JPS647802B2 - - Google Patents

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JPS647802B2
JPS647802B2 JP23198387A JP23198387A JPS647802B2 JP S647802 B2 JPS647802 B2 JP S647802B2 JP 23198387 A JP23198387 A JP 23198387A JP 23198387 A JP23198387 A JP 23198387A JP S647802 B2 JPS647802 B2 JP S647802B2
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membrane
film
solvent
solution
resin
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Bii Hooru Deebitsudo
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Pall Corp
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Pall Corp
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Publication of JPS647802B2 publication Critical patent/JPS647802B2/ja
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
0.1ミクロン乃至それ以上の範囲の絶対的粒子
除去能を有する微孔質膜シート類が市販されてい
る。これらは大部分、合成樹脂類及びセルロース
誘導体類からつくられ、液体類から懸濁粒子類及
び微生物類を除去するための材として使用され
ている。 かかる膜類は、上記樹脂又はセルロース誘導体
の溶媒溶液を一時的の支持体又は基質上に薄層フ
イルムとして流延し、その後、注意深い制御条件
下に溶媒を除去又は交換することによる、いわゆ
る“乾式法”を用いてつくられる。溶媒の除去と
交換は非常におそく、かつこの方法は連続作業に
適しているけれども、非常に大きい支持ベルト系
がフイルムの敷置又は流延のための基質として必
要であり、かつ溶媒の除去を行なうための乾燥機
構が必要である。このことはプラントの大きさと
プラント建設の際の資本経費を増加し、かつ確実
に製造費を高いものにする。 終始、進行中の材料(溶液又はフイルム)の極
めて大きい長さのために、製造特性の緊密な制御
のための操作条件の調整は困難である。最終製品
が除去されその特性について試験されつつある間
に、非常に大きい容量の材料は既に膜に形成され
つつあり、製品特性を改質する、しかもそれをす
早くなすための工程パラメーターの調整が材料に
作用し得る時点を過ぎてしまう。従つて、製造系
統の末端で補正の結果を見ることができる前に、
かなりの量の仕様書はずれの膜シートができてし
まう。このことは、大きな比率の、仕様書はずれ
の膜シートを生じ、かつ不合格品を最小限に保つ
ためには、広い範囲の製品のバラツキを必然的に
受容しなければならない。高い製造費と高い不良
率の結果、この様な膜シートの価格はかなり高い
ものになる傾向がある。 膜シート類の他の製法も上記樹脂又はセルロー
ス誘導体の溶液から出発し、この溶液のフイルム
を支持体上に流延し、次いでフイルム溶液を樹脂
に対する非溶媒中に浸漬して沈澱させることによ
り膜を形成させる。この方法はスキン層のある膜
を生じ、その表面部には一層少ない又は遥かに、
より小さい細孔があるか、又は細孔が全く無く、
かつ内部にはより大きな細孔があり、外部のスキ
ン層部は内部よりも高い見掛け密度を有する。 スキン層のある膜類は粒子除去に関して非均一
である;例えば、今日逆浸透用に使用される膜類
は90%又はそれ以上の塩除去のような作業を遂行
するのに、従つて2ないし5オングストローム
(0.002ないし0.005μm)の範囲内で機能するのに
有効であるが、流出液中での殺菌をなすことは不
可能で、2000オングストローム(0.2μm)の程度
の細菌類を通過させる。このような膜類は細菌類
のような特殊なものの絶対的除去が必要とされる
時には余り適していない。 かくして、例えば、マイケルス(Michaels)
の米国特許No.3615024(1971年10月26日特許)は
種々の合成樹脂類から、下記の工程により1乃至
1000μmの細孔を有する異方性膜類を製造するこ
とを記述している:工程は、 (1) 有機溶媒中の重合体の流延ドープを形成さ
せ、 (2) この流延ドープを流延し、 (3) このフイルムの一側を、上記有機溶媒との高
度の混和性及び上記流延ドープとの十分に低度
の相溶性を特徴とする稀釈剤と優先的に接触さ
せて前記重合体を急速に沈澱させ、且つ (4) この稀釈剤を、実質上すべての上記溶媒がこ
の稀釈剤により置換されるまで上記の膜と接触
させておくことからなる。 これらの、普通の顕微鏡では見えない多孔質の
異方性膜類は、通常の厚みが約0.002インチ
(0.05mm)より大で約0.050インチ(1.27mm)より
小である、多孔質重合体の、一体となつた、肉眼
で見える厚いフイルムからなる、このフイルムの
一つの表面は、微孔質重合体の、約0.1ないし5.0
ミクロン厚みの、極めて薄いが比較的密度の大き
い障壁層もしくは“スキン層”であつて、この中
では、平均孔径はミリミクロン程度、例えば1.0
ないし1000ミリミクロン、即ち上記スキン層の厚
みの約1/10ないし1/100である。上記一体となつ
たフイルム構造の残りの部分は、その中を液体が
殆んど液圧抵抗無しに通過する、遥かに一層粗い
多孔質重合体構造からなる支持体層である。“一
体となつたフイルム”は連続即ち連続重合体相を
意味する。このような膜を、“スキン層側”を加
圧液体と接触させて“分子フイルター”として使
用する時に、液体流の膜通過抵抗の実質上すべて
は“スキン層”で生じ、かつ“スキン層”中の細
孔より大きい寸法の分子又は粒子は選択的に保持
される。スキン層はこのように異常な薄さのもの
であるので、又、スキン層から粗孔質
(macroporous)の支持体構造への移行が非常に
急であり、通常、障壁層の厚みの約1/2より小、
又は1ミクロンより小である、ので、液流の膜通
過の総液圧抵抗が非常に低い;即ち、膜は、その
細孔の大きさに比例して、驚異的に高い液透過性
を示す。 マイケルスは、これらの異方性膜類の形成は下
記の、いくつかの拡散的および浸透的溶媒―交換
法に関連があるように見えると示唆している;
(稀釈剤の、一つの面との選択的接触を確実なら
しめるため)適当な基質上に付着させた重合体溶
液の薄層を稀釈剤と一つの面上で接触させる時、
稀釈剤と溶媒は殆ど瞬間的に最外層において相互
拡散する。かくして重合体のゲル化又は沈澱が殆
ど瞬間的に起る。この工程の迅速さに鑑み、流延
フイルムの最上層は極薄膜スキン層として固化
し、このスキン層の多孔度と細孔の細かさは上に
発現した相溶性基準によつて支配される。然しな
がら、この膜スキン層が形成されるとすぐ、稀釈
剤の、流延フイルムの下方領域への浸透速度およ
び溶媒成分の抽出速度が非常におそくなる。(然
しながら、全く停止するわけではない。)これら
の状況下に、ついで、フイルム内の溶液組成の変
化が非常におそく起る。その結果、適当な溶媒が
存在する時、おそい相分離が起る機会があり、溶
媒/稀釈剤溶液が占めている大きな連続空洞およ
び団結した、殆ど溶媒の無い重合体からなる、細
隙のある重合体のマトリツクスからなる粗い微孔
質の下部構造を形成する。従つて、高度に透過性
の粗い微孔質の下部構造の生成は、大部分、フイ
ルム流延ドープ用溶媒系の適当な選定および沈澱
工程の間における、その溶媒系との相互作用のた
めの適当な稀釈剤の選定に起因している。 従つて、マイケルスの膜類はすべてスキン層を
持ち、更に、その膜類は湿潤状態にある限り、水
―湿潤性であるけれども、一旦乾燥すると、それ
らはすべて疎水性となり、界面活性剤の補助又は
その他の湿潤補助が無ければ、水で湿潤すること
は困難である。 サレム(salemme)(米国特許No.4032309、特
許日1977年6月28日)は、疎水性と記述され、明
らかに非常に小さい細孔の大きさのものであつ
て、限外過の範囲内にある、ポリカーボネート
樹脂膜類をつくつている。サレムはマイケルスの
米国特許No.3615024および木村の米国特許No.
3709774を引用して、マイケルスおよび木村はと
もに、重合体の流延溶液をつくり、そのフイルム
を滑らかな基質上に流延し、かつ基質とフイルム
を適当な急冷浴中に浸漬して、完成フイルムの不
斉構造特性を発現させる一般的操作法を用いてい
ると述べている。 これらの方法は操作工程のいくつかのやり方が
お互いに異なつている。マイケルスの特許は特
に、微孔質支持体層および一体となつた微孔質ス
キン層をもつ膜の製法に関するものであるが、木
村は主として、極薄、緻密、非多孔質層に隣接し
て多孔質領域を有するフイルム構造に関するもの
である木村は特に、重合体およびその重合体が実
質上異なつた程度で可溶である二つの相互に混和
性である溶媒からなる流延溶液の製法を教示して
いる。マイケルスおよび木村の方法はともに、浸
漬(又は膜形成)浴を、流延溶液溶媒系に対する
溶媒として機能し、従つて単に、フイルム構造か
ら流延溶液溶媒を除去するためにのみ機能するも
のとみなしている。 木村法に反して、サレムは三成分(樹脂、良溶
媒、貧溶媒)流延溶液を使用しない、かつ木村と
マイケルスの両者とは異なり、サレムは浸漬(急
冷)浴を用いて、木村又はマイケルスの何れにも
開示又は意図されていない機能、即ち流延溶媒が
フイルムから除去されると同時にポリカーボネー
ト樹脂材料の膨潤を生じさせる機能を与えるにち
がいないフイルムの形成を開始させている、 サレムの、多孔質のポリカーボネートおよび他
の樹脂の膜類の製法は下記の諸工程からなる: (a) ポリカーボネート樹脂材料および一つ以上の
良溶媒からなる流延溶媒からなる流延溶液を室
温でつくり、かつこの流延溶液は室温で安定で
あり; (b) 生じた流延溶液の層を滑らかで清浄な表面又
は支持体上に流延し; (c) 予め定めた時間の間、上記の層からの脱溶媒
を生じさせ; (d) 上記の層と支持体を急冷浴中に浸漬し、この
浸漬溶液は流延溶媒を溶解し、かつ上記の層の
ポリカーボネート樹脂含有量を膨潤させること
ができるものである一方、ポリカーボネート樹
脂に対する非溶媒であり、上記浸漬工程は急冷
浴液を上記の層に入れ、流延溶媒をそれから出
すことにより、微孔質膜の形成を開始させ; (e) 微孔質膜を急冷浴から除去し;かつ (f) 微孔質膜から残存流延溶媒と急冷浴液を除去
する。 実施例によりつくつた微孔性フイルムは、流延
し、かつ制御雰囲気中に長時間保持する先行技術
の方法によりつくつたものと、少なくとも同じよ
うに過にとつて有効であると云われている。概
して、このフイルムは先行技術のフイルムよりも
一層良好なフローレートを示し、かつ一層早く湿
潤し得ると云われている。 この微孔質フイルムの機能は、フイルムの全表
面にわたつて泡を発現させるのに所要の圧であ
る、フオーム・オール・オーバー・ポイント
(foam―all―over point)として測定される。
この方法は通常、当該技術において用いられ、逆
立ち点と云われている。更に、この膜の製法は連
続生産に適応できない。 多くのアルコール不溶性ポリアミド樹脂膜シー
ト類がこれまで開示されているが、我々の知る限
りでは何れも市販されたことは無い。これらの膜
類の調製を追試できるのに十分な情報が与えられ
た場合、膜はすべてスキン層の濃密なものであつ
た。スキン層の無い、アルコール可溶性ポリアミ
ド類の膜類がつくられているが、これらは、アル
コール又はそれらが可溶である、他の溶媒類を含
有しない媒質を使用されなければならない。更に
このような膜類は、大部分が細菌学的に無菌の
液をつくるのに使用される媒質にとつて非常に好
ましい特性である、水蒸気滅菌の後に使用できな
い。ポリアミド樹脂でできた中空繊維膜が市販の
装置に入れて市販されているが、このものは濃密
なスキン層をもち、逆浸透範囲内の部分的分離を
遂行するのに役立つ。 ロベル(Lovelle)の米国特許No.2783894(特許
日、1957年3月5日)およびペイン(Paine)の
米国特許No.3408315(特許日、1968年10月29日)は
ナイロン4、ポリ―ε―ブチロラクタムを用いて
アルコール可溶性ポリアミド膜シート類を製造す
る方法を提供している。ナイロン溶液を液フイル
ムとして流延し、ついで乾燥した時、微孔質構造
を与える固形フイルムに転化させることができ
る。ナイロンを含有するアルコール―水溶液をつ
くり、初期沈澱点に調整する。溶液は、ナイロン
の溶解度を減少する溶媒―混和性非溶媒を溶液に
添加することにより、初期沈澱点にもたらされ
る。この点、溶液の試料に添加した小量の非溶媒
がナイロンの、明白な沈澱を生ずる時に示され
る。 初期沈澱点に調整され、かつ適当な添加剤を含
有するナイロン溶液が光学的に滑らかな固体基材
表面上に液フイルムとして流延され、ついで、支
換可能な非溶媒の蒸気、即ちナイロンは不溶であ
るが、ナイロンに対する溶媒の蒸気とは交換可能
である液体の蒸気の、一定に保持された濃度のも
のを含有する雰囲気に暴露することにより、固体
フイルムに転化される。生じた膜類は勿論、アル
コール並びにかなり多数の、他の溶媒類に可溶で
あり、かつ水蒸気滅菌されることはできない。こ
のことはそれら膜類の有用性の範囲を制限する。 平塚および堀口の米国特許No.3746668(特許日、
1973年7月17日)も、アルコール可溶性ポリアミ
ド類のアルコール溶液を、ゲル化剤としての環状
エーテルの添加によりゲル化させ、フイルムを乾
燥することにより、その溶液から膜類をつくつて
いる。ナイロン6とナイロン66およよびナイロン
6、ナイロン66とナイロン610の、アルコール可
溶性の、比較的低分子量の共重合体類が使用され
ている。 マリナチオ(Marinaccio)及びナイト
(Knight)の米国特許No.3876738(特許日、1975年
4月8日)は、アルコール可溶性およびアルコー
ル不溶性のポリアミド類、例えば、ナイロン6、
ポリ―ε―カプロラクタムおよびナイロン610、
ポリヘキサメチレンセバカミド、から微孔質膜シ
ート類をつくる方法を記述している。この場合に
は、上記の重合体の溶液を基質上に流延し、つい
で膜を沈澱させ、これら二工程は非溶媒液体の急
冷浴中で、逐次又は同時に行なわれる。 ナイロン溶液は生成後、ナイロンに対する非溶
媒で薄められ、かつその使用非溶媒はナイロン溶
液と混和性のものである、マリナチオ等は溶液中
の重合体分子の凝集を論じ、かつ“最も緻密な又
は最も非孔質の重合体フイルムが凝集体生成の無
い溶液からつくられる”と主張している。 マリナチオ等によれば、“一一生成したフイル
ムの強度は主として重合体の濃度により決定され
る、何故ならば、重合体濃度が高い程、鎖のから
みの数が多くなるからである。更に、理想溶液か
ら流延されたフイルムについては、“細孔の大き
さ”は重合体の濃度とともに僅かに増加する、何
故ならば、濃度が高くなる程、凝集性が増加する
傾向があるからである。溶液中の凝集はフイルム
の多孔性を生ずる、何故ならば、流延されたフイ
ルムは相互に作用する凝集球状粒子からなると考
えることができるからである。球形が大きい程、
フイルム中の空洞は大きくなる。構造的には、こ
れはテニスボールの箱ないし接触点で融着した、
他の非球状形態に非常によく似ている。” さて、マリナチオ等は、第一工程として、“流
延溶液中の凝集性を制御することにより、フイル
ムの多孔度を制御する。これは…非溶媒又は他の
添加剤を添加して、溶液の溶解力を変化させ、従
つて、重合体分子の凝集性に影響を及ぼし、それ
を制御することにより達成される。生成フイルム
構造を決定する際のこれらの凝集体の相互作用
は、更に、先に保持された作業変数によつて影響
される。” これがマリナチオ等の理論であるが、実際起つ
ていることを説明するのに適切ではなく、かつ多
くの点で実際の観察と一致していない。更に、そ
の理論は、重合体膜形成を説明するのに提示され
た、他の一層一般に認められている理論、例え
ば、“合成重合体膜類”(Synthetic Polymeric
Membranes)ケステイング(Kesting)(マツク
グロウヒル、1971年)117―157頁、と相異してい
る。ケステイングの理論は多くの理由から一層信
頼できるものである;例えば、その理論は、マリ
ナチオの“テニス・ボール”の理論が説明できな
い、非常に高い空隙率を説明しており;更にその
理論は、何故、比較的極性の重合体類だけが膜形
成が可能であるかの理由を説明しているが、マリ
ナチオはこのことも説明していない。 ついで、マリナチオ等は次の様に主張してい
る;“特定のフイルム形成重合体に対する溶媒の
選定は先述の情報に基づいてなし得る。ついで、
最適の溶媒系ならびに他の作業変数の決定は、日
課的研究実験に基づいてなすことができる。“然
しながら、非溶媒の添加による溶液の稀釈には限
界がある:非溶媒による稀釈はナイロンの初期沈
澱点まで行うことができるが之を越えてはならな
い。”流延溶液類は5日ないし8日もの長い期間
おいても十分安定である、ある場合には無期限に
安定である、ただし溶解したナイロンが分離する
程長く安定ではない。 急冷浴はナイロン溶液調製用に選ばれた非溶媒
と同じものからなつていてもよいし、いなくても
よく、かつナイロン溶液中に使用された溶媒の
“小量”を含有していてもよい。然しながら、溶
媒対非溶媒の比は、所望の結果を得るためには、
重合体溶液中におけるよりも急冷浴中で一層低
い。急冷浴は他の非溶媒類、例えば水を含んでも
よい。実施例のすべてにおいて、溶液に使用され
た溶媒は蟻酸であるが、急冷浴のいずれも、小量
の蟻酸さえ含んでいなかつた。 マリナチオ等の方法は、一層単純化された流延
溶液を使用する点で、微孔質フイルムをつくる従
来の方法と異なつていると云われているが、一層
重要なことには、高湿潤雰囲気中でゲル化の緩慢
な平衡化工程を省いている点で異なつている。慣
用の方法では、これは、所望のフイルム構造を形
成させる際に臨界的な工程である。マリナチオ等
の方法においては、フイルムは急冷浴中で直接、
流延され、直ちに急冷される。上に論じたよう
に、流延溶液の処方を制御し、かつ組成物と温度
を含む急冷浴作業変数を制御することにより、フ
イルム構造は制御されると云われている。この技
術は“破局的に”フイルム構造を形成し、かつ従
来法において必要とされる緩慢な平衡化技術と直
接的な対照をなしている。 ある場合には、マリナチオ等は、流延フイルム
を、急冷浴より前に短い空気蒸発帯域を通過させ
ることが好ましいと示唆している。この技術は、
勾配のある断面構造がフイルムに所望される場合
に使用できるであろう。 マリナチオ等の生成物は市販されておらず、入
手できない。流延樹脂を急冷浴中に直接、浸漬し
て重合体フイルムを形成させることは困難であ
り、かつマリナチオ等の方法を追試してその生成
物の特性を研究する試みは経済的に実施不能であ
つた、何故ならば、このような研究はかなり精巧
な装置を組立てることを必要とするからである。
又、マリナチオ等の実施例は何れも、急冷浴中で
のフイルムの形成を含んでおらず、代りに、個々
の研究試験において、ガラス板上に手で流延して
いることに注目すべきである。 試験が、マリナチオ等の記述したガラス板法を
用いて、フイルム引伸と浴中浸漬の間の、3秒以
下ないし長くて1分に変化させた遅延時間の下に
行なわれた;生成物特性の目立つた差異はなかつ
た。それ故、浴面下の流延から生ずるフイルム
(ゼロ時間への外挿を示す)は差異がないと考え
てよい。このことを念頭におくと、マリナチオ等
の実施例の流延樹脂類は薄いフイルムとして、か
つ常に1分以下の最小限の遅延の下に、記述の浴
中に浸漬されたとき、溶媒の目立つた蒸発損を生
じないように、形成されており;すべての場合
に、得られたフイルムは濃密なスキン層をもつも
のであつた。 多数のポリアミド樹脂膜類が逆浸透および限外
過用に使用されているが、これらのすべては
0.1μより小さい細孔の寸法をもち、従つて、粒子
および細菌の過の際に有用な範囲より低い流速
を与える。その細孔は、細菌のような微生物類を
除去するのに十分な程小さいけれども、このよう
な膜類はこの目的に使用されず、代りに、定量的
でなく、スキン層のあるナイロン膜類の特性であ
る不完全さがあつてもかまわない逆浸透および限
外過のような仕事をする。 スタイゲルマン(Steigelmann)およびヒユー
ズ(Hughes)の米国特許No.3980605(特許日、
1976年9月14日)は、ポリアミド類、特にN―ア
ルコキシアルキルポリアミド類、と水溶性ポリビ
ニルアルコール類との混合物から作られた半透膜
類を提供している。これらの膜類は好ましくは中
空繊維としてつくられる。これら膜類は上記重合
体成分とジ―(低級アルキル)スルホキサイド、
例えばジメチルスルホキサイドを含有する組成物
からつくることができる。それら膜類は錯体形成
金属成分類を含有してもよい。それら膜類は、水
溶性液体バリヤーおよび錯体形成金属類を使用す
る方法により薬品類をその混合物類から分離する
のに、例えばエチレンのようなエチレン性不飽和
炭化水素類を沸点が近い炭化水素類から分離する
のに有用であるが、このような膜類は細孔の大き
さが小さすぎて粒子および細菌の過に有用な流
連を与えることはできない。運悪く、最も入手可
能な膜シート類は疎水性、即ち水によりすぐには
湿潤されない。合成樹脂膜シートは殆ど常に疎水
性合成樹脂からつくられており、原料重合体の疎
水性を保持している。セルロースエステル膜類も
疎水性である。粒子分離範囲内で有用な入手可能
な膜シート類のうちでは、再生セルロースシート
およびアルコール可溶性ポリアミド膜シートだけ
が親水性、即ち水に湿潤性である。 ブルツクス(Brooks)、ゲフケ(Gaefke)お
よびボギー(Guibault)の米国特許No.3901810
は、別個の親水部分と疎水部分を有するセグメン
ト重合体類から作られた限外過膜類をつくるこ
とによる、上記の問題に対する一方途を提案して
いる。ブルツクス等は、流延溶液が疎水性セグメ
ントに対してよりも親水性重合体セグメントに対
して一層良好な溶媒である場合には得られるフイ
ルム又は膜類は系の親水性部分は連続相として存
在し、一方、疎水部分は分散相として存在する、
グロス(gross)形態を示すことになろうと示唆
している。その膜系は、親水性重合体のセグメン
トの素地中に分散した疎性水セグメントの凝離領
域を含むことになろう。同じ理由で、流延溶液が
親水性セグメントに対して一層良好な溶媒であ
る、そのような流延溶液が選ばれる場合には、生
成フイルムにおける相関係は逆転して、フイルム
は水性媒質用の膜として機能せず、実質上、水透
過性を示さない疎水性フイルムとして、一層機能
することになろう。 然しながら、この手段は、単に親水性および疎
水性基の組合せを用いて水透過性を達成している
に過ぎず、通常の疎水性基を改質して疎水性重合
体の水透過性を改善する手段を示唆しているので
はない。ブルツクス等はポリアミド類を彼等の発
明にとつて受け容れられる材料として言及してい
ない。 ヤマリチ(Yamarichi)等の米国特許No.
4073733は0.02乃至2ミクロンの範囲内の比較的
均一な細孔寸法をもつ親水性ポリビニルアルコー
ル中空繊維膜を記述しているが、これらの細孔は
連続ではなく、生成物は粒子又は細菌のフイルタ
ーとしてよりもむしろ、透析(高分子量の溶解し
た化合物)範囲内の分離用に役立つ。 膜シートにとつての大部分の過用途は水性媒
質の過にあるので、過を容易ならしめる適切
な湿潤のシートを得ることが肝要であるが、これ
を達成することは容易でない。界面活性剤を、
過される媒質に添加して、シートを透過して過
されるのに十分なだけシートを湿潤させることも
可能である。然しながら、界面活性剤のような外
来の物質を添加することは、多くの適用、例えば
細菌の検定において不可能であるか好ましくな
い、何故ならば、ある細菌類は界面活性剤により
殺されるからである。その他の適用においては、
材は界面活性剤の添加により、このものが混ざ
り、その結果、劣化することになる。 今日、市販のすべての膜シートの95%以上を占
めている、セルロースエステル類からつくられた
膜シート類は固有的に水湿潤性ではない;従つて
水湿潤に役立つため界面活性剤が添加される。更
にこれらの膜類はもろい傾向があるので之を無く
すため、グリセリンが可塑剤として添加される
が、このことも好ましくない、何故ならば、この
ものが水性液中に浸出して、多くの用途において
受容できない汚染の問題を提起するからである。 本発明によれば、固有的に親水性であるアルコ
ール不溶性ポリアミド樹脂膜シートが提供され
る。かかる親水性は、そのシートが作られるアル
コール不溶性ポリアミド樹脂が疎水性であるの
で、最も著しい特性である。本発明のポリアミド
樹脂膜シートが何故親水性であるかの理由は現在
わかつていないが、沈澱工程の結果、固体重合体
膜表面中に固定された重合体鎖の親水基の空間的
配向のためであると考えられる。それは結晶構造
又は固体構造又は膜シートを水で湿潤にするのを
容易にする、NHおよび/又はCO基の、膜シー
ト表面における、ある空間的形状に関連があり得
る。実際は本発明の乾燥ポリアミド樹脂膜シート
にのせた一滴の水は膜中に透入して数秒以内で消
失することになる。水本体の表面にのせた乾燥膜
シートは中まで湿潤して、数秒以内に水中に沈む
ことさえあり得る。膜を完全に水中に浸漬する場
合には、1秒より短時間で中まで湿潤となる。膜
又は基質が水により湿潤となる能力は、一滴の水
を膜又は基質の表面にのせることにより測定され
る。接触角は湿潤の定量的尺度を与える。非常に
高い接触角は劣つた湿潤を示し、一方、ゼロの接
触角は完全な湿潤を示す。ポリアミド樹脂は高い
接触角を持ち、水により湿潤することはない。こ
れらの膜類の湿潤性は保持された水の機能ではな
い。不活性雰囲気中、真空中および空気中で350
〓(177℃)で72時間乾燥した膜試験片類は水に
よる湿潤性に関して変化することはない。然し乍
ら、それらが、膜の軟化点のすぐ下の温度に加熱
される(それより高い温度に加熱すると溶融のた
め勿論、膜を破壊することになる)場合には、膜
は疎水性のものに転化し、最早、水により湿潤せ
しめられることはない。このことは、親水性が固
体構造の機能であつて、膜形成の工程により、恐
らく、その工程の過程における膜の沈澱の間にお
けるそれにより得られることを示唆している。そ
れは結晶構造に関連があるかもしれない、又は非
質的構造に関連があるだけかもしれないが、とに
かくそれはポリアミド鎖中の親水基の物理的配向
に関連があるように思われる、この配向は、その
中では膜フイルムが疎水性となる通常の配置にそ
の材料を再配合させるのに十分高い温度にその材
料が加熱される時に失われるのである。 従つて、勿論、加工および乾燥の間に膜を上記
の温度以上に加熱しないことが重要である。 本発明のポリアミド樹脂膜シート類の更に重要
な特性はそれらの高いたわみ性である。 それらの膜が有用である通常の厚みの範囲内
で、極端な乾燥状態にない場合、それらの膜は傷
がつくことなく、かつ可塑剤を添加しなくても、
前後の数回折り重ねることができる。 本発明の膜を製造する方法においては、上記ポ
リアミド樹脂をポリアミド樹脂溶媒、例えば蟻酸
に溶解し;非溶媒を制御条件下に添加して核を形
成させた溶液を得、生じた溶液を基質上に流延し
てフイルム状となし、この溶液のフイルムをその
ポリアミド樹脂に対する溶媒と非溶媒の混合物で
ある液体と接触させてそれで稀釈する。その上の
ポリアミド樹脂はその溶液から沈澱し、基質上
に、スキン層の無い、親水性の膜シートを形成
し、ついでシートを洗浄して非溶媒を除去するこ
とができる。膜を基質から剥ぎとつて乾燥するこ
とができる、又は基質が多孔質である場合には、
それを膜に組込むか膜に付着させて永続的支持体
として役立たせることができ、ついで膜と一緒に
乾燥する。 上記ポリアミド樹脂を沈澱させる条件が膜の、
スキン層の無い性質、ならびにその物性、即ち膜
のスルー・ポアー(through pores)の大きさ、
長さおよび形を決定する。ある条件の下では、形
と寸法が実質上均一な、表面から表面へ延びるス
ルー・ポアーを有する膜が形成される。他の条件
の下では、スルー・ポアーは勾配を持ち、膜の一
つの面で一層広く、他の面に向かつて次第に狭く
なる。 本発明の範囲外の条件の下では、更に他の形の
膜が得られる。この膜はシートの残りの部分にお
ける細孔よりも径の小さい細孔が透入している緻
密なスキン層を有する。このスキン層は通常は膜
シートの一側にあるが、膜シートの両側にあるこ
ともできる。このようなスキン層をもつ膜類は当
該技術においては普通のものであり、比較的高い
圧降下およびその他の劣つた過姓を示し、好ま
しくない。 かくして、流延樹脂に核を形成させる方法およ
び沈澱条件を制御することにより、面から面にか
けて均一であるか、又は一つの面上の一層大きい
細孔が他の面の一層小さい細孔に移行する、勾配
があるかのいずれかの、所望の特性のスルー・ポ
アーを有する親水性ポリアミド樹脂膜類を得るこ
とができる。 どちらの面にもスキン層の無い、均一な細孔又
は勾配のある細孔を有するポリアミド類の形成も
又際立つたことである。マイケルスの米国特許第
3615024およびマリナチオ等のNo.3876738に開示さ
れているように、非溶媒中のポリアミド樹脂膜の
沈澱はスキン層のある膜を生ずることが知られて
いる。本発明の親水性の、スキン層の無いポリア
ミド樹脂膜の形成はこれ迄達成されていない。 本発明は、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポ
リイプシロンカプロラクタム、ポリヘキサメチレ
ンセバカミド、ポリ―7―アミノヘプタノアミ
ド、ポリヘキサメチレンアゼレアミドおよびそれ
らの混合物からなる群から選ばれる疎水性ポリア
ミド樹脂から作られる、膜シートそれ自身が親水
性の、スキン層のない、アルコール不溶性のポリ
アミド微孔質膜シートであつて、水中に完全に浸
漬すると1秒以内に湿潤し、実質的に均一な密度
を有し、膜の軟化点のすぐ下の温度に加熱すると
もはや水に湿潤されない疎水性物質へと復帰す
る、ポリアミド微孔質膜シートを提供する。 疎水性ポリアミド樹脂から0.10μm乃至5μm又
はそれ以上の絶対粒子除去等級(rating)を有
し、親水性があり、かつその軟化点のすぐ下の温
度に加熱されるまで親水性のままである固体形
の、スキン層の無い、微孔質ポリアミド膜を作る
ための方法は、CH2:NHCOが約5:1〜約
7:1の範囲にあるアルコール不溶性ポリアミド
樹脂のポリアミド溶媒中の溶液をつくり; ポリアミド樹脂の可視沈澱が非溶媒添加の間
に、沈澱ポリアミド樹脂の可視的に完全な再溶解
を伴ない又は伴わずに生成する如き、溶媒および
非溶媒及び樹脂の濃度、温度、撹拌強度、添加時
間および系の形態の制御条件下に、上記溶液を非
溶媒液体で稀釈することにより、核形成を誘導
し; どのような不溶解の樹脂も過により除去し; 生じた溶液を基質上に流延して基質上にそれの
薄層フイルムを形成させ; このフイルムを、実質的比率の、上記ポリアミ
ド樹脂に対する溶媒を含有する非溶媒液体の混合
物と接触させ、これにより、薄層の、スキン層の
無い親水性膜の形状のポリアミド樹脂を沈澱さ
せ;かつ 生じた膜を洗浄し乾燥することからなる。 本方法の好ましい態様においては、ポリアミド
樹脂溶液に対する溶媒は蟻酸であり、非溶媒は水
であり、かつポリアミド樹脂溶液フイルムは、実
質的比率の蟻酸を含む水からなる非溶媒の浴中に
基質上に支持されたフイルムを浸漬することによ
り、非溶媒と接触される。 他の好ましい方法として、 CH2:NHCOが約5:1〜約7:1の範囲に
あるアルコール不溶性ポリアミド樹脂のポリアミ
ド溶媒中の溶液をつくり; 溶媒および非溶媒および樹脂の濃度、温度、混
合強度、添加時間および系の形態を制御しなが
ら、沈澱ポリアミド樹脂の可視的に完全な再溶解
を伴ない又は伴わずに、上記稀釈剤の添加の間に
ポリアミドの可視沈澱を得るまで、上記溶液を稀
釈して核形成を誘導して、かくして流延溶液を形
成し; どのような未溶解樹脂も過により除去し; 上記流延溶液を、非多孔質であり、かつその面
が流延溶液により、かつ好ましくは非溶媒―溶媒
混合物によつても湿潤されている基質上に塗布し
て基質上にそれの薄層フイルムを形成させ; このフイルムを、実質的比率の、ポリアミド樹
脂に対する溶媒を含有する非溶媒液体の混合物と
接触させて、薄層の、スキン層の無い、親水性膜
の形状のポリアミド樹脂を沈澱させ;かつ 生成膜を洗浄し、乾燥することからなる、面か
ら面にかけて実質上均一である細孔を有するスキ
ン層の無い、親水性のアルコール不溶性ポリアミ
ド膜シート類を製造する方法である。 更に又、 CH2:NHCOが約5:1〜約7:1の範囲に
あるアルコール不溶性ポリアミド樹脂のポリアミ
ド溶媒中の溶液をつくり; 溶媒および非溶媒および樹脂の濃度、温度、撹
拌強度、添加時間および系の形態を制御しなが
ら、沈澱ポリアミド樹脂の可視的に完成な再溶解
を伴ない又は伴わずに、その非溶媒の添加の間に
ポリアミド樹脂の沈澱を得るまで、上記溶液を非
溶媒で稀釈して核形成を誘導して、これにより流
延溶液を形成させ; どのような不溶解の樹脂も過により除去し; 上記流延溶液を、非多孔質であり、かつその面
が流延溶液により、かつ好ましくは非溶媒―溶媒
混合物によつても湿潤されている基質上に塗布し
て、基質上にそれの薄層フイルムを形成させ; このフイルムを、実質的比率の、ポリアミド樹
脂に対する溶媒を含有する非溶媒液体の浴と接触
させて、薄層の、スキン層の無い、親水性膜の形
状のポリアミド樹脂を沈澱させ;かつ 浴中の溶媒および非溶媒液体の相対比率を一定
に保持しながら、上記生成膜を連続的に洗浄し乾
燥することからなる、 スキン層の無い、親水性の、アルコール不溶性
ポリアミド膜シート類を製造する連続法が提供さ
れる。好ましい態様においては、溶媒及び非溶媒
の、浴への又はそれからの抜取及び添加の速度は
実質上一定に保持される。 更に又、 CH2:NHCOが約5:1〜約7:1の範囲に
あるアルコール不溶性ポリアミド樹脂のポリアミ
ド溶媒中の少なくとも二つの出発溶液をつくり; 溶媒および非溶媒及び樹脂の濃度、温度、混合
強度、添加時間及び系の形態を制御しながら、沈
澱ポリアミド樹脂の可視的に完全な再溶解を伴い
又は伴わずに、非溶媒の添加の間に、ポリアミド
樹脂の可視的沈澱を得るまで上記溶液類を非溶媒
で稀釈して核形成を誘導し、どのような不溶解樹
脂も過により除去し; 非多孔質であり、かつその面が流延溶液によ
り、かつ好ましくは非溶媒―溶媒混合物によつて
も湿潤される基質上に上記生成溶液を塗布して、
基質上にそれの薄層フイルムを形成させ; このフイルムを、実質的比率の、ポリアミド樹
脂に対する溶媒を含有する非溶媒液体の混合物と
接触させて、これにより薄層の、スキン層の無
い、親水性膜の形状のポリアミド樹脂を沈澱さ
せ; 生成した二つの膜を洗浄し、 かく生成したその二つの膜を合して二重層とな
し;かつ 膜の長さと幅の僅少な減少を越えないように抑
制する条件の下に上記二重層を乾燥し; このように乾燥した膜類は、個々の層のそれよ
りもすぐれた粒子除去特性を有する単一シートを
形成する、ことからなる、 多膜層類を有する、スキン層の無い、親水性
の、アルコール不溶性ポリアミド膜シート類を製
造する方法を提供する。 さらに特定的な方法においては、スキン層のな
い、親水性のポリヘキサメチレンアジパミド製微
孔質膜の製造方法であつて、 ポリヘキサメチレンアジパミドの蟻酸溶液を調
製し; 上記溶液に所定量の水を混合しながら加えて、
それにより溶液の核形成を誘導し; 不溶解の樹脂を溶液から過により除去し; この核形成溶液のフイルムを支持体上に形成さ
せ; 蟻酸と水を含む冷浴中に前記のフイルムと支持
体とを浸し; 得られる膜を支持体から取り除き;そして スキン層のない親水性の微孔質膜を乾燥する;
上記各工程からなり、 冷浴中の蟻酸濃度は37重量%ないし50重量%で
あり、上記溶液中の蟻酸濃度は63重量%ないし72
重量%である、方法を提供する。 さらに本発明の膜を製造する方法としては、ス
キン層のない、親水性のポリヘキサメチレンアジ
パミド製微孔質膜多層シートの製造方法であつ
て、 ポリヘキサメチレンアジパミドの蟻酸溶液を調
製し; 上記溶液に所定量の水を混合しながら加えて、
それにより溶液の核形成を誘導し; 不溶解の樹脂を溶液から過により除去し; この核形成溶液のフイルムを支持体上に形成さ
せ; 蟻酸と水と含む冷浴中に前記のフイルムと支持
体とを浸し; この膜を洗浄して蟻酸を除去し; 洗浄した膜をまだ湿潤している間に少なくとも
一つの他の湿潤した洗浄膜と接触させ;そして それら並置した膜をかかる接触を保持しながら
乾燥し、かくして別々の膜類が一体となつた層と
なつている多層膜を得ることからなり、 冷浴中の蟻酸濃度は37重量%ないし50重量%で
あり、上記溶液中の蟻酸濃度は63重量%ないし72
重量%である、方法をも提供する。 このように付着された膜類は同一の又は異なつ
た多孔度をもつことが出来、かつその膜層類は、
支持され又は支持されない、任意の組合せの、勾
配のある細孔をもつ膜類及び均一な細孔をもつ膜
類から選ぶことができる。 その二つの合一した膜類は単一巻きの材から
得ることができ、かつ対面が接触して合一した
時、対称であり、かつどちらかの面が上流側であ
ろうとも、等しい過性を与えるシートを形成す
る。 本発明のポリアミド樹脂膜の一つの好ましい態
様は、親水性であり、絶対除去等級が約0.1μmな
いし約5μmの範囲内にあり、かつ厚みが約0.025
mmないし約0.8mmの範囲内にある、固体構造の、
通常は疎水性でありかつCH2:NHCOが約5:
1〜約7:1の範囲内にあるポリアミド樹脂から
なる、親水性の、微孔質ポリアミド膜である。 これらの親水性、微孔質のポリアミド樹脂膜類
は、比較的に均一な構造の、又は勾配のある細孔
構造の、表面から表面へかけて延びる細孔を持つ
ことができる。 更に又、その上にポリアミド樹脂膜が形成さ
れ、その中に埋めこまれているか、又はその一面
に基質を付着させた、基質により支持された、親
水性ポリアミド樹脂膜類が提供される。 更に又、本発明は、別々の基質上に沈澱により
別々につくられ、次いで密着して保持された二つ
又はそれ以上の層を乾燥することにより一緒に結
合した膜類からつくられた、複数個のポリアミド
樹脂膜層を有する、微孔質ポリアミド樹脂膜複合
物を提供する。 これらの態様のすべてにおいて、CH2
NHCOが約5:1〜約7:1の範囲内にあるポ
リアミド樹脂類で適当なポリアミド樹脂類はポリ
ヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリ
―ε―カプロラクタム(ナイロン6)、ポリヘキ
サメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリ―7
―アミノヘプタノアミド(ナイロン7)、ポリヘ
キサメチレンアゼレアミド(ナイロン69)、それ
らの2種以上の混合物にしてCH2:NHCO比の
平均が前記範囲内にあるような比率で混合されて
いるものである。最初の3種のポリアミド即ちナ
イロン66、ナイロン6及びナイロン610が好まし
い。 本発明の他の一つの目的は、均一な細孔膜類
が、特定の数の特定の微生物により挑まれた時殺
菌流出液を与える能力について、それら膜類を定
量的に特徴づけるための手順を提供することであ
る。この手順は、ポリアミド樹脂類以外のものか
ら、かつ他の方法を用いてつくられる均一な細孔
分布膜類に適用可能である。 第1図は流延用樹脂溶液の核形成度と得られた
膜の孔の直径との間の定量的関係を示すグラフ。 第2図は流入側液体中に含まれていたプスドモ
ナス デミヌテアエ バクテリヤの流出側液体中
のその量に対する比と、このバクテリヤを含んだ
液体を通す均一な孔の過媒体の層の数とによつ
て規定される力価(タイター)減少と均一孔を有
する膜の関係を示すグラフ。 第3図は湿らせた膜を気体で加圧した時に得ら
れる関係を示すグラフで、空気流量/空気圧に対
してプロツトしたもの。KLの値は第3図の点線
で表わされる。 第4図はTR1とKLとの間の関係を示すグラフ
で、TR1=TR1/t(すなわちlogTR1=1/tlogTR)。 ここで、 tは上記で定規したタイター減少TRを示す均
一孔の膜の厚さで1インチ(25.4ミリメートル)
の1000分1で表わされる。 TR1は同一孔径の0.025mm(0.001in)厚さの膜の
タイター減少を計算したもの。 KLは水で湿らせた膜を通る空気流量が急に増
加する(第3図参照)時の圧力で、psi(Kg/cm2
で表わされ、 KL5は表に示される経験的に決められた補正
係数を用いて0.127mm(0.005in)厚さの膜に対応
するようにKLを補正した値、 表 1 測定厚さ(インチ)(ミリメートル) 補正係数 0.002(0.05) 1.10 0.003(0.076) 1.044 0.004(0.1) 1.019 0.005(0.13) 1.000 0.006(0.15) 0.985 0.008(0.20) 0.962 0.010(0.25) 0.946 0.015(0.38) 0.920 第4図の曲線は本発明の45種類のサンプルの
KLとTRを測定した結果を示している。 第5図は本方法で作つたKL5が47psi(3.3Kg/
cm2)で、t=0.09mm(0.0037in)厚さ、予想TR
プスドモナスデミヌテイアエ菌に対して3×1018
である。均一孔の膜の走査電子顕微鏡写真
(SEM)(1500×倍)であり、この写真の中心は
膜の厚さ方向断面を示し、均一な孔が表面から表
面へのびている。上と下の顕微鏡写真は上記断面
近くの上下両面を示し、これらの面でも孔の寸法
は同一であるのがわかる。 第6図はKL5が40psi(2.8Kg/cm2)で、t=5.6ミ
ル(0.14ミリメートル)で、プスドモナス デミ
ヌテイアエ菌に対するTRが8×1015である本発明
の均一な孔を有する他の膜の1000倍走査電子顕微
鏡写真である。第5図の場合と同様に、この中心
部分は片面から他面まで均一な寸法の孔を示す膜
の断面図で、上下の写真は孔の寸法が同じ上下両
面を示している。 第7図は本発明の傾斜した孔を有する膜の1000
倍走査電子顕微鏡写真であり、この膜は81μm
(0.0032in)の厚さで、このSEMの中心部分に示
す断面の上部の孔の径は隣接材料よりも小さく、
孔の径が大きな径に変りつつあるということはわ
かるであろう。上面と下面の写真を比較すること
によつて、上側表面の孔の径の方が下側表面より
も実質的に小さいということがわかるであろう。 第8図は本発明の範囲外の浴を用いた時にでき
る少しスキンの有る典型的膜の1500倍走査電子顕
微鏡写真。 第9図はさらに厚くスキンのできた同様な写
真、 第10図は次の間の関係をグラフで示したも
の、即ち、 (a) KL5:本発明で定義する通りの、膜の粒子除
去率係数。 (b) 膜を作るための流延用溶液を与える98.5%の
蟻酸中の15.5%の樹脂溶液を作るのに用いるイ
ンラインミキサーの混合強さで、単位毎分の回
転数で表わされる。 (c) 得られた流延用溶液の蟻酸濃度。 各種ポリアミド樹脂は全てジアミンとジカルボ
ン酸の共重合体またはアミノ酸のラクタムのホモ
ポリマーであるが、これら樹脂の結晶性すなわち
固体構造、溶融点あるいは他の物理特性は極めて
大幅に異なつている。本発明ではヘキサメチレン
ジアミンとアジピン酸の共重合体(66ナイロン)
と、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の共重
合体(610ナイロン)と、ポリ―ε―カプロラク
タムのホモポリマーとに適用した時にスキンの無
い親水性かつアルコール不溶性ポリアミド樹脂膜
類が容易に作れることがわかつた。理由は不明で
あるが、この限定されたポリアミド樹脂は本発明
の操作条件下で沈澱して親水性膜シートを形成す
る。 これらの重合体は約15000〜約42000の範囲で変
化する分子量を持ち、グレードも種々有り且つ他
の特性も種々のものが入手可能である。親水性膜
の形成にはこれらの特性は影響せず、これに関係
するのは重合体の化学的組成、即ち重合体チエー
ンを構成するユニツトの間隔と配列である。重合
体チエーンを構成するこのユニツトとして特に好
ましいものはポリヘキサメチレンアジパミドで、
分子量は約30000以上であるのが好ましい。一般
的には添加物の入つていない重合体が好ましい
が、ある種の条件下には酸化防止剤、その他の添
加剤を加えるのが好ましく、例えば、酸化防止剤
のエチル330(1,3,5―トリメチル―2,4,
6―トリス〔3,5―ジ―tert―ブチル―4―ヒ
ドロキシベンジル〕ベンゼン)を添加すると、は
げしい酸化性加水分解条件に露されるポリアミド
膜の寿命をのばすことができる。 ポリアミドの膜状フイルムを沈着させるための
ポリアミド樹脂溶液は前記重合体用の任意の溶媒
の溶液にすることができる。これらの溶剤は周知
であり且つ本発明の一を構成するものではない。
凍結温度から沸点までの任意の温度において蟻酸
が好ましい溶媒である。他の適当な溶媒は酢酸及
びプロピオン酸のような他の液体脂肪酸、トリク
ロロ酢酸、トリクロロプロピオン酸、モノクロロ
酢酸のようなハロゲン化脂肪酸、フエノール、ク
レゾール類及びそれらのハロゲン化物のようなフ
エノール類、塩酸、硫酸、弗化水素酸、燐酸のよ
うな無機酸、塩化カルシウム、塩化マグネシウム
及び塩化リチユウムのようなアルコール可溶性塩
の飽和水溶液又はアルコール溶液、ハロゲン化ア
ルコール類(トリクロロエタノール、トリフルオ
ロエタノール)、ベンジルアルコール、及びエチ
レングリコール、プロピレングリコール及びグリ
セリンのようなポリ水酸化アルコールを含む水酸
化溶媒、及びエチレンカーボネート、ジエチルサ
クシネート、ジメチルスルフオキシド及びジメチ
ルホルマミドのような極性の中性溶媒である。 ポリアミド樹脂溶液(以下、これを出発樹脂溶
液という)は膜として使用されるポリアミドを所
望の溶剤に溶かして作られる。この樹脂は室温で
溶剤に溶かされるが、溶解を促進するために高温
度で行うこともできる。 出発樹脂溶液を数時間以上貯蔵しておく場合に
は水を約1〜2%過剰に存在させるべきでない。
さもないと、ポリアミド樹脂がゆつくり加水分解
してポリアミドの分子量が小さくなつてしまう。
一般に、この場合の水の量は2%以下でなければ
ならず、好ましくは溶液を無水にする。核形成の
ために水あるいは蟻酸―水混合物を加える場合に
は流延の前、好ましくは流延操作の約5〜60分の
間に加えることができる。 流延用樹脂溶液は前記出発樹脂溶液を非溶媒あ
るいは溶媒と非溶媒との混合物で稀釈することに
よつて作られる。こうして作られた流延用樹脂溶
液の核形成状態は次のフアクターによつて大きく
影響される。即ち、 1 出発樹脂溶液の濃度、温度及び分子量、 2 非溶媒または非溶媒―溶媒混合物の組成及び
温度、 3 非溶媒または非溶媒―溶媒混合物の添加速
度、 4 この添加時の混合の強さ、 5 この混合を行う装置の幾何学形態、 6 得られた流延用溶液の温度。 こうして作られた流延用樹脂溶液は次いでそれ
を適当な基質上に流延して薄いフイルムにし、直
ちにポリアミド樹脂用非溶媒と樹脂の溶媒の一定
量を収容した浴中に上記フイルムを浸漬する。こ
の浴中の非溶媒が水であり、溶媒が蟻酸である場
合には、スキンの有る膜ができないようにするた
めに少なくとも約20%、一般には少なくとも30〜
40%の蟻酸の存在が必要である。蟻酸濃度が低い
とスキンができる。 流延用樹脂溶液の安定性はそれを作る方法によ
つて大きく影響される。例えば、流延用樹脂溶液
を小規模のバツチ条件で作つたものは比較的不安
定である。例えば、これから作つた膜の特性はそ
れを作つてから5〜10分間過ぎた場合に流延した
ものと全く異なつてしまい、10分あるいはそれ以
前に流延不能な半固体ゲルに変化してしまう。こ
れに対して、ラインミキサーで連続的に作つた流
延用樹脂溶液からは均質な膜が製造でき、この溶
液は1時間以上安定である。しかし、この方法で
作つた流延用樹脂溶液は1時間以内に使用しなけ
ればならず、特に、高温度に維持しておく場合に
はポリアミド樹脂の分子量が大きく低下するのを
防止するために1時間以内に使用すべきである。
さもないと酸性溶液中に存在する水により加水分
解して分子量が低下する。 膜として流延した際に均一に作用する流延用樹
脂溶液を作るには上記のいずれの方法も用いるこ
とができ、更に、いずれを用いた場合でも、有用
な正しく核形成した流延用溶液を作るためには非
溶媒を添加してポリアミド樹脂の沈降が目で見え
るようにする。 他の手段、例えば樹脂ペレツトを蟻酸と水の溶
液に溶かしたり、前記の沈澱が生じないような方
法で非溶媒を添加することによつて調整した流延
用樹脂溶液を使つても有用な膜はできない。 有用な膜とは均一またはしだいに細くなる孔構
造を有し、スキンが無く、空気と水に対して透過
性が有り、流体の大部分がわずかの差圧で通過で
き且つ所望程度の過ができるようなものであ
る。有用性に対する好適な表示としてはいわゆる
乾式(蒸発)法で作られた市販の均一な孔を有す
るセルロースエステル膜の空気と水に対する透過
度を考えることができる。これらは本発明の同様
なレンジの媒体の典型的透過度と共に下記の表
に示されている。
【表】 市販の膜と比較すると、同じ除去特性に対して
フロー能が大幅に小さい膜は商品としては汎用性
が無く、ここで対象としている膜としては有用性
の範囲外であると定義される。 有用な圧力降下特性を有する膜を作るために核
形成度が制御された流延用溶液を作るための条件
は本発明の重要な特色である。 ここで“核形成(nucleation)”及び“核形成
状態(state of nucleation)”という用語は以下
の発見を説明するために用いている。即ち、 (a) 同一またはほぼ同一の膜を作る樹脂、溶媒及
び非溶媒濃度に対して流延用樹脂溶液が広い範
囲の組成でできること、 (b) 同一の樹脂、溶媒及び非溶媒濃度で同一の浴
に同一温度で流延しても極めて異なつた膜とな
るような流延用樹脂溶液ができる場合、即ち、
得られた膜がフローバイ係数が2〜5といつた
極めて小さいという意味で“有用でない”範囲
から外れるもの、あるいは表に示したものと
同様な優れたフロー能を有するすべてのこれら
の範囲内の膜となる0.1μmあるいはそれ以上の
粗い範囲のもの(表と比較して)となるこ
と。 有用範囲のフロー特性を有する膜を作ることの
できる流延用樹脂溶液を作るためには固体樹脂の
局部的沈降及び少なくとも部分的再溶解が常に必
要であり且つ溶液からの固体の沈降特性は極微小
の核の存在あるいは非存在によつて大きく影響さ
れるということは化学では当業者に周知のことで
あるので、前記(b)で述べた同一組成を有しながら
結果が異なるような流延用溶液を区別し且つ(a)の
所見を表現するために“核形成状態”という用語
を用いた。 同一組成の流延用樹脂溶液から作られた膜の挙
動の差異が核形成で説明できるということは0.4μ
m絶対膜を作るように制御された核形成度で安定
な流延用樹脂溶液を作つた実験の結果確認されて
いる。即ち、流延用樹脂溶液の1部分を微細過
して核形成の挙動が影響されるか否かを調べ、さ
らに、流延用樹脂溶液の2つのロツトから作つた
各膜の特性を比較した。 この実験の結果は参考例58,59に示してあり、
製品特性は微細過によつて大きく変化し、微細
過した流延用樹脂溶液は除去率に対する比率即
ちフロー能力が極めて悪く、試量No.59の△Pは本
発明によつて作つた正しく核形成した流延用樹脂
溶液を用いて作つた同じ膜の3倍以上である。 この結果は、樹脂の核が流延用樹脂溶液を作る
際の制御された稀釈操作時に成長し、この核の
数、大きさあるいはその他の特性が流延用樹脂溶
液によつて作られた膜の特性に大きく影響すると
いうこと、更に、これらの核の少なくとも1部分
が微細過によつて除去されてしまうということ
を示している。 しかし、核形成が上記結果を説明する唯一のも
のだとは考えておらず、核形成以外の他の現象も
原因しているということは理解されたい。 流延用樹脂溶液の粘度はそれをフイルムに流延
する際の温度で約500〜5000センチポイズの間に
調節するのが好ましい。約500cp以下の粘度では
流延したフイルムの1部が液体となつてフイルム
状に沈降した時に浴の表面上に浮上して、流延膜
性質に悪影響を与え、浴を汚染する。約5000cp
以上、例えば100000cpの粘度は滑らかで密着し
た流延フイルムを作るには必要ない。しかし、基
材を用いない例えば中空繊維や非支持フイルムの
膜を流延する際には有用である。 流延温度で5000cp以上の粘度の溶液は容易に
流延可能であるが、粘度が高くなると非溶媒をポ
リアミド溶液と混合する時の混合用エネルギーが
極めて高くなり、その結果溶液の温度が過剰に高
くなり操作上の問題が生じるので約5000cpの粘
度を限度とするのが好ましい。更に流延操作に出
発ポリアミド樹脂溶液をポンプ輸送する際に粘度
が高いと操作がむずかしくなる。更に、樹脂を基
材上にフイルムとして流延する時の容器中の流延
用樹脂溶液の取り扱いは粘度が高いとめんどうに
なる。流延用樹脂溶液を含浸させる目的で多孔質
基材を用いる場合には、約3000cp以上の粘度で
は含浸が不十分となり、製品に望ましくない空洞
が生じてしまう。 流延用樹脂溶液の温度は厳密にする必要はな
く、通常の有用膜は約85℃以下の範囲で作られ
る。場合によつては、樹脂温度をフイルムへの流
延以前の低温に下げることによつて除去率に対す
るフローレートを少し高くすることができる。 液体流延フイルムを浴に入れた後に、沈澱が始
まる。この機構については完全にはわかつていな
い。浴中の非溶媒混合物が流延フイルム中に拡散
し、流延用樹脂溶液中の溶媒混合物がフイルムか
ら浴中に拡散するが、浴の溶媒―非溶媒比率をあ
る範囲内に維持した時にフイルムの厚さ方向全体
に均一な寸法の孔ができるという理由は不明であ
る。 浴に非溶媒(水、アルコール、有機エステル
等)のみ、あるいは少量の溶媒(例、15〜20%以
下の蟻酸を含む水)を含む非溶媒が収容されてい
る場合には沈澱は急速に生じ、固形膜が数秒、通
常は1〜10秒以下で形成される。こうしてできた
膜は流延用樹脂溶液の製法に関係なく厚いスキン
が生じて、好ましくないものである。 浴に水溶液で約43〜55%の蟻酸が収容され、流
延用樹脂溶液が上記のように正しく核形成されて
いれば、それを流延する基体の表面が流延用樹脂
溶液及び浴の溶液で濡れるものである限り、得ら
れる膜の孔は表面から他面まで均一となる。これ
らの条件下でフイルムを作るために必要な時間は
次の関数である。即ち、 (a) KL値の高い(例えば100psi(7Kg/cm2)以
上)膜を作る流延用樹脂溶液は極めて急速、例
えば10秒以下で硬化する。KL値が約40〜50psi
(2.8〜3.5Kg/cm2)の膜を作る核形成度の高く
ない流延用樹脂溶液は10〜20秒で通常硬化す
る。硬化時間はKL値の減少とともに増加し、
KL値が20psi(1.4Kg/cm2)以下で厚さが0.15mm
(0.006in)の膜を硬化するのには約5分あるい
はそれ以上かかり、それよりKL値の低いもの
はさらに長い時間が必要である。 (b) 流延フイルムの厚さは重要な因子で、薄いフ
イルムほど硬化時間は短くなる。 (c) 流延用樹脂溶液の温度が低いほど硬化は速
い。 (d) 好ましい範囲の43〜55%の下端で硬化は速く
なり、蟻酸が43%以下の濃度の浴を用いると更
に硬化が速くなるが孔の均一性が少し悪くな
る。 浴濃度が40〜43%の範囲より低くなると、膜
はしだいに非対称になり、第5,6図に示す均
一なものから第7図に示す先細りの孔となり、
更に第8図に示すスキンができたものとなり、
最後には第9図に示すように厚いスキンができ
る。第7図に示す先細りの孔を有するものがで
きる濃度よりはるかに低い濃度の蟻酸を用いる
のは好ましくない。 流延用樹脂溶液からの膜形成は不連続法即ちバ
ツチ法または連続または半連続法で行うことがで
きる。小規模製法にはバツチ法が便利であるが、
高生産速度には欄続または半連続法が好ましい。
どのような方法の場合にも操作温度、樹脂溶液と
非溶媒液体の相対比を含む操作パラメータの全て
を注意深く制御して均一製品を作るのが重要であ
る。非溶媒添加条件の制御は特に重要で、装置の
形状、流入速度、混合時間及び強度の他に非溶媒
の添加と樹脂フイルムの流延との間の間隔も制御
しなければならない。これらの制御は試行錯誤に
よつて、以下の点を考慮しながら行うことによつ
て当業者は容易に行い得る。 流延用樹脂溶液は純粋なもので且つ基材上に流
延してフイルムにする前は懸濁物質の入つていな
いものでなければならない。未溶解樹脂のような
懸濁物が存在する場合には流延前にスクリーンま
たは材を通してそれを除去する。 流延用樹脂溶液を流して溶液のフイルムを形成
する表面としては任意の型式の基材即ち支持体が
利用できる。非支持の膜フイルムを作りたい場合
には基材の表面は膜に付着しないものであり且つ
乾燥工程後に膜フイルムを容易に剥せるものでな
ければならない。この剥離を可能にするためには
基材表面を滑らかな面にし、非多孔質にすること
が一般に必要である。溶媒が高い表面張力を有す
る場合、例えば蟻酸で、非溶媒も高い表面張力を
有する場合(例えば水)には、フイルムを流延す
る非多孔質基材表面が濡れ易いもの、即ち流延用
樹脂溶液更には浴液と接触した時に接触角がゼロ
またはゼロ近いものであることが必要である。こ
のようにしないと、基材側の膜にスキンができ膜
の特性に悪影響が生じる。このような一時的な基
材即ち支持面としてはガラス、金属あるいはセラ
ミツクスのような材料が適当である。ポリエチレ
ン、ポロブロピレン、ポリエステル、合成及び天
然ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化
ビニル、その他のプラスチツクは流延用樹脂及び
非溶媒によつて湿れないので本来適当でないが、
適当な酸化または同様な表面処理をすることによ
つて使うこともできる。マイラー(ポリエステ
ル)フイルムやポリプロピレンにコロナ放電をす
ることもできる。基材をこれらで作ることも単に
その表面のみをこれらで作ることもできる。 基材が最終膜フイルムの1部分となつて永久支
持層を構成する場合には、その基材を流延用樹脂
溶液で濡れる多孔質材料にして基材上に溶液を流
延した時に流延用樹脂溶液が基材中に含浸して、
ポリアミド膜フイルムの沈澱中に基材に強固に固
着するようにしなければならない。しかし、基材
が濡れることは必ずしも必要でなく、基材が濡れ
ない場合にはポリアミド樹脂フイルムが支持体の
表面を広く被つてそれに固定される。この種基材
としては例えば不織布または織布、例えば不織布
マツトやバツト、織物やクロス、更には各種の
網、例えばプラスチツクのフイラメントの網や
紙、その他の材料がある。 流延用樹脂溶液で濡れない永久支持体としては
微孔質不織布が使用され、これはポリプロピレン
やポリエチレンのような濡れの少ない繊維によつ
て作られる。樹脂溶液は不織布上にフイルム状に
流延されるが、不織布の繊維とは濡れないので表
面上に支持される。下面に流延用樹脂溶液のフイ
ルムを支持した基材を非溶媒液体の浴中に迅速に
漬けるか、浴液上に浮かべることによつて膜フイ
ルムが基材上に沈着する。こうしてできたフイル
ムは基材に良く付着し、基材は膜を通つて流れる
流体の圧力降下にはほとんど又は全く影響を与え
ない。 流延用樹脂溶液で濡れる永久支持体の場合に
は、基材を作つている繊維が高い表面張力を有し
ているので流延用樹脂溶液のフイルムが支持ウエ
ブ中に完全に含浸し、得られた膜は繊維材料内及
びその囲りに沈着し、支持体材料が膜内に埋設さ
れるためにこれにより永久に支持される。こうし
て得られた膜は流れる流体でテストするとかなり
大きな圧力降下を示すが、支持ウエブが開放構造
であれば、非支持の膜と比べてその圧力降下の増
加分は少ない。 膜の永久支持体として使われる適当な濡れ易い
基材としてはモノフイラメントまたはマルチフイ
ラメント繊維を用いた不織布又は織布状のポリエ
ステルがあり、モノフイラメントの場合には開放
構造で圧力降下の低いものが好ましい。更に、ポ
リイミド繊維の織布や、芳香族ポリアミドの不織
布または織布即ちノメツクスや、セルロース、再
生セルロース、セルロースエステル、セルロース
エーテル、ガラス繊維、その他の極性の強い繊維
製品がある。 また、セルロース及び合成繊維の紙や、多孔
質プラスチツクシートや、デルネツトのような開
口網状プラスチツクや、押出し後伸ばしたネツト
も用いることができる。目が荒かつたり、目の大
きな織布構造の基材の場合には、繊維が樹脂溶液
で濡れなくても、膜材料によつて被われて最終膜
製品内に埋め込まれる。ポリプロピレンやポリエ
チレンのような濡れにくい材料は十分な開放構造
をしていれば埋設基材として用いることができ
る。孔の寸法が小さいポリオレフイン基材、例え
ば約30ミクロンの基材の場合には、流延用樹脂溶
液はその中に侵入できないが、ポリオレフイン基
材の外側に膜を作つてそれに付着する。 連続法の場合には、基材を無端ベルトにして、
流延用樹脂溶液フイルムの流延から、非溶媒液体
の沈澱浴を通つて、浴液除去段階までの全フイル
ム形成工程を循環させるようにすることができ
る。耐食性金属ドラムや無端金属ベルトも使用で
きるが、濡れを可能にするためにもそれらの表面
を処理または被覆しておかなければならない。 核形成された流延用樹脂溶液は通常のドクター
ブレードまたはローラや、圧搾ローラ、その他の
通常の装置を用いて所望厚さのフイルムに基材上
に流延または展延してから、できるだけ速やかに
溶液と接触させるようにする。 非溶媒の種類は使用する溶媒によつて決まる。
ポリアミド樹脂溶液中に核を生成するための好ま
しい非溶媒は水または―蟻酸混合物である。しか
しながら、水に溶解し水の表面張力を減ずる他の
ものも適する。他の非溶媒としてはホルムアミ
ド、アセトアミド、ジメチルスルフオキシサイド
等の極性溶媒の他にグリコール、グリセロール、
ポリグリコール等のポリオール、それらのエステ
ル及びエーテル、及びこれらの混合物が含まれ
る。塩を加えることもできる。 沈澱後に膜フイルムを洗つて溶媒を除去する。
水が適当であるが、洗浄液としては溶媒が可溶で
且つ乾燥時に除去可能な蒸発性液体を用いること
ができる。 溶媒含有量を所望最低値以下にするために数回
洗浄することもできる。連続法の場合には洗浄液
を膜に対して向流に流し、膜を例えば洗浄段階で
一連の浅い洗浄液の浴中を通過させるようにする
こともできる。 洗浄量は膜中の残留溶媒が所望値になるように
決定する。溶媒が蟻酸のような酸の場合には、膜
を形成するポリアミドが貯蔵中に加水分解して分
子量が低下するため、予想される貯蔵時間を考慮
して加水分解を防止できるだけのレベルに残留蟻
酸量が低くなるまで洗浄を続ける。 洗浄後の膜の乾燥は非支持で乾燥した時に膜が
直線上に収縮するような技術が必要である。さも
ないと乾燥した膜が反つてしまう。平らで均一な
フイルムを作るためには、乾燥時の膜の収縮を規
制する必要がある。そのための適当な方法は連続
ウエブを強い張力を加えてプラスチツクまたは金
属のコア上に巻き取つて密なロールとしてから、
剛くて多孔質の外被で被い、次いで全体を乾燥す
る。テンタリングやフエルト付きドラムによる乾
燥によつて収縮を防止することもできる。 一定寸法の各膜シートをその4辺全部で収縮を
防止するフレーム中にクランプして反りのないシ
ートができるように乾燥することもできる。この
場合フレームにクランプした膜が乾燥するまで高
温に加熱する。また、2枚以上の同一寸法の膜を
1つのフレーム中で互いに接触して配置し一緒に
乾燥して収縮を防止することもできるということ
がわかつている。この場合には、互いに接触する
各層は接着するので、その後は単一シートとして
取り扱うことができる。当初の各シートが薄い、
例えば0.13mm(0.005in)以下で且つ非支持(基材
無し)の場合には、それらを例えば網の定規ダイ
ス等で一定寸法に切断してから使用目的のために
材用の単一シート又は円板にする。 上記方法のいずれかで乾燥した膜は次いで波付
けされ、縫合して閉円筒にしてから端部キヤツプ
を付ける。材が濡つている間に波付けすること
によつて上記方法は大幅に簡素化でき且つ優れた
製品となることがわかつている。この時、乾燥し
た多孔質材料の上流側と下流側の層を一緒に波付
けするのがよい。この材料としては剛性があり且
つ乾燥によつて収縮しないものが選択される。こ
うして波付けされたパツクを軽く圧縮して、各波
形が密着されると同時に、中に置かれた保持ジ
グ中に保持されて乾燥する。その際保持ジグは蒸
気を逃すためと加熱をし易くするために孔のあい
てあるものが好ましい。こうして作られた乾燥波
形組立体はほとんど収縮せず、得られるポリアミ
ドの波形膜は反りがなく、なめらかな波形折り目
を有し、折り目間の面は平坦である。側部を縫合
し、端部キヤツプを付けて過エレメントを作る
場合には、多孔性支持体層は上流側(汚染側)に
面する流入空間と下流側(浄化側)に面するエレ
メント外への通路とを提供する。 2枚以上の薄いポリアミド膜層を用いて過カ
ートリツジを作る場合には、乾燥工程後に各層を
互いに密着させることによつて機械的には単一層
となるようにする。 所望のフロー特性及び孔寸法を有する親水性ポ
リアミド膜を作るために沈澱を制御する際には、
以下で“核形成”とよぶ特性に関して流延用樹脂
溶液を制御することが必要である。制御を必要と
する変数には、樹脂と溶媒と非溶媒の選択と、出
発ポリアミド樹脂溶液中の樹脂濃度と、全ての成
分の温度と、非溶媒の添加速度と添加中の混合強
さと混合装置の形状とを含む非溶媒の添加法及び
添加量とが含まれ、装置の形状因子では非溶媒の
添加ノズルの寸法と位置とが特に問題となる。樹
脂と溶媒と非溶媒とが一定の場合の核形成度につ
いての上記各変数の影響が表に示してある。
【表】 溶媒度
表には、樹脂と非溶媒の濃度は規定してある
が、溶媒濃度については規定していない。 一定の系においては混合強さは多数の変数の関
数であるということは理解できよう。しかし、系
が一定の場合、相対混合強さは撹拌器の回転速度
またはホモナイザの切断刃の回転速度を用いて表
現できる。連続製造法の場合には(バツチ操作と
違つて)インラインミキサーが必要で、2000セン
チポイズの流延用樹脂溶液を毎時約30Kg作るため
には約200〜300rpmの回転数で約1/4〜2hp(186.5
ないし1492W)の多段ブレード式混合器が適当で
ある。この装置は種々の形状に設計でき、各種混
合原理によつて得られる結果は全て同様なもので
あるので、当業者が通常用いている多数の構造の
ものを用いることができる。 混合強さを数値化するのはむずかしいので、バ
ツチ系から連続系へ技術移転する際には試行錯誤
実験が必要で、望ましい膜シートができるまで操
作条件を変えて行う。これら各変数の処理法は化
学プロセス工業における製造法において周知であ
るので、これらは当業者のなし得る範囲に入るも
のである。 混合強さと混合に関する他の条件の重要性は強
調しすぎるということはない。例えば、樹脂と溶
媒と非溶媒の材料と濃度を一定にし、温度と粘度
も一定にしておいて、単に混合機のrpmを変える
だけで一連の流延用樹脂溶液ができてしまう。最
も低速な混合機を用いて核形成度の高い流延用樹
脂溶液を作ると、膜の絶対孔度は0.1μmとなる。
更に少し強く撹拌した流延溶液を同一の浴液中に
流延すると、混合速度を適当にすることによつ
て、0.2μm絶対の膜ができる。同様に、更に混合
速度を高くすることによつて絶対孔度が0.4μm、
0.6μm、0.8μm等の膜を作るこことができる。 流延用樹脂溶液の調整中に非溶媒を供給するノ
ズルの直径も重要である。少なくとも1部が実質
的に再溶解する沈澱物の形状と、沈澱物の形成及
び完全または部分再溶解が本発明の流延用樹脂溶
液の製造に基本的な役目をしていると思われるの
はこのノズルである。他の因子を一定にしておい
ても、ノズルの直径を変えるだけで、得られた膜
の孔の寸法で表わされる流延用樹脂溶液の特性は
大きく異なつてくる。ここでは0.32〜3.2mm
(0.013〜0.125in)の直径のノズルを用いたが、他
のより大きいまたはり小さいノズルを用いること
もできる。 混合強さを変えるそれによる核形成度を変える
ことによつて一定組成と温度の流延用樹脂溶液か
ら大幅に異なつた膜を作ることができるだけでな
く、逆も真である。即ち、流延用樹脂溶液中の樹
脂と、溶媒と、非溶媒濃度を変えることによつて
同一あるいはほぼ同一特性の膜を作ることができ
る。例えば、水含有量を増すと核形成度は増加す
るが、同時に混合強さを増加すると、核形成度が
同じ流延用樹脂溶液を作ることができ、その流延
用樹脂溶液から流延された膜の特性は含水量の低
いものから作つたものと同一である。 核形成度と得られた膜の絶対粒子除去率との関
係は第1図に示してある。この図は膜シートの孔
の直径と核形成度とが逆比例であることを示して
おり、孔の直径を小さくするためには核形成度を
高くする必要がある。 第1図のA区域は核形成度が極めて小さく、孔
の寸法は再形成できない。更に、一定の孔の直径
における圧力降下が高い。組成物濃度が制御因子
で、核形成には無関係であると仮定して作つた
膜、例えばマリナチオ法による膜はこの範囲に入
り、品質が悪い。B区域では、孔の寸法は核形成
度の増加とともに、必ずしも直線状ではないが規
則的に減少している。C区域では再溶解しなかつ
た樹脂粒子を含む流延用樹脂溶液が多くなるが、
流延前にこれら粒子を別すれば品質の良い膜が
得られる。D区域では過によつて上記の塊を除
去した樹脂溶液が不安定となつて、フイルムに流
延する前に局部的または全体がゲル化してしま
う。D区域では核形成度が極端に高くなると不透
明となることがあり、これは核形成によつて過剰
及び/または過大な核ができたことを示す。 所望混合強さを達成する方法は混合技術分野で
用いられている各種装置の各々によつて大幅に異
なるため、この特性を数値化することは不可能で
ある。従つて、与えられた装置でもつて先ず“カ
ツト アンド トライ”法に基づいて作り、所望
特性の流延用樹脂溶液にするように表の基本を
適用する。混合速度、濃度、温度、流速等の因子
は一度決めておけば、数日あるいは数週間にわた
る操作において第1図のB,C区域で再生産可能
な流延用樹脂溶液を製造することができる。 広範囲にわたる粒子除去率及び低い圧力降下の
膜を作るための条件は出発原料として分子量が
42000の66ナイロンを15.5%と、蟻酸を83.23%
と、水を1.27%含んでいるものを利用することで
ある。この出発原料を例1〜39の条件を用いて稀
釈すると、第10図に示す結果が得られる。製品
範囲KL5は絶対粒子等級範囲が約0.1ミクロン(例
えば、0.3mm(0.012in)厚さの膜ではKL5=100psi
(7.03Kg/cm2)から約1ミクロン(例えば0.25mm
(0.01in)厚さの膜ではKL5=27psi(1.9Kg/cm2)ま
での膜が得られるものである。 第10図の曲線は直径が63mm(2.5in)のロー
ターを有するインライン混合機を用いて得られた
ものである。他の混合機でも同一結果を得ること
はでき、この結果を得るためのRPMは変えなけ
ればならないが、その値は第10図の例えば
1950RPMや400RPM曲線が示す混合強さが得ら
れるように自分の装置で条件をテストすることに
よつて当業者が行い得ることであり、一度これを
行つておけば、第10図の全範囲をカバーする膜
製造条件は容易に見出せる。 この混合条件の同一相互関係はインライン混合
機を用いた本発明の他の例にも同様に適用でき
る。 流延用樹脂溶液は非溶媒浴の表面上または表面
下へ押出される。特に、中空繊維を作る場合には
樹脂粘度が高くし、(例、100000cp)且つ蟻酸濃
度が低い(例、20〜40%範囲)浴中で流延用樹脂
溶液を急速に硬化することによつて実際上は更に
容易に行うことができる。 既に述べたように、次の3種類の基材が用いら
れる。即ち、 (a) 孔の無い、例えば市販ポリプロピレン、その
他のプラスチツクフイルム、ガラス等。 (b) 多孔質で流延用樹脂溶液で濡れないもの。 (c) 多孔質で流延用樹脂溶液で濡れるもの。 本発明で用いる非溶媒沈澱浴には樹脂の溶媒と
非溶媒との混合物が入れられる。得られる膜の特
性に重要な作用を与えるこの浴の特性は浴中の溶
媒と非溶媒の濃度比にある。溶媒濃度がゼロか低
い、例えば20%以下の場合には厚いスキンを有す
る膜が得られる。この濃度を好ましい範囲内(水
と蟻酸しか含まない場合には約43〜55%の蟻酸)
に調節すると、得られた膜には一面から他面へ通
る均一な孔ができる。 浴濃度が43〜55%で、基材として前記(b)または
(c)の型式のものを用いると、常に厚さ方向に均一
な孔がポリアミド膜にできる。しかし、フイルム
を(a)型の孔の無い基材上に流延する場合には、基
材表面が流延用樹脂と浴液とに濡れるものでなけ
ればならない。ガラス等の面は本質的に濡れ易い
が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエステル等の合成プラスチツクフイル
ムは濡れず、流延用溶液をこれらの上に流し、そ
れを蟻酸45%と水55%の浴中に侵入させると、浴
と接した面に開放孔を有するフイルムとなる。こ
の開放口はフイルム本体の大部分において均一で
はあるが、基材側に厚いスキンが生じてしまう。
しかし、これらのプラスチツクフイルムを例えば
クロム酸処理またはコロナ放電処理のような表面
酸化法により濡れ易くすれば、得られた膜は両面
にスキンができず、孔の寸法は厚さ方向において
均一となる。この膜はいずれの側が基材と接触し
ていたかを見分けることは不可能ではないまでも
むずかしいものである。 このようなスキンの無い膜シートを作るために
は広範囲の面をその表面張力が高いものであるな
らば基材として利用することができる。この基材
は浴中と樹脂溶液中との蟻酸濃度と、温度によつ
て少し変わり、与えられた系において試行錯誤に
よつて基材表面処理をして決めるのが良い。臨界
表面張力は一般に約45〜60ダイン/センチメート
ルで、一般的には50〜56ダイン/センチメートル
dyn/cmの範囲である。 一定の流延用樹脂溶液をフイルムにして一連の
浴中に漬け、各浴の含水量を少しずつ増大する
と、浴に面した側の膜の特性が少しずつ変化し、
膜の厚さとバランスのとれた細い孔を上記面上及
び近くに有するフイルムができる。この細い孔が
膜のバランスのとれた均一な孔への遷移を示して
いる。この膜のを以下“次第に細くなる
(tapered)孔を有する膜”とよび、この用語は太
い孔の方から細い孔の方へ流して懸濁液を過し
た時に、同一除去率で長寿命(高汚染能)が得ら
れるという利点がある。第7図はこの次第に細く
なる孔を有する膜の走査電子顕微鏡写真である。
この次第に細くなる孔を有する膜を作るの必要な
浴の溶媒濃度は例えば流延用樹脂溶液の核形成状
態によつて大きく変わり、一定の条件の組の中で
試行錯誤で決定されるが、水―蟻酸の場合には15
〜25%以下では決してできず、一般には約30〜35
%の蟻酸でなければならない。 浴の水濃度が増加するにつれて膜に厚いスキン
が生じ、圧力降下が高くなり、孔の寸法分布特性
が悪くなる。 第5,6図の走査電子顕微鏡写真に示すように
本発明方法によつて作つた均一な孔の膜は第3図
に示すような液体置換曲線によつて特色付けられ
る。この膜を水中に漬けると、その孔に水が充満
して膜内に不動な水のフイルムが形成され、膜を
水から出してもこの水はそのまま残つている。そ
の状態で膜を横切つて空気圧をかけても、空気は
ほんの少ししか流れない。この空気流量を加えた
空気圧で割つた値は圧力を増加しても一定のまま
である。これをプロツトしたのが第3図である。
フイルムの厚さと水中への空気の既知の拡散係数
とを用いることによつてフイツクの法則から上記
の流れが水のフイルムを介して空気の拡散による
ものであつて、過膜の孔を介しての流れではな
いということがわかる。圧力を十分高くすると、
第3図の曲線に示すように流れは急に増加する。
これは水が大部分の孔から出て、空気が孔を通つ
て流れたことを示し、曲線はほぼ垂直となる。こ
の急激な上昇から、この区域では空気流量を5000
倍にするには圧力降下の増分を本発明の膜では1
〜3%の増加させればよいことを示している。 空気の流れがゼロ(拡散によるものを除く)か
ら加えた圧力のわずかな変化だけで急激に上昇す
るまでの急激な遷移が均一な孔を有する媒体の特
色で、この媒体は鋭い除去特性を有し、例えば、
1つのバクテリヤを定量的に除去するが、それよ
りほんの少し小さい微生物はパスさせるという特
性を有している。この膜は一定除去に対して低い
圧力降下でよいという利点がある。 スキンの有る膜の挙動は全く違つており、水に
濡らして空気圧降下関係を測定すると、その曲線
は最初から平らではなく上向きとなる。このこと
は大きな孔が存在することを示し、ほぼ垂直な線
となる部分への接近が遅く、大きな半円となる。
この“垂直”区域は第3図のような鋭い上昇では
なく、なだらかなスロープで、広い孔寸法範囲の
存在を表わす。このような膜はバクテリヤが入つ
ている時には菌を過できず、液にも菌が入つ
てしまう。即ち、無菌にしようとすると、圧力降
下を極めて大きくとるので過速度が遅くなつて
しまう。 以上の説明から均一な製品を作るためには浴中
の非溶媒中の蟻酸濃度を狭い範囲に限定する必要
があるということは明らかであろう。連続法では
この制御は浴への非溶媒液体の供給を制御し且つ
浴液の1部を抜き出して浴の全体積を一定に維持
すればよい。流延用樹脂溶液から浴中にかなり高
い濃度の蟻酸が入るので、浴中の蟻酸濃度は増大
する。従つて浴にたえず水を加えて補正する。こ
のように水の添加速度と過剰浴液の抜き出し速度
とを制御することによつて、所望特性の膜となる
範囲内で溶液中の蟻酸濃度をほぼ一定に保つこと
ができる。 例えば、例47は混入バクテリヤと0.2μm以上の
粒子を全て定量的に除去できるだけの細い孔を有
する均一に孔が分散したスキンの無い膜シートを
得るために、核形成度が高い流延用樹脂溶液をフ
イルム状に流延し、浴液として46.4%の蟻酸水溶
液中に沈澱させて膜にしたものを示している。 次第に細くなる細い孔を有する膜を作るために
は、例50に示すように浴液として25%の蟻酸水溶
液を用いて核形成度の高い流延用樹脂溶液のフイ
ルムから膜を沈澱させる。 0.2μm以下の範囲では、市販の再生セルロース
及びセルロースエステル膜は片面から他面への孔
の均一さが極めて悪く、これらの膜はある程度先
細りになつた孔を有しているということを参考の
ために述べておく。本発明の膜はこの範囲におい
ても均一であり、必要な場合には先細の孔にする
ことができるものである。 また、本発明による膜シートの連続法では、膜
に均一特性を与えるために、流延用樹脂溶液を注
意深く制御しながら作り且つ浴液組成を一定に保
つておく必要がある。この浴液は“平衡浴”即ち
添加と抜き出しをしているにもかかわらず試薬濃
度が一定に保たれた浴とよばれる。 例えば、樹脂を13%、蟻酸を69%、残りを水に
した流延用樹脂溶液を基材上に連続的に流延して
フイルムにし、それを46%の蟻酸を含む非溶媒水
溶液中に浸す場合を考えると、樹脂膜が沈澱する
につれて、流延用樹脂溶液(これは69部の蟻酸
と、18部の水即ち79.3%の蟻酸を含む)のフイル
ムからの溶媒の部分が浴中に拡散するので、その
組成が変化する。これとは逆に、例えば蟻酸濃度
を知らせるために濃度測定装置を用いて制御した
速度で水を浴に常に加えて46%のレベルにし、浴
液は常に抜き出して浴の容積を一定にする。この
ような平衡浴を維持することによつて、均一な孔
特性の膜シートを連続的に作ることができる。 連続高速製造する時には浴温度は少しずつ増加
するので熱交換器で冷却して一定条件を維持す
る。 上記の流延用樹脂溶液及び浴から、それを無端
ベルトまたは流延フイルム支持用基材としてロー
ルから巻きもどされたプラスチツクシート上に流
延することによつて非支持膜シートを作ることも
できる。 この膜シートは乾燥時に基材表面上に付着し易
いので、湿つている間に膜シートを表面から剥し
て、乾いて接着力が大きくなる前に分離すること
が大切である。 上記方法で作つた非支持性膜シートは極めて強
く、水で湿つた時の抗張力は28.1〜42.2Kg/cm2
(400〜600ボンド/平方インチ)と強く、伸びは
一般に40%以上である。 用途によつてはこれ以上に強い抗張力が望まれ
る。更に、通常作られている非支持性膜シートで
は0.05〜0.02mm(0.002〜0.010in)厚さの範囲での
取扱いに特別の注意が要求されている。このよう
な場合には支持された膜シートが望ましく、この
ような膜シートは樹脂溶液が沈澱後に膜シートに
付着するような基材上に樹脂溶液のフイルムを形
成することによつて作ることができる。基材とし
ては樹脂溶液で濡れるものでもいずれの型式のも
のも使える。 上記膜形成法によつて作られた非支持性膜は
水で湿つており、更に少量の残留蟻酸を含んでい
る。この製品は種々の方法で乾燥できる。 例えば、15〜30m(50〜100フイート)の直線
状コア上のロールの上で乾燥するまで中に配置
しておくことによつて処理できる。乾燥中に少し
収縮するが、製品としては合格なものが得られ
る。 また、膜の全周をフレームでクランプして収縮
を防止し、膜を赤外線または空気中で加熱して
乾燥することもできる。これで作つたシートは極
めて平らで、それから円板を打ち抜いて円盤フイ
ルター用膜として過装置に取付けられるが、こ
のデイスク膜は強度が極めて強く可撓性があり、
過装置に簡単に組込むことができる。 更に、湿つた膜シートを加熱ドラム上を通過さ
せ、このドラムに張力用フエルトウエブまたは多
孔質シートを押圧し、乾燥ウエブをロール状に巻
き取ることによつて上記と同様な製品を作ること
もできる。 上記の乾燥方法のいずれか任意のものを使つて
2枚以上の湿つた非支持性膜シートを互いに接触
させた状態で乾燥すると、各シートは互いに接着
して多層構造物となる。この際接着剤や結合剤は
不用である。 この多層膜は単層膜として有用なものであ
る。即ち、例えば流延用樹脂溶液中に含まれる気
泡によつて製造中にわずかの欠陥が生じた場合に
も、その場所を除かずに2枚のフイルムを互いに
重ねることによつて所望の除去率にすることがで
きる。この様にして極めて信頼性の高いものが作
られる。 これと同様な方法で、支持された樹脂膜層と非
支持のものとを互いに接触させて乾燥させること
によつて隣接層を良く接着させることも可能であ
る。これを用いて、効果的なプレフイルターの役
目をする非支持の次第に細くなる孔を有する膜を
均一な孔を有する支持された層上に結合して過
媒体を作ることができる。次第に細くなる孔を有
する層の細い方の面は支持された層の孔の寸法と
同じか少し大きい孔の寸法を有し、この面を非支
持層と接するようにする。 本発明による支持された過膜は自己シール性
が必要で且つ過に大きな応力が加わるようなフ
イルタープレスに特に適している。更に、差圧が
大きい平らまたは波形過カートリツジやパルス
型用途にも有用である。 本発明の過膜は過カートリツジの材に極
めて適している。過カートリツジは内蔵過エ
レメントであり、過シートは管状にされて端部
キヤツプでその両端が閉される。この端部キヤツ
プの両方またはいずれか一方に過シートを横切
つていずれかの方向に循環される流体の貫通開口
を設けることができる。この過カートリツジは
交換が必要な時に容易に過組立体に装着しまた
それから取り外すことができるようになつてい
る。 優れた過カートリツジは欠陥が無く、標準状
態で均一な除去特性を有しているフイルターシー
トを有している。過カートリツジは単純円筒、
波形円筒、積層円筒等の任意の形状をとることが
できる。 これらの形状の中で本発明の過膜が適してい
るのは波形円筒である。この円筒は2つの多孔質
または有孔シートの間にサンドイツチされる1枚
以上の支持されたまたは非支持の湿つた膜を波付
けして作られる。前記多孔質シートは波形の間の
過媒体の接触面の上流と下流側になる。こうし
て波付けした構造物を軽く拘束しながら乾燥する
と、この間に接している膜層は互いに一体に結合
して、強くて剛い構造物となる。これを従来の熱
可塑性材のシールを用いているのと同様な熱溶
着法を用いて接触端に沿つて密封し、こうしてで
きた円筒体の両端に液密に端部キヤツプを取付け
る。この好ましい方法は1965年12月6日のポール
達の米国特許第3457339号に示されている。端部
キヤツプ材料は広範囲の熱可塑性樹脂から選択で
き、特に、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエ
ステル、ポリエチレンが好ましい。ポリエステ
ル、特にポリエチレンテレフタレートとブチレン
テレフタレートの端部キヤツプはポリアミドの膜
に良くシールされ且つ組立て後のカートリツジが
水に濡れ易いので好ましく、組立後の過カート
リツジの一体性を確認するために本発明の標準手
順を用いてテストをすることができる。 波形円筒状過カートリツジを作る際には、波
形構造体の両端を接合するために接合部(シー
ム)が必要であるが、本発明の膜を作るのに用い
られるポリアミドは熱可塑性であるので、この接
合部を密閉するのに熱シールが利用でき、これは
大抵の用途の場合可能である。熱シールにはいく
つかの欠点があり、 (a) シールをするためには波形の最外部分のリー
フを90゜に曲げる必要があるが、この曲げによ
つて過媒体が弱くなつたり破損するのはさけ
られない。 (b) シール操作中の熱によつて過媒体層の厚さ
が変化する。 (c) シール区域の端部に応力が集中するため構造
的に弱くなる。応力が高いと、過器はこの端
部が他の部分よりも弱くなる。 これらの欠点は新しい方法によつて全て解決で
きる。即ち、波形の両端部の最外面に3〜7%の
66ナイロン溶液を含むトリフルオロエタノール溶
液を塗布し、これらの面を軽く圧接し、トリフル
オロエタノールを蒸発させる。他の溶液として
は、蟻酸の33%の66ナイロン溶液や、同様にヘキ
サフルオロイソプロパノールやヘキサフルオロア
セトンセスキハイドレートのポリアミド樹脂溶液
を用いるものがある。これよつて得られるシール
は前記欠点が全くない優れたもので、シール区域
は他の波形部分より強くなる。 樹脂溶液の量と濃度は全く問題ではなく、トリ
フルオロエタノール溶液にゼロから多くても9%
の66ナイロン樹脂を入れるだけで優れたシールが
得られる。しかし5%付近が安定で好ましく、高
分子量のものを用いると粘度が適当なものとな
る。蟻酸溶液も有効である。 過器に要求される効率として意味のある膜
材の有効孔寸法を正確に決定するのはむずかし
い。本発明の均一な孔の過媒体あるいは市販の
均一な孔の膜を走査電子顕微鏡を使つて検査をす
ると、例えば第5図のように、顕微鏡写真で見た
時に明らかに見える孔の開口を測定することによ
つて、孔の寸法が決定でき、この寸法はバクテリ
ヤを用いて過材を通過した最大粒子の直径を測
定した値の3〜5倍である。また、第3図に示す
方法でKL値を決め、周知の毛細管上昇方程式に
一定圧力を入れて、湿つたエレメントに空気圧力
を加えて求めたKL値から孔の直径を確認すると、
バクテリヤ法で求めた過媒体の絶対除去等級の
約4倍の孔の直径となる。 これらの方法は材としての膜の能力にはほと
んど関係ないということは明らかである。ユーザ
が必要なのは孔の寸法ではなく、バクテリヤ、イ
ースト、粒子、その他汚染物を除去するフイルタ
ーの能力である。 従来の考え方とは逆に、過媒体としての本発
明のものと類似した構造の膜の有効性は単に孔の
寸法だけでなく厚さによつて決まるものだという
ことがテストによつてわかつた。本発明の開発過
程において、孔が小さくて薄い膜と、孔は大きい
が厚い膜の2枚の膜を用いてテストしたところ、
孔は大きいが厚い膜の方が材としては有効であ
るということがわかつた。 従つて、過媒体としての本発明の膜シートの
有効性は孔の寸法ではなく寸法のわかつている汚
染物の除去効能によつて表わしてある。本発明の
過膜の第1の用途はバクテリヤの全てを別し
た液を送ること、即ちバクテリヤの除去にあ
る。バクテリヤを除去した流体を送る過器の能
力を決めるために一般に工業的に用いられている
方法は省略記号Psで表わされる非病原菌性バク
テリヤである直径の小さなプスドモナス デミヌ
テイアエ菌の懸濁液でテストする方法である。こ
のテストに合格する材は過等級の0.22マイク
ロメーター絶対として工業的に認められるもので
ある。即ち、プスドモナス デミヌテイアエ菌は
バクテリヤの寸法の下限を表わすバクテリヤであ
る。テスト条件の組合せを考えずに、プスドモナ
ス デミヌテイアエがパスしないようにできさえ
すれば、その材は全てのバクテリヤを定量的に
除去できるものと見なすことができる。 本発明はこのプスドモナス デミヌテイアエの
除去を基本にした標準テストと湿らせた膜を横切
る空気流量測定と膜の厚さとを関係付けたテスト
を行い、それによつて被テスト膜フイルターの除
去特性を完全に特性付けることができるようにし
た。 プスドモナス デミヌテイアエの除去は単に孔
の寸法だけでなく厚さにも関係し、次の指数式で
表わされる、即ち TR=TR1 t または logTR=t log TR1 ここで、 TRは膜のタイター減少で、これは流入流体中
のプスドモナス デミヌテイアエ含有量と流出流
体中のその含有量との比である。 TR1は単位厚さの膜によるタイター減少であ
る。 tは膜の厚さである。 この式の適用例としては、膜のタイター減少が
105とすると、2層の膜ではタイター減少は1010
となり、3層では1015となる。 テスト用バクテリヤは単一分散体(即ち均一直
径)であるので、この式が適用できることは明ら
かである。この式が正しいことは同一膜を1,
2,3,4,5層にしてタイター減少を調べるこ
とによつて実験的に確認できる。第2図に示すよ
うに、log TRに対して層の数をプロツトすると
直線となり、式と一致する。 液体で湿らせた膜を横切る空気の流量を測定し
て膜の孔の寸法特性に関する有用情報を得ること
は工業的に使われている。本発明では、第3図の
曲線の“ヒザ部分”の省略記号としてKLを用い
た。湿らせた膜を横切る単位圧力当りの空気流量
を圧力に対してプロツトすると、第3図に示すよ
うに空気流量は初めは少なく、単位圧力当りの流
れはほぼ一定であるが、ある点まで来るとわずか
の圧力増加で急激に増加して、ほぼ垂直な線とな
る。これが起る時の圧力を膜のKLとして表わし
てある。 KLはポリヘキサメチレンアジパミドから作つ
た本発明方法の45の膜のグループに対して測定し
た。これらの膜は厚さが0.037〜0.05mm(0.0015〜
0.012in)の範囲をカバーし且つ孔の径が広範囲
のものを選択した。これら同一膜にPsバクテリ
ヤの懸濁液を過し、流出側バクテリヤの数で流
入側のバクテリヤを割つた数によつて各膜のTR
を決定した。各膜の厚さはミル(1ミル=0.001
インチ)で測定し、式log TR1=1/tlog TRを用 いてlog TR1を各膜について計算した。TR1は1
ミルの膜の理論上のタイター減少である。 KL値は荒い膜と細い膜の両方と、薄い膜に対
して測定した。この同一膜を2,3あるいは多層
に積層してから再びKL値を多層に対して測定し
た。こうして、厚さと同一孔寸法の膜のKL値と
の間の関係を求めた。その結果は表に示してあ
る。表を用いて前記45枚の膜のKL値を等孔寸
法の0.12mm(0.005in(5ミル))厚さの膜に適用さ
れるKLに補正し、それらの値をKL5として表わし
た。 各膜のlog TRをKL5に対してプロツトした結果
は第4図に示すようにほぼ単一線上にのつた。 第4図を用いることによつて、本発明のポリヘ
キサメチレンアジパミド膜の任意のものに対して
えられるであろうタイター減少(TR)が特性の
膜の測定値KLと厚さ(t)を用いて計算するこ
とができる。この手順は次のとおり、即ち、 (1) サンプルのKL値の厚さを測定する。 (2) 表を用いてKL5を求める。 (3) KL5を用いて第4図からTR1を求める。 (4) 式TR=Tt R1からTRを計算する。 膜で回収できるバクテリヤの数は上限があり、
約1013Psが過媒体の平方フイート当り回収され
た時にはフイルタを通る流れは通常の初期流量1
平方フイート(0.09平方メートル)あたり2〜5
リツトル/分/の0.01以下に減下した。このこと
は本発明の膜の場合でも市販の膜の場合でも実際
のテストでTRが10から>1030までの全範囲に対し
て決定された。即ち、プスドモナス デミヌテイ
アエの場合の実用上の上限は平方フイート(0.09
平方メートル)当り1013となるであろう。 この上限と計算値TRとを組合せることによつ
て、ある特定の膜が全ての使用条件下で無菌化で
きるか否かを確認した。例えば、予想TRが1023
膜を選択すると、統計上は1013のプスドモナス
デミヌテイアエに露された場合には、その膜は
1010倍(100億)に露された時に1バクテリヤが
流出側に出ることになり、このような高い比は無
菌が確実であると見なせるであろう。即ちこのフ
イルターは絶対除去能が0.2μmであると考えるこ
とができる。実際上は、TRが正確に1023の膜を常
に作ることはできないが、1023を下限として許容
範囲即ち1023〜1027にして、常にバクテリヤを通
さないフイルターを作ることは可能である。 同様に、KLと厚さとを大きなバクテリヤや既
知寸法のイーストや他の粒状物質のタイター減少
と関係付けて、0.1μm以上の範囲の寸法のものと
の関係を求めることもできる。最後の方法は粒子
検出法といわれている。 第4図の曲線は本発明の膜に適用できる。この
曲線を作つた方法は他の製法で作つた膜にも応用
できる。他の膜の場合には曲線の位置が少しづれ
るが、本出願人は市販の均一孔を有する乾式法膜
を用いて十分なテストをして、同一原理が適用で
きることを確認している。 第3図の水平曲線部分は孔の寸法が完全に均一
の場合にのみ完全に平らになる。孔が均一な過
媒体の特徴はKL値の付近で傾斜が急変し垂直に
なる点である。孔の寸法が不均一である場合には
曲線の水平部分が斜めとなり、曲線の垂直部分へ
の傾斜変化部分の半径が大きくなり、垂直部分と
いうよりは傾斜部分となる。 この曲線の下側即ち水平部分は膜の孔に充満し
た不動な液膜を通る空気の拡散によつて測定され
る。湿潤液体は水にすることができ、その場合に
は曲線の水平部分では比較的小さな空気流れとな
り、アルコールの場合には拡散空気流は高くな
る。傾斜の変化部では湿潤液体が孔から押し出さ
れ、曲線の垂直部では多数のほぼ同一寸法の孔が
空気を通し始める。 第3図のデータを次第に細くなる孔を有する膜
即ち片面の孔が大きく、他面の小さい孔に向つて
テーパーの付いた孔を有する膜について描くと、
加圧方向を逆にした時の曲線は互いに一致するこ
とはない。即ち、2つの別々の曲線が得られ、一
方は平らで、他方は上方で且つ上向きである。流
量の多い上方の傾斜曲線は開口の広い方を上流側
に向けて、膜の荒い面から入つた空気の一部を表
わしたものであり、これによつて液体フイルムの
厚さは減少し、空気拡散速度は増加する。 即ち、膜に対して両方向から圧力空気の供給と
測定とを順次行うことによつて、それが均一な孔
か、先細りの孔の膜かを調べることができる。両
方向において流量―圧力曲線が同一またはほぼ同
一であれば、孔は均一であり、一定生物に対する
タイター減少に対するKLと厚さに対する前記の
方法をその膜に適用することができる。 以下の例は本発明の好ましい実施例を示すもの
である。 参考例1,2および5並びに実施例3および4 分子量が約42000の66ナイロンペレツトを98.5
%蟻酸に溶かして15.5%の樹脂を含む35℃の溶液
を作つた。直ちに、この溶液を流速250g/分で
インラインミキサーへ送つた。それと同時に31℃
の水を流量を制御しながら上記の混合物に送つ
た。この量は蟻酸を70.2%と樹脂を13.1%含む流
延用樹脂溶液が得られるように制御された。流延
用樹脂溶液は10μmフイルターを通して過して
可視樹脂粒子を除去した後に、移動中の予めコロ
ナ放電によつて濡れ特性が向上されたポリエステ
ルシートの表面上に0.2mm(0.0085in)にドクター
ローラーを用いて薄いフイルム状に流延し、3秒
以内で46.5%の蟻酸と残りが水である浴液中に約
3分間浸しておいた。水を必要な量だけ連続的に
供給することによつて浴濃度を一定に維持した。
得られたナイロン膜は1時間流水で洗つた。ポリ
エステル基材シートから2枚の膜を剥して互いに
接触させ、長さと幅方向の収縮を規制しながら炉
で乾燥した。 インラインミキサーの回転速度は運転中は400
〜1600RPMに変えられた。表は得られた製品
の特性を示している。この表において“均一孔”
とは膜の幅方向全体にわたつてSEM試験法で調
べた時に孔の寸法が均一であるということを意味
している。参考例1,2は第1図のA区域条件を
示し、ここでは核形成度が小さすぎて完全な製品
にならず、この区域では圧力降下が高く、製品の
特徴は再現性がない。参考例5は第1図のD区域
に該当する混合機速度が400RPMの場合で、不安
定状態で、混合機中で多量の樹脂が沈澱して閉塞
が始まり、流延用樹脂溶液が送れない。 同一の流延用樹脂溶液に対してその各成分濃度
によつて規定される挙動や製品の特性の大きな違
いに注目されたい。 実施例 6,7,8 流延用樹脂溶液は実施例4と同じに作られ処理
されたが、インライン式熱交換器で各々53,61,
68℃に流延前に加熱した。得られた製品の特性は
実施例4のものと大差がなかつた。このことは流
延上で問題のない点(約500cp)まで粘度が減少
する以外には流延用樹脂溶液の温度は重要な因子
でないことを示している。 参考例9並びに実施例10〜13 膜を例1〜5と同じ方法で作つたが、流延用樹
脂が69.8%の蟻酸と13%の樹脂を含むような水の
量を加えた点が異なつている。表が結果であ
る。1950RPMで作つた流延用樹脂溶液は核形成
が不十分で、圧力降下の高い不良品となつた。 参考例14並びに実施例15〜18 流延用樹脂溶液が69.8%の蟻酸と12.85%の樹
脂を含むような水の量を加えた点以外は例1〜5
と同じ方法で膜を作つた。結果を表に示してあ
る。 実施例 19〜39 蟻酸が各々71.4%、67.5%、66.0%で、樹脂が
13.3%、12.55%、12.41%である流延用樹脂溶液
となるような水を加えた点以外は例1〜5と同じ
方法で膜を作つた。結果はグラフで示してあり、
例1〜19は第10図に示してある。第10図には
第1図のB,C区域に入る膜しか示していない。
即ち、これらの膜厚さと粒子除去能に比べて圧力
降下が小さく、安定して再現できるものである。
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 40〜46 これらの膜は次の点を除いて例1〜5と同じ方
法で作られた。即ち、 (A) 66ナイロンを14.5%含む出発樹脂をミキサー
に400g/分で送つた。 (B) 水の量を種々に変えて表に示した蟻酸と樹脂
濃度にした。 (C) ドクターローラを0.5mm(0.022in)にセツト
した。 結果は表に示した。
【表】 実施例 47〜50 98.5%の蟻酸に分子量が約42000の66ナイロン
ペレツトを溶かして15.5%の樹脂を含む35℃の溶
液を作つた。この溶液を直ちに250g/分の流速
で1200RPMのインラインミキサーへ送つた。同
時に制御した流量で水をミキサーへ30℃で送つ
た。水の量は蟻酸を69.0%と樹脂を12.9%含む流
延用樹脂溶液ができるような値である。得られた
流延用樹脂溶液の温度は57℃であつた。この流延
用樹脂溶液は直ちに10μmのフイルターに通して
可視粒子を除去し、ドクターブレードによつてガ
ラス板上に0.25mm(0.010in)厚さの薄いフイルタ
ムにし、10秒以内に蟻酸と水を含んだ浴中に浸し
て約5〜10分間漬けた。得られたナイロン膜を流
下水で1時間洗つた。2枚の膜を互いに重ねて炉
で乾燥した。乾燥中は縦横に収縮しないように拘
束した。 表は各種浴濃度での製品の特性を示してい
る。
【表】 実施例51〜54並びに参考例55〜57 例47〜50と全く同じ方法で膜を作つたが、次の
点が異なる、即ち、 ミキサー速度は1600RPM 流延用樹脂溶液温度は64℃ 表は製品の特性を示す。 参考例55,56は本発明の範囲外のものである
が、蟻酸濃度が約20%以下の浴を用いた時を示す
ために入れてある。 このグループの例は所定粒子除去率において最
小圧力降下となる膜ができる46.5%に近い範囲の
浴の利点をも示している。
【表】 参考例 58,59 次の点を除いて例47〜50と同一方法で膜を作つ
た、即ち、 (a) 出発濃度が17%であつた (b) 水に32.8%の蟻酸を含む溶液を非溶媒稀釈剤
として用いてこれをミキサーに流速132.1g/
分で送つて344.7g/分の出発樹脂溶液から流
延用樹脂溶液を作つた。 (c) ミキサー速度は1900RPMであつた。 (d) 流延用樹脂溶液の組成は樹脂12.1%と蟻酸
67.8%であつた。 (e) 10μmフイルターで過後に溶液の半分を更
に過して約0.05〜0.10μmの除去率にした。
両方の部分を46.5%の蟻酸浴中でフイルタムに
流延した。例58は10μmでのみ過、例59は
10μmと0.05〜0.10μmで過。各々を単一厚さ
で測定した時のデータを表に示してある。 微細過をした参考例59の圧力降下を同一厚さ
と同一KL5を有する本発明の正常製品と比較され
たい。この場合の水銀柱は約3.5インチ(89mm)
である。 実施例 60〜64 これらの膜はポリヘキサメチレンアジパミドか
ら少量バツチ法で作られた。分子量が34000の樹
脂を98.5%の蟻酸に溶かして20%の出発樹脂溶液
を作つた。この溶液500gを50mm(2インチ)直
径のプロペラ形撹拌器を備えた203mm(8インチ)
高さで内径が約101mm(4インチ)のグラス製ジ
ヤケツト付き容器中で65℃まで加熱した。容器に
は外部操作式フラツシユ弁が底に設けてあつた。 非溶媒を12.77%の蟻酸と残りは水から作つた。
300〜500RPMで撹拌しながら非溶媒溶液241gを
定速で装置中へ2分間かけて入れた。入口ノズル
の内径は2mmで且つ回転プロペラの描く弧から
6.3mm(1/4in)離れて配置されていた。2分間の
終わりに、樹脂がノズルの入口近くで沈澱し、そ
の全ては直径が約3.1mm(1/8in)の少量の樹脂塊
を除いて実質的に再溶解した。 底部弁を介してできた流延用溶液約2.0gを取
り出し、42メツシユのスクリーンを通して塊りを
除去し、直ちにガラス板上に0.25mm(0.01in)の
ドクターブレードを用いて薄いフイルムに拡げ、
このフイルムを直ちに蟻酸と水を入れた浴中に25
℃で浸す。 膜は数分間で硬化し、ガラス板から剥し、水で
洗つてから赤外線ヒーターで乾燥する。得られた
膜の特性は表XIに示してある。 実施例60,61,62は製品特性に対する核形成度
の作用を示している。実施例60,61は正しく核形
成されていて、除去率に対する圧力降下が低い製
品となる。例62は流延溶液を速く回転しすぎたた
め核形成度が低すぎる結果、圧力降下が高くなつ
ている。
【表】
【表】
【表】 実施例 65〜68 これらの例に於て、第XII表に示すポリアミド樹
脂は少量バツチ法を用いて膜シートに形成され
た。20%の出発樹脂溶液が98.5%蟻酸に分子量
34000の樹脂を溶解して調整された。この流延溶
液500g量を2インチ径のプロペラ型撹拌機を備
え底に外部操作のフラツシユ弁を備えた内径約4
インチ(10.2cm)、高さ8インチ(20cm)のガラ
ス製ジヤケツト付容器内で環境温度で保持した。 非溶媒として実施例65〜67では水が、例68では
ジメチルホルムアマイドが使用された。撹拌機を
500RPMで回転しながら、回転しているプロペラ
により画かれる弧から1/4インチの位置にある内
径2mmの入口ノズルを介して2分間にわたり一定
速度で非溶媒を装置に送りこんだ。2分間の最後
に入口ノズルで樹脂の沈澱物がみられ、径約1/8
(3.2mm)インチの少量の樹脂の固りを除いて、沈
澱物のすべては実質上再溶解される。 そのようにして形成された流延用樹脂溶液約20
gを底の弁を介して取出し、42メツシユのスクリ
ーンを通して固まりを除き、即刻、ガラス板上で
0.010インチ(0.25mm)のドクターブレードを用
いて薄いフイルムに拡げ、次いで迅速に環境温度
で蟻酸と水を含む浴中にそのフイルムを浸漬す
る。 膜は数分間で固定され、次いでガラス板からは
がされ、水で洗浄され、赤外線ヒーターで乾燥さ
れる。得られた膜の性質は表XIIに示される。
【表】 実施例 69 ナイロン66原料を用い、細孔等級が0.45ミクロ
ンで大きさが約9.5×10.2センチメートルの本発
明の微孔質膜シートを2枚作成した。第一の膜シ
ートの表面に水滴を置いて湿潤性を試験した。水
滴はすぐに、すなわち1秒以内に、膜を湿潤させ
た。次に、第二の膜シートを酵素の不存在下で
(窒素パージを使用)261℃の温度で約50分間熱処
理した。熱処理したこの膜シートの表面に水滴を
置いてこの膜シートの湿潤性を試験した。水滴は
膜を湿潤せず、吸収されることなく膜の表面に留
まつていた。すなわち、熱処理後の膜は疎水状態
に復帰した。 比較例 70 一般的方法 以下の比較例において、凡ての樹脂溶液はナイ
ロン6ポリアミド樹脂の40グラムを100c.c.の蟻酸
を含む500mlの二口丸底フラスコに加えることに
より調製された。樹脂はフラスコ内容物を約
85rpmの速度で回転する2インチ(5センチメー
トル)の刃を持つステンレススチール撹拌器で撹
拌しつつ添加された。本例で用いたポリアミドは
ウルトラミド(Ultramid)B5の名前でBASFか
ら入手出来るナイロン6であつた。 樹脂が完全に溶解された後、米国特許第
3876738号の実施例中に述べられた非溶媒が夫々
の溶液に加えられた。これはフラスコ中で樹脂の
かなりの沈澱を生じた(第12図および第13図
参照)。 樹脂が再溶解された後、膜が第11図に示した
装置を用いガラス板上に流延された。膜は次の様
に流延された: 1 各比較実験例に述べられた適当な急冷浴溶液
でボツクスを満たし、 2 22インチ×9インチ(56cm×23cm)のガラス
板を傾斜面上に、底縁が丁度急冷浴の上面にあ
る様に置き、 3 ドクター集合体(doctoring assembly ド
クター刃と刃と位置定めし且つその位置に保持
する装置とからなる)をガラス板に対しドクタ
ー刃がガラス板の底縁に対し平行に板の底縁の
上方約1/4(6.35mm)の距離になる様保持して、
集合体をその位置にクランプし;刃は刃とガラ
ス板との間に0.010インチ(0.254mm)のギヤツ
プを提供する様セツトされ、 4 樹脂溶液をガラス板、ドクター集合体の壁及
び刃により規定されるキヤビテイ中に注ぎ;樹
脂溶液は刃の全長さに沿つて均一に注がれ;溶
液はドクター刃の背後のキヤビテイ中に留ま
り、 5 追加の急冷溶液を流延ボツクスに加え、浴の
レベルがドクター刃とガラス板間のギヤツプが
急冷浴の表面下約1/4インチ(6.35mm)(6.35
ml)となる点まで上昇される様にし、 6 直ちにガラス板を解放して、それを流延ボツ
クスの底まで傾斜面を滑り下りさせ、 7 ガラス板を流延溶液と共に急冷浴中に2分間
留まる様にし、そしてドクター集合体及び板を
流延ボツクスから除き、 8 形成されたシートを流れる脱イオン水の浴中
に置いて残りの溶媒又は非溶媒がなくなる様洗
浄し、 9 濡れたシートを矩形の8インチ×10インチ
(20.3cm×25.4cm)のフレームにクランプして
空気オーブン中に205〓(96℃)で15分間おい
てシートを乾燥させた。 膜が乾燥したら、次の点につき検査した。 1 走査電子顕微鏡写真(SEM)による一般的
構造 2 KL(気泡又は泡完了点―bubble or foam―
allover point―,ポンド/インチ自乗で示し
たKL対ミクロンで示した孔寸法のグラフであ
る第1図参照)の決定すによる孔寸法(pore
size) 3 清浄空気圧力降下 4 水により湿潤される能力 KL(気泡又は泡完了点)は膜を水で充分に湿潤
させ、湿潤された膜を、膜の一面に対し空気圧を
適用しつつ湿潤した膜を通る空気流を測定する装
置中に置くことにより決定される。KLは適用さ
れる空気圧が段々と増加されていく時、膜を通る
空気流が急激に増加する圧力である。それは水が
膜にある孔から追出され、膜構造を通る空気の自
由な流れを許す圧力である。KLは第1図のグラ
フに示される関係によりナイロン膜の孔寸法に関
係づけられる。 清浄空気圧力降下(△P)は空気1.4ft3/分
(0.66/秒)を0.05ft2(46.45cm2)の乾燥膜面積を
強制通過させる装置で測定される。これらの流通
条件下での膜を横切る圧力降下が圧力ゲージを用
いてポンド/インチ自乗で測定された。 膜が水により湿潤される能力は脱イオン水の滴
を膜の各面に適用することにより調べられた。水
が膜を浸透する能力が観察され、水滴が膜により
完全に吸収されるに要する時間量が記録された。
各実験例に従つて調製された膜の表面に於ける水
滴の形及びその挙動が、膜に対する水滴の適用後
の種々の時間に於いて写真にとられた。 比較実験例1 ナイロン6 ナイロン6(Ultramid B―5,BASF)40g
を上述の一般的方法により100c.c.の蟻酸に溶解し
た。メタノール25c.c.を機械的撹拌を継続しつつ注
意深く一度に加えた。沈澱がメタノールの添加が
開始された後3秒以内にはじまり、沈澱はメタノ
ールの添加が終わつた時までに嵩高になつた(第
12図)。 引き続く撹拌後沈澱は完全に再溶解し、微孔質
のシートが上記一般的方法により50重量%のメタ
ノールと50重量%の水の急冷浴中に流延された。
形成されたシートは弱く、且つ膜の浴面に指で軽
くふれるとそこから粉状の破片(debris)が脱落
し得た。 走査電子顕微鏡写真(SEM)は膜の浴面(第
14図)が連結された樹脂の球体により形成され
たほら穴の多い(cavernous)構造を有すること
を示した。反対側の面は全体に散らばつた穴をも
つ実質上内実のシートである様に思われた(第1
5図)。膜の断面図は下面上に見える薄いスキン
層を示した(第16図)。 膜の孔寸法は約4ミクロンであつた。これは米
国特許第3876738号の実施例1で報告された値で
ある1.00ミクロンと対比される。1.4ft3/分の空
気流(0.66/秒)が0.05ft2(46.45cm2)の面積を
通過する際の清浄空気圧力降下(△P)は4.5イ
ンチ(11.3cm)Hgであつた。 水滴が膜1の浴面上に置かれた。それは容易に
表面を湿潤し、3秒以内に完全に消失させられる
(水滴を表面に置いた後3秒でとつた第23図参
照)。 膜1の反対面に置かれた水滴は表面上に90秒以
上留まり、膜をただ部分的に湿潤させた(水滴が
表面上に置かれた後40秒でとつた第24図及び90
秒でとつた第25図参照)。 比較実験例2 ナイロン6 ナイロン6(Ultramid B―5,BASF)40g
を一般的方法により100c.c.の蟻酸に溶解した。38
c.c.の蟻酸メチルと11c.c.の脱イオン水の混合物が
100c.c.のビーカー中で結合された。ビーカーの内
容物が次で注意深く樹脂溶液に加えられた。樹脂
の沈澱が蟻酸メチル/水混合物の添加後直ちに生
じた。沈澱した樹脂の大きな固まりが混合物の添
加が完了した時フラスコ中に生じた(第13図参
照)。 沈澱は引き続きの撹拌後完全に再溶解した。微
孔質のシートが一般的方法により50重量%のメタ
ノールと50重量%の水からなる急冷浴中に流延さ
れた。得られた膜は弱く、且つ粉状の破片が膜に
柔らかく触れると膜の浴面から剥ぎ取ることがで
きた。 SEM検査はこの膜の浴面は大きな開放ほら穴
からなり、連結された樹脂球体により形成される
構造をもつことを示した(第17図)。反対面は
密で、多くの小孔及び開口を含む(第18図)。
膜の横断面図は下面上に見える薄いスキン層を示
した(第19図)。 膜の孔寸法は約2.5ミクロンであつた。これは
前記米国特許文献の実施例2で報告された膜の孔
寸法である1.00ミクロンと対比される。清浄空気
圧力降下△Pは1.1インチ(3.0cm)Hgであつた。 水滴が膜浴面上に置かれた。滴は膜を3秒以内
で湿潤した(第26図)。水滴がこの膜の反対面
上に置かれた時、それはそこに5秒以上の間留ま
つていた(第27図)。 比較実験例3 ナイロン6 上記比較実験例2に於いて用いた樹脂溶液の未
使用部分が、70重量%の水と30重量%のメタノー
ルからなる急冷浴中で微孔質シートを流延するた
めに用いられた。膜は一般的方法により流延され
た。得られた膜は弱く、柔らかい接触の際、浴面
から粉状破片を脱落した。 SEM検査は膜の浴面が開口しており、ほら穴
が多く、樹脂の連結された球体により形成された
キヤビテイからなつていることを示した(第20
図)。膜の反対面は非常に密であつた(第21
図)。やはり浴面とは反対の側にスキン層のある
表面が明らかに存在した(第22図の下面参照)。 膜の孔寸法は2.2ミクロンであつた。これは前
記米国特許文献で報告された0.22ミクロンと対比
する時、一桁の大きさの差がある。清浄空気ΔP
は0.65インチ(1.7cm)Hgであつた。 水滴が膜の浴面に置かれた。滴は膜を3秒で完
全に湿潤した(第28図参照)。水滴が膜の反対
面上に置かれた時、それは9秒以上留まつた(第
29図参照)。 比較実験例4 ナイロン6 ナイロン6(Ultramid B―5,BASF)40g
を一般的方法により100c.c.の蟻酸中に溶解した。
樹脂が溶解した後14c.c.のグリセロールがフラスコ
の側方口を通して加えられた。樹脂はグリセロー
ルの添加後2,3秒以内に沈澱をはじめた。撹拌
がグリセロールの添加が完了し、樹脂が完全に再
溶解する迄続けられた。溶液が透明になつた時、
膜は一般的方法により、50重量%の水と50重量%
のメタノールからなる急冷浴中に流延された。洗
浄後、膜は乾燥された。 SEM検査は膜が浴面上で開口しており、ほら
穴が多いこと、又反対面では非常に密で、膜の全
面にわたつていくらかの孔が無秩序に散乱してい
ることを示した。 膜の孔寸法は約3ミクロンで清浄空気圧力降下
(ΔP)は約1.3インチ(3.3cm)Hgであつた。 水滴が膜の浴面上に置かれた時、それは膜を直
ちに湿潤した。水滴が膜の反対面上に置かれた
時、それはよりずつと遅く湿潤した。
【図面の簡単な説明】
第1図は流延用樹脂溶液の核形成度と得られた
膜の孔の直径との間の定量的関係を示すグラフ。
第2図は流入側液体中に含まれていたプスドモナ
ス デミヌテイアエ バクテリヤの流出側液体中
のその量に対する比と、このバクテリヤを含んだ
液体を通す均一な孔の過媒体の層の数とによつ
て規定される力価(タイター)減少と均一孔を有
する膜の関係を示すグラフ。第3図は湿らせた膜
を気体で加圧した時に得られる関係を示すグラフ
で、空気流量/空気圧を空気圧に対してプロツト
したもの。第4図はTR1とKLとの間の関係を示す
グラフ。第5図は本発明においてKL5が47psi(3.3
Kg/cm2)で、t=0.09mm(0.0037in)厚さ、予想
TRがプスドモナス デミヌテイアエ菌に対して
3×1018である均一孔の膜の走査電子顕微鏡写
真。第6図はKL5が40psiで、t=5.6ミル(0.14
mm)で、プスドモナス デミヌテイアエ菌に対す
るTRが8×1015である本発明の均一な孔を有する
他の膜の1000倍走査電子顕微鏡写真。第7図は本
発明の傾斜した孔を有する膜の1000倍走査電子顕
微鏡写真。第8図は本発明の範囲外の浴を用いた
時にできる少しスキンの有る典型的膜の1500倍走
査電子顕微鏡写真。第9図は更に厚くスキンので
きた同様な写真。第10図は次の間の関係をグラ
フで示したもの、即ち、(a)KL5(b)毎分の回転数(c)
得られた流延用溶液の蟻酸濃度。第11図は比較
例70で用いた流延ボツクスの斜視図。第12図
は、40gのナイロン6の蟻酸100c.c.中の溶液に対
し25c.c.メタノール添加後の二口丸底フラスコの外
観図。第13図は、40gのナイロン6の蟻酸100
c.c.中の溶液に対し38c.c.蟻酸メチルと11c.c.の水の混
合物添加後の二口丸底フラスコの外観図。第14
図は、米国特許第3876738号の実施例1により製
造された膜の上面の1000倍でとつた走査電子顕微
鏡写真。第15図は、前記米国特許の実施例1に
より製造された膜の下面の1000倍でとつた走査電
子顕微鏡写真。第16図は、前記米国特許の実施
例1により製造された膜の横断面の600倍でとつ
た走査電子顕微鏡写真。第17図は、前記米国特
許の実施例2により製造された上面の1000倍でと
つた走査電子顕微鏡写真。第18図は、前記米国
特許の実施例2により製造された膜の下面の1000
倍でとつた走査電子顕微鏡写真。第19図は、前
記米国特許の実施例2により製造された膜の横断
面の600倍でとつた走査電子顕微鏡写真。第20
図は、前記米国特許の実施例3により製造された
膜の上面の1000倍でとつた走査電子顕微鏡写真。
第21図は、前記米国特許の実施例3により製造
された膜の下面の1000倍でとつた走査電子顕微鏡
写真。第22図は、前記米国特許の実施例3によ
り製造された膜の横断面の800倍でとつた走査電
子顕微鏡写真。第23図は、前記米国特許の実施
例1により製造した膜の上面の、水滴を表面上に
置いて3秒後の様子を示す図。第24図は、前記
米国特許の実施例1により製造した膜の下面の、
水滴の表面上に置いた40秒後の様子を示す図。第
25図は、前記米国特許の実施例1により製造し
た膜の下面の、水滴を表面上に置いた90秒後の様
子を示す図。第26図は、前記米国特許の実施例
2により製造した膜の上面の、水滴を表面上に置
いた3秒後の様子を示す図。第27図は、前記米
国特許の実施例2により製造した膜の下面の、水
滴を表面上に置いた5秒後の様子を示す図。第2
8図は、前記米国特許の実施例3により製造した
膜の上面の、水滴を表面上に置いた3秒後の様子
を示す図。第29図は、前記米国特許の実施例3
により製造した膜の下面の、水滴を表面上に置い
た9秒後の様子を示す図。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリイプシ
    ロンカプロラクタム、ポリヘキサメチレンセバカ
    ミド、ポリ―7―アミノヘプタノアミド、ポリヘ
    キサメチレンアゼレアミドおよびそれらの混合物
    からなる群から選ばれる疎水性ポリアミド樹脂か
    ら作られる、膜シートそれ自身が親水性の、スキ
    ン層のない、アルコール不溶性のポリアミド微孔
    質膜シートであつて、水中に完全に浸漬すると1
    秒以内に湿潤し、実質的に均一な密度を有し、膜
    の軟化点のすぐ下の温度に加熱するともはや水に
    湿潤されない疎水性物質へと復帰する、ポリアミ
    ド微孔質膜シート。 2 形と大きさが実質上均一である、表面から表
    面に延びているスルーポアーを有する、特許請求
    の範囲第1項に記載の微孔質膜シート。 3 膜の一面ではより大であるが、他の面に向つ
    て次第に小さくなる、表面から表面に延びてい
    る、スルーポアーを有する、特許請求の範囲第1
    項に記載の微孔質膜シート。 4 絶対的粒子除去等級が0.10μmないし5μmで
    ある、特許請求の範囲第1項に記載の微孔質膜シ
    ート。
JP23198387A 1978-05-15 1987-09-16 ポリアミド微孔質膜 Granted JPS6388004A (ja)

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