JPS645826B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は金属光択フイルムに関する。

プラスチツクフイルムの片面に水不溶性の印刷
模様を設けたのちその上から水溶性塗料によつて
所望の図柄を設け、さらにその上から全面に金属
蒸着層を設けその後これを水洗して水溶性塗料を
溶解除去すると同時に水溶性塗料上の金属蒸着層
をも除去することは既に知られている。しかしこ
れによつて得られるフイルムは、水不溶性の印刷
模様と金属蒸着層が接している部分においては印
刷模様が鮮明に現出し得ないという欠点がある。

本発明は上記の欠点を除去したもので、水不溶
性の印刷模様を設けたのち水溶性塗料により所望
の図柄を設ける前に、印刷模様の上から全面に透
明樹脂層を設けることにより、水不溶性の印刷模
様と金属蒸着層とが接する部分をなくし、印刷模
様本来の鮮明な色彩を現出させた金属光択フイル
ムに係るものである。

すなわち本発明は、透明な合成樹脂フイルムの
片面に水不溶性の印刷模様を設けたのちその上か
ら全面に透明樹脂層を設け、該透明樹脂層上に水
溶性塗料により所望の図柄を設け、さらに該図柄
の上から全面に金属蒸着層を設け、その後これを
水洗して所望の図柄の水溶性塗料を溶解除去する
と同時に水溶性塗料上の金属蒸着層をも除去し、
水溶性塗料が存在しない部分の金属蒸着層を残存
させることにより得たことを特徴とする金属光沢
フイルムである。

本発明においてはまず透明な合成樹脂フイルム
の片面に水溶性の印刷模様が設けられる。この印
刷模様はビヒクルが水不溶性樹脂からなる印刷イ
ンクを用いて通常の印刷手段によつて設けられ
る。

次に印刷模様上から全面に透明樹脂層が少くと
も一層設けられる。使用する樹脂には、例えばポ
リアマイド系、ポリエステル系、ポリウレタン
系、その他通常の樹脂が挙げられる。

次いで透明樹脂層上に所望の図柄を水溶性塗料
により設ける。

本発明に用いる水溶性塗料としては、カゼイ
ン、ニカワ、ゼラチン、ポリビニルアルコール、
ポリアクリルアミド、メチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテ
ル−無水マレイン酸共重合体、アクリル酸エステ
ル、メタアクリル酸エステルなどを主成分とする
水溶性ないし親水性の塗料があげられ、これらの
水溶性塗料をシルクスクリーン、ロール捺染、グ
ラビア印刷など適当な手段により所望の図柄に設
ける。水溶性塗料の厚さとしては、通常0.5〜3μ
の範囲、なかんづく１〜2μの範囲が適当であり、
水洗することによりきわめて容易かつ完全に該水
溶性塗料が溶解除去されこれに伴い同時に水溶性
塗料上の金属蒸着層が剥離して除去されうる。も
しかかる水溶性塗料の厚さを3μ以上とするとき
は、その上の金属蒸着層の除去は可能であるが、
水溶性塗料の溶解除去が充分できない傾向があ
り、また、ブロツキングや蒸着時にガスを発生す
るなどの問題がある。また0.5μ以下とするとき
は、水溶性塗料が薄すぎて充分に層を形成しない
部分が生じ、その結果水溶性塗料上の金属蒸着層
が完全に除去されず、本発明の目的のために好ま
しくない。

また本発明に用いる合成樹脂フイルム（ベース
フイルム）としては、セロハン、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、
ポリカーボネートなどの通常のフイルムがあげら
れ、その厚さが通常6μ〜３mm程度のものが用い
られる。

しかして水溶性塗料が設けられたフイルムは、
乾燥されたのち該水溶性塗料の上から全面に金属
を真空蒸着して金属蒸着層が設けられるが、金属
の蒸着は常法にしたがつて行なえばよく、たとえ
ば真空度10^-4〜10^-6トール程度、蒸発源温度1400
〜2000℃程度の真空下の条件が採用される。また
この金属蒸着層の厚さとしては20〜200mμ程度の
範囲から選ばれ、これによりきわめて美麗な金属
光沢を有する模様や図柄がえられる。なお、蒸着
金属の種類としては、金、銀、アルミニウム、
銅、ニツケル、スズ、クロム、亜鉛などが用いら
れる。

ついで前記のごとくしてえられた金属蒸着フイ
ルムは水洗され、金属蒸着層を浸透した水分によ
つて所望の図柄の水溶性塗料が溶解除去され、こ
の時水溶性塗料上の金属蒸着層がきわめて容易か
つ完全に剥離して除去される。そして水溶性塗料
が存在しない部分の金属蒸着層は残存する。

かくしてえられた金属光沢の模様や図柄を有す
るフイルムはそのまま、あるいは前記金属蒸着層
を介して前記合成樹脂フイルムをはじめ軟質ポリ
塩化ビニル樹脂フイルムが尿素樹脂、アクリル樹
脂エマルジヨンなどの水性系接着剤あるいはポリ
ウレタン系接着剤、不飽和ポリエステル系接着剤
などの溶剤型接着剤を用いてラミネートされて、
もしくは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポ
リエチレン、ポリアミド、ポリエステル、アクリ
ル樹脂、ニトロセルロースなどでオーバーコーテ
イングされて各種のワツペン、キルテイング、文
房具、ラベル、書籍その他のカバー、ハンドバツ
グ、財布などをはじめ、食品の包装紙などに有利
に用いられる。

本発明は従来と異なり、透明な合成樹脂フイル
ムの片面に水不溶性の印刷模様を設けた後水溶性
塗料により所望の図柄を設ける前に、印刷模様上
から全面に透明樹脂層を設けたから、水不溶性の
印刷模様と金属蒸着層とが接することがなく、こ
のため印刷模様の色彩が金属蒸着層の影響をうけ
ることなく印刷模様本来の色彩が鮮明に現出する
ものである。従来のものは例えば金属蒸着層がア
ルミニウムからなるものであるときはこれと接し
ている印刷模様の色彩は灰色を背景とした色彩と
なるのであるが本発明ではこのようなことはなく
印刷模様本来の色彩が鮮明に現出するものであ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 透明な合成樹脂フイルムの片面に水不溶性の
   印刷模様を設けたのちその上から全面に透明樹脂
   層を設け、該透明樹脂層上に水溶性塗料により所
   望の図柄を設け、さらに該図柄の上から全面に金
   属蒸着層を設け、その後これを水洗して所望の図
   柄の水溶性塗料を溶解除去すると同時に水溶性塗
   料上の金属蒸着層をも除去し、水溶性塗料が存在
   しない部分の金属蒸着層を残存させることにより
   得たことを特徴とする金属光沢フイルム。