JPS649217B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はフイルム水洗殺菌装置に関するもので
ある。

一般に、食料品、薬剤等を包装するための包装
材として用いられるフイルムについては、殺菌処
理を施すことが必要である。

従来斯かる殺菌処理のためには、過酸化水素等
の化学的殺菌処理が行なわれているが、化学的殺
菌処理においては用いる殺菌剤が残留するおそれ
が大きくて安全性に不安が残り、又フイルムの材
質によつては化学作用を受けるため、適用し得る
フイルムが制約を受ける欠点がある。

一方紫外線照射による殺菌処理においては、上
述の如き欠点はないが、殺菌すべきフイルムの表
面にゴミ等が付着している場合には、その陰にな
る部分が紫外線の照射を受けないために殺菌され
ない等、確実な殺菌効果を得ることができない欠
点がある。

本発明は、紫外線による殺菌処理における上述
の欠点を除き、フイルムを清浄として完全に水洗
殺菌処理することのできるフイルム水洗殺菌装置
を提供することを目的とする。

以下図面によつて本発明の実施例について説明
する。

本発明においては、第１図に示すように、洗浄
殺菌槽１を設け、この洗浄殺菌槽１には連続して
洗浄水を供給する洗浄水供給管２及び排水管３を
接続し、前記洗浄水供給管２には、例えばゴミ除
去用フイルター４及び例えば紫外線ランプ５を含
む洗浄水殺菌装置６を介挿設置する。斯かる洗浄
殺菌槽１内を通過するフイルム通路Ｐに沿つて、
例えばフイルムロール７よりの殺菌すべきフイル
ム８を移送せしめるフイルム移送機構（図示せ
ず）を設け、洗浄殺菌槽１内におけるこのフイル
ム通路Ｐを挾む両側に、紫外線を放射する表面殺
菌灯９Ａ及び裏面殺菌灯９Ｂを夫々配設するよう
構成する。１０Ａ，１０Ｂは洗浄殺菌槽１より出
たフイルム８の両面を殺菌するための外部殺菌
灯、１１，１１はフイルム８のためのガイドロー
ラーである。

本発明フイルム水洗殺菌装置は以上のような構
成であるから、洗浄水供給管２より殺菌された清
浄な洗浄水が洗浄殺菌槽１内に供給されて充満さ
れた上、更に洗浄水の供給を継続することによ
り、洗浄殺菌槽１より洗浄水の一部が溢流等によ
り排水管３より排出され、この結果洗浄殺菌槽１
内における洗浄水は流動した状態となる。この状
態で当該洗浄殺菌槽１内にフイルム通路Ｐに沿つ
て没入されたフイルム８は、この流動水の作用に
よりその表面及び裏面が洗浄され、付着していた
ゴミ等が洗い流されて除去される。そしてこのよ
うにしてゴミ等が除去されたフイルム８の表面及
び裏面に表面殺菌灯９Ａ及び裏面殺菌灯９Ｂより
の紫外線が照射されてフイルム８の殺菌が行なわ
れる。

而して本発明においては、以上のように流動す
る洗浄水により洗浄が行なわれており従つてゴミ
等が付着していないフイルム８の両面に対して紫
外線が照射されるため、当該フイルム８の両面を
確実に且つ十分に殺菌処理することができる。し
かも洗浄水が流動しているため、一旦フイルム８
の表面から除去されたゴミ及び菌が再付着するお
それがなく、遂には排水と共に洗浄殺菌槽１外に
排出されるようになる。これに対して洗浄が行な
われた後に紫外線の照射を単独に行なう場合にお
いては、ゴミ等が再付着するおそれが大きく、結
局十分な殺菌処理を行なうことができない。

又フイルム８を洗浄する洗浄水は、前記殺菌灯
９Ａ，９Ｂにより殺菌作用を受け、従つて水中に
おける菌も死滅するので高い殺菌効果が得られ、
この点からもフイルム８の殺菌の完全性が得られ
る。従つて図示の例における洗浄水殺菌装置６は
必ずしも必須のものではない。尚洗浄殺菌槽１よ
りの排水は、ゴミ除去用フイルター４等を含む再
生機構を介して循環して使用することが可能であ
る。更に外部殺菌灯１０Ａ，１０Ｂにより殺菌処
理は完璧なものとなる。そしてこのように水洗洗
浄および殺菌処理がなされるので、フイルム８に
残留する異物は何もなく、単に乾燥するのみでそ
のまま食料品や薬品の包装材として利用すること
ができる。

以上本発明の一実施例について説明したが、本
発明においては、第２図に示すように、シヤワー
室１３を設けてその内部においては傾斜又は鉛直
方向に伸びるフイルム通路Ｐに沿つてフイルム８
を移送するようにすると共に、この移送されるフ
イルム８の両面にシヤワー状に洗浄水を供給する
シヤワー機構１２をシヤワー室１３内に設け、こ
のシヤワー機構１２よりの水が流過することによ
り洗浄が行なわれているフイルム８の表面及び裏
面に夫々紫外線を照射する表面殺菌灯９Ａ及び裏
面殺菌灯９Ｂを設けるよう構成した場合にも、既
述の例と同等又はそれ以上の作用効果を得ること
ができる。即ちこの場合には特にシヤワー機構１
２より噴射される水の力により、付着していたゴ
ミ等の除去を確実に行なうことができる。尚本発
明においては第２図の例におけるように、殺菌灯
を多段に設け得ることは勿論である。

以上のように本発明によれば極めて簡単な構成
により、フイルムを清浄として完全な殺菌処理を
行なうことのできるフイルム水洗殺菌装置を提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明フイルム水洗殺菌装置の一実施
例の説明図、第２図は本発明の他の実施例の説明
図である。 １……洗浄殺菌槽、２……洗浄水供給管、３…
…洗浄水排水管、６……洗浄水殺菌装置、７……
フイルムロール、８……フイルム、９Ａ……表面
殺菌灯、９Ｂ……裏面殺菌灯、１０Ａ，１０Ｂ…
…外部殺菌灯、１２……シヤワー機構、１３……
シヤワー室。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ フイルム通路に沿つて殺菌すべきフイルムを
   移送するフイルム移送機構と、前記フイルム通路
   を移送されるフイルムの表面を、流動する洗浄水
   により洗浄する水洗洗浄機構と、前記フイルム通
   路に沿つて設けた、前記水洗洗浄機構により洗浄
   されている間の前記フイルムの表面に紫外線を照
   射する殺菌灯とより成ることを特徴とするフイル
   ム水洗殺菌装置。 ２ 水洗洗浄機構は、洗浄水が流過される殺菌槽
   より成り、フイルム通路がこの殺菌槽内を通過
   し、殺菌灯が前記殺菌槽内に配置されていること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載のフイル
   ム水洗殺菌装置。 ３ 水洗洗浄機構は、フイルムの表面に洗浄水を
   供給するシヤワー機構を内蔵したシヤワー室より
   成り、フイルム通路がこのシヤワー室内を通過
   し、殺菌灯が前記シヤワー室内に配置されている
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のフ
   イルム水洗殺菌装置。