JPWO2002045458A1 - ハウスコード設定方法および電力線搬送通信システム - Google Patents
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Abstract
電力線(1)によって接続され、当該電力線(1)を介して情報の交換を行うと共に、各々固有の端末識別子が付与された複数の端末(10,20,30)を備え、各端末(10,20,30)は、他システムと自システムの混信を防止するハウスコードを保持し、このハウスコードは、同一システムに属する各端末(10,20,30)から選択された親端末に付与された前記端末識別子に基づいて、同一システムで共通なコードとして生成されることを特徴とする。
Description
技術分野
電力線を通信媒体として複数の端末が情報交換するシステムにおいて、同一システム内の端末であることを識別するハウスコードの設定方法、およびこのハウスコード設定方法を用いた通信システムに関するものである。
背景技術
従来の電力線搬送通信システムは、電力量計測システムやホームセキュリティシステム等における各構成機器間での通信手段として応用されてきた。しかし、パソコンをはじめとする各種情報機器の家庭内での利用が急速に拡大するにつれて、これらの情報機器を対象とした「新たな回線敷設を必要としない家庭用の通信手段」として電力線搬送通信システムが普及することが期待されている。
従来、電力線搬送通信システムのハウスコード設定は、当該システムを運用管理する電力会社やホームセキュリティ会社等における専門の保守要員が主に行ってきたが、電力線搬送通信システムを家庭内で普及させるためには、家庭の一般消費者でも手軽に行えることが必須となる。
前記した従来の電力量計測システムやホームセキュリティシステム等は、当該施設内に設置された複数の端末でシステムを構成している。例えば、集合住宅においては、ある住戸に設置されたシステムと隣家のシステムとは電力線で接続されているため、混信するおそれがある。そこで、隣家のシステムの端末と区別するための識別方法として、システム内でやり取りされる伝送データに各システム固有のハウスコードを含め、ハウスコードの一致する端末のみが相互に通信可能とする方法が採られ、これらが我が国の電波法により規定されている。
このハウスコードを設定する方法の一つに、各端末にディップスイッチやロータリースイッチ等からなるハウスコード設定スイッチを設け、当該システムに割り当てられたハウスコードを逐一各端末に設定していく方法がある。しかしながら、本方法は煩雑であり、端末の数が多い場合には設定誤りを誘発し易いという問題がある。
これらの問題を解決したハウスコード設定方法の技術が、特開昭63−204895、特開平8−223092などに開示されている。これらの設定技術に因れば、ディップスイッチ等からなるハウスコード設定スイッチを親端末に設け、その端末を含むシステムに予め割り当てられたハウスコードをハウスコード設定スイッチを介して親端末に設定した後に、親端末と子端末とを商用電力の供給を受ける既設の電力線とは異なる何らかの媒体で結合し、親端末に設定してあるハウスコードを子端末に転送して設定するものである。
従来の設定方法における構成の一例を図7に示す。図において、100は商用電力の供給を受けるための既設の電力線、110は親端末、111はブロッキングフィルタ、112は電力線上の搬送波送受信を制御する電力線搬送モデム、113はマイクロプロセッサ、RAM、外部入出力機能等から構成される通信制御プロセッサ、114はディップスイッチやロータリースイッチ等から構成されるハウスコード設定スイッチ、115はハウスコード設定データ送信スイッチである。
また、120は子端末、121は電力線上のデータ送受信を制御する電力線搬送モデム、122はマイクロプロセッサ、RAM、外部入出力機能等から構成される通信制御プロセッサ、123はフラッシュROM等から構成される書き換え可能な不揮発性メモリ、130は120と同様の構造を持つ子端末である。さらに、140は各子端末120,130にハウスコードを設定するために敷設した臨時の電力線であり、ハウスコード設定後は除去されることになる。
次に動作について説明する。親端末110において、当該のハウスコードをハウスコード設定スイッチ114に設定した後、ハウスコード設定データ送信スイッチ115を操作すると、通信制御プロセッサ113は前記ハウスコードを読み取り、子端末120へ前記ハウスコードを通知するため、前記ハウスコードを含む伝送データを、電力線搬送モデム112を介して臨時の電力線140に送信する。臨時の電力線140は既設の電力線100とブロッキングフィルタ111を介して接続されており、前記ハウスコードを含む前記伝送データは既設の電力線100に漏洩することはない。また、この親端末110はブロッキングフィルタ111を介して既設の電力線100から給電されると共に、この電力は臨時の電力線140にも給電される。
一方、子端末120は臨時の電力線140に接続され、臨時の電力線140へ給電される電力によって動作する。子端末120において、通信制御プロセッサ122は親端末110から送信された前記伝送データを、電力線搬送モデム121を介して受信し、更に前記伝送データに含まれるハウスコードを不揮発性メモリ123に書き込み、以降自己のハウスコードとして用いる。また、子端末130においても同様にして前記ハウスコードを含む前記伝送データを受信してハウスコードを設定し、以降自己のハウスコードとして用いる。
従来の電力線搬送通信システムは以上のように構成されていたので、以下に示す5つの課題を有している。
第1の課題は、ハウスコードを設定するために親端末110はブロッキングフィルタ111を必要とし、これが親端末110の製造コストを上昇させるという課題である。特開平8−223092に示される電力量計測システムでは、ブロッキングフィルタ111は着脱可能としており、これにより親端末110の製造コスト上昇の課題は解決できるが、親機に対して着脱可能かつブロッキングフィルタ111を搭載したハウスコード設定用の個別装置を必要とするという課題は残る。このような個別装置は、一般には当該システムを運営する会社等の保守要員が携帯するツールであり、ハウスコードの設定を家庭の一般消費者が行うとした場合には、このような個別装置を用いる方法は適切ではない。
第2の課題は、あるシステムを設置する際、その付近に設置され、共通の電力線で接続されたシステムと混信を起こさないハウスコードを割り当てるためには、ハウスコードを統一的に管理する機構の策定、運用が必要となり、これに必要なコストがユーザの費用負担を増加させ、その結果としてシステムの普及を阻害するおそれがあるという課題である。
第3の課題は、ハウスコードを設定する際には、当該システムに割り当てるべきハウスコードを、上記ハウスコード管理機構の運用機関から入手する手間を必要とするという課題である。電力線搬送通信システムに用いる端末は、その普及を促進するため電気機器の小売店で販売し、家庭の一般消費者が直接購入できる流通形態とすることが想定される。この場合、ハウスコードは、当該小売店が仲介して購入者に提供する、あるいはその購入者である一般消費者がハウスコード管理機関に直接問合せて入手するという2つの方法が考えられるが、前者の方法は小売店の販売業務の増加による販売コストの上昇、後者の方法は端末購入からシステムの運用開始までに必要な作業の増加、煩雑化を招き、これがシステムの普及を阻害させるおそれがある。
第4の課題は、ハウスコードを家庭の一般消費者がハウスコード設定スイッチで設定する場合、一意性の保証された正規のハウスコードを設定するとは限らず、正規でないハウスコードを設定してシステムを運用した場合には、共通の電力線で接続された他のシステムと混信を起こすおそれがあるという課題である。因みに、ある家庭に設置した複数の端末が互いに通信するためには、前記各端末に設定されたハウスコードが正規のものでなくても、互いに一致さえしていれば良いが、正規のものでなければ他のシステムと混信を起すおそれがある。本方法でも、従来のようにシステム運営会社の保守要員が業務上の責務として設定するのであれば問題ないが、近隣の他システムの運用にまでは責務を負わない、あるいはその責務を負わすことは困難な家庭の一般消費者には適した方法ではない。
第5の課題は、子端末120,130にハウスコードを設定するために商用電力の供給を受ける既設の電力線とは異なる臨時の電力線を親端末110と子端末120,130の間に敷設する必要があり、ハウスコードの設定操作を煩雑にするという課題である。
本発明は上記の課題を解決し、▲1▼ハウスコードを設定する際にブロッキングフィルタあるいはハウスコード設定用の個別装置を必要とせず、▲2▼ハウスコード管理機構を必要とせず、▲3▼ハウスコード管理機構の運用機関からハウスコードを入手する手間を必要とせず、▲4▼家庭の一般消費者に対しても一意性の保証された正規のハウスコードを確実に設定させることを可能とし、▲5▼ハウスコードを設定する際に、商用電力の供給を受ける既設の電力線とは異なる臨時の電力線を親端末と子端末の間に敷設する必要がないハウスコード設定方法および電力線搬送通信システムを提供することを目的とする。
発明の開示
本発明のハウスコード設定方法は、電力線によって接続され、当該電力線を介して情報の交換を行うと共に、各々固有の端末識別子が付与された複数の端末に対し、これらの端末が属する自システムと他システムの混信を防止するためのハウスコードを設定するハウスコード設定方法において、同一システムに属する各端末から選択された親端末に付与された端末識別子に基づいて、同一システムで共通なコードとしてハウスコードを生成し、各端末に設定することを特徴とする。
また、各端末は、「親」あるいは「子」に設定する親子設定スイッチを備え、親子設定スイッチが「親」に設定された場合に、自己の端末識別子に基づいてハウスコードを生成し、自己の端末に設定することを特徴とする。
さらに、親子設定スイッチが「子」に設定された場合に、親端末に設定されたハウスコードを読み出して、このハウスコードを自己の端末に設定することを特徴とする。
また、親子設定スイッチが「子」に設定された場合に、親端末の識別子に基づいて仮のハウスコードを生成し、仮のハウスコードに基づいて電力線を用いて親端末との相互通信を試行し、相互通信に成功した場合に、仮のハウスコードを正式なハウスコードとして自己の端末に設定することを特徴とする。
さらに、親端末には、自己との通信を許可する他の端末の端末識別子が予め設定されており、これらの端末識別子以外の端末識別子を有する端末から相互通信を要求された場合に、相互通信を拒否することを特徴とする。
本発明の電力線搬送通信システムは、電力線によって接続され、当該電力線を介して情報の交換を行うと共に、各々固有の端末識別子が付与された複数の端末を備え、各端末は、他システムと自システムの混信を防止するハウスコードを保持し、ハウスコードは、同一システムに属する各端末から選択された親端末に付与された端末識別子に基づいて、同一システムで共通なコードとして生成されることを特徴とする。
また、各端末は、ハウスコードを設定する記憶部と、「親」あるいは「子」に設定する親子設定スイッチと、親子設定スイッチが「親」に設定された場合に、自己の端末識別子に基づいてハウスコードを生成して、自己の記憶部に設定する制御部とを備えることを特徴とする。
さらに、制御部は、親子設定スイッチが「子」に設定された場合に、親端末の記憶部からハウスコードを読み出して、このハウスコードを自己の記憶部に設定することを特徴とする。
また、制御部は、親子設定スイッチが「子」に設定された場合に、親端末の識別子に基づいて仮のハウスコードを生成し、仮のハウスコードに基づいて電力線を用いて親端末との相互通信を試行し、相互通信に成功した場合に、仮のハウスコードを正式なハウスコードとして自己の記憶部に設定することを特徴とする。
さらに、親端末の記憶部には、自己との通信を許可する他の端末の端末識別子が予め設定されており、これらの端末識別子以外の端末識別子を有する端末から相互通信を要求された場合に、相互通信を拒否することを特徴とする。
また、端末識別子の形式としてISO8802規格に準拠したMACアドレスの形式を用いることを特徴とする。
本発明の電力線搬送通信システムは、電力線搬送通信によって情報の交換を行う1つ以上の端末を備えた通信システムと、通信システムを電力線搬送通信以外の通信手段を用いるシステムに中継する中継装置とを備え、通信システムの端末と中継装置とは、他システムと自システムの混信を防止するハウスコードを保持し、ハウスコードは常に共通のコードを設定することを特徴とする。
また、通信システムの端末は、設置された時点から一定期間は無条件に中継装置との通信を許可し、一定期間経過後は端末の使用者と中継装置の所有者または運用管理者との間での契約を結ぶことを条件に中継装置との通信を許可することを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る電力線搬送通信システムの構成を示すブロック図である。
図において、10,20,30は同様の構造を持つ端末であり、11,21,31は電力線上のデータ送受信を制御する電力線搬送モデム、12,22,32はマイクロプロセッサ、RAM、外部入出力機能等から構成される通信制御プロセッサ、13,23,33はフラッシュROM等から構成され通信制御プロセッサ12,22,32が内容を書き換えることも可能な不揮発性メモリ、14,24,34は端末10,20,30が親端末であるか子端末であるかを指定する親子指定スイッチ、15,25,35は端末10,20,30を一意に識別するために端末10,20,30の製造段階で不揮発性メモリ13,23,33に書き込まれた端末10,20,30の端末識別子である。
また、16,26,36は端末10,20,30が子端末として指定された場合に親端末の端末識別子を設定するために用いられディップスイッチやロータリースイッチ等から構成される親端末識別子設定スイッチ、17,27,37は通信制御プロセッサ12,22,32において実行される処理において何らかのエラーが発生した場合に、ユーザにエラーの発生を認識させるためのエラー表示LED、40は子端末が親端末に対して相互通信の試行を要求するためのリンク確立要求パケット、41は親端末がリンク確立要求パケットに呼応して送出するリンク確立応答パケットである。
次に動作について説明する。
まず、ユーザは1つのシステムとして構成することを意図している端末10,20,30の中から親端末とする1台を選択する。本実施の形態では端末10を親端末として選択したものとする。この際、前記ユーザは端末10の親子指定スイッチ14を「親」に設定する。端末10において、親子指定スイッチ14が「親」に設定されると、通信制御プロセッサ12は不揮発性メモリ13に予め書き込まれている端末識別子15を読み出し、端末識別子15から特定の写像を施すことによりハウスコードを自動的に生成し、それを自己のハウスコードとして不揮発性メモリ13に書き込み保持する。
ここで、上述した特定の写像は一対一写像であることを条件とする。一意性が保証された端末識別子に対して一対一写像を施して得られるハウスコードはその一意性が必然的に保証されるため、異なるシステム間での混信を防止することが可能となる。なお、上述した特定の写像は各端末10,20,30に共通であり、各通信制御プロセッサ12,22,32上で実行されるプログラムとして各端末の製造時点で予め実装されるものである。
以上の処理によって親端末10へのハウスコード設定動作が終了する。
次に、子端末へのハウスコードの設定について図2のフローチャートを用いて説明する。まず、端末10へのハウスコード設定動作の終了後に、前記システムのユーザが本システムにおいて子端末となる端末20に対して、親子指定スイッチ24を「子」に設定すると共に、親端末10に付与された端末識別子15の値を親端末識別子設定スイッチ25に設定すると、通信制御プロセッサ22は親端末識別子設定スイッチ25に設定されている値を読み出し、その値から上述した特定の写像に基づき仮のハウスコードを生成する(ステップ60)。
ここで、各端末10,20,30の端末識別子の値は不揮発性メモリに内蔵されており、ユーザが直接読み取ることはできないので、各端末識別子の値が各端末10,20,30の筐体表面に記載されていれば、ユーザは容易に各端末識別子の値を設定することができる。
そして、生成された仮のハウスコードを付与したリンク確立要求パケット40が他の端末10,30に向けて送信される(ステップ61)。また、通信制御プロセッサ22は、リンク確立要求パケット40の送信に併せて、内蔵する応答待ちタイマを起動する(ステップ62)。
リンク確立要求パケット40は既設の電力線1を通じて端末10,30の両方に到達するが、端末30にはハウスコードが未設定であるため電力線搬送モデム31で廃棄される。一方、端末10においては、既にハウスコードが設定されているため、電力線搬送通信モデム11は自己のハウスコードとリンク確立要求パケット40に付与されているハウスコードを比較し、一致すればリンク確立要求パケット40を通信制御プロセッサ12に引き渡す。通信制御プロセッサ12はリンク確立要求パケット40を受け取ると、それに呼応してリンク確立応答パケット41を送信する。
リンク確立応答パケット41は電力線1を通じて端末20,30の両方に到達するが、端末30にはハウスコードが未設定であるため電力線搬送モデム31で廃棄される。
一方、端末20では、リンク確立応答パケット41の到着を監視しており(ステップ63)、端末20にリンク確立応答パケット41が到着すると、前記仮のハウスコードとリンク確立応答パケット41に付与されているハウスコードとが比較され、一致すればリンク確立応答パケット41を通信制御プロセッサ22に引き渡す。
通信制御プロセッサ22は、リンク確立応答パケット41を受け取ると、前記仮のハウスコードに基づいた親端末との相互通信に成功したと判断し、前記仮のハウスコードを正式な自己のハウスコードとして不揮発性メモリ23に書き込み保持する(ステップ64)。
また、ステップ63でリンク確立応答パケット41が到着しない場合、上記応答待ちタイマが既に満了したか判定し(ステップ65)、まだ応答待ちタイマが満了していないときは処理をステップ63に戻す。また、応答待ちタイマが既に満了していた場合には、通信制御プロセッサ22は、何らかのエラーが発生したと判断し、ユーザにエラー発生を通知するためにエラー表示LED27を点灯する(ステップ65)。そして、前記仮のハウスコードを自己のハウスコードとして設定することは行わず、端末20のハウスコードは未設定の状態を継続する。
この場合、ユーザは端末10,20の各スイッチ設定に誤りがないか等を確認し、誤りがあれば訂正した後、端末20の電源を入れ直す等の操作により、再度前記の手順に基づく端末20のハウスコード設定を再度試みることになる。
また、端末30に対しても端末20の場合と同様の手順を施すことによりハウスコード設定を行うことができる。
なお、この際、端末30が親端末である端末10宛てに送信するリンク確立要求パケットは、既にハウスコードが設定されている端末20においても受信されるが、本実施の形態に係る電力線搬送通信システムの通信プロトコルでは、リンク確立要求パケットを受信できるのは親端末のみと規定しているため、リンク確立要求パケットは子端末である端末20の通信制御プロセッサ22で廃棄されるので、端末20に到達したリンク確立要求パケットが問題となることはない。
同様に、端末10が端末30からのリンク確立要求パケットに呼応して送信する端末30宛てのリンク確立応答パケットは端末20においても受信されるが、本実施の形態に係る電力線搬送通信システムの通信プロトコルでは、リンク確立応答パケットを受信できるのはリンク確立要求パケットを送信後、リンク確立応答パケットの受信待ちの状態のみと規定しているため、この時点で前記状態にはない端末20の通信制御プロセッサ22によってリンク確立応答パケットは廃棄されるので、端末20に到達したリンク確立要求パケットが問題となることはない。
なお、各端末に付与されている端末識別子は、上記のように一意性が確実に保証できるハウスコードを自動的に生成するための入力情報として用いるため、各端末の設置場所がユーザの引越しや、ユーザ間での譲渡等により変更されることを考えると、少なくとも日本国内で供給される全ての端末の中での一意性が保証されることが要求される。更には、電力供給が世界の殆どの国で実施されている現状を考えれば、本実施の形態に係る電力線搬送通信システムは、世界的に普及する可能性があり、各端末は国境を越えて流通することも想定できるため、各端末の端末識別子は全世界に供給される全ての端末の中での一意性が保証できることが望ましい。
しかし、この場合世界中の異なる製造者が供給する各端末に対して、端末識別子を国際的に集中管理する機構を作り、本管理機構を運用する機関の設置が必要であるが、このような管理機構の作成や運用機関の設置は原理的には可能であっても、現実的には費用面、各国の産業政策の相違、各製造者間での事業方針の相違など多くの障壁があり、困難な場合が多い。
そこで、端末識別子を国際的に集中管理する管理機構を作り、その機構を運用して管理している数少ない例であるISO8802規格に準拠したMACアドレスの形式を端末識別子の形式として用いるという方法がある。ISO8802規格に準拠したMACアドレスの形式は、世界中の異なる製造者がCSMA/CD方式等に基づくLAN製品を提供する環境で一意に識別できる機構を備えており、しかも製造者識別子22ビット及び個体識別子24ビットから構成され、アドレス空間にも十分な余裕があるため、電力線搬送通信システムの各端末に対してもアドレス空間を割り当てることが可能である。
従って、本実施の形態に係る電力線搬送通信システムにおいて、各端末の端末識別子の形式としてISO8802規格に準拠したMACアドレスの形式を用いることにより、端末識別子を世界的に一意に管理する機構やその運用機関を新たに作ることなく、世界中の異なる製造者が電力線搬送通信システムの端末を提供する環境において、各端末を一意に識別することが可能となる。
以上のように、本実施の形態に係る電力線搬送通信システムによれば、各端末10,20,30にはISO8802規格に準拠したMACアドレスの形式を持つ端末識別子を製造時点で不揮発性メモリ13,23,33に内蔵させ、あるシステムにハウスコードを設定する際には、そのシステムに属させる各端末10,20,30から1つの端末10を選択し、前記選択された端末(親端末)10に付与された端末識別子に対してある特定の一対一写像を施してそのシステムを一意に識別するハウスコードを自動生成し、前記親端末10に自己のハウスコードとして設定する。
また親端末10以外の各端末(子端末)20,30には前記親端末10に付与されている端末識別子を設定し、各子端末20,30は前記設定された端末識別子に前記ある特定の一対一写像を施して仮のハウスコードを生成し、前記仮のハウスコードに基づき既設の電力線1を用いて前記親端末10との相互通信を試行し、前記相互通信に成功した場合にのみ前記仮のハウスコードを正式なハウスコードとして各子端末20,30に設定している。
従って、ハウスコードを設定する際にブロッキングフィルタあるいはハウスコード設定用の個別装置を必要とせず、特定のハウスコード管理機構を必要とせず、ユーザがハウスコード管理機構の運用機関からハウスコードを入手する手間を必要とせず、しかもシステム運営上の責務や専門知識を持たない家庭の一般消費者に対しても一意性の保証された正規のハウスコードを確実に設定させることを可能とし、商用電力の供給を受ける既設の電力線1とは異なる臨時の電力線を親端末10と各子端末20,30の間に敷設する必要がない。
更に、ハウスコードの生成に当たりISO8802規格に準拠したMACアドレスの形式を持つ端末識別子を用いれば、将来電力搬送通信システムをISO等において国際標準規格として制定する際にも、ハウスコード設定方法を変更することなく適用することが可能となる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る電力搬送通信システムについて図3を用いて説明する。この実施の形態2が図1に示す実施の形態1と異なるのは、各端末10,20,30から親端末識別子設定スイッチ16,26,36が各々なくなり、パーソナルコンピュータ接続インタフェース18,28,38、各パーソナルコンピュータ接続インタフェースに接続されたパーソナルコンピュータ19,29,39、及びパーソナルコンピュータ上で動作する端末運用管理プログラム50、51、52が各端末10,20,30に付加された点である。なお、実施の形態1と同一又は同等な構成部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
次に動作について説明する。
まず、端末10が親端末として指定されると、端末10において通信制御プロセッサ12が実施の形態1の場合と同様の方法で自己のハウスコードを生成し、不揮発性メモリ13にハウスコードを書き込む。更に、通信制御プロセッサ12は親端末に指定された端末10との通信を許可する各子端末の端末識別子をユーザに設定させるため、端末10に接続されたパーソナルコンピュータ19で動作する端末運用管理プログラム50に、パーソナルコンピュータ接続インタフェース18を通じて本設定情報の入力を要求する信号を送信する。
端末運用管理プログラム50は前記要求信号を受信すると、パーソナルコンピュータ19の表示装置に図4に示すような入力画面を表示する。ユーザは、前記入力画面において、端末10との通信を許可する各子端末の端末識別子として端末20,30の各端末識別子を前記入力画面における端末(1)(2)の入力欄に入力後、OKをクリックする。端末運用管理プログラム50は、前記OKをクリックされると端末20,30の各端末識別子を、パーソナルコンピュータ接続インタフェース18を通じて通信制御プロセッサ12に送信し、通信制御プロセッサ12は前記各端末識別子を、通信を許可する子端末の端末識別子として不揮発性メモリ13に書き込んで保持する。
以上の通り端末10へのハウスコード設定、及び通信を許可する子端末の端末識別子の設定動作が終了すると、本システムのユーザは子端末となる端末20において、親子指定スイッチ24を「子」に設定する。親子指定スイッチ24が「子」に設定されると、通信制御プロセッサ22は、親端末の端末識別子をユーザに設定させるため、端末20に接続されたパーソナルコンピュータ29で動作する端末運用管理プログラム51に、パーソナルコンピュータ接続インタフェース28を通じて本設定情報の入力を要求する信号を送信する。
端末運用管理プログラム51は前記要求信号を受信すると、パーソナルコンピュータ29の表示装置に図5に示すような入力画面を表示する。ユーザは、前記入力画面において、親端末である端末10の筐体表面に予め記載されている端末10の端末識別子を入力し、OKをクリックする。端末運用管理プログラム51は前記OKをクリックされると、親端末10の端末識別子を、パーソナルコンピュータ接続インタフェース28を通じて通信制御プロセッサ22に送信する。
通信制御プロセッサ22は親端末10の端末識別子を受信すると、実施の形態1における親端末識別子設定スイッチ26に設定されている値を、前記受信した親端末10の端末識別子の値として図2に示す処理手順を実行するが、リンク確立要求パケットを送信する処理においては、「仮のハウスコード」と共に送信元の端末を識別するための情報(送信元端末識別子)として端末20の端末識別子25の値を前記リンク確立要求パケットに付与するものとする。
端末10では、前記リンク確立要求パケットを受信した際、その中に付与されている送信元端末識別子と不揮発性メモリ13に書き込まれている「通信を許可する各子端末の端末識別子」を比較し、一致するものがある場合のみリンク確立応答パケットを送信するものとし、一致するものがない場合にはリンク確立応答パケットを送信しないものとする。以上の手順により、実施の形態1の場合と同様に端末20のハウスコード設定が可能となる。
また、端末30に対しても端末20と同様の手順でハウスコード設定を行う。
以上のように本実施の形態に係る電力搬送通信システムによれば、実施の形態1に示す手段に加え、親端末10には通信を許可する各子端末20,30の端末識別子を設定すると共に、各子端末20,30が送信するリンク確立パケットには送信元端末識別子を付与している。親端末10では前記リンク確立要求パケットを受信した際、その中に付与されている送信元端末識別子と不揮発性メモリに書き込まれている「通信を許可する各子端末の端末識別子」を比較して、一致するものがある場合のみリンク確立応答パケットを送信する。
このため、前記子端末20,30に設定する親端末識別子の設定をユーザが誤り、しかもその誤って設定した親端末識別子の値が電力線を共有する別のシステムに属する親端末の端末識別子と偶然一致した場合においても、前記別のシステムに属する親端末には子端末20,30の識別子は設定されていないので、前記別のシステムに属する親端末から子端末20,30にリンク確立応答パケットが送信されることはない。その結果、子端末20,30では、エラー表示LED27,37を点灯させて、ユーザに設定誤りを直ぐに認識させることになり、より確実なハウスコードの設定が可能となる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3に係る電力搬送通信システムについて図6を用いて説明する。この実施の形態3は、実施の形態1,2のシステムを宅外の通信システムに接続した電力搬送通信システムであり、特にアクセスネットワークを通じてインターネットに接続したシステム構成を有している。
図6において、70は実施の形態1,2に係る電力線搬送通信システムを設置した住宅、71は住宅70における既設の電力線、72は図3における10と同様の内部構造を持つ端末、73は図3における19と同様の内部構造を持つパーソナルコンピュータ、80は実施の形態1,2に係る電力線搬送通信システムを設置したもう1つの住宅、81は住宅80における既設の電力線、82,83は図3における10と同様の内部構造を持つ端末、84,85は図3における19と同様の内部構造を持つパーソナルコンピュータである。
また、90は住宅70,80に電力を供給する電柱、91は住宅70に電力を供給するための低圧引込み線、92は住宅80に電力を供給するための低圧引込み線、93は低圧引込み線91と住宅70の既設の電力線71を接続するホーム分電盤、94は低圧引込み線92と住宅80の既設の電力線81を接続するホーム分電盤、95は電柱間に敷設されている光ファイバ、96は低圧引込み線91、92を流れる電力線搬送通信の信号と光ファイバ95を流れる光信号を相互に変換する機能を備えた中継装置、97は光ファイバ95を主な通信媒体とするアクセスネットワーク、98はインターネットをそれぞれ示している。なお、中継装置96は電力線搬送通信の信号を送受する際には、電力線搬送通信システムにおける1つの端末として動作する。
次に動作について説明する。
まず、住宅80の端末82、83は、それぞれに接続されているパーソナルコンピュータ84、85が住宅80内において既設の電力線80を通じて相互に通信できるよう、実施の形態2に示す如くハウスコードが設定される。
次に、住宅70の端末72はそれに接続されているパーソナルコンピュータ73がアクセスネットワーク97を通じてインターネット98に接続できるよう、中継装置96との間で既設の電力線71、ホーム分電盤93、低圧引込み線91を通じて電力線搬送通信を用いて通信できるための設定を行う。この際、端末72と中継装置96の通信に用いる信号は、低圧引込み線92を通じて住宅80内の既設の電力線81にも伝播していくため、端末82,83の間の通信との混信を避けるようにしなければならない。このためには、端末72と中継装置96は、端末82,83に設定されているハウスコードとは異なるハウスコードを持つ必要がある。
端末72と中継装置96へ前記ハウスコードを設定するためには、実施の形態1,2に示す方法が適用可能である。しかし、中継装置96の所有者は通例アクセスネットワーク97を運営するインターネット接続会社であり、一方端末72の所有者は通例住宅70の住人である。このように、互いに所有者が異なるため、ハウスコードを設定する際、例えば「親」を中継装置96にすれば、住宅70の住人は端末72に中継装置96と通信するためのハウスコードを設定するために、中継装置96に付与されている端末識別子を、中継装置96の所有者である前記インターネット接続会社から入手する必要がある。従って、中継装置96の端末識別子を前記インターネット接続会社から入手する手間が発生するため、実施の形態1,2では解決されていた「発明が解決しようとする課題」に示す第3の課題に類似した課題が再び発生することになる。
前記課題は、中継装置96と各端末72,82,83で構成される電力線搬送通信システムには、常に共通のハウスコードを設定することにより解決することができる。すなわち、このようなハウスコードの設定を前提とすれば、中継装置96と各端末72,82,83には、それぞれの製造段階で中継装置96と各端末72,82,83で構成される電力線搬送通信システムに共通のハウスコードを設定しておくことができ、それらの設置時には中継装置96と各端末72,82,83が通信するためのハウスコードの設定が不要となる。
このため、中継装置96が電力線搬送通信システムにおける1つの端末として動作するための端末識別子を、各端末72,82,83のユーザが当該の中継装置96を所有するインターネット接続会社から入手する手間が不要となる。
ここで、前記共通のハウスコードには端末間の通信に用いるハウスコードの値とは決して重複することがない、ある特定の値を割り当てれば良い。例えば、端末間の通信に用いるハウスコードの値は常に正の整数を割り当てると規定した場合には、前記共通のハウスコードの値には0を割り当てることができる。
なお、図6において、住宅80の端末83に接続されているパーソナルコンピュータ85が同一宅内の端末82を介してパーソナルコンピュータ84と通信するだけでなく、同時に中継装置96を経由したインターネットとも通信する場合には、端末83は製造段階で設定された前記共通のハウスコード、及びその設置段階で設定される宅内通信用のためのハウスコード、すなわち2つのハウスコードを合わせ持ち、通信相手が端末82を介したパーソナルコンピュータ84であるか、中継装置96を経由したインターネットであるかにより使用するハウスコードを選択することになる。
このようなハウスコードの選択、換言すればハウスコードによって特定される通信路の選択は、通例OSI参照モデルにおけるネットワーク層の機能を用いて行うことができる。前記ネットワーク層はインターネットにおいてはIP(Internet Protocol)、ARP(Address Resolution Protocol)等の各プロトコルから構成される。
更に、前記の解決方法を発展させると、全ての端末72,82,83にはその製造段階で中継装置96と通信するための前記共通のハウスコードを設定しておき、当該の端末72,82,83を中継装置96が設置されている電柱90から電力供給を受けている住宅に設置しさえすれば、前記中継装置96を経由したインターネット98への接続が可能となる。
以上から、前記インターネット接続会社は、自社の所有する中継装置96と通信できる環境に設置された各端末72,82,83に対して、設置された時点から一定期間は無条件に前記中継装置96を経由したインターネット98への接続を可能とし、前記一定期間経過後は前記各端末72,82,83のユーザとの加入契約を結ぶことを条件に前記中継装置96を経由したインターネット98との接続を可能とするインターネット接続ビジネスの実現が可能となる。
なお、各端末72,82,83に対して当該の中継装置96を経由したインターネット98との接続を許可するか否かの管理は、アクセスネットワークにおける中継装置96のオンライン管理機能等を用いて実現できることは言うまでもない。
以上のように実施の形態3に係る電力線搬送通信システムによれば、電力線搬送通信システムと電力線搬送通信以外の通信手段を用いる通信システムを相互に接続する中継装置96、及び前記中継装置96と電力線搬送通信を用いて通信する各端末72,82,83には、製造時点で常に共通のハウスコードを設定するようにしているので、前記中継装置96の所有者、例えばインターネット接続会社と前記各端末72,82,83の所有者、ユーザである一般家庭の消費者の間で、実施の形態1,2に示すハウスコード設定方法に必要な親端末の端末識別子に関する情報を受け渡す手間を省くことが可能となる。
更に、前記中継装置96と通信する端末72,82,83は、設置された時点から一定期間は無条件に前記中継装置96との通信を許可し、前記一定期間経過後は前記端末72,82,83の使用者と前記中継装置96の所有者または運用者との間で加入契約を結ぶことを条件に前記中継装置96との通信を許可するようにしているので、インターネット接続ビジネスを実施する際には、ユーザが前記中継装置96と通信できる環境に端末72,82,83を設置した当初は、無料のインターネット接続サービスを一定期間、前記ユーザに利用させ、インターネットの利点や楽しさを直接経験させることができ、ユーザ数すなわち顧客数の増加を促進するビジネスモデルを確立することが可能となる。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明に係るハウスコード設定方法および電力線搬送通信システムは、家庭の一般消費者に対しても一意性の保証された正規のハウスコードを確実に設定させることが可能になるので、パソコンをはじめとする家庭内の各種情報機器を対象とした「新たな回線敷設を必要としない家庭用の通信手段」としての利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施の形態1に係る電力線搬送通信システムを示すブロック図である。
図2は、第1の実施の形態に係るハウスコード設定方法を示すフローチャートである。
図3は、実施の形態2に係る電力線搬送通信システムを示すブロック図である。
図4は、子端末の端末識別子入力画面を示す図である。
図5は、親端末の端末識別子入力画面を示す図である。
図6は、実施の形態3に係る電力線搬送通信システムを示すブロック図である。
図7は、従来の電力線搬送通信システムを示すブロック図である。
電力線を通信媒体として複数の端末が情報交換するシステムにおいて、同一システム内の端末であることを識別するハウスコードの設定方法、およびこのハウスコード設定方法を用いた通信システムに関するものである。
背景技術
従来の電力線搬送通信システムは、電力量計測システムやホームセキュリティシステム等における各構成機器間での通信手段として応用されてきた。しかし、パソコンをはじめとする各種情報機器の家庭内での利用が急速に拡大するにつれて、これらの情報機器を対象とした「新たな回線敷設を必要としない家庭用の通信手段」として電力線搬送通信システムが普及することが期待されている。
従来、電力線搬送通信システムのハウスコード設定は、当該システムを運用管理する電力会社やホームセキュリティ会社等における専門の保守要員が主に行ってきたが、電力線搬送通信システムを家庭内で普及させるためには、家庭の一般消費者でも手軽に行えることが必須となる。
前記した従来の電力量計測システムやホームセキュリティシステム等は、当該施設内に設置された複数の端末でシステムを構成している。例えば、集合住宅においては、ある住戸に設置されたシステムと隣家のシステムとは電力線で接続されているため、混信するおそれがある。そこで、隣家のシステムの端末と区別するための識別方法として、システム内でやり取りされる伝送データに各システム固有のハウスコードを含め、ハウスコードの一致する端末のみが相互に通信可能とする方法が採られ、これらが我が国の電波法により規定されている。
このハウスコードを設定する方法の一つに、各端末にディップスイッチやロータリースイッチ等からなるハウスコード設定スイッチを設け、当該システムに割り当てられたハウスコードを逐一各端末に設定していく方法がある。しかしながら、本方法は煩雑であり、端末の数が多い場合には設定誤りを誘発し易いという問題がある。
これらの問題を解決したハウスコード設定方法の技術が、特開昭63−204895、特開平8−223092などに開示されている。これらの設定技術に因れば、ディップスイッチ等からなるハウスコード設定スイッチを親端末に設け、その端末を含むシステムに予め割り当てられたハウスコードをハウスコード設定スイッチを介して親端末に設定した後に、親端末と子端末とを商用電力の供給を受ける既設の電力線とは異なる何らかの媒体で結合し、親端末に設定してあるハウスコードを子端末に転送して設定するものである。
従来の設定方法における構成の一例を図7に示す。図において、100は商用電力の供給を受けるための既設の電力線、110は親端末、111はブロッキングフィルタ、112は電力線上の搬送波送受信を制御する電力線搬送モデム、113はマイクロプロセッサ、RAM、外部入出力機能等から構成される通信制御プロセッサ、114はディップスイッチやロータリースイッチ等から構成されるハウスコード設定スイッチ、115はハウスコード設定データ送信スイッチである。
また、120は子端末、121は電力線上のデータ送受信を制御する電力線搬送モデム、122はマイクロプロセッサ、RAM、外部入出力機能等から構成される通信制御プロセッサ、123はフラッシュROM等から構成される書き換え可能な不揮発性メモリ、130は120と同様の構造を持つ子端末である。さらに、140は各子端末120,130にハウスコードを設定するために敷設した臨時の電力線であり、ハウスコード設定後は除去されることになる。
次に動作について説明する。親端末110において、当該のハウスコードをハウスコード設定スイッチ114に設定した後、ハウスコード設定データ送信スイッチ115を操作すると、通信制御プロセッサ113は前記ハウスコードを読み取り、子端末120へ前記ハウスコードを通知するため、前記ハウスコードを含む伝送データを、電力線搬送モデム112を介して臨時の電力線140に送信する。臨時の電力線140は既設の電力線100とブロッキングフィルタ111を介して接続されており、前記ハウスコードを含む前記伝送データは既設の電力線100に漏洩することはない。また、この親端末110はブロッキングフィルタ111を介して既設の電力線100から給電されると共に、この電力は臨時の電力線140にも給電される。
一方、子端末120は臨時の電力線140に接続され、臨時の電力線140へ給電される電力によって動作する。子端末120において、通信制御プロセッサ122は親端末110から送信された前記伝送データを、電力線搬送モデム121を介して受信し、更に前記伝送データに含まれるハウスコードを不揮発性メモリ123に書き込み、以降自己のハウスコードとして用いる。また、子端末130においても同様にして前記ハウスコードを含む前記伝送データを受信してハウスコードを設定し、以降自己のハウスコードとして用いる。
従来の電力線搬送通信システムは以上のように構成されていたので、以下に示す5つの課題を有している。
第1の課題は、ハウスコードを設定するために親端末110はブロッキングフィルタ111を必要とし、これが親端末110の製造コストを上昇させるという課題である。特開平8−223092に示される電力量計測システムでは、ブロッキングフィルタ111は着脱可能としており、これにより親端末110の製造コスト上昇の課題は解決できるが、親機に対して着脱可能かつブロッキングフィルタ111を搭載したハウスコード設定用の個別装置を必要とするという課題は残る。このような個別装置は、一般には当該システムを運営する会社等の保守要員が携帯するツールであり、ハウスコードの設定を家庭の一般消費者が行うとした場合には、このような個別装置を用いる方法は適切ではない。
第2の課題は、あるシステムを設置する際、その付近に設置され、共通の電力線で接続されたシステムと混信を起こさないハウスコードを割り当てるためには、ハウスコードを統一的に管理する機構の策定、運用が必要となり、これに必要なコストがユーザの費用負担を増加させ、その結果としてシステムの普及を阻害するおそれがあるという課題である。
第3の課題は、ハウスコードを設定する際には、当該システムに割り当てるべきハウスコードを、上記ハウスコード管理機構の運用機関から入手する手間を必要とするという課題である。電力線搬送通信システムに用いる端末は、その普及を促進するため電気機器の小売店で販売し、家庭の一般消費者が直接購入できる流通形態とすることが想定される。この場合、ハウスコードは、当該小売店が仲介して購入者に提供する、あるいはその購入者である一般消費者がハウスコード管理機関に直接問合せて入手するという2つの方法が考えられるが、前者の方法は小売店の販売業務の増加による販売コストの上昇、後者の方法は端末購入からシステムの運用開始までに必要な作業の増加、煩雑化を招き、これがシステムの普及を阻害させるおそれがある。
第4の課題は、ハウスコードを家庭の一般消費者がハウスコード設定スイッチで設定する場合、一意性の保証された正規のハウスコードを設定するとは限らず、正規でないハウスコードを設定してシステムを運用した場合には、共通の電力線で接続された他のシステムと混信を起こすおそれがあるという課題である。因みに、ある家庭に設置した複数の端末が互いに通信するためには、前記各端末に設定されたハウスコードが正規のものでなくても、互いに一致さえしていれば良いが、正規のものでなければ他のシステムと混信を起すおそれがある。本方法でも、従来のようにシステム運営会社の保守要員が業務上の責務として設定するのであれば問題ないが、近隣の他システムの運用にまでは責務を負わない、あるいはその責務を負わすことは困難な家庭の一般消費者には適した方法ではない。
第5の課題は、子端末120,130にハウスコードを設定するために商用電力の供給を受ける既設の電力線とは異なる臨時の電力線を親端末110と子端末120,130の間に敷設する必要があり、ハウスコードの設定操作を煩雑にするという課題である。
本発明は上記の課題を解決し、▲1▼ハウスコードを設定する際にブロッキングフィルタあるいはハウスコード設定用の個別装置を必要とせず、▲2▼ハウスコード管理機構を必要とせず、▲3▼ハウスコード管理機構の運用機関からハウスコードを入手する手間を必要とせず、▲4▼家庭の一般消費者に対しても一意性の保証された正規のハウスコードを確実に設定させることを可能とし、▲5▼ハウスコードを設定する際に、商用電力の供給を受ける既設の電力線とは異なる臨時の電力線を親端末と子端末の間に敷設する必要がないハウスコード設定方法および電力線搬送通信システムを提供することを目的とする。
発明の開示
本発明のハウスコード設定方法は、電力線によって接続され、当該電力線を介して情報の交換を行うと共に、各々固有の端末識別子が付与された複数の端末に対し、これらの端末が属する自システムと他システムの混信を防止するためのハウスコードを設定するハウスコード設定方法において、同一システムに属する各端末から選択された親端末に付与された端末識別子に基づいて、同一システムで共通なコードとしてハウスコードを生成し、各端末に設定することを特徴とする。
また、各端末は、「親」あるいは「子」に設定する親子設定スイッチを備え、親子設定スイッチが「親」に設定された場合に、自己の端末識別子に基づいてハウスコードを生成し、自己の端末に設定することを特徴とする。
さらに、親子設定スイッチが「子」に設定された場合に、親端末に設定されたハウスコードを読み出して、このハウスコードを自己の端末に設定することを特徴とする。
また、親子設定スイッチが「子」に設定された場合に、親端末の識別子に基づいて仮のハウスコードを生成し、仮のハウスコードに基づいて電力線を用いて親端末との相互通信を試行し、相互通信に成功した場合に、仮のハウスコードを正式なハウスコードとして自己の端末に設定することを特徴とする。
さらに、親端末には、自己との通信を許可する他の端末の端末識別子が予め設定されており、これらの端末識別子以外の端末識別子を有する端末から相互通信を要求された場合に、相互通信を拒否することを特徴とする。
本発明の電力線搬送通信システムは、電力線によって接続され、当該電力線を介して情報の交換を行うと共に、各々固有の端末識別子が付与された複数の端末を備え、各端末は、他システムと自システムの混信を防止するハウスコードを保持し、ハウスコードは、同一システムに属する各端末から選択された親端末に付与された端末識別子に基づいて、同一システムで共通なコードとして生成されることを特徴とする。
また、各端末は、ハウスコードを設定する記憶部と、「親」あるいは「子」に設定する親子設定スイッチと、親子設定スイッチが「親」に設定された場合に、自己の端末識別子に基づいてハウスコードを生成して、自己の記憶部に設定する制御部とを備えることを特徴とする。
さらに、制御部は、親子設定スイッチが「子」に設定された場合に、親端末の記憶部からハウスコードを読み出して、このハウスコードを自己の記憶部に設定することを特徴とする。
また、制御部は、親子設定スイッチが「子」に設定された場合に、親端末の識別子に基づいて仮のハウスコードを生成し、仮のハウスコードに基づいて電力線を用いて親端末との相互通信を試行し、相互通信に成功した場合に、仮のハウスコードを正式なハウスコードとして自己の記憶部に設定することを特徴とする。
さらに、親端末の記憶部には、自己との通信を許可する他の端末の端末識別子が予め設定されており、これらの端末識別子以外の端末識別子を有する端末から相互通信を要求された場合に、相互通信を拒否することを特徴とする。
また、端末識別子の形式としてISO8802規格に準拠したMACアドレスの形式を用いることを特徴とする。
本発明の電力線搬送通信システムは、電力線搬送通信によって情報の交換を行う1つ以上の端末を備えた通信システムと、通信システムを電力線搬送通信以外の通信手段を用いるシステムに中継する中継装置とを備え、通信システムの端末と中継装置とは、他システムと自システムの混信を防止するハウスコードを保持し、ハウスコードは常に共通のコードを設定することを特徴とする。
また、通信システムの端末は、設置された時点から一定期間は無条件に中継装置との通信を許可し、一定期間経過後は端末の使用者と中継装置の所有者または運用管理者との間での契約を結ぶことを条件に中継装置との通信を許可することを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る電力線搬送通信システムの構成を示すブロック図である。
図において、10,20,30は同様の構造を持つ端末であり、11,21,31は電力線上のデータ送受信を制御する電力線搬送モデム、12,22,32はマイクロプロセッサ、RAM、外部入出力機能等から構成される通信制御プロセッサ、13,23,33はフラッシュROM等から構成され通信制御プロセッサ12,22,32が内容を書き換えることも可能な不揮発性メモリ、14,24,34は端末10,20,30が親端末であるか子端末であるかを指定する親子指定スイッチ、15,25,35は端末10,20,30を一意に識別するために端末10,20,30の製造段階で不揮発性メモリ13,23,33に書き込まれた端末10,20,30の端末識別子である。
また、16,26,36は端末10,20,30が子端末として指定された場合に親端末の端末識別子を設定するために用いられディップスイッチやロータリースイッチ等から構成される親端末識別子設定スイッチ、17,27,37は通信制御プロセッサ12,22,32において実行される処理において何らかのエラーが発生した場合に、ユーザにエラーの発生を認識させるためのエラー表示LED、40は子端末が親端末に対して相互通信の試行を要求するためのリンク確立要求パケット、41は親端末がリンク確立要求パケットに呼応して送出するリンク確立応答パケットである。
次に動作について説明する。
まず、ユーザは1つのシステムとして構成することを意図している端末10,20,30の中から親端末とする1台を選択する。本実施の形態では端末10を親端末として選択したものとする。この際、前記ユーザは端末10の親子指定スイッチ14を「親」に設定する。端末10において、親子指定スイッチ14が「親」に設定されると、通信制御プロセッサ12は不揮発性メモリ13に予め書き込まれている端末識別子15を読み出し、端末識別子15から特定の写像を施すことによりハウスコードを自動的に生成し、それを自己のハウスコードとして不揮発性メモリ13に書き込み保持する。
ここで、上述した特定の写像は一対一写像であることを条件とする。一意性が保証された端末識別子に対して一対一写像を施して得られるハウスコードはその一意性が必然的に保証されるため、異なるシステム間での混信を防止することが可能となる。なお、上述した特定の写像は各端末10,20,30に共通であり、各通信制御プロセッサ12,22,32上で実行されるプログラムとして各端末の製造時点で予め実装されるものである。
以上の処理によって親端末10へのハウスコード設定動作が終了する。
次に、子端末へのハウスコードの設定について図2のフローチャートを用いて説明する。まず、端末10へのハウスコード設定動作の終了後に、前記システムのユーザが本システムにおいて子端末となる端末20に対して、親子指定スイッチ24を「子」に設定すると共に、親端末10に付与された端末識別子15の値を親端末識別子設定スイッチ25に設定すると、通信制御プロセッサ22は親端末識別子設定スイッチ25に設定されている値を読み出し、その値から上述した特定の写像に基づき仮のハウスコードを生成する(ステップ60)。
ここで、各端末10,20,30の端末識別子の値は不揮発性メモリに内蔵されており、ユーザが直接読み取ることはできないので、各端末識別子の値が各端末10,20,30の筐体表面に記載されていれば、ユーザは容易に各端末識別子の値を設定することができる。
そして、生成された仮のハウスコードを付与したリンク確立要求パケット40が他の端末10,30に向けて送信される(ステップ61)。また、通信制御プロセッサ22は、リンク確立要求パケット40の送信に併せて、内蔵する応答待ちタイマを起動する(ステップ62)。
リンク確立要求パケット40は既設の電力線1を通じて端末10,30の両方に到達するが、端末30にはハウスコードが未設定であるため電力線搬送モデム31で廃棄される。一方、端末10においては、既にハウスコードが設定されているため、電力線搬送通信モデム11は自己のハウスコードとリンク確立要求パケット40に付与されているハウスコードを比較し、一致すればリンク確立要求パケット40を通信制御プロセッサ12に引き渡す。通信制御プロセッサ12はリンク確立要求パケット40を受け取ると、それに呼応してリンク確立応答パケット41を送信する。
リンク確立応答パケット41は電力線1を通じて端末20,30の両方に到達するが、端末30にはハウスコードが未設定であるため電力線搬送モデム31で廃棄される。
一方、端末20では、リンク確立応答パケット41の到着を監視しており(ステップ63)、端末20にリンク確立応答パケット41が到着すると、前記仮のハウスコードとリンク確立応答パケット41に付与されているハウスコードとが比較され、一致すればリンク確立応答パケット41を通信制御プロセッサ22に引き渡す。
通信制御プロセッサ22は、リンク確立応答パケット41を受け取ると、前記仮のハウスコードに基づいた親端末との相互通信に成功したと判断し、前記仮のハウスコードを正式な自己のハウスコードとして不揮発性メモリ23に書き込み保持する(ステップ64)。
また、ステップ63でリンク確立応答パケット41が到着しない場合、上記応答待ちタイマが既に満了したか判定し(ステップ65)、まだ応答待ちタイマが満了していないときは処理をステップ63に戻す。また、応答待ちタイマが既に満了していた場合には、通信制御プロセッサ22は、何らかのエラーが発生したと判断し、ユーザにエラー発生を通知するためにエラー表示LED27を点灯する(ステップ65)。そして、前記仮のハウスコードを自己のハウスコードとして設定することは行わず、端末20のハウスコードは未設定の状態を継続する。
この場合、ユーザは端末10,20の各スイッチ設定に誤りがないか等を確認し、誤りがあれば訂正した後、端末20の電源を入れ直す等の操作により、再度前記の手順に基づく端末20のハウスコード設定を再度試みることになる。
また、端末30に対しても端末20の場合と同様の手順を施すことによりハウスコード設定を行うことができる。
なお、この際、端末30が親端末である端末10宛てに送信するリンク確立要求パケットは、既にハウスコードが設定されている端末20においても受信されるが、本実施の形態に係る電力線搬送通信システムの通信プロトコルでは、リンク確立要求パケットを受信できるのは親端末のみと規定しているため、リンク確立要求パケットは子端末である端末20の通信制御プロセッサ22で廃棄されるので、端末20に到達したリンク確立要求パケットが問題となることはない。
同様に、端末10が端末30からのリンク確立要求パケットに呼応して送信する端末30宛てのリンク確立応答パケットは端末20においても受信されるが、本実施の形態に係る電力線搬送通信システムの通信プロトコルでは、リンク確立応答パケットを受信できるのはリンク確立要求パケットを送信後、リンク確立応答パケットの受信待ちの状態のみと規定しているため、この時点で前記状態にはない端末20の通信制御プロセッサ22によってリンク確立応答パケットは廃棄されるので、端末20に到達したリンク確立要求パケットが問題となることはない。
なお、各端末に付与されている端末識別子は、上記のように一意性が確実に保証できるハウスコードを自動的に生成するための入力情報として用いるため、各端末の設置場所がユーザの引越しや、ユーザ間での譲渡等により変更されることを考えると、少なくとも日本国内で供給される全ての端末の中での一意性が保証されることが要求される。更には、電力供給が世界の殆どの国で実施されている現状を考えれば、本実施の形態に係る電力線搬送通信システムは、世界的に普及する可能性があり、各端末は国境を越えて流通することも想定できるため、各端末の端末識別子は全世界に供給される全ての端末の中での一意性が保証できることが望ましい。
しかし、この場合世界中の異なる製造者が供給する各端末に対して、端末識別子を国際的に集中管理する機構を作り、本管理機構を運用する機関の設置が必要であるが、このような管理機構の作成や運用機関の設置は原理的には可能であっても、現実的には費用面、各国の産業政策の相違、各製造者間での事業方針の相違など多くの障壁があり、困難な場合が多い。
そこで、端末識別子を国際的に集中管理する管理機構を作り、その機構を運用して管理している数少ない例であるISO8802規格に準拠したMACアドレスの形式を端末識別子の形式として用いるという方法がある。ISO8802規格に準拠したMACアドレスの形式は、世界中の異なる製造者がCSMA/CD方式等に基づくLAN製品を提供する環境で一意に識別できる機構を備えており、しかも製造者識別子22ビット及び個体識別子24ビットから構成され、アドレス空間にも十分な余裕があるため、電力線搬送通信システムの各端末に対してもアドレス空間を割り当てることが可能である。
従って、本実施の形態に係る電力線搬送通信システムにおいて、各端末の端末識別子の形式としてISO8802規格に準拠したMACアドレスの形式を用いることにより、端末識別子を世界的に一意に管理する機構やその運用機関を新たに作ることなく、世界中の異なる製造者が電力線搬送通信システムの端末を提供する環境において、各端末を一意に識別することが可能となる。
以上のように、本実施の形態に係る電力線搬送通信システムによれば、各端末10,20,30にはISO8802規格に準拠したMACアドレスの形式を持つ端末識別子を製造時点で不揮発性メモリ13,23,33に内蔵させ、あるシステムにハウスコードを設定する際には、そのシステムに属させる各端末10,20,30から1つの端末10を選択し、前記選択された端末(親端末)10に付与された端末識別子に対してある特定の一対一写像を施してそのシステムを一意に識別するハウスコードを自動生成し、前記親端末10に自己のハウスコードとして設定する。
また親端末10以外の各端末(子端末)20,30には前記親端末10に付与されている端末識別子を設定し、各子端末20,30は前記設定された端末識別子に前記ある特定の一対一写像を施して仮のハウスコードを生成し、前記仮のハウスコードに基づき既設の電力線1を用いて前記親端末10との相互通信を試行し、前記相互通信に成功した場合にのみ前記仮のハウスコードを正式なハウスコードとして各子端末20,30に設定している。
従って、ハウスコードを設定する際にブロッキングフィルタあるいはハウスコード設定用の個別装置を必要とせず、特定のハウスコード管理機構を必要とせず、ユーザがハウスコード管理機構の運用機関からハウスコードを入手する手間を必要とせず、しかもシステム運営上の責務や専門知識を持たない家庭の一般消費者に対しても一意性の保証された正規のハウスコードを確実に設定させることを可能とし、商用電力の供給を受ける既設の電力線1とは異なる臨時の電力線を親端末10と各子端末20,30の間に敷設する必要がない。
更に、ハウスコードの生成に当たりISO8802規格に準拠したMACアドレスの形式を持つ端末識別子を用いれば、将来電力搬送通信システムをISO等において国際標準規格として制定する際にも、ハウスコード設定方法を変更することなく適用することが可能となる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る電力搬送通信システムについて図3を用いて説明する。この実施の形態2が図1に示す実施の形態1と異なるのは、各端末10,20,30から親端末識別子設定スイッチ16,26,36が各々なくなり、パーソナルコンピュータ接続インタフェース18,28,38、各パーソナルコンピュータ接続インタフェースに接続されたパーソナルコンピュータ19,29,39、及びパーソナルコンピュータ上で動作する端末運用管理プログラム50、51、52が各端末10,20,30に付加された点である。なお、実施の形態1と同一又は同等な構成部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
次に動作について説明する。
まず、端末10が親端末として指定されると、端末10において通信制御プロセッサ12が実施の形態1の場合と同様の方法で自己のハウスコードを生成し、不揮発性メモリ13にハウスコードを書き込む。更に、通信制御プロセッサ12は親端末に指定された端末10との通信を許可する各子端末の端末識別子をユーザに設定させるため、端末10に接続されたパーソナルコンピュータ19で動作する端末運用管理プログラム50に、パーソナルコンピュータ接続インタフェース18を通じて本設定情報の入力を要求する信号を送信する。
端末運用管理プログラム50は前記要求信号を受信すると、パーソナルコンピュータ19の表示装置に図4に示すような入力画面を表示する。ユーザは、前記入力画面において、端末10との通信を許可する各子端末の端末識別子として端末20,30の各端末識別子を前記入力画面における端末(1)(2)の入力欄に入力後、OKをクリックする。端末運用管理プログラム50は、前記OKをクリックされると端末20,30の各端末識別子を、パーソナルコンピュータ接続インタフェース18を通じて通信制御プロセッサ12に送信し、通信制御プロセッサ12は前記各端末識別子を、通信を許可する子端末の端末識別子として不揮発性メモリ13に書き込んで保持する。
以上の通り端末10へのハウスコード設定、及び通信を許可する子端末の端末識別子の設定動作が終了すると、本システムのユーザは子端末となる端末20において、親子指定スイッチ24を「子」に設定する。親子指定スイッチ24が「子」に設定されると、通信制御プロセッサ22は、親端末の端末識別子をユーザに設定させるため、端末20に接続されたパーソナルコンピュータ29で動作する端末運用管理プログラム51に、パーソナルコンピュータ接続インタフェース28を通じて本設定情報の入力を要求する信号を送信する。
端末運用管理プログラム51は前記要求信号を受信すると、パーソナルコンピュータ29の表示装置に図5に示すような入力画面を表示する。ユーザは、前記入力画面において、親端末である端末10の筐体表面に予め記載されている端末10の端末識別子を入力し、OKをクリックする。端末運用管理プログラム51は前記OKをクリックされると、親端末10の端末識別子を、パーソナルコンピュータ接続インタフェース28を通じて通信制御プロセッサ22に送信する。
通信制御プロセッサ22は親端末10の端末識別子を受信すると、実施の形態1における親端末識別子設定スイッチ26に設定されている値を、前記受信した親端末10の端末識別子の値として図2に示す処理手順を実行するが、リンク確立要求パケットを送信する処理においては、「仮のハウスコード」と共に送信元の端末を識別するための情報(送信元端末識別子)として端末20の端末識別子25の値を前記リンク確立要求パケットに付与するものとする。
端末10では、前記リンク確立要求パケットを受信した際、その中に付与されている送信元端末識別子と不揮発性メモリ13に書き込まれている「通信を許可する各子端末の端末識別子」を比較し、一致するものがある場合のみリンク確立応答パケットを送信するものとし、一致するものがない場合にはリンク確立応答パケットを送信しないものとする。以上の手順により、実施の形態1の場合と同様に端末20のハウスコード設定が可能となる。
また、端末30に対しても端末20と同様の手順でハウスコード設定を行う。
以上のように本実施の形態に係る電力搬送通信システムによれば、実施の形態1に示す手段に加え、親端末10には通信を許可する各子端末20,30の端末識別子を設定すると共に、各子端末20,30が送信するリンク確立パケットには送信元端末識別子を付与している。親端末10では前記リンク確立要求パケットを受信した際、その中に付与されている送信元端末識別子と不揮発性メモリに書き込まれている「通信を許可する各子端末の端末識別子」を比較して、一致するものがある場合のみリンク確立応答パケットを送信する。
このため、前記子端末20,30に設定する親端末識別子の設定をユーザが誤り、しかもその誤って設定した親端末識別子の値が電力線を共有する別のシステムに属する親端末の端末識別子と偶然一致した場合においても、前記別のシステムに属する親端末には子端末20,30の識別子は設定されていないので、前記別のシステムに属する親端末から子端末20,30にリンク確立応答パケットが送信されることはない。その結果、子端末20,30では、エラー表示LED27,37を点灯させて、ユーザに設定誤りを直ぐに認識させることになり、より確実なハウスコードの設定が可能となる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3に係る電力搬送通信システムについて図6を用いて説明する。この実施の形態3は、実施の形態1,2のシステムを宅外の通信システムに接続した電力搬送通信システムであり、特にアクセスネットワークを通じてインターネットに接続したシステム構成を有している。
図6において、70は実施の形態1,2に係る電力線搬送通信システムを設置した住宅、71は住宅70における既設の電力線、72は図3における10と同様の内部構造を持つ端末、73は図3における19と同様の内部構造を持つパーソナルコンピュータ、80は実施の形態1,2に係る電力線搬送通信システムを設置したもう1つの住宅、81は住宅80における既設の電力線、82,83は図3における10と同様の内部構造を持つ端末、84,85は図3における19と同様の内部構造を持つパーソナルコンピュータである。
また、90は住宅70,80に電力を供給する電柱、91は住宅70に電力を供給するための低圧引込み線、92は住宅80に電力を供給するための低圧引込み線、93は低圧引込み線91と住宅70の既設の電力線71を接続するホーム分電盤、94は低圧引込み線92と住宅80の既設の電力線81を接続するホーム分電盤、95は電柱間に敷設されている光ファイバ、96は低圧引込み線91、92を流れる電力線搬送通信の信号と光ファイバ95を流れる光信号を相互に変換する機能を備えた中継装置、97は光ファイバ95を主な通信媒体とするアクセスネットワーク、98はインターネットをそれぞれ示している。なお、中継装置96は電力線搬送通信の信号を送受する際には、電力線搬送通信システムにおける1つの端末として動作する。
次に動作について説明する。
まず、住宅80の端末82、83は、それぞれに接続されているパーソナルコンピュータ84、85が住宅80内において既設の電力線80を通じて相互に通信できるよう、実施の形態2に示す如くハウスコードが設定される。
次に、住宅70の端末72はそれに接続されているパーソナルコンピュータ73がアクセスネットワーク97を通じてインターネット98に接続できるよう、中継装置96との間で既設の電力線71、ホーム分電盤93、低圧引込み線91を通じて電力線搬送通信を用いて通信できるための設定を行う。この際、端末72と中継装置96の通信に用いる信号は、低圧引込み線92を通じて住宅80内の既設の電力線81にも伝播していくため、端末82,83の間の通信との混信を避けるようにしなければならない。このためには、端末72と中継装置96は、端末82,83に設定されているハウスコードとは異なるハウスコードを持つ必要がある。
端末72と中継装置96へ前記ハウスコードを設定するためには、実施の形態1,2に示す方法が適用可能である。しかし、中継装置96の所有者は通例アクセスネットワーク97を運営するインターネット接続会社であり、一方端末72の所有者は通例住宅70の住人である。このように、互いに所有者が異なるため、ハウスコードを設定する際、例えば「親」を中継装置96にすれば、住宅70の住人は端末72に中継装置96と通信するためのハウスコードを設定するために、中継装置96に付与されている端末識別子を、中継装置96の所有者である前記インターネット接続会社から入手する必要がある。従って、中継装置96の端末識別子を前記インターネット接続会社から入手する手間が発生するため、実施の形態1,2では解決されていた「発明が解決しようとする課題」に示す第3の課題に類似した課題が再び発生することになる。
前記課題は、中継装置96と各端末72,82,83で構成される電力線搬送通信システムには、常に共通のハウスコードを設定することにより解決することができる。すなわち、このようなハウスコードの設定を前提とすれば、中継装置96と各端末72,82,83には、それぞれの製造段階で中継装置96と各端末72,82,83で構成される電力線搬送通信システムに共通のハウスコードを設定しておくことができ、それらの設置時には中継装置96と各端末72,82,83が通信するためのハウスコードの設定が不要となる。
このため、中継装置96が電力線搬送通信システムにおける1つの端末として動作するための端末識別子を、各端末72,82,83のユーザが当該の中継装置96を所有するインターネット接続会社から入手する手間が不要となる。
ここで、前記共通のハウスコードには端末間の通信に用いるハウスコードの値とは決して重複することがない、ある特定の値を割り当てれば良い。例えば、端末間の通信に用いるハウスコードの値は常に正の整数を割り当てると規定した場合には、前記共通のハウスコードの値には0を割り当てることができる。
なお、図6において、住宅80の端末83に接続されているパーソナルコンピュータ85が同一宅内の端末82を介してパーソナルコンピュータ84と通信するだけでなく、同時に中継装置96を経由したインターネットとも通信する場合には、端末83は製造段階で設定された前記共通のハウスコード、及びその設置段階で設定される宅内通信用のためのハウスコード、すなわち2つのハウスコードを合わせ持ち、通信相手が端末82を介したパーソナルコンピュータ84であるか、中継装置96を経由したインターネットであるかにより使用するハウスコードを選択することになる。
このようなハウスコードの選択、換言すればハウスコードによって特定される通信路の選択は、通例OSI参照モデルにおけるネットワーク層の機能を用いて行うことができる。前記ネットワーク層はインターネットにおいてはIP(Internet Protocol)、ARP(Address Resolution Protocol)等の各プロトコルから構成される。
更に、前記の解決方法を発展させると、全ての端末72,82,83にはその製造段階で中継装置96と通信するための前記共通のハウスコードを設定しておき、当該の端末72,82,83を中継装置96が設置されている電柱90から電力供給を受けている住宅に設置しさえすれば、前記中継装置96を経由したインターネット98への接続が可能となる。
以上から、前記インターネット接続会社は、自社の所有する中継装置96と通信できる環境に設置された各端末72,82,83に対して、設置された時点から一定期間は無条件に前記中継装置96を経由したインターネット98への接続を可能とし、前記一定期間経過後は前記各端末72,82,83のユーザとの加入契約を結ぶことを条件に前記中継装置96を経由したインターネット98との接続を可能とするインターネット接続ビジネスの実現が可能となる。
なお、各端末72,82,83に対して当該の中継装置96を経由したインターネット98との接続を許可するか否かの管理は、アクセスネットワークにおける中継装置96のオンライン管理機能等を用いて実現できることは言うまでもない。
以上のように実施の形態3に係る電力線搬送通信システムによれば、電力線搬送通信システムと電力線搬送通信以外の通信手段を用いる通信システムを相互に接続する中継装置96、及び前記中継装置96と電力線搬送通信を用いて通信する各端末72,82,83には、製造時点で常に共通のハウスコードを設定するようにしているので、前記中継装置96の所有者、例えばインターネット接続会社と前記各端末72,82,83の所有者、ユーザである一般家庭の消費者の間で、実施の形態1,2に示すハウスコード設定方法に必要な親端末の端末識別子に関する情報を受け渡す手間を省くことが可能となる。
更に、前記中継装置96と通信する端末72,82,83は、設置された時点から一定期間は無条件に前記中継装置96との通信を許可し、前記一定期間経過後は前記端末72,82,83の使用者と前記中継装置96の所有者または運用者との間で加入契約を結ぶことを条件に前記中継装置96との通信を許可するようにしているので、インターネット接続ビジネスを実施する際には、ユーザが前記中継装置96と通信できる環境に端末72,82,83を設置した当初は、無料のインターネット接続サービスを一定期間、前記ユーザに利用させ、インターネットの利点や楽しさを直接経験させることができ、ユーザ数すなわち顧客数の増加を促進するビジネスモデルを確立することが可能となる。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明に係るハウスコード設定方法および電力線搬送通信システムは、家庭の一般消費者に対しても一意性の保証された正規のハウスコードを確実に設定させることが可能になるので、パソコンをはじめとする家庭内の各種情報機器を対象とした「新たな回線敷設を必要としない家庭用の通信手段」としての利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施の形態1に係る電力線搬送通信システムを示すブロック図である。
図2は、第1の実施の形態に係るハウスコード設定方法を示すフローチャートである。
図3は、実施の形態2に係る電力線搬送通信システムを示すブロック図である。
図4は、子端末の端末識別子入力画面を示す図である。
図5は、親端末の端末識別子入力画面を示す図である。
図6は、実施の形態3に係る電力線搬送通信システムを示すブロック図である。
図7は、従来の電力線搬送通信システムを示すブロック図である。
Claims (13)
- 電力線によって接続され、当該電力線を介して情報の交換を行うと共に、各々固有の端末識別子が付与された複数の端末に対し、これらの端末が属する自システムと他システムの混信を防止するためのハウスコードを設定するハウスコード設定方法において、
同一システムに属する各端末から選択された親端末に付与された前記端末識別子に基づいて、同一システムで共通なコードとして前記ハウスコードを生成し、各端末に設定することを特徴とするハウスコード設定方法。 - 前記各端末は、「親」あるいは「子」に設定する親子設定スイッチを備え、前記親子設定スイッチが「親」に設定された場合に、自己の端末識別子に基づいて前記ハウスコードを生成し、自己の端末に設定することを特徴とする請求項1記載の電力線搬送通信システム。
- 前記親子設定スイッチが「子」に設定された場合に、前記親端末に設定された前記ハウスコードを読み出して、このハウスコードを自己の端末に設定することを特徴とする請求項2記載のハウスコード設定方法。
- 前記親子設定スイッチが「子」に設定された場合に、前記親端末の識別子に基づいて仮のハウスコードを生成し、前記仮のハウスコードに基づいて前記電力線を用いて前記親端末との相互通信を試行し、前記相互通信に成功した場合に、前記仮のハウスコードを正式なハウスコードとして自己の端末に設定することを特徴とする請求項3記載のハウスコード設定方法。
- 前記親端末には、自己との通信を許可する他の端末の端末識別子が予め設定されており、これらの端末識別子以外の端末識別子を有する端末から相互通信を要求された場合に、前記相互通信を拒否することを特徴とする請求項4記載のハウスコード設定方法。
- 電力線によって接続され、当該電力線を介して情報の交換を行うと共に、各々固有の端末識別子が付与された複数の端末を備え、
前記各端末は、他システムと自システムの混信を防止するハウスコードを保持し、前記ハウスコードは、同一システムに属する各端末から選択された親端末に付与された前記端末識別子に基づいて、同一システムで共通なコードとして生成されることを特徴とする電力線搬送通信システム。 - 前記各端末は、前記ハウスコードを設定する記憶部と、「親」あるいは「子」に設定する親子設定スイッチと、前記親子設定スイッチが「親」に設定された場合に、自己の端末識別子に基づいて前記ハウスコードを生成して、自己の前記記憶部に設定する制御部とを備えることを特徴とする請求項6記載の電力線搬送通信システム。
- 前記制御部は、前記親子設定スイッチが「子」に設定された場合に、前記親端末の前記記憶部から前記ハウスコードを読み出して、このハウスコードを自己の前記記憶部に設定することを特徴とする請求項7記載の電力線搬送通信システム。
- 前記制御部は、前記親子設定スイッチが「子」に設定された場合に、前記親端末の識別子に基づいて仮のハウスコードを生成し、前記仮のハウスコードに基づいて前記電力線を用いて前記親端末との相互通信を試行し、前記相互通信に成功した場合に、前記仮のハウスコードを正式なハウスコードとして自己の前記記憶部に設定することを特徴とする請求項8記載の電力線搬送通信システム。
- 前記親端末の前記記憶部には、自己との通信を許可する他の端末の端末識別子が予め設定されており、これらの端末識別子以外の端末識別子を有する端末から相互通信を要求された場合に、前記相互通信を拒否することを特徴とする請求項9記載の電力線搬送通信システム。
- 端末識別子の形式としてISO8802規格に準拠したMACアドレスの形式を用いることを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか一項に記載の電力線搬送通信システム。
- 電力線搬送通信によって情報の交換を行う1つ以上の端末を備えた通信システムと、
前記通信システムを電力線搬送通信以外の通信手段を用いるシステムに中継する中継装置とを備え、
前記通信システムの端末と前記中継装置とは、他システムと自システムの混信を防止するハウスコードを保持し、前記ハウスコードは常に共通のコードを設定することを特徴とする電力線搬送通信システム。 - 前記通信システムの端末は、設置された時点から一定期間は無条件に前記中継装置との通信を許可し、前記一定期間経過後は前記端末の使用者と前記中継装置の所有者または運用管理者との間での契約を結ぶことを条件に前記中継装置との通信を許可することを特徴とする請求項12記載の電力線搬送通信システム。
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