JPWO2002017706A1 - 高枝刈取機 - Google Patents
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Abstract
所定の長さを有する操作管又は操作棒(33)と、上記操作管又は操作棒の先端側に進退可能に取り付けられる鋸刃(43)と、上記操作管又は操作棒の基端側に設けられる動力源と、上記動力源と連結されて進退運動を行う駆動手段(80)と、上記駆動手段と上記鋸刃とを連結する動力伝達部材(70)と、を具備した高枝刈取機である。この構成により、刈取部を鋸刃(43)とし、これを進退駆動する駆動手段(80)とで簡潔に構成することで、軽量化・小型化を図り、その刈取作業性を向上させることができる。
Description
技術分野
本発明は、樹木の高所にある枝、茎、葉等を地表に立つ作業者の手により刈り取る高枝刈取機に係り、特に、刈取部の軽量化を図り、その作業性を向上させたものに関する。
背景技術
従来、樹木の高所にある枝、茎、葉等を地表に立つ作業者の手により刈り取る高枝刈取機が提供されている。この高枝刈取機は、一般家庭用や林業、街路樹枝払い用として多用されている。
上記従来の高枝刈取機の構成は、第23図に示すように、作業者Mが背負って(手に持つタイプもある)使用する動力駆動部1と、作業者が手に持って操作する操作管又は操作棒からなる操作部3と、上記操作部3の先端に備えられ、枝・茎・葉等を切断するヘッジトリマー(バリカン刃)10、又はチェンソー13、又は回転カッター15等で構成された刈取部5とからなり、動力駆動部1の動力源と刈取部5を操作部3の内部に挿通した動力伝達部材17にて連結して駆動させる構造になっている。
上記刈取部5の詳細構成は、第24図に示すようになっている。先ず、ヘッジトリマー(バリカン刃)10は、第24図(a)に示すように、操作部3の内部に挿通した動力伝達部材17の回転運動を直交する方向の回転運動に変換するギアーボックスG1を操作部3の先端に備えている。このギアーボックスG1は、動力伝達部材17の先端に備えたベベルギアB1と、これに直角に噛合うベベルギアB2と、このベベルギアB2の底面に偏心して取り付けたピンPにクランク棒Kの一端を枢支し、他端を進退移動刃10Aと固定刃10Bからなる一対のバリカン刃10の進退移動刃10Aに枢支連結させている。これにより、動力伝達部材17の回転運動を進退移動刃10Aの進退運動に変換する。
また、チェンソー13は、第24図(b)に示すように、操作部3の内部に挿通した動力伝達部材17の回転運動を直交する方向の回転運動に変換するギアーボックスG2を操作部3の先端に備えている。このギアーボックスG2は、動力伝達部材17の先端に備えたベベルギアB1と、これに直角に噛合うベベルギアB2と、このベベルギアB2の外側面に付設したスプロケットSとからなる。このスプロケットSには、前方に長く伸びた支持体19に掛け廻したチェンソー20の基端側を係合させている。これにより、動力伝達部材17の回転運動をチェンソー20の周回運動に変換する。
更に、回転カッター15は、第24図(c)に示すように、操作部3の内部に挿通した動力伝達部材17の回転運動を直交する方向の回転運動に変換するギアーボックスG3を操作部3の先端に備えている。このギアーボックスG3は、動力伝達部材17の先端に備えたベベルギアB1と、これに噛み合わせたベベルギアB2と、このベベルギアB2の下面に連結させた回転刃23とからなる。これにより、動力伝達部材17の回転運動を、これと直交する方向の回転運動に変換し、回転刃23を回転駆動する。
上記刈取部5に備えるヘッジトリマー(バリカン刃)10は,回転運動を往復運動に変換する部材が必要になり大型化が免れず、チェンソー13や回転カッター15は、比較的に重量が重く、これらを変換駆動させる上記ギアーボックスG1,G2,G3も、相当に重い重量を持つものである。しかも、実際の高枝刈取作業を行う時、上記刈取部5は、長い操作部3の先端に備えたものであることから、作業者の手には大きな荷重が掛かる。このため、相当の重労働となってしまうという問題点がある。
本発明は、上記従来の高枝刈取機が持つ問題点に鑑みてなされたもので、特に、刈取部を鋸刃とし、これを進退駆動する駆動手段とで簡潔に構成することで、軽量化・小型化を図り、その刈取作業性を向上させた高枝刈取機を提供することを目的としている。
発明の開示
本発明は、上記課題を達成すべくなされたもので、請求の範囲第1項の高枝刈取機は、所定の長さを有する操作管又は操作棒と、上記操作管又は操作棒の先端側に進退可能に取り付けられる鋸刃と、上記操作管又は操作棒の基端側に設けられる動力源と、上記動力源と連結されて進退運動を行う駆動手段と、上記駆動手段と上記鋸刃とを連結する動力伝達部材と、を具備したことを特徴とするものである。
請求の範囲第2項の高枝刈取機は、請求の範囲第1項の高枝刈取機において、上記駆動手段は、鋸刃と操作管または操作棒との間に弾性部材を介装させて常時前進傾向を付与するとともに、回転軸に付設した偏心軸に動力伝達部材を連結して鋸刃に間欠的に後退運動を付与するものであることを特徴とするものである。
請求の範囲第3項の高枝刈取機は、請求の範囲第1項の高枝刈取機において、上記駆動手段は、上記駆動手段は、回転軸に付設した偏心軸にクランク棒を連結するとともに、動力伝達部材を棒材とし、クランク棒と棒材を連結して上記偏心軸の回転運動をクランク棒の進退運動に変換して棒材に進退運動を付与するものであることを特徴とするものである。
請求の範囲第4項の高枝刈取機は、請求の範囲第1項の高枝刈取機において、上記駆動手段は、2つの動力伝達部材を交互に牽引運動する牽引手段を形成し、これに2つの動力伝達部材を連結し、一方を鋸刃に連結して間欠的に後退運動を付与するとともに、他方を鋸刃の固定位置より鋸刃先端側の位置で反転させて鋸刃に連結して鋸刃に間欠的に前進運動を付与することにより進退運動を行うようにしたものであることを特徴とするものである。
請求の範囲第5項の高枝刈取機は、請求の範囲第1項〜第4項のうちいずれか1項記載の高枝刈取機において、上記操作部の先端側に取り付けられ、鋸刃の側面に沿い、且つ鋸刃の進退方向と略直交する方向に延長配置した枝押さえ部材を設けたことを特徴とするものである。
請求の範囲第6項の高枝刈取機は、請求の範囲第1項、第2項、第4項のうちいずれか1項記載の高枝刈取機において、上記操作部を伸縮可能とするとともに、上記動力伝達部材は上記操作部の長さ変更に合わせて長さを調節可能としたことを特徴とするものである。
請求の範囲第7項の高枝刈取機は、請求の範囲第1項、第2項、第4項のうちいずれか1項記載の高枝刈取機において、上記操作部を刈取部近傍において先端側と基部側とに分割して形成し、両者を屈曲可能に連結して、鋸刃を左右に首振自在に形成したことを特徴とするものである。
本発明に係る請求の範囲第1項の高枝刈取機の場合には、操作管または操作棒の先端側に備えた鋸刃を進退用の駆動手段により駆動するように構成されている。これにより、鋸刃は、進退用の駆動手段により軽快に進退運動し、樹木の高所にある枝・茎、葉等を操作管または操作棒を動かすことなく確実に切断して刈り取りできる。即ち、上記高枝刈取機によると、鋸刃とこの駆動手段とにより軽量化・小型化が図られるとともに、高所の枝払いの刈り取り作業が容易に行える。
請求の範囲第2項の場合であるが、上記駆動手段は、鋸刃と操作管または操作棒との間に弾性部材を介装させてその弾発力で鋸刃に常時前進傾向を付与するとともに、回転軸に付設した偏心軸に動力伝達部材を連結して鋸刃に間欠的に後退運動を付与するものであるから、鋸刃をこの駆動手段により軽快に進退運動させることができる。更に、動力伝達部材にフレキシブルワイヤー等の軽量な可撓材が使用できて、高枝刈取機全体の軽量化・小型化が図られる。
請求の範囲第3項の場合であるが、上記駆動手段は、回転軸に付設した偏心軸にクランク棒を連結するとともに、動力伝達部材を棒材とし、クランク棒と棒材を連結して上記偏心軸の回転運動をクランク棒の進退運動に変換して棒材に進退運動を付与するものであるから、鋸刃をこの駆動手段により軽快に進退運動させることができる。更に、構成の簡素化や軽量化が図られているので、高枝刈取機全体の軽量化が図られる。
請求の範囲第4項の場合であるが、上記駆動手段は、2つの動力伝達部材を交互に牽引運動する牽引手段を形成し、これに2つの動力伝達部材を連結し、一方を鋸刃に連結して間欠的に後退運動を付与するとともに、他方を鋸刃の固定位置より鋸刃先端側の位置で反転させて鋸刃に連結して鋸刃に間欠的に前進運動を付与することにより進退運動を行うようにしたものであるから、鋸刃をこの駆動手段により軽快に進退運動させることができる。更に、動力伝達部材にフレキシブルワイヤー等の軽量な可撓材が使用できて、全体の軽量化・小型化が図られる。
請求の範囲第5項の場合であるが、上記操作部の先端側に取り付けられ、鋸刃の側面に沿い、且つ鋸刃の進退方向と略直交する方向に延長配置した枝押さえ部材を設けているから、細い小枝や葉の切断時においても、枝押さえ部材が小枝や葉の逃げを防ぎ、確実な切断作用が維持できる。
請求の範囲第6項の場合であるが、操作部を伸縮可能な構成とするとともに、上記動力伝達部材の長さを調節可能としたから、低い樹木から高い樹木までの幅広い使用が可能である。従って、刈取作業性を向上させることができる。
請求の範囲第7項の場合であるが、上記操作部を刈取部近傍において先端側と基部側とに分割して形成し、両者を屈曲可能に連結して、鋸刃を左右に首振自在に形成したから、立った枝を刈り取るような場合に、鋸刃を寝かして横方向から刈り取ることが可能となり、より一層刈取作業性を向上させることができる。
発明を実施するための最良の形態
本発明の高枝刈取機について、図面に示す各実施形態を参照して説明する。
第1実施形態
本発明の第1実施形態となる高枝刈取機100を、第1図と第2図に示す。まず、操作部30は、手に持って操作する操作管(操作棒でも良い)33からなる。この操作管33は、主管33Aと、この外周に挿通した伸縮管33Bからなり、伸縮管33Bの先端部に付設した締結環34を緩めると、伸縮管33Bをその軸芯長手方向に移動できる。この嵌合位置で締結環34を締め付けると、伸縮管33Bは主管33A上に固定される。
上記操作部30となる主管33Aの先端側には、刈取部40が設けられる。まず、主管33Aの先端側の管内にガイド部材(カラー)35の嵌合部35Aを挿入し、管壁に開けた孔33C,33Dを通して止めネジ37にて装着されている。上記ガイド部材35に貫通した略楕円孔35Bには、摺動体39が進退可能に挿通されている。この摺動体39の先端側に、鋸刃43が摺動体39の進退方向Xに対して、やや下向きに取り付けられている。尚、摺動体39は主管33Aの先端側に進退自在に取り付ければ良いものであり、操作管の場合は主管33Aの筒内にガイド部材(カラー)35なしで取り付けても良く、操作棒の場合は別の筒状部材を介して取り付けても良い。
上記操作部30の基端側には、エンジンやモーター等の動力源と連結される動力駆動部60を備えている。この動力駆動部60は、回転軸63に取り付けた円板65の偏心位置(a)に付設した偏心軸66に開けた通孔66Aに後述する動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)70Aの手元側を挿通し、その任意位置をボルト73で固着した駆動手段80を備えている。上記動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)70Aは、操作部30の手元側における伸縮管33Bの後端に装着したガイド管79内を挿通して、操作部30内に導かれている。これで、上記動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)70は、上記操作部30の長さ変更に合わせて緊張させた状態に長さを調節可能となっている。
更に、上記動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)70Aの先端側は、動力伝達部材(ロッド)70の後端側と連結している。そして、動力伝達部材(ロッド)70Aの先端は上記ガイド部材35に貫通し略楕円孔35Bに進退可能に挿通されている摺動体39の後端部39Aに連結されている。更に、上記摺動体39の後端部の端面39Bと、主管33A内の先端側に挿入固着し、動力伝達部材(ロッド)70を移動可能に挿通した固定座75との間に、弾性部材であるコイルバネ77が圧装されている。これにより、上記駆動手段80における円板65の偏心位置(a)に付設した偏心軸66により、鋸刃43に間欠的に後退運動を付与する往動機構69が構成され、また、上記コイルバネ77により、鋸刃43に常時前進傾向を付与する復動機構67が構成される。
更に、上記操作部30の先端側に配置したガイド部材35には、枝押さえ部材50を備えている。この枝押さえ部材50は、2本の押さえ棒50Aを鋸刃43の両側に沿わせ、且つ鋸刃43の進退方向Xと略直交する方向Yに延長配置されている。上記2本の押さえ棒50Aには、ガイドローラ53を備えている。2本の押さえ棒50Aは、ガイド部材35にあけた孔35Cに挿通して進退自在に取り付けられ、ボルト35Dにより任意の位置で固定できるようにして、位置調節自在とし、ガイドローラ53もその上下方向の位置を調節できるように取り付けられている。尚、枝押さえ部材50は押さえ棒を1本として鋸刃43の側面に沿うように配置しても良い。
上記第1実施形態の高枝刈取機100は、上記のように構成されており、以下のように作用する。上記高枝刈取機100によると、刈取部40は、鋸刃43とガイド部材35とで簡潔に構成されている。これにより、上記動力源の起動で駆動手段80を作動させると、この駆動手段80に備える復動機構67のコイルバネ77が鋸刃43に常時前進力を付与し、往動機構69が鋸刃43に間欠的に後退運動を付与する。このため、鋸刃43は、軽快に進退運動を行う。従って、第3図に示すように、動力駆動部60を作業者Mが背負って(手に持つタイプもある)使用する時、操作部30と刈取部40は軽量であり、よって、樹木Gの高所にある枝・茎、葉等を容易に刈り取りできる。
上記高枝刈取機100の具体的な刈り取り作業を、第4図と第5図に示す。先ず、太い枝K1の場合は、第4図のように、鋸刃43を太い枝に対して、この上側から押さえながら進退運動させる。この進退運動により、太い枝は不安定な姿勢になることなく、確実に切断される。次に、細い枝K2や葉Hの刈り取り作業は、第5図に示すようにして行われる。鋸刃43の中腹付近には、鋸刃の両面に沿い、且つ鋸刃の進退方向Xと略直交する方向Yに枝押さえ部材50を配置しているから、細い小枝K2や葉Hの切断時においても、枝押さえ部材50が小枝K2や葉Hの逃げを防いで確実な切断作用が維持できる。
また、上記高枝刈取機100によると、刈取部40は、鋸刃43と、この鋸刃を進退可能に支持するガイド部材35で構成され、動力伝達部材70,70Aをフレキシブルワイヤー等で構成しているので、軽量化・小型化が図られるとともに、長い操作部30による高所の枝払いの刈り取り作業が軽快に行える。
更に、鋸刃43に常時前進傾向を付与する復動機構67を操作部30の先端側に備え、鋸刃43に間欠的に後退運動を付与する往動機構69を操作部30の基端側に備えており、上記両部材を繋ぐ動力伝達部材70Aは、フレキシブルワイヤー等の軽量で可撓材が使用できるので、高枝刈取機100全体の軽量化・小型化が図られる。
更に、操作部30の長さ調節は、この伸縮管33Bの先端部に付設した締結環34を緩めて、伸縮管33Bをその軸芯長手方向に移動して行える。この嵌合位置で締結環34を締め付けて、主管33A上の任意位置に伸縮管33Bを固定することで容易にできる。また、上記動力伝達部材70Aの長さ調節であるが、回転軸63の円板65に付設した偏心軸65との固着位置を操作部30の長さに合わせて調節し、ボルト73で固着する。従って、低い樹木から高い樹木までの幅広い使用が可能である。
第2実施形態
本発明は、上記第1実施形態に限定されない。例えば、第6図に示す第2実施形態による高枝刈取機200としても良い。この高枝刈取機200は、動力駆動部60における駆動手段80Aを設計変更したもので、鋸刃43に常時前進傾向を付与する復動機構67と、鋸刃に間欠的に後退運動を付与する往動機構69とを操作部30の基端側に一体的に構成したものである。
そして、駆動手段80Aの復動機構67と鋸刃43との間は、操作部30内に配置した軸受91,93により支持された長い棒状体の動力伝達部材70にて連結されている。また、往動機構69の動力伝達部材70Aは、フレキシブルワイヤーが使用されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同一であり、同一符号を付して説明を省略する。
上記第2実施形態の高枝刈取機200によると、以下のように作用する。まず、操作部30の先端側に備える刈取部40には、ガイド部材35及び鋸刃43と進退可能な摺動体39だけを装備しており、駆動手段80Aは、操作部30の先端側の棒状体の動力伝達部材70と手元側に備えたフレキシブルワイヤーの動力伝達部材70Aにより連結されている。
これにより、動力源の起動で駆動手段80Aを作動させると、この駆動手段80Aに備える復動機構67が動力伝達部材70A、70を介して鋸刃43に常時前進傾向を付与する。また、駆動手段80Aに備える往動機構69が鋸刃43に間欠的に後退運動を付与する。上記の前進・後退運動により、鋸刃43は、軽快に進退運動を行い、樹木の高所にある枝・茎、葉等を刈り取る。
従って、上記高枝刈取機200によると、刈取部40は、鋸刃43と進退可能な摺動体39及びガイド部材35だけで構成され、駆動手段80Aはその全てが操作部30の手元側に備えられている。従って、刈取部40の一層の軽量化が図られ、長い操作部30による高所の枝払い作業が軽快に行えるとともに、上記駆動手段80Aの保守・点検が容易に行える。
そして、上記第1実施形態と同様に、第5図に示すように、鋸刃43の中腹付近には、鋸刃の両面に沿い、且つ鋸刃の進退方向Xと略直交する方向Yに枝押さえ部材50を配置しているから、細い小枝K2や葉Hの切断時においても、枝押さえ部材50が小枝K2や葉Hの逃げを防いで確実な切断作用が維持できる。
更に、操作部30の長さ調節は、この伸縮管33Bの先端部に付設した締結環34を緩めて、伸縮管33Bをその軸芯長手方向に移動して行える。この嵌合位置で締結環34を締め付けて、主管33A上の任意位置に伸縮管33Bを固定する。また、上記動力伝達部材70Aの長さは、回転軸63の円板65に付設した偏心軸66との固着位置を操作部30の長さに合わせて調節し、ボルト73で固着する。従って、低い樹木から高い樹木までの幅広い使用が可能である。
第3実施形態
更に、第7図に示す第3実施形態による高枝刈取機300としても良い。この高枝刈取機300は、動力駆動部60に設けた駆動手段80Bにおいて、鋸刃43に常時前進傾向を付与する復動機構と、鋸刃に間欠的に後退運動を付与する往動機構とを省略し、回転軸に付設した偏心軸にクランク棒を連結するとともに、動力伝達部材を棒材とし、クランク棒と棒材を連結して上記偏心軸の回転運動をクランク棒の進退運動に変換して棒材に進退運動を付与するものである。その構成は、操作部30内に挿通する動力伝達部材70Bを全て棒材として、前後端の軸受91,93で進退可能に支持する。そして、動力伝達部材70Bの手元側は、回転軸63の円板65に付設した偏心軸66に可撓性を有するクランク棒95を介して連結されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同一であり、同一符号を付して説明を省略する。また、他の構成としては、スライダクランク機構を応用し、スライダに動力伝達部材70Bである棒材を連結しても良い。
上記第3実施形態による高枝刈取機300についても、上記第1実施形態及び第2実施形態の高枝刈取機100,200と同様な作用・効果が発揮される。
特に、動力駆動部60に設けた駆動手段80Bは、鋸刃43に付与する前進・後退運動を、回転軸63の円板65に付設した偏心軸66の偏心運動をクランク棒95を介して動力伝達部材70Bに進退運動として伝達することにより行う。
しかして、駆動手段80Bはその構成の簡潔化や軽量化が図られるとともに、高枝刈取機全体の軽量化が図られる。従って、高い樹木用の高枝刈取機としての使用がより一層容易となる。
第4実施形態
更に、第8図〜第11図に示す第4実施形態による高枝刈取機400としても良い。この高枝刈取機400は、操作部30を、刈取部40近傍において先端側30Eと基部側30Fとに分割して形成し、両者を屈曲可能に連結して、鋸刃43を左右に首振自在に形成したものである。その構成は、操作部30を先端側30Eと基部側30Fとに分割して形成し、両者の間に、屈曲機構を設ける。すなわち、先端側30Eには二股に分かれた係合凹部96Aを形成し、一方、基部側30Fには二股に分かれた係合凸部97Aを形成する。そして両者を係合し、孔96B、97Bにボルト98Aを挿入し、ナット98Bを締め付けることにより、両者を屈曲可能に連結し、且つ適宜な角度で固定できるようにしている。
これにより、鋸刃43を左右に首振自在に形成する。尚、首振り可能角度αは45度程度が好ましいが、任意である。また、動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)70Aは、係合凹部96A、係合凸部97Aの中心部にあけた孔96C、97C中を通過させ、ボルト98Aの部分には、ローラー99を回転可能に取り付けて、これに当接させて、円滑な移動を可能にしている。その他の構成は、上記第1実施形態と同一であり、同一符号を付して説明を省略する。
上記第4実施形態による高枝刈取機400についても、上記第1実施形態及び第2実施形態の高枝刈取機100,200と同様な作用・効果が発揮される。
特に、第11図に示すように、立った枝を刈り取る場合には、操作部30を屈曲させて鋸刃43をいずれか一方に首振りさせ、操作部30を適宜捩じって鋸刃43を寝かせた状態にして横から刈り取ることができる。しかして、枝の方向にかかわらず、刈り取りが容易にでき、より一層刈取作業性を向上させることができる。
本発明は、上記各実施形態に限定されず、任意適宜な設計変更が可能である。例えば、上記操作部30は、操作管によって構成したが、操作棒としても良い。上記操作棒とした場合は、上記動力伝達部材70,70A,70Bを操作棒の外側に沿って配置すれば良い。また、上記操作部30は、伸縮できない管材又は棒材によって構成しても良い。
更に、上記動力駆動部60に設けた駆動手段80,80Aについても、上記実施形態に限られない。例えば、往動機構については、第12図に示すように、動力駆動部60の回転軸63に入切用のクラッチCを介在して巻取りプーリーPを取り付け、この巻取りプーリーPにフレキシブルワイヤーからなる動力伝達部材70Aを巻き掛けた構成としても良い。この場合には、モーター等の回転力をクラッチCの入り切り操作により間欠的に巻取りプーリーPに伝え、フレキシブルワイヤーを引っ張ることで、鋸刃43に対して往動運動を付与させられる。上記機構は、上記第1実施形態と第2実施形態とに適用できる。また、この駆動手段80に備える復動機構についても、コイルバネを圧装するものに限らず、ゴムやエアダンパー等の弾性体を圧装し、または、弾性体を伸長させた状態で介装させて鋸刃に前進傾向を付与するなど、種々の機構を採用しても良い。
第5実施形態
次に第13図〜第20図を参照して本発明の第5実施形態となる高枝刈取機500を説明する。このものは、上記駆動手段80Cを、2つの動力伝達部材を交互に牽引運動する牽引手段を形成し、これに2つの動力伝達部材を連結し、一方を鋸刃に連結して間欠的に後退運動を付与するとともに、他方を鋸刃の固定位置より鋸刃先端側の位置で反転させて鋸刃に連結して鋸刃に間欠的に前進運動を付与することにより進退運動を行うようにしたものである。その具体的構成を以下説明すると、まず、操作部30は、手に持って操作する操作管(操作棒でも良い)33からなる。この操作管33は、主管33Aと、この外周に挿通した伸縮管33Bからなり、主管33Aと伸縮管33Bとは、例えば、図示しない出没可能なピンとこれに嵌合する複数の孔との長さ調節機構により、伸縮管33Bを長手方向に移動し任意の長さに調節することができる。
上記操作部30である主管33Aの先端側には、刈取部40が設けられる。まず、主管33Aの先端側の管内にガイド部材(カラー)35の嵌合部35Aを挿入固定している。上記ガイド部材35に貫通した略楕円孔35Bには、摺動体39が進退可能に挿通されている。この摺動体39の先端側に、鋸刃43が摺動体39の進退方向Xに対して、やや下向きに取り付けられている。尚、摺動体39は主管33Aの先端側に進退自在に取り付ければ良いものであり、操作管の場合は主管33Aの筒内にガイド部材(カラー)35なしで取り付けても良く、操作棒の場合は別の筒状部材を介して取り付けても良い。
上記操作部30の基端側には、エンジンやモーター等の動力源と連結される動力駆動部60を備えている。この動力駆動部60に設けられる駆動手段80Cについて説明すると、まず、エンジンやモーター等の動力源と連結された回転軸101に180度の位相差で一対の偏心軸102A、102Bを取り付けている。この偏心軸102A、102Bはニードルベアリングで構成されていて、これに各々動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bの手元側を巻回している。これにより、2つの動力伝達部材103A、103Bを交互に牽引運動する牽引手段を形成している。上記動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bは、一対のニードルベアリング104A、104Bの間で一旦束ねられるとともに、第1実施形態と同様に操作部30の手元側における伸縮管33Bの後端に装着したガイド管(図示せず)内を挿通して、操作部30内に導かれている。
上記ガイド部材35に貫通し略楕円孔35Bに進退可能に挿通されている摺動体39の後端部39Aにロッド70Aの先端が連結され、また、ロッド70Aの後端には動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103Aの取付部107が設けられている。そして、上記動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103Aの先端側は、ロッド70の後端側の取付部107に止めねじ108Aにより固定している。また、動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103Bの先端側は主管33A内の先端側に挿入固着した固定座105に取り付けたニードルベアリング106まで導き、ここで反転させて動力伝達部材(ロッド)70の後端側の取付部107に止めねじ108Bにより固定している。これにより、上記駆動手段80は、2つの動力伝達部材103A、103Bを交互に牽引し、一方を鋸刃43に連結して間欠的に後退運動を付与するとともに、他方を鋸刃43の固定位置より鋸刃先端側の位置で反転させて鋸刃43に連結して鋸刃43に間欠的に前進運動を付与することにより鋸刃43の進退運動を行うものである。尚、上記駆動手段80Cとしては、一対の動力伝達部材103A、103Bを交互に牽引する手段として、動力源と繋いだ正逆転する軸(例えば正逆転モータの出力軸)を使用し、これに取り付けた円板に180度の位相差で動力伝達部材103A、103Bを連結して交互に牽引するものや、2つの動力源(例えば2つのモータ)と繋いだ軸にそれぞれ円板を設け、これらに180度の位相差で動力伝達部材103A、103Bを連結して同時に回転駆動し、交互に牽引するもの等を使用しても良い。
更に、操作部30の長さ調節であるが、主管33Aと伸縮管33Bは所謂入れ子状となっており、主管33Aに対して伸縮管33Bをその軸芯長手方向に移動して行える。そして、その固定手段としては、出没可能なピンとこれに嵌合する複数の孔との長さ調節機構により、伸縮管33Bを長手方向に移動し任意の長さに調節することができる。
また、上記動力伝達部材70Aの長さ調節であるが、上記動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103Aと動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103Bの取付部107の固定位置から延長された部分を伸縮管33Bの後端に巻き掛け、主管33Aとの間を通して主管33Aの先端からその外周へ延長し、ここでホルダー109A、109Bにより固定している。第17図に示すように、主管33Aの内周面には動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bを通過させる条溝部110A、110Bが形成されている。これにより、止めねじ108A、108Bを緩めて操作部30の長さを調節する場合に、調節に合わせて動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bの長さも調節され、しかも、止めねじ108A、108Bをその位置で締め付けることで、上記操作部30の長さ変更に合わせて動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bを緊張させた状態に調節可能となっている。従って、低い樹木から高い樹木までの幅広い使用が可能である。
更に、第18図〜第20図に示すように、操作部30を、刈取部40近傍において先端側30Eと基部側30Fとに分割して形成し、両者を屈曲可能に連結して、鋸刃43を左右に首振自在に形成する。その構成は、操作管33を先端側33Eと基部側33Fとに分割して形成し、両者の間に、屈曲機構を設ける。すなわち、先端側33Eには二股に分かれた係合凹部111Aを形成し、一方、基部側33Fには二股に分かれた係合凸部111Bを形成する。そして両者を係合し、孔112A、112Bにボルト113A、113Bを挿入し締め付けることにより、両者を屈曲可能に連結し、且つ適宜な角度で固定できるようにしている。
これにより、鋸刃43を左右に首振自在に形成する。尚、首振り可能角度αは45度程度が好ましいが、任意である。また、動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bは、係合凹部111A、係合凸部111Bの中心部にあけた孔114A、114B中を通過させ、係合凸部111B内には動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bを挟んでその両側に、ローラー115A、115Bを回転可能に取り付けて、動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bをこれに当接させて、どちらの方向に折り曲げても円滑な移動を可能にしている。
特に、第11図に示すように、立った枝を刈り取る場合には、操作部30を屈曲させて鋸刃43をいずれか一方に首振りさせ、操作部30を適宜捩じって鋸刃43を寝かせた状態にして横から刈り取ることができる。しかして、枝の方向にかかわらず、刈り取りが容易にでき、より一層刈取作業性を向上させることができる。
上記第5実施形態の高枝刈取機500は、上記のように構成されており、以下のように作用する。上記高枝刈取機500によると、動力源の起動で駆動手段80Cを作動させると、この動力源と連結された回転軸101に180度の位相差で取り付けられた一対の偏心軸102A、102Bが回転し、これに巻回された動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bが交互に牽引運動される。上記動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103Aの先端側は、ロッド70の後端側の取付部107に止めねじ108Aにより固定され、また、動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103Bの先端側は主管33A内の先端側に挿入固着した固定座105に取り付けたニードルベアリング106まで導き、ここで反転させて動力伝達部材(ロッド)70の後端側の取付部107に止めねじ108Bにより固定さる。このため、鋸刃43は、駆動されて前進運動と後退運動を繰返し、軽快に進退運動を行う。従って、第3図に示すように、動力駆動部60を作業者Mが背負って(手に持つタイプもある)使用する時、操作部30と刈取部40は軽量であり、よって、樹木Gの高所にある枝・茎、葉等を容易に刈り取ることができる。
また、上記高枝刈取機500によると、刈取部40は、鋸刃43と、この鋸刃を進退可能に支持するガイド部材35で構成され、動力伝達部材103A、103Bをフレキシブルワイヤーで構成しているので、軽量化・小型化が図られるとともに、長い操作部30による高所の枝払いの刈り取り作業が軽快に行える。
更に、鋸刃43を駆動する駆動手段80Cは、動力源と連結された回転軸101に180度の位相差で一対の偏心軸102A、102Bを取り付け、これらに各々動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bの手元側を巻回たものであるから、機構が簡単で軽量であり、フレキシブルワイヤー等の軽量で可撓材が使用できるので、高枝刈取機100全体の軽量化・小型化が図られる。
本発明は、上記各実施形態に限定されず、任意適宜な設計変更が可能である。例えば、第21図〜第22図に示す実施形態は第7図に示す第3実施形態による高枝刈取機300において、操作部30を伸縮自在とし、また、操作部30の刈取部近傍を屈曲自在とした構成に変更したものである。
まず、操作部30を伸縮自在とする構成としては、操作管30を主管120に対して伸縮管121を入れ子状にはめ込み、また、棒材についても主管120内に配置する第1帯板122と伸縮管121内に配置する第2帯板123に分割形成して両者を重ね合わせ、その重合部に孔124A、125Aを形成するとともに、主管120と伸縮管121の同じ位置に孔126A、127Aをあけている。また、第2帯板123と伸縮管121には、伸縮管121の移動方向に沿って同じ位置に間隔的に複数の孔125B、125C、127B、127Cをあけている。そして上記主管120の外面にレバー128により主管120と伸縮管121の同じ位置にあけた孔126A、127Aへ挿入される第1ピン129を形成するとともに、この第1ピン129の頭部よって第1帯板122と第2帯板123の重合部にあけた孔124A、125Aに挿入され、且つバネ130により後退傾向を付与した第2ピン131をホルダー132により第1帯板122に取り付けている。レバー128を押すと、第1ピン129が引き抜かれ、第2ピン131も後退して主管120と伸縮管121が自由に伸縮でき、且つ第1帯板122と第2帯板123も同時に伸縮され孔の位置があったところで第1ピン129を挿入すれば主管120と伸縮管121は固定され、また、第1ピン129によって押し込まれた第2ピン131により第1帯板122と第2帯板123が連結固定された状態を維持しながら第1ピン129と第2ピン131底面の摺動を許容し、動力を伝達する機能を発揮するものである。
更に、操作部30を、刈取部40近傍において先端側121Aと基部側121Bとに分割して形成し、両者を屈曲可能に連結して、鋸刃43を左右に首振自在に形成する。その構成は、図18〜図20に示す実施形態のものと同一であって、操作管33を先端側121Aと基部側121Bとに分割して形成し、両者を屈曲可能に連結し、且つ適宜な角度で固定できるようにしている。そして、動力伝達部材は、スプリング鋼等の可撓性を備えた材料で形成した帯板133を使用し、これを、一対のローラー134A、134Bの間に通している。このように、帯板133を使用すれば、屈曲させた状態で動力伝達機能を発揮することができるので、操作部30を屈曲可能に連結して鋸刃43を左右に首振自在に形成することができる。
産業上の利用可能性
以上詳述したように、本発明の請求の範囲第1項記載の高枝刈取機によると、操作管または操作棒の先端側に備えた鋸刃を進退用の駆動手段により駆動するように構成したので、鋸刃は、進退用の駆動手段により軽快に進退運動し、樹木の高所にある枝・茎、葉等を操作管または操作棒を動かすことなく確実に切断して刈り取りできる。しかも、鋸刃とこの駆動手段とにより軽量化・小型化が図られているので高所の枝払いの刈り取り作業を容易に行うことができる。
また、請求の範囲第2項記載の高枝刈取機によると、駆動手段は、鋸刃と操作管または操作棒との間に弾性部材を介装させてその弾発力で鋸刃に常時前進傾向を付与するとともに、回転軸に付設した偏心軸に動力伝達部材を連結して鋸刃に間欠的に後退運動を付与するものであるから、鋸刃をこの駆動手段により軽快に進退運動させることができる。更に、動力伝達部材にフレキシブルワイヤー等の軽量な可撓材が使用でき、また、弾性部材により復動させる構成としたから、一層の軽量化・小型化ができる。
また、請求の範囲第3項記載の高枝刈取機によると、駆動手段は、回転軸に付設した偏心軸にクランク棒を連結するとともに、動力伝達部材を棒材とし、クランク棒と棒材を連結して上記偏心軸の回転運動をクランク棒の進退運動に変換して棒材に進退運動を付与するものであるから、鋸刃をこの駆動手段により軽快に進退運動させることができる。更に、構成の簡素化や軽量化が図られているので、一層の軽量化・小型化ができる。
また、請求の範囲第4項記載の高枝刈取機によると、駆動手段は、2つの動力伝達部材を交互に牽引運動する牽引手段を形成し、これに2つの動力伝達部材を連結し、一方を鋸刃に連結して間欠的に後退運動を付与するとともに、他方を鋸刃の固定位置より鋸刃先端側の位置で反転させて鋸刃に連結して鋸刃に間欠的に前進運動を付与することにより進退運動を行うようにしたものであるから、鋸刃をこの駆動手段により軽快に進退運動させることができる。更に、動力伝達部材にフレキシブルワイヤー等の軽量な可撓材が使用でき、構成の簡素化や軽量化が図られているので、一層の軽量化・小型化ができる。
また、請求の範囲第5項記載の高枝刈取機によると、枝押さえ部材を設けているから、細い小枝や葉の切断時においても、枝押さえ部材が小枝や葉の逃げを防いで確実な切断作用が維持できる。
また、請求の範囲第6項記載の高枝刈取機によると、操作部を伸縮可能な構成とするとともに、上記動力伝達部材の長さを調節可能としたから、低い樹木から高い樹木までの幅広い使用が可能となり、刈取作業性を向上させることができる。
また、請求の範囲第7項記載の高枝刈取機によると、操作部を屈曲可能に連結して、鋸刃を左右に首振自在に形成したから、立った枝を刈り取るような場合に、鋸刃を寝かして横方向から刈り取ることが可能となり、より一層刈取作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施形態を示し、高枝刈取機の全体斜視図、第2図は本発明の第1実施形態を示し、高枝刈取機の断面図、第3図は本発明の第1実施形態を示し、高枝刈取機の使用状態の外観図、第4図は本発明の第1実施形態を示し、太い枝の切断作用図、第5図は本発明の第1実施形態を示し、細い枝と葉の切断作用図、第6図は本発明の第2実施形態を示し、高枝刈取機の断面図、第7図は本発明の第3実施形態を示し、高枝刈取機の作用断面図、第8図は本発明の第4実施形態を示し、高枝刈取機の分解斜視図、第9図は本発明の第4実施形態を示し、高枝刈取機の断面図、第10図は本発明の第4実施形態を示し、高枝刈取機の断面図、第11図は本発明の第4実施形態を示し、高枝刈取機の作用図、第12図は動力駆動部の変形実施形態の斜視図、第13図は本発明の第5実施形態を示し、高枝刈取機の縦断面図、第14図は本発明の第5実施形態を示し、高枝刈取機の横断面図、第15図は本発明の第5実施形態を示し、第14図のA−A端面図、第16図は本発明の第5実施形態を示し、第14図のC方向矢視図、第17図は本発明の第5実施形態を示し、第14図のB−B端面図、第18図は本発明の第5実施形態を示し、操作部の分解斜視図、第19図は本発明の第5実施形態を示し、操作部の縦断面図、第20図は本発明の第5実施形態を示し、操作部の横断面図、第21図は高枝刈取機のたの実施形態を示す縦断面図、第22図は第21図のD−D断面図、第23図は従来の高枝刈取機の使用状態を示す外観図、第24図は従来の高枝刈取機の要部を示す斜視図である。
本発明は、樹木の高所にある枝、茎、葉等を地表に立つ作業者の手により刈り取る高枝刈取機に係り、特に、刈取部の軽量化を図り、その作業性を向上させたものに関する。
背景技術
従来、樹木の高所にある枝、茎、葉等を地表に立つ作業者の手により刈り取る高枝刈取機が提供されている。この高枝刈取機は、一般家庭用や林業、街路樹枝払い用として多用されている。
上記従来の高枝刈取機の構成は、第23図に示すように、作業者Mが背負って(手に持つタイプもある)使用する動力駆動部1と、作業者が手に持って操作する操作管又は操作棒からなる操作部3と、上記操作部3の先端に備えられ、枝・茎・葉等を切断するヘッジトリマー(バリカン刃)10、又はチェンソー13、又は回転カッター15等で構成された刈取部5とからなり、動力駆動部1の動力源と刈取部5を操作部3の内部に挿通した動力伝達部材17にて連結して駆動させる構造になっている。
上記刈取部5の詳細構成は、第24図に示すようになっている。先ず、ヘッジトリマー(バリカン刃)10は、第24図(a)に示すように、操作部3の内部に挿通した動力伝達部材17の回転運動を直交する方向の回転運動に変換するギアーボックスG1を操作部3の先端に備えている。このギアーボックスG1は、動力伝達部材17の先端に備えたベベルギアB1と、これに直角に噛合うベベルギアB2と、このベベルギアB2の底面に偏心して取り付けたピンPにクランク棒Kの一端を枢支し、他端を進退移動刃10Aと固定刃10Bからなる一対のバリカン刃10の進退移動刃10Aに枢支連結させている。これにより、動力伝達部材17の回転運動を進退移動刃10Aの進退運動に変換する。
また、チェンソー13は、第24図(b)に示すように、操作部3の内部に挿通した動力伝達部材17の回転運動を直交する方向の回転運動に変換するギアーボックスG2を操作部3の先端に備えている。このギアーボックスG2は、動力伝達部材17の先端に備えたベベルギアB1と、これに直角に噛合うベベルギアB2と、このベベルギアB2の外側面に付設したスプロケットSとからなる。このスプロケットSには、前方に長く伸びた支持体19に掛け廻したチェンソー20の基端側を係合させている。これにより、動力伝達部材17の回転運動をチェンソー20の周回運動に変換する。
更に、回転カッター15は、第24図(c)に示すように、操作部3の内部に挿通した動力伝達部材17の回転運動を直交する方向の回転運動に変換するギアーボックスG3を操作部3の先端に備えている。このギアーボックスG3は、動力伝達部材17の先端に備えたベベルギアB1と、これに噛み合わせたベベルギアB2と、このベベルギアB2の下面に連結させた回転刃23とからなる。これにより、動力伝達部材17の回転運動を、これと直交する方向の回転運動に変換し、回転刃23を回転駆動する。
上記刈取部5に備えるヘッジトリマー(バリカン刃)10は,回転運動を往復運動に変換する部材が必要になり大型化が免れず、チェンソー13や回転カッター15は、比較的に重量が重く、これらを変換駆動させる上記ギアーボックスG1,G2,G3も、相当に重い重量を持つものである。しかも、実際の高枝刈取作業を行う時、上記刈取部5は、長い操作部3の先端に備えたものであることから、作業者の手には大きな荷重が掛かる。このため、相当の重労働となってしまうという問題点がある。
本発明は、上記従来の高枝刈取機が持つ問題点に鑑みてなされたもので、特に、刈取部を鋸刃とし、これを進退駆動する駆動手段とで簡潔に構成することで、軽量化・小型化を図り、その刈取作業性を向上させた高枝刈取機を提供することを目的としている。
発明の開示
本発明は、上記課題を達成すべくなされたもので、請求の範囲第1項の高枝刈取機は、所定の長さを有する操作管又は操作棒と、上記操作管又は操作棒の先端側に進退可能に取り付けられる鋸刃と、上記操作管又は操作棒の基端側に設けられる動力源と、上記動力源と連結されて進退運動を行う駆動手段と、上記駆動手段と上記鋸刃とを連結する動力伝達部材と、を具備したことを特徴とするものである。
請求の範囲第2項の高枝刈取機は、請求の範囲第1項の高枝刈取機において、上記駆動手段は、鋸刃と操作管または操作棒との間に弾性部材を介装させて常時前進傾向を付与するとともに、回転軸に付設した偏心軸に動力伝達部材を連結して鋸刃に間欠的に後退運動を付与するものであることを特徴とするものである。
請求の範囲第3項の高枝刈取機は、請求の範囲第1項の高枝刈取機において、上記駆動手段は、上記駆動手段は、回転軸に付設した偏心軸にクランク棒を連結するとともに、動力伝達部材を棒材とし、クランク棒と棒材を連結して上記偏心軸の回転運動をクランク棒の進退運動に変換して棒材に進退運動を付与するものであることを特徴とするものである。
請求の範囲第4項の高枝刈取機は、請求の範囲第1項の高枝刈取機において、上記駆動手段は、2つの動力伝達部材を交互に牽引運動する牽引手段を形成し、これに2つの動力伝達部材を連結し、一方を鋸刃に連結して間欠的に後退運動を付与するとともに、他方を鋸刃の固定位置より鋸刃先端側の位置で反転させて鋸刃に連結して鋸刃に間欠的に前進運動を付与することにより進退運動を行うようにしたものであることを特徴とするものである。
請求の範囲第5項の高枝刈取機は、請求の範囲第1項〜第4項のうちいずれか1項記載の高枝刈取機において、上記操作部の先端側に取り付けられ、鋸刃の側面に沿い、且つ鋸刃の進退方向と略直交する方向に延長配置した枝押さえ部材を設けたことを特徴とするものである。
請求の範囲第6項の高枝刈取機は、請求の範囲第1項、第2項、第4項のうちいずれか1項記載の高枝刈取機において、上記操作部を伸縮可能とするとともに、上記動力伝達部材は上記操作部の長さ変更に合わせて長さを調節可能としたことを特徴とするものである。
請求の範囲第7項の高枝刈取機は、請求の範囲第1項、第2項、第4項のうちいずれか1項記載の高枝刈取機において、上記操作部を刈取部近傍において先端側と基部側とに分割して形成し、両者を屈曲可能に連結して、鋸刃を左右に首振自在に形成したことを特徴とするものである。
本発明に係る請求の範囲第1項の高枝刈取機の場合には、操作管または操作棒の先端側に備えた鋸刃を進退用の駆動手段により駆動するように構成されている。これにより、鋸刃は、進退用の駆動手段により軽快に進退運動し、樹木の高所にある枝・茎、葉等を操作管または操作棒を動かすことなく確実に切断して刈り取りできる。即ち、上記高枝刈取機によると、鋸刃とこの駆動手段とにより軽量化・小型化が図られるとともに、高所の枝払いの刈り取り作業が容易に行える。
請求の範囲第2項の場合であるが、上記駆動手段は、鋸刃と操作管または操作棒との間に弾性部材を介装させてその弾発力で鋸刃に常時前進傾向を付与するとともに、回転軸に付設した偏心軸に動力伝達部材を連結して鋸刃に間欠的に後退運動を付与するものであるから、鋸刃をこの駆動手段により軽快に進退運動させることができる。更に、動力伝達部材にフレキシブルワイヤー等の軽量な可撓材が使用できて、高枝刈取機全体の軽量化・小型化が図られる。
請求の範囲第3項の場合であるが、上記駆動手段は、回転軸に付設した偏心軸にクランク棒を連結するとともに、動力伝達部材を棒材とし、クランク棒と棒材を連結して上記偏心軸の回転運動をクランク棒の進退運動に変換して棒材に進退運動を付与するものであるから、鋸刃をこの駆動手段により軽快に進退運動させることができる。更に、構成の簡素化や軽量化が図られているので、高枝刈取機全体の軽量化が図られる。
請求の範囲第4項の場合であるが、上記駆動手段は、2つの動力伝達部材を交互に牽引運動する牽引手段を形成し、これに2つの動力伝達部材を連結し、一方を鋸刃に連結して間欠的に後退運動を付与するとともに、他方を鋸刃の固定位置より鋸刃先端側の位置で反転させて鋸刃に連結して鋸刃に間欠的に前進運動を付与することにより進退運動を行うようにしたものであるから、鋸刃をこの駆動手段により軽快に進退運動させることができる。更に、動力伝達部材にフレキシブルワイヤー等の軽量な可撓材が使用できて、全体の軽量化・小型化が図られる。
請求の範囲第5項の場合であるが、上記操作部の先端側に取り付けられ、鋸刃の側面に沿い、且つ鋸刃の進退方向と略直交する方向に延長配置した枝押さえ部材を設けているから、細い小枝や葉の切断時においても、枝押さえ部材が小枝や葉の逃げを防ぎ、確実な切断作用が維持できる。
請求の範囲第6項の場合であるが、操作部を伸縮可能な構成とするとともに、上記動力伝達部材の長さを調節可能としたから、低い樹木から高い樹木までの幅広い使用が可能である。従って、刈取作業性を向上させることができる。
請求の範囲第7項の場合であるが、上記操作部を刈取部近傍において先端側と基部側とに分割して形成し、両者を屈曲可能に連結して、鋸刃を左右に首振自在に形成したから、立った枝を刈り取るような場合に、鋸刃を寝かして横方向から刈り取ることが可能となり、より一層刈取作業性を向上させることができる。
発明を実施するための最良の形態
本発明の高枝刈取機について、図面に示す各実施形態を参照して説明する。
第1実施形態
本発明の第1実施形態となる高枝刈取機100を、第1図と第2図に示す。まず、操作部30は、手に持って操作する操作管(操作棒でも良い)33からなる。この操作管33は、主管33Aと、この外周に挿通した伸縮管33Bからなり、伸縮管33Bの先端部に付設した締結環34を緩めると、伸縮管33Bをその軸芯長手方向に移動できる。この嵌合位置で締結環34を締め付けると、伸縮管33Bは主管33A上に固定される。
上記操作部30となる主管33Aの先端側には、刈取部40が設けられる。まず、主管33Aの先端側の管内にガイド部材(カラー)35の嵌合部35Aを挿入し、管壁に開けた孔33C,33Dを通して止めネジ37にて装着されている。上記ガイド部材35に貫通した略楕円孔35Bには、摺動体39が進退可能に挿通されている。この摺動体39の先端側に、鋸刃43が摺動体39の進退方向Xに対して、やや下向きに取り付けられている。尚、摺動体39は主管33Aの先端側に進退自在に取り付ければ良いものであり、操作管の場合は主管33Aの筒内にガイド部材(カラー)35なしで取り付けても良く、操作棒の場合は別の筒状部材を介して取り付けても良い。
上記操作部30の基端側には、エンジンやモーター等の動力源と連結される動力駆動部60を備えている。この動力駆動部60は、回転軸63に取り付けた円板65の偏心位置(a)に付設した偏心軸66に開けた通孔66Aに後述する動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)70Aの手元側を挿通し、その任意位置をボルト73で固着した駆動手段80を備えている。上記動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)70Aは、操作部30の手元側における伸縮管33Bの後端に装着したガイド管79内を挿通して、操作部30内に導かれている。これで、上記動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)70は、上記操作部30の長さ変更に合わせて緊張させた状態に長さを調節可能となっている。
更に、上記動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)70Aの先端側は、動力伝達部材(ロッド)70の後端側と連結している。そして、動力伝達部材(ロッド)70Aの先端は上記ガイド部材35に貫通し略楕円孔35Bに進退可能に挿通されている摺動体39の後端部39Aに連結されている。更に、上記摺動体39の後端部の端面39Bと、主管33A内の先端側に挿入固着し、動力伝達部材(ロッド)70を移動可能に挿通した固定座75との間に、弾性部材であるコイルバネ77が圧装されている。これにより、上記駆動手段80における円板65の偏心位置(a)に付設した偏心軸66により、鋸刃43に間欠的に後退運動を付与する往動機構69が構成され、また、上記コイルバネ77により、鋸刃43に常時前進傾向を付与する復動機構67が構成される。
更に、上記操作部30の先端側に配置したガイド部材35には、枝押さえ部材50を備えている。この枝押さえ部材50は、2本の押さえ棒50Aを鋸刃43の両側に沿わせ、且つ鋸刃43の進退方向Xと略直交する方向Yに延長配置されている。上記2本の押さえ棒50Aには、ガイドローラ53を備えている。2本の押さえ棒50Aは、ガイド部材35にあけた孔35Cに挿通して進退自在に取り付けられ、ボルト35Dにより任意の位置で固定できるようにして、位置調節自在とし、ガイドローラ53もその上下方向の位置を調節できるように取り付けられている。尚、枝押さえ部材50は押さえ棒を1本として鋸刃43の側面に沿うように配置しても良い。
上記第1実施形態の高枝刈取機100は、上記のように構成されており、以下のように作用する。上記高枝刈取機100によると、刈取部40は、鋸刃43とガイド部材35とで簡潔に構成されている。これにより、上記動力源の起動で駆動手段80を作動させると、この駆動手段80に備える復動機構67のコイルバネ77が鋸刃43に常時前進力を付与し、往動機構69が鋸刃43に間欠的に後退運動を付与する。このため、鋸刃43は、軽快に進退運動を行う。従って、第3図に示すように、動力駆動部60を作業者Mが背負って(手に持つタイプもある)使用する時、操作部30と刈取部40は軽量であり、よって、樹木Gの高所にある枝・茎、葉等を容易に刈り取りできる。
上記高枝刈取機100の具体的な刈り取り作業を、第4図と第5図に示す。先ず、太い枝K1の場合は、第4図のように、鋸刃43を太い枝に対して、この上側から押さえながら進退運動させる。この進退運動により、太い枝は不安定な姿勢になることなく、確実に切断される。次に、細い枝K2や葉Hの刈り取り作業は、第5図に示すようにして行われる。鋸刃43の中腹付近には、鋸刃の両面に沿い、且つ鋸刃の進退方向Xと略直交する方向Yに枝押さえ部材50を配置しているから、細い小枝K2や葉Hの切断時においても、枝押さえ部材50が小枝K2や葉Hの逃げを防いで確実な切断作用が維持できる。
また、上記高枝刈取機100によると、刈取部40は、鋸刃43と、この鋸刃を進退可能に支持するガイド部材35で構成され、動力伝達部材70,70Aをフレキシブルワイヤー等で構成しているので、軽量化・小型化が図られるとともに、長い操作部30による高所の枝払いの刈り取り作業が軽快に行える。
更に、鋸刃43に常時前進傾向を付与する復動機構67を操作部30の先端側に備え、鋸刃43に間欠的に後退運動を付与する往動機構69を操作部30の基端側に備えており、上記両部材を繋ぐ動力伝達部材70Aは、フレキシブルワイヤー等の軽量で可撓材が使用できるので、高枝刈取機100全体の軽量化・小型化が図られる。
更に、操作部30の長さ調節は、この伸縮管33Bの先端部に付設した締結環34を緩めて、伸縮管33Bをその軸芯長手方向に移動して行える。この嵌合位置で締結環34を締め付けて、主管33A上の任意位置に伸縮管33Bを固定することで容易にできる。また、上記動力伝達部材70Aの長さ調節であるが、回転軸63の円板65に付設した偏心軸65との固着位置を操作部30の長さに合わせて調節し、ボルト73で固着する。従って、低い樹木から高い樹木までの幅広い使用が可能である。
第2実施形態
本発明は、上記第1実施形態に限定されない。例えば、第6図に示す第2実施形態による高枝刈取機200としても良い。この高枝刈取機200は、動力駆動部60における駆動手段80Aを設計変更したもので、鋸刃43に常時前進傾向を付与する復動機構67と、鋸刃に間欠的に後退運動を付与する往動機構69とを操作部30の基端側に一体的に構成したものである。
そして、駆動手段80Aの復動機構67と鋸刃43との間は、操作部30内に配置した軸受91,93により支持された長い棒状体の動力伝達部材70にて連結されている。また、往動機構69の動力伝達部材70Aは、フレキシブルワイヤーが使用されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同一であり、同一符号を付して説明を省略する。
上記第2実施形態の高枝刈取機200によると、以下のように作用する。まず、操作部30の先端側に備える刈取部40には、ガイド部材35及び鋸刃43と進退可能な摺動体39だけを装備しており、駆動手段80Aは、操作部30の先端側の棒状体の動力伝達部材70と手元側に備えたフレキシブルワイヤーの動力伝達部材70Aにより連結されている。
これにより、動力源の起動で駆動手段80Aを作動させると、この駆動手段80Aに備える復動機構67が動力伝達部材70A、70を介して鋸刃43に常時前進傾向を付与する。また、駆動手段80Aに備える往動機構69が鋸刃43に間欠的に後退運動を付与する。上記の前進・後退運動により、鋸刃43は、軽快に進退運動を行い、樹木の高所にある枝・茎、葉等を刈り取る。
従って、上記高枝刈取機200によると、刈取部40は、鋸刃43と進退可能な摺動体39及びガイド部材35だけで構成され、駆動手段80Aはその全てが操作部30の手元側に備えられている。従って、刈取部40の一層の軽量化が図られ、長い操作部30による高所の枝払い作業が軽快に行えるとともに、上記駆動手段80Aの保守・点検が容易に行える。
そして、上記第1実施形態と同様に、第5図に示すように、鋸刃43の中腹付近には、鋸刃の両面に沿い、且つ鋸刃の進退方向Xと略直交する方向Yに枝押さえ部材50を配置しているから、細い小枝K2や葉Hの切断時においても、枝押さえ部材50が小枝K2や葉Hの逃げを防いで確実な切断作用が維持できる。
更に、操作部30の長さ調節は、この伸縮管33Bの先端部に付設した締結環34を緩めて、伸縮管33Bをその軸芯長手方向に移動して行える。この嵌合位置で締結環34を締め付けて、主管33A上の任意位置に伸縮管33Bを固定する。また、上記動力伝達部材70Aの長さは、回転軸63の円板65に付設した偏心軸66との固着位置を操作部30の長さに合わせて調節し、ボルト73で固着する。従って、低い樹木から高い樹木までの幅広い使用が可能である。
第3実施形態
更に、第7図に示す第3実施形態による高枝刈取機300としても良い。この高枝刈取機300は、動力駆動部60に設けた駆動手段80Bにおいて、鋸刃43に常時前進傾向を付与する復動機構と、鋸刃に間欠的に後退運動を付与する往動機構とを省略し、回転軸に付設した偏心軸にクランク棒を連結するとともに、動力伝達部材を棒材とし、クランク棒と棒材を連結して上記偏心軸の回転運動をクランク棒の進退運動に変換して棒材に進退運動を付与するものである。その構成は、操作部30内に挿通する動力伝達部材70Bを全て棒材として、前後端の軸受91,93で進退可能に支持する。そして、動力伝達部材70Bの手元側は、回転軸63の円板65に付設した偏心軸66に可撓性を有するクランク棒95を介して連結されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同一であり、同一符号を付して説明を省略する。また、他の構成としては、スライダクランク機構を応用し、スライダに動力伝達部材70Bである棒材を連結しても良い。
上記第3実施形態による高枝刈取機300についても、上記第1実施形態及び第2実施形態の高枝刈取機100,200と同様な作用・効果が発揮される。
特に、動力駆動部60に設けた駆動手段80Bは、鋸刃43に付与する前進・後退運動を、回転軸63の円板65に付設した偏心軸66の偏心運動をクランク棒95を介して動力伝達部材70Bに進退運動として伝達することにより行う。
しかして、駆動手段80Bはその構成の簡潔化や軽量化が図られるとともに、高枝刈取機全体の軽量化が図られる。従って、高い樹木用の高枝刈取機としての使用がより一層容易となる。
第4実施形態
更に、第8図〜第11図に示す第4実施形態による高枝刈取機400としても良い。この高枝刈取機400は、操作部30を、刈取部40近傍において先端側30Eと基部側30Fとに分割して形成し、両者を屈曲可能に連結して、鋸刃43を左右に首振自在に形成したものである。その構成は、操作部30を先端側30Eと基部側30Fとに分割して形成し、両者の間に、屈曲機構を設ける。すなわち、先端側30Eには二股に分かれた係合凹部96Aを形成し、一方、基部側30Fには二股に分かれた係合凸部97Aを形成する。そして両者を係合し、孔96B、97Bにボルト98Aを挿入し、ナット98Bを締め付けることにより、両者を屈曲可能に連結し、且つ適宜な角度で固定できるようにしている。
これにより、鋸刃43を左右に首振自在に形成する。尚、首振り可能角度αは45度程度が好ましいが、任意である。また、動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)70Aは、係合凹部96A、係合凸部97Aの中心部にあけた孔96C、97C中を通過させ、ボルト98Aの部分には、ローラー99を回転可能に取り付けて、これに当接させて、円滑な移動を可能にしている。その他の構成は、上記第1実施形態と同一であり、同一符号を付して説明を省略する。
上記第4実施形態による高枝刈取機400についても、上記第1実施形態及び第2実施形態の高枝刈取機100,200と同様な作用・効果が発揮される。
特に、第11図に示すように、立った枝を刈り取る場合には、操作部30を屈曲させて鋸刃43をいずれか一方に首振りさせ、操作部30を適宜捩じって鋸刃43を寝かせた状態にして横から刈り取ることができる。しかして、枝の方向にかかわらず、刈り取りが容易にでき、より一層刈取作業性を向上させることができる。
本発明は、上記各実施形態に限定されず、任意適宜な設計変更が可能である。例えば、上記操作部30は、操作管によって構成したが、操作棒としても良い。上記操作棒とした場合は、上記動力伝達部材70,70A,70Bを操作棒の外側に沿って配置すれば良い。また、上記操作部30は、伸縮できない管材又は棒材によって構成しても良い。
更に、上記動力駆動部60に設けた駆動手段80,80Aについても、上記実施形態に限られない。例えば、往動機構については、第12図に示すように、動力駆動部60の回転軸63に入切用のクラッチCを介在して巻取りプーリーPを取り付け、この巻取りプーリーPにフレキシブルワイヤーからなる動力伝達部材70Aを巻き掛けた構成としても良い。この場合には、モーター等の回転力をクラッチCの入り切り操作により間欠的に巻取りプーリーPに伝え、フレキシブルワイヤーを引っ張ることで、鋸刃43に対して往動運動を付与させられる。上記機構は、上記第1実施形態と第2実施形態とに適用できる。また、この駆動手段80に備える復動機構についても、コイルバネを圧装するものに限らず、ゴムやエアダンパー等の弾性体を圧装し、または、弾性体を伸長させた状態で介装させて鋸刃に前進傾向を付与するなど、種々の機構を採用しても良い。
第5実施形態
次に第13図〜第20図を参照して本発明の第5実施形態となる高枝刈取機500を説明する。このものは、上記駆動手段80Cを、2つの動力伝達部材を交互に牽引運動する牽引手段を形成し、これに2つの動力伝達部材を連結し、一方を鋸刃に連結して間欠的に後退運動を付与するとともに、他方を鋸刃の固定位置より鋸刃先端側の位置で反転させて鋸刃に連結して鋸刃に間欠的に前進運動を付与することにより進退運動を行うようにしたものである。その具体的構成を以下説明すると、まず、操作部30は、手に持って操作する操作管(操作棒でも良い)33からなる。この操作管33は、主管33Aと、この外周に挿通した伸縮管33Bからなり、主管33Aと伸縮管33Bとは、例えば、図示しない出没可能なピンとこれに嵌合する複数の孔との長さ調節機構により、伸縮管33Bを長手方向に移動し任意の長さに調節することができる。
上記操作部30である主管33Aの先端側には、刈取部40が設けられる。まず、主管33Aの先端側の管内にガイド部材(カラー)35の嵌合部35Aを挿入固定している。上記ガイド部材35に貫通した略楕円孔35Bには、摺動体39が進退可能に挿通されている。この摺動体39の先端側に、鋸刃43が摺動体39の進退方向Xに対して、やや下向きに取り付けられている。尚、摺動体39は主管33Aの先端側に進退自在に取り付ければ良いものであり、操作管の場合は主管33Aの筒内にガイド部材(カラー)35なしで取り付けても良く、操作棒の場合は別の筒状部材を介して取り付けても良い。
上記操作部30の基端側には、エンジンやモーター等の動力源と連結される動力駆動部60を備えている。この動力駆動部60に設けられる駆動手段80Cについて説明すると、まず、エンジンやモーター等の動力源と連結された回転軸101に180度の位相差で一対の偏心軸102A、102Bを取り付けている。この偏心軸102A、102Bはニードルベアリングで構成されていて、これに各々動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bの手元側を巻回している。これにより、2つの動力伝達部材103A、103Bを交互に牽引運動する牽引手段を形成している。上記動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bは、一対のニードルベアリング104A、104Bの間で一旦束ねられるとともに、第1実施形態と同様に操作部30の手元側における伸縮管33Bの後端に装着したガイド管(図示せず)内を挿通して、操作部30内に導かれている。
上記ガイド部材35に貫通し略楕円孔35Bに進退可能に挿通されている摺動体39の後端部39Aにロッド70Aの先端が連結され、また、ロッド70Aの後端には動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103Aの取付部107が設けられている。そして、上記動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103Aの先端側は、ロッド70の後端側の取付部107に止めねじ108Aにより固定している。また、動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103Bの先端側は主管33A内の先端側に挿入固着した固定座105に取り付けたニードルベアリング106まで導き、ここで反転させて動力伝達部材(ロッド)70の後端側の取付部107に止めねじ108Bにより固定している。これにより、上記駆動手段80は、2つの動力伝達部材103A、103Bを交互に牽引し、一方を鋸刃43に連結して間欠的に後退運動を付与するとともに、他方を鋸刃43の固定位置より鋸刃先端側の位置で反転させて鋸刃43に連結して鋸刃43に間欠的に前進運動を付与することにより鋸刃43の進退運動を行うものである。尚、上記駆動手段80Cとしては、一対の動力伝達部材103A、103Bを交互に牽引する手段として、動力源と繋いだ正逆転する軸(例えば正逆転モータの出力軸)を使用し、これに取り付けた円板に180度の位相差で動力伝達部材103A、103Bを連結して交互に牽引するものや、2つの動力源(例えば2つのモータ)と繋いだ軸にそれぞれ円板を設け、これらに180度の位相差で動力伝達部材103A、103Bを連結して同時に回転駆動し、交互に牽引するもの等を使用しても良い。
更に、操作部30の長さ調節であるが、主管33Aと伸縮管33Bは所謂入れ子状となっており、主管33Aに対して伸縮管33Bをその軸芯長手方向に移動して行える。そして、その固定手段としては、出没可能なピンとこれに嵌合する複数の孔との長さ調節機構により、伸縮管33Bを長手方向に移動し任意の長さに調節することができる。
また、上記動力伝達部材70Aの長さ調節であるが、上記動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103Aと動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103Bの取付部107の固定位置から延長された部分を伸縮管33Bの後端に巻き掛け、主管33Aとの間を通して主管33Aの先端からその外周へ延長し、ここでホルダー109A、109Bにより固定している。第17図に示すように、主管33Aの内周面には動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bを通過させる条溝部110A、110Bが形成されている。これにより、止めねじ108A、108Bを緩めて操作部30の長さを調節する場合に、調節に合わせて動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bの長さも調節され、しかも、止めねじ108A、108Bをその位置で締め付けることで、上記操作部30の長さ変更に合わせて動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bを緊張させた状態に調節可能となっている。従って、低い樹木から高い樹木までの幅広い使用が可能である。
更に、第18図〜第20図に示すように、操作部30を、刈取部40近傍において先端側30Eと基部側30Fとに分割して形成し、両者を屈曲可能に連結して、鋸刃43を左右に首振自在に形成する。その構成は、操作管33を先端側33Eと基部側33Fとに分割して形成し、両者の間に、屈曲機構を設ける。すなわち、先端側33Eには二股に分かれた係合凹部111Aを形成し、一方、基部側33Fには二股に分かれた係合凸部111Bを形成する。そして両者を係合し、孔112A、112Bにボルト113A、113Bを挿入し締め付けることにより、両者を屈曲可能に連結し、且つ適宜な角度で固定できるようにしている。
これにより、鋸刃43を左右に首振自在に形成する。尚、首振り可能角度αは45度程度が好ましいが、任意である。また、動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bは、係合凹部111A、係合凸部111Bの中心部にあけた孔114A、114B中を通過させ、係合凸部111B内には動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bを挟んでその両側に、ローラー115A、115Bを回転可能に取り付けて、動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bをこれに当接させて、どちらの方向に折り曲げても円滑な移動を可能にしている。
特に、第11図に示すように、立った枝を刈り取る場合には、操作部30を屈曲させて鋸刃43をいずれか一方に首振りさせ、操作部30を適宜捩じって鋸刃43を寝かせた状態にして横から刈り取ることができる。しかして、枝の方向にかかわらず、刈り取りが容易にでき、より一層刈取作業性を向上させることができる。
上記第5実施形態の高枝刈取機500は、上記のように構成されており、以下のように作用する。上記高枝刈取機500によると、動力源の起動で駆動手段80Cを作動させると、この動力源と連結された回転軸101に180度の位相差で取り付けられた一対の偏心軸102A、102Bが回転し、これに巻回された動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bが交互に牽引運動される。上記動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103Aの先端側は、ロッド70の後端側の取付部107に止めねじ108Aにより固定され、また、動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103Bの先端側は主管33A内の先端側に挿入固着した固定座105に取り付けたニードルベアリング106まで導き、ここで反転させて動力伝達部材(ロッド)70の後端側の取付部107に止めねじ108Bにより固定さる。このため、鋸刃43は、駆動されて前進運動と後退運動を繰返し、軽快に進退運動を行う。従って、第3図に示すように、動力駆動部60を作業者Mが背負って(手に持つタイプもある)使用する時、操作部30と刈取部40は軽量であり、よって、樹木Gの高所にある枝・茎、葉等を容易に刈り取ることができる。
また、上記高枝刈取機500によると、刈取部40は、鋸刃43と、この鋸刃を進退可能に支持するガイド部材35で構成され、動力伝達部材103A、103Bをフレキシブルワイヤーで構成しているので、軽量化・小型化が図られるとともに、長い操作部30による高所の枝払いの刈り取り作業が軽快に行える。
更に、鋸刃43を駆動する駆動手段80Cは、動力源と連結された回転軸101に180度の位相差で一対の偏心軸102A、102Bを取り付け、これらに各々動力伝達部材(フレキシブルワイヤー)103A、103Bの手元側を巻回たものであるから、機構が簡単で軽量であり、フレキシブルワイヤー等の軽量で可撓材が使用できるので、高枝刈取機100全体の軽量化・小型化が図られる。
本発明は、上記各実施形態に限定されず、任意適宜な設計変更が可能である。例えば、第21図〜第22図に示す実施形態は第7図に示す第3実施形態による高枝刈取機300において、操作部30を伸縮自在とし、また、操作部30の刈取部近傍を屈曲自在とした構成に変更したものである。
まず、操作部30を伸縮自在とする構成としては、操作管30を主管120に対して伸縮管121を入れ子状にはめ込み、また、棒材についても主管120内に配置する第1帯板122と伸縮管121内に配置する第2帯板123に分割形成して両者を重ね合わせ、その重合部に孔124A、125Aを形成するとともに、主管120と伸縮管121の同じ位置に孔126A、127Aをあけている。また、第2帯板123と伸縮管121には、伸縮管121の移動方向に沿って同じ位置に間隔的に複数の孔125B、125C、127B、127Cをあけている。そして上記主管120の外面にレバー128により主管120と伸縮管121の同じ位置にあけた孔126A、127Aへ挿入される第1ピン129を形成するとともに、この第1ピン129の頭部よって第1帯板122と第2帯板123の重合部にあけた孔124A、125Aに挿入され、且つバネ130により後退傾向を付与した第2ピン131をホルダー132により第1帯板122に取り付けている。レバー128を押すと、第1ピン129が引き抜かれ、第2ピン131も後退して主管120と伸縮管121が自由に伸縮でき、且つ第1帯板122と第2帯板123も同時に伸縮され孔の位置があったところで第1ピン129を挿入すれば主管120と伸縮管121は固定され、また、第1ピン129によって押し込まれた第2ピン131により第1帯板122と第2帯板123が連結固定された状態を維持しながら第1ピン129と第2ピン131底面の摺動を許容し、動力を伝達する機能を発揮するものである。
更に、操作部30を、刈取部40近傍において先端側121Aと基部側121Bとに分割して形成し、両者を屈曲可能に連結して、鋸刃43を左右に首振自在に形成する。その構成は、図18〜図20に示す実施形態のものと同一であって、操作管33を先端側121Aと基部側121Bとに分割して形成し、両者を屈曲可能に連結し、且つ適宜な角度で固定できるようにしている。そして、動力伝達部材は、スプリング鋼等の可撓性を備えた材料で形成した帯板133を使用し、これを、一対のローラー134A、134Bの間に通している。このように、帯板133を使用すれば、屈曲させた状態で動力伝達機能を発揮することができるので、操作部30を屈曲可能に連結して鋸刃43を左右に首振自在に形成することができる。
産業上の利用可能性
以上詳述したように、本発明の請求の範囲第1項記載の高枝刈取機によると、操作管または操作棒の先端側に備えた鋸刃を進退用の駆動手段により駆動するように構成したので、鋸刃は、進退用の駆動手段により軽快に進退運動し、樹木の高所にある枝・茎、葉等を操作管または操作棒を動かすことなく確実に切断して刈り取りできる。しかも、鋸刃とこの駆動手段とにより軽量化・小型化が図られているので高所の枝払いの刈り取り作業を容易に行うことができる。
また、請求の範囲第2項記載の高枝刈取機によると、駆動手段は、鋸刃と操作管または操作棒との間に弾性部材を介装させてその弾発力で鋸刃に常時前進傾向を付与するとともに、回転軸に付設した偏心軸に動力伝達部材を連結して鋸刃に間欠的に後退運動を付与するものであるから、鋸刃をこの駆動手段により軽快に進退運動させることができる。更に、動力伝達部材にフレキシブルワイヤー等の軽量な可撓材が使用でき、また、弾性部材により復動させる構成としたから、一層の軽量化・小型化ができる。
また、請求の範囲第3項記載の高枝刈取機によると、駆動手段は、回転軸に付設した偏心軸にクランク棒を連結するとともに、動力伝達部材を棒材とし、クランク棒と棒材を連結して上記偏心軸の回転運動をクランク棒の進退運動に変換して棒材に進退運動を付与するものであるから、鋸刃をこの駆動手段により軽快に進退運動させることができる。更に、構成の簡素化や軽量化が図られているので、一層の軽量化・小型化ができる。
また、請求の範囲第4項記載の高枝刈取機によると、駆動手段は、2つの動力伝達部材を交互に牽引運動する牽引手段を形成し、これに2つの動力伝達部材を連結し、一方を鋸刃に連結して間欠的に後退運動を付与するとともに、他方を鋸刃の固定位置より鋸刃先端側の位置で反転させて鋸刃に連結して鋸刃に間欠的に前進運動を付与することにより進退運動を行うようにしたものであるから、鋸刃をこの駆動手段により軽快に進退運動させることができる。更に、動力伝達部材にフレキシブルワイヤー等の軽量な可撓材が使用でき、構成の簡素化や軽量化が図られているので、一層の軽量化・小型化ができる。
また、請求の範囲第5項記載の高枝刈取機によると、枝押さえ部材を設けているから、細い小枝や葉の切断時においても、枝押さえ部材が小枝や葉の逃げを防いで確実な切断作用が維持できる。
また、請求の範囲第6項記載の高枝刈取機によると、操作部を伸縮可能な構成とするとともに、上記動力伝達部材の長さを調節可能としたから、低い樹木から高い樹木までの幅広い使用が可能となり、刈取作業性を向上させることができる。
また、請求の範囲第7項記載の高枝刈取機によると、操作部を屈曲可能に連結して、鋸刃を左右に首振自在に形成したから、立った枝を刈り取るような場合に、鋸刃を寝かして横方向から刈り取ることが可能となり、より一層刈取作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施形態を示し、高枝刈取機の全体斜視図、第2図は本発明の第1実施形態を示し、高枝刈取機の断面図、第3図は本発明の第1実施形態を示し、高枝刈取機の使用状態の外観図、第4図は本発明の第1実施形態を示し、太い枝の切断作用図、第5図は本発明の第1実施形態を示し、細い枝と葉の切断作用図、第6図は本発明の第2実施形態を示し、高枝刈取機の断面図、第7図は本発明の第3実施形態を示し、高枝刈取機の作用断面図、第8図は本発明の第4実施形態を示し、高枝刈取機の分解斜視図、第9図は本発明の第4実施形態を示し、高枝刈取機の断面図、第10図は本発明の第4実施形態を示し、高枝刈取機の断面図、第11図は本発明の第4実施形態を示し、高枝刈取機の作用図、第12図は動力駆動部の変形実施形態の斜視図、第13図は本発明の第5実施形態を示し、高枝刈取機の縦断面図、第14図は本発明の第5実施形態を示し、高枝刈取機の横断面図、第15図は本発明の第5実施形態を示し、第14図のA−A端面図、第16図は本発明の第5実施形態を示し、第14図のC方向矢視図、第17図は本発明の第5実施形態を示し、第14図のB−B端面図、第18図は本発明の第5実施形態を示し、操作部の分解斜視図、第19図は本発明の第5実施形態を示し、操作部の縦断面図、第20図は本発明の第5実施形態を示し、操作部の横断面図、第21図は高枝刈取機のたの実施形態を示す縦断面図、第22図は第21図のD−D断面図、第23図は従来の高枝刈取機の使用状態を示す外観図、第24図は従来の高枝刈取機の要部を示す斜視図である。
Claims (7)
- 所定の長さを有する操作管又は操作棒と、上記操作管又は操作棒の先端側に進退可能に取り付けられる鋸刃と、上記操作管又は操作棒の基端側に設けられる動力源と、上記動力源と連結されて進退運動を行う駆動手段と、上記駆動手段と上記鋸刃とを連結する動力伝達部材と、を具備したことを特徴とする高枝刈取機。
- 上記駆動手段は、鋸刃と操作管または操作棒との間に弾性部材を介装させて常時前進傾向を付与するとともに、回転軸に付設した偏心軸に動力伝達部材を連結して鋸刃に間欠的に後退運動を付与するものであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の高枝刈取機。
- 上記駆動手段は、回転軸に付設した偏心軸にクランク棒を連結するとともに、動力伝達部材を棒材とし、クランク棒と棒材を連結して上記偏心軸の回転運動をクランク棒の進退運動に変換して棒材に進退運動を付与するものであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の高枝刈取機。
- 上記駆動手段は、2つの動力伝達部材を交互に牽引運動する牽引手段を形成し、これに2つの動力伝達部材を連結し、一方を鋸刃に連結して間欠的に後退運動を付与するとともに、他方を鋸刃の固定位置より鋸刃先端側の位置で反転させて鋸刃に連結して鋸刃に間欠的に前進運動を付与することにより進退運動を行うようにしたものであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の高枝刈取機。
- 上記操作部の先端側に取り付けられ、鋸刃の側面に沿い、且つ鋸刃の進退方向と略直交する方向に延長配置した枝押さえ部材を設けたことを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のうちいずれか1項記載の高枝刈取機。
- 上記操作部を伸縮可能とするとともに、上記動力伝達部材は上記操作部の長さ変更に合わせて長さを調節可能としたことを特徴とする請求の範囲第1項、第2項、第4項のうちいずれか1項記載の高枝刈取機。
- 上記操作部を刈取部近傍において先端側と基部側とに分割して形成し、両者を屈曲可能に連結して、鋸刃を左右に首振自在に形成したことを特徴とする請求の範囲第1項、第2項、第4項のうちいずれか1項記載の高枝刈取機。
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