JPS646265B2 - - Google Patents
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- JPS646265B2 JPS646265B2 JP16558586A JP16558586A JPS646265B2 JP S646265 B2 JPS646265 B2 JP S646265B2 JP 16558586 A JP16558586 A JP 16558586A JP 16558586 A JP16558586 A JP 16558586A JP S646265 B2 JPS646265 B2 JP S646265B2
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- Arc Welding In General (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Description
本発明は、優れた耐食性を有する銅合金の製造
方法であり、復水器、給水加熱器、蒸留器、冷却
器、造水装置などの熱交換器用の材料として、特
に自動車等に用いられるラジエーターのタンク
(容器)、チユーブ(管)、フイン等の材料として
最適な銅合金の製造方法に関するものである。 黄銅は、一般に機械的性質、加工性、熱伝導性
が良好であり、また価格の点でも比較的安価なた
め、広範囲で好んで使用されている。熱交換器特
に、自動車用ラジエーターにも多く使用されては
いるが、特定の腐食環境では黄銅は脱亜鉛腐食を
起こし、使用上致命的な欠陥の一つとされてい
る。 自動車用ラジエーターは、エンジンの温度上昇
を抑えるためのものであり、エンジンとラジエー
ターの間に液体の冷却媒体を循環させて、エンジ
ンで温度上昇した液体をラジエーターで放熱さ
せ、エンジンの冷却を行なつている。従つてラジ
エーターは常に冷却媒体と接触しており、この冷
却媒体により内面から腐食が発生する問題があ
る。また、自動車の走行中には、排気ガス、工業
地帯付近でのSO2ガス、海岸地帯での塩分などに
より外面からも腐食される。 従来ラジエーターに使用されている材料として
は、銅65wt%、亜鉛35wt%からなる黄銅が用い
られているが、公害などで腐食環境が悪化してい
るため、従来の黄銅を用いたラジエーターの寿命
が次第に短かくなつてきている。 さらにまた近年特に、ラジエーターチユーブ
(管)には、従来のカシメによるロツクシームチ
ユーブにかわつて高周波抵抗溶接または高周波誘
導溶接による溶接チユーブが採用されるようにな
つてきた。これは溶接チユーブがロツクシームチ
ユーブに比べてコスト及び生産効率の面で有利な
ためであるが、溶接チユーブは、その溶接組織の
特異性からその溶接部は他の部分と比較して耐食
性が大幅に劣化するという欠点を持つており、使
用上の大きな制約となる。さらに、高周波誘導溶
接または高周波抵抗溶接を用いて溶接チユーブを
製造する際、その溶接方法の特徴として、溶接割
れを発生し易いという製造上の欠点も合わせても
つている。 このような状況から熱交換器特にラジエーター
のタンク(容器)、チユーブ(管)、フイン等に耐
食性の向上が要求されると同時に、溶接部位にお
いては、耐食性と同時に溶接割れ感受性の低い材
料の開発が望まれている。 本発明は、かかる点に鑑み従来の黄銅を改良
し、熱交換器用特にラジエーター用材料として優
れた耐食性を有する銅合金の製造方法を提供する
ものである。 本発明は、亜鉛25〜40wt%、りん0.005〜
0.070wt%、錫0.05〜1.0wt%、アルミニウム0.05
〜1.0wt%、けい素0.005〜1.0wt%を含み、残部
銅及び不可避的な不純物からなる合金を最終焼鈍
後さらに3〜20%の加工度で冷間圧延を施すこと
を特徴とする耐食性に優れた銅合金の製造方法並
びに亜鉛25〜40wt%、りん0.005〜0.070wt%、錫
0.05〜1.0wt%、アルミニウム0.05〜1.0wt%、け
い素0.005〜1.0wt%を含み、残部銅及び不可避的
な不純物からなる合金を最終焼鈍で結晶粒度が
0.015mm以下となるように調整した後、さらに3
〜20%の加工度で冷間圧延を施すことを特徴とす
る耐食性に優れた銅合金の製造方法に関する。 次に本発明を構成する合金成分及び内容の限定
理由を説明する。銅と亜鉛は、本発明を構成する
合金の基本材料となるもので、機械的性質、加工
性、熱伝導性に優れている。亜鉛含有量を25〜
40wt%とする理由は、亜鉛含有量が25wt%未満
では加工性が悪くなること及び40wt%を越える
と銅―亜鉛合金におけるβ相の析出が顕著にみら
れ、耐食性及び冷間加工性が悪くなるためであ
る。 りん含有量を0.005〜0.070wt%とする理由は、
りん含有量が0.005wt%未満では耐食性の改善が
みられず、逆にりんの含有量が0.070wt%を越え
ると耐食性は改善されるが、粒界腐食の微候がみ
られるためである。錫含有量を0.05〜1.0wt%と
する理由は、錫含有量が0.05wt%未満では、耐食
性特に溶接した場合、溶接部の耐食性の改善が認
められず、また1.0wt%を越えるとその効果が飽
和するためである。アルミニウム含有量を0.05〜
1.0wt%とする理由は、アルミニウム含有量が
0.05wt%未満では、耐食性特に溶接した場合、溶
接部の耐食性の改善が認められず、また1.0wt%
を越えるとその効果が飽和するためである。けい
素の含有量を0.005〜1.0wt%とする理由は、けい
素含有量が0.005wt%未満では、耐食性特に溶接
した場合、溶接部の耐食性の改善が認められず、
また1.0wt%を越えるとその効果が飽和すると共
に、逆に内面からの腐食に対する耐食性が劣化す
るためである。 このようにりんを添加することにより素材に耐
食性を付加し、錫、アルミニウム、けい素を添加
することにより素材及び溶接した場合、溶接部の
耐食性を向上させるものである。 さらに結晶粒度を0.015mm以下に限定した理由
について以下に述べる。高周波誘導溶接あるいは
高周波抵抗溶接によつて起こる溶接割れの原因に
ついて調査した結果、本発明者らは溶融した母材
金属と接触していると粒界が脆化して軽い衝撃を
受けた場合に溶接割れが発生することを知見し
た。そこでこのような現象について調査を行なつ
た結果、結晶粒度の影響が大きく、結晶粒度を小
さくすることにより、このような現象を大幅に抑
制することができることを知見した。さらに本発
明者らは耐食性に及ぼす結晶粒度の影響について
も調査した結果、耐食性特に耐脱亜鉛腐食性は、
結晶粒度の影響を受け、結晶粒度を小さくするこ
とにより耐食性を向上させることができることを
知見した。 結晶粒度を0.015mm以下に限定した理由は、結
晶粒度が0.015mmを越えると溶接割れが発生し易
くなり、また耐食性の劣化が認められるためであ
る。 そして本発明において最終焼鈍した後3〜20%
の加工度で冷間圧延を施こす理由は、冷間圧延を
施こすことにより、はんだ付け性を向上させるた
めであるが、加工度が3%未満では、はんだ付け
性の向上が認められず、また、20%を越えると機
械的強度が高くなり成形性特にラジエーターチユ
ーブ加工時の成形性が劣化するためである。 このように本発明の製造方法によつて得られる
合金は、良好な耐食性及び耐溶接割れ性を示すと
共に、はんだ付け性も良好な合金であるため熱交
換器用、特にラジエーター用銅合金として適した
材料である。 次に実施例について説明する。 実施例 第1表に示す諸組成の合金を溶製し、700℃で
熱間圧延を行ない厚さ8mmの板とし、これを冷間
圧延で厚さ3mmとした。これに500℃×1hrの焼鈍
を行なつた後、最終冷間圧延で厚さ1mmの板とし
た。 これをさらに350℃〜600℃×1hrの各種温度で
熱処理し、第2表に示す結晶粒度に調整した。耐
食性試験に供する溶接部材は第2表に示された結
晶粒度をもつ1mm厚さの諸組成の合金を突き合せ
TIG溶接することにより作製した。耐食性試験は
1の蒸留水に 炭酸水素ナトリウム 1.3g/ 硫酸ナトリウム 1.5g/ 塩化ナトリウム 1.6g/ を各々溶かした液を液温88℃に保持し、毎分100
mlの空気を吹き込み、この液の中に500時間浸漬
した。その時発生した最大脱亜鉛腐食深さを溶接
部及び母材部について測定し、これをもつて耐食
性を評価した。その結果を第3表に示した。 溶融した母材金属と接触した場合に粒界が脆化
して溶接割れが発生することに対する耐性につい
ての試験は第2表に示される結晶粒度をもつ諸組
成の合金を第1図に示されるようにパイプ状に加
工し、これを同一組成の融点+50℃に保持された
溶融金属に3秒間浸漬し、その後取り出して保持
炉中で付着している金属が溶融している状態で第
2図のように衝撃を加えた。その時変形したパイ
プ断面を顕微鏡によつて観察し、粒界破壊の有無
を確認し、これをもつて溶接割れに対する耐性を
評価した。その結果を第4表に示した。 さらに第2表に示された結晶粒度をもつ1mm厚
さの合金を第5表に示す加工度で冷間圧延を加え
た後、はんだ付け性試験に供した。はんだ付け性
試験は直径80mm、深さ60mmの円筒形ルツボに
Sn20wt%―Pb80wt%からなるはんだを320℃に
加熱して溶湯をつくり、その中に降下速度25mm/s
ecでサンプル(表面を清浄にした幅10mm、長さ50
mmの形状)を浸漬した時はんだ浴からサンプルが
受ける浮力とはんだ浴に引き込まれる力とが平衡
に達するまでの時間を測定し、これをもつてはん
だ付け性を評価した。その結果を第6表に示し
た。 第3表、第4表、第6表からわかるように本発
明によつて得られる合金は脱亜鉛腐食に対して素
材及び溶接した場合、溶接部において優れた耐食
性を示すとともに耐溶接割れ性及びはんだ付け性
も良好であることが判明した。 すなわち比較例(試料番号1〜10)では最大脱
亜鉛腐食深さが母材で168μ〜489μ、溶接部で
261μ〜782μに達するのに対し本発明合金(試料
番号11〜23)は母材で最低値26μ〜最高値103μ、
溶接部で最低値58μ〜最高値197μで耐脱亜鉛腐食
性に優れていることがわかる。そして本発明を構
成する合金の中でも結晶粒度が0.015mm以下の合
金はより耐脱亜鉛腐食性に優れている。 また本発明を構成する合金は上記のように耐脱
亜鉛腐食性に優れているが、さらに結晶粒度が
0.015mm以下であるもの(試料番号12、14、16、
18、20)は第2図に示される溶接割れ性の試験に
おいて単に延性変形するのみで割れの発生がなく
耐溶接割れ性が改善される。逆に結晶粒度が
0.015mmを越えるものについては粒界破壊を起こ
すので好ましくない。 そして本発明の加工度3〜20%の冷間圧延を施
したもの(試料番号11〜19)は同冷間圧延を施し
ていないもの(試料番号20〜23)のはんだ付け性
の評価(はんだ浴からサンプルが受ける浮力とは
んだ浴に引き込まれる力とが平衡に達するまでの
時間)において2.13秒〜2.35秒と比較的長時間か
かるのに比べてより短時間に平衡に達しはんだ付
け性に優れていることがわかる。 以上本発明の製造方法によつて得られる合金は
熱交換器用、特にラジエーター用として極めて優
れた特性を有するものである。
方法であり、復水器、給水加熱器、蒸留器、冷却
器、造水装置などの熱交換器用の材料として、特
に自動車等に用いられるラジエーターのタンク
(容器)、チユーブ(管)、フイン等の材料として
最適な銅合金の製造方法に関するものである。 黄銅は、一般に機械的性質、加工性、熱伝導性
が良好であり、また価格の点でも比較的安価なた
め、広範囲で好んで使用されている。熱交換器特
に、自動車用ラジエーターにも多く使用されては
いるが、特定の腐食環境では黄銅は脱亜鉛腐食を
起こし、使用上致命的な欠陥の一つとされてい
る。 自動車用ラジエーターは、エンジンの温度上昇
を抑えるためのものであり、エンジンとラジエー
ターの間に液体の冷却媒体を循環させて、エンジ
ンで温度上昇した液体をラジエーターで放熱さ
せ、エンジンの冷却を行なつている。従つてラジ
エーターは常に冷却媒体と接触しており、この冷
却媒体により内面から腐食が発生する問題があ
る。また、自動車の走行中には、排気ガス、工業
地帯付近でのSO2ガス、海岸地帯での塩分などに
より外面からも腐食される。 従来ラジエーターに使用されている材料として
は、銅65wt%、亜鉛35wt%からなる黄銅が用い
られているが、公害などで腐食環境が悪化してい
るため、従来の黄銅を用いたラジエーターの寿命
が次第に短かくなつてきている。 さらにまた近年特に、ラジエーターチユーブ
(管)には、従来のカシメによるロツクシームチ
ユーブにかわつて高周波抵抗溶接または高周波誘
導溶接による溶接チユーブが採用されるようにな
つてきた。これは溶接チユーブがロツクシームチ
ユーブに比べてコスト及び生産効率の面で有利な
ためであるが、溶接チユーブは、その溶接組織の
特異性からその溶接部は他の部分と比較して耐食
性が大幅に劣化するという欠点を持つており、使
用上の大きな制約となる。さらに、高周波誘導溶
接または高周波抵抗溶接を用いて溶接チユーブを
製造する際、その溶接方法の特徴として、溶接割
れを発生し易いという製造上の欠点も合わせても
つている。 このような状況から熱交換器特にラジエーター
のタンク(容器)、チユーブ(管)、フイン等に耐
食性の向上が要求されると同時に、溶接部位にお
いては、耐食性と同時に溶接割れ感受性の低い材
料の開発が望まれている。 本発明は、かかる点に鑑み従来の黄銅を改良
し、熱交換器用特にラジエーター用材料として優
れた耐食性を有する銅合金の製造方法を提供する
ものである。 本発明は、亜鉛25〜40wt%、りん0.005〜
0.070wt%、錫0.05〜1.0wt%、アルミニウム0.05
〜1.0wt%、けい素0.005〜1.0wt%を含み、残部
銅及び不可避的な不純物からなる合金を最終焼鈍
後さらに3〜20%の加工度で冷間圧延を施すこと
を特徴とする耐食性に優れた銅合金の製造方法並
びに亜鉛25〜40wt%、りん0.005〜0.070wt%、錫
0.05〜1.0wt%、アルミニウム0.05〜1.0wt%、け
い素0.005〜1.0wt%を含み、残部銅及び不可避的
な不純物からなる合金を最終焼鈍で結晶粒度が
0.015mm以下となるように調整した後、さらに3
〜20%の加工度で冷間圧延を施すことを特徴とす
る耐食性に優れた銅合金の製造方法に関する。 次に本発明を構成する合金成分及び内容の限定
理由を説明する。銅と亜鉛は、本発明を構成する
合金の基本材料となるもので、機械的性質、加工
性、熱伝導性に優れている。亜鉛含有量を25〜
40wt%とする理由は、亜鉛含有量が25wt%未満
では加工性が悪くなること及び40wt%を越える
と銅―亜鉛合金におけるβ相の析出が顕著にみら
れ、耐食性及び冷間加工性が悪くなるためであ
る。 りん含有量を0.005〜0.070wt%とする理由は、
りん含有量が0.005wt%未満では耐食性の改善が
みられず、逆にりんの含有量が0.070wt%を越え
ると耐食性は改善されるが、粒界腐食の微候がみ
られるためである。錫含有量を0.05〜1.0wt%と
する理由は、錫含有量が0.05wt%未満では、耐食
性特に溶接した場合、溶接部の耐食性の改善が認
められず、また1.0wt%を越えるとその効果が飽
和するためである。アルミニウム含有量を0.05〜
1.0wt%とする理由は、アルミニウム含有量が
0.05wt%未満では、耐食性特に溶接した場合、溶
接部の耐食性の改善が認められず、また1.0wt%
を越えるとその効果が飽和するためである。けい
素の含有量を0.005〜1.0wt%とする理由は、けい
素含有量が0.005wt%未満では、耐食性特に溶接
した場合、溶接部の耐食性の改善が認められず、
また1.0wt%を越えるとその効果が飽和すると共
に、逆に内面からの腐食に対する耐食性が劣化す
るためである。 このようにりんを添加することにより素材に耐
食性を付加し、錫、アルミニウム、けい素を添加
することにより素材及び溶接した場合、溶接部の
耐食性を向上させるものである。 さらに結晶粒度を0.015mm以下に限定した理由
について以下に述べる。高周波誘導溶接あるいは
高周波抵抗溶接によつて起こる溶接割れの原因に
ついて調査した結果、本発明者らは溶融した母材
金属と接触していると粒界が脆化して軽い衝撃を
受けた場合に溶接割れが発生することを知見し
た。そこでこのような現象について調査を行なつ
た結果、結晶粒度の影響が大きく、結晶粒度を小
さくすることにより、このような現象を大幅に抑
制することができることを知見した。さらに本発
明者らは耐食性に及ぼす結晶粒度の影響について
も調査した結果、耐食性特に耐脱亜鉛腐食性は、
結晶粒度の影響を受け、結晶粒度を小さくするこ
とにより耐食性を向上させることができることを
知見した。 結晶粒度を0.015mm以下に限定した理由は、結
晶粒度が0.015mmを越えると溶接割れが発生し易
くなり、また耐食性の劣化が認められるためであ
る。 そして本発明において最終焼鈍した後3〜20%
の加工度で冷間圧延を施こす理由は、冷間圧延を
施こすことにより、はんだ付け性を向上させるた
めであるが、加工度が3%未満では、はんだ付け
性の向上が認められず、また、20%を越えると機
械的強度が高くなり成形性特にラジエーターチユ
ーブ加工時の成形性が劣化するためである。 このように本発明の製造方法によつて得られる
合金は、良好な耐食性及び耐溶接割れ性を示すと
共に、はんだ付け性も良好な合金であるため熱交
換器用、特にラジエーター用銅合金として適した
材料である。 次に実施例について説明する。 実施例 第1表に示す諸組成の合金を溶製し、700℃で
熱間圧延を行ない厚さ8mmの板とし、これを冷間
圧延で厚さ3mmとした。これに500℃×1hrの焼鈍
を行なつた後、最終冷間圧延で厚さ1mmの板とし
た。 これをさらに350℃〜600℃×1hrの各種温度で
熱処理し、第2表に示す結晶粒度に調整した。耐
食性試験に供する溶接部材は第2表に示された結
晶粒度をもつ1mm厚さの諸組成の合金を突き合せ
TIG溶接することにより作製した。耐食性試験は
1の蒸留水に 炭酸水素ナトリウム 1.3g/ 硫酸ナトリウム 1.5g/ 塩化ナトリウム 1.6g/ を各々溶かした液を液温88℃に保持し、毎分100
mlの空気を吹き込み、この液の中に500時間浸漬
した。その時発生した最大脱亜鉛腐食深さを溶接
部及び母材部について測定し、これをもつて耐食
性を評価した。その結果を第3表に示した。 溶融した母材金属と接触した場合に粒界が脆化
して溶接割れが発生することに対する耐性につい
ての試験は第2表に示される結晶粒度をもつ諸組
成の合金を第1図に示されるようにパイプ状に加
工し、これを同一組成の融点+50℃に保持された
溶融金属に3秒間浸漬し、その後取り出して保持
炉中で付着している金属が溶融している状態で第
2図のように衝撃を加えた。その時変形したパイ
プ断面を顕微鏡によつて観察し、粒界破壊の有無
を確認し、これをもつて溶接割れに対する耐性を
評価した。その結果を第4表に示した。 さらに第2表に示された結晶粒度をもつ1mm厚
さの合金を第5表に示す加工度で冷間圧延を加え
た後、はんだ付け性試験に供した。はんだ付け性
試験は直径80mm、深さ60mmの円筒形ルツボに
Sn20wt%―Pb80wt%からなるはんだを320℃に
加熱して溶湯をつくり、その中に降下速度25mm/s
ecでサンプル(表面を清浄にした幅10mm、長さ50
mmの形状)を浸漬した時はんだ浴からサンプルが
受ける浮力とはんだ浴に引き込まれる力とが平衡
に達するまでの時間を測定し、これをもつてはん
だ付け性を評価した。その結果を第6表に示し
た。 第3表、第4表、第6表からわかるように本発
明によつて得られる合金は脱亜鉛腐食に対して素
材及び溶接した場合、溶接部において優れた耐食
性を示すとともに耐溶接割れ性及びはんだ付け性
も良好であることが判明した。 すなわち比較例(試料番号1〜10)では最大脱
亜鉛腐食深さが母材で168μ〜489μ、溶接部で
261μ〜782μに達するのに対し本発明合金(試料
番号11〜23)は母材で最低値26μ〜最高値103μ、
溶接部で最低値58μ〜最高値197μで耐脱亜鉛腐食
性に優れていることがわかる。そして本発明を構
成する合金の中でも結晶粒度が0.015mm以下の合
金はより耐脱亜鉛腐食性に優れている。 また本発明を構成する合金は上記のように耐脱
亜鉛腐食性に優れているが、さらに結晶粒度が
0.015mm以下であるもの(試料番号12、14、16、
18、20)は第2図に示される溶接割れ性の試験に
おいて単に延性変形するのみで割れの発生がなく
耐溶接割れ性が改善される。逆に結晶粒度が
0.015mmを越えるものについては粒界破壊を起こ
すので好ましくない。 そして本発明の加工度3〜20%の冷間圧延を施
したもの(試料番号11〜19)は同冷間圧延を施し
ていないもの(試料番号20〜23)のはんだ付け性
の評価(はんだ浴からサンプルが受ける浮力とは
んだ浴に引き込まれる力とが平衡に達するまでの
時間)において2.13秒〜2.35秒と比較的長時間か
かるのに比べてより短時間に平衡に達しはんだ付
け性に優れていることがわかる。 以上本発明の製造方法によつて得られる合金は
熱交換器用、特にラジエーター用として極めて優
れた特性を有するものである。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
第1図は耐溶接割れ性の試験に用いる厚さ1mm
の合金パイプの断面図、第2図は耐溶接割れ性の
試験装置の概略説明図である。 1:厚さ1mmの合金パイプ(長さ10mm)、2:
自由落下体(重量200gw)、3:支持台、4:加
熱保持炉、a:パイプ内径(φ20mm)、b:パイ
プ外径(φ22mm)、c:落下体2の落下距離(50
mm)。
の合金パイプの断面図、第2図は耐溶接割れ性の
試験装置の概略説明図である。 1:厚さ1mmの合金パイプ(長さ10mm)、2:
自由落下体(重量200gw)、3:支持台、4:加
熱保持炉、a:パイプ内径(φ20mm)、b:パイ
プ外径(φ22mm)、c:落下体2の落下距離(50
mm)。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 亜鉛25〜40wt%、りん0.005〜0.070wt%、錫
0.05〜1.0wt%、アルミニウム0.05〜1.0wt%、け
い素0.005〜1.0wt%を含み、残部銅及び不可避的
な不純物からなる合金を最終焼鈍後さらに3〜20
%の加工度で冷間圧延を施すことを特徴とする耐
食性に優れた銅合金の製造方法。 2 亜鉛25〜40wt%、りん0.005〜0.070wt%、錫
0.05〜1.0wt%、アルミニウム0.05〜1.0wt%、け
い素0.005〜1.0wt%を含み、残部銅及び不可避的
な不純物からなる合金を最終焼鈍で結晶粒度が
0.015mm以下となるように調整した後、さらに3
〜20%の加工度で冷間圧延を施すことを特徴とす
る耐食性に優れた銅合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16558586A JPS6230861A (ja) | 1986-07-16 | 1986-07-16 | 耐食性に優れた銅合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16558586A JPS6230861A (ja) | 1986-07-16 | 1986-07-16 | 耐食性に優れた銅合金の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2378283A Division JPS59150044A (ja) | 1983-02-17 | 1983-02-17 | 耐食性に優れた銅合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6230861A JPS6230861A (ja) | 1987-02-09 |
JPS646265B2 true JPS646265B2 (ja) | 1989-02-02 |
Family
ID=15815150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16558586A Granted JPS6230861A (ja) | 1986-07-16 | 1986-07-16 | 耐食性に優れた銅合金の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6230861A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0397095U (ja) * | 1990-01-19 | 1991-10-04 | ||
KR20210092565A (ko) * | 2020-01-16 | 2021-07-26 | 주식회사 엘지화학 | 광학 렌즈 및 이를 포함하는 웨어러블 디바이스 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103958708B (zh) * | 2012-02-01 | 2016-11-16 | Toto株式会社 | 耐腐蚀性优异的黄铜 |
KR101969010B1 (ko) | 2018-12-19 | 2019-04-15 | 주식회사 풍산 | 납과 비스무트가 첨가되지 않은 쾌삭성 무연 구리합금 |
-
1986
- 1986-07-16 JP JP16558586A patent/JPS6230861A/ja active Granted
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0397095U (ja) * | 1990-01-19 | 1991-10-04 | ||
KR20210092565A (ko) * | 2020-01-16 | 2021-07-26 | 주식회사 엘지화학 | 광학 렌즈 및 이를 포함하는 웨어러블 디바이스 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6230861A (ja) | 1987-02-09 |
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