JPWO2002070873A1 - 内燃機関の診断装置及び診断方法及びそれを用いた内燃機関の制御方法 - Google Patents
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Abstract
内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備し、触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、その比較結果にもとづき触媒あるいは温度検出器の異常を判定する判定装置と、を備えた。
Description
技術分野
本発明は、内燃機関の診断装置及び診断方法及びそれを用いた内燃機関の制御方法に関し、特に触媒のライトオフ性能の低下および温度検出器の異常を診断する装置及び診断方法に関するものである。
背景技術
自動車の排気規制が強化されるなかで、排気を浄化する触媒の浄化効率をモニタリングし、触媒を診断する技術が数々提案されている。例えば、特開平5−2488227号公報に記載のように、排気管に設置した触媒コンバータの上流下流に排気センサ(02センサ)を設け、上流側の02センサと下流側の02センサの相関(例えば、空燃比をリーンからリッチあるいはリッチからリーンに反転させた場合の上流側02センサの出力反転から、下流側02センサの出力反転までの時間計測値、上流側02センサと下流側02センサの出力比、応答比、位相差等)から触媒の劣化を診断する技術がある。これらの手法は触媒の有する酸素ストレージ能力(OSC)を定量化して、触媒の劣化を判断する技術である。
また、特開平9−32535号公報には、内燃機関の排気系に設けられた触媒コンバータと、前記触媒コンバータの触媒温度を測定するための測定手段と、機関運転状態に基づき前記触媒コンバータの触媒温度を推定する手段と、前記推定手段により推定された触媒温度の温度上昇変化に対する前記測定手段により測定された触媒温度の変化量を算出する算出手段と、前記算出手段により算出される前記変化量が所定値より小さい時に前記触媒コンバータが触媒異常劣化状態であると判断する判断手段、とを具備することを特徴とする内燃機関の触媒劣化判定装置が開示されている。
しかし、特開平5−2488227号公報に記載のように、触媒を急速に暖めて(例えば内燃機関の近くに触媒を設置したり、触媒に電気熱エネルギーを加える)、触媒を速やかに活性化させる排気低減技術が広まるに従い、OSCに着目した診断方法では検出できない触媒の劣化が問題となっている。つまり触媒に担持される貴金属が凝集し触媒が浄化能力を発揮する温度(ライトオフ温度)が高温側にシフトするライトオフ性能の低下は触媒のOSC量では判定できない。また燃費低減のためにリーン運転を行う一部のエンジンシステムに搭載される触媒は、OSCを最初からほとんど含まないためOSCによる診断方法は適用できない。
そこでこれらの問題を解決する方法として、触媒の反応熱に着目した触媒の劣化検出方法が開示されている。すなわち、前記特開平9−32535号公報に開示の劣化診断方法は、新品あるいは正常時の触媒温度変化率を推定した推定値と触媒後の温度センサによる実測値の変化率との差によって劣化を判断する。従って触媒温度の推定には、流入する排気成分の含有率や空気流量および空燃比などを用いて正確な反応熱を計算する必要がある。
しかし、エンジン始動直後の排気成分や空燃比は一般に非定常で再現性も低い。従って、これらを正確に把握することは困難であり、仮に正確に把握することができたとしても、これらを取り込んだモデルは非常に複雑となる。また触媒の反応熱を検出するためには、モデルだけでなく温度検出器の精度も重要な要素であるが、温度検出器の診断方法については明確にされていない。
発明の開示
本発明の第1の目的は、正確に触媒のライトオフ性能を診断できる内燃機関の診断装置を提供する事にある。
本発明の第2の目的は、高精度に触媒の診断ができ、しかも簡便で安価な内燃機関の診断装置を提供する事にある。
本発明の第3の目的は、触媒の種類や内燃機関の運転条件などに左右されずに、高精度に触媒の診断ができる内燃機関の診断装置を提供する事にある。
本発明の第4の目的は、自己診断機能を有し、信頼性の高い内燃機関の診断装置を提供する事にある。
本発明の第5の目的は、安価な診断装置を用いて高精度に触媒の診断ができるようにする、内燃機関の制御方法を提供する事にある。
上記の目的を達成するために、第1の発明は、内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、その比較結果にもとづき触媒の異常を判定する判定装置と、を備えた。
また第2の発明は、内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、その比較結果にもとづき温度検出器の異常を判定する判定装置と、を備えた。
また第3の発明は、内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、実測値が所定温度よりも小さい時に温度検出器の異常を判定し、所定温度よりも大きい時に触媒の異常を判定する判定装置と、を備えた。
また第4の発明は、前記内燃機関の診断装置において、前記劣化触媒モデルは触媒の熱伝達モデルであって、前記触媒に流入する空気流量と前記内燃機関の排気温度をパラメータとする事を特徴とした。
また第5の発明は、前記内燃機関の診断装置において、前記劣化触媒モデルにおける温度の推定値を前記温度検出装置の実測値を用いて補正する事を特徴とした。
また第6の発明は、前記内燃機関の診断装置において、前記劣化触媒モデルにおける温度の推定値を前記温度検出装置の実測値を用いて補正し、補正時の推定値の変化率が所定値以下になる温度にもとづき温度検出器の異常を判定することを特徴とした。
また第7の発明は、請求項2−5記載の前記比較装置において、実測値と推定値の絶対値あるいは時間変化率を比較する事を特徴とした。
また第8の発明は、前記劣化判定装置において、前記触媒温度検出器による触媒温度の実測値が所定温度範囲であるときに劣化判定を行うことを特徴とした。
また第9の発明は、前記内燃機関の診断装置において、前記内燃機関の空気量あるいは燃料量の時間変化率が所定値以上の場合は劣化判定を禁止する事を特徴とした。
また第10の発明は、前記内燃機関の診断装置と前記内燃機関の温度を検出する機関温度検出装置を具備し、前記内燃機関の温度が所定値より高い場合は劣化判定を禁止する事を特徴とした。
また第11の発明は、内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、温度検出装置の異常時には触媒の劣化判定を禁止する事を特徴とした。
また第12の発明は、内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、内燃機関の排気流路に空燃比センサと、燃料噴射量を調整する燃料調整装置を具備し、触媒診断中は空燃比を一定に保つ事を特徴とした。
また第13の発明は、内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、触媒の劣化確認モードをもうけ、劣化確認モード中は触媒温度を下げるように内燃機関の燃料量または点火時期等を制御することを特徴とした。
本発明によれば、触媒の熱反応を持たない簡便な触媒劣化モデルによって触媒の診断が可能であり、正確に触媒のライトオフ機能を診断できる内燃機関の診断装置を提供できる。
また、触媒の種類や内燃機関の運転条件などに左右されずに、高精度に触媒の診断ができる内燃機関の診断装置を提供できる。
さらに温度検出器の診断も可能であるのでソフト容量および適合工数を大幅に低減できる。また温度検出器の値を用いて推定温度を補正することで診断の精度が向上する。これにより、高精度に触媒の診断ができ、しかも簡便で安価な内燃機関の診断装置を提供できる。
また、劣化確認モードを持たせ、確認モード中は排気温度を劣化時のライトオフ温度以下に下げ、温度上昇を遅くすることにより確実に触媒が診断できる。
また、内燃機関の水温、空気量の変化率、燃料噴射量の変化率に基づき診断を禁止することにより診断精度を向上できる。また、劣化と判定されたとき内燃機関の制御方法を切り替えることにより、触媒のさらなる劣化、あるいは排気の悪化を防止できる。
発明を実施するための最良の形態
以下、図に従って、本発明の実施例を詳細に説明する。図1は、本発明を筒内噴射型の内燃機関に適用した一実施形態を示すものである。
本発明の診断装置は、エンジンコントロールユニット(ECU)1のプログラムに実装される。エンジンの吸気流路に設けられたスロットル4の上流には空気量センサ5が設けられている。エンジンのシリンダーには燃料噴射用のインジェクタ10が設けられている。また、排気流路12には排気ガスを浄化するための触媒9が設けられ、その下流には温度センサ2が設置され、触媒の上流(または下流)には酸素センサ3が取り付けられている。
ECU1には、温度センサ2からの温度信号、酸素センサ3からの酸素濃度信号、および空気量センサ5からの空気量信号、ピストン6に接続されたクランク軸7に取り付けられたクランク角度センサ8からの回転角度信号等が入力される。そしてこれらの情報に基づいてECU1から燃料を噴射するインジェクタ10への燃料噴射信号や点火プラグ11への点火信号あるいは空気量を調整するスロットル4へのスロットル制御信号等が出力される。
なお、図1には例として筒内噴射エンジンを示しているが、本発明はポート噴射エンジンでも実現可能である。また、図1では触媒の下流に温度センサを配置してあるが、温度センサを直接触媒中に取り付けても良い。
以下、図2〜図6を用いて本発明の第1の実施形態の構成を説明する。この実施形態では、触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、その比較結果にもとづき触媒の異常を判定する判定装置とを備えている。
図2は本実施形態による診断装置の全体的な機能ブロックを示すものであり、内燃機関の排気流路12に排気を浄化する触媒9が取り付けられ、触媒下流のガス温度Tを検出する温度検出器2が設置されている。この触媒9としては、種々の形態のものが対象となる。例えば、触媒9がOSCを有していても良く、あるいは有していなくても良い。また、電機ヒータなどによって加熱される触媒でも良い。
一方、ECU1は、内燃機関の運転状態(回転数、空気量、燃料量等)から触媒下流のガス温度T^を推定する劣化触媒モデル101と推定値T^と温度検出器2による実測値Tを比較する比較装置102と比較結果およびその他の条件にもとづいて異常を判定する判定装置103を備えている。ECU1は所定のプログラムやデータなどを保有するマイクロコンピュータにより実現される。なお、100はエンジン制御部であり、エンジンの吸入空気量、燃料量、回転数などの情報に基づいて、エンジンの燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期などの制御信号を生成し、出力する。また、後述するように、触媒9の判定装置103の出力に基づき、必要なエンジン制御信号を生成し、出力する。なお、診断装置はECU1から分離し、必要なデータを相互に送受信するように構成してもよい。
次に、本発明の第1の実施形態の動作について、図3のフローチャート等で説明する。図3のステップs101においては、エンジンの運転状態の読み込みを行い、ステップs102において流入温度を推定する。
図6に、エンジン運転状態と排気温度の代表的な関係を示す。一般に空気流量や燃料量が多いほど排気温度は高くなり、また空燃比はストイキよりもややリーンで最大となり、また点火時期もリタード限界までは排気温度が高くなる傾向がある。ステップa102ではこれらのマップを参照して流入温度Tinを推定する。(図2において触媒上流に温度センサを取り付けて、その出力をステップs102に反映させても良い。)
次にステップs103において、空気流量Qa(n)と温度Tinを用いて触媒に流入する単位あたりの熱量qinを演算する。ここでは温度Tinと空気流量Qa(n)(nは現在の値、n−1は1ステップ前の過去の値を示す)および排気の比熱C1から単位時間あたりの流入熱量qinが計算される。
次にステップs104では触媒の熱量Qcat(n)を演算する。触媒の熱量変化は、流入熱量qinと放熱量qexと排気熱量qoutの熱収支のみを考慮したモデルである。ここで、放熱量qexとは触媒から大気中に放熱される熱量であり、排気熱量qoutとは触媒を通る排気ガスに放出される熱量である。
しかし、図4に示すように、実際の触媒の熱量には流入熱量と反応熱量とが含まれている。そして、触媒が新品で完全に機能している場合、触媒の反応に伴う反応熱量が十分に大きい。一方、触媒が劣化してくると、触媒の反応に伴う反応熱量は、小さくなる。そこで、触媒の流入熱量に基づいた劣化触媒モデルによる推定値を求め、実測値による熱量と比較すれば、反応熱量のみを検出して触媒の劣化診断を行うことができる。
この熱収支をもとに、ステップs105では触媒出口温度T^の演算を行う。この推定モデルは熱伝達のみを考慮した完全劣化触媒のモデルであり、この推定値T^と実測値Tを比較することで触媒または温度検出器の劣化診断ができる。
本モデルは従来の反応熱を考慮した触媒モデルよりも非常にシンプルであるためソフトウェアとメモリの占有率が小さく、マッチングも容易である。
劣化触媒モデル101は、内燃機関からの熱伝達のみを考慮している。そのため、同時刻における推定値T^と実測値Tの関係は図5に示すようになる。この図5において、傾き1の直線は触媒が全く排気成分と反応しない完全劣化触媒を表し、本発明のモデルはこの劣化触媒と同じ温度プロフィールを持つ。従って触媒の劣化が進み触媒の反応熱が減少すれば、推定温度と実測温度とのプロットは傾き1の直線に近づき、さらに劣化によりライトオフ温度が高温側にシフトすると傾き1の直線から離れる温度が高温側に移動する。
そこで第1の実施形態では、図2の比較装置102において、推定温度と実測温度の比較から少なくとも反応熱量あるいはライトオフ温度をモニタし、判定装置103において反応熱量が所定値(ΔTout)以下になった場合、もしくはライトオフ温度が所定温度(Cout)以上になった場合は触媒が劣化したと判定し、警告灯(図示せず)を点灯したり、異常情報をメモリ104に記憶したり、あるいは異常情報を無線により外部に発信したりして触媒の劣化をユーザあるいは外部の機関に通知する。ここで外部の機関とは自動車メーカや修理工場等の自動車修理機関あるいは大気汚染を管理する環境管理機関のことを示す。
ところで、上記本発明の一実施形態において、センサーで検出される実測値は厳密には正確ではなく、触媒内に蓄えられた水分の蒸発の影響を受けて70−90℃で温度上昇が止まることがある。本発明の第1の実施形態のモデルではこの水分蒸発の影響を考慮していないため、推定値と実測値に食い違いが生じ誤診断の原因となってしまう。
そこで本発明では、第2の実施形態として、モデルの推定値を実測値により補正することにより誤診断を防止する。図7に本発明の第2の実施形態のフローチャートを示す。ステップs201では実測値Tが所定温度TL以下であるか否かを判定し、所定温度以下であればステップs202以降に進み、そうでなければ補正を行わずに終了する。ここで所定温度TLは触媒が熱反応を開始するライトオフ温度より若干低い100−200℃程度に設定されるのが好ましい。ステップs202では実測値Tの温度変化率を計算し、その値と所定値ΔT0(ほぼ0である正数)と比較する。
ここで温度変化が所定値ΔT0より小さければ、ステップs203に進み推定値T^(N)に実測値T(N)を代入する。またステップs202において条件が不成立の場合はステップ203を飛ばし補正を行わない。次にステップs204では推定値T^(N)が実測値T(N)よりも所定値ΔT1(ほぼ0である正数)以上であるか否かを判定する。ステップs204で所定値ΔT1以上であれば、ステップs205に進み推定温度を負の方向に補正し(Kは補正係数で1よりも小さい正数)、そうでなければステップs203をスキップして処理を終了する。
図8に、実測値による補正の有無による推定値の違いを模式的に示した。
なお補正量の大きさは水分の蒸発とは関係ない温度センサと推定値のずれを表すため、補正量ΔT1*Kの積分値を記憶しておき、所定値と比較する事で温度検出器の異常も診断できる。
また、水の蒸発時の実測温度T(N)は、始動時の大気圧および温度検出器の取り付け位置にも左右されるが大体70−90℃の一定値に再現される。そこで、例えば図7においてステップs203のT(N)が正常時の温度よりも極端に低い温度(30−50℃)であったり、エンジン始動毎にステップs203の補正値T(N)の再現性がとれない場合には温度検出器の異常と判定できる。
このように、本発明の第2の実施形態によれば、劣化触媒モデルによる温度推定値を実測値により補正することにより、モデルの推定精度が向上し診断をより正確に行える。
次に、本発明の第3の実施形態について、図9〜図12で説明する。本実施形態は、実測値と推定値の差あるいは変化率の差から触媒の劣化度を正確に表す劣化指標を生成する方法を開示するものである。
まず、第一の劣化指標Tiについて説明する。図9は始動直後からの実測値と推定値の時間変化を示したものである。触媒が劣化すると実測値と推定値の温度差が減少する。そこで実測値から推定値の差が所定値ΔT2よりも大きくなった時間を劣化指標Tiとすることで触媒のライトオフ性能がモニタできる。
この診断を実現する比較装置および判定装置の動作を図10と図11のフローチャートを用いて説明する。まず図10の比較装置の動作を説明するが、この処理に入る前の初期化処理として、エンジン停止時にカウント数Ciを0とし、またカウンタ許可フラグfCUPOK=1に設定しておく事、また比較処理を行う前には実測値T(N)の測定および推定値T^(N)を更新しておく。ステップs301において実測値T(N)から推定値T^(N)への差が所定値ΔT2よりも小さければ、ステップs302に進み、それ以外ではステップs303に進む。ステップs302ではカウンタを停止するためカウント許可フラグをクリアする(fCUPOK=0)。ステップs303ではカウンタアップ許可フラグをチェックし許可状態であればステップs304でCiのカウンタUP処理をおこない、許可状態でなければ処理を終了する。
次に判定装置では、図11に示したフローチャートに従い劣化判定を行う。ステップs305ではカウンタ値Ciと診断しきい値Cout(図12(a))を比較し、しきい値以上CoutであればステップS307に進み触媒劣化状態であるとして触媒劣化フラグをセット(fCATNG=1)し、そうでなければステップs306に進み触媒正常状態であるとしてフラグをクリア(fCATNG=0)する。
ここで、一般にライトオフ時間Coutは、図12(b)に示したように、流量Qが多いほど短縮される傾向があるので、ステップs305において、所定値Coutを排気流量Qが多いほど小さく設定すると、より正確な診断ができる。
次に、温度変化率を用いた劣化指標について説明する。温度変化率からは反応熱量の発生(変化)がわかる。図13〜15は触媒温度と触媒温度変化率の関係を模式的に示したものである。簡単のためここでは温度補正を行った場合を示す。推定値の温度変化率は排気の熱伝達のためエンジン始動からやや遅れてピークを取りその後触媒温度の上昇にともない緩やかに減少する。従って実測値の温度変化率との差は触媒反応が始まる温度T1以降で拡大する。
図13のΔdT1は所定温度あるいは所定条件における温度変化率の差である。このΔdT1が0に近づくほど劣化している事を示す指標となる。また実測値が最大値をとる温度での推定値と実測値の差ΔdT2、あるいは推定値と実測値の差の最大値ΔdT3も劣化に従い小さくなるので劣化判定指標となる。
また図14に示したように、実測値および推定値のそれぞれの温度変化率が最大となる温度の温度差(ピーク温度の差)ΔdT4も劣化に従い小さくなるので劣化診断に用いることができる。
また同様に、図15に示したように実測値と推定値との温度変化率で囲まれる面積ΔSも劣化により小さくなるので、これも劣化診断に用いることができる。
次に、図16〜図18に示す実施形態は、温度検出器2の異常を検出、判定処理するものである。この実施形態の装置は、触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、その比較結果にもとづき温度検出器の異常を判定する判定装置とで構成される。
この実施形態では、まず、図16に示すように、推定値T^(N)と実測値T(N)の差ΔT(N)を求める。
ここで、図17に示すように、温度検出器2による実測値Tは反応が始まるライトオフ温度以下では反応熱がないため推定値T^よりも高くなる事はなく、あるいは逆にライトオフ温度以上においては反応熱のため実測値が推定値よりも低くなる事もない。
そこで、図18のフローチャート及び図19の説明図に示したように、ライトオフ温度のモニタ値が正常時のライトオフ温度よりも低い所定値Tl1以下の場合で、かつ、実測値Tと推定値T^の差ΔT(N)が所定値ΔTl1以上、すなわち図19の左上の領域の場合(sX02)、あるいは正常時のライトオフ温度よりも高い所定温度値Th1より高く、かつ、反応熱モニタ値ΔTが所定値ΔTh1以下の負の値となる、すなわち図19の右下の領域の場合(sX03)は、温度検出器の異常(sX05)と診断する。また、温度検出器の出力が無い場合も異常(sX01)と診断する。温度検出器に異常が無いとき、触媒の診断を行う(sX04)。
ここでさらに詳しく推定値と実測値の差について考察すると、ライトオフ温度以下では実測値と推定値は一致し、一方ライトオフ温度以上では反応熱を示す事が分かる。すなわち、本実施形態では、温度検出器の診断はライトオフ温度より低い所定値Tl1以下ので行ない、触媒の診断はライトオフ温度以上で行うことにした。つまりライトオフ温度以下での差は温度検出器の誤差を表し、この差が所定値以上になれば温度検出器が異常であると診断する。また一方でライトオフ温度以上での差は反応熱量を示すので、この差ΔTが所定値以下であれば触媒が異常であると診断する。このように温度検出器の診断後に触媒の診断を行うので診断の信頼性が高められる。
本発明の他の実施形態は、触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、実測値が所定温度よりも小さい時に温度検出器の異常を判定し、所定温度よりも大きい時に触媒の異常を判定するものである。
すなわち、図20のフローチャートに示したように、まず、温度検出器2による実測値Tがライトオフ温度よりも低い所定値Tl1より小さい場合は温度検出器2の劣化判定処理を行う(sX02)。逆にライトオフ温度よりも低い所定値Tl1より大きい場合は温度検出器の診断結果により温度検出器2が正常であるかを確認し(sX03)、正常である場合にのみ触媒の劣化判定処理(sX04)を行う。
次に、図21は他の本実施形態の1つとしての温度変化率を用いた場合の比較装置の、フローチャートを示す。ステップs401では温度変化率を演算する、ここでは前回の温度と現在の温度の差を用いて温度変化率を演算しているが、温度センサのノイズをさけるために測定温度にはローパスフィルタ処理を施しても良いし、必ずしも前回の温度を使用するのではなくそれより以前の値から適宜温度変化率を演算しても良い。ステップs402ではステップs401で演算した温度変化率を元に、温度変化率の差(ΔdT1,ΔdT2,ΔdT3)あるいはピーク温度の差(ΔdT4)あるいは面積(ΔS)の少なくとも一つを演算する。
次に、判定装置について図22のフローチャートを用いて説明する。図22のステップS403において判定条件が成立した場合にはステップs404に進み、不成立の場合には以下のステップをすべてスキップして処理を終了する。なおs403の判定条件による分岐は誤診断防止のためにもうけられたステップであり、例えば後述の判定許可フラグfDIAGEXを参照し処理を分岐する。
ステップs404では、図22ステップ402で演算したFと所定値ΔTを比較し、所定値ΔTよりも大きい場合にはステップs405に進み、小さい場合にはステップs406に進む。ここでFとして一つの劣化指標を用いても良いし、より精度を上げるために複数の劣化指標にそれぞれ重み付けをした新たな劣化指標を造って所定値と比較しても良い。ステップs405では劣化指数が所定値よりも大きいので触媒は正常状態であり触媒劣化フラグをクリア(fCATNG=0)し、ステップs406では劣化触媒が所定値よりも小さいので触媒が劣化状態として触媒劣化フラグをセット(fCATNG=1)する。
次に、本発明の他の実施形態として、触媒の誤診断防止に関する発明の実施形態を説明する。この発明は、診断領域を触媒が反応を開始する温度領域に限定することにより誤診断を防止するものである。例えば、劣化判定装置において、触媒温度検出器による触媒温度の実測値が所定温度範囲であるときに劣化判定を行うのが望ましい。また、劣化判定装置において、内燃機関の空気流量あるいは燃料噴射量の時間変化率が所定値以上の場合は劣化判定を禁止するのが望ましい。さらに、劣化判定装置において、内燃機関の温度が所定値より高い場合は劣化判定を禁止するのが望ましい。さらに、内燃機関の診断装置において、温度検出装置の異常時には触媒の劣化判定を禁止するのが望ましい。
図23のフローチャートに、その一実施形態を示す。ステップs501において実測値が所定範囲にあるか否かを判定し、所定範囲以内であればステップs503に進み診断許可フラグをセット(fDIAGEX=1)し、所定範囲以外であればステップs503に進み診断許可フラグをクリアする(fDIAGEX=0)。
図24は、触媒温度と触媒温度の変化率の典型的な関係を示したものである。まずエンジン始動後から温度変化率は急激に上昇するが、水の蒸発により低温時(70−100℃)に減少しまた再び上昇する。このため触媒診断に最適な温度範囲は触媒のライトオフ温度と温度検出器を設置する位置も考慮して、100−200℃から300−400℃の間で診断を行えばよい。
図25には、診断を禁止する一実施形態をフローチャートで示す。ここではステップs504において診断許可フラグfDIAGEXを参照し、診断許可フラグがセットされていなければ、ステップs505の劣化判定処理をスキップすることで診断を禁止する。
次に、図26〜図27で他の実施形態について説明する。本発明の診断装置では、エンジン再始動時など触媒がすでに暖まっている状態の時は、推定値と実測値が大きく異なり誤診断の可能性がある。そこで触媒がすでに暖まっている場合は劣化判定を禁止し誤診断を防止する。
図26に内燃機関停止後の内燃機関水温と触媒温度の関係を示す。エンジン停止後から触媒温度と水温の両者とも外気温に近づくが、比熱の違いにより触媒温度の方が早く低下する。従って水温に着目すれば、エンジン始動時の推定値と実測値の差を十分に小さくできる。
図27は本発明の一実形態をフローチャートで示したものである。図27のステップs601で水温が所定温度よりも高い場合はステップs602に進み劣化判定を禁止し、そうでなければステップs603で劣化判定を許可する。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。温度検出器が異常の場合は、温度検出器の出力に基づいた触媒診断は誤診断の可能性が高いので触媒の劣化判定を禁止する。図28は本発明を実施するためのフローチャートを示す。図28のステップs701で温度センサが異常である場合はステップs702に進み劣化判定を禁止し、そうでなければステップs703で劣化判定を許可する。
さらに、本発明の他の実施形態を図29で説明する。既に述べた本発明の劣化判定装置において、内燃機関の空気流量あるいは燃料噴射量の時間変化率が所定値以上の場合は劣化判定を禁止するのが望ましい。すなわち、温度検出器を用いた触媒診断方法は排気熱が反応熱にくらべて極端に大きい場合には、実測値から反応熱を分離して診断する事が困難となる。また、先の実施形態で述べた温度変化率を比較する方法は、反応熱が発生するライトオフ温度付近で空気流量や燃料量が変化すると誤診断の原因となる。そこで本実施形態では排気量の変化率あるいは燃料量の変化率が所定値を越えた場合には診断を禁止する。
図29はこの実施形態を実施するためのフローチャートを示す。図29のステップs801で空気量の変化率と所定値を比較し、所定値より大きければステップs802に進み劣化判定を禁止し、そうでなければステップs803で劣化判定を許可する。なおステップs801を燃料量に置き換える事で同様に燃料量変化による誤診断も防止できる。
次に、本発明の他の実施形態について、図30、図31で説明する。図30は空燃比とライトオフ温度あるいはHC浄化率の関係を模式的に示した物である。この図はストイキよりもややリーンの空燃比の時にライトオフ温度が最も低い事を示している。また空燃比がリッチだとHCが十分に触媒内で反応しないため反応熱が下がる。よって触媒の診断時において空燃比を一定に保つ事でライトオフ温度および反応量のばらつきを押さえることで、誤診断を防止できる。
そこで、内燃機関の排気流路に空燃比センサと、燃料噴射量を調整する燃料調整装置を具備し、図31のs3101〜s3103に示すように、触媒診断中は空燃比を診断に適した一定の診断用空燃比に保つように制御する。
次に、本発明の他の実施形態について、図32〜図34で説明する。この実施形態では、図32のsX01〜sX06に示すように、触媒の劣化確認モードをもち、劣化確認モード中は触媒温度を下げるように内燃機関の燃料量または点火時期等を制御する。
図33は、図32における劣化確認モードsX03の詳細を示すフローチャートである。図33のsX01〜sX03に示すように、触媒診断により故障通知があったときはその故障をメモリーに記録し、エンジンの出力を制限するように、エンジンの点火時期や燃料の憤射量を制御する。
図34は、診断モード時の排気温度と通常時の排気温度を示す。このように診断モード中に排気温度を下げてクライテリア触媒のライトオフ温度よりも低く触媒温度を制御する(リタードまたは2回噴射等の触媒暖機あるいは機関暖機制御を停止する)ことにより、劣化時は正常時に比べて温度の変化率が小さくなり確実に触媒の診断ができる。
また、図32のsX06における触媒異常時処理は、触媒のさらなる劣化を防止するため、例えば図34に示したような排気温度を下げる制御を行うことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明を筒内噴射型の内燃機関に適用した一実施形態のシステム図である。
図2は、図1の一実施形態における診断装置の機能を示すブロック図である。
図3は、劣化触媒モデルの温度推定処理を示すフローチャートである。
図4は、図2の劣化触媒モデルの説明図である。
図5は、触媒劣化時の実測値と推定値の関係を示す図である。
図6は、図3の処理ステップs102で参照するマップである。
図7は、本発明の他の実施形態として、図3の処理で得られた推定値に対する補正を行う処理のフローチャートである。
図8は、図7の方法によりモデルの推定値を実測値により補正した場合と補正しない場合の違いを示す図である。
図9は、本発明の他の実施形態としての、劣化指標Tiに対応するカウント数Ciを、比較装置により生成するフローチャートである。
図10は、図9に関連して、劣化時と正常時の劣化指数Tiの違いを示す図である。
図11は、本発明の他の実施形態としての、劣化判定処理のフローチャートである。
図12は、図11におけるステップs305でCoutを設定するときに参照するマップである。
図13は、温度変化率を用いた劣化指標ΔdT1を説明する図である。
図14は、温度変化率を用いた劣化指標ΔdT4を説明する図である。
図15は、温度変化率を用いた劣化指標ΔdT5を説明する図である。
図16は、本発明の他の実施形態としての、比較処理のフローチャートである。
図17は、温度検出器異常時の実測値と推定値の関係を示す図である。
図18は、本発明の他の実施形態としての、温度検出器の異常を検出、判定する処理のフローチャートである。
図19は、図18のフローチャートの説明図である。
図20は、本発明の他の実施形態としての、温度検出器および触媒の劣化判定処理のフローチャートである。
図21は、温度変化率による劣化指標を生成する比較装置のフローチャートである。
図22は、温度変化率により判定を行う判定装置のフローチャートである。
図23は、本発明の他の一実施形態を示すフローチャートである。
図24は、図23のステップs501における温度上下限を説明する図である。
図25は、本発明の他の実施形態としての、誤診断防止のため診断を禁止するフローチャートである。
図26は、機関停止後の内燃機関と触媒温度の時間変化を示す図である。
図27は、本発明の他の実施形態としての、内燃機関の温度にもとづき劣化判定の許可を決める処理のフローチャートである。
図28は、本発明の他の実施形態としての、温度センサが正常であるときに劣化判定を許可する処理のフローチャートである。
図29は、本発明の他の実施形態としての、空気変化率が所定値よりも小さい場合に劣化判定を許可する処理のフローチャートである。
図30は、触媒の診断時における空燃比とライトオフ温度および浄化率の関係を示す図である。
図31は、図30に対応する処理のフローチャートである。
図32は、本発明の他の実施形態としての、診断モードと通常制御モードとを切り替える処理のフローチャートである。
図33は、図32における劣化確認モードのフローチャートである。
図34は、図32、図33の実施形態の動作を説明するための、診断モードと通常制御時の排気温度の関係を示す図である。
本発明は、内燃機関の診断装置及び診断方法及びそれを用いた内燃機関の制御方法に関し、特に触媒のライトオフ性能の低下および温度検出器の異常を診断する装置及び診断方法に関するものである。
背景技術
自動車の排気規制が強化されるなかで、排気を浄化する触媒の浄化効率をモニタリングし、触媒を診断する技術が数々提案されている。例えば、特開平5−2488227号公報に記載のように、排気管に設置した触媒コンバータの上流下流に排気センサ(02センサ)を設け、上流側の02センサと下流側の02センサの相関(例えば、空燃比をリーンからリッチあるいはリッチからリーンに反転させた場合の上流側02センサの出力反転から、下流側02センサの出力反転までの時間計測値、上流側02センサと下流側02センサの出力比、応答比、位相差等)から触媒の劣化を診断する技術がある。これらの手法は触媒の有する酸素ストレージ能力(OSC)を定量化して、触媒の劣化を判断する技術である。
また、特開平9−32535号公報には、内燃機関の排気系に設けられた触媒コンバータと、前記触媒コンバータの触媒温度を測定するための測定手段と、機関運転状態に基づき前記触媒コンバータの触媒温度を推定する手段と、前記推定手段により推定された触媒温度の温度上昇変化に対する前記測定手段により測定された触媒温度の変化量を算出する算出手段と、前記算出手段により算出される前記変化量が所定値より小さい時に前記触媒コンバータが触媒異常劣化状態であると判断する判断手段、とを具備することを特徴とする内燃機関の触媒劣化判定装置が開示されている。
しかし、特開平5−2488227号公報に記載のように、触媒を急速に暖めて(例えば内燃機関の近くに触媒を設置したり、触媒に電気熱エネルギーを加える)、触媒を速やかに活性化させる排気低減技術が広まるに従い、OSCに着目した診断方法では検出できない触媒の劣化が問題となっている。つまり触媒に担持される貴金属が凝集し触媒が浄化能力を発揮する温度(ライトオフ温度)が高温側にシフトするライトオフ性能の低下は触媒のOSC量では判定できない。また燃費低減のためにリーン運転を行う一部のエンジンシステムに搭載される触媒は、OSCを最初からほとんど含まないためOSCによる診断方法は適用できない。
そこでこれらの問題を解決する方法として、触媒の反応熱に着目した触媒の劣化検出方法が開示されている。すなわち、前記特開平9−32535号公報に開示の劣化診断方法は、新品あるいは正常時の触媒温度変化率を推定した推定値と触媒後の温度センサによる実測値の変化率との差によって劣化を判断する。従って触媒温度の推定には、流入する排気成分の含有率や空気流量および空燃比などを用いて正確な反応熱を計算する必要がある。
しかし、エンジン始動直後の排気成分や空燃比は一般に非定常で再現性も低い。従って、これらを正確に把握することは困難であり、仮に正確に把握することができたとしても、これらを取り込んだモデルは非常に複雑となる。また触媒の反応熱を検出するためには、モデルだけでなく温度検出器の精度も重要な要素であるが、温度検出器の診断方法については明確にされていない。
発明の開示
本発明の第1の目的は、正確に触媒のライトオフ性能を診断できる内燃機関の診断装置を提供する事にある。
本発明の第2の目的は、高精度に触媒の診断ができ、しかも簡便で安価な内燃機関の診断装置を提供する事にある。
本発明の第3の目的は、触媒の種類や内燃機関の運転条件などに左右されずに、高精度に触媒の診断ができる内燃機関の診断装置を提供する事にある。
本発明の第4の目的は、自己診断機能を有し、信頼性の高い内燃機関の診断装置を提供する事にある。
本発明の第5の目的は、安価な診断装置を用いて高精度に触媒の診断ができるようにする、内燃機関の制御方法を提供する事にある。
上記の目的を達成するために、第1の発明は、内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、その比較結果にもとづき触媒の異常を判定する判定装置と、を備えた。
また第2の発明は、内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、その比較結果にもとづき温度検出器の異常を判定する判定装置と、を備えた。
また第3の発明は、内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、実測値が所定温度よりも小さい時に温度検出器の異常を判定し、所定温度よりも大きい時に触媒の異常を判定する判定装置と、を備えた。
また第4の発明は、前記内燃機関の診断装置において、前記劣化触媒モデルは触媒の熱伝達モデルであって、前記触媒に流入する空気流量と前記内燃機関の排気温度をパラメータとする事を特徴とした。
また第5の発明は、前記内燃機関の診断装置において、前記劣化触媒モデルにおける温度の推定値を前記温度検出装置の実測値を用いて補正する事を特徴とした。
また第6の発明は、前記内燃機関の診断装置において、前記劣化触媒モデルにおける温度の推定値を前記温度検出装置の実測値を用いて補正し、補正時の推定値の変化率が所定値以下になる温度にもとづき温度検出器の異常を判定することを特徴とした。
また第7の発明は、請求項2−5記載の前記比較装置において、実測値と推定値の絶対値あるいは時間変化率を比較する事を特徴とした。
また第8の発明は、前記劣化判定装置において、前記触媒温度検出器による触媒温度の実測値が所定温度範囲であるときに劣化判定を行うことを特徴とした。
また第9の発明は、前記内燃機関の診断装置において、前記内燃機関の空気量あるいは燃料量の時間変化率が所定値以上の場合は劣化判定を禁止する事を特徴とした。
また第10の発明は、前記内燃機関の診断装置と前記内燃機関の温度を検出する機関温度検出装置を具備し、前記内燃機関の温度が所定値より高い場合は劣化判定を禁止する事を特徴とした。
また第11の発明は、内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、温度検出装置の異常時には触媒の劣化判定を禁止する事を特徴とした。
また第12の発明は、内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、内燃機関の排気流路に空燃比センサと、燃料噴射量を調整する燃料調整装置を具備し、触媒診断中は空燃比を一定に保つ事を特徴とした。
また第13の発明は、内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、触媒の劣化確認モードをもうけ、劣化確認モード中は触媒温度を下げるように内燃機関の燃料量または点火時期等を制御することを特徴とした。
本発明によれば、触媒の熱反応を持たない簡便な触媒劣化モデルによって触媒の診断が可能であり、正確に触媒のライトオフ機能を診断できる内燃機関の診断装置を提供できる。
また、触媒の種類や内燃機関の運転条件などに左右されずに、高精度に触媒の診断ができる内燃機関の診断装置を提供できる。
さらに温度検出器の診断も可能であるのでソフト容量および適合工数を大幅に低減できる。また温度検出器の値を用いて推定温度を補正することで診断の精度が向上する。これにより、高精度に触媒の診断ができ、しかも簡便で安価な内燃機関の診断装置を提供できる。
また、劣化確認モードを持たせ、確認モード中は排気温度を劣化時のライトオフ温度以下に下げ、温度上昇を遅くすることにより確実に触媒が診断できる。
また、内燃機関の水温、空気量の変化率、燃料噴射量の変化率に基づき診断を禁止することにより診断精度を向上できる。また、劣化と判定されたとき内燃機関の制御方法を切り替えることにより、触媒のさらなる劣化、あるいは排気の悪化を防止できる。
発明を実施するための最良の形態
以下、図に従って、本発明の実施例を詳細に説明する。図1は、本発明を筒内噴射型の内燃機関に適用した一実施形態を示すものである。
本発明の診断装置は、エンジンコントロールユニット(ECU)1のプログラムに実装される。エンジンの吸気流路に設けられたスロットル4の上流には空気量センサ5が設けられている。エンジンのシリンダーには燃料噴射用のインジェクタ10が設けられている。また、排気流路12には排気ガスを浄化するための触媒9が設けられ、その下流には温度センサ2が設置され、触媒の上流(または下流)には酸素センサ3が取り付けられている。
ECU1には、温度センサ2からの温度信号、酸素センサ3からの酸素濃度信号、および空気量センサ5からの空気量信号、ピストン6に接続されたクランク軸7に取り付けられたクランク角度センサ8からの回転角度信号等が入力される。そしてこれらの情報に基づいてECU1から燃料を噴射するインジェクタ10への燃料噴射信号や点火プラグ11への点火信号あるいは空気量を調整するスロットル4へのスロットル制御信号等が出力される。
なお、図1には例として筒内噴射エンジンを示しているが、本発明はポート噴射エンジンでも実現可能である。また、図1では触媒の下流に温度センサを配置してあるが、温度センサを直接触媒中に取り付けても良い。
以下、図2〜図6を用いて本発明の第1の実施形態の構成を説明する。この実施形態では、触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、その比較結果にもとづき触媒の異常を判定する判定装置とを備えている。
図2は本実施形態による診断装置の全体的な機能ブロックを示すものであり、内燃機関の排気流路12に排気を浄化する触媒9が取り付けられ、触媒下流のガス温度Tを検出する温度検出器2が設置されている。この触媒9としては、種々の形態のものが対象となる。例えば、触媒9がOSCを有していても良く、あるいは有していなくても良い。また、電機ヒータなどによって加熱される触媒でも良い。
一方、ECU1は、内燃機関の運転状態(回転数、空気量、燃料量等)から触媒下流のガス温度T^を推定する劣化触媒モデル101と推定値T^と温度検出器2による実測値Tを比較する比較装置102と比較結果およびその他の条件にもとづいて異常を判定する判定装置103を備えている。ECU1は所定のプログラムやデータなどを保有するマイクロコンピュータにより実現される。なお、100はエンジン制御部であり、エンジンの吸入空気量、燃料量、回転数などの情報に基づいて、エンジンの燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期などの制御信号を生成し、出力する。また、後述するように、触媒9の判定装置103の出力に基づき、必要なエンジン制御信号を生成し、出力する。なお、診断装置はECU1から分離し、必要なデータを相互に送受信するように構成してもよい。
次に、本発明の第1の実施形態の動作について、図3のフローチャート等で説明する。図3のステップs101においては、エンジンの運転状態の読み込みを行い、ステップs102において流入温度を推定する。
図6に、エンジン運転状態と排気温度の代表的な関係を示す。一般に空気流量や燃料量が多いほど排気温度は高くなり、また空燃比はストイキよりもややリーンで最大となり、また点火時期もリタード限界までは排気温度が高くなる傾向がある。ステップa102ではこれらのマップを参照して流入温度Tinを推定する。(図2において触媒上流に温度センサを取り付けて、その出力をステップs102に反映させても良い。)
次にステップs103において、空気流量Qa(n)と温度Tinを用いて触媒に流入する単位あたりの熱量qinを演算する。ここでは温度Tinと空気流量Qa(n)(nは現在の値、n−1は1ステップ前の過去の値を示す)および排気の比熱C1から単位時間あたりの流入熱量qinが計算される。
次にステップs104では触媒の熱量Qcat(n)を演算する。触媒の熱量変化は、流入熱量qinと放熱量qexと排気熱量qoutの熱収支のみを考慮したモデルである。ここで、放熱量qexとは触媒から大気中に放熱される熱量であり、排気熱量qoutとは触媒を通る排気ガスに放出される熱量である。
しかし、図4に示すように、実際の触媒の熱量には流入熱量と反応熱量とが含まれている。そして、触媒が新品で完全に機能している場合、触媒の反応に伴う反応熱量が十分に大きい。一方、触媒が劣化してくると、触媒の反応に伴う反応熱量は、小さくなる。そこで、触媒の流入熱量に基づいた劣化触媒モデルによる推定値を求め、実測値による熱量と比較すれば、反応熱量のみを検出して触媒の劣化診断を行うことができる。
この熱収支をもとに、ステップs105では触媒出口温度T^の演算を行う。この推定モデルは熱伝達のみを考慮した完全劣化触媒のモデルであり、この推定値T^と実測値Tを比較することで触媒または温度検出器の劣化診断ができる。
本モデルは従来の反応熱を考慮した触媒モデルよりも非常にシンプルであるためソフトウェアとメモリの占有率が小さく、マッチングも容易である。
劣化触媒モデル101は、内燃機関からの熱伝達のみを考慮している。そのため、同時刻における推定値T^と実測値Tの関係は図5に示すようになる。この図5において、傾き1の直線は触媒が全く排気成分と反応しない完全劣化触媒を表し、本発明のモデルはこの劣化触媒と同じ温度プロフィールを持つ。従って触媒の劣化が進み触媒の反応熱が減少すれば、推定温度と実測温度とのプロットは傾き1の直線に近づき、さらに劣化によりライトオフ温度が高温側にシフトすると傾き1の直線から離れる温度が高温側に移動する。
そこで第1の実施形態では、図2の比較装置102において、推定温度と実測温度の比較から少なくとも反応熱量あるいはライトオフ温度をモニタし、判定装置103において反応熱量が所定値(ΔTout)以下になった場合、もしくはライトオフ温度が所定温度(Cout)以上になった場合は触媒が劣化したと判定し、警告灯(図示せず)を点灯したり、異常情報をメモリ104に記憶したり、あるいは異常情報を無線により外部に発信したりして触媒の劣化をユーザあるいは外部の機関に通知する。ここで外部の機関とは自動車メーカや修理工場等の自動車修理機関あるいは大気汚染を管理する環境管理機関のことを示す。
ところで、上記本発明の一実施形態において、センサーで検出される実測値は厳密には正確ではなく、触媒内に蓄えられた水分の蒸発の影響を受けて70−90℃で温度上昇が止まることがある。本発明の第1の実施形態のモデルではこの水分蒸発の影響を考慮していないため、推定値と実測値に食い違いが生じ誤診断の原因となってしまう。
そこで本発明では、第2の実施形態として、モデルの推定値を実測値により補正することにより誤診断を防止する。図7に本発明の第2の実施形態のフローチャートを示す。ステップs201では実測値Tが所定温度TL以下であるか否かを判定し、所定温度以下であればステップs202以降に進み、そうでなければ補正を行わずに終了する。ここで所定温度TLは触媒が熱反応を開始するライトオフ温度より若干低い100−200℃程度に設定されるのが好ましい。ステップs202では実測値Tの温度変化率を計算し、その値と所定値ΔT0(ほぼ0である正数)と比較する。
ここで温度変化が所定値ΔT0より小さければ、ステップs203に進み推定値T^(N)に実測値T(N)を代入する。またステップs202において条件が不成立の場合はステップ203を飛ばし補正を行わない。次にステップs204では推定値T^(N)が実測値T(N)よりも所定値ΔT1(ほぼ0である正数)以上であるか否かを判定する。ステップs204で所定値ΔT1以上であれば、ステップs205に進み推定温度を負の方向に補正し(Kは補正係数で1よりも小さい正数)、そうでなければステップs203をスキップして処理を終了する。
図8に、実測値による補正の有無による推定値の違いを模式的に示した。
なお補正量の大きさは水分の蒸発とは関係ない温度センサと推定値のずれを表すため、補正量ΔT1*Kの積分値を記憶しておき、所定値と比較する事で温度検出器の異常も診断できる。
また、水の蒸発時の実測温度T(N)は、始動時の大気圧および温度検出器の取り付け位置にも左右されるが大体70−90℃の一定値に再現される。そこで、例えば図7においてステップs203のT(N)が正常時の温度よりも極端に低い温度(30−50℃)であったり、エンジン始動毎にステップs203の補正値T(N)の再現性がとれない場合には温度検出器の異常と判定できる。
このように、本発明の第2の実施形態によれば、劣化触媒モデルによる温度推定値を実測値により補正することにより、モデルの推定精度が向上し診断をより正確に行える。
次に、本発明の第3の実施形態について、図9〜図12で説明する。本実施形態は、実測値と推定値の差あるいは変化率の差から触媒の劣化度を正確に表す劣化指標を生成する方法を開示するものである。
まず、第一の劣化指標Tiについて説明する。図9は始動直後からの実測値と推定値の時間変化を示したものである。触媒が劣化すると実測値と推定値の温度差が減少する。そこで実測値から推定値の差が所定値ΔT2よりも大きくなった時間を劣化指標Tiとすることで触媒のライトオフ性能がモニタできる。
この診断を実現する比較装置および判定装置の動作を図10と図11のフローチャートを用いて説明する。まず図10の比較装置の動作を説明するが、この処理に入る前の初期化処理として、エンジン停止時にカウント数Ciを0とし、またカウンタ許可フラグfCUPOK=1に設定しておく事、また比較処理を行う前には実測値T(N)の測定および推定値T^(N)を更新しておく。ステップs301において実測値T(N)から推定値T^(N)への差が所定値ΔT2よりも小さければ、ステップs302に進み、それ以外ではステップs303に進む。ステップs302ではカウンタを停止するためカウント許可フラグをクリアする(fCUPOK=0)。ステップs303ではカウンタアップ許可フラグをチェックし許可状態であればステップs304でCiのカウンタUP処理をおこない、許可状態でなければ処理を終了する。
次に判定装置では、図11に示したフローチャートに従い劣化判定を行う。ステップs305ではカウンタ値Ciと診断しきい値Cout(図12(a))を比較し、しきい値以上CoutであればステップS307に進み触媒劣化状態であるとして触媒劣化フラグをセット(fCATNG=1)し、そうでなければステップs306に進み触媒正常状態であるとしてフラグをクリア(fCATNG=0)する。
ここで、一般にライトオフ時間Coutは、図12(b)に示したように、流量Qが多いほど短縮される傾向があるので、ステップs305において、所定値Coutを排気流量Qが多いほど小さく設定すると、より正確な診断ができる。
次に、温度変化率を用いた劣化指標について説明する。温度変化率からは反応熱量の発生(変化)がわかる。図13〜15は触媒温度と触媒温度変化率の関係を模式的に示したものである。簡単のためここでは温度補正を行った場合を示す。推定値の温度変化率は排気の熱伝達のためエンジン始動からやや遅れてピークを取りその後触媒温度の上昇にともない緩やかに減少する。従って実測値の温度変化率との差は触媒反応が始まる温度T1以降で拡大する。
図13のΔdT1は所定温度あるいは所定条件における温度変化率の差である。このΔdT1が0に近づくほど劣化している事を示す指標となる。また実測値が最大値をとる温度での推定値と実測値の差ΔdT2、あるいは推定値と実測値の差の最大値ΔdT3も劣化に従い小さくなるので劣化判定指標となる。
また図14に示したように、実測値および推定値のそれぞれの温度変化率が最大となる温度の温度差(ピーク温度の差)ΔdT4も劣化に従い小さくなるので劣化診断に用いることができる。
また同様に、図15に示したように実測値と推定値との温度変化率で囲まれる面積ΔSも劣化により小さくなるので、これも劣化診断に用いることができる。
次に、図16〜図18に示す実施形態は、温度検出器2の異常を検出、判定処理するものである。この実施形態の装置は、触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、その比較結果にもとづき温度検出器の異常を判定する判定装置とで構成される。
この実施形態では、まず、図16に示すように、推定値T^(N)と実測値T(N)の差ΔT(N)を求める。
ここで、図17に示すように、温度検出器2による実測値Tは反応が始まるライトオフ温度以下では反応熱がないため推定値T^よりも高くなる事はなく、あるいは逆にライトオフ温度以上においては反応熱のため実測値が推定値よりも低くなる事もない。
そこで、図18のフローチャート及び図19の説明図に示したように、ライトオフ温度のモニタ値が正常時のライトオフ温度よりも低い所定値Tl1以下の場合で、かつ、実測値Tと推定値T^の差ΔT(N)が所定値ΔTl1以上、すなわち図19の左上の領域の場合(sX02)、あるいは正常時のライトオフ温度よりも高い所定温度値Th1より高く、かつ、反応熱モニタ値ΔTが所定値ΔTh1以下の負の値となる、すなわち図19の右下の領域の場合(sX03)は、温度検出器の異常(sX05)と診断する。また、温度検出器の出力が無い場合も異常(sX01)と診断する。温度検出器に異常が無いとき、触媒の診断を行う(sX04)。
ここでさらに詳しく推定値と実測値の差について考察すると、ライトオフ温度以下では実測値と推定値は一致し、一方ライトオフ温度以上では反応熱を示す事が分かる。すなわち、本実施形態では、温度検出器の診断はライトオフ温度より低い所定値Tl1以下ので行ない、触媒の診断はライトオフ温度以上で行うことにした。つまりライトオフ温度以下での差は温度検出器の誤差を表し、この差が所定値以上になれば温度検出器が異常であると診断する。また一方でライトオフ温度以上での差は反応熱量を示すので、この差ΔTが所定値以下であれば触媒が異常であると診断する。このように温度検出器の診断後に触媒の診断を行うので診断の信頼性が高められる。
本発明の他の実施形態は、触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、実測値が所定温度よりも小さい時に温度検出器の異常を判定し、所定温度よりも大きい時に触媒の異常を判定するものである。
すなわち、図20のフローチャートに示したように、まず、温度検出器2による実測値Tがライトオフ温度よりも低い所定値Tl1より小さい場合は温度検出器2の劣化判定処理を行う(sX02)。逆にライトオフ温度よりも低い所定値Tl1より大きい場合は温度検出器の診断結果により温度検出器2が正常であるかを確認し(sX03)、正常である場合にのみ触媒の劣化判定処理(sX04)を行う。
次に、図21は他の本実施形態の1つとしての温度変化率を用いた場合の比較装置の、フローチャートを示す。ステップs401では温度変化率を演算する、ここでは前回の温度と現在の温度の差を用いて温度変化率を演算しているが、温度センサのノイズをさけるために測定温度にはローパスフィルタ処理を施しても良いし、必ずしも前回の温度を使用するのではなくそれより以前の値から適宜温度変化率を演算しても良い。ステップs402ではステップs401で演算した温度変化率を元に、温度変化率の差(ΔdT1,ΔdT2,ΔdT3)あるいはピーク温度の差(ΔdT4)あるいは面積(ΔS)の少なくとも一つを演算する。
次に、判定装置について図22のフローチャートを用いて説明する。図22のステップS403において判定条件が成立した場合にはステップs404に進み、不成立の場合には以下のステップをすべてスキップして処理を終了する。なおs403の判定条件による分岐は誤診断防止のためにもうけられたステップであり、例えば後述の判定許可フラグfDIAGEXを参照し処理を分岐する。
ステップs404では、図22ステップ402で演算したFと所定値ΔTを比較し、所定値ΔTよりも大きい場合にはステップs405に進み、小さい場合にはステップs406に進む。ここでFとして一つの劣化指標を用いても良いし、より精度を上げるために複数の劣化指標にそれぞれ重み付けをした新たな劣化指標を造って所定値と比較しても良い。ステップs405では劣化指数が所定値よりも大きいので触媒は正常状態であり触媒劣化フラグをクリア(fCATNG=0)し、ステップs406では劣化触媒が所定値よりも小さいので触媒が劣化状態として触媒劣化フラグをセット(fCATNG=1)する。
次に、本発明の他の実施形態として、触媒の誤診断防止に関する発明の実施形態を説明する。この発明は、診断領域を触媒が反応を開始する温度領域に限定することにより誤診断を防止するものである。例えば、劣化判定装置において、触媒温度検出器による触媒温度の実測値が所定温度範囲であるときに劣化判定を行うのが望ましい。また、劣化判定装置において、内燃機関の空気流量あるいは燃料噴射量の時間変化率が所定値以上の場合は劣化判定を禁止するのが望ましい。さらに、劣化判定装置において、内燃機関の温度が所定値より高い場合は劣化判定を禁止するのが望ましい。さらに、内燃機関の診断装置において、温度検出装置の異常時には触媒の劣化判定を禁止するのが望ましい。
図23のフローチャートに、その一実施形態を示す。ステップs501において実測値が所定範囲にあるか否かを判定し、所定範囲以内であればステップs503に進み診断許可フラグをセット(fDIAGEX=1)し、所定範囲以外であればステップs503に進み診断許可フラグをクリアする(fDIAGEX=0)。
図24は、触媒温度と触媒温度の変化率の典型的な関係を示したものである。まずエンジン始動後から温度変化率は急激に上昇するが、水の蒸発により低温時(70−100℃)に減少しまた再び上昇する。このため触媒診断に最適な温度範囲は触媒のライトオフ温度と温度検出器を設置する位置も考慮して、100−200℃から300−400℃の間で診断を行えばよい。
図25には、診断を禁止する一実施形態をフローチャートで示す。ここではステップs504において診断許可フラグfDIAGEXを参照し、診断許可フラグがセットされていなければ、ステップs505の劣化判定処理をスキップすることで診断を禁止する。
次に、図26〜図27で他の実施形態について説明する。本発明の診断装置では、エンジン再始動時など触媒がすでに暖まっている状態の時は、推定値と実測値が大きく異なり誤診断の可能性がある。そこで触媒がすでに暖まっている場合は劣化判定を禁止し誤診断を防止する。
図26に内燃機関停止後の内燃機関水温と触媒温度の関係を示す。エンジン停止後から触媒温度と水温の両者とも外気温に近づくが、比熱の違いにより触媒温度の方が早く低下する。従って水温に着目すれば、エンジン始動時の推定値と実測値の差を十分に小さくできる。
図27は本発明の一実形態をフローチャートで示したものである。図27のステップs601で水温が所定温度よりも高い場合はステップs602に進み劣化判定を禁止し、そうでなければステップs603で劣化判定を許可する。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。温度検出器が異常の場合は、温度検出器の出力に基づいた触媒診断は誤診断の可能性が高いので触媒の劣化判定を禁止する。図28は本発明を実施するためのフローチャートを示す。図28のステップs701で温度センサが異常である場合はステップs702に進み劣化判定を禁止し、そうでなければステップs703で劣化判定を許可する。
さらに、本発明の他の実施形態を図29で説明する。既に述べた本発明の劣化判定装置において、内燃機関の空気流量あるいは燃料噴射量の時間変化率が所定値以上の場合は劣化判定を禁止するのが望ましい。すなわち、温度検出器を用いた触媒診断方法は排気熱が反応熱にくらべて極端に大きい場合には、実測値から反応熱を分離して診断する事が困難となる。また、先の実施形態で述べた温度変化率を比較する方法は、反応熱が発生するライトオフ温度付近で空気流量や燃料量が変化すると誤診断の原因となる。そこで本実施形態では排気量の変化率あるいは燃料量の変化率が所定値を越えた場合には診断を禁止する。
図29はこの実施形態を実施するためのフローチャートを示す。図29のステップs801で空気量の変化率と所定値を比較し、所定値より大きければステップs802に進み劣化判定を禁止し、そうでなければステップs803で劣化判定を許可する。なおステップs801を燃料量に置き換える事で同様に燃料量変化による誤診断も防止できる。
次に、本発明の他の実施形態について、図30、図31で説明する。図30は空燃比とライトオフ温度あるいはHC浄化率の関係を模式的に示した物である。この図はストイキよりもややリーンの空燃比の時にライトオフ温度が最も低い事を示している。また空燃比がリッチだとHCが十分に触媒内で反応しないため反応熱が下がる。よって触媒の診断時において空燃比を一定に保つ事でライトオフ温度および反応量のばらつきを押さえることで、誤診断を防止できる。
そこで、内燃機関の排気流路に空燃比センサと、燃料噴射量を調整する燃料調整装置を具備し、図31のs3101〜s3103に示すように、触媒診断中は空燃比を診断に適した一定の診断用空燃比に保つように制御する。
次に、本発明の他の実施形態について、図32〜図34で説明する。この実施形態では、図32のsX01〜sX06に示すように、触媒の劣化確認モードをもち、劣化確認モード中は触媒温度を下げるように内燃機関の燃料量または点火時期等を制御する。
図33は、図32における劣化確認モードsX03の詳細を示すフローチャートである。図33のsX01〜sX03に示すように、触媒診断により故障通知があったときはその故障をメモリーに記録し、エンジンの出力を制限するように、エンジンの点火時期や燃料の憤射量を制御する。
図34は、診断モード時の排気温度と通常時の排気温度を示す。このように診断モード中に排気温度を下げてクライテリア触媒のライトオフ温度よりも低く触媒温度を制御する(リタードまたは2回噴射等の触媒暖機あるいは機関暖機制御を停止する)ことにより、劣化時は正常時に比べて温度の変化率が小さくなり確実に触媒の診断ができる。
また、図32のsX06における触媒異常時処理は、触媒のさらなる劣化を防止するため、例えば図34に示したような排気温度を下げる制御を行うことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明を筒内噴射型の内燃機関に適用した一実施形態のシステム図である。
図2は、図1の一実施形態における診断装置の機能を示すブロック図である。
図3は、劣化触媒モデルの温度推定処理を示すフローチャートである。
図4は、図2の劣化触媒モデルの説明図である。
図5は、触媒劣化時の実測値と推定値の関係を示す図である。
図6は、図3の処理ステップs102で参照するマップである。
図7は、本発明の他の実施形態として、図3の処理で得られた推定値に対する補正を行う処理のフローチャートである。
図8は、図7の方法によりモデルの推定値を実測値により補正した場合と補正しない場合の違いを示す図である。
図9は、本発明の他の実施形態としての、劣化指標Tiに対応するカウント数Ciを、比較装置により生成するフローチャートである。
図10は、図9に関連して、劣化時と正常時の劣化指数Tiの違いを示す図である。
図11は、本発明の他の実施形態としての、劣化判定処理のフローチャートである。
図12は、図11におけるステップs305でCoutを設定するときに参照するマップである。
図13は、温度変化率を用いた劣化指標ΔdT1を説明する図である。
図14は、温度変化率を用いた劣化指標ΔdT4を説明する図である。
図15は、温度変化率を用いた劣化指標ΔdT5を説明する図である。
図16は、本発明の他の実施形態としての、比較処理のフローチャートである。
図17は、温度検出器異常時の実測値と推定値の関係を示す図である。
図18は、本発明の他の実施形態としての、温度検出器の異常を検出、判定する処理のフローチャートである。
図19は、図18のフローチャートの説明図である。
図20は、本発明の他の実施形態としての、温度検出器および触媒の劣化判定処理のフローチャートである。
図21は、温度変化率による劣化指標を生成する比較装置のフローチャートである。
図22は、温度変化率により判定を行う判定装置のフローチャートである。
図23は、本発明の他の一実施形態を示すフローチャートである。
図24は、図23のステップs501における温度上下限を説明する図である。
図25は、本発明の他の実施形態としての、誤診断防止のため診断を禁止するフローチャートである。
図26は、機関停止後の内燃機関と触媒温度の時間変化を示す図である。
図27は、本発明の他の実施形態としての、内燃機関の温度にもとづき劣化判定の許可を決める処理のフローチャートである。
図28は、本発明の他の実施形態としての、温度センサが正常であるときに劣化判定を許可する処理のフローチャートである。
図29は、本発明の他の実施形態としての、空気変化率が所定値よりも小さい場合に劣化判定を許可する処理のフローチャートである。
図30は、触媒の診断時における空燃比とライトオフ温度および浄化率の関係を示す図である。
図31は、図30に対応する処理のフローチャートである。
図32は、本発明の他の実施形態としての、診断モードと通常制御モードとを切り替える処理のフローチャートである。
図33は、図32における劣化確認モードのフローチャートである。
図34は、図32、図33の実施形態の動作を説明するための、診断モードと通常制御時の排気温度の関係を示す図である。
Claims (20)
- 内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、
前記温度検出器による実測値を基に前記触媒の排気熱と反応熱とを分離して求める手段と、該反応熱の大小により前記触媒の劣化度を判定する手段とを備えたこと特徴とする内燃機関の診断装置。 - 内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、
触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、その結果にもとづき前記触媒の異常を判定する判定装置と、を備えたことを特徴とする内燃機関の診断装置。 - 内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、
触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、その比較結果にもとづき温度検出器の異常を判定する判定装置と、を備えた内燃機関の診断装置。 - 内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、
触媒の熱反応を含まない触媒温度推定モデル(劣化触媒モデル)と、前記劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較する比較装置と、実測値が所定温度よりも小さい時に温度検出器の異常を判定し、所定温度よりも大きい時に触媒の異常を判定する判定装置と、を備えた内燃機関の診断装置。 - 前記劣化触媒モデルは触媒の熱伝達モデルであって、前記触媒に流入する空気流量と前記内燃機関の排気温度をパラメータとする事を特徴とする請求項2−4のいずれかに記載の内燃機関の診断装置。
- 前記劣化触媒モデルにおける温度の推定値を前記温度検出装置の実測値を用いて補正する事を特徴としたとする請求項2−5のいずれかに記載の内燃機関の診断装置。
- 前記劣化触媒モデルにおける温度の推定値を前記温度検出装置の実測値を用いて補正し、補正時の推定値の変化率が所定値以下になる温度にもとづき温度検出器の異常を判定することを特徴とする請求項3−5のいずれかに記載の内燃機関の診断装置。
- 前記比較装置において、実測値と推定値の絶対値あるいは時間変化率を比較する事を特徴とした請求項2−5のいずれかに記載の内燃機関の診断装置。
- 前記劣化判定装置において、前記触媒温度検出器による触媒温度の実測値が所定温度範囲であるときに劣化判定を行うことを特徴とする請求項2−5のいずれかに記載の内燃機関の診断装置。
- 前記劣化判定装置において、前記内燃機関の空気流量あるいは燃料噴射量の時間変化率が所定値以上の場合は劣化判定を禁止する事を特徴とする請求項2−5のいずれかに記載の内燃機関の診断装置。
- 前記劣化判定装置において、内燃機関の温度を検出する機関温度検出装置を具備し、前記内燃機関の温度が所定値より高い場合は劣化判定を禁止する事を特徴とする請求項2−5のいずれかに記載の内燃機関の診断装置。
- 内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関の診断装置において、
前記温度検出器による実測値を基に前記触媒の排気熱と反応熱とを分離して求め該反応熱の大小により前記触媒の劣化度を判定する手段と、前記温度検出装置の異常時には前記触媒の劣化判定を禁止する事を特徴とする内燃機関の診断装置。 - 内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を含む診断装置を具備した内燃機関の制御装置において、
前記温度検出器による実測値を基に前記触媒の排気熱と反応熱とを分離して求め該反応熱の大小により前記触媒の劣化度を診断する手段と、内燃機関の排気流路に設けられた空燃比センサと、燃料噴射量を調整する燃料調整装置を具備し、前記触媒の診断中は内燃機関の空燃比を一定に保つように前記燃料調整装置を制御する事を特徴とする内燃機関の制御装置。 - 内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を含む診断装置を具備した内燃機関の制御装置において、
前記制御装置は触媒の劣化確認モードをもち、該劣化確認モードにおいて前記温度検出器による実測値を基に前記触媒の排気熱と反応熱とを分離して求め該反応熱の大小により前記触媒の劣化度を診断する手段と、劣化確認モード中は触媒温度を下げるように内燃機関の燃料量または点火時期等を制御する手段とを備えたことを特徴とした内燃機関の制御装置。 - 内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関における診断方法において、
前記触媒温度検出器による実測値を基に前記触媒の排気熱と反応熱とを分離して求め、該反応熱の大小により前記触媒の劣化度を判定することを特徴とする内燃機関の診断方法。 - 内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関における診断方法において、
触媒の熱反応を含まない劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較し、該比較結果にもとづき前記触媒の異常を判定することを特徴とする内燃機関の診断方法。 - 内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関における診断方法において、
触媒の熱反応を含まない劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較し、該比較結果にもとづき前記温度検出器の異常を判定することを特徴とする内燃機関の診断方法。 - 内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を具備した内燃機関における診断方法において、
触媒の熱反応を含まない劣化触媒モデルによる推定値と前記温度検出器による実測値とを比較し、前記実測値が所定温度よりも小さい時に前記温度検出器の異常を判定し、前記所定温度よりも大きい時に前記触媒の異常を判定することを特徴とする内燃機関の診断方法。 - 排気流路に設けられた空燃比センサと、燃料噴射量を調整する燃料調整装置と、機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を含む診断装置を具備した内燃機関の制御方法において、
前記温度検出器による実測値を基に前記触媒の排気熱と反応熱とを分離して求め該反応熱の大小により前記触媒の劣化度を診断し、前記触媒の診断中は内燃機関の空燃比を一定に保つように前記燃料調整装置を制御する事を特徴とする内燃機関の制御方法。 - 内燃機関の排気流路に排気を浄化する触媒と、内燃機関の燃料量または点火時期等を制御する手段と、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出装置を含む診断装置を具備した内燃機関の制御方法において、
内燃機関は運転モードとして、通常の運転モードと前記診断装置による前記触媒の劣化確認モードとを有し、
前記触媒の劣化確認モードにおいて前記温度検出器による実測値を基に前記触媒の排気熱と反応熱とを分離して求め該反応熱の大小により前記触媒の劣化度を診断し、該劣化確認モード中は触媒温度を下げるように前記燃料量または点火時期等を制御することを特徴とした内燃機関の制御方法。
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