度計として血流量あるいは血流速度に基づいて血流回復時間を検出することも前述したようにもちろん可能である。
また、本実施形態においては、カフの空気圧を制御し、および光電脈波計測計からの信号を受信等する動作を、血液粘度測定装置に配設された1つの中央処理装置としてのCPUによって行うものであるが、これに限定されない。例えば、血液粘度測定装置が、カフの空気圧を制御する空気制御手段としての自動阻血装置と、毛細血管の血流の状態を検出する血流状態検出手段としての血流状態検出装置とによって構成され、この自動阻血装置と血流状態測定装置とのそれぞれに中央処理装置が配設されるものであってもよい。
次に、本発明に係る動脈硬化度測定装置の第二の実施形態について図9から図12を参照して説明する。
図9に示すように、本実施形態に係る動脈硬化度測定装置としての血管拡張反応測定装置21は、空気圧制御手段としての自動阻血装置22を有しており、この自動阻血装置22には、空気圧により血管を圧迫して閉塞させるカフ23が接続されている。このカフ23は、毛細血管に血液を供給する動脈部位に装着されるようになっている。本実施形態においては、前記カフ23は、前腕部に装着されるようになっているが、動脈を圧迫できる部位であれば、上腕部、手首、指根本、足首等いずれであってもよい。
また、この自動阻血装置22は、第1の中央処理装置としてのCPU24と、前記CPU24を動作させるスタートボタン25と、前記自動阻血装置22がカフ23に空気圧を供給する時間を設定するタイマ26とを有している。
そして、前記自動阻血装置22は、前記カフ23が前腕部の動脈を圧迫して毛細血管を閉塞することができる程度の空気圧を加えるとともに、前記カフ23から空気圧を解放する制御を行うようになっている。本実施形態においては、スタートボタン25を押すと前記カフ23に250mmHgの圧力が加えられ5分間維持された後前記カフ23の空気圧が解放されるようになっている。
さらに、前記自動阻血装置22には、前記カフ23に供給されている圧力を即時に表示するカフ圧表示盤27、およびカフ23に250mmHgの圧力が供給された後の経時時間を表示する時間表示盤28が設けられている。
また、前記血管拡張反応測定装置21は、光電脈波を測定して血液レベルを検出する血液レベル検出手段としての血液レベル検出装置30を有しており、この血液レベル検出装置30は、毛細血管の光電脈波を検出するサック状の光電脈波計測計31を有する。ここで、毛細血管の光電脈波を検出するのは、前記第1の実施形態において述べたように血管内において血流の速度分布が生じないので、光電脈波の正確な検出結果を演算することができるからである。本実施形態においては、前記光電脈波計測計31は、右手第2指の先端部に装着するようになっている。そして、この光電脈波計測計31は、図示しない発光素子によって酸化ヘモグロビンおよび還元ヘモグロビンに吸収されるような光を照射し、この光のうち前記毛細血管を透過した光を図示しない受光素子によって受ける。このとき受光素子は、毛細血管内を流れる酸化、還元ヘモグロビン等によって吸収されない光を受けるようになっており、前記光電脈波計測計31は、酸化、還元ヘモグロビン等が光を吸収した程度である吸光度に基づいて光電脈波を計測するようになっている。
また、前記血液レベル検出装置30は、光電脈波計測計31により計測された光電脈波の周波数帯域のうち直流の周波数帯域の脈波を直流信号として受信して、増幅器を介して増幅するようになされている。このとき、前記光電脈波計測計31は、光電脈波の直流の周波数帯域を測定することにより、光電脈波の振幅を測定するようになっている。
さらに、前記血液レベル検出装置30は、メモリ(図示せず)を備えた第2の中央処理装置としてのCPU32を有している。このCPU32は、前記光電脈波計測計31からの直流信号によって光電脈波の波形だけではなく酸化、還元ヘモグロビン等に吸収される光の吸光度の差を測定することができ、これにより血液レベルを検出するようになっている。
そして、前記CPU32は、平常後の血液レベルと阻血後充血時の血液レベルとの比較値から血流量の増加分を演算して、この血流量の増加分により血管の拡張反応を測定するようになっている。
さらに、前記血液レベル検出装置30には、測定結果を印字するためのプリンタ(図示せず)および測定結果を表示するための表示器(図示せず)がそれぞれ接続されている。また、前記血液レベル検出装置30には、測定結果を、例えばパソコン(図示せず)等に入力するためのメモリカード33が着脱可能に装着されるようになっている。さらにまた、前記血液レベル検出装置30には、パソコンに対してネットワーク接続するためのLANケーブルを接続するLANインタフェース34が設けられている。
次に、第2の実施形態の作用について説明する。
まず、カフ23を前腕部に装着し、光電脈波計測計31を右手第2指の先端部に装着する。
次に、前記カフ23に空気圧を供給する前の平常時において、血液レベル検出装置30を用いて3分間右手第2指の先端部の毛細血管の血液レベルを検出する。
続いて、前記自動阻血装置22のスタートボタン25を押して、カフ23に250mmHgの空気圧を供給して前記前腕部の動脈を5分間阻血した後、前記カフ23の空気圧を急速に解放して、阻血されていた動脈および毛細血管に血液を流し込み充血させる。このとき、前記毛細血管は約1分間程度をもって拡張していくのと同時に、前記毛細血管の血流量も約1分間程度をもって増加していくため、その後の充血状態を含めて前記血液レベル検出装置30を用いてカフ23の解放後数分間(本実施形態においては5分間)前記毛細血管の血液レベルを検出する。
図10は、第2の実施形態に係る血管拡張反応測定装置21を用いて血液レベルを検出した一例を示すグラフである。図10に示すように、動脈を阻血すると、鬱血するので血液レベルは急激に上昇する。その後、血液が流動して鬱血が解消していくのに従い、血液レベルは平常時の値の近くまで徐々に下降する。このとき、脈動はないので脈波は検出されない。続いて、カフの空気圧を解放して充血させると、血液が急激に流れ込むため血液レベルは一瞬急激に上昇するが、血液が供給される量よりも流れ出る量の方が多いため血液レベルは急激に下降する。その後、血液が脈動されながら流れ込むので血液レベルはこの脈動の波形に従いながら徐々に上昇し、充血後約1分程度をもって正確な脈波が現れる。
そして、前記血液レベル検出装置30のCPU32は、平常時の血液レベルの平均値をRとし、正確な脈波が現れた後の充血時の血液レベルの平均値をOCとするとき、血流量の増加分の割合Dを、
D=(OC−R)/R×100[%]
により演算する。この血流量の増加分の割合Dは、前記血液レベル検出装置30のCPU32のメモリに記憶される。
また、図11は、第2の実施形態に係る血管拡張反応測定装置21を用いて血流量の増加分の割合Dを演算したときの4日間に数回分の血流量の増加分の割合Dを図った場合の数値の一例を示すグラフであり、図11に示すように、血流量の増加分の割合Dは、日によって異なるものであり、また1日のうちでも時間によって異なることが分かる。
このため、前記血液レベル検出装置30のCPU32は、数日間1日に数回血流量の増加分の割合Dを演算して、これらの割合Dを前記メモリに記憶する。そして、前記CPU32は、それら血流量の増加分の割合Dから図12に示すような前記各割合Dの平均値等を求め、この平均値に基づいて血管の拡張反応を測定する。
また、血管拡張反応は、血圧や前述の血液粘度と同様に長期的に把握しておくことも必要である。そこで、何日分かまとまった血流量の増加分の割合Dを前記メモリカード33に保存してこのメモリカード33を用いてまたはLANインタフェース34のケーブルを通じて、パーソナルコンピュータ等に血流量の増加分の割合Dのデータを移し、このパーソナルコンピュータ等のデータ処理手段により前記各割合Dの平均値を求めて、血管拡張反応を測定するものであってもよい。
さらに、前記第1の実施形態と同様に、1日数回測定された血流量の増加分の割合Dをメモリに記憶させてプリンタを用いて用紙に印字することもできる。
以上説明したように、本実施形態の血管拡張反応測定装置21によれば、血液レベル検出装置によって光電脈波の直流の周波数帯域の脈波を検出することができるので、光電脈波の波形だけではなく平常時と充血時とにおける酸化、還元ヘモグロビン等に照射させた光の吸光度の差を検出することができる。これにより、血液レベルを測定することができ、そしてこの血液レベルから最終的に血流量を演算して血管の拡張反応を測定することができる。
したがって、簡単にしかも非侵襲的に血管の拡張反応を測定することができる。また、この血管の拡張反応が大きければしなやかで健康的な血管であるので、この血管の拡張反応によって動脈硬化度を測定することができる。この結果、一般家庭において気軽に動脈硬化度を測定することができ、この動脈硬化度に基づいて日常的に動脈硬化の予防を心がけることができる。
なお、本発明は、前述した第2の実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、この第2の実施形態においては自動阻血装置22と血液レベル検出装置30それぞれに中央処理装置としてのCPU24,32が配設されているが、これに限定されず、1つの血管拡張反応測定装置に前記2つのCPUの機能を備えた1つの中央処理装置が配設されているものであってもよい。
また、血管の拡張反応は年齢によっても異なるものであるため、10歳代、20歳代、30歳代等年齢毎の血管の拡張反応の標準値を求めておき、これら標準値を血液レベル検出装置のCPUに記憶させておき、これら標準値に基づいて動脈硬化度を測定してもよい。
さらに、前記血液レベル検出装置30は、光電脈波計測計31からの光電脈波のうち直流の周波数帯域の脈波を直流信号として受信するようになっているが、これに限定されない。例えば、前記第1の実施形態ににおいて血流状態検出手段としての光電脈波計測計としても使用可能とするために、直流信号の他交流信号も受信可能とし、直流信号と交流信号との受信を切り換えるための切り換えスイッチを有するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る動脈硬化度測定装置の実施形態の構成を示すブロック図、
図2は、図1の動脈硬化度測定装置による血液粘度の測定状態の一例を示す正面図、
図3は、図1の動脈硬化度測定装置による血液粘度の測定状態の他例を示す正面図、
図4は、図1の動脈硬化度測定装置による血液粘度の測定状態のさらに他例を示す正面図、
図5は、図1の動脈硬化度測定装置による測定時の脈波振幅の変化状態を示すグラフ、
図6は、図1の動脈硬化度測定装置による測定シーケンスを示すブロック図、
図7は、糖尿病、高コレステロール症、高脂血症患者と健常者における血液粘度の対比を示すグラフ、
図8は、1日における血液粘度の推移の一例を示すグラフ、
図9は、本発明に係る他の動脈硬化度測定装置の実施形態の測定状体の一例を示す正面図、
図10は、図9の動脈硬化度測定装置による測定時の光電脈波の波形および振幅状態を示すグラフ、
図11は、図9の動脈硬化度測定装置によって測定した血流量の増加分の割合を示すグラフ、
図12は、図11のグラフに示された数値の平均値をあらわす図表である。
Claims (9)
- 空気圧により毛細血管に血液を供給する動脈部位を圧迫して閉塞させるカフと、
このカフの空気圧を制御する空気圧制御手段と、
前記カフにより阻血される毛細血管内における血流状態を検出する血流状態検出手段と、
前記空気圧制御手段および血流状態検出手段とそれぞれ接続され、前記カフによる前記毛細血管に血液を供給する動脈部位の圧迫、解放を制御するとともに、前記血流状態検出手段による血流回復時間を計測し、血液粘度を演算する中央処理装置とを有することを特徴とする動脈硬化度測定装置。 - 前記カフにより前記毛細血管に血液を供給する動脈部位を一定時間閉塞させるために前記空気圧制御手段によりカフに空気圧を作用させる時間を設定するタイマをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の動脈硬化度測定装置。
- 前記血流回復時間を計測する回復時間計測タイマをさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の動脈硬化度測定装置。
- 前記血流状態検出手段を光電脈波計測計により構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の動脈硬化度測定装置。
- 前記中央処理装置は、前記回復時間計測タイマのスタートと同時に光電脈波計測計が計測した脈波最大振幅値を複数個移動平均させながら移動平均値が平常時の平均値とある偏差以内で一致するかを比較して両者が一致した時点でタイマを終了させ、その経過時間を血流回復時間とするように制御することを特徴とする請求項4に記載の動脈硬化度測定装置。
- 前記血流状態検出手段をレーザドップラ血流計あるいはレーザドップラ血流速度計により構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の動脈硬化度測定装置。
- 前記中央処理装置は、前記回復時間計測タイマのスタートと同時にレーザドップラ血流計あるいはレーザドップラ血流速度計が計測した血流量あるいは血流速度の最大値を複数個移動平均させながら移動平均値が平常時の平均値とある偏差以内で一致するかを比較して両者が一致した時点でタイマを終了させ、その経過時間を血流回復時間とするように制御することを特徴とする請求項6に記載の動脈硬化度測定装置。
- 空気圧により毛細血管に血液を供給する動脈部位を圧迫して閉塞させるカフと、
このカフの空気圧を制御する空気圧制御手段と、
前記カフにより阻血される毛細血管内の光電脈波を光電脈波計測計によって計測し、前記光電脈波のうち直流の周波数帯域の脈波によって前記毛細血管内の血液の血液レベルを検出する血液レベル検出手段と、
前記空気圧制御手段によって前記毛細血管に血液を供給する動脈部位を圧追および解放し、また前記血液レベル検出手段によって平常時および阻血終了後充血時の前記毛細血管の光電脈波を計測し、前記光電脈波から平常時と阻血終了後充血時との血液レベルの差を検出し、前記血液レベルの差から血液量の増加分を演算し、前記血液量の増加分から血流量の増加分を演算し、前記血流量の増加分から血管拡張反応を測定する中央処理装置とを有することを特徴とする動脈硬化度測定装置。 - 前記カフにより前記毛細血管に血液を供給する動脈部位を一定時間閉塞させるために前記空気圧制御手段によりカフに空気圧を作用させる時間を設定するタイマを有することを特徴とする請求項8に記載の動脈硬化度測定装置。
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