JPS646134Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野として本考案は、バスや車両
等用のリクライニング回動転換座席に関するもの
である。

従来の技術においては、座席が回動されている
途中の状態においてもそれに関係なく、背当を自
由にリクライニングさせ得るものである。

このような従来の技術においては、座席を回動
中において背当をリクライニングさせて、背当を
周囲の壁などにぶつけてそれらを損傷させたり、
背当をいためたり、あたりの人に触れて迷惑をか
けたりする問題点があつた。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところは、座席を回動している途中においては背
当をリクライニングすることのできない回動中リ
クライニング不能座席を提供しようとするもので
ある。

上記目的を達成するために、本考案における回
動中リクライニング不能座席は、フリーロツクに
よつてリクライニングさせられると共に回動部の
回動によつて方向転換させられる回動転換座席に
おいて回動の途中の範囲内でのフリーロツクのリ
クライニング最小の姿勢からの変動を停止させる
ための停止用レバーを座枠に枢着し、停止用レバ
ーの先端を停止カムの順凹欠または逆凹欠に落込
ませるためのバネを停止用レバーに附設し、一方
座枠の一部にシリンダー部の変動を抑止するため
の停止装置を装着し、停止装置をシリンダ部に係
合させるためのバネを停止装置に附設し、更に停
止用レバーと停止装置とを停止用索によつて連結
して成るものである。

以下本考案の実施例の図面により、本考案の構
成を説明する。

図面における記号とその部分の名称との対応の
主なるものについてまず説明すると、１はフリー
ロツク、２は回動部、３は停止装置である。フリ
ーロツク１は旧来広く一般的にリクライニング座
席のリクライニング調節用、その他用の独立部品
として市販され流通しているものである。作動原
理は油圧式、空圧式、バネ式、その他と雑多であ
るがほとんどのものは後部に位するシリンダ部４
とその前部から挿入されたピストンロツド部５と
から成立つている。シリンダ部４の後部は、上部
に背当６を支持し中部が座枠７の後部に背枢着点
８により枢着された背枠９の下端に後枢着点１０
によつて枢着されている。

ピストンロツド部５の前部は座枠７に前枢着点
１１により枢着されている。

フリーロツク１は従来のものと同様にピストン
ロツド部５に触針１４を有する。触針１４は常に
は突出状態にあつてピストンロツド部５はシリン
ダ部４に対して固定状態、すなわちフリーロツク
１はロツク状態にあるが、触針１４を押込状態に
するとピストンロツド部５はシリンダ部４に対し
てスライドし得る状態、すなわちフリーロツク１
はフリー状態になる。リクライニング索１２を操
作部１３によつて引き、ピストンロツド部５の触
針１４を押して、常にはロツクされているフリー
ロツク１をフリーにすることができる。

フリーロツク１により背当６のリクライニング
を調節する手段は公知のものを利用することがで
きる。

回動部２は固定台１５の上に回動自在に設けら
れている。回動部２の上には座当１６を支える座
枠７が設けられる。

固定台１５、回動部２、座当１６、背当６、フ
リーロツク１等により、リクライニングさせられ
ると共に回動により方向転換させられるリクライ
ニング回動転換座席を形成するものであるが、こ
の部分は公知のものを利用することができる。

固定台１５上に固定された停止用カム１７には
互いに対称の位置に二つの順凹欠１８と逆凹欠１
９とが穿たれている。順凹欠１８と逆凹欠１９と
の間の停止用カム１７の周縁は凸縁３５になつて
いる。順凹欠１８または逆凹欠１９から凸縁３５
に移る境界はなだらかになめらかに傾斜させられ
た傾斜縁になつている。ピン２０により座枠７に
枢着されバネ２１により付勢されて順凹欠１８に
先端が落込んでいる停止用レバー２２に停止用索
２３が連結されている。

ピン２４により座枠７に枢着されバネ２５の付
勢によりシリンダ部４の前端に掛かり得る停止装
置３を備える。停止装置３はピン２４まわりに回
動し得るものでありその先端はシリンダ部４の前
方近傍に臨んでいる。この先端が第１図のように
シリンダ部４の前進をさまたげないような位置に
あるとシリンダ部４は前進が可能で、リクライニ
ング可能状態である。停止装置３が回動してその
先端がシリンダ部４の前端面の方に移りシリンダ
部４の前進をその先端がさまたげる状態になると
シリンダ部４は前進不能で、リクライニング不能
状状態である。停止用レバー２２が順凹欠１８ま
たは逆凹欠１９に落込んでいるときに停止装置３
がシリンダ部４の前端面から外れていて、すなわ
ちリクライニング可能状態にあるように停止用索
２３の寸法を定める。

固定台１５上に固定された回動角調節カム２６
には適当数の調節凹欠２７が穿たれている。

ピン２８により座枠７に枢着されバネ２９によ
つて調節凹欠２７に常には先端が落込んでいる調
節レバー３０を操作部１３に連結されている調節
索３１に連結し、操作部１３を操作することによ
り調節索３１を引いて調節レバー３０を調節凹欠
２７から外し得る如くする。

索３４の一端は肘掛３２の操作ボタン３３に連
結され、他端は操作片（記号は省略されている）
に連結されている。索３４はフレキシブルシヤフ
トとして市販流通している部品であつて一端の運
動が他端に伝達される。操作ボタン３３で索３４
の一端を前方に動かすと他端は後方に動き、従つ
て操作片も後方に動き触針１４を押すのでロツク
されていたフリーロツク１をフリーにすることが
できる。なお操作ボタン３３により触針１４を操
作してフリーロツク１をフリーにしたりロツクし
たりすることをリクライニングに適用するこの構
成は旧来一般に採用されている周知の手段であ
る。

本考案はこのような構成を有するので、その作
用、効果は次のようである。

圖は順方向に座席が方向転換されている場合が
示されている。この状態では停止装置３がシリン
ダ部４の前端から外れているのでシリンダ部４の
前方への変動は自由であり、背当６のリクライニ
ングは可能であるが座席が順方向に位しているの
で差支えない。この状態では調節レバー３０の先
端が調節凹欠２７に落込んで掛つているし、また
停止用レバー２２の先端が順凹欠１８に落込んで
掛つているので座席を回動することができない。

操作部１３を操作するとフリーストツプ１がフ
リーになつてリクライニングが最小になる。また
調節レバー３０と調節凹欠２７との係合が外れる
ので座枠７に外力を加えて回動部２を他動的に回
動できる状態になる。回動部２を回動しはじめる
と停止用レバー２２は傾斜縁に押し上げられて凸
縁３５に移り、回動部２の回動をさまたげない。
停止用レバー２２を順凹欠１８または逆凹欠１９
から外れ易くするには停止用レバー２２に大きな
丸みを持たせ、順凹欠１８、逆凹欠１９を浅めに
しておいてもよい。回動部２を他動的に逆方向に
まで回動して操作部１３を放すと調節レバー３０
は他の調節凹欠２７に落ち込んで係合し、回動部
２は回動に対して固定されて安定する。この順方
向と逆方向との間の回動の途中においては停止用
レバー２２は停止用カム１７の凸縁３５に乗上げ
停止用索２３を緩めるので停止装置３はバネ２５
に引かれて回動してその先端がシリンダ部４の前
端面の方に移りシリンダ部４の前進をその先端が
さまたげる状態になるので、回動の途中において
はリクライニング最小の状態に止まつたままに置
かれ、リクライニングされて支障を起すことがな
い。

順方向と逆方向との間においても調節レバー３
０の先端を調節凹欠２７に落とし込んでその位置
で座席を使用するようにできるが、そのときにお
いてもリクライニングすることはできない。

停止装置３の構成は、一実施例を示したに過ぎ
ない。

本実施例においては便宜上二人掛座席の場合に
ついて述べているが、二人掛座席に限るものでは
ない。

このようにし本発明によればリクライニング回
動転換座席における従来の欠点を除去し、順方向
と逆方向との間の回動の途中においてはリクライ
ニングが不能なる座席が得られるものであり、産
業上価値大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は上面図で座当が除かれている。第２図
は前面図、第３図は側面図で何れも一部が切欠か
れている。第４図は操作部近傍の断面図である。 図において、１……フリーロツク、２……回動
部、３……停止装置である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ部４に挿入されたピストンロツド部５
   が滑動自在のフリー状態と滑動不能のロツク状態
   とにされ得るフリーロツク１によつてリクライニ
   ングさせられると共に回動部２の回動によつて方
   向転換させられる回動転換座席において、回動の
   途中の範囲内でのフリーロツク１のリクライニン
   グ最小の姿勢からの変動を停止させる停止装置３
   を備えて成る回動中リクライニング不能座席。