JPS646684Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ロータリモーアの駆動装置に係り、
複数の刈刃体がそれぞれベベルギヤ機構を介して
縦軸回りに駆動されるロータリモーアにおいて、
刈刃体の回転方向を変更自在にしたことを主目的
とする。

モーア本体に複数の刈刃体を縦軸回りに回転自
在に設けたロータリモーアがあり、芝生、雑草等
の刈取り作業に利用されている。

従来のロータリモーアにあつては、複数の刈刃
体の回転方向はそれぞれ定型化されており、すべ
ての刈刃体を正逆転に変更することはできても、
個々の刈刃体を正逆転に変更することができなか
つた。

従つて、刈取られた芝生等の排出方向を全体と
しては左又は右に放出することはできても、例え
ば、ひとつのモーアにおいて、芝生等を左右２列
の如くウインドローすることができなかつた。

そこで本考案は、斯る従来の問題点に鑑み、刈
刃体の回転方向を個別的に変更自在にすることに
より、芝生等の排出方向を左又は右への集中的な
放出とともに、左右への分散的な放出をも可能と
したものであり、従つて、本考案では複数の刈刃
体がそれぞれベベルギヤ機構を介して縦軸回りに
駆動されるロータリモーアにおいて、横軸回りに
回転される第１ベベルギヤと縦軸回りに回転され
る第２ベベルギヤが咬合されて支持体に組立てら
れ、第２ベベルギヤに連動する刈刃体が支持体に
取付けられてベベルギヤ伝動ユニツトが構成さ
れ、前記第１ベベルギヤに対して挿抜固定自在の
伝動軸が伝動ケース内に設けられ、更に、前記ベ
ベルギヤ伝動ユニツトのそれぞれの支持体が伝動
ケースの下面に第１ベベルギヤの向きを左右変更
自在として着脱固定自在に取付けられていること
を特徴とする。

以下、図面を参照して本考案の実施例を詳述す
る。

全体構成を示す第１図において、１はロータリ
モーアであり、２はそのモーア本体であり、該モ
ーア本体２は略中央部に立設された第１伝動ケー
ス３と長方形平板の長手方向に沿つて形成された
偏平箱形の第２伝動ケース４とから構成されてい
る。

第１伝動ケース３には左右一対のブラケツト５
とトツプマスト６がそれぞれ取付けられ、ブラケ
ツト５とトツプマスト６をサポートリンク７で連
結して三点リンク機構８の取付け部を構成してい
る。

而して、ロータリモーア１は三点リンク機構８
を介してトラクタ９の前部又は後部に昇降自在に
連結されている。

第１伝動ケース３は下部に円環座形状の取付け
部分１０が形成された本体１１と、該本体１１の
立面部に嵌合されて図外ボルトで取付けられた蓋
体１２とからなり、第３図で示す如く、蓋体１２
側にスプライン部を有する動力受入軸１３とベベ
ルギヤ１４がそれぞれ軸受１５，１６を介して回
転自在に支持されている。

なお、動力受入軸１３にはトラクタPTO軸か
らジヨイント軸を介して回転力ぎ連動可能であ
り、動力受入軸１３とベベルギヤ１４とはワンウ
エイクラツチ１７を介して軸１３からギヤ１４に
向つてのみ回転力が連動可能である。

本体１１側には前記ベベルギヤ１４に下位より
咬合するベベルピニオンギヤ１８が軸受１９を介
して回転自在に支持されており、該ベベルピニオ
ンギヤ１８には第５図で示すスプライン又はキー
結合を介して動力出力軸２０が取付けられてお
り、ここに、水平横軸回りに回転される動力受入
軸１３と縦軸回りに回転される動力出力軸２０と
がベベルギヤ１４とベベルピニオンギヤ１８から
なる第１伝動ケース３に内蔵された本例では増速
とされたギヤ伝動機構２１で連動されている。

第２伝動ケース４はいずれも板金製とされた下
ケース２２と上ケース２３とを複数のボルト・ナ
ツト２４で締結して第４図に示した偏平箱形構造
であり、該第２伝動ケース４の長手方向中央部に
ベベルギヤ伝動機構２５が内蔵されている。

ベベルギヤ伝動機構２５は下ケース２２の下面
に円環座体２６を溶着し、該円環座体２６の下面
に垂直方向の平行ピン２７と複数のボルト２８を
介して取付けられた支持体２９に装着されてお
り、該支持体２９は左右に孔３０Ａを有する円筒
壁３０が一体に形成されている。

そして、円筒壁３０の開口上端に軸受３１を介
してベベルギヤ３２が回転自在に支持され、該ベ
ベルギヤ３２に咬合するベベルギヤ３３が円筒壁
３０の立面部に形成した孔３０Ａに嵌合の軸受３
４を介して回転自在に支持されている。

ベベルギヤ伝動機構２５は支持体２９にユニツ
トとして取付けられており、そのベベルギヤ３２
に前記動力出力軸２０が連動連結されるものであ
り、従つて、第５図に示す如くベベルギヤ３２に
はスプライン孔構造の嵌合部３５が形成され、該
嵌合部３５に出力軸２０が軸方向挿抜自在に挿支
され、そのさい、出力軸２０の部分２０Ａと嵌合
部３５は所謂締り嵌めによるインロー嵌合とされ
ている。

３６はベベルギヤ伝動ユニツトであり、横軸回
りに回転される第１ベベルギヤ３７と縦軸回りに
回転される第２ベベルギヤ３８とが咬合連動され
て第６図に示す如く軸受３９，４０によつて支持
体４１に組立てられ、第２ベベルギヤ３８に連動
される刈刃体４２が支持体４１に本例ではナツト
４３を介して取付けられている。

なお、刈刃体４２は断面円錐形のデイスク４４
と、スイングカツタ４５の取付けデイスク４６と
からなり、第２ベベルギヤ３８の軸４７にスプラ
イン又はキーを介して套嵌されてナツト４３で取
付けられている。

４８は円環座体であり、第６図で示す如く下ケ
ース２２の下面に溶着されており、該円環座体４
８に支持体４１に形成されたフランジ４９が垂直
方向の平行ピン５０と周方向等配に設けられたボ
ルト５１を介して着脱固定自在に取付けてある。

而して、ボルト５１と平行ピン５０はそれぞれ
周方向に等配に配置されていることにより、第１
ベベルギヤ３７の向きを第６図の鎖線で示す位置
と実線で示す位置との左右に変更自在とされてい
る。

ベベルギヤ伝動機構２５のベベルギヤ３３およ
び各ベベルギヤ伝動ユニツト３６の第１ベベルギ
ヤ３７のそれぞれは軸心を合致したスプライン筒
部５２，５３が形成されており、これらは伝動ケ
ースに挿抜固定自在の第１伝動軸５４、第２伝動
軸５５及び第３伝動軸５６を介して連動連結され
ている。

第１伝動軸５４及び第３伝動軸５６はそれぞれ
の両端部にスプライン筒部５３に挿抜自在なスプ
ライン部５４Ａ，５６Ａが形成され、第２伝動軸
５５の両端部にはスプライン筒部５３に挿抜自在
なスプライン部５５Ａが形成され、さらに、中間
部にスプライン筒部５２に挿抜自在なスプライン
部５５Ｂが形成されている。

さらに、第２伝動軸５５は第３図で示す如く軸
接手５７で連結されている。

そして、第２伝動ケース４の下面にベベルギヤ
伝動ユニツト３６の支持体４１に形成されたフラ
ンジ４９を平行ピン５０とボルト５１により垂直
方向の平行度を確保して取付けられ、第１伝動軸
５４から順次各伝動軸を横方向から挿入して平行
度を出した下で組付けるのである。

なお、第３図に示す如く軸両端部には栓体５８
Ａとコイルバネ５８を備え、軸方向のガタを吸収
している。

第２伝動ケース４の上ケース２３には、ベベル
ギヤ伝動機構２５の取付け部分５９が円環座体と
して溶着されており、該取付け部分５９と第１伝
動ケース３の取付け部分１０が互いに重ね合され
て垂直方向の平行ピン６０で位置決めされて周方
向間隔おいて設けられたボルト６１により着脱固
定自在とされている。

又、上ケース２３には本例では４個の第ベベル
ギヤ３７を左右向きがえしてもこれとの干渉をさ
けるために膨出部６２が形成され、ここに、板金
製の補強を図つている。

その他、第７図において、６３は覆側板であ
り、刈取部の四周を取囲んでおり、本例では短冊
板を蝶番６４で枢支してなる。その他、図におい
て、６５は左右一対の操向車輪、６６はリミツト
ゲージ輪、６７はフード、６８はスカート、６９
は軸受止め用ナツト、７０は油のドレンプラグを
示している。

次に、組付け要領を説明してからその作動を説
明する。

下ケース２２にベベルギヤ伝動機構２５とベベ
ルギヤ伝動ユニツト３６の複数をそれぞれ下面か
ら取付け、ここに、本例では刈刃体４２の４個を
並設させる。

次いで、第１伝動軸５４、第２伝動軸５５およ
び第３伝動軸５６を順次横方向からそれぞれのベ
ベルギヤ３３，３７のスプライン筒部５２，５３
に挿支し、ここに組付け時の横方向（水平方向）
の平行度を各伝動軸５４，５５，５６で確保す
る。

次いで、取付け部分５９と膨出部６２を有する
上ケース２３を下ケース２２に被せ両ケース２
２，２３の周りを複数のボルト２４で締結し、こ
こに、ベベルギヤ伝動機構２５を介して駆動され
る刈刃体４２を有する第２伝動ケース４がユニツ
トで組立てられる。

一方、動力受入軸１３と動力出力軸２０を備
え、両軸１３，２０を連動するベベルギヤ伝動機
構２１がユニツトとして内蔵された第１伝動ケー
ス３を組立てておき、この第１伝動ケース３の取
付け部分１０を第２伝動ケース４の取付け部分５
９に重ね合せて平行ピン６０で垂直方向の平行度
を確保し、かつ、位置決めをしてからボルト６１
で締結する。

而して、本例ではトラクタ９の後部に三点リン
ク機構８を介してロータリモーア１が装着され、
トラクタPTO軸と動力受入軸１３とを図外ジヨ
イント軸で連動連結せしめ、トラクタ９を後向き
運転で走行することにより、刈刃体４２のスイン
グカツタ４５により、芝生、雑草等を刈取ること
ができる。

そして、トラクタを前後進させても、第７図に
示す如く覆側板６３は揺動するので抵抗となるこ
とが少ない。

第１図に示す４個の刈刃体４２のすべてが例え
ば右回り回転であるとすると、刈取られた芝生等
はすべて右方向へ放出されることになる。

そこで、本実施例において、ロータリモーア１
の左右に２列状に刈取り物をウインドローしたい
ときには、第１図に示す４個の刈刃体４２のうち
図上から２番目の刈刃体４２と図最下番目の刈刃
体４２の回転方向をそれぞれ左回り回転にする。

これは、第６図で代表して示す如くベベルギヤ
伝動ユニツト３６の第１ベベルギヤ３７の向きを
実線から鎖線で示す如く方向転換することによつ
てそれぞれ左回り回転にすることができる。な
お、すべてのベベルギヤ伝動ユニツト３６の方向
転換で、刈取り物をすべて左側に集めることがで
きる。

本考案は複数の刈刃体がそれぞれベベルギヤ機
構を介して縦軸回りに駆動されるロータリモーア
において、横軸回りに回転される第１ベベルギヤ
３７と縦軸回りに回転される第２ベベルギヤ３８
とが咬合されて支持体４１に組立てられ、第２ベ
ベルギヤ３８に連動する刈刃体４２が支持体４１
に取付けられてベベルギヤ伝動ユニツト３６が構
成され、前記第１ベベルギヤ３７に対して挿抜固
定自在の伝動軸５４，５５，５６が伝動ケース４
内に設けられ、更に、前記ベベルギヤ伝動ユニツ
ト３６のそれぞれの支持体４１が伝動ケース４の
下面に第１ベベルギヤ３７の向きを左右変更自在
として着脱固定自在に取付けられていることを特
徴とするので次の利点がある。

刈刃体４２はベベルギヤ３７，３８とともに支
持体４１に組立てられてベベルギヤ伝動ユニツト
３６とされているので、該ユニツト３６を伝動ケ
ース４の下面に着脱するに、ユニツト全体として
取扱うことができるから、ベベルギヤ３７，３８
の咬合連動を着脱の都度狂わすことなく、正確な
連動を確保できる。

又、ベベルギヤ伝動ユニツト３６は伝動ケース
４の下面に第１ベベルギヤ３７の向きを変更自在
として組付けでき、該ベベルギヤ３７に伝動軸３
５，５４，５５を挿抜自在としたことから、刈刃
体４２の回転方向を全部又は個別に変更でき、こ
こに、刈取り物の放出方向に任意性があり、作業
又は後処理を加味した刈取り作業ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はロータ
リモーアの全体側面図、第２図は同モーアの一部
省略正面図、第３図は動力伝達機構の一部展開断
面図、第４図は第３図Ａ−Ａ矢示断面図、第５図
は第３図Ｂ矢示部の詳細断面図、第６図は第３図
Ｃ矢示部の詳細断面図、第７図はモーアの概略側
面図である。 ３……第１伝動ケース、４……第２伝動ケー
ス、１０，５８……取付け部分、１３……動力受
入軸、２０……動力出力軸、２１……ベベルギヤ
伝動機構、３６……ベベルギヤ伝動ユニツト、４
２……刈刃体、５４，５５，５６……伝動軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の刈刃体がそれぞれベベルギヤ機構を介し
   て縦軸回りに駆動されるロータリモーアにおい
   て、横軸回りに回転される第１ベベルギヤ３７と
   縦軸回りに回転される第２ベベルギヤ３８とが咬
   合されて支持体４１に組立てられ、第２ベベルギ
   ヤ３８に連動する刈刃体４２が支持体４１に取付
   けられてベベルギヤ伝動ユニツト３６が構成さ
   れ、前記第１ベベルギヤ３７に対して挿抜固定自
   在の伝動軸５４，５５，５６が伝動ケース４内に
   設けられ、更に、前記ベベルギヤ伝動ユニツト３
   ６のそれぞれの支持体４１が伝動ケース４の下面
   に第１ベベルギヤ３７の向きを左右変更自在とし
   て着脱固定自在に取付けられていることを特徴と
   するロータリモーアの駆動装置。