JPWO2002069512A1 - 周波数変換回路および通信装置 - Google Patents

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Abstract

無線通信装置を構成する周波数変換回路30は、基準発振器31からの基準発振波によって変調された信号に対し、局部発振器32を用いて周波数変換を行う回路であって、さらに第1ミキサ36、切替スイッチ35および第2ミキサ33を備える。第1ミキサ36は、基準発振器31からの基準発振波および前記局部発振器からの局部発振波を混合する。切替スイッチ35は、第1ミキサ36からの混合波および局部発振器32からの局部発振波のいずれか一方を選択する。第2ミキサ33は、基準発振波によって変調された信号に切替スイッチ35からの出力を混合する。こうした構成によって、新たに局部発振器を追加することなく、信号純度および発振周波数シフトの応答時間を確保しながら、周波数を広帯域化できる。

Description

技術分野
この発明は、無線通信システム等において使用され、基準発振器と局部発振器とを用いて周波数変換を行う周波数変換回路、及びこの周波数変換回路を用いた通信装置に関するものである。
背景技術
図10は、第1従来例として無線通信装置の電気的構成を示すブロック図である。この無線通信装置は、特定周波数の基準発振波を出力する基準発振器1、発振周波数が可変である局部発振器2、送信用のミキサ3、I成分,Q成分のベースバンド信号を直交変調する直交変調器5、無線送受信のためのアンテナ6、受信用のミキサ7、およびベースバンド(BB)の送受信信号に関する各種信号処理を行う信号処理回路8等を備える。また、上記の局部発振器2およびミキサ3,7は周波数変換回路を構成する。
この無線通信装置において信号を送信する場合、まず、信号処理回路8にて送信用のベースバンド信号(I成分,Q成分)が生成され、生成されたベースバンド信号は基準発振器1から出力された基準発振波を用いて直交変調される。直交変調された信号は、帯域通過フィルタ(BPF)およびアンプ(AMP)を経由してミキサ3に入力され、局部発振器2から出力される局部発振波を用いて無線送信可能な高周波にアップコンバージョンされる。アップコンバージョンされた信号は、さらに帯域通過フィルタ、アンプ、低域通過フィルタ(LPF)および送受共用器を経由してアンテナ6より無線送信される。
信号を受信する場合は、アンテナ6に到来した信号が送受共用器、帯域通過フィルタ、ローノイズアンプ(LNA)、さらに帯域通過フィルタを経由してミキサ7に入力される。ミキサ7には局部発振器2からの局部発振波も入力され、受信信号は、ペースバンド信号(I成分,Q成分)にダウンコンバージョンされる。ダウンコンバージョンされた信号は、低域通過フィルタ、ベースバンドアンプ(BB−AMP)を経由して信号処理回路8に送られる。
このように、図10の無線通信装置では、基準発振器1と周波数変換回路(局部発振器2を含む)とを用いて無線送信用の信号を生成し、局部発振器2を含む周波数変換回路を用いて無線信号から受信用のベースバンド信号を生成する。
第1従来例において、周波数範囲を広げるためには、局部発振器そのものの周波数可変範囲を広げる必要がある。しかしながら、局部発振器の周波数可変範囲は出力信号のC/N劣化等とトレードオフの関係にあり、周波数可変範囲を広げることによって信号純度は劣化する。しかも、単一の局部発振器で周波数可変範囲を広くすると、発振周波数をシフトさせるための応答時間が長くなってしまう。特に、最小周波数から最大周波数へシフトさせる場合、または最大周波数から最小周波数へシフトさせる場合に応答時間が長くなる。このため、ある程度の信号純度や発振周波数シフトの応答時間を確保するためには、周波数の可変範囲が制限されてしまう。
図11は、第2従来例を構成する周波数変換回路のブロック図である。第2従来例の無線通信装置も、図10とほぼ同様な構成をなすものであり、周波数変換回路の構成のみが異なっている。すなわち、周波数変換回路は、発振周波数可変の局部発振器2a,2b、送信用のミキサ3、および切替スイッチ4を備えている。切替スイッチ4は、局部発振器2a,2bのいずれかの出力を選択的にミキサ3に出力する。第2従来例では、基準発振器1と周波数変換回路(局部発振器2a,2bを含む)とを用いて無線送信用の信号を生成する。
第2従来例では、2つの局部発振器を使うことで各々の発振周波数シフトの応答時間を確保することは可能であるものの、新たに局部発振器を追加する必要があるため、構成部品点数および回路規模の増大という問題がある。
発明の開示
この発明の目的は、新たに局部発振器を追加することなく、信号純度および発振周波数シフトの応答時間を確保しながら、可変周波数を広帯域化できる周波数変換回路および通信装置を提供することである。
この発明は、基準発振器からの基準発振波によって変調された信号に対し、局部発振器を用いて周波数変換を行う周波数変換回路であって、
前記基準発振器からの基準発振波および前記局部発振器からの局部発振波を混合する第1ミキサと、この第1ミキサからの混合波および前記局部発振器からの局部発振波のいずれか一方を選択するスイッチと、基準発振波によって変調された信号に前記スイッチにより選択された信号を混合する第2ミキサとを備えたことを特徴とする周波数変換回路である。
この発明に従えば、信号変調用に使用していた基準発振器を周波数変換のために流用するので、新たに局部発振器を追加する必要がない。また、基準発振器および局部発振器による混合波と局部発振器単独の局部発振波とをスイッチにより選択して周波数変換を行うので、局部発振器自身の周波数可変範囲を広げることなく広帯域化でき、信号純度も損なうことがない。さらに、スイッチで周波数切替を行うため、周波数シフトの応答時間が増加することもない。
また本発明は、前記第1ミキサの後段に配置され第1ミキサによるスプリアスを除去するための帯域通過フィルタを備えたことを特徴とする。
この発明に従えば、第1ミキサで基準発振波と局部発振波とを混合するときに発生するスプリアスを除去できるため、信号純度の低下を防止できる。
また本発明は、前記基準発振器と第1ミキサとの間に挿入され基準発振波を分周する分周器をさらに備えたことを特徴とする。
この発明に従えば、基準発振波を分周する分周器を設けることで、別の周波数可変範囲に対応可能である。
また本発明は、前記分周器は分周比可変の可変分周器であることを特徴とする。
この発明に従えば、分周器の分周比を変化させることで、周波数可変範囲を変化させることができる。
また本発明は、前記分周器の後段に配置され分周器によるスプリアスを除去するための帯域通過フィルタをさらに備えたことを特徴とする。
この発明に従えば、分周器で基準発振波を分周するときに発生するスプリアスを除去できるため、信号純度の低下を防止できる。
また本発明は、前記基準発振器と第1ミキサとの間に挿入され基準発振波の周波数を逓倍する逓倍器をさらに備えたことを特徴とする。
この発明に従えば、基準発振波の周波数を逓倍する逓倍器を設けることで、別の周波数可変範囲に対応可能である。
また本発明は、前記逓倍器の後段に配置され逓倍器によるスプリアスを除去するための帯域通過フィルタをさらに備えたことを特徴とする。
この発明に従えば、逓倍器で基準発振波の周波数を逓倍するときに発生するスプリアスを除去できるため、信号純度の低下を防止できる。
また本発明は、基準発振器からの基準発振波によって変調された信号に対し局部発振器を用いてアップコンバージョンを行う周波数変換回路を含み、この周波数変換回路によって周波数変換された信号を外部へ送信する通信装置であって、
前記周波数変換回路が、前記基準発振器からの基準発振波および前記局部発振器からの局部発振波を混合する第1ミキサと、この第1ミキサからの混合波および前記局部発振器からの局部発振波のいずれか一方を選択するスイッチと、基準発振波によって変調された信号に前記スイッチにより選択された信号を混合する第2ミキサとを備えたことを特徴とする通信装置である。
この発明に従えば、上記周波数変換回路と同様に、新たに局部発振器を追加することなく、信号純度および発振周波数シフトの応答時間を確保しながら、可変周波数を広帯域化できる。
また本発明は、前記周波数変換回路は、外部から受信した信号に対し前記スイッチからの出力を混合してダウンコンバージョンを行う第3ミキサをさらに備えたことを特徴とする。
この発明に従えば、送信信号の周波数変換に使用した周波数変換回路を受信側と共用することによって、受信専用の基準発振器や局部発振器を設ける必要がないため、通信装置の構成を簡略化できる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態として無線通信装置の電気的構成を示すブロック図である。この無線通信装置は、直交変調器10、帯域通過フィルタ(BPF)11,13,18,20、アンプ12,14、低域通過フィルタ(LPF)15,22、アンテナ16、送受共用器17、ローノイズアンプ(LNA)19、ベースバンドアンプ(BB−AMP)23、信号処理回路24、および周波数変換回路30を備えている。
直交変調器10は、信号処理回路24から送られてくるベースバンド信号(I成分、Q成分)に対し基準発振器31の基準発振波を混合して直交変調を行う変調器である。帯域通過フィルタ11は、直交変調器10で直交変調したときに発生する不要波を除去する。アンプ12は、帯域通過フィルタ11を通過した信号を増幅する。帯域通過フィルタ13は、アンプ12で増幅した信号と切替スイッチ35(後述)により選択された局部発振波をミキサ33で混合して高周波信号に変換したときに発生する不要波を除去する。アンプ14は、帯域通過フィルタ13を通過した信号を増幅する。低域通過フィルタ15は、アンプ14で信号を増幅したときに発生する高調波成分を除去する。
送受共用器17は、単一のアンテナ16を送受信に共用するためのフィルタであって、送信路および受信路に他方の通信路の信号が侵入するのを防ぐものであり、送信帯域のみを通過させる送信フィルタ(BPF)と受信帯域のみを通過させる受信フィルタ(BPF)とを組合せることによって構成される。
帯域通過フィルタ18は、アンテナ16からの受信信号から受信帯域以外の信号を除去する。ローノイズアンプ19は、帯域通過フィルタ18を通過した信号を増幅する。帯域通過フィルタ20は、ローノイズアンプ19で信号増幅したときに発生する不要波(高調波を含む)を除去する。低域通過フィルタ22は、ミキサ34にて発生する不要な高周波を除去する。ベースバンドアンプ23は、低域通過フィルタ22を通過したベースバンド信号を増幅する。
信号処理回路24は、送受ベースバンド信号に関する各種信号処理を行う回路である。
この無線通信装置において信号を送信する場合、まず、信号処理回路24にて送信用のベースバンド信号(I成分,Q成分)が生成され、生成されたベースバンド信号は基準発振器31から出力される基準発振波を用いて直交変調される。直交変調を受けた信号は、帯域通過フィルタ11およびアンプ12をこの順に通過してミキサ33に入力される。アンプ12からの信号は、ミキサ33にて局部発振器32からの局部発振波と混合され、無線送信可能な高周波にまでアップコンバージョンされる。アップコンバージョンされた信号は、さらに帯域通過フィルタ13、アンプ14、低域通過フィルタ15および送受共用器17をこの順に通過してアンテナ16より送信される。
一方、信号を受信する場合、アンテナ16から受信した信号は、送受共用器17、帯域通過フィルタ18、ローノイズアンプ19、および帯域通過フィルタ20をこの順に通過してミキサ34に入力される。帯域通過フィルタ20からの信号は、ミキサ34にて局部発振器32からの局部発振波と混合され、ベースバンド信号(I成分,Q成分)にまでダウンコンバージョンされる。ダウンコンバージョンされた信号は、低域通過フィルタ22、及びベースバンドアンプ23をこの順に通過して信号処理回路24に送られる。
次に周波数変換回路30について説明する。周波数変換回路30は、直交変調器10によって変調された信号を無線送信周波数にまでアップコンバージョンし、かつ、受信した無線信号をベースバンドにまでダウンコンバージョンする回路であって、基準発振器31、局部発振器32、ミキサ33,34,36、切替スイッチ35、および分周器37を備える。
基準発振器31は、出力信号の周波数をある固定周波数で使う局部発振器であり、例えばfIF=360MHzの周波数で信号を出力する。局部発振器32は、発振周波数が可変可能な局部発振器で、fLO1=1750〜1810MHzで信号を出力する。これらの局部発振器はPLL(フェーズロックドループ)回路で構成される。ミキサ33(第2ミキサ)は、アンプ12からの信号に切替スイッチ35からの信号を混合する。ミキサ34(第3ミキサ)は、帯域通過フィルタ20を通過した受信信号に切替スイッチ35により選択された信号を混合する。切替スイッチ35は、局部発振器32およびミキサ36のいずれか一方からの信号を選択しミキサ33及びミキサ34に入力するスイッチである。ミキサ36(第1ミキサ)は、基準発振器31から分周器37を介して出力された信号に局部発振器32からの信号を混合する。分周器37は、基準発振器31とミキサ36との間に挿入され、基準発振器31の発振周波数を固定分周比の1/6に分周した信号を出力する。
この周波数変換回路30では、局部発振器32から直接出力された発振波の周波数fLO1=1750〜1810MHzが第1局部発振波周波数となる。また、基準発振器31による基準周波数fIF=360MHzが、分周器37により1/6の60MHzに分周され、更に局部発振器32の発振周波数fLO1=1750〜1810MHzに混合された周波数1810〜1870MHzが第2局部発振波周波数となる。第1,第2局部発振波周波数のうちのいずれか一方が切替スイッチ35によって選択される。これにより、局部発振器32の周波数可変範囲が1750〜1810MHzであっても、周波数変換回路30全体としては1750〜1870MHzの広い周波数範囲に対応可能である。
このように、第1実施形態では、信号変調用に使用していた基準発振器31を周波数変換のために流用するので、局部発振器32とは別の新たな局部発振器を追加する必要がない。また、基準発振器31および局部発振器32による混合波と局部発振器32単独の局部発振波とを切替スイッチ35により選択して周波数変換を行うので、局部発振器32の周波数可変範囲を広げることなく広帯域化でき、信号純度も損なうことがない。さらに、切替スイッチ35で周波数切替を行うため、迅速な周波数シフトが可能である。また、局部発振器32の周波数設定と切替スイッチ35の切替動作を同時に行うことで、さらに迅速な周波数シフトが可能である。
なお、この実施形態では、LPF15およびBPF18を設けているが、送受共用器17にて充分な性能を発揮する場合、すなわち、送信信号から送信周波数以外の信号を除去でき、受信信号から受信周波数以外の信号を除去できる場合、LPF15およびBPF18は省略可能である。
以下、第2〜第9実施形態について説明するが、いずれの実施形態も、周波数変換回路を除いて第1実施形態と同一構成の無線通信装置である。このため、周波数変換回路のみを説明し、その他の部分については説明を省略する。また、第2〜第9実施形態のいずれもが、切替スイッチ35からの信号を受信信号と混合するミキサ34を備えているが、図2〜図9では省略している。
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。周波数変換回路42は、周波数変換回路30(図1)の分周器37の代わりに逓倍器52を設けたものである。逓倍器52は、基準発振器31とミキサ36との間に挿入され、基準発振器31の発振周波数を固定逓倍比Mで逓倍する。これにより、周波数変換回路30(図1)の周波数可変範囲1750〜1870MHzとは異なる可変範囲の周波数に対応可能である。
また、逓倍器52以外の構成は周波数変換回路30(図1)と同一であるため、第2実施形態においても第1実施形態と同様に、新たに局部発振器を追加することなく、信号純度および発振周波数シフトの応答時間を確保しながら、可変周波数の広帯域化ができる。
(第3実施形態)
図3は、第3実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。周波数変換回路43は、周波数変換回路30(図1)の分周器37とミキサ36との間に帯域通過フィルタ53を挿入したものである。帯域通過フィルタ53は、分周器37にて基準発振波を分周したときに発生するスプリアスを除去するためのフィルタである。このように、分周器37で発生したスプリアスをその直後に除去するので、ミキサ36以降に不要なスプリアスが残留せず、信号純度を良好に保つことができる。
また、追加して設けた帯域通過フィルタ53以外の構成は周波数変換回路30(図1)と同一であるため、第3実施形態においても第1実施形態と同様に、新たに局部発振器を追加することなく、信号純度および発振周波数シフトの応答時間を確保しながら、可変周波数の広帯域化がはかれる。
なお、この実施形態では帯域通過フィルタ53を用いたが、分周器37により分周後の周波数よりも低い周波数信号がほとんど発生しない場合、帯域通過フィルタ53の代わりに低域通過フィルタを用いることが可能である。
(第4実施形態)
図4は、第4実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。周波数変換回路44は、周波数変換回路30(図1)のミキサ36と切替スイッチ35との間に帯域通過フィルタ54を挿入したものである。帯域通過フィルタ54は、ミキサ36にて分周器37からの信号と局部発振器32からの信号とを混合するときに発生するスプリアスを除去するフィルタである。このように、ミキサ36で発生したスプリアスをその直後に除去するので、切替スイッチ35以降に不要なスプリアスが残留せず、信号純度を良好に保つことができる。
また、追加して設けた帯域通過フィルタ54以外の構成は周波数変換回路30(図1)と同一であるため、第4実施形態においても第1実施形態と同様に、新たに局部発振器を追加することなく、信号純度および発振周波数シフトの応答時間を確保しながら、可変周波数の広帯域化ができる。
(第5実施形態)
図5は、第5実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。周波数変換回路45は、周波数変換回路30(図1)に帯域通過フィルタ53(図3)および帯域通過フィルタ54(図4)の両方を設けたものである。すなわち、分周器37とミキサ36との間に帯域通過フィルタ53を挿入することで、分周器37にて発生するスプリアスを除去し、ミキサ36と切替スイッチ35との間に帯域通過フィルタ54を介在させることで、ミキサ36にて発生するスプリアスを除去する。このように、分周器37で発生したスプリアスをその直後に除去するので、ミキサ36以降に不要なスプリアスが残留せず、さらにミキサ36で発生したスプリアスをその直後に除去するので、切替スイッチ35以降に不要なスプリアスが残留しないため、信号純度をさらに良好に保つことができる。
また、追加して設けた帯域通過フィルタ53,54以外の構成は周波数変換回路30(図1)と同一であるため、第5実施形態においても第1実施形態と同様に、新たに局部発振器を追加することなく、信号純度および発振周波数シフトの応答時間を確保しながら、可変周波数の広帯域化ができる。
(第6実施形態)
図6は、第6実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。周波数変換回路46は、周波数変換回路30(図1)の分周器37の代わりに可変分周器56を設けたものである。分周器37の分周比は固定(1/6)であるが、可変分周器56の分周比は可変である。この可変分周器56の分周比を変化させることで、周波数可変範囲をさらに広帯域化できる。
また、可変分周器56以外の構成は周波数変換回路30(図1)と同一であるため、第6実施形態においても第1実施形態と同様に、新たに局部発振器を追加することなく、信号純度および発振周波数シフトの応答時間を確保しながら、可変周波数の広帯域化ができる。
(第7実施形態)
図7は、第7実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。周波数変換回路47は、周波数変換回路42(図2)の逓倍器52とミキサ36との間に帯域通過フィルタ57を挿入したものである。帯域通過フィルタ57は、逓倍器52にて基準発振波を逓倍するときに発生するスプリアスを除去するためのフィルタである。このように、逓倍器52で発生したスプリアスをその直後に除去するので、ミキサ36以降に不要なスプリアスが残留せず、信号純度を良好に保つことができる。
また、追加して設けた帯域通過フィルタ57以外の構成は周波数変換回路42(図2)と同一であるため、第7実施形態においても第2実施形態と同様に、新たに局部発振器を追加することなく、信号純度および発振周波数シフトの応答時間を確保しながら、周波数を広帯域化できる。
なお、この実施形態では帯域通過フィルタ57を用いたが、逓倍器52により逓倍後の周波数よりも低い周波数信号がほとんど発生しない場合、帯域通過フィルタ57の代わりに低域通過フィルタを用いることが可能である。
(第8実施形態)
図8は、第8実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。周波数変換回路48は、周波数変換回路42(図2)のミキサ36と切替スイッチ35との間に帯域通過フィルタ58を挿入したものである。帯域通過フィルタ58は、ミキサ36にて逓倍器52からの信号と局部発振器32からの局部発振波とを混合したときに発生するスプリアスを除去するためのフィルタである。このように、ミキサ36にて発生したスプリアスをその直後に除去するので、切替スイッチ35以降に不要なスプリアスが残留せず、信号純度を良好に保つことができる。
また、追加して設けた帯域通過フィルタ58以外の構成は周波数変換回路42(図2)と同一であるため、第8実施形態においても第2実施形態と同様に、新たに局部発振器を追加することなく、信号純度および発振周波数シフトの応答時間を確保しながら、可変周波数の広帯域化ができる。
(第9実施形態)
図9は、第9実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。周波数変換回路49は、周波数変換回路42(図2)に帯域通過フィルタ57(図7)および帯域通過フィルタ58(図8)の両方を設けたものである。すなわち、逓倍器52とミキサ36との間に帯域通過フィルタ57を挿入することで、逓倍器52にて発生するスプリアスを除去し、ミキサ36と切替スイッチ35との間に帯域通過フィルタ58を挿入することで、ミキサ36にて発生するスプリアスを除去する。このように、逓倍器52で発生したスプリアスをその直後に除去するので、ミキサ36以降に不要なスプリアスが残留せず、さらに、ミキサ36で発生したスプリアスをその直後に除去するので、切替スイッチ35以降に不要なスプリアスが残留しないため、信号純度をさらに良好に保つことができる。
また、追加して設けた帯域通過フィルタ57,58以外の構成は周波数変換回路42(図2)と同一であるため、第9実施形態においても第2実施形態と同様に、新たに局部発振器を追加することなく、信号純度および発振周波数シフトの応答時間を確保しながら、可変周波数の広帯域化ができる。
産業上の利用可能性
以上のような本発明の周波数変換回路および通信装置は、CDMA方式等の無線通信システム、無線基地局装置および無線端末装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、第1実施形態として無線通信装置の電気的構成を示すブロック図である。
図2は第2実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。
図3は第3実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。
図4は第4実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。
図5は第5実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。
図6は第6実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。
図7は第7実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。
図8は第8実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。
図9は第9実施形態を構成する周波数変換回路のブロック図である。
図10は、第1従来例として無線通信装置の電気的構成を示すブロック図である。
図11は第2従来例を構成する周波数変換回路のブロック図である。

Claims (9)

  1. 基準発振器からの基準発振波によって変調された信号に対し、局部発振器を用いて周波数変換を行う周波数変換回路であって、
    前記基準発振器からの基準発振波および前記局部発振器からの局部発振波を混合する第1ミキサと、この第1ミキサからの混合波および前記局部発振器からの局部発振波のいずれか一方を選択するスイッチと、基準発振波によって変調された信号に前記スイッチにより選択された信号を混合する第2ミキサとを備えたことを特徴とする周波数変換回路。
  2. 前記第1ミキサの後段に配置され第1ミキサによるスプリアスを除去するための帯域通過フィルタを備えたことを特徴とする請求の範囲1記載の周波数変換回路。
  3. 前記基準発振器と第1ミキサとの間に挿入され基準発振波を分周する分周器をさらに備えたことを特徴とする請求の範囲1または2記載の周波数変換回路。
  4. 前記分周器は分周比可変の可変分周器であることを特徴とする請求の範囲3記載の周波数変換回路。
  5. 前記分周器の後段に配置され分周器によるスプリアスを除去するための帯域通過フィルタをさらに備えたことを特徴とする請求の範囲3記載の周波数変換回路。
  6. 前記基準発振器と第1ミキサとの間に挿入され基準発振波の周波数を逓倍する逓倍器をさらに備えたことを特徴とする請求の範囲1または2記載の周波数変換回路。
  7. 前記逓倍器の後段に配置され逓倍器によるスプリアスを除去するための帯域通過フィルタをさらに備えたことを特徴とする請求の範囲6記載の周波数変換回路。
  8. 基準発振器からの基準発振波によって変調された信号に対し局部発振器を用いてアップコンバージョンを行う周波数変換回路を含み、この周波数変換回路によって周波数変換された信号を外部へ送信する通信装置であって、
    前記周波数変換回路が、前記基準発振器からの基準発振波および前記局部発振器からの局部発振波を混合する第1ミキサと、この第1ミキサからの混合波および前記局部発振器からの局部発振波のいずれか一方を選択するスイッチと、基準発振波によって変調された信号に前記スイッチにより選択された信号を混合する第2ミキサとを備えたことを特徴とする通信装置。
  9. 前記周波数変換回路は、外部から受信した信号に対し前記スイッチからの出力を混合してダウンコンバージョンを行う第3ミキサをさらに備えたことを特徴とする請求の範囲8記載の通信装置。
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