JPS64644Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、携帯電灯と組合わせて夜間の交通
整理などに用いる信号灯用フードに関する。

周知のように夜間の交通整理などでは、係員は
赤い棒状の発光部を有する信号灯を手で持ち、人
や車の誘導を行なつている。このとき使用される
一般的な信号灯は、赤く着色された透光性プラス
チツク製の信号灯用フードを携帯電灯の発光部に
取付けたものである。この信号灯フードは、赤い
発光部の面積を大きくして良く目立つようにする
ために、相当な長さの筒状に形成されており、携
帯電灯の発光部に着脱自在に取付けられる。

この種のフードを携帯電灯に取付けた状態で
は、勿論信号灯として有効ではあるが、書類など
をチエツクするための手元を照らす照明灯として
は全く不適当である。フードの広い表面から拡散
された光は微弱になるし、しかも波長の長い赤い
色の光では細かな文字などは非常に読みにくい。
夜間の交通整理においても、係員は車の免許証な
どをチエツクしなければならないが、フードをつ
けた信号灯では不適当であるため、いちいち携帯
電灯からフードを取り外したり、あるいは別に手
元照明用の携帯電灯を用意しておいたりしてい
る。

また一部では、上記フードの先端部に着色され
ていない窓部を形成しておき、免許証のチエツク
などにはこの窓部からの赤く着色されていない光
を手元照明光として利用する構造も提案されてい
る。しかしこの場合、細長い携帯電灯の先端にさ
らに細長い信号灯用フードがつき、その先端から
の光で書類などを照明するので、非常に取り扱い
にくいし、また手元照明用として利用できる光量
も非常に少かつた。

このような問題に対処するために、例えば、実
開昭55−149201号公報に見られるように、伸縮自
在なフードを携帯電灯に嵌着した合図灯が提案さ
れている。

しかしながら、上記公報のフードでは、径の異
なる筒体を相互に嵌合した伸縮構造を採用してい
るので、伸縮操作が容易で、且つ、伸した時と収
縮した時の双方でそれぞれ安定した状態となる嵌
合構造を得ることが難しく、また、筒体の抜け落
ちを防止するためにストツパを必要とするので、
部品点数が多くなり、構造も複雑になるという欠
点があつた。

この考案は前述した従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、信号灯としての充分
な機能を果たすとともに、携帯電灯に取付けたま
まの状態で書類などを読むための手元照明灯とし
て有効に利用することができしかも、このような
状態が安定して確保できる信号灯用フードを提供
することにある。

上記の目的を達成するために、この考案の信号
灯用フードは透孔性の着色プラスチツクからなる
伸縮自在な蛇腹状筒体を主体とし、この筒体の基
端部には携帯電灯の発光部に着脱される取付部
と、前記筒体の先端部には開口窓部あるいは無色
透明なプラスチツク製の窓部とをそれぞれ備え、
且つ、前記筒体は両端の口径が異なる可撓性を有
する椀状曲面の複数の環状片と、これらの環状片
を交互に逆向きに連結させる折れ線とからなるこ
とを特徴とする。

上記の構成の信号灯用フードでは、１つおきの
環状片の内外面が反転するようにして引き伸ばし
た状態では、蛇腹状の筒体となつて充分な長さを
有する信号灯用フードとして安定して機能し、ま
た、１つおきの環状片の内外面が反転するように
して基端側の環状片の内側に折り畳んだ状態で
は、上記窓部から着色されない充分な光量の光を
照明光として安定した状態で利用でき、非常に取
り扱いやすい手元照明源となる。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。第１図および第２図はこの考案に係
る信号灯用フード１０を一般的な携帯電灯２０と
組合わせた状態を示しており、第１図は信号灯と
して使用する状態であり、第２図は手元照明灯と
して使用する状態である。

この考案による信号灯用フード１０は、赤く着
色された透光性プラスチツクからなる伸縮自在な
蛇腹状筒体１１を主体とする。蛇腹状筒体１１
は、両端の口径が異なるおわん状曲面からなる多
数の環状片を大径折れ線１２と小径折れ線１３を
介して交互に逆向きに連続させた形状となつてい
る。これら各環状片は充分な可撓性を有してお
り、１つおきの環状片の内外面が反転するように
して引き伸ばせば、全体を蛇腹状に伸縮させるこ
とができる。

蛇腹状筒体１１の基端部には筒状の取付部１４
が一体に設けられており、この取付部１４は携帯
電灯２０の円筒状発光部２１の前面からこれの外
周に着脱自在に嵌合する。また蛇腹状筒体１１の
先端部は塞がれてはおらず、開口窓部１５となつ
ており、ここから携帯電灯２０の光が着色されず
に出射する。

上記のように構成されたフード１０を携帯電灯
２０の発光部２１に発光光軸と同心状に装着し、
信号灯として使用するときには、第１図のように
蛇腹状筒体１１を引き伸ばす。するとフードの全
長が充分に長くなり、その周囲の面積も大きくな
る。この長く広がつた蛇腹状筒体１１の表面か
ら、携帯電灯２０の光が赤く着色されて周囲に放
射される。従つて赤く発光する充分な大きさの信
号灯として有効に機能する。

また文字などを見るための手元照明源として利
用するときにも、フード１０を携帯電灯２０から
取り外す必要はなく、蛇腹状筒体１１を先端から
軽く押すと、１つおきの環状片の内外面が反転し
て、第２図のように短く折り畳んだ状態とする。
この状態では、蛇腹状筒体１１の先端の開口窓部
１５が携帯電灯２０の発光部２１に大きく近付
き、ここから携帯電灯２０の光の多くが直接出射
する。従つて赤く着色されていない充分な光量を
手元照明用として取り出すことができ、かつ全体
の長さが非常に短くなつているので、手元照明灯
としての取り扱いは容易である。

なお、上記開口窓部１５の部分が無色透明なプ
ラスチツク製の板あるいは膜で塞がれていても、
上記と同様な作用効果を奏する。またこの場合、
フード内にゴミや泥水などが侵入するのを防止す
るという効果もある。

以上詳細に説明したように、この考案の信号灯
用フードによれば、携帯電灯に取付けたままの状
態で、極めて簡単な操作で信号灯としても手元照
明灯としても充分有効に使用することができ、伸
びた時と収縮した時のいずれの状態も安定したも
のとなり、非常に使い勝手のよいものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による信号灯用フ
ードを携帯電灯に取付けて信号灯として使用する
状態の一部切欠正面図、第２図は同じく主元照明
灯として使用する状態の正面図である。 １０……信号灯用フード、１１……蛇腹状筒
体、１２……大径折れ線、１３……小径折れ線、
１４……取付部、１５……開口窓部、２０……携
帯電灯、２１……発光部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透孔性の着色プラスチツクからなる伸縮自在な
   蛇腹状筒体を主体とし、この筒体の基端部には携
   帯電灯の発光部に着脱される取付部と、前記筒体
   の先端部には開口窓部あるいは無色透明なプラス
   チツク製の窓部とをそれぞれ備え、且つ、前記筒
   体は両端の口径が異なる可撓性を有する椀状曲面
   の複数の環状片と、これらの環状片を交互に逆向
   きに連結させる折れ線とからなることを特徴とす
   る信号灯用フード。