JPWO2002034268A1 - 5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩を有効成分として含有する徐放性製剤 - Google Patents
5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩を有効成分として含有する徐放性製剤 Download PDFInfo
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Abstract
親水性基を有さない水不溶性ポリマーフィルムからなる放出制御膜で被覆してなる5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。本発明の製剤は、放出パターンが20時間以上にわたり持続し、治療のために適切な投与を行なうことができる。また、製剤自体も安定で、pHによる放出パターンへの変化がなく、経時変化による劣化、着色等も見られない。
Description
技術分野
本発明は、5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤に関する。
背景技術
下記の構造式
で示される5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩(以下、本化合物という。)はα−ブロッカー作用を有し、排尿障害治療剤として有用である(特開昭62−51672号、特開平3−90027号(USP5,075,308号))。
本化合物は安定ではあるが、吸収および代謝のいずれも早いという性質を有しているため、有効血中濃度を長時間維持することができない。すなわち、通常の錠剤(後述の比較例1で製造した本化合物3mgを含有する錠剤)を経口投与した際の血中濃度パターンは図1に示す通りであり、有効血中濃度は5時間程度しか保たれない。そこで、α−ブロッカーとしての作用効果を持続するためには、本化合物は比較的少量ずつ何回も投与する必要がある。
本発明者らはこの問題を解決するため、本化合物を徐放性製剤化することを検討した。
徐放性製剤を調製する場合、通常は、顆粒ないしは錠剤の周りを徐放性の皮膜でコーティングすることが行なわれる。本発明者らもこの手法について種々検討した結果、エチルセルロース、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体(オイドラギットRS30D,登録商標,レーム・ファーマ社)を放出制御膜として使用した徐放性製剤では12時間以上に亘り持続して薬物を放出できることを確認した。しかし、いずれも溶出速度がpHの影響を大きく受け放出パターンが一定せず、また経時的に着色し安定性に欠けるものであった。
本発明者らは、上記製剤の放出パターンが安定せず、また経時的に不安定である原因は、本化合物が塩酸塩であることによるのではないかと考え、徐放性の皮膜として、酸に影響を受けない皮膜、すなわち親水基を有さない水不溶性の皮膜を用いた徐放性製剤について鋭意検討を重ねた。その結果、作用効果が持続し、放出パターンが一定化し、かつ経時的に安定な製剤を得て、本発明を完成するに至った。
発明の開示
すなわち、本発明は、下記1〜5の徐放性製剤に関する。
1.親水性基を有さない水不溶性ポリマーフィルムからなる放出制御膜で被覆してなる5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。
2.親水性基を有さない水不溶性ポリマーが、アクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの共重合体である前項1記載の5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。
3.前記共重合体中のアクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの割合が、メタアクリル酸メチル1に対しアクリル酸エチル1〜4である前項2記載の5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。
4.前記共重合体中のアクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの割合が、メタアクリル酸メチル1に対しアクリル酸エチル1.5〜3.5である前項2記載の5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。
5.前記共重合体中のアクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの共重合体がアクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体乳濁液である前項2記載の5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。
本発明の徐放性製剤によれば、放出パターンが適切な製剤が得られ、治療のために適切な投与を行なうことができる。また、本徐放性製剤は安定で、経時劣化、着色等も見られない。すなわち、本発明の徐放性製剤(本化合物9mg)を用いたヒトの血中濃度の変化は図2に示す通りであり、20時間程度有効血中濃度を保っている。
発明の詳細な説明
以下本発明の製剤について詳しく説明する。
本発明の徐放性製剤は、薬物粒子と放出制御膜からなる。
薬物粒子:
薬物粒子は、本化合物、賦形剤、流動化剤、結合剤等からなり、これらを粉砕混合し造粒して調製する。
賦形剤としては、例えばコーンスターチ等が挙げられる。流動化剤としては、例えば、軽質無水珪酸等が挙げられる。結合材としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
造粒の際、核材料は用いても用いなくともよいが、用いた方が、真球性、放出パターンの安定性の点等から有利である。核材料としては、例えば白糖やセルロースを用いることができる。
薬物粒子における本化合物と賦形剤等の配合割合は、例えば本化合物100gに対して、賦形剤300〜700g、流動化剤3〜30g程度であり、核材料は2500g程度まで用いられる。
放出制御膜:
本発明の徐放性製剤に用いられる放出制御膜は、薬学的に許容され、親水基を有さない水不溶性ポリマーからなるフィルムであれば特に限定されない。ここで親水基とは、水酸基、アミノ基、カルボキシ基等水に親和する基を言う。イオン性でも非イオン性でもよい。
本発明で放出制御膜として使用される好ましい材料としては、アクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの共重合体が挙げられる。
より好ましい放出制御膜材料としては、アクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの割合が、メタアクリル酸メチル1に対しアクリル酸エチル1〜4である共重合体が挙げられる。さらに好ましい割合は、メタアクリル酸メチル1に対しアクリル酸エチル1.5〜3.5である。
最も好ましい放出制御膜は、アクリル酸エチル:メタアクリル酸メチル=7:3の割合であるアクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの共重合体である。具体的には、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体乳濁液(オイドラギットNE30D(登録商標,レーム・ファーマ社製))が挙げられる。オイドラギットNE30Dとは、アクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルのポリオキシエチレン・ノニルフェニルエーテル(100E.O.)水溶液中で得られた共重合体の乳濁液で、本品を乾燥したものは、メトキシル基7.0〜10.0%、エトキシル基21.0〜33.0%を含む。
[本発明製剤の製造方法]
本発明の徐放性製剤は、例えば、以下の方法により製造することができる。
1.粉砕した原薬(本化合物)、賦形剤および流動化剤の混合物を調製する。
2.結合剤と溶媒(例えば、水、エタノール等)の混合物を調製する。
3.上記1および2の調製物を混合し造粒する。この際、核となる材料を同時に混合してもよい。
4.得られた粒子を乾燥する。
5.親水基を有さない水不溶性ポリマー、付着防止剤(例えば、タルク等)および溶媒(例えば、水等)を混合し、得られた乳濁液と流動化剤(例えば、軽質無水珪酸等)を用いて、4の乾燥粒子をコーティングする。
6.粒子上の放出制御膜を50〜100℃、好ましくは60〜80℃の温度に、30分〜12時間、好ましくは1〜8時間保持してキュアリングを行なう。
放出制御膜はキュアリング後の薬物粒子の約10〜14質量%となるような量でコーティングすることが好ましい。
図9に本発明の好ましい態様である、造粒核材料(1)を用い、本化合物の薬物層(2)を本発明の放出制御膜(3)で被覆してなる本発明製剤粒子の一部切り欠き斜視図を示す。
上記の方法により造粒し、平均粒径0.1mm〜数mm、好ましくは約1mm前後の粒剤とする。この粒剤はそのまま顆粒剤とするか、またはカプセルに充填し、最終製品とすることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:本発明徐放性製剤の製造
本化合物(原薬;30g)、コーンスターチ(187.5g)および軽質無水珪酸(1g)を混合した。これに、核粒子として結晶セルロース粒(700g,粒径0.5〜0.7mm)を用い、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース(24g)のエタノール(376g)溶液を被覆造粒した。造粒物を流動層乾燥機を用いて乾燥した後分級した。
得られた薬物粒子(平均粒径600〜700μm,400g)をタルク(24g)およびオイドラギットNE30Dの水懸濁液(登録商標;レーム・ファーマ社,80g、固形分として24g)でコーティングした。所定のコーティング液をかけ終わったところで流動化剤を添加し、70℃で6時間キュアリングを行った。得られた顆粒を1カプセルあたりの本化合物含量が3mgになるよう、ゼラチンカプセルに充填した。
実施例2:本発明徐放性製剤の大量生産
実施例1において原材料の量を、本化合物(原薬;1.6kg)、コーンスターチ(9.8kg)、軽質無水珪酸(60g)、結晶セルロース粒(37kg、粒子径0.5〜0.7mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(1.705kg)、エタノール溶液(18.3kg)に代えて実施例1に準じた操作(薬物粒子の製造法)を行ない、約50kgの薬物粒子を得た。
上記の操作を2回行い、得られた薬物粒子(平均粒径600〜700μm、95kg)をタルク(5.7kg)およびオイドラギットNE30Dの水懸濁液(登録商標;レーム・ファーマ社、19kg、固形分として5.7kg)を用いて実施例1に準じた操作(薬物制御層の製造法)を行ない、本発明の徐放性製剤を得た。
溶出試験:
溶出試験は、日本薬局方パドル法100rpmに従って行なった。溶出液としては、ヒト消化器内を想定した各種pHの緩衝液を用いた。結果を図3に示す。また、本製剤を各々2ヶ月間、(1)60℃加熱試験、(2)40℃での加湿試験75%、(3)光暴露試験1200kルックスの加速試験後、溶出試験を同様に行ない、安定性を検討した。溶出液には精製水を用いた。結果を図4に示す。図中「initial」とは、何も処置していない本製剤を表わす。
結果:
日本薬局方パドル法溶出試験では、いずれのpHにおいても、同様の放出パターンを示し、pHによるパターンの変化は認められなかった。
加熱、加湿、光暴露試験後の溶出試験結果(図4)は、いずれの加速試験後の製剤も「initial」に比べ、著明な変化は認められず、安定性に問題はなかった。また、外観上の着色も認められなかった。
比較例1:通常の錠剤の製造
本化合物(原薬;30g)とマンニット(577g)、結晶セルロース(300g)、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(50g)、軽質無水珪酸(5g)を混合し、流動層造粒機にて、ヒドロキシプロピルセルロース(30g)水溶液を噴霧して造粒した。造粒終了後、乾燥し、ステアリン酸マグネシウム(8g)を混合し、打錠し、素錠を得た。得られた素錠に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(9g)、マクロゴール6000(0.9g)、酸化チタン(3g)に水を加え、全量で90gになるよう調製したコーティング液で、得られた素錠をコーティングし、本化合物3mgを含有する錠剤(10000錠)を得た。
溶出試験:
溶出試験は、日本薬局方パドル法50rpmを用いて行なった。溶出液として精製水を用いた。結果を図5に示す。30分間で75%以上の放出率を示し、製剤的に使用することができないとの結論を得た。
比較例2:エチルセルロースを用いた徐放性製剤
本化合物(原薬;30g)、コーンスターチ(187.5g)および軽質無水珪酸(1g)を混合した。これに、ヒドロキシプロピルセルロース(24g)のエタノール(376g)溶液を結合剤として、結晶セルロース粒(700g)を核粒子として被覆造粒した。造粒物を流動層乾燥機を用いて乾燥した後、分級した。
得られた薬物粒子(400g)をグリセリン脂肪酸エチル(15.6g)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC5EW:登録商標,信越化学株式会社製)(1.6g)およびエチルセルロース(アクアコート:登録商標,旭化成株式会社)(109.2g、固形分として62.8g)でコーティングした。所定のコーティング液をかけ終わったところで、キュアリングを行った。得られた顆粒を1カプセルあたりの本化合物含量が3mgになるよう、ゼラチンカプセルに充填した。
溶出試験:
実施例1と同様、日本薬局方パドル法100rpmに従い、溶出試験を行なった。また安定性試験を実施例1と同様にして行なった。溶出液には精製水を用いた。ただし、光暴露は、1200kルックスに代えて、300kルックスで行なった。結果を図6(日本薬局方パドル法溶出試験)および図7(安定性試験)に示す。溶出試験の結果、pHによる溶出の差は認められなかった。加熱、加湿、光暴露の加速試験(安定性試験)後は、全ての条件において、うす茶色の変色が肉眼で認められた。図7に示されるように、加速試験の内、60℃加熱試験後の製剤は溶出速度が有意に速くなっており、経時変化が認められた。
比較例3:オイドラギットRS30D(登録商標)を用いた徐放性製剤
本化合物(原薬;30g)、コーンスターチ(187.5g)および軽質無水珪酸(1g)を混合した。これに、ヒドロキシプロピルセルロース(24g)のエタノール(376g)溶液を結合剤として、結晶セルロース粒(700g)を核材料粒子として被覆造粒した。造粒物を流動層乾燥機を用いて乾燥後、分級した。
得られた薬物粒子(400g)をタルク(16.2g)およびクエン酸トリエチル(3.25g)およびオイドラギットRS30D(アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体)の水懸濁液(登録商標;レーム・ファーマ社)(108g、固形分として32.5g)でコーティングした。所定のコーティング液をかけ終わったところで、キュアリングを行った。得られた顆粒1カプセルあたりの本化合物含量が3mgとなるようゼラチンカプセルに充填した。
溶出試験:
溶出試験は、実施例1と同様、日本薬局方パドル法100rpmを用いて行なった。結果を図8に示す。pHにより、溶出速度に大きな差が認められた。pH1.2およびpH6.8では、溶出が極めて遅く、pH4.0では、溶出は早くなっており、ヒトに投与した際に安定した放出が得られないことが分かった。オイドラギットRSは、pHの影響を受けないとされているが、本化合物の製剤の場合、影響を受けていることが分かる。
実施例1、および比較例1〜3の結果をまとめて表1に示す。
表1に示されるように、通常の錠剤は放出が早すぎるため使用できない。オイドラギットRS30Dを用いた徐放性製剤は、pHの影響で放出パターンが変化し、また保存中に着色するため使用できない。エチルセルロースを用いた徐放性製剤は、放出パターンに問題はないが、温度による経時変化、保存中の着色の問題がある。
一方、本発明の徐放性製剤は、適切な放出パターンを示し、pHによる放出パターンの変化もなく、かつ保存中の着色も見られず優れた製剤であることが分かる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本化合物の通常の錠剤をヒトに投薬した際の血中薬物濃度のパターンを示すグラフである。
図2は、本発明の徐放性製剤をヒトに投薬した際の血中薬物濃度のパターンを示すグラフである。
図3は、本発明製剤の種々のpHでの放出パターンを示すグラフである。
図4は、本発明製剤の加速試験後の放出パターンを示すグラフである。
図5は、本化合物の通常の錠剤の放出パターンを示すグラフである。
図6は、本化合物のエチルセルロース皮膜による徐放性製剤の種々のpHでの放出パターンを示すグラフである。
図7は、本化合物のエチルセルロース皮膜による徐放性製剤の加速試験後の放出パターンを示すグラフである。
図8は、本化合物のオイドラギットRS30D皮膜による徐放性製剤の種々のpHでの放出パターンを示すグラフである。
図9は、本発明徐放性製剤の好ましい態様の一部切り欠き斜視図である。
本発明は、5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤に関する。
背景技術
下記の構造式
で示される5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩(以下、本化合物という。)はα−ブロッカー作用を有し、排尿障害治療剤として有用である(特開昭62−51672号、特開平3−90027号(USP5,075,308号))。
本化合物は安定ではあるが、吸収および代謝のいずれも早いという性質を有しているため、有効血中濃度を長時間維持することができない。すなわち、通常の錠剤(後述の比較例1で製造した本化合物3mgを含有する錠剤)を経口投与した際の血中濃度パターンは図1に示す通りであり、有効血中濃度は5時間程度しか保たれない。そこで、α−ブロッカーとしての作用効果を持続するためには、本化合物は比較的少量ずつ何回も投与する必要がある。
本発明者らはこの問題を解決するため、本化合物を徐放性製剤化することを検討した。
徐放性製剤を調製する場合、通常は、顆粒ないしは錠剤の周りを徐放性の皮膜でコーティングすることが行なわれる。本発明者らもこの手法について種々検討した結果、エチルセルロース、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体(オイドラギットRS30D,登録商標,レーム・ファーマ社)を放出制御膜として使用した徐放性製剤では12時間以上に亘り持続して薬物を放出できることを確認した。しかし、いずれも溶出速度がpHの影響を大きく受け放出パターンが一定せず、また経時的に着色し安定性に欠けるものであった。
本発明者らは、上記製剤の放出パターンが安定せず、また経時的に不安定である原因は、本化合物が塩酸塩であることによるのではないかと考え、徐放性の皮膜として、酸に影響を受けない皮膜、すなわち親水基を有さない水不溶性の皮膜を用いた徐放性製剤について鋭意検討を重ねた。その結果、作用効果が持続し、放出パターンが一定化し、かつ経時的に安定な製剤を得て、本発明を完成するに至った。
発明の開示
すなわち、本発明は、下記1〜5の徐放性製剤に関する。
1.親水性基を有さない水不溶性ポリマーフィルムからなる放出制御膜で被覆してなる5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。
2.親水性基を有さない水不溶性ポリマーが、アクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの共重合体である前項1記載の5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。
3.前記共重合体中のアクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの割合が、メタアクリル酸メチル1に対しアクリル酸エチル1〜4である前項2記載の5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。
4.前記共重合体中のアクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの割合が、メタアクリル酸メチル1に対しアクリル酸エチル1.5〜3.5である前項2記載の5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。
5.前記共重合体中のアクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの共重合体がアクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体乳濁液である前項2記載の5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。
本発明の徐放性製剤によれば、放出パターンが適切な製剤が得られ、治療のために適切な投与を行なうことができる。また、本徐放性製剤は安定で、経時劣化、着色等も見られない。すなわち、本発明の徐放性製剤(本化合物9mg)を用いたヒトの血中濃度の変化は図2に示す通りであり、20時間程度有効血中濃度を保っている。
発明の詳細な説明
以下本発明の製剤について詳しく説明する。
本発明の徐放性製剤は、薬物粒子と放出制御膜からなる。
薬物粒子:
薬物粒子は、本化合物、賦形剤、流動化剤、結合剤等からなり、これらを粉砕混合し造粒して調製する。
賦形剤としては、例えばコーンスターチ等が挙げられる。流動化剤としては、例えば、軽質無水珪酸等が挙げられる。結合材としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
造粒の際、核材料は用いても用いなくともよいが、用いた方が、真球性、放出パターンの安定性の点等から有利である。核材料としては、例えば白糖やセルロースを用いることができる。
薬物粒子における本化合物と賦形剤等の配合割合は、例えば本化合物100gに対して、賦形剤300〜700g、流動化剤3〜30g程度であり、核材料は2500g程度まで用いられる。
放出制御膜:
本発明の徐放性製剤に用いられる放出制御膜は、薬学的に許容され、親水基を有さない水不溶性ポリマーからなるフィルムであれば特に限定されない。ここで親水基とは、水酸基、アミノ基、カルボキシ基等水に親和する基を言う。イオン性でも非イオン性でもよい。
本発明で放出制御膜として使用される好ましい材料としては、アクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの共重合体が挙げられる。
より好ましい放出制御膜材料としては、アクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの割合が、メタアクリル酸メチル1に対しアクリル酸エチル1〜4である共重合体が挙げられる。さらに好ましい割合は、メタアクリル酸メチル1に対しアクリル酸エチル1.5〜3.5である。
最も好ましい放出制御膜は、アクリル酸エチル:メタアクリル酸メチル=7:3の割合であるアクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの共重合体である。具体的には、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体乳濁液(オイドラギットNE30D(登録商標,レーム・ファーマ社製))が挙げられる。オイドラギットNE30Dとは、アクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルのポリオキシエチレン・ノニルフェニルエーテル(100E.O.)水溶液中で得られた共重合体の乳濁液で、本品を乾燥したものは、メトキシル基7.0〜10.0%、エトキシル基21.0〜33.0%を含む。
[本発明製剤の製造方法]
本発明の徐放性製剤は、例えば、以下の方法により製造することができる。
1.粉砕した原薬(本化合物)、賦形剤および流動化剤の混合物を調製する。
2.結合剤と溶媒(例えば、水、エタノール等)の混合物を調製する。
3.上記1および2の調製物を混合し造粒する。この際、核となる材料を同時に混合してもよい。
4.得られた粒子を乾燥する。
5.親水基を有さない水不溶性ポリマー、付着防止剤(例えば、タルク等)および溶媒(例えば、水等)を混合し、得られた乳濁液と流動化剤(例えば、軽質無水珪酸等)を用いて、4の乾燥粒子をコーティングする。
6.粒子上の放出制御膜を50〜100℃、好ましくは60〜80℃の温度に、30分〜12時間、好ましくは1〜8時間保持してキュアリングを行なう。
放出制御膜はキュアリング後の薬物粒子の約10〜14質量%となるような量でコーティングすることが好ましい。
図9に本発明の好ましい態様である、造粒核材料(1)を用い、本化合物の薬物層(2)を本発明の放出制御膜(3)で被覆してなる本発明製剤粒子の一部切り欠き斜視図を示す。
上記の方法により造粒し、平均粒径0.1mm〜数mm、好ましくは約1mm前後の粒剤とする。この粒剤はそのまま顆粒剤とするか、またはカプセルに充填し、最終製品とすることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:本発明徐放性製剤の製造
本化合物(原薬;30g)、コーンスターチ(187.5g)および軽質無水珪酸(1g)を混合した。これに、核粒子として結晶セルロース粒(700g,粒径0.5〜0.7mm)を用い、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース(24g)のエタノール(376g)溶液を被覆造粒した。造粒物を流動層乾燥機を用いて乾燥した後分級した。
得られた薬物粒子(平均粒径600〜700μm,400g)をタルク(24g)およびオイドラギットNE30Dの水懸濁液(登録商標;レーム・ファーマ社,80g、固形分として24g)でコーティングした。所定のコーティング液をかけ終わったところで流動化剤を添加し、70℃で6時間キュアリングを行った。得られた顆粒を1カプセルあたりの本化合物含量が3mgになるよう、ゼラチンカプセルに充填した。
実施例2:本発明徐放性製剤の大量生産
実施例1において原材料の量を、本化合物(原薬;1.6kg)、コーンスターチ(9.8kg)、軽質無水珪酸(60g)、結晶セルロース粒(37kg、粒子径0.5〜0.7mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(1.705kg)、エタノール溶液(18.3kg)に代えて実施例1に準じた操作(薬物粒子の製造法)を行ない、約50kgの薬物粒子を得た。
上記の操作を2回行い、得られた薬物粒子(平均粒径600〜700μm、95kg)をタルク(5.7kg)およびオイドラギットNE30Dの水懸濁液(登録商標;レーム・ファーマ社、19kg、固形分として5.7kg)を用いて実施例1に準じた操作(薬物制御層の製造法)を行ない、本発明の徐放性製剤を得た。
溶出試験:
溶出試験は、日本薬局方パドル法100rpmに従って行なった。溶出液としては、ヒト消化器内を想定した各種pHの緩衝液を用いた。結果を図3に示す。また、本製剤を各々2ヶ月間、(1)60℃加熱試験、(2)40℃での加湿試験75%、(3)光暴露試験1200kルックスの加速試験後、溶出試験を同様に行ない、安定性を検討した。溶出液には精製水を用いた。結果を図4に示す。図中「initial」とは、何も処置していない本製剤を表わす。
結果:
日本薬局方パドル法溶出試験では、いずれのpHにおいても、同様の放出パターンを示し、pHによるパターンの変化は認められなかった。
加熱、加湿、光暴露試験後の溶出試験結果(図4)は、いずれの加速試験後の製剤も「initial」に比べ、著明な変化は認められず、安定性に問題はなかった。また、外観上の着色も認められなかった。
比較例1:通常の錠剤の製造
本化合物(原薬;30g)とマンニット(577g)、結晶セルロース(300g)、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(50g)、軽質無水珪酸(5g)を混合し、流動層造粒機にて、ヒドロキシプロピルセルロース(30g)水溶液を噴霧して造粒した。造粒終了後、乾燥し、ステアリン酸マグネシウム(8g)を混合し、打錠し、素錠を得た。得られた素錠に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(9g)、マクロゴール6000(0.9g)、酸化チタン(3g)に水を加え、全量で90gになるよう調製したコーティング液で、得られた素錠をコーティングし、本化合物3mgを含有する錠剤(10000錠)を得た。
溶出試験:
溶出試験は、日本薬局方パドル法50rpmを用いて行なった。溶出液として精製水を用いた。結果を図5に示す。30分間で75%以上の放出率を示し、製剤的に使用することができないとの結論を得た。
比較例2:エチルセルロースを用いた徐放性製剤
本化合物(原薬;30g)、コーンスターチ(187.5g)および軽質無水珪酸(1g)を混合した。これに、ヒドロキシプロピルセルロース(24g)のエタノール(376g)溶液を結合剤として、結晶セルロース粒(700g)を核粒子として被覆造粒した。造粒物を流動層乾燥機を用いて乾燥した後、分級した。
得られた薬物粒子(400g)をグリセリン脂肪酸エチル(15.6g)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC5EW:登録商標,信越化学株式会社製)(1.6g)およびエチルセルロース(アクアコート:登録商標,旭化成株式会社)(109.2g、固形分として62.8g)でコーティングした。所定のコーティング液をかけ終わったところで、キュアリングを行った。得られた顆粒を1カプセルあたりの本化合物含量が3mgになるよう、ゼラチンカプセルに充填した。
溶出試験:
実施例1と同様、日本薬局方パドル法100rpmに従い、溶出試験を行なった。また安定性試験を実施例1と同様にして行なった。溶出液には精製水を用いた。ただし、光暴露は、1200kルックスに代えて、300kルックスで行なった。結果を図6(日本薬局方パドル法溶出試験)および図7(安定性試験)に示す。溶出試験の結果、pHによる溶出の差は認められなかった。加熱、加湿、光暴露の加速試験(安定性試験)後は、全ての条件において、うす茶色の変色が肉眼で認められた。図7に示されるように、加速試験の内、60℃加熱試験後の製剤は溶出速度が有意に速くなっており、経時変化が認められた。
比較例3:オイドラギットRS30D(登録商標)を用いた徐放性製剤
本化合物(原薬;30g)、コーンスターチ(187.5g)および軽質無水珪酸(1g)を混合した。これに、ヒドロキシプロピルセルロース(24g)のエタノール(376g)溶液を結合剤として、結晶セルロース粒(700g)を核材料粒子として被覆造粒した。造粒物を流動層乾燥機を用いて乾燥後、分級した。
得られた薬物粒子(400g)をタルク(16.2g)およびクエン酸トリエチル(3.25g)およびオイドラギットRS30D(アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体)の水懸濁液(登録商標;レーム・ファーマ社)(108g、固形分として32.5g)でコーティングした。所定のコーティング液をかけ終わったところで、キュアリングを行った。得られた顆粒1カプセルあたりの本化合物含量が3mgとなるようゼラチンカプセルに充填した。
溶出試験:
溶出試験は、実施例1と同様、日本薬局方パドル法100rpmを用いて行なった。結果を図8に示す。pHにより、溶出速度に大きな差が認められた。pH1.2およびpH6.8では、溶出が極めて遅く、pH4.0では、溶出は早くなっており、ヒトに投与した際に安定した放出が得られないことが分かった。オイドラギットRSは、pHの影響を受けないとされているが、本化合物の製剤の場合、影響を受けていることが分かる。
実施例1、および比較例1〜3の結果をまとめて表1に示す。
表1に示されるように、通常の錠剤は放出が早すぎるため使用できない。オイドラギットRS30Dを用いた徐放性製剤は、pHの影響で放出パターンが変化し、また保存中に着色するため使用できない。エチルセルロースを用いた徐放性製剤は、放出パターンに問題はないが、温度による経時変化、保存中の着色の問題がある。
一方、本発明の徐放性製剤は、適切な放出パターンを示し、pHによる放出パターンの変化もなく、かつ保存中の着色も見られず優れた製剤であることが分かる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本化合物の通常の錠剤をヒトに投薬した際の血中薬物濃度のパターンを示すグラフである。
図2は、本発明の徐放性製剤をヒトに投薬した際の血中薬物濃度のパターンを示すグラフである。
図3は、本発明製剤の種々のpHでの放出パターンを示すグラフである。
図4は、本発明製剤の加速試験後の放出パターンを示すグラフである。
図5は、本化合物の通常の錠剤の放出パターンを示すグラフである。
図6は、本化合物のエチルセルロース皮膜による徐放性製剤の種々のpHでの放出パターンを示すグラフである。
図7は、本化合物のエチルセルロース皮膜による徐放性製剤の加速試験後の放出パターンを示すグラフである。
図8は、本化合物のオイドラギットRS30D皮膜による徐放性製剤の種々のpHでの放出パターンを示すグラフである。
図9は、本発明徐放性製剤の好ましい態様の一部切り欠き斜視図である。
Claims (5)
- 親水性基を有さない水不溶性ポリマーフィルムからなる放出制御膜で被覆してなる5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。
- 親水性基を有さない水不溶性ポリマーが、アクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの共重合体である請求の範囲1記載の5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。
- 前記共重合体中のアクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの割合が、メタアクリル酸メチル1に対しアクリル酸エチル1〜4である請求の範囲2記載の5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。
- 前記共重合体中のアクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの割合が、メタアクリル酸メチル1に対しアクリル酸エチル1.5〜3.5である請求の範囲2記載の5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。
- 前記共重合体中のアクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルの共重合体がアクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体乳濁液である請求の範囲2記載の5−アセチル−4,6−ジメチル−2−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチルアミノ]ピリミジン・三塩酸塩の徐放性製剤。
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