JPS645594Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はフインガーガードを備えたミシンに関
する。

［従来の技術］ 従来、この種の装置として、実開昭58−29071
号公報には、ミシンの押え棒にワンタツチで着脱
可能なフインガーガードが開示されている。

そして、この従来装置は、押え棒に弾性力によ
り着脱可能に取付ける案内溝を有する取付台と、
その取付台に固着し垂下するガード板軸と、その
ガード板軸に一端を回動自在に嵌入させ、ばねに
よつて一方向に付勢させたガード板とから構成さ
れており、ガード板軸を軸心としてガード板を針
をカバーする作用位置と針から離れた不作用位置
との間で左右方向に回動可能とし、針への糸通し
を容易にしている。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記従来装置は、ガード板を所定の回動位置で
係止するためにばねを使用しているので、部品点
数が多くなり装置の組立が面倒であること、ガー
ド板が押え棒と同方向に伸びるガード板軸を中心
に左右方向に回動されるので、ガード板を不作用
位置に配置して縫製を行うと作業者の手による布
案内がガード板により妨げられてしまうこと、取
付台が押え棒に取付けられるため、縫製中にガイ
ド板が押え足の上下動に伴つて常に振動するた
め、針落点が見づらいこと等の問題点があつた。

［考案の目的］ 本考案は従来の問題点を解消するためになされ
たものであり、その目的は構成が簡単であり、フ
インガーガードを不作用位置に配置しても縫製の
邪魔にならず、縫製中にフインガーガードが振動
することのないフインガーガードを備えたミシン
を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本考案は、ミシンア
ーム若しくは面板の下端部に布送り方向に沿つて
形成された開口と、針を囲うために先端部が略コ
字状に形成された線材からなるフインガーガード
と、そのフインガーガードの基端部を前記開口内
においてベツドの上面と略直交する取付面に一水
平軸線の周りに回動可能に取付けるためのねじ
と、前記開口内に設けられ、前記フインガーガー
ドの先端部が前記針に近接する作用位置に回動さ
れた時、フインガーガードの基端部の近傍に当接
しその回動を規制する当接面と、前記フインガー
ガードの基端部の近傍に湾曲形成され、前記取付
面と弾性的に係合する突出部とから構成されてい
る。

［作用］ 本考案のフインガーガードは、基端部がアーム
の開口内の取付面にねじ止めされており、そのね
じを中心として一水平軸線の周りに回動可能であ
る。この回動により先端部が針よりも布送り込み
側近傍の作用位置と、その作用位置から上方へ離
脱して針を布送り込み側に開放する不作用位置と
の間を移動し、突出部が取付路面に係合して先端
部の位置を保持する。

［実施例］ 以下に本考案を２本針本縫針送りミシンに具体
化した一実施例を示す図面を参照してその詳細を
説明する。

ミシンのアーム１には２本の針２が固定された
針棒３と、その針棒３を抱持して布送り方向Ｆに
沿つて揺動される針棒抱き４が取付けられてお
り、これらは糸輪捕捉器（図示せず）とともに公
知の縫目形成機構及び針送り機構を構成してい
る。

一方、アーム１には押え足５が押え棒６を介し
て取付けられており、押え足５は常にはばね（図
示せず）によりベツド７に向けて付勢されてい
る。

面板８は前記アーム１の先端部にねじ止めされ
ており、その下端部には、開口９が布送り方向Ｆ
に沿つて伸びるように形成されており、その開口
９の布送り出し側の側面は当接面９１として後述
するフインガーガード１０の作用位置を決定す
る。

フインガーガード１０は第１，２図に示される
ように、１本の弾性線材により折曲形成されてお
り、その基端部１１が前記開口９内において、前
記ベツド７の上面と直交する取付け面２０に座金
１５及びばね座金１６を介してねじ１７により一
水平軸線の周りに回動可能に固定されている。フ
インガーガード１０が下方へ回動され、前記開口
９の当接面９１に当接した時、前記２本の針２を
囲うように略コ字状に形成された先端部１２が針
２よりも布送り込み側近傍の作用位置に配置され
ると共に、第１図において２点鎖線で示されるよ
うに、フインガーガード１０が上方へ回動され、
前記開口９の布送り込み側面に当接した時、前記
先端部１２が針２を布送り込み側に開放する不作
用位置に配置される。

また、フインガーガード１０の先端部１２と基
端部１１との間の前記開口９内に位置する部分に
は、前記取付面２０に対して突出する突出部１３
が湾曲形成されており、この突出部１３は前記ね
じ１７による締付によりその取付面２０と弾性的
に係合し、フインガーガード１０の任意の回動位
置を保持する。

尚、本考案は前述の実施例にのみ限定されるも
のではなく、フインガーガードをアームに形成し
た開口内に取付けることも可能であり、本考案の
趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可
能である。

［考案の効果］ 以上詳述したように、本考案は、フインガーガ
ードを線材により形成し、それ自身の弾性により
所定の位置で係止するようにしたので、構成が簡
単になる。また、フインガーガードの基端部をミ
シンアーム若しくは面板の下端部に設けられた開
口内に一水平軸線の周りに回動可能に取付けたた
め、フインガーガードの不作用位置は作用位置よ
りも上方へ回動された位置になり、フインガーガ
ードを不作用位置に配置して縫製を行う時に布案
内の妨げにならないと共に、フインガーガードを
作用位置に配置して縫製を行う時に押え足の上下
動に伴つて振動することがないため針落点が見易
くなる。更に、フインガーガードの作用位置は開
口内に設けられた当接面により位置決めされるた
め、フインガーガードと針とが接触して縫製の障
害となることがない等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であるミシンの要部
を示す正面図、第２図は第１図において布送り方
向から見た側面図である。 図中、１はアーム、２は針、７はベツド、８は
面板、９は開口、１０はフインガーガード、１１
は基端部、１２は先端部、１３は突出部、１７は
ねじ、２０は取付面、９１は当接面、Ｆは布送り
方向である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ミシンアーム１若しくは面板８の下端部に布送
   り方向Ｆに沿つて形成された開口９と、 針２を囲うために先端部１２が略コ字状に形成
   された線材から成るフインガーガード１０と、 そのフインガーガード１０の基端部１１を前記
   開口９内においてベツド７上面と略直交する取付
   面２０に一水平軸線の周りに回動可能に取付ける
   ためのねじ１７と、 前記開口９内に設けられ、前記フインガーガー
   ド１０の先端部１２が前記針２に近接する作用位
   置に回動された時、フインガーガード１０の基端
   部１１の近傍に当接しその回動を規制する当接面
   ９１と、 前記フインガーガード１０の基端部１１の近傍
   に湾曲形成され、前記取付面２０と弾性的に係合
   する突出部１３と を備えたことを特徴とするフインガーガードを備
   えたミシン。