JPS646400Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動二輪車における走行用水冷内燃
機関の冷却用ラジエタ装置に関する。

従来、前記ラジエタ装置において、ラジエタ本
体を２つのラジエタユニツトに分割し、それらを
車体フレームの左右の分離配置したものは知られ
ているが、このようなものでは、左右２つのラジ
エタユニツトの冷却水路相互を連絡する導水管
を、車体フレームや他の車体部品と干渉しないよ
う、また他物と衝突して破損しないよう取回す必
要があるため、該導水管やラジエタユニツトの配
置の自由度が大幅に制限されるという問題があ
る。

本考案は上記に鑑み提案されたもので、上記問
題を解決しつつ、左右のラジエタユニツトの冷却
水路相互を直状、最短の導水管をもつて連結でき
るようにした、構造簡単な自動二輪車におけるラ
ジエタ装置を提供することを目的とするものであ
る。

そしてこの目的を達成するために本発明は、ヘ
ツドパイプと、そのヘツドパイプ上部より後方へ
延びるメインパイプと、同ヘツドパイプ下部より
後方下向きに延びるダウンチユーブと、前記ヘツ
ドパイプ、メインパイプ及びダウンチユーブの三
者相互間を一体的に結合するスチフナとを少なく
とも有する車体フレームに、走行用水冷内燃機関
の冷却用ラジエタ本体を支持した、自動二輪車に
おいて、前記ラジエタ本体を、前記スチフナを中
間に挟む左右一対のラジエタユニツトと、その両
ラジエタユニツトの冷却水路相互を直列に接続す
る導水管とより構成し、前記左右のラジエタユニ
ツトが、前記スチフナの左右両側に緩衝部材を介
してそれぞれ支持され、前記導水管が、前記スチ
フナに穿設した横孔を遊隙を存して左右方向に直
状に貫通することを特徴とする。

以下、図面により本考案の一実施例について説
明する。

車体フレームＦは、ヘツドパイプ１と、そのヘ
ツドパイプ１の上部より後方へ延びるメインパイ
プ２と、同ヘツドパイプ１の下部より後方下向き
に延びるダウンチユーブ３とを有しており、それ
らヘツドパイプ１と、メインパイプ２及びダウン
チユーブ３は、その左右両側面が左右スチフナ
４，４によつて一体に溶接結合されて補強されて
いる。

車体フレームＦに懸架される図示しない走行用
水冷式内燃機関の冷却用ラジエタ本体５は、分割
された一対のラジエタユニツト５ａ，５ｂにより
構成され、これらのラジエタユニツト５ａ，５ｂ
は、車体フレームＦのスチフナ４を間に挟んで左
右に対称的に配設され、それらは車体フレームＦ
の、前記スチフナ４，４およびダウンチユーブ３
の両側に緩衝部材６，６…を介して懸吊支持され
る。

一方のラジエタユニツト５ａの下部タンクには
給水管７が接続され、この給水管７は内燃機関の
水ジヤケツトの出口に連通され、また他方のラジ
エタユニツト５ｂの下部タンクには排水管８が接
続され、この排水管８はウオータポンプの吸込側
に連通される。

前記スチフナ４，４の中央部には横孔９，９が
穿設され、これらの横孔９，９に両端を開放した
クロスパイプ１０が横架連結される。クロスパイ
プ１０内には導水管１１が遊隙を存して直状に挿
通され、この導水管１１の両端は、前記左右一対
のラジエタユニツト５ａ，５ｂの上部タンクに連
通される。

メインパイプ２上には、ブラケツト１２を介し
て注水カツプ１３が支持され、この注水カツプ１
３は注水パイプ１４を介して一方のラジエタユニ
ツト５ｂの上部タンクに連通される。

内燃機関を冷却して加熱された冷却水は、給水
管７を通つて一方のラジエタユニツト５ａ内に流
入し、該ラジエタユニツト５ａのコアを通つて１
次冷却された後、直状の導水管１１を通つて他方
のラジエタユニツト５ｂ内に流入し、該ラジエタ
ユニツト５ｂのコアを通つて二次冷却されて排水
管８よりウオータポンプに吸込まれる。

以上のように本考案によれば、ヘツドパイプ
と、そのヘツドパイプ上部より後方へ延びるメイ
ンパイプと、同ヘツドパイプ下部より後方下向き
に延びるダウンチユーブと、前記ヘツドパイプ、
メインパイプ及びダウンチユーブの三者相互間を
一体的に結合するスチフナとを少なくとも有する
車体フレームに、走行用水冷内燃機関の冷却用ラ
ジエタ本体を支持した、自動二輪車において、前
記ラジエタ本体を、前記スチフナを中間に挟む左
右一対のラジエタユニツトと、その両ラジエタユ
ニツトの冷却水路相互を直列に接続する導水管と
より構成し、前記左右のラジエタユニツトが、前
記スチフナの左右両側に緩衝部材を介してそれぞ
れ支持され、前記導水管が、前記スチフナに穿設
した横孔を遊隙を存して左右方向に直状に貫通す
るので、左右のラジエタユニツトの冷却水路相互
を直列に接続する導水管が、上下及び前後に比較
的広幅で広面積のスチフナを左右方向に貫通する
こととなり、従つて上記両冷却水路相互を最短で
接続すべく該導水管を直状に配置するも、それ
と、車体フレームや他の車体部品との干渉が容易
に回避され、該導水管及び各ラジエタユニツトの
配置の自由度を増大させることができ、しかも上
記導水管をメインパイプ、ヘツドパイプ及びダウ
ンチユーブによつて効果的に保護することができ
る。また各ラジエタユニツトを緩衝部材を介して
スチフナに支持させたことにより、各ラジエタユ
ニツトには車体フレームからの振動が伝わりにく
くなり、各ラジエタユニツトの耐久性向上に寄与
することができ、その上、スチフナがラジエタユ
ニツトに対する支持ステーを兼ねることになつ
て、それだけ構造が簡素化される。さらに各ラジ
エタユニツトを支持するスチフナ自体に、各ラジ
エタユニツト間を接続する導水管を貫通させたこ
とにより、その貫通部と、スチフナの各ラジエタ
ユニツト支持部との相対的な位置ずれを少なくす
ることができ、また各ラジエタユニツトがスチフ
ナに対し相対振動しても、該ユニツトに追従振動
する導水管は、それとスチフナの横孔間の遊隙の
範囲で自由に動き得るから、導水管の破損を未然
に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の側面図、第２図はその
−線矢視図である。 Ｆ……車体フレーム、１……ヘツドパイプ、２
……メインパイプ、３……ダウンチユーブ、４…
…スチフナ、５……ラジエタ本体、５ａ，５ｂ…
…ラジエタユニツト、９……横孔、１１……導水
管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘツドパイプ１と、そのヘツドパイプ１上部よ
   り後方へ延びるメインパイプ２と、同ヘツドパイ
   プ１下部より後方下向きに延びるダウンチユーブ
   ３と、前記ヘツドパイプ１、メインパイプ２及び
   ダウンチユーブ３の三者相互間を一体的に結合す
   るスチフナ４とを少なくとも有する車体フレーム
   Ｆに、走行用水冷内燃機関の冷却用ラジエタ本体
   ５を支持した、自動二輪車において、前記ラジエ
   タ本体５を、前記スチフナ４を中間に挟む左右一
   対のラジエタユニツト５ａ，５ｂと、その両ラジ
   エタユニツト５ａ，５ｂの冷却水路相互を直列に
   接続する導水管１１とより構成し、前記左右のラ
   ジエタユニツト５ａ，５ｂが、前記スチフナ４の
   左右両側に緩衝部材６を介してそれぞれ支持さ
   れ、前記導水管１１が、前記スチフナ４に穿設し
   た横孔９を遊隙を存して左右方向に直状に貫通す
   ることを特徴とする、自動二輪車におけるラジエ
   タ装置。