JP3195034B2 - エンジンの排気センサの劣化検出装置 - Google Patents
エンジンの排気センサの劣化検出装置Info
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- JP3195034B2 JP3195034B2 JP05825292A JP5825292A JP3195034B2 JP 3195034 B2 JP3195034 B2 JP 3195034B2 JP 05825292 A JP05825292 A JP 05825292A JP 5825292 A JP5825292 A JP 5825292A JP 3195034 B2 JP3195034 B2 JP 3195034B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、エンジンの排気セン
サの劣化検出装置に関するものである。
サの劣化検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジンの排気浄化方法の一
つとして、排気通路の途中に三元触媒等を備えた触媒コ
ンバータを配置し、該触媒の化学吸着作用によって排気
ガス中の未燃成分等を除去する触媒式排気浄化装置が広
く知られている。
つとして、排気通路の途中に三元触媒等を備えた触媒コ
ンバータを配置し、該触媒の化学吸着作用によって排気
ガス中の未燃成分等を除去する触媒式排気浄化装置が広
く知られている。
【0003】ところで、このような触媒式の排気浄化装
置においては、該触媒の劣化は直接的に排気浄化能力の
低下として表れるため、この触媒の劣化状態を適宜監視
する必要がある。このような排気浄化用触媒の劣化状態
を検出する方法として、図10に示すように、端面三元
触媒の酸素吸蔵能力とHC浄化率との間には、酸素吸蔵
能力の低下とともにHC浄化率が低下するという関係が
あることに着目し、排気通路の途中に設けた触媒の上流
側と下流側とにそれぞれ排気ガス中の酸素濃度に応じて
所定の電圧値を出力する排気センサを配置し、上流側の
排気センサによる空燃比帰還制御時におけるこれら各排
気センサの出力反転回数の比によって触媒劣化を検出す
る技術が知られている(例えば、特開昭63ー9785
2号公報参照)。
置においては、該触媒の劣化は直接的に排気浄化能力の
低下として表れるため、この触媒の劣化状態を適宜監視
する必要がある。このような排気浄化用触媒の劣化状態
を検出する方法として、図10に示すように、端面三元
触媒の酸素吸蔵能力とHC浄化率との間には、酸素吸蔵
能力の低下とともにHC浄化率が低下するという関係が
あることに着目し、排気通路の途中に設けた触媒の上流
側と下流側とにそれぞれ排気ガス中の酸素濃度に応じて
所定の電圧値を出力する排気センサを配置し、上流側の
排気センサによる空燃比帰還制御時におけるこれら各排
気センサの出力反転回数の比によって触媒劣化を検出す
る技術が知られている(例えば、特開昭63ー9785
2号公報参照)。
【0004】このように、排気センサの出力反転回数比
によって触媒劣化を判定するのは、触媒の酸素吸蔵能力
が良好に保たれている場合(即ち、触媒が劣化していな
い場合)には、触媒の下流側においては上流側よりも酸
素濃度が少なく、従って下流側排気センサの出力反転回
数(Nb)は上流側排気センサの出力反転回数(Na)よりも
少なくなり、図11に示すように下流側と上流側の二つ
の排気センサの出力反転回数比(Nb/Na)が大きいほど
触媒の劣化が進んでいると判定することができるからで
ある。
によって触媒劣化を判定するのは、触媒の酸素吸蔵能力
が良好に保たれている場合(即ち、触媒が劣化していな
い場合)には、触媒の下流側においては上流側よりも酸
素濃度が少なく、従って下流側排気センサの出力反転回
数(Nb)は上流側排気センサの出力反転回数(Na)よりも
少なくなり、図11に示すように下流側と上流側の二つ
の排気センサの出力反転回数比(Nb/Na)が大きいほど
触媒の劣化が進んでいると判定することができるからで
ある。
【0005】尚、触媒の上・下流にそれぞれ排気センサ
を配置してこれらの出力によって触媒の劣化を検出する
方法としては、上記公知例の如き各排気センサ出力反転
回数比(Nb/Na)の値で判断する他に、例えば上流側排
気センサでの空燃比帰還制御時において、下流側排気セ
ンサの出力振幅によって判断する方法、下流側排気セン
サの出力平均値によって判断する方法、あるいは下流側
排気センサの特定敷居値に対する反転周期及び反転回数
で判断する方法等が知られている。
を配置してこれらの出力によって触媒の劣化を検出する
方法としては、上記公知例の如き各排気センサ出力反転
回数比(Nb/Na)の値で判断する他に、例えば上流側排
気センサでの空燃比帰還制御時において、下流側排気セ
ンサの出力振幅によって判断する方法、下流側排気セン
サの出力平均値によって判断する方法、あるいは下流側
排気センサの特定敷居値に対する反転周期及び反転回数
で判断する方法等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如き
排気センサ出力に基づく触媒劣化検出の精度・信頼性が
確保されるのは、各排気センサの機能が良好に維持され
ている場合であって、これが劣化した状態においては到
底信頼性の高い触媒劣化検出はできないものである。
排気センサ出力に基づく触媒劣化検出の精度・信頼性が
確保されるのは、各排気センサの機能が良好に維持され
ている場合であって、これが劣化した状態においては到
底信頼性の高い触媒劣化検出はできないものである。
【0007】即ち、排気センサの劣化は、大きく別けて
その出力電圧の低下と応答遅れという二つの形態で表れ
る。このうち、排気センサの劣化に伴う出力電圧の低下
に関しては、図7に示すように、例えばリッチ時の出力
電圧についてみれば、排気センサが劣化していない状態
においては同図に実線図示するように高電圧値を示す
が、これが劣化した後においては同図に鎖線図示する如
く出力電圧が大きく低下するものであり、従ってこの排
気センサ出力と空燃比との関係をみた場合には、図8に
示すように、初期状態においては理論空燃比λ=1にお
いて0.45V(敷居値)の出力電圧であったものが、劣化後
においては例え実際の空燃比が理論空燃比λ=1であった
としても排気センサの出力電圧は0.3V程度となり、当
然敷居値よりも低いため空燃比をリーン状態と判定する
ことになる。
その出力電圧の低下と応答遅れという二つの形態で表れ
る。このうち、排気センサの劣化に伴う出力電圧の低下
に関しては、図7に示すように、例えばリッチ時の出力
電圧についてみれば、排気センサが劣化していない状態
においては同図に実線図示するように高電圧値を示す
が、これが劣化した後においては同図に鎖線図示する如
く出力電圧が大きく低下するものであり、従ってこの排
気センサ出力と空燃比との関係をみた場合には、図8に
示すように、初期状態においては理論空燃比λ=1にお
いて0.45V(敷居値)の出力電圧であったものが、劣化後
においては例え実際の空燃比が理論空燃比λ=1であった
としても排気センサの出力電圧は0.3V程度となり、当
然敷居値よりも低いため空燃比をリーン状態と判定する
ことになる。
【0008】この結果、例えば下流側排気センサに劣化
による出力電圧の低下が生じた場合には、図3に示すよ
うに、下流側排気センサが劣化していない状態(以下、
初期状態という)においては同図に破線図示するように
高電圧値を示し初期反転敷居値に対して比較的少ない出
力反転回数であったものが、その劣化後においては同図
に実線図示するように出力電圧が低下して上記初期初期
反転敷居値を頻繁に横切りその出力反転回数が多くな
る。このように下流側排気センサの出力特性が変化した
場合には、下流側排気センサの出力反転回数(Nb)と上
流側排気センサの出力反転回数(Na)との比(Nb/Na)
が初期状態よりも大きくなることから、結果的に触媒が
劣化していないにもかかわらず、これが劣化していると
誤った判断がされることになるものである。
による出力電圧の低下が生じた場合には、図3に示すよ
うに、下流側排気センサが劣化していない状態(以下、
初期状態という)においては同図に破線図示するように
高電圧値を示し初期反転敷居値に対して比較的少ない出
力反転回数であったものが、その劣化後においては同図
に実線図示するように出力電圧が低下して上記初期初期
反転敷居値を頻繁に横切りその出力反転回数が多くな
る。このように下流側排気センサの出力特性が変化した
場合には、下流側排気センサの出力反転回数(Nb)と上
流側排気センサの出力反転回数(Na)との比(Nb/Na)
が初期状態よりも大きくなることから、結果的に触媒が
劣化していないにもかかわらず、これが劣化していると
誤った判断がされることになるものである。
【0009】一方、排気センサの劣化に伴う応答遅れで
あるが、これに関しては図9に示すように、排気センサ
はその劣化が進むとこれに伴って次第に応答遅れが生
じ、例えば空燃比がリッチ側からリーン側に変化した場
合における排気センサ出力は同図に実線図示する初期状
態から破線図示する劣化時状態へ次第に移行する。この
ような応答遅れが生じると、例えば空燃比のリッチ側か
らリーン側への変化に伴って排気センサ出力が高出力側
から低出力側へ変化する場合に、該排気センサ出力の出
力が完全に変化し切らないうちに空燃比の変化が生じ、
排気センサ出力はその変化の途中において反転しなけれ
ばならず、それだけ該排気センサ出力の出力振幅が小さ
くなる。この結果、例えば下流側排気センサに劣化によ
る応答遅れが生じた場合には、図5に示すように、初期
状態においては出力振幅が大きいことから同図に破線図
示するように初期反転敷居値に対して所定の出力反転回
数を示すが、劣化後の状態においては出力振幅の減少に
よって同図に実線図示するように出力がリッチ側に偏
り、それだけ初期反転敷居値に対する出力反転回数が少
なくなり、結果的に上記出力反転回数比(Nb/Na)が小
さくなって、触媒の劣化が相当程度進んでいるにもかか
わらず触媒は劣化していないという誤った判断を生じさ
せることになるものである。
あるが、これに関しては図9に示すように、排気センサ
はその劣化が進むとこれに伴って次第に応答遅れが生
じ、例えば空燃比がリッチ側からリーン側に変化した場
合における排気センサ出力は同図に実線図示する初期状
態から破線図示する劣化時状態へ次第に移行する。この
ような応答遅れが生じると、例えば空燃比のリッチ側か
らリーン側への変化に伴って排気センサ出力が高出力側
から低出力側へ変化する場合に、該排気センサ出力の出
力が完全に変化し切らないうちに空燃比の変化が生じ、
排気センサ出力はその変化の途中において反転しなけれ
ばならず、それだけ該排気センサ出力の出力振幅が小さ
くなる。この結果、例えば下流側排気センサに劣化によ
る応答遅れが生じた場合には、図5に示すように、初期
状態においては出力振幅が大きいことから同図に破線図
示するように初期反転敷居値に対して所定の出力反転回
数を示すが、劣化後の状態においては出力振幅の減少に
よって同図に実線図示するように出力がリッチ側に偏
り、それだけ初期反転敷居値に対する出力反転回数が少
なくなり、結果的に上記出力反転回数比(Nb/Na)が小
さくなって、触媒の劣化が相当程度進んでいるにもかか
わらず触媒は劣化していないという誤った判断を生じさ
せることになるものである。
【0010】これらのことからして、触媒の上・下流に
それぞれ排気センサを配置して該各排気センサ出力に基
づいて触媒の劣化検出を行うものにおいては、その検出
精度あるいは信頼性という点において、触媒劣化の検出
の基礎となる排気センサの劣化状態を正確に検出するこ
とが最も重要であると言える。
それぞれ排気センサを配置して該各排気センサ出力に基
づいて触媒の劣化検出を行うものにおいては、その検出
精度あるいは信頼性という点において、触媒劣化の検出
の基礎となる排気センサの劣化状態を正確に検出するこ
とが最も重要であると言える。
【0011】ところが、触媒の下流側に配置される排気
センサは、該触媒を通過した後の排気ガスの酸素濃度に
応じて所定の電圧を出力するものであることから、例え
触媒の上流側における空燃比が一定であったとしても、
該触媒の酸素吸蔵能力、即ち、その劣化状態に応じて異
なった出力電圧を発生することとなる。このため、触媒
上流側の空燃比に対する下流側排気センサの出力値のみ
からはその劣化状態を正確に判断することは極めて困難
であるとされ、事実、このような観点から下流側排気セ
ンサの劣化検出を行うための技術は未だ提案されていな
いのが現状である。
センサは、該触媒を通過した後の排気ガスの酸素濃度に
応じて所定の電圧を出力するものであることから、例え
触媒の上流側における空燃比が一定であったとしても、
該触媒の酸素吸蔵能力、即ち、その劣化状態に応じて異
なった出力電圧を発生することとなる。このため、触媒
上流側の空燃比に対する下流側排気センサの出力値のみ
からはその劣化状態を正確に判断することは極めて困難
であるとされ、事実、このような観点から下流側排気セ
ンサの劣化検出を行うための技術は未だ提案されていな
いのが現状である。
【0012】そこで本願発明は、その配置上、触媒の排
気浄化能力の影響を受ける排気センサそのものの劣化検
出を精度良く行い、延いてはかかる排気センサを利用し
て行なわれる触媒劣化検出の信頼性を高めんとしてなさ
れたものである。
気浄化能力の影響を受ける排気センサそのものの劣化検
出を精度良く行い、延いてはかかる排気センサを利用し
て行なわれる触媒劣化検出の信頼性を高めんとしてなさ
れたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として、請求項1記載の発
明では、図1Aに示すように、エンジンの排気通路3の
途中に配置された酸素吸蔵能力を有する排気浄化用触媒
10の下流側に配置した下流側排気センサ12の劣化状
態を検出するエンジンの排気センサの劣化検出装置にお
いて、上記触媒10の上流側に空燃比制御用の上流側排
気センサ11を配置する一方、エンジンの運転領域を検
出する運転領域検出手段Aと、エンジンへの燃料供給量
を制御する燃料制御手段Bと、上記運転領域検出手段A
により特定の運転領域が検出された場合に、オープンル
ープ制御により上記燃料制御手段Bをして空燃比を強制
的に、上記触媒10の酸素吸蔵能力の影響を低下させる
よう、理論空燃比よりもリッチ側に切り替える空燃比変
更手段Cと、該空燃比変更手段Cによる空燃比のオープ
ンループ制御時における上記下流側排気センサ12の出
力値を検出する出力値検出手段Dと、該出力値検出手段
Dにより検出される上記下流側排気センサ12の出力値
に基づいて、この出力値が予め設定した所定値以下であ
る場合に上記下流側排気センサが劣化していると判定す
る劣化判定手段Eとを備えたことを特徴としている。
を解決するための具体的手段として、請求項1記載の発
明では、図1Aに示すように、エンジンの排気通路3の
途中に配置された酸素吸蔵能力を有する排気浄化用触媒
10の下流側に配置した下流側排気センサ12の劣化状
態を検出するエンジンの排気センサの劣化検出装置にお
いて、上記触媒10の上流側に空燃比制御用の上流側排
気センサ11を配置する一方、エンジンの運転領域を検
出する運転領域検出手段Aと、エンジンへの燃料供給量
を制御する燃料制御手段Bと、上記運転領域検出手段A
により特定の運転領域が検出された場合に、オープンル
ープ制御により上記燃料制御手段Bをして空燃比を強制
的に、上記触媒10の酸素吸蔵能力の影響を低下させる
よう、理論空燃比よりもリッチ側に切り替える空燃比変
更手段Cと、該空燃比変更手段Cによる空燃比のオープ
ンループ制御時における上記下流側排気センサ12の出
力値を検出する出力値検出手段Dと、該出力値検出手段
Dにより検出される上記下流側排気センサ12の出力値
に基づいて、この出力値が予め設定した所定値以下であ
る場合に上記下流側排気センサが劣化していると判定す
る劣化判定手段Eとを備えたことを特徴としている。
【0014】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
エンジンの排気センサの劣化検出装置において、上記下
流側排気センサ12は、空燃比が理論空燃比近傍の所定
領域にあるときに、それ以外のときに比べて空燃比の変
化に対する出力値の変化が大きいものとし、上記空燃比
変更手段Cを、空燃比を上記所定領域よりもリッチ側に
切り替える如く構成したことを特徴としている。
エンジンの排気センサの劣化検出装置において、上記下
流側排気センサ12は、空燃比が理論空燃比近傍の所定
領域にあるときに、それ以外のときに比べて空燃比の変
化に対する出力値の変化が大きいものとし、上記空燃比
変更手段Cを、空燃比を上記所定領域よりもリッチ側に
切り替える如く構成したことを特徴としている。
【0015】
【作用】本願各発明ではかかる構成とすることによって
それぞれ次のような作用が得られる。即ち、請求項1記
載の発明では、特定運転領域においてオープンループ制
御により空燃比をリッチに強制的に変更させ、この場合
における下流側排気センサの出力値を検出し、これと予
じめ設定した所定値(例えば、劣化のない初期状態にお
ける同一空燃比に対する出力値よりも所定量だけ低い
値)とを比較し、該出力値が所定値以下である場合に該
下流側排気センサの劣化状態が検出されるものである。
それぞれ次のような作用が得られる。即ち、請求項1記
載の発明では、特定運転領域においてオープンループ制
御により空燃比をリッチに強制的に変更させ、この場合
における下流側排気センサの出力値を検出し、これと予
じめ設定した所定値(例えば、劣化のない初期状態にお
ける同一空燃比に対する出力値よりも所定量だけ低い
値)とを比較し、該出力値が所定値以下である場合に該
下流側排気センサの劣化状態が検出されるものである。
【0016】この場合、特に請求項2記載の発明では、
上記下流側排気センサの出力値を、理論空燃比よりもリ
ッチ側の空燃比に対する出力電圧値の変化の少ない領域
において、その出力電圧値として検出し、該出力電圧値
が所定値以下である場合に排気センサの劣化として検出
するものであるため、触媒劣化の程度によって触媒下流
の空燃比に多少のバラツキがあったとしても、これによ
る影響を可及的に排除した状態で該排気センサの劣化状
態を的確に判断することができるものである。
上記下流側排気センサの出力値を、理論空燃比よりもリ
ッチ側の空燃比に対する出力電圧値の変化の少ない領域
において、その出力電圧値として検出し、該出力電圧値
が所定値以下である場合に排気センサの劣化として検出
するものであるため、触媒劣化の程度によって触媒下流
の空燃比に多少のバラツキがあったとしても、これによ
る影響を可及的に排除した状態で該排気センサの劣化状
態を的確に判断することができるものである。
【0017】
【発明の効果】従って、本願各発明のエンジンの排気セ
ンサの劣化検出装置によれば、排気センサが、触媒の下
流側にあって該触媒の浄化性能(即ち、劣化状態)や酸素
吸蔵能力の影響を受ける構成となっている場合において
も、該触媒の浄化性能等の如何にかかわらず該排気セン
サの劣化状態を正確に且つ容易に検出することができる
ものであり、特に該排気センサを触媒の劣化検出に使用
する場合においては、例えば該排気センサの劣化状態に
対応して適宜の補正を行うことで、例え該下流側排気セ
ンサが劣化している場合であっても、劣化前と同様に精
度の良い触媒劣化の検出が可能ならしめられるものであ
り、延いてはエンジンの排気エミッションを長期に亘っ
て良好に維持し得るという効果が得られるものである。
ンサの劣化検出装置によれば、排気センサが、触媒の下
流側にあって該触媒の浄化性能(即ち、劣化状態)や酸素
吸蔵能力の影響を受ける構成となっている場合において
も、該触媒の浄化性能等の如何にかかわらず該排気セン
サの劣化状態を正確に且つ容易に検出することができる
ものであり、特に該排気センサを触媒の劣化検出に使用
する場合においては、例えば該排気センサの劣化状態に
対応して適宜の補正を行うことで、例え該下流側排気セ
ンサが劣化している場合であっても、劣化前と同様に精
度の良い触媒劣化の検出が可能ならしめられるものであ
り、延いてはエンジンの排気エミッションを長期に亘っ
て良好に維持し得るという効果が得られるものである。
【0018】
【実施例】以下、添付図面に示す実施例に基づいて本願
発明のエンジンの排気センサの劣化検出装置を具体的に
説明する。
発明のエンジンの排気センサの劣化検出装置を具体的に
説明する。
【0019】第1実施例 図1Bには本願発明の第1実施例にかかる排気センサの
劣化検出装置を備えた自動車用エンジン1の吸・排気系
システムが示されており、同図において符号2は吸気通
路、3は排気通路である。上記吸気通路2には、スロッ
トルバルブ4とエアフローメータ5とインジェクタ−6
及び吸気温センサ7が設けられている。一方、上記排気
通路3には、排気浄化用触媒10が設けられるととも
に、該触媒10の上流側には上流側排気センサ11が、
下流側には下流側排気センサ12がそれぞれ配置されて
いる。この各排気センサ11,12は、それぞれ排気ガ
ス中の酸素濃度を検出する例えばジルコニア固体電解質
ラムダセンサで構成されるものであって、図8に示すよ
うに空燃比に対応して所定の電圧を発生するものであ
る。そして、この各排気センサ11,12のうち、上流
側排気センサ11はエンジン1の空燃比制御と上記触媒
10の劣化検出制御とに使用されるが、下流側排気セン
サ12は触媒10の劣化検出のみに使用されるものであ
る。
劣化検出装置を備えた自動車用エンジン1の吸・排気系
システムが示されており、同図において符号2は吸気通
路、3は排気通路である。上記吸気通路2には、スロッ
トルバルブ4とエアフローメータ5とインジェクタ−6
及び吸気温センサ7が設けられている。一方、上記排気
通路3には、排気浄化用触媒10が設けられるととも
に、該触媒10の上流側には上流側排気センサ11が、
下流側には下流側排気センサ12がそれぞれ配置されて
いる。この各排気センサ11,12は、それぞれ排気ガ
ス中の酸素濃度を検出する例えばジルコニア固体電解質
ラムダセンサで構成されるものであって、図8に示すよ
うに空燃比に対応して所定の電圧を発生するものであ
る。そして、この各排気センサ11,12のうち、上流
側排気センサ11はエンジン1の空燃比制御と上記触媒
10の劣化検出制御とに使用されるが、下流側排気セン
サ12は触媒10の劣化検出のみに使用されるものであ
る。
【0020】上記エアフローメータ5と吸気温センサ7
と各排気センサ11,12及び別設置の車速センサ9の
検出信号はそれぞれ後述のコントロールユニット15に
入力される。このコントロールユニット15において
は、上記各入力信号に基づき、後述するように燃料供給
制御と空燃比制御と触媒10の劣化判定制御及び各排気
センサの劣化判定制御をそれぞれ行うようになってい
る。
と各排気センサ11,12及び別設置の車速センサ9の
検出信号はそれぞれ後述のコントロールユニット15に
入力される。このコントロールユニット15において
は、上記各入力信号に基づき、後述するように燃料供給
制御と空燃比制御と触媒10の劣化判定制御及び各排気
センサの劣化判定制御をそれぞれ行うようになってい
る。
【0021】以下、このコントロールユニット15によ
る上記各制御を、図2、図3及び図8を参照して説明す
ると、図2のフロ−チャ−トにおいて、先ず最初に空燃
比制御のメインルーチンを実行する(ステップS1)。
尚、この空燃比制御は、従来公知の制御であって、上記
上流側排気センサ11によって検出される空燃比に応じ
て上記インジェクタ−6からの燃料供給量を制御するも
のであり、その詳細説明は省略する。
る上記各制御を、図2、図3及び図8を参照して説明す
ると、図2のフロ−チャ−トにおいて、先ず最初に空燃
比制御のメインルーチンを実行する(ステップS1)。
尚、この空燃比制御は、従来公知の制御であって、上記
上流側排気センサ11によって検出される空燃比に応じ
て上記インジェクタ−6からの燃料供給量を制御するも
のであり、その詳細説明は省略する。
【0022】次に、触媒10の劣化検出制御に移行し、
先ずステップS2において触媒劣化検出条件を判断す
る。例えば、現在の運転状態がフィードバック制御領域
であること、車速が所定車速の範囲内であること、車速
の変化が所定値以下である場合に初めて触媒劣化検出条
件が成立したと判断する。これは、フィードバック制御
領域であっても加速時等の空燃比が大きく変化するよう
な運転状態下では精度の良い検出が期待できないため、
空燃比が大きく変化することのない特定運転領域におい
て触媒劣化検出制御を行う趣旨である。
先ずステップS2において触媒劣化検出条件を判断す
る。例えば、現在の運転状態がフィードバック制御領域
であること、車速が所定車速の範囲内であること、車速
の変化が所定値以下である場合に初めて触媒劣化検出条
件が成立したと判断する。これは、フィードバック制御
領域であっても加速時等の空燃比が大きく変化するよう
な運転状態下では精度の良い検出が期待できないため、
空燃比が大きく変化することのない特定運転領域におい
て触媒劣化検出制御を行う趣旨である。
【0023】そして、触媒劣化検出条件が成立した場合
には、所定の触媒劣化検出ルーチンを実行する(ステッ
プS3)。尚、この触媒劣化検出制御も従来公知は制御
であって、図11を参照して「従来技術」の項において
既に説明したように、所定の反転敷居値(初期反転敷居
値)に対する上流側排気センサ11の出力反転回数(Nb)
と下流側排気センサ12の出力反転回数(Na)との比(N
b/Na)に基づき、該比(Nb/Na)が所定値より大きい
場合には触媒10は劣化していると判定するものであ
る。
には、所定の触媒劣化検出ルーチンを実行する(ステッ
プS3)。尚、この触媒劣化検出制御も従来公知は制御
であって、図11を参照して「従来技術」の項において
既に説明したように、所定の反転敷居値(初期反転敷居
値)に対する上流側排気センサ11の出力反転回数(Nb)
と下流側排気センサ12の出力反転回数(Na)との比(N
b/Na)に基づき、該比(Nb/Na)が所定値より大きい
場合には触媒10は劣化していると判定するものであ
る。
【0024】ところで、このように触媒劣化検出を上流
側排気センサ11と下流側排気センサ12の出力値に基
づいて行っている以上、該各排気センサ11,12が劣
化していない初期状態である場合には何等問題なく信頼
性の高い触媒劣化判定が可能となるが、該各排気センサ
11,12そのものが劣化している場合にはその触媒劣
化検出に誤差が生じて信頼性の低いものになるというこ
とは既述の通りである。このため、この実施例のものに
おいては、上記の触媒劣化検出制御に引き続いて本願発
明の要旨である後述の下流側排気センサ12の劣化検出
制御を実行し、その劣化状態に応じて上記触媒劣化検出
制御の基礎となる出力反転回数の計測基準である反転敷
居値を適宜に補正することで、該該触媒劣化検出の精度
を高め信頼性の高いものとしている。
側排気センサ11と下流側排気センサ12の出力値に基
づいて行っている以上、該各排気センサ11,12が劣
化していない初期状態である場合には何等問題なく信頼
性の高い触媒劣化判定が可能となるが、該各排気センサ
11,12そのものが劣化している場合にはその触媒劣
化検出に誤差が生じて信頼性の低いものになるというこ
とは既述の通りである。このため、この実施例のものに
おいては、上記の触媒劣化検出制御に引き続いて本願発
明の要旨である後述の下流側排気センサ12の劣化検出
制御を実行し、その劣化状態に応じて上記触媒劣化検出
制御の基礎となる出力反転回数の計測基準である反転敷
居値を適宜に補正することで、該該触媒劣化検出の精度
を高め信頼性の高いものとしている。
【0025】即ち、図2のフローチャートにおいて、先
ず排気センサ劣化検出条件を判断し(ステップS4)、条
件成立時には、ステップS5において、オープンループ
にてリッチ空燃比制御を行う。そして、この場合におけ
る下流側排気センサ12の出力値Edをサンプリングす
る(ステップS6)とともに、初期状態における下流側排
気センサ12の出力値Esとこのサンプル値Edとの差、
即ち下流側排気センサ12の出力低下値Em(=Es−E
d)を求める(ステップS7)。然る後、この下流側排気セ
ンサ12の出力低下値Emに対応した反転敷居値の補正
量(即ち、補正反転敷居値)をマップ(図示省略)から求め
(ステップS8)、さらに、図3に示すように、反転敷居
値を初期反転敷居値から所定量だけリーン側に移行した
補正反転敷居値に変更する。
ず排気センサ劣化検出条件を判断し(ステップS4)、条
件成立時には、ステップS5において、オープンループ
にてリッチ空燃比制御を行う。そして、この場合におけ
る下流側排気センサ12の出力値Edをサンプリングす
る(ステップS6)とともに、初期状態における下流側排
気センサ12の出力値Esとこのサンプル値Edとの差、
即ち下流側排気センサ12の出力低下値Em(=Es−E
d)を求める(ステップS7)。然る後、この下流側排気セ
ンサ12の出力低下値Emに対応した反転敷居値の補正
量(即ち、補正反転敷居値)をマップ(図示省略)から求め
(ステップS8)、さらに、図3に示すように、反転敷居
値を初期反転敷居値から所定量だけリーン側に移行した
補正反転敷居値に変更する。
【0026】このように、反転敷居値をリーン側に移行
させると、下流側排気センサ12の劣化に伴う出力低下
により触媒劣化検出の精度が低下するのを防止すること
ができるものである。即ち、下流側排気センサ12が劣
化していない初期状態においては、図3に破線図示する
如く高い電圧値を示し、従って、初期反転敷居値に対す
る出力反転回数も適正回数となっている。しかし、下流
側排気センサ12の劣化によってその出力電圧が低下し
て同図に実線図示するような状態となると、反転敷居値
を初期反転敷居値のまま維持していたのでは下流側排気
センサ12の出力反転回数が大きく増加することにな
る。このことは、触媒劣化検出の基準となる上記出力反
転回数比(Nb/Na)が劣化前の初期状態時よりも大きく
なることであり、従って、この出力反転回数比(Nb/N
a)を使用して上述の触媒劣化検出制御が実行されると、
触媒10は劣化していないにもかかわらずこれが劣化し
ていると誤って判定されることになるものである。この
場合、上記反転敷居値をリーン側に移行補正することに
より、下流側排気センサ12の出力低下にかかわらず初
期状態と同様の出力反転回数が計測され、該下流側排気
センサ12が初期状態であると同様の信頼性の高い触媒
劣化検出が可能となるものである。
させると、下流側排気センサ12の劣化に伴う出力低下
により触媒劣化検出の精度が低下するのを防止すること
ができるものである。即ち、下流側排気センサ12が劣
化していない初期状態においては、図3に破線図示する
如く高い電圧値を示し、従って、初期反転敷居値に対す
る出力反転回数も適正回数となっている。しかし、下流
側排気センサ12の劣化によってその出力電圧が低下し
て同図に実線図示するような状態となると、反転敷居値
を初期反転敷居値のまま維持していたのでは下流側排気
センサ12の出力反転回数が大きく増加することにな
る。このことは、触媒劣化検出の基準となる上記出力反
転回数比(Nb/Na)が劣化前の初期状態時よりも大きく
なることであり、従って、この出力反転回数比(Nb/N
a)を使用して上述の触媒劣化検出制御が実行されると、
触媒10は劣化していないにもかかわらずこれが劣化し
ていると誤って判定されることになるものである。この
場合、上記反転敷居値をリーン側に移行補正することに
より、下流側排気センサ12の出力低下にかかわらず初
期状態と同様の出力反転回数が計測され、該下流側排気
センサ12が初期状態であると同様の信頼性の高い触媒
劣化検出が可能となるものである。
【0027】ここで、このように下流側排気センサ12
の劣化状態を検出すべくその出力低下値Emを求めるに
際して、空燃比をオープンループにてリッチ制御するの
は、次のような理由による。即ち、下流側排気センサ1
2の特定空燃比に対する初期出力値Esは容易に求めら
れるが、これが触媒10の下流側に配置された状態での
上記特定空燃比に対する出力値(サンプル値)Edは該触
媒10の酸素吸蔵作用の影響を受けることから該触媒1
0の劣化状態に応じて種々変化することとなり、これを
特定することは困難である。このため、この実施例にお
いては、図8に示すように、空燃比の変化に対する出力
電圧の変化が少なく、しかも元々酸素の残存量が少ない
ことから触媒10の酸素吸蔵能力の影響(即ち、該触媒
10の劣化程度の影響)をあまり受けないリッチ側に空
燃比を設定し、このリッチ空燃比における下流側排気セ
ンサ12の初期出力値Esと劣化後の出力値Edとを計測
しこれらから出力低下値Emを算出するようにしたもの
であり、これによって上記触媒10の劣化の影響を排除
した状態での下流側排気センサ12の劣化検出が可能と
なるものである。
の劣化状態を検出すべくその出力低下値Emを求めるに
際して、空燃比をオープンループにてリッチ制御するの
は、次のような理由による。即ち、下流側排気センサ1
2の特定空燃比に対する初期出力値Esは容易に求めら
れるが、これが触媒10の下流側に配置された状態での
上記特定空燃比に対する出力値(サンプル値)Edは該触
媒10の酸素吸蔵作用の影響を受けることから該触媒1
0の劣化状態に応じて種々変化することとなり、これを
特定することは困難である。このため、この実施例にお
いては、図8に示すように、空燃比の変化に対する出力
電圧の変化が少なく、しかも元々酸素の残存量が少ない
ことから触媒10の酸素吸蔵能力の影響(即ち、該触媒
10の劣化程度の影響)をあまり受けないリッチ側に空
燃比を設定し、このリッチ空燃比における下流側排気セ
ンサ12の初期出力値Esと劣化後の出力値Edとを計測
しこれらから出力低下値Emを算出するようにしたもの
であり、これによって上記触媒10の劣化の影響を排除
した状態での下流側排気センサ12の劣化検出が可能と
なるものである。
【0028】そして、このように下流側排気センサ12
の劣化状態を正確に検出し、これに基づいて上記反転敷
居値を適宜に補正することで、該下流側排気センサ12
の劣化にもかかわらず、より精度の高い触媒劣化検出が
可能となるものである。
の劣化状態を正確に検出し、これに基づいて上記反転敷
居値を適宜に補正することで、該下流側排気センサ12
の劣化にもかかわらず、より精度の高い触媒劣化検出が
可能となるものである。
【0029】第2実施例 図4には本願発明の第2実施例にかかるエンジンの排気
センサの劣化検出装置の制御フロ−チャ−トが示されて
いる。この実施例のものは、上記第1実施例のものが下
流側排気センサ12の劣化形態のうち、出力電圧の低下
という劣化形態を対象としていたのに対して、応答遅れ
という劣化形態を対象としたものである。そして、この
下流側排気センサ12の応答遅れによる出力振幅の減少
に起因する出力反転回数の減少(図5参照)、延いては劣
化した触媒10を劣化していないものと誤判定すること
を未然に回避せんとするものである。
センサの劣化検出装置の制御フロ−チャ−トが示されて
いる。この実施例のものは、上記第1実施例のものが下
流側排気センサ12の劣化形態のうち、出力電圧の低下
という劣化形態を対象としていたのに対して、応答遅れ
という劣化形態を対象としたものである。そして、この
下流側排気センサ12の応答遅れによる出力振幅の減少
に起因する出力反転回数の減少(図5参照)、延いては劣
化した触媒10を劣化していないものと誤判定すること
を未然に回避せんとするものである。
【0030】以下、これを図4のフローチャートに基づ
いて説明すると、先ず上流側排気センサ11と下流側排
気センサ12の出力値に基づいて空燃比制御を行い(ス
テップS21)、さらに触媒劣化検出条件の成立時には
上記下流側排気センサ12の出力反転回数(Nb)と上流
側排気センサ11の出力反転回数(Na)との比(Nb/N
a)の値に基づいて触媒10の劣化状態を判定する(ステ
ップS22及びステップS23)ことは上記第1実施例
の場合と同様である。
いて説明すると、先ず上流側排気センサ11と下流側排
気センサ12の出力値に基づいて空燃比制御を行い(ス
テップS21)、さらに触媒劣化検出条件の成立時には
上記下流側排気センサ12の出力反転回数(Nb)と上流
側排気センサ11の出力反転回数(Na)との比(Nb/N
a)の値に基づいて触媒10の劣化状態を判定する(ステ
ップS22及びステップS23)ことは上記第1実施例
の場合と同様である。
【0031】次に、下流側排気センサ12の劣化検出制
御に移行し、ステップS24において排気センサ劣化検
出条件が成立したと判断された場合には、先ずステップ
S25において空燃比のオープンループ制御を実行し、
空燃比をリッチとリーンの間で切り替える。このように
オープンループ制御にて空燃比を切り替えると、図6に
示すように出力電圧が上昇するリーン→リッチ切り替え
時の特性図と、出力電圧が下降するリッチ→リーン切り
替え時の特性図とが得られる。ここで、下流側排気セン
サ12が劣化していない初期状態においては同図に実線
図示する如き変化を示し、またこれが劣化している状態
においては同図に破線図示する如き変化を示す。そし
て、この場合、劣化状態においては初期状態に比して、
空燃比の切り替え後、出力電圧値が所定の敷居値(例え
ば、0.45V)に達するまでにそれぞれ時間(a:リーン
→リッチ切り替え時)及び時間(b:リッチ→リーン切り替
え時)のズレ(即ち、応答遅れ)が生じる。
御に移行し、ステップS24において排気センサ劣化検
出条件が成立したと判断された場合には、先ずステップ
S25において空燃比のオープンループ制御を実行し、
空燃比をリッチとリーンの間で切り替える。このように
オープンループ制御にて空燃比を切り替えると、図6に
示すように出力電圧が上昇するリーン→リッチ切り替え
時の特性図と、出力電圧が下降するリッチ→リーン切り
替え時の特性図とが得られる。ここで、下流側排気セン
サ12が劣化していない初期状態においては同図に実線
図示する如き変化を示し、またこれが劣化している状態
においては同図に破線図示する如き変化を示す。そし
て、この場合、劣化状態においては初期状態に比して、
空燃比の切り替え後、出力電圧値が所定の敷居値(例え
ば、0.45V)に達するまでにそれぞれ時間(a:リーン
→リッチ切り替え時)及び時間(b:リッチ→リーン切り替
え時)のズレ(即ち、応答遅れ)が生じる。
【0032】従って、この下流側排気センサ12の出力
値を基礎として触媒10の劣化検出を行うには、この下
流側排気センサ12の応答遅れ(即ち、劣化状態)を定量
的に把握しこれを触媒劣化検出に加味してやる必要があ
る。
値を基礎として触媒10の劣化検出を行うには、この下
流側排気センサ12の応答遅れ(即ち、劣化状態)を定量
的に把握しこれを触媒劣化検出に加味してやる必要があ
る。
【0033】そこで、この実施例においては、上記フロ
ーチャートのステップS26において、下流側排気セン
サ12の各応答遅れ時間(a)、(b)を計測し、さらにステ
ップS27においてこの各応答遅れ時間に基づいてリッ
チからリーン側あるいはリーンからリッチ側へのトータ
ル的に応答遅れの偏り値M(=b−a)を求める。さらに、
この偏り値Mと予じめ設定した所定偏り値M0とを比較
し(ステップS28)、M0<Mである場合に下流側排気
センサ12は劣化していると判断する。そして、この場
合には、マップより上記偏り値Mに対応した反転敷居値
の補正値を求めるとともに(ステップS29)、図5に示
すように初期反転敷居値をこの補正反転敷居値に変更す
るものである(ステップS30)。
ーチャートのステップS26において、下流側排気セン
サ12の各応答遅れ時間(a)、(b)を計測し、さらにステ
ップS27においてこの各応答遅れ時間に基づいてリッ
チからリーン側あるいはリーンからリッチ側へのトータ
ル的に応答遅れの偏り値M(=b−a)を求める。さらに、
この偏り値Mと予じめ設定した所定偏り値M0とを比較
し(ステップS28)、M0<Mである場合に下流側排気
センサ12は劣化していると判断する。そして、この場
合には、マップより上記偏り値Mに対応した反転敷居値
の補正値を求めるとともに(ステップS29)、図5に示
すように初期反転敷居値をこの補正反転敷居値に変更す
るものである(ステップS30)。
【0034】このように下流側排気センサ12の劣化に
よる応答遅れに対応して下流側排気センサ12の反転敷
居値をリーン側に補正することにより、例え下流側排気
センサ12の出力振幅が劣化によって減少したとして
も、劣化が生じていない初期状態と同様の出力反転回数
が得られ、この結果、下流側排気センサ12と上流側排
気センサ11の出力反転回数比を基準に判断される触媒
10の劣化検出の精度が良好に保たれるものである。
よる応答遅れに対応して下流側排気センサ12の反転敷
居値をリーン側に補正することにより、例え下流側排気
センサ12の出力振幅が劣化によって減少したとして
も、劣化が生じていない初期状態と同様の出力反転回数
が得られ、この結果、下流側排気センサ12と上流側排
気センサ11の出力反転回数比を基準に判断される触媒
10の劣化検出の精度が良好に保たれるものである。
【0035】ここで、この実施例のように下流側排気セ
ンサ12の劣化による応答遅れを、初期状態の出力値と
劣化後の出力値とから直接的に検出するようにした場合
には、上記応答遅れそのものが空燃比の変化にほとんど
影響を受けないものであることから、例え下流側排気セ
ンサ12の上流側にその劣化状態に応じて酸素吸蔵能力
が変化する触媒10が存在していたとしても、該触媒1
0の劣化状態の影響を受けることなく、下流側排気セン
サ12の劣化状態をより正確に検出することができるも
のである。
ンサ12の劣化による応答遅れを、初期状態の出力値と
劣化後の出力値とから直接的に検出するようにした場合
には、上記応答遅れそのものが空燃比の変化にほとんど
影響を受けないものであることから、例え下流側排気セ
ンサ12の上流側にその劣化状態に応じて酸素吸蔵能力
が変化する触媒10が存在していたとしても、該触媒1
0の劣化状態の影響を受けることなく、下流側排気セン
サ12の劣化状態をより正確に検出することができるも
のである。
【図1A】本願発明のクレーム対応図である。
【図1B】本願発明の第1実施例にかかる排気センサの
劣化検出装置を備えたエンジンのシステム図である。
劣化検出装置を備えたエンジンのシステム図である。
【図2】図1Bに示した排気センサの劣化検出装置にお
ける制御フローチャート図である。
ける制御フローチャート図である。
【図3】図2の制御における排気センサ出力の反転敷居
値補正制御の説明図である。
値補正制御の説明図である。
【図4】本願発明の第2実施例にかかる排気センサの劣
化検出装置における制御フローチャート図である。
化検出装置における制御フローチャート図である。
【図5】図4の制御における反転敷居値補正制御の説明
図である。
図である。
【図6】排気センサの応答遅れ時間の検出説明図であ
る。
る。
【図7】排気センサの劣化による出力低下状態の説明図
である。
である。
【図8】排気センサの劣化に伴う空燃比に対する出力変
化説明図である。
化説明図である。
【図9】排気センサの劣化に伴う応答遅れ状態説明図で
ある。
ある。
【図10】三元触媒の酸素吸蔵能力とHC浄化率との相
関図である。
関図である。
【図11】HC浄化率と触媒の上・下流側に配置した排
気センサの反転回数比との相関図である。
気センサの反転回数比との相関図である。
1 エンジン 2 吸気通路 3 排気通路 4 スロットルバルブ 5 エアフローメータ 6 インジェクター 10 排気浄化用触媒 11 上流側排気センサ 12 下流側排気センサ 15 コントロールユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/14 310 F01N 3/00 F02D 41/22 301 F02D 45/00 368
Claims (2)
- 【請求項1】 エンジンの排気通路の途中に配置された
酸素吸蔵能力を有する排気浄化用触媒の下流側に配置し
た下流側排気センサの劣化状態を検出するエンジンの排
気センサの劣化検出装置であって、 上記触媒の上流側に空燃比制御用の上流側排気センサを
配置する一方、 エンジンの運転領域を検出する運転領域検出手段と、 エンジンへの燃料供給量を制御する燃料制御手段と、 上記運転領域検出手段により特定の運転領域が検出され
た場合に、オープンループ制御により上記燃料制御手段
をして空燃比を強制的に、上記触媒の酸素吸蔵能力の影
響を低下させるよう、理論空燃比よりもリッチ側に切り
替える空燃比変更手段と、 上記空燃比変更手段による空燃比のオープンループ制御
時における上記下流側排気センサの出力値を検出する出
力値検出手段と、 上記出力値検出手段により検出される上記下流側排気セ
ンサの出力値に基づいて、この出力値が予め設定した所
定値以下である場合に上記下流側排気センサが劣化して
いると判定する劣化判定手段とを備えたことを特徴とす
るエンジンの排気センサの劣化検出装置。 - 【請求項2】 請求項1において、 上記下流側排気センサは、空燃比が理論空燃比近傍の所
定領域にあるときに、それ以外のときに比べて、空燃比
の変化に対する出力値の変化が大きいものであり、 上記空燃比変更手段は、空燃比を上記所定領域よりもリ
ッチ側に切り替える如く構成されていることを特徴とす
るエンジンの排気センサの劣化検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05825292A JP3195034B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | エンジンの排気センサの劣化検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05825292A JP3195034B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | エンジンの排気センサの劣化検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05256175A JPH05256175A (ja) | 1993-10-05 |
JP3195034B2 true JP3195034B2 (ja) | 2001-08-06 |
Family
ID=13078948
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05825292A Expired - Fee Related JP3195034B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | エンジンの排気センサの劣化検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0596123A4 (en) * | 1991-10-31 | 1995-03-29 | Kobe Steel Ltd | BIODEGRADABLE PLASTIC MATERIAL. |
JP3416303B2 (ja) * | 1994-10-28 | 2003-06-16 | 本田技研工業株式会社 | 内燃機関の空燃比センサ劣化検出装置 |
JPWO2002070873A1 (ja) * | 2001-03-02 | 2004-07-02 | 株式会社日立製作所 | 内燃機関の診断装置及び診断方法及びそれを用いた内燃機関の制御方法 |
JP4682463B2 (ja) | 2001-07-04 | 2011-05-11 | トヨタ自動車株式会社 | 酸素センサの異常診断装置 |
JP4218601B2 (ja) | 2004-06-29 | 2009-02-04 | トヨタ自動車株式会社 | 圧縮着火内燃機関の空燃比センサ劣化判定システム |
JP5024405B2 (ja) | 2010-03-09 | 2012-09-12 | トヨタ自動車株式会社 | 触媒劣化検出装置 |
JP5407971B2 (ja) * | 2010-03-23 | 2014-02-05 | トヨタ自動車株式会社 | 異常診断装置 |
JP5062307B2 (ja) * | 2010-08-06 | 2012-10-31 | トヨタ自動車株式会社 | 触媒劣化検出装置 |
US9599006B2 (en) * | 2011-08-30 | 2017-03-21 | GM Global Technology Operations LLC | Catalyst oxygen storage capacity adjustment systems and methods |
JP6380022B2 (ja) * | 2014-11-07 | 2018-08-29 | 株式会社デンソー | センサ制御装置 |
JP6350434B2 (ja) | 2015-07-29 | 2018-07-04 | トヨタ自動車株式会社 | 下流側空燃比センサの異常診断装置 |
-
1992
- 1992-03-16 JP JP05825292A patent/JP3195034B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH05256175A (ja) | 1993-10-05 |
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