JPS644933Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は雨水等の地下浸透を促進させるため
に、地中に設置する竪型地下浸透桝の改良に関す
るものである。

「従来の技術」 地表がコンクリートやアスフアルトなどの不浸
透性のもので覆われることの多い都市などにおい
ては、雨水が地中に浸透しにくくなつてきてお
り、そのため下水道や河川に集中する水量が増大
し、洪水の危険度が増える一方、地下水量が減少
し、地盤沈下や樹木の枯渇化という都市水害が大
きな問題となつてきている。その対策の１つとし
て、粗骨材セメントよりなる透水コンクリートに
より竪長形状に形成され、長手方向に沿つて貫通
した流水孔を有する透水コンクリートブロツクを
順次接続して、マンホール内の水を上記透水コン
クリートブロツクを通して地中に拡散させるよう
にした雨水等の竪型地下浸透桝が採用され、雨水
等の地下への浸透を促進させている。ところが上
記従来の雨水等の竪型地下浸透桝においては、マ
ンホール内の水が直接浸透コンクリートブロツク
の流水孔に導かれると、水に混入している砂や枯
れ葉、ゴミ等が流水孔の内壁面に付着して浸透能
力が、劣化したり目詰まりを起こす恐れがある。
そこで、透水コンクリートブロツクのマンホール
内に開口する流水孔の開口端に、目詰まり防止用
の透水シートをかぶせているが、水に混入してい
た砂や枯れ葉、ゴミ等がマンホールの底部の透水
シート上に沈澱して透水シートの透過性が著しく
阻害されるため、頻繁にマンホール内の沈澱物を
除去して透水シートを洗浄したり取り替える必要
があり、透水シートの損傷がはげしく、維持管理
が面倒で多額の経費を要する等、多くの欠点があ
つた。

「考案が解決しようとする問題点」 本考案は上記従来の欠点に鑑み提案されたもの
で、流水孔の浸透能力の劣化や目詰まりを防止す
ることができ、マンホール内の沈澱物によつて透
過性が阻害されることなく、安定した透過性を維
持することができ、維持管理が用意で経費をあま
り必要としない雨水等の竪型地下浸透桝を提供せ
んとするものである。

「問題点を解決するための手段」 本考案は上記問題点を解決するために、従来の
雨水等の竪型地下浸透桝において、透水コンクリ
ートブロツクのマンホール内に開口する流水孔の
開口端の上部に、案内孔を有する中央部が山形に
盛り上がり、周辺部に沈澱溝を有する案内蓋を設
けると共に、その案内孔に、内部が網状体で形成
され、外周を透水シートで被覆したキヤツプを着
脱自在に被着して、雨水等の竪型浸透桝を構成し
たことを特徴とするものである。

「実施例」 以下、本考案の実施例について図面を参照し
て、説明する。

図において１は地中２に埋設して設置された集
水桝で、その上部には雨水等が地下へ浸透するの
を促すために、砂利層５が設けられている。６は
上下に分割して構成されたマンホールで、上部に
は蓋７が設けられ、集水溝１内の水は連通管８を
介してマンホール６内に導かれるようになつてお
り、その解放されたした端には複数個の透水コン
クリートブロツク９，９が竪方向に接続されてい
る。透水コンクリートブロツク９は粗骨材とセメ
ントよりなり、断面が円形の竪長形状に形成され
ており、その内部には所定の間隔をおいて複数の
流水孔１０が竪方向に平行に貫通されている。な
お、各透水コンクリートブロツク９は、その流水
孔１０が互いに連通するように接続され、また、
順次接続された最下部の透水コンクリートブロツ
ク９の下端は、雨水等が地中に設けた砂利層５に
載設されている。

また、最上端の透水コンクリートブロツク９の
マンホール６内に開口する流水孔１０の開口端の
上部には案内蓋１１が設置されている。この案内
蓋１１は中央部の山形に盛り上がつた部分が形成
され、それに案内孔１２が設けられ、その周辺部
には環状の沈澱溝１３が形成されている。そし
て、案内蓋１１の案内孔１２の形状に合わせて山
形に形成されている。第２図は上記キヤツプ１４
の断面図で、プラスチツク線材等を織つて山形に
形成された網状体１５の外周を透水シート１６で
被覆して構成されている。

なお、前記実施例においては透水コンクリート
ブロツク９の断面形状を円形にしているが、これ
に限定されるものではなく、流水孔１０の形状や
本数等も必要に応じて任意に設計変更し得るもの
である。

「作用」 上記のように構成された本考案の雨水等の竪型
浸透桝においては、蓋４に設けられた孔３等より
集水桝１内に流入した雨水等は集水溝１の底部の
砂利層５より地下へ浸透して行く。一部の雨水を
除き連通管８を通つてマンホール６内に導入さ
れ、キヤツプ１４を透過する間に水に混入してい
た砂や枯れ葉、ゴミ等がろ過され、案内蓋１１の
案内孔１２より透水コンクリートブロツク９の流
水孔１０内に導かれることになる。こうして流水
孔１０内に導かれた水は、流水孔１０を流下する
間に流水孔１０の周壁から地中へ拡散浸透して行
き、一部は下端の砂利層５から地下に拡散浸透し
て行くのである。そして、キヤツプ１４は定期点
検時等に案内蓋１１の案内孔１２から取り外して
洗浄し、再使用するが、損傷している場合には新
しいキヤツプ１４と取り替えるようにするのであ
る。

「考案の効果」 以上説明したように、本考案の雨水等の竪型浸
透桝においては、透水コンクリートブロツクのマ
ンホール内に開口する流水孔の開口端の上部に設
けられた案内蓋の案内孔に、透過性のよいキヤツ
プがかぶせられているので、マンホールから流水
孔に導かれる水に混入している砂や枯れ葉、ゴミ
等はキヤツプによつて効率よくろ過されることに
なり、除去された砂や枯れ葉、ゴミ等はキヤツプ
上より流下して周辺部の沈澱溝に沈澱して堆積さ
れるため、キヤツプの透過性が阻害されることは
ない。また、定期点検時にキヤツプを外してキヤ
ツプだけを洗浄するか、あるいは損傷したキヤツ
プを新しいキヤツプと取り替えるだけでよいた
め、維持管理がきわめて容易であり、経費もすく
なくてすむ。そして、キヤツプは網状体の外周を
透水シートで被覆して構成されているので、水の
透過性及びろ過性がよく、弾力性に富むため、着
脱が容易で強度も強く、長時間の使用にも十分に
耐えることができる等多くの利点を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す雨水等の竪型
地下浸透桝の断面図、第２図は第１図に示すキヤ
ツプの断面図である。 １……集水桝、５……砂利層、６……マンホー
ル、８……連通管、９……透水コンクリートブロ
ツク、１０……流水孔、１１……案内蓋、１２…
…案内孔、１３……沈澱溝、１４……キヤツプ、
１５……網状体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 粗骨材とセメントよりなる透水コンクリートに
   より竪長形状に形成され、長手方向に沿つて貫通
   した流水孔を有する透水コンクリートブロツクを
   順次接続して、マンホール内の水を上記流水孔に
   導くようにした雨水等の竪型地下浸透桝におい
   て、上記透水コンクリートブロツクのマンホール
   内に開口する流水孔の開口端の上部に、案内孔を
   有する中央部が山形に盛り上がり、周辺部に沈澱
   溝を有する案内蓋を設けると共に、その案内孔
   に、内部が網状体で形成され、外周を透水シート
   で被覆したキヤツプを着脱自在に被着したことを
   特徴とする雨水等の竪型地下浸透桝。