JPH0873345A - 医薬製剤 - Google Patents

医薬製剤

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JPH0873345A
JPH0873345A JP21030694A JP21030694A JPH0873345A JP H0873345 A JPH0873345 A JP H0873345A JP 21030694 A JP21030694 A JP 21030694A JP 21030694 A JP21030694 A JP 21030694A JP H0873345 A JPH0873345 A JP H0873345A
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JP
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parts
drug
pharmaceutical preparation
organic acid
layer
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JP21030694A
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English (en)
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Tomio Watanabe
富夫 渡邊
Satoshi Yamashita
智 山下
Hironori Suzuki
啓紀 鈴木
Eiji Watanabe
英二 渡邊
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】中性域で溶出性が低下する薬物を、溶出性を向
上させるための有機酸と共に造粒し、さらに水不溶性の
高分子化合物からなる皮膜で被覆した。造粒する際に好
ましくは、薬物と有機酸を安定性を向上させるための隔
壁を設け互いに接触しないように造粒する。 【効果】中性域で水溶性が低下し、経口投与時に吸収率
が低下する薬物を、消化管内のpHやシェアストレスに
関わり無く一定の薬物の放出をすることができ、しかも
製剤自体の優れた安定性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薬物の持続的な効果を
得るため、薬物の放出を制御することができる医薬製剤
に関する。詳しくは、中性域で水溶性が低下し、このた
め経口投与時に吸収率が低下する薬物を、消化管内のp
Hやシェアストレスに関わり無く一定の薬物の放出がで
き、更に、薬物の有効利用をはかるための安定性および
放出率の向上に優れた医薬製剤に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】中性域で水溶性が低下するよ
うな薬物の場合、その溶解度を確保する方法としては、
固溶体を形成させる技法が知られている。この方法を用
い薬物を徐放化する手段としては、高分子化合物中に薬
物を配合し非晶質状態として、徐放性製剤としている例
がある。しかしながら、固体分散体は、それを構成して
いる高分子化合物の溶解性に支配されたり、胃酸の影響
で酸性側での溶解性が高すぎたり、安定性を確保するこ
とが難しかった。
【0003】また、徐放化する方法としては、水不溶性
高分子の皮膜の中に、薬物と緩衝作用のある塩類を配合
し、皮膜中のpHを一定にする事でpHの影響を受けな
い放出制御製剤、及び同様の技術としてジクロフエナク
ナトリウムに有機酸を配合することにより、有機酸量の
増加に従って薬物の溶解度が下がることを利用し徐放化
する方法が知られている。しかしながら、これらの技術
は、いずれもが溶解性を一定レベルまで低下させる方法
であり、中性域で溶解性が下がるような薬物の溶解性を
向上させる方法で、徐放化した製剤は知られていない。
【0004】したがって本発明の目的は、安定性に優
れ、中性領域で溶解度が下がる医薬品の中性領域での難
溶化を回避でき、消化管内での吸収性を向上させ優れた
バイオアベイラビリティーを保証できる医薬製剤を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、以下の本発明を見いだした。
【0006】(1) 中性域で水溶性が低下する薬物を
有機酸と共に造粒して得られた薬剤を、スプレーコーテ
ィング等により形成される水不溶性の高分子化合物から
なる皮膜で被覆したことを特徴とする医薬製剤。
【0007】(2) 前記薬物と前記有機酸が互いに接
触しないように隔壁を設けて造粒したことを特徴とする
上記(1)に記載の医薬製剤。
【0008】(3) 前記医薬製剤の内部構造が、中心
部から外側に向けて有機酸−薬物−水不溶性の高分子化
合物からなる皮膜の順に形成された構造を有することを
特徴とする上記(1)乃至(2)に記載の医薬製剤。
【0009】(4) 前記薬物が、下記一般式(1)で
表されるチオウレア誘導体、ノスカピン、キニーネ及び
シメチジンの少なくとも一つである上記(1)乃至
(3)に記載の医薬製剤。
【0010】
【化2】
【0011】[式中R1及びR2は同一または異なって、
それぞれ低級アルキル基を示すか、またはR1及びR2
一緒になって、−(CH2)X−CHR3−(CH2)Y
−(式中R3は水素または低級アルキル基を示しX及び
Yは0及至2の整数を示す)を有する基を示し、Aは−
CH=CH−または−CH=N−を示し、lは1または
2であり、mは0及至2整数を示し、nは1及至5の整
数を示す。]。
【0012】(5) 前記有機酸が、クエン酸、コハク
酸、酒石酸及びリンゴ酸の少なくとも一つからなる上記
(1)乃至(4)に記載の医薬製剤。
【0013】(6) 前記薬物100重量部に対して、
前記有機酸の比率が50重量部以上である上記(1)乃
至(5)に記載の医薬製剤。
【0014】(7) 前記水不溶性の高分子化合物から
なる皮膜が、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル
共重合体乳濁液及び/又はエチルセルロースである上記
(1)乃至(6)に記載の医薬製剤。
【0015】本発明の医薬製剤の主要な形態は、中性域
で水溶性が低下する薬物と微視的な隔壁で隔てて有機酸
とともに造粒し、これを水不溶性の高分子化合物からな
る皮膜で被覆した医薬製剤である。この本発明よって、
今まで徐放化が困難であった多くの薬物の徐放化もしく
は薬物の放出の制御が可能になる。
【0016】本発明の医薬製剤において、有機酸が薬物
の溶解を助けるが、一方で有機酸と反応し分解するよう
な塩基性薬物では、隔壁が、保存状態における安定性の
確保に寄与する。
【0017】また本発明の医薬製剤において、有機酸と
薬物と高分子化合物からなる皮膜の関係が中心部から外
側に向かって有機酸−薬物−高分子化合物からなる皮膜
となる構造とする事で、溶解した有機酸が、薬物を効率
的に溶解し、高分子化合物からなる皮膜を通過して放出
させる事ができ有機酸の無駄が無くなる。逆の構造であ
ると、一部の溶解した有機酸が薬物層を通らず放出され
てしまい薬物の溶解に寄与しない。
【0018】また本発明の医薬製剤において、この有機
酸を酸性の塩とする事も可能であるが、薬物の充分な溶
解性を得るためには、有機酸と比較して大量の塩が必要
となり、製剤が大型となり、服用が困難となるため、有
機酸の方が有用性が高い。
【0019】本発明の医薬製剤は、上述した構造にする
事により、有機酸に不安定な薬物も容易にしかも薬物が
有効に使用されるように製剤化できる。
【0020】本発明の医薬製剤に主に使用する薬物とし
ては何ら限定される物ではなく、中性域で水溶性が低下
する薬物が挙げられる。さらに具体的には一般式(1)
で表されるチオウレア誘導体、ノスカピン、キニーネ、
シメチジンなどの塩基性薬物が挙げられる。
【0021】上述した本発明で使用するチオウレア誘導
体は、ヘコリバクターピロリに対する抗菌作用および抗
潰瘍作用を有する結晶性の粉末であり、一般に中性域で
難溶性である。このチオウレア誘導体の典型例として
は、例えば下記の一般式(2)で表されるTRM−11
5が挙げられる。
【0022】
【化3】
【0023】本発明に使用する有機酸としては、生体に
無毒であれば良く、例えば、コハク酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸などがあげられる。有機酸の配合量は、高
分子皮膜中で薬物を溶解させるだけの量があればよく、
一般的に薬物に100重量部に対し、有機酸は50重量
部以上あればよい。
【0024】本発明に使用する皮膜となる水不溶性の高
分子化合物としては、アクリル酸エチル・メタアクリル
酸メチル共重合体乳濁液(市販名:オイドラギットNE
30D、レーム・ファーマ社)、エチルセルロース、ポ
リ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、アミノアルキルメタア
クリレートコポリマー等、又は高pH溶液(pH6.5
以上)で溶解するが水には不溶のヒドロキシプロピルメ
チルセルロースアセテートサクシネート、メタアクリル
酸・アクリル酸メチルコポリマー等があげられる。
【0025】水不溶性の高分子化合物の量(皮膜のみ)
は当業者によって定められる限界の範囲内において変動
させることができる。具体的には造粒物に対して1〜5
0重量%、より好ましくは1〜30重量%である。
【0026】本発明の医薬製剤において、薬物と有機酸
の間の微視的な隔壁としては何ら限定されないが、例え
ば粉末コーティング、成膜性物質のコーティングなどが
挙げられる。
【0027】粉末コーティングに使用できる成分として
は、一般に医薬品に用いられる賦形剤であれば良く、例
えば乳糖、デンプン、白糖、ブドウ糖、マンニトール、
キシリトール、ソルビトール、結晶セルロース、タルク
などが挙げられる。
【0028】また、成膜性物質は、生体にとって無毒性
であればよく、たとえば、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセル
ロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0029】上述した隔壁としてのコーティング剤に
は、他にも可塑剤など、例えばアセチル化モノグリセリ
ド、ジエチルフタレート、トリアセチン、クエン酸トリ
エチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブ
チル、プロピレングリコール、トリブチリン、ポリエチ
レングリコール、セバシン酸ジブチル、ヒマシ油などを
添加しても良い。さらに、付着防止剤として、タルク、
酸化チタンなどを加えても良い。
【0030】さらに、本発明の医薬製剤に速放性の製剤
(本医薬製剤の皮膜に易溶性のフィルムを用いるか、放
出速度に影響をしない程度に徐放皮膜を薄く被覆する
か、もしくは皮膜を被覆しない製剤)を任意に混合(例
えば、顆粒剤、該顆粒剤をカプセルに詰めたカプセル剤
などとして)することにより、徐放速度をコントロール
することもできる。
【0031】本発明の医薬製剤は主に経口投与剤として
用いられる。
【0032】本発明の医薬製剤の具体的な投与形態とし
ては、ヒトへの経口用カプセル剤、顆粒等の一般に広く
用いられる製剤とする時は、直径500〜2000μm
の球形の粒子とし数百個の粒子を一つのカプセルに充填
して投与する方法などが挙げられる。また、直径10m
m程度の丸剤として動物用強制投与剤としたり、直径1
0cmの球体として魚用医薬品として用いることができ
る。
【0033】本発明の医薬製剤の製法は、何ら限定され
る事ではなく、薬物の混合方法、隔壁の形成方法、皮膜
の被覆方法などは全て公知となっている常法に従って行
うことができる。
【0034】具体的な例として、球形の核物質に結合液
をスプレーしながら有機酸層、隔壁層、薬物層を層状に
粉末コーティングし、最後に水不溶性の高分子皮膜をコ
ーティングする方法が挙げられる。
【0035】
【実施例】以下、実施例を示し本発明をさらに詳細に説
明する。
【0036】(実施例1)ヒドロキシプロピルセルロー
スを無水エタノールに溶かし、5%(w/w)の結合液
−1を得た。結晶セルロース(粒)(セルフィアCP3
05:旭化成工業)に結合液−1をスプレーしながら酒
石酸のピンミル粉砕物をCFグラニュレーター(CF3
60:フロイント産業)を用い粉末コーティングした。
【0037】乾燥後、隔壁として乳糖を同様にCFグラ
ニュレターを用い粉末コーティングした。乾燥後、さら
にTRM−115と乳糖を1:1で混合した粉末を同様
にCFグラニュレターで粉末コーティングした。乾燥
後、オイドラギットNE30Dを含むコーティング液−
1を流動層(STREA−1:パウレック)でコーティ
ングし、下記に示す製剤を得た。
【0038】・結合液−1 ヒドロキシプロピルセルロース 5 部 無水エタノール 95 部
【0039】・コーティング液−1 オイドラギットNE30D 100 部 タルク 30 部 精製水 170 部
【0040】・処方 核 セルフィアCP305 10 部 第1層 酒石酸 20 部 結合液−1 7.2部 第2層(隔壁) 乳糖 60 部 結合液−1 26.4部 第3層 TRM−115 40 部 乳糖 40 部 結合液−1 60 部 皮膜 コーティング液−1 50 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【0041】(比較例1)酒石酸の代わりに乳糖を用い
る以外は、実施例1と同じ手法で調製した下記に示す製
剤を得た。
【0042】・処方 核 セルフィアCP305 10 部 第1層(実施例1における第1層及び第2層) 乳糖 30 部 結合液−1 33.6部 第2層(実施例1における第3層) TRM−115 40 部 乳糖 40 部 結合液−1 60 部 皮膜 コーティング液−1 50 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【0043】(実施例2)結晶セルロース(粒)(セル
フィアCP305:旭化成工業)に実施例1で調製した
結合液−1をスプレーしながら酒石酸のピンミル粉砕物
をCFグラニュレーター(CF360:フロイント産
業)を用い粉末コーティングした。乾燥後、隔壁として
乳糖を同様にCFグラニュレターを用い粉末コーティン
グした。
【0044】乾燥後、さらにTRM−115と乳糖を
1:1で混合した粉末を同様にCFグラニュレターで粉
末コーティングした。乾燥後、エチルセルロース10N
Fを含むコーティング液−2を流動層(STREA−
1:パウレック)でコーティングし、下記に示す製剤を
得た。
【0045】・コーティング液−2 エチルセルロース10NF 5 部 タルク 4 部 クエン酸トリエチル 3 部 エタノール 88 部
【0046】・処方 核 セルフィアCP305 10 部 第1層 酒石酸 20 部 結合液−1 7.2部 第2層(隔壁) 乳糖 60 部 結合液−1 26.4部 第3層 TRM−115 40 部 乳糖 40 部 結合液−1 60 部 皮膜 コーティング液−2 100 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【0047】(比較例2)酒石酸の代わりに乳糖を用い
る以外は、実施例2と同じ手法で調製した下記に示す製
剤を得た。
【0048】・処方 核 セルフィアCP305 10 部 第1層(実施例2における第1層及び第2層) 乳糖 30 部 結合液−1 33.6部 第2層(実施例2における第3層) TRM−115 40 部 乳糖 40 部 結合液−1 60 部 皮膜 コーティング液−2 100 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【0049】(実施例3)ノンパレル103(フロイン
ト産業)に実施例1で調製した結合液−1をスプレーし
ながら酒石酸のピンミル粉砕物をCFグラニュレーター
(CF360:フロイント産業)を用い粉末コーティン
グした。乾燥後、隔壁として乳糖を同様にCFグラニュ
レターを用い粉末コーティングした。
【0050】乾燥後、さらにキニーネと乳糖を1:2で
混合した粉末を同様にCFグラニュレターで粉末コーテ
ィングした。乾燥後、実施例1で調製したコーティング
液−1を流動層(STREA−1:パウレック)でコー
ティングし、下記に示す製剤を得た。
【0051】・処方 核 ノンパレル103 30 部 第1層 酒石酸 60 部 結合液−1 21 部 第2層(隔壁) 乳糖 180 部 結合液−1 75 部 第3層 キニーネ 10 部 乳糖 20 部 結合液−1 15 部 皮膜 コーティング液−1 270 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【0052】(比較例3)酒石酸の代わりに乳糖を用い
る以外は、実施例3と同じ手法で調製した下記に示す製
剤を得た。
【0053】・処方 核 セルフィアCP305 10 部 第1層(実施例3における第1層及び第2層) 乳糖 30 部 結合液−1 33.6部 第2層(実施例3における第3層) キニーネ 40 部 乳糖 40 部 結合液−1 60 部 皮膜 コーティング液−1 100 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【0054】(実施例4)結晶セルロース(粒)(セル
フィアCP305:旭化成工業)に実施例1で調製した
結合液−1をスプレーしながらクエン酸のピンミル粉砕
物をCFグラニュレーター(CF360:フロイント産
業)を用い粉末コーティングした。乾燥後、隔壁として
乳糖を同様にCFグラニュレターを用い粉末コーティン
グした。
【0055】乾燥後、さらにノスカピンと乳糖を1:1
で混合した粉末を同様にCFグラニュレターで粉末コー
ティングした。乾燥後、実施例1で調製したコーティン
グ液−1を流動層(STREA−1:パウレック)でコ
ーティングし、下記に示す製剤を得た。
【0056】・処方 核 セルフィアCP305 10 部 第1層 クエン酸 40 部 結合液−1 14 部 第2層(隔壁) 乳糖 60 部 結合液−1 26.4部 第3層 ノスカピン 5 部 乳糖 5 部 結合液−1 7.5部 皮膜 コーティング液−1 28 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【0057】(比較例4)クエン酸の代わりに乳糖を用
いる以外は、実施例4と同じ手法で調製した下記に示す
製剤を得た。
【0058】・処方 核 セルフィアCP305 10 部 第1層(実施例4における第1層及び第2層) 乳糖 100 部 結合液−1 40.4部 第2層(実施例4における第3層) ノスカピン 5 部 乳糖 5 部 結合液−1 7.5部 皮膜 コーティング液−1 28 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【0059】(実施例5)結晶セルロース(粒)(セル
フィアCP305:旭化成工業)に実施例1で調製した
結合液−1をスプレーしながらコハク酸のピンミル粉砕
物をCFグラニュレーター(CF360:フロイント産
業)を用い粉末コーティングした。乾燥後、隔壁として
乳糖を同様にCFグラニュレターで粉末コーティングし
た。
【0060】乾燥後、さらにシメチジンと乳糖を1:1
で混合した粉末を同様にCFグラニュレターで粉末コー
ティングした。乾燥後、実施例1で調製したコーティン
グ液−1を流動層(STREA−1:パウレック)でコ
ーティングした。
【0061】・処方 核 セルフィアCP305 10 部 第1層 コハク酸 20 部 結合液−1 7 部 第2層 乳糖 60 部 結合液 25 部 第3層 シメチジン 20 部 乳糖 20 部 結合液−1 16 部 皮膜 コーティング液−1 52 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【0062】(比較例5)コハク酸の代わりに乳糖を用
いる以外は、実施例5と同じ手法で調製した下記に示す
製剤を得た。
【0063】・処方 核 セルフィアCP305 10 部 第1層(実施例5における第1層及び第2層) 乳糖 80 部 結合液−1 32 部 第2層(実施例5における第3層) シメチジン 20 部 乳糖 20 部 結合液−1 16 部 皮膜 コーティング液−1 52 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【0064】(比較例6)実施例1に相当する製剤の隔
壁を無くし、その分の乳糖を薬物層に加えた下記に示す
製剤を得た。
【0065】・処方 核 セルフィアCP305 10 部 第1層 酒石酸 20 部 結合液−1 7.2部 第2層(実施例1における第3層) TRM−115 40 部 乳糖 100 部 結合液−1 86.4部 皮膜 コーティング液−1 50 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【0066】(比較例7)実施例3に相当する製剤の隔
壁を無くし、その分の乳糖を薬物層に加えた下記に示す
製剤を得た。
【0067】・処方 核 ノンパレル103 30 部 第1層 酒石酸 60 部 結合液−1 21 部 第2層(実施例3における第3層) キニーネ 10 部 乳糖 200 部 結合液−1 90 部 皮膜 コーティング液−1 270 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【0068】(比較例8)実施例4に相当する製剤の隔
壁を無くし、その分の乳糖を薬物層に加えた下記に示す
製剤を得た。
【0069】・処方 核 セルフィアCP305 10 部 第1層 クエン酸 40 部 結合液−1 14 部 第2層(実施例4における第3層) ノスカピン 5 部 乳糖 65 部 結合液−1 33.9部 皮膜 コーティング液−1 28 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【0070】(比較例9)実施例5に相当する製剤の隔
壁を無くし、その分の乳糖を薬物層に加えた下記に示す
製剤を得た。
【0071】・処方 核 セルフィアCP305 10 部 第1層 コハク酸 20 部 結合液−1 7 部 第2層(実施例5における第3層) シメチジン 20 部 乳糖 80 部 結合液−1 41 部 皮膜 コーティング液−1 52 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【0072】(試験例1)溶出試験 上記調製した実施例1〜5及び比較例1〜5の各製剤に
つき第12改正日本薬局方記載の溶出試験(第2法)に
従い、下記試験条件下で所定時間経過後の溶出率をそれ
ぞれ測定した。
【0073】当該溶出試験は製剤からの薬物の溶出を試
験するもので、胃液を想定した第1液と、腸液を想定し
た第2液を試験液として行った。
【0074】・試験条件 試験液:第1液(pH1.2)900ml 第2液(pH6.8)900ml 回転数:50rpm
【0075】なお、測定条件は、実施例1,実施例2,
比較例1,比較例2は、UV300nm、実施例3,比較
例3は、第1液使用時はUV250nm、第2液使用時は
UV235nm、実施例4,比較例4はUV240nm、実
施例5,比較例5はUV230nmにて測定した。
【0076】実施例1および比較例1は図1、実施例2
および比較例2は図2、実施例3および比較例3は図
3、実施例4および比較例4は図4、実施例5および比
較例5は図5にその結果を示す。
【0077】結果が示す通り、図1〜5で実施例は第1
液および第2液に溶出性に差は見られないが、比較例で
は第1液は実施例と同様な溶出性を示すが、第2液では
溶出性に明らかに差がみられた。つまり、胃中にある間
は両製剤とも一定量の薬物が放出されるが、腸へ移った
後は比較例の製剤ではほとんど薬物は放出されずバイオ
アベイラビリティーが低下することが予想できる。
【0078】(試験例2)経口吸収試験 雄性ビーグル犬(体重10〜12Kg)3匹を1昼夜絶食
させ、摂食した後、実施例1の製剤を薬物(TRM−1
15)の投与量が3.2mg/Kgとなるように投与し経時的
に薬物の血漿中濃度を測定した。また、2週間の休薬期
間をおいて比較例1を用い同様に試験した。結果を表1
に示す(表中、Cmaxは最高血中濃度、AUCは血中
濃度曲線下面積を示す)。
【0079】
【表1】
【0080】表1から明らかなように、有機酸が処方さ
れていない比較例1ではCmax,AUCとも有機酸が
処方されている実施例1より低くかった。
【0081】(試験例3)実施例1および比較例6の顆
粒をアルミニウム包装し40℃で保存し、経時的にサン
プリングし、定量および色差を測った。色差の測定は、
顆粒を粉体セル(CR−A50:ミノルタカメラ)にと
り、色彩色差計(CR−200:ミノルタカメラ)を使
用しイニシャルに対する色差(ΔE)で表した。結果を
表2に示す。なお、定量はHPLCで行い、開始時を1
00%として表した。
【0082】
【表2】
【0083】表2から明らかなように、薬物と有機酸の
間に隔壁がある実施例ほとんど着色はみられないが、隔
壁のない比較例では、著しく着色していた。
【0084】
【発明の効果】本発明により、中性域で溶出性が低下す
る薬物と有機酸を造粒し、さらに水不溶性の高分子化合
物からなる皮膜で被覆した医薬製剤を提供することがで
きる。さらに本発明により、前記中性域で溶出性が低下
する薬物と有機酸が隔壁により互いに接触しないように
造粒され、水不溶性の高分子化合物からなる皮膜で被覆
した医薬製剤を提供することができる。
【0085】本発明の医薬製剤は、中性域で水溶性が低
下し、このため経口投与時に吸収率が低下する薬物を、
消化管内のpHやシェアストレスに関わり無く一定の薬
物の放出をすることができ、しかも製剤自体の優れた安
定性を有する。
【0086】したがって、本発明の医薬製剤は、各種薬
物、特にヘコリバクターピロリに対する抗菌作用および
抗潰瘍作用を有するチオウレア誘導体、ノスカピン、キ
ニーネ及びシメチジンなど塩基性薬物を主成分とする医
薬製剤に有効に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1及び比較例1の製剤の薬物(TRM
−115)の溶出試験の結果を示す。
【図2】 実施例2及び比較例2の製剤の薬物(TRM
−115)の溶出試験の結果を示す。
【図3】 実施例3及び比較例3の製剤の薬物(キニー
ネ)の溶出試験の結果を示す。
【図4】 実施例4及び比較例4の製剤の薬物(ノスカ
ピン)の溶出試験の結果を示す。
【図5】 実施例5及び比較例5の製剤の薬物(シメチ
ジン)の溶出試験の結果を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】・処方 核 セルフィアCP305 10 部 第1層(実施例1における第1層及び第2層) 乳糖 80 部 結合液−1 33.6部 第2層(実施例1における第3層) TRM−115 40 部 乳糖 40 部 結合液−1 60 部 皮膜 コーティング液−1 50 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】・処方 核 セルフィアCP305 10 部 第1層(実施例2における第1層及び第2層) 乳糖 80 部 結合液−1 33.6部 第2層(実施例2における第3層) TRM−115 40 部 乳糖 40 部 結合液−1 60 部 皮膜 コーティング液−2 100 部 平均粒径 1000〜1680 μm
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】・処方 核 ノンパレル 30 部 第1層(実施例3における第1層及び第2層) 乳糖 240 部 結合液−1 96 部 第2層(実施例3における第3層) キニーネ 10 部 乳糖 20 部 結合液−1 15 部 皮膜 コーティング液−1 270 部 平均粒径 1000〜1680 μm
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/415 31/435 31/44 ADZ 31/49 C07D 317/60 319/18 405/12 211 (72)発明者 渡邊 英二 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中性域で水溶性が低下する薬物を有機酸と
    共に造粒して得られた薬剤を、水不溶性の高分子化合物
    からなる皮膜で被覆したことを特徴とする医薬製剤。
  2. 【請求項2】前記薬物と前記有機酸が互いに接触しない
    ように隔壁を設けて造粒されていることを特徴とする請
    求項1に記載の医薬製剤。
  3. 【請求項3】前記医薬製剤の内部構造が、中心部から外
    側に向けて有機酸−薬物−水不溶性の高分子化合物から
    なる皮膜の順に形成された構造を有することを特徴とす
    る請求項1乃至請求項2に記載の医薬製剤。
  4. 【請求項4】前記薬物が、下記一般式(1)で表される
    チオウレア誘導体、ノスカピン、キニーネ及びシメチジ
    ンの少なくとも一つである請求項1乃至請求項3に記載
    の医薬製剤。 【化1】 [式中R1及びR2は同一または異なって、それぞれ低級
    アルキル基を示すか、またはR1及びR2が一緒になっ
    て、−(CH2)X−CHR3−(CH2)Y−(式中R3
    は水素または低級アルキル基を示しX及びYは0及至2
    の整数を示す)を有する基を示し、Aは−CH=CH−
    または−CH=N−を示し、lは1または2であり、m
    は0及至2整数を示し、nは1及至5の整数を示す。]
  5. 【請求項5】前記有機酸が、クエン酸、コハク酸、酒石
    酸及びリンゴ酸の少なくとも一つからなる請求項1乃至
    請求項4に記載の医薬製剤。
  6. 【請求項6】前記薬物100重量部に対して、前記有機
    酸の比率が50重量部以上である請求項1乃至請求項5
    に記載の医薬製剤。
  7. 【請求項7】前記水不溶性の高分子化合物からなる皮膜
    が、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体
    乳濁液及び/又はエチルセルロースである請求項1乃至
    請求項6に記載の医薬製剤。
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