JPWO2002020621A1 - テトラフェニルポルフィリン誘導体およびそれからなる組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、テトラフェニルポルフィリン誘導体に関し、詳細には、マルトヘキソース残基とデシル基で置換されたテトラフェニルポルフィリン誘導体またはその塩、ならびに光線力学的療法(Photodynamic Therapy;PDT)に使用することができる、テトラフェニルポルフィリン誘導体またはその塩からなる光増感剤としての組成物に関する。
背景技術
腫瘍細胞に対する特異的親和性を有する光増感剤をあらかじめ患者に投与し、その後、各種波長のレーザー光等を照射することにより癌の治療を行う光線力学的療法(PDT)は、癌の非侵襲的療法の一つとして注目を浴びている。このようなPDT療法に使用し得る光増感剤としては、ポルフィリン骨格を有する種々の誘導体が知られており、それらの中には臨床上実際に使用されている化合物もある。
ところで、PDT療法に使用し得る望ましい光増感剤としては、親水性であること、腫瘍細胞に対する選択性が高いこと、暗所では細胞に対して無害であること、組織透過性が良く安価なレーザー光装置を用いることのできる長波長領域の吸光係数が大きいこと等が要求される。しかしながら、これまで提案されているポルフィリン誘導体には、疎水性であるために生じる副作用や、組織透過性の高い長波長領域での励起光の吸光係数が小さい等の問題があるため、より優れた光増感剤の開発が望まれている。
発明の開示
そこで本発明者らは、より優れた光増感剤を開発すべく鋭意研究した結果、親水性と細胞親和性を付与するためのマルトヘキソース残基と、細胞壁への親和性を増大させるためのデシル基とを有するテトラフェニルポルフィリン誘導体が、長波長領域の光によるすぐれた殺細胞効果を有することを見出し、この発明を完成した。
発明を実施するための最良の形態
本発明によれば、式(I):
[式中、R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、
で示される基であり、かつ、R1〜R4の少なくとも1つは
で示される基であり、かつR1〜R4の残りの少なくとも1つは、
で示される基である]
で表されるテトラフェニルポルフィリン誘導体またはその塩が提供される。
本発明によるテトラフェニルポルフィリン誘導体(I)の好ましい具体的化合物の例を示すと、次の通りである。
本発明のテトラフェニルポルフィリン誘導体(I)は、以下に記載する方法あるいはそれに準じた方法により製造することができる。
例えば、マルトヘキソース残基およびデシル基で置換されたテトラフェニルポルフィリン誘導体(Ia)は、ベンゼン環上のヒドロキシ基が適当な保護基で保護されたベンズアルデヒド誘導体、ベンゼン環上ののヒドロキシ基がデシル基で置換されたベンズアルデヒド誘導体およびピロールを、Adlerらの方法(J.Org.Chem.,32,476(1967))に準じて反応させることにより得られる。
その一例を、反応式で示すと次の通りである。
この具体例では、まずピロールと2種類のベンズアルデヒド誘導体(II)および(III)を、適当な有機溶媒、例えばプロピオン酸中で反応させることにより、テトラフェニルポルフィリン誘導体(IV)を得る。
上記で得られるテトラフェニルポルフィリン誘導体(IV)を、例えば、ナトリウムメトキシド等の塩基の存在下に、ベンゼン環上のヒドロキシ保護基を脱離して、テトラフェニルポルフィリン化合物(V)を得る。
このテトラフェニルポルフィリン化合物(V)を、マルトヘキソース誘導体(VI)とのカップリング反応に付して化合物(VII)を得、次いでマルトヘキソース部分のヒドロキシ保護基を脱離することにより、マルトヘキソース残基およびデシル基で置換されたテトラフェニルポルフィリン誘導体(Ia)を得ることができる。
また、マルトヘキソース残基およびデシル基で置換されたテトラフェニルポルフィリン誘導体(Ib)は、ベンゼン環上のヒドロキシ基が適当な保護基で保護されたベンズアルデヒド誘導体、ベンゼン環上のヒドロキシ基がデシル基で置換されたベンズアルデヒド誘導体および1−メシチルジピロロメタンを、Lindseyらの方法(J.Org.Chem.,64,1391(1999)および64,2864(1999))に準じて反応させることにより得られる。その一例を反応式で示すと、次の通りである。
この具体例では、まず1−メシチルジピロロメタン(VIII)と2種類のベンズアルデヒド誘導体(II)および(III)を、適当な有機溶媒、例えば無水ジクロロメタン等の不活性溶媒中、トリフルオロ酢酸の存在下に反応させ、次いで2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンで処理してテトラフェニルポルフィリン化合物(IX)を得る。
得られるテトラフェニルポルフィリン化合物(IX)を、例えば水酸化カリウム等の塩基の存在下に、ベンゼン環上のヒドロキシ保護基を脱離して、テトラフェニルポルフィリン化合物(X)を得る。
このテトラフェニルポルフィリン化合物(X)をマルトヘキソース誘導体(VI)とのカップリング反応に付して化合物(XI)を得、次いでマルトヘキソース部分のヒドロキシ保護基を脱離することにより、マルトヘキソース残基およびデシル基で置換されたテトラフェニルポルフィリン誘導体(Ib)を得ることができる。
本発明のテトラフェニルポルフィリン誘導体(I)の塩としては、酸または塩基と形成した塩ならびに金属との分子内錯体塩が挙げられる。
酸または塩基と形成した塩は、上記のようにして得られるテトラフェニルポルフィリン誘導体(I)を、適当な酸または塩基で処理することにより、形成することができる。塩を形成するのに用いられる酸または塩基としては、例えば、塩酸、臭化水素、硝酸、硫酸等の鉱酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウムまたはマグネシウム)の水酸化物、炭酸塩もしくは炭酸水素塩、あるいはアンモニウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。
分子内錯体塩を形成する金属としては、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム)ならびに元素の周期律表の第3族(例えば、スカンジウム、ランタン、イットリウム)、ランタノイド(例えば、ユーロピウム、プラセオジム、イッテルビウム)、第4族(例えば、チタン)、第5族(例えば、バナジウム)、第6族(例えば、クロム、モリブデン、タングステン)、第7族(例えば、マンガン、レニウム)、第8族(例えば、鉄、ルテニウム、オスミウム)、第9族(例えば、コバルト、ロジウム、イリジウム)、第10族(例えば、ニッケル、パラジウム、白金)、第11族(例えば、銅、銀、金)、第12族(例えば、亜鉛、カドミウム、水銀)、第13族(例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウム)、第14族(例えば、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛)および第15族(ヒ素、アンチモン、ビスマス)の金属が挙げられる。中でも元素の周期律表の第10族および第12族の金属が好ましく、亜鉛および白金が最も好ましい。金属との分子内錯体塩は、テトラフェニルポルフィリン誘導体(I)と金属ハロゲン化物、金属の酢酸塩、金属の水酸化物または金属の過塩素酸塩等との反応により形成することができる。
本発明のテトラフェニルポルフィリン誘導体(I)およびその塩は、マルトヘキソース残基およびデシル基の導入により、親水性と親油性の両方が高まり、かつマルトース残基による細胞認識により腫瘍細胞に対する選択性が期待される。さらに本発明のテトラフェニルポルフィリン誘導体(I)およびその塩には、暗所では細胞に対して毒性が無く、細胞組織透過性の良い長波長領域の光照射により殺細胞効果を有していることから、PDT療法における光増感剤として有用である。また、腫瘍細胞に集積したポルフィリン骨格はQ帯(約650nm)の光で励起すると特徴的な赤い蛍光を発するため、テトラフェニルポルフィリン誘導体(I)およびその塩は、がん病巣の有無あるいは局在を診断するための光線力学的診断(PDD)への応用も期待される。
従って、本発明によれば、テトラフェニルポルフィリン誘導体(I)またはその塩からなる光増感剤としての組成物が提供される。
本発明のテトラフェニルポルフィリン誘導体(I)またはその塩からなる組成物は、癌および腫瘍の診断および治療に使用することができる。癌および腫瘍の例としては、胃癌、腸癌、肺癌、乳癌、子宮癌、食道癌、卵巣癌、膵臓癌、咽頭癌、肉腫、肝臓癌、膀胱癌、上顎癌、胆管癌、舌癌、大脳腫瘍、皮膚癌、悪性甲状腺腫、前立腺癌、耳下腺の癌、ホジキン病、多発性骨髄腫、腎臓癌、白血病および悪性リンパ細胞腫が挙げられる。
本発明のテトラフェニルポルフィリン誘導体(I)またはその塩は、医薬的に許容される通常の添加剤と組み合わせた組成物として、ヒトまたは動物に投与される。本発明の組成物は、任意に他の医薬品をさらに含んでいてもよい。
本発明の組成物は、経口的に、または静脈内もしくは筋肉内注射などにより非経口的に投与される。経口的には、例えば、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、液剤、懸濁液剤、乳剤等の形態で、投与される。非経口的には注射剤、点滴剤、坐剤、軟膏剤、硬膏剤、貼付剤、エアゾール剤等の形態で、投与される。
医薬的に許容される添加剤としては、剤型にもよるが、医薬の分野で通常使用されているものを用いることができる。
例えば、錠剤の形態に成形するに際しては、賦形剤(乳糖、デンプン、結晶セルロース等)、結合剤(デンプン液、カルボキシメチルセルロース等)等を添加して、常法に従って製造することができる。
例えば、注射剤または点滴剤の形態に成形するに際しては、希釈剤として注射用蒸留水に溶解させ、適宜pH調製剤および緩衝剤(クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等)等を添加し、常法により静脈内、筋肉内、皮下、皮内または腹腔内用の注射剤または点滴剤を製造することができる。なお、注射剤または点滴剤は滅菌され、かつ血液と等張であるのが好ましい。
本発明のテトラフェニルポルフィリン誘導体(I)またはその塩の投与量は、テトラフェニルポルフィリン誘導体(I)またはその塩の量として、腫瘍の診断のためには、7〜0.07mg/kg(フォトフィリン)、好ましくは0.7mg/kg(フォトフィリン)であり、腫瘍の治療のためには、30〜0.3mg/kg HpD(フォトフィリン)、好ましくは3mg/kg HpD(フォトフィリン)または20〜0.2mg/kg PHE(フォトフィリン)、好ましくは2mg/kg PHE(フォトフィリン)である。
本発明の組成物を投与すると、一定時間後に本発明のテトラフェニルポルフィリン誘導体(I)またはその塩が腫瘍細胞に選択的に分布する。
その後、腫瘍の診断のためには、検査すべき部位に、360〜760nmの間の波長を有する光線を照射する。照射源は限定されないが、ハロゲンランプが、広範囲の波長領域の光線を照射することが可能なため好ましい。腫瘍細胞に分布したテトラフェニルポルフィリン誘導体(I)またはその塩は、上記の波長の光線により蛍光を発し、腫瘍細胞の局在および有無が診断できる。
腫瘍の治療のためには、テトラフェニルポルフィリン誘導体(I)またはその塩を含む組成物を投与したのち、治療すべき部位に、650nm近傍、例えば630〜670nmの間の波長を有する光線を照射する。
照射源としては限定されないが、所望の波長範囲において強い光線を選択的に発するものを選択利用するのが望ましい。照射源としては、レーザービームを発する、ガリウム−アルミニウム−ヒ素、ガリウム−インジウム−ヒ素−リン、ガリウム−リンまたはガリウム−ヒ素−リンを用いた近赤外領域のレーザーのような半導体レーザーまたは発光ダイオード、クリプトンイオンレーザーのような気体レーザーならびにスチリル、オキサジンおよびキサンテンを用いた色素レーザーが挙げられる。
光線の照射強度は、具体的には、光線の照射強度は、10〜500mW/cm2、好ましくは160〜500mW/cm2である。光線の照射回数は、1日1回以上であってもよく、例えば1〜100回/日、好ましくは1〜10回/日である。本発明の組成物の投与の回数と、光線の照射回数との組み合わせは、腫瘍を有意に減少させるのに十分な程度であればよい。
以下、本発明のテトラフェニルポルフィリン誘導体(I)の具体的な製造例を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中で使用する略語の意味は、次の通りである。
THF:テトラヒドロフラン
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
DMF:ジメチルホルミアミド
TFA:トリフルオロ酢酸
DDQ:2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン
DMSO:メチルスルホキシド
製造例1:イコサ−O−アセチル−α−シクロデキストリン
α−シクロデキストリン(α−CD)(197g,202mmol)の無水酢酸(600mL)溶液に、ピリジン(900mL)を加え、室温で4時間攪拌した。冷水をその溶液に加え、一晩攪拌した。反応混合物を6N−塩酸で酸性化し、次いでクロロホルムで抽出した。有機相を冷水および炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥した。合わせた抽出液を真空下に蒸発させてイコサ−O−アセチル−α−CD(318g,91%)を得た。
製造例2:イコサ−O−アセチル−β−D−マルトヘキサノシド
イコサ−O−アセチル−α−CD(200g,0.12mol)の無水酢酸(1200mL)溶液に、濃硫酸(24mL)を加え、60℃で2.5時間攪拌した。この混合物に酢酸ナトリウムのエタノール溶液(約400mL)を0℃で加えて、中和した。トルエンで溶媒を共沸除去した後、残渣をトルエンに再び懸濁した。不溶性固体をろ去し、次いでろ液を真空下に蒸発させた。粗生成物をトルエン/アセトン(4/1〜5/2,v/v)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、エタノールから再結晶して、白色固体のイコサ−O−アセチル−β−D−マルトヘキサノシド(42.3g,20%)を得た。
製造例3:ノナデカ−O−アセチル−1−ヒドロキシ−β−D−マルトヘキサノシド
イコサ−O−アセチル−β−D−マルトヘキサノシド(20g,10.9mmol)のTHF(200mL)溶液に、ピペリジン(6mL)を加え、室温で24時間攪拌した。反応混合物を冷2N−塩酸に注ぎ、次いでクロロホルムで抽出した。有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液および塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥した。合わせた抽出液を蒸発させた後、粗生成物をトルエン/アセトン(v/v,4/1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固体のノナデカ−O−アセチル−1−ヒドロキシ−β−D−マルトヘキサノシド(15.8g,81%)を得た。
製造例4:ノナデカ−O−アセチル−1−トリクロロイミデート−β−D−マルトキサノシド
ノナデカ−O−アセチル−1−ヒドロキシ−β−D−マルトヘキサノシド(13.5g,7.5mmol)の無水ジクロロメタン(150mL)溶液に、炭酸カリウム(10.3g,75mmol)およびCCl3CN(11.2mL,0.11mol)を加え、室温で15時間攪拌した。セライトを用いて炭酸カリウムをろ過して除き、ろ液を真空下に蒸発させた。粗生成物をトルエン/アセトン(8/3,v/v)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固体のノナデカ−O−アセチル−1−トリクロロイミデート−β−D−マルトキサノシド(11.0g,76%)を得た。
元素分析:C76H100O50NCl3として;計算値:C47.22,H5.22,N0.73,Cl5.43;実測値C47.94,H5.24,N0.85,Cl5.85;
FAB MS m/z:1972.0(M+K).
製造例5:ノナデカ−O−アセチル−1−ブロモプロポキシ−β−D−マルトヘキサノシド
ノナデカ−O−アセチル−1−トリクロロイミデート−β−D−マルトキサノシド(10g,5.17mmol)およびモレキュラーシーブス4Aの無水ジクロロメタン(100mL)溶液に、3−ブロモプロパノール(4.67mL,51.7mmol)を窒素気流下に−20℃で加えた。反応混合物を−20℃で30分間攪拌した後、BF3・Et2O(0.65mL,5.17mmol)を加えて20分間攪拌した。その反応をピリジン(1mL)を加えて失活させた。反応混合物を冷水に注ぎ入れ、次いでジクロロメタンで抽出した。合わせた抽出液を蒸発させた後、粗生成物をトルエン/アセトン(v/v,2/1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固体のノナデカ−O−アセチル−1−ブロモプロポキシ−β−D−マルトヘキサノシド(7.5g,76%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ5.42(d,1H,J=3.8Hz,1VI−H),5.35(t,1H,J=10Hz,3I−H),5.24−5.43(m,11H,1II,III,IV,V,VI−,3I,II,III,VI,V,VI−H),5.07(t,1H,J=10Hz,4VI−H),4.86(dd,1H,J=4.0Hz,10.5Hz,2VI−H),4.80(dd,1H,J=7.9Hz,9.3Hz,2I−H),4.71−4.76(m,4H,2II,III,IV,V−H),4.54(d,1H,J=7.9Hz,1I−H),4.53−4.43(m,5H,6aI,II,III,IV,V−H),4.50(dd,1H,J=3.0Hz,12.2Hz,6a1−H),4.38(dd,1H,J=3.7Hz,12.2Hz,6bI−H),4.30,4.28,4.25,4.16(dd(4,4H,6bII,III,IV,V−H),4.22(m,1H,6aVI−H),4.07(dd,1H,J=2.3Hz,9.1Hz,6bVI−H),3.93(m,1H,5VI−H),3.93(m,1H,OCH2),3.98(m,1H,4I−H),3.71(m,1H,5I−H),3.70(m,1H,OCH2),3.45(m,2H,CH2Br),2.02(2H,m,CH2CH2CH2),1.98−2.20(s,3H(19,COCH3).
元素分析:C77H105O50Brとして:計算値C48.42,H5.54,Br4.14;実測値C48.42,H5.54,Br4.29;
FAB MS m/z:1909.0(M++H).
製造例6:ノナデカ−O−アセチル−1−ヨードプロポキシ−β−D−マルトヘキサノシド
ノナデカ−O−アセチル−1−ブロモプロポキシ−β−D−マルトヘキサノシド(4.8g,2.5mmol)およびNaI(3.7g,25mmol)の2−ブタノン(100mL)溶液を20時間還流加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物をクロロホルムで抽出した。合わせた抽出液を蒸発させ、エタノールから再結晶して、白色結晶のノナデカ−O−アセチル−1−ヨードプロポキシ−β−D−マルトヘキサノシド(4.6g,95%)を得た。
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ5.42(d,1H,1VI−H),5.35(t,1H,3I−H),5.25−5.50(m,11H,1II,III,IV,V,VI−,3I,II,III,IV,V,VI−H)5.07(t,1H,J=10Hz,4VI−H),4.87(dd,1H,2VI−H),4.80(dd,1H,2I−H),4.71−4.76(m,4H,2II,III,IV,V−H)4.54(d,1H,J=7.9Hz,1I−H),4.50(dd,1H,6aI−H),3.71(m,1H,5I−H),3.60(1H,m,OCH2),3.23(2H,m,CH2I),2.02(2H,m,CH2CH2CH2),1.98−2.20(s,3H(19,COCH3).
13C NMR(125MHz,CDCl3):δ2.90(CH2I),20.60,20.89(COCH3),32.85(CH2CH2CH),61.374(6VI−C),62.17(6V−C),62.35(6IV−C),62.47(6III−C),62.52(6II−C),62.89(6I−C),67.95(4VI−C),68.97(OCH2),69.36(3VI−C),70.44(5VI−C),72.34(2I−C),73.75(4I−C),75.30(3I−C),95.63(1VI−C),95.73(1II,III,IV,V−C),100.42(1I−C),169.48,169.75,170.12,170.43,170.66(C=O).
元素分析:C77H105O50Iとして:計算値C47.24,H5.41,I6.48;実測値C47.11,H5.30,I7.45;
FAB MS m/z:1957.0(M++H).
製造例7:4−アセトキシベンズアルデヒド
4−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.87g,48.6mmol)の酢酸エチル(100mL)溶液に、ピリジン(5.8mL)および無水酢酸(6.8mL)を加えた。室温で2.5時間攪拌した後、触媒量のDMAPを加え、その混合物を30分間攪拌した。反応混合物を0.5N−塩酸で失活させ、クロロホルムで抽出した。合わせた抽出液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液および塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥した。抽出物を蒸発させた後、粗生成液を、ヘキサン/酢酸エチル(5/2,v/v)を溶出液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、白色油状の4−アセトキシベンズアルデヒド(7.80g,99%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.97(s,1H,CHO),7.86(d,2H,J=7.32Hz,Ar−3,5),7.24(s,2H,J=7.37Hz,Ar−2,6),2.28(s,3H,Ac).
製造例8:4−デシルオキシベンズアルデヒド
4−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g)の無水DMF(40mL)溶液に1−ブロモデカン(8.5mL)および炭酸カリウム(6.0g)を加えた。室温で21時間攪拌した後、DMFを減圧下に除去した。反応混合物をクロロホルムで抽出した。クロロホルム相を2N−塩酸、氷水、炭酸ナトリウム飽和水溶液および塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥した。抽出液を蒸発させ、得られた粗生成物をヘキサン/酢酸エチル(4/1,v/v)を溶出液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、4−デシルオキシベンズアルデヒド(9.13g,85%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.87(s,1H,CHO),7.80(d,2H,J=6.53Hz,Ar−3,5),7.00(s,2H,J=6.56Hz,Ar−2,6),4.04(m,2H,CH2O),1.80(m,2H,CH2CH2O),1.45−1.27(m,14H,−CH2−),0.88(s,3H,CH3).
製造例9:1−メシチルジピロロメタン
ピロール(25mL,360mmol)およびメシチルアルデヒド(2.14g,14.4mmol)の溶液をアルゴンで5分間パージした。TFA(0.11mL,1.44mmol)をこの溶液に加えた。1時間室温で攪拌した後、反応混合物をトリエチルアミン(0.5mL)を加えて中和した。これに約100mLのトルエンを加え、次いで有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過し、真空下で蒸発させて黒色油状物を得た。この油状物をさらに蒸留して精製し、黄色固体を得た。エタノール/水(10/1,v/v)から再結晶して、薄黄色結晶(0.8g,21%)の標題化合物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ2.06(s,6H,2,6−CH3),2.28(s,3H,4−CH3),5.93(s,1H,meso−CH),6.01(m,2H,pyr−β),6.17−6.19(m,2H,NH),6.67(m,2H,pyr−β),6.87(s,2H,pyr−α),7.97(brs,2H,Ar−3,5).
製造例10:5,10−ジ−(4−デシルオキシ)−15,20−ジ−(4−ヒドロキシ)テトラフェニルポルフィリン
4−アセトキシベンズアルデヒド(1.0g,1当量)、4−デシルオキシベンズアルデヒド(1.6g,1当量)およびピロール(0.85mL,2当量)のプロピオン酸(200mL)溶液を1時間還流加熱した。冷却後、反応混合物を0.5N−水酸化ナトリウム水溶液で中和し、次いでクロロホルムで5回抽出した。有機相を冷水および塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して、溶媒を蒸発させた。粗生成物をヘキサン/酢酸エチル(20/1〜8/1,v/v)を勾配溶出液として用いるシリカゲル60Nのカラムクロマトグラフィーで精製して、5,10−ジ−(4−デシルオキシ)−15,20−ジ−(4−アセトキシ)テトラフェニルポルフィリン(100.1mg,3.1%)を得た。得られた生成物をナトリウムメトキシドのメタノール溶液(1重量%)中、室温で攪拌して、紫色固体として標題の化合物を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.94(d,2H,J=4.67Hz,pyr−β),8.84,8.83(s,2H),8.83(d,2H,J=4.7Hz,pyr−β),8.20(d,2H,Ar−3,5),8.09(d,2H,Ar−2,6),7.50(d,2H,J=8.57Hz,Ar’−3,5),7.28(d,2H,J=8.10Hz,Ar’−2,6),4.24(m,4H,CH2O),2.49(s,6H,Ac),1.98(m,4H,CH2CH2O),1.62−1.25(m,28H,−CH2−),0.91(t,6H,CH3).
製造例11:5,10−ジ−(4−デシルオキシフェニル)−15,20−ビス−[4−[3−(ノナデカ−O−アセチル−β−D−マルトヘキサノシル)プロポキシ]フェニル]ポルフィリン
5,10−ジ−(4−デシルオキシ)−15,20−ジ−(4−ヒドロキシ)テトラフェニルポルフィリン(20.7mg)および炭酸カリウム(1g)の無水DMF(20mL)中混合物に、ノナデカ−O−アセチル−1−ヨードプロポキシ−β−D−マルトヘキサノシド(163.5mg)を加えた。60時間室温で攪拌した後、DMFを減圧下に除去した。これに、約200mLのクロロホルムを加え、次いでクロロホルム相を1N−塩酸、冷水、炭酸ナトリウム飽和水溶液および塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。クロロホルム溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。得られた粗生成物をTHFを溶出液として用いる循環HPLCで精製して標題の化合物を得た(43.3mg,45%)。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.80(d,2H,J=4.9Hz,pyr−β),8.79(s,2H,pyr−β),8.76(s,2H,pyr−β),8.75(d,2H,J=5.0Hz,pyr−β),8.05(d,4H,Ar−3,5),8.02(d,4H,Ar−2,6),7.19(d,4H,J=8.4Hz,Ar’−3,5),7.07(d,4H,J=8.4Hz,Ar’−2,6),8.20(d,2H,Ar−3,5),8.09(d,2H,Ar−2,6),7.50(d,2H,J=8.57Hz,Ar’−3,5),7.28(d,2H,J=8.10Hz,Ar’−2,6),4.24(m,4H,CH2O),2.49(s,6H,Ac),1.98(m,4H,CH2CH2O),1.62−1.25(m,28H,−CH2−),0.91(t,6H,CH3).
実施例1:5,10−ジ−(4−デシルオキシフェニル)−15,20−ビス−[4−[3−(β−D−マルトヘキサノシル)プロポキシ]フェニル]ポルフィリン
5,10−ジ−(4−デシルオキシフェニル)−15,20−ビス−[4−[3−(ノナデカ−O−アセチル−β−D−マルトヘキサノシル)プロポキシ]フェニル]ポルフィリンの脱アセチル化を、ナトリウムメトキシドを用いて製造例10と同様に行い、標題の化合物を得た(収率:69.3%)。
[α]25 D=+24.4°,[α]25 365=+143.6°(H2O).
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ8.79(s,2H,pyr−β),8.78(s,2H,pyr−β),8.87(m,4H,pyr−β),8.10(m,16H,Ar−2,3,5,6),7.39(d,2H,J=8.51Hz,Ar−4),7.36(d,2H,J=8.57Hz,Ar−4).
UV(DMSO):423.5nm(ε=3.5×105/cm・M),519.0nm(ε=1.2×104/cm・M),557.0nm(ε=9.5×103/cm・M),596.0nm(ε=3.5×103/cm・M),652.0nm(ε=4.9×103/cm・M).
製造例12:5,15−ジメシチル−10−アセトキシフェニル−20−デシルオキシフェニルポルフィリン
1−メシチルジピロロメタン(264.4mg,1.0mmol)、4−アセトキシベンズアルデヒド(82.2mg,0.5mmol)、および4−デシルオキシベンズアルデヒドをジクロロメタン(100mL)中に溶解させ、アルゴンで5分間パージした。TFA(0.13mL,1.78mmol)を加え、30分間攪拌した。DDQ(380mg)を反応混合物に加え、さらに1時間攪拌した。トリエチルアミン(0.5mL)で中和した後、混合溶媒をろ過し、真空下に除去した。残渣をジクロロメタン/ヘキサン(3/2,v/v)を溶出液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた粗生成物をさらにTHFを溶出液として用いる循環HPLCで精製し、紫色の固体として標題化合物(80mg,17.5%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.83(d,2H,J=4.77Hz,pyr−β),8.80(d,2H,J=4.79Hz,pyr−β),8.69(d,2H,J=4.74Hz,pyr−β),8.68(d,2H,J=4.77Hz,pyr−β),8.22(d,2H,J=8.46Hz,ArOAc−2,6),8.11(d,2H,J=8.55Hz,ArOdec−2,6),7.48(d,2H,J=8.61Hz,ArOAc−3,5),7.28(s,4H,Ar),7.27(d,2H,J=8.77Hz,ArOdec−3,5),4.24(t,2H,J=6.50,6.51,OCH2),2.63(s,6H,4−CH3),2.48(s,3H,OAc),1.83(s,12H,2,6−CH3),1.18−2.06(m,16H,decCH2),0.91(m,3H,decCH3),−2.63(s,2H,NH).
製造例13:5,15−ジメシチル−10−ヒドロキシフェニル−20−デシルオキシフェニルポルフィリン
5,15−ジメシチル−10−アセトキシフェニル−20−デシルオキシフェニルポルフィリン(52mg)のエタノール性水酸化カリウム(水酸化カリウムを含む95%エタノール100mL)溶液を1時間還流加熱した。緑色の溶液を酢酸で酸性化し、溶媒を蒸発させた後、残渣を冷エタノールで2〜3回洗浄して、紫色結晶として標題化合物(40g,80.7%)を得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3):δ8.81(brs,4H,pyr−β),8.68(brs,4H,pyr−β),8.08(m,4H,Ar−2,6),7.27−7.19(8H,m,Ar−3,5),4.24(m,2H,OCH2),2.63(s,6H,4−CH3),1.83(s,12H,2,6−CH3),1.3−1.97(m,16H,decCH2),0.91(m,3H,decCH3),−2.62(s,2H,NH).
製造例14:5,15−ジメシチル−10−デシルオキシフェニル−20−[4−[3−(ノナデカ−O−アセチル−β−D−マルトヘキサノシル)プロポキシ]フェニル]ポルフィリン
5,15−ジメシチル−10−ヒドロキシフェニル−20−デシルオキシフェニルポルフィリン(40mg,45.9mmol)および炭酸カリウム(1g)の無水DMF(20mL)溶液に、ノナデカ−O−アセチル−1−ヨードプロポキシ−β−D−マルトヘキサノシド(46mmol)を加えた。72時間室温で攪拌した後、DMFを減圧下に除去した。これに約200mLのクロロホルムを加え、次いでクロロホルム相を1N−塩酸、冷水、炭酸ナトリウム飽和水溶液および塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。クロロホルム相を無水硫酸ナトリウムで乾燥して、ろ過した。得られた粗生成物をTHFを溶出液として用いる循環HPLCで精製して標題化合物を得た(59mg,85%)。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.82(d,2H,J=4.82Hz,pyr−β),8.79(d,2H,J=4.75Hz,pyr−β),8.67(d,2H,J=4.67Hz,pyr−β),8.66(d,2H,J=4.70Hz,pyr−β),8.11(d,4H,J=8.46Hz,ArOCH2−2,6),7.48(d,2H,J=8.61Hz,ArOAc−3,5),7.28(s,4H,mes−Ar),7.23−7.27(m,4H,ArOCH2−3,5),5.42(d,1H,J=3.8Hz,1VI−H),5.35(t,1H,J=10Hz,3I−H),5.24−5.43(m,11H,1II,III,IV,V,VI−,3I,II,III,IV,V,VI−H),5.07(t,1H,J=10Hz,4VI−H),4.86(dd,1H,J=4.0Hz,10.5Hz,2VI−H),4.80(dd,1H,J=7.9,9.3Hz,2I−H),4.71−4.76(m,4H,2II,III,IV,V−H),4.54(d,1H,J=7.9Hz,1I−H),4.53−4.43(m,5H,6aI,II,III,IV,V−H),4.50(dd,1H,J=3.0Hz,12.2Hz,6aI−H),4.38(dd,1H,J=3.7,12.2Hz,6bI−H),4.30,4.28,4.25,4.16(dd(4,1H,6bII,III,IV,V−H),4.22(m,H,6aVI−H),4.07(dd,1H,J=2.3Hz,9.1Hz,6bVI−H),3,93(m,1H,5VI−H),3.93(m,1H,OCH2CH2),3.98(m,1H,4I−H),3.71(m,1H,5I−H),3.70(m,1H,OCH2),3.45(m,2H,CH2OAr),2.02(2H,m,CH2CH2CH2),4.24(t,2H,J=6.50,6.51Hz,OCH2),2.63(s,6H,4−CH3),1.83(s,12H,2,6−CH3),1.91−2.20(s,3H(76H,COCH3),1.25−2.06(m,16H,decCH2),0.91(m,3H,decCH3),2.62(s,2H,NH).
実施例2:5,15−ジメシチル−10−デシルオキシフェニル−20−[4−[3−(β−D−マルトヘキサノシル)プロポキシ]フェニル]ポルフィリン
5,15−ジメシチル−10−デシルオキシフェニル−20−[4−[3−(ノナデカ−O−アセチル−β−D−マルトヘキサノシル)プロポキシ]フェニル]ポルフィリンの脱アセチル化をナトリウムメトキシドを用いて製造例10と同様に行い、標題の化合物を得た(収率,75%)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ8.83(d,2H,J=5.4Hz,pyr−β),8.82(d,2H,J=4.8Hz,pyr−β),8.62(m,4H,pyr−β),8.25(d,2H,J=8.4Hz,Ar−3,5),8.07(d,2H,J=8.4Hz,Ar−2,6),7.36(d,2H,J=8.7Hz,Ar−3’,5’),7.34(s,4H,Mes−2,6),7.30(d,2H,J=8.8Hz,Ar−2’,6’),3.75−3.77(4H,OCH2),2.58(s,6H,4−CH3),2.27(m,2H,sug−CH2−),1.76−1.85(m,12H,2,6−CH3),1.27−1.76(m,16H,decCH2),0.86(t,3H,J=6.4Hz,decCH3).
ESI mass:C99H128N4O33(MH)+として1901.8461,実測値1902.5458.
UV(DMSO):423.5nm(ε=3.5×105/cm・M),516.5nm(ε=1.3×104/cm・M),553.0nm(ε=6.6×103/cm・M),593.5nm(ε=3.7×103/cm・M),650.0nm(ε=4.4×103/cm・M).
試験例1:光毒性試験
5,10−ジ−(4−デシルオキシフェニル)−15,20−ビス−[4−[3−(β−D−マルトヘキサノシル)プロポキシ]フェニル]ポルフィリン(以下、「化合物A」と称する)の細胞毒性を、MTTアッセイ法(Carmichal,J.,W.G.DeGraff,A.F.Gazdar,J.D.MinnaおよびJ.B.Mitchell,Cancer Res.,1987,47,936−942)を用いたヒーラー細胞の生存力で評価した。ヒーラー細胞(1×104細胞/ウエル)を、10%胎児ウシ血清(FBS)を含むダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)中で、96ウエル−プレートで5%CO2下、37℃で24時間インキュベートした。リン酸緩衝溶液(PBS)で洗浄した後、細胞を化合物A(5または10μM)の存在下、血清のないDMEMで2時間インキュベートした。化合物Aを加えた細胞をPBSで洗浄した。20時間インキュベートした後、10μLの臭化3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム(MTT)溶液(5mg/mL)を加えた。細胞をさらに4時間インキュベートした後、生存力を、540nm(OD540)での光学濃度を測定することにより決定した。図1a)は、照射を行っていない細胞の生存比(%)を示す。その比は、以下の式に従って計算した:細胞生存比(%)={化合物A存在時のOD540/化合物A不在時のOD540}×100。細胞生存比が100%とは、細胞毒性が存在しないことを示す。この比は、化合物Aの細胞毒性と考えられる。図1a)から示されるように、化合物A存在下でも、照射を行っていないときには、細胞毒性を示さないことが明らかとなった。
ヒーラー細胞(1×104細胞/ウエル)を、上記と同様に処理した。化合物Aを加えた細胞を、500nmより短波長をカットするフィルターを備えた500Wハロゲンランプで8分間照射した。24時間インキュベートした後、生存力をMTTアッセイにより測定した。図1b)は、照射後の細胞生存比(%)を示した。細胞生存比は、以下の式に従って計算した;細胞生存比(%)=[照射したときの化合物A存在時のOD540/照射しないときの化合物A存在時のOD540]×100。図1b)から示されるように、化合物A存在下に光照射を行うと、細胞毒性を示すことが明らかとなった。
産業上の利用の可能性
本発明のテトラフェニルポルフィリン誘導体またはその塩は、マルトヘキソース残基およびデシル基の導入により親水性と親油性の両方が高まり、かつマルトース残基による細胞認識により腫瘍細胞に対する選択性が期待される。さらに本発明のテトラフェニルポルフィリン誘導体またはその塩には、暗所では細胞に対して毒性が無く、細胞組織透過性の良い長波長領域の光照射により殺細胞効果を有していることから、PDT療法およびPDDにおける光増感剤として有用である。
また、本発明のテトラフェニルポルフィリン誘導体またはその塩は、感圧塗料としても利用可能である。
【図面の簡単な説明】
図1aは、光照射を行っていない、細胞に対する本発明の化合物Aの毒性を示すグラフと、図1bは、光照射を行った、細胞に対する本発明の化合物Aの毒性を示すグラフである。
Claims (5)
- 塩が金属との分子内錯体塩である請求項1または2に記載のテトラフェニルポルフィリン誘導体またはその塩。
- 請求項1〜3のいずれか一つに記載のテトラフェニルポルフィリン誘導体またはその塩からなる光増感剤としての組成物。
- 光線力学的療法に用いられる請求項4に記載の組成物。
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CN110066239B (zh) | 咔唑二聚体衍生物及其制备方法和应用 |
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