JPS644868B2 - - Google Patents
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- JPS644868B2 JPS644868B2 JP13533080A JP13533080A JPS644868B2 JP S644868 B2 JPS644868 B2 JP S644868B2 JP 13533080 A JP13533080 A JP 13533080A JP 13533080 A JP13533080 A JP 13533080A JP S644868 B2 JPS644868 B2 JP S644868B2
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- JP
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- slab
- solidification
- steel
- segregation
- molten steel
- Prior art date
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22D—CASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
- B22D11/00—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
- B22D11/12—Accessories for subsequent treating or working cast stock in situ
- B22D11/1206—Accessories for subsequent treating or working cast stock in situ for plastic shaping of strands
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metal Rolling (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
Description
この発明は、サワーガス環境下で使用される優
れた耐水素誘起割れおよび耐硫化物応力腐食割れ
特性を具えた高張力、高靭性鋼材が得られる連続
鋳造方法に関するものである。 サワーガス環境下で使用される鋼材中、特に油
井、集合配管系の鋼管は、硫化水素(H2S)を主
体とした各種の腐食性ガスや腐食性溶液によつ
て、腐食反応が促進される。この結果、前記鋼管
に、水素誘起割れ(HIC)、硫化物応力腐食割れ
(SSC)、あるいはブリスターと呼ばれる欠陥が発
生することはよく知られている。 上記した諸欠陥は、表面腐食反応により鋼中に
侵入した原子状水素が、伸展もしくは密集する硫
化物、酸化物等の介在物とマトリツクス界面でガ
ス化して水素ガスとなり、内圧が上昇して介在物
周辺のマトリツクスにミクロ割れを誘起し、この
ミクロ割れが連結成長して、マクロ的割れに発展
することにより生ずる。このような欠陥の発生
は、遂には鋼管を破損させて、油の漏洩に至る重
大事故となる。 上記した欠陥の発生を防止するために、従来よ
り材料面および操業面から種々の改良研究が行な
われているが、特に昭和48年末に始まつた石油シ
ヨツク以来、前記重大事故につながる諸欠陥の発
生することがない鋼材を要求するニーズは急速に
高まり、研究も飛躍的に進歩して例えば次のよう
な技術が開発された。 (1) 鋼材表面の腐食反応およびこれに伴なう水素
の侵入拡散を防止するために、鋼中にCuを添
加する。(特開昭54−80226) (2) 鋼中の硫化物、酸化物等の形態、大きさ、量
およびその熱間圧延時の変形抵抗性を制御する
ために、低硫化処理、および/あるいは、清浄
化処理した鋼に、例えばCa、REM等の活性元
素を添加する。(特開昭54−31019、特開昭54−
110119) (3) 素材中の特にMn、Pのマクロ偏析にもとづ
く鋼材板厚中央部の異常組織即ち割れ感受性の
高い低温変態組織を防止するために、鋼中合金
成分の設定範囲を制限する。(特公昭54−
38568) 上記方法によれば、60Kg/mm2未満の低強度鋼に
関しては、ライトサワーあるいはサワーガス環境
下における前記欠陥の発生を防止することができ
る。 しかしながら、サワーあるいはヘビーサワーガ
ス環境下における60Kg/mm2以上の高強度高靭性鋼
に関しては、上記の方法によつても、水素誘起割
れ、硫化物応力腐食割れの優れた鋼を得るには不
十分であつた。その最大の理由は、溶接性の観点
から、上記の高強度高靭性鋼は、C含有量に上限
が設けられているため、高強度高靭性を確保する
には、MnまたはNb、Ti等の如きサイトライド
形成能の大きい合金元素を、鋼中に所定量含有さ
せなければならない。 即ち、上記の成分系で低硫、清浄化処理を施し
た溶鋼に対し、Ca、REMの活性元素を含む合金
剤で形態制御を施し、造塊あるいは連続鋳造を行
なうと、その凝固過程において、最終凝固部であ
る鋳片の軸心部に、凝固時の成分元素の再分配に
伴なう濃化残溶鋼が局所的に集積凝固する。 従つて、鋼中にC、Mn、Nb、Tiおよび不純
物元素のP、N等の偏析度の大きいマクロ偏析帯
が残留し、この残留箇所にMn、Pの濃化に起因
する異常組織(周辺の健全凝固部に比較して硬度
が異常に高い低温二次変態組織)、およびNb、
Ti、C、Nの濃化に起因する巨大な炭窒化物が
生成する。その結果、圧延後の製品に、上記B系
の巨大炭窒化物を起点として、異常組織中を伝播
した水素誘起割れ、硫化物応力腐食割れが多数発
生する。 本発明者等は、上記した連続鋳造工程における
鋳片軸心部のマクロ偏析帯の発生を防止すべく、
各種の試験を実施した。前記マクロ偏析帯は、一
般に連続鋳造鋳片の中心偏析と呼称されており、
その軽減防止対策としては、例えば次の如き方法
が知られている。 (1) 鋳造温度および鋳造速度を低温、低速側で行
なう。 (2) 鋳片の未凝固部分を電磁攪拌する。(例えば
特開昭47−33025) (3) クレーターエンド部の未凝固部分を軽圧下す
る。(例えば特公昭54−38978) (4) 鋳片の引抜きロール間隔を順次狭め、広範囲
の鋳片絞り込み鋳造を行なう。(例えば特公昭
54−34690) 上記の方法によれば、鋳片の中心偏析帯を分散
低減化することはできるが、鋳片の軸心、あるい
は軸心とその近傍の等軸晶帯中に生成する、数
100μ乃至数mmの大きさの、目視で島状あるいは
V状に観察されるスポツト状セミミクロ偏析部の
生成まで防止することは不可能であつた。 即ち、前記スポツト状セミミクロ偏析部には、
中心偏析帯と同様に、Mn、Pの偏析、再分配に
伴なう異常組織、更にはスポツト状偏析部と全体
で同程度の大きさを有するNbあるいはTi、また
はこれら元素の複合炭窒化物が、巨大にかつリン
グ状に残留する。その結果、製品の耐水素誘起割
れ、硫化物応力腐食割れ特性を、問題のないレベ
ルまで改善するには至らなかつた。 本発明者等は、上記の試験結果および実態に基
づき鋭意研究を重ねた結果、必要に応じ、脱硫、
清浄化、更には活性元素の添加により介在物形態
制御処理を行なつた溶鋼を連続鋳造するに際し、
凝固しつつストランド内を移動する未凝固鋳片の
軸心部における所定範囲の鋳造組織を等軸晶化
し、かつ引抜かれる鋳片の長手方向所定範囲を、
鋳片の厚さ方向に圧下して、前記鋳片の熱収縮お
よび溶鋼の凝固収縮に伴なうストランド内残溶鋼
のクレーターエンド側への移動を防止することに
より、前記した異常の組織およびNb−Ti系巨大
炭窒化物が皆無の健全な鋳片を、安定して製造し
得ることを知見した。 この発明は、上記知見に基づいてなされたもの
で、未凝固鋳片の断面積における軸心部を含む20
%以上の領域の鋳造組織を等軸晶、望ましくは粒
状の等方的等軸晶に変換させて、結晶粒相互が凝
固過程で互いに凝着合体しにくい条件を冶金的に
維持すると共に、これら等軸晶生成域に相当する
ストランド内の所定範囲、即ちモールドメニスカ
スからクレーターエンドに至るストランド長手方
向の30〜100%に相当する領域であつて、且つ、
V偏析開始位置から凝固完了までの範囲におい
て、鋳片をその厚さ方向に圧下することにより、
前記鋳片の熱収縮および溶鋼の凝固収縮に伴なう
ストランド内残溶鋼のクレーターエンド側への移
動を防止し、V状セミミクロ偏析パターンのない
鋳片を得ることを特徴とするものである。 残溶鋼の凝固収縮に対応させ、鋳片案内ロール
を用いて鋳片を圧下する手段としては、例えば前
述した特公昭54−34690の如く、鋳片支持ロール
間隔を、引抜方向で凝固収縮速度に見合うように
狭めてゆく方法がある。この特公昭54−34690の
方法の意図するところは、鋳片凝固シエルの生成
割合が40〜80%に相当するストランド内の所定区
域で、鋳片支持ロールの間隔を、鋳片の凝固収縮
に対応させて段階的に縮少し、凝固シエルの生成
割合が80%相当の位置で、鋳片の総圧下率を1.5
〜3.0%とすることにあり、このような数値限定
を設けた根拠として、圧下に伴なう付随的トラブ
ル、即ちブレークアウトおよび内部割れを防止
し、かつ効率のよい軸心マクロ偏析の改善効果が
得られることをあげている。 また、特公昭54−38978の如く、クレーターエ
ンド近傍の2対以上の圧下ロールにより鋳片を圧
下するに当り、その圧下率を、例えば0.1〜2.0
%/rollとすることにより、最終凝固位置におけ
る軸心部残溶鋼の移動を軽減防止し、軸心マクロ
偏析を改善する方法も知られている。 上記方法の目的は、何れも凝固途上あるいは最
終凝固部のクレーターエンド近傍において、鋳片
の凝固収縮に伴なう不純物濃化残溶鋼のクレータ
ーエンド側への移動と軸心部への濃化偏析の結果
生じる軸心マクロ偏析の軽減防止にある。 これに対し、本発明において、鋳片を圧下する
のは、ストランド内における未凝固鋳片の冷却凝
固過程において、必然的に生ずるバルク残溶鋼の
移動により、凝固界面で凝固しつつある等軸晶粒
およびその結晶間の濃化残溶鋼の二次的な流動の
結果、軸心部を含む等軸晶凝固形態を有する鋳片
内所定範囲全域に、大なり小なりあらわれるV状
のセミミクロスポツト偏析をも防止することにあ
る。 本発明者等は、等軸晶凝固しつつある鋳片に関
し、前述した中心偏析の防止技術をもとに各種の
実機試験を重ねた。その結果、低温鋳造、また
は、鋳型内あるいは/およびこれに引続く二次冷
却帯所定位置に設置した電磁攪拌装置によつて生
成される等軸晶は、最小でモールドメニスカスか
らクレーターエンドに至るストランド長手方向の
10%に相当する鋳片の厚み方向位置から生じ、こ
れに対応してV状凝固パターンの生成が、最小で
ストランド長手方向の30%に相当する鋳片の厚み
方向位置から始まることを見出した。 上記のV状凝固パターンは、凝固の進行に伴な
うバルク溶鋼の移動速度の変化(この変化は、凝
固速度、鋳片冷却速度、支持ロール間隔の寸法に
より決定される)、および、バルク溶鋼の存在割
合即ち液相残存率(バルク溶鋼の移動に伴ない凝
固界面固液共存結晶粒のうける剪断力)と、鋳片
凝固速度との相互作用の結果として、その程度、
流動軌跡が決定される。従つて、その主たる原因
であり、かつ機械的に制御可能なバルク溶鋼の移
動を防止するためには、当然クレーターエンドに
至るまで、前記バルク溶鋼の移動を防止する手段
を継続する必要がある。これから、本発明におい
ては、バルク溶鋼の移動を防止する手段を講じる
範囲を、モールドメニスカスからクレーターエン
ドに至るストランド長手方向の、最小でモールド
メニスカスから30%の位置より、クレーターエン
ドに至るまでの間となした。 前記バルク溶鋼のクレーターエンド側への移
動、即ちサクシヨン速度は、鋳片の熱収縮速度、
凝固収縮速度それぞれの総和で決定され、その寄
与度は第1図の厚さ250mmの鋳片における凝固開
始からの時間と、熱収縮に対する補償圧下速度と
凝固収縮に対する補償圧下速度との比を示す図か
ら明らかなように、凝固の進行に伴つて変化す
る。 V状パターンの原因であるサクシヨンを完全に
防止するために鋳片に与えるべき圧下量V(mm/
min)は、下記(1)式により求めることができる。 但し、 K:凝固速度定数(mm・min−1/2) 凝固速度定数は二次冷却条件および引抜速度の
操業条件により決定されるが、通常の操業条件
下では、24.0≦K≦28.0である。 ρl/ρs:凝固に伴なう体積変化率(−) α:鋼の熱間線膨張率(℃-1) To:鋼の凝固温度(℃) k0:凝固時の鋳片の温度降下速度定数(min)温
度降下速度定数は二次冷却条件および引抜速度
の操業条件により決定されるが、通常の操業条
件下では、0.005≦k0≦0.03である。 t:鋼の凝固開始からの時間(min) A:理論圧下プロフイルに対する、適正圧下範囲
のための補正係数(第4図参照) 上記(1)式は、定常凝固域即ち鋳片の表層両側か
ら凝固が生長している領域のみに適用可能なもの
であり、鋳片軸心部の加速凝固域即ち鋳片の両側
から軸心に向つて生長している凝固面が互いに接
触したときから、鋳片の軸心が完全に凝固するま
での領域に対しては、近似的に下記(2)式が適用さ
れる。 即ち、完全凝固時間をto(min)とすると、 t≧0.85toにおいて、 V=B〔(2at+b)(1−ρl/ρs+2αTo) +2αTo{akot2−(2a−bko)t−(b koc)}exp(−kot)〕 ………(2) (2)式において a=22.2(D−2Kto1/2/to1/2) b=−38.0(D−2Kto1/2/to) c=D/2+15.78(D−2Kto1/2) 但し、 D:鋳片厚み(mm) B:理論圧下プロフイルに対する、適正圧下範囲
のための補正係数(第5図参照) となる。 上記(1)式および(2)式の導出の基本は、メニスカ
ス下所定位置における鋳片内の溶鋼の単位時間当
りの凝固量から求まる凝固収縮量を補うために必
要な鋳片厚さ方向の凝固各面移動速度と、シエル
の温度降下による鋳片厚さ方向の熱収縮速度を補
うために必要な凝固各面移動速度との和に、鋳片
表面圧下に伴なう凝固各面変位への有効圧下伝達
率や鋳片の表面性状その他各種の誤差要因の積と
して表わせる補正係数A、Bをかけ合わせること
からなつている。 本発明は、前記(1)(2)式により算出される圧下速
度で鋳片を圧下することによつて、バルク溶鋼の
クレーターエンド側への吸引即ちサクシヨンによ
り発生するV状パターンを防止するものであり、
これによつてセミミクロ偏析の皆無な健全鋳片を
安定して得ることができる。 次に、この発明を実施例に基づいて説明する。 実施例 1 10.5mR湾曲型スラブ連続鋳造機を用い、厚さ
250mm×巾950〜2100mmの鋳片を、低温鋳造(タン
デイツシユ内過熱度15℃以下)により製造した。
鋳片の引抜速度は、鋳片サイズによつても異なる
が、0.60〜0.80m/minの範囲で選定した。モー
ルドメニスカスからクレーターエンドに至る距離
は14.6〜18.9mであり、この30〜100%に相当す
るクレーターエンドを含む範囲内の位置におい
て、上記(1)式および(2)式により求められる圧下量
により、25〜30回の回数により圧下した。 (1)(2)式中の各種熱定数は、中炭素Si−Alキル
ド鋼を対象としたので、下記のようにほぼ一定で
ある。 ρl/ρs=0.923 α=2・10-5℃-1 To=1480℃ 凝固速度定数(K)および鋼の凝固時における鋳片
の温度降下速度定数(ko)は、二次冷却条件お
よび引抜速度の操業条件により決定されるが、通
常の操業条件下では、 24.0≦K≦28.0 0.005≦ko≦0.03 である。この実施例においては、K=25.7 ko=
0.015となるように操業条件を設定した。 完全凝固時間(to)は、前記操業条件および鋳
片サイズとの相関関係より一義的に決まるが、連
続鋳造プロセスで一般的に可能な制御範囲は、 D2/3600≦to≦D2/2700 である。この実施例においては、t=20.2分とな
るように操業条件を設定した。 この実施例では、予め、粒状等軸晶はクレータ
ーエンドに至るストランド内長手方向10%に相当
する鋳片厚み方向位置より生成し、これに対応し
V状パターンの生成が長手方向30%に相当する鋳
片厚み位置より始つていることを確認した。従つ
て鋳片圧下範囲を、凝固開始からクレーターエン
ドに至るストランド長手方向の30〜100%の範囲
とし、前記(1)(2)式で求まる計算曲線中、補正係数
A、Bの最適範囲を決定した。また鋳片の圧下手
段は、サポート、ガイドロールおよびピンチロー
ルの上下ロール間隔、あるいは/および、セグメ
ント間にデイスタンスピースを挿入して上下ロー
ル間隔を下記(3)式に従い連続的に絞りこむことに
より行なつた。 △Li=Li/Vc×Vi ………(3) 但し、 Li:メニスカス下im位置のロールピツチ(mm) Vc:引抜速度(mm/min) Vi:鋳片圧下速度(mm/min) △Li:メニスカス下im位置の隣接ロール、上下
ロール間隔の減少量(mm/roll) 前記(1)(2)式中、A=B=1.0とした理論計算曲
線を第2図に示す。第2図をもとにAおよびBを
種々振らせた鋳造を行ない、下記の軸心マクロ偏
析およびV状パターン発生度評点をもつて、その
効果を判定した。 軸心マクロ偏析評点:サルフアープリント上で
軸心マクロ偏析の占有長さを100分率で表示。 V状パターン発生度(ε):第3図に示すように、
L断面サルフアープリント上で等軸晶域に対応
して発生するV状フローパターンを、下記に示
す基準で定量化した。 △l/△d=ε ………(4) 但し、 ε>0:V状フローパターン ε<0:逆V状フローパターン 第4図には、前記(1)式における適正圧下範囲の
補正係数Aが、また第5図には、前記(2)式におけ
る適正圧下範囲の補正係数Bが示されている。第
4図においてAが1.4を、また第5図においてB
が1.5を超えると、逆に残溶鋼の絞り出し作用に
よる逆V状偏析が発生し、また、過度の鋳片圧下
による内部割れ(総圧下量で20mm以上)が発生す
るため好ましくなく、一方、A、Bを0.4以下に
するとその効果は小さい。 従つて、A、Bを0.4〜1.4の範囲に設定し、前
記(1)(2)式に従つた圧下プロフイルで鋳片を圧下す
れば、マクロ偏析はもとより、溶鋼流動に伴なう
セミミクロ偏析も安定して防止し得ることが確認
された。なお、第4図と第5図において適正圧下
範囲を規定するεの範囲に差がある理由は、板厚
方向の位置によつて成品材質保証レベルに差があ
り、鋳片軸心部ではεとして1.5〜−1.0が、また
これより離れた表層側ではεとして0.5〜−0.5が
要求されているからである。 実施例 2 10.5mR湾曲型連鋳機を用い、厚さ250mm×巾
950〜2100mmの鋳片を、高温鋳造(タンデイツシ
ユ内過熱度15℃以上)により製造した。鋳片の軸
心相当範囲を等軸晶化するために、鋳型内あるい
は/およびこれに引きつづく二次冷却帯所定位置
に電磁攪拌装置を設置し、ストランド内の溶鋼を
攪拌した。鋼種は中炭素Si−Alキルド鋼をベー
スとし、一部Nb入りハイテン鋼についても実施
した。鋼の物性値、操業条件等は、実施例1と同
様である。 電磁攪拌方式としては、鋳型内については銅板
長辺面の背面側に低周波リニア型コイルを取付
け、凝固界面流速として50cm/sec相当の回転攪
拌を溶鋼に付与するようにした。また、二次冷却
帯については、溶鋼過熱度が消滅するメニスカス
下3m、および、最終凝固部への等軸晶核の輸送
効果が大きく、かつ攪拌により等軸晶の微細化が
期待できるクレーターエンド近傍(クレーター長
Loの80%相当位置)で、横方向攪拌の可能なス
ターラーを、ロール間もしくはロール背面に設置
の上、電源周波数を商用もしくは低周波(2〜30
Hz)に選定し攪拌を行つた。 第1表には、このときの試験条件とその試験結
果が示されている。同表において、従来例1は電
磁攪拌、軽圧下等のような偏析発生防止対策を行
なわなかつた場合、従来例2は明細書第5頁に記
載した従来法(3)のクレーターエンド部の未凝固部
分を軽圧下した場合、従来例3は同じく従来法(2)
の鋳片未凝固部分を電磁攪拌した場合、従来例4
は同じく従来法(4)の鋳片の引抜きロール間隔を順
次狭め、広範囲の鋳片絞り込み鋳造を行なつた場
合(特公昭54−34690号)である。従来例4は、
モールドメニスカスからクレーターエンドに至る
ストランドの長手方向40〜80%に相当する領域内
を、3.0%の圧下量で圧下を加えた例であつて、
偏析評点のεは2.0および2.5であり、本発明のよ
うな効果は得られなかつた。これは、本発明のよ
うにV状のセミマクロ偏析制御が行なわれていな
いことによる当然の帰結である。上記からわかる
ように、電磁攪拌装置と鋳片支持ロールによる鋳
片圧下(絞りこみ)の複合作用により、従来の単
独条件では期待できなかつたセミミクロ偏析の低
減消滅化を、安定して得られることが明らかとな
つた。なお、電磁攪拌条件は、モールド内、二次
冷却帯の単独多段何れでも大きな効果が得られる
から、最終的には電磁攪拌設備、ランニングコス
ト、連鋳機の型式、および操業条件等を総合し
て、その最適条件を決定すればよい。なお、第1
表において、本発明の圧下量は、前述したように
定常凝固域は(1)式に基き、加速凝固域は(2)式に基
き定めた。従来例1〜4は何れも圧下を行なわな
かつた。 実施例 3 あらかじめ、T.O<0.003%、S<0.002%以下
に溶製したNb入りX60、およびNb−V入りX65
クラスの溶接管向け溶鋼に、取鍋内においてCa
もしくはCa合金を添加処理し、引談き連鋳中間
容器内でCa合金を連続添加した上、前記実施例
1、2に従い連続鋳造を行なつた。 得られたスラブを通常方法で熱間圧延し、10.5
〜25.0mmの鋼板とした。この鋼板の連鋳スラブの
巾方向における1/4の位置と、中央位置と、3/4の
位置より試験片を採取し、水素誘起割れ試験を行
なつた。この水素誘起割れ試験は、5%NaCl水
溶液に0.5%CH3COOHを添加し、更にH2Sを飽
和させ、これに試験片を応力無負荷の状態で96時
間浸漬した後取出し、顕微鏡で試料断面の割れを
測定し、第6図および下記に示すように、平均割
れ長さ()と、ステツプ割れ感受性率(CSR)
を測定することにより行なつた。 a=Σai/N(mm)
れた耐水素誘起割れおよび耐硫化物応力腐食割れ
特性を具えた高張力、高靭性鋼材が得られる連続
鋳造方法に関するものである。 サワーガス環境下で使用される鋼材中、特に油
井、集合配管系の鋼管は、硫化水素(H2S)を主
体とした各種の腐食性ガスや腐食性溶液によつ
て、腐食反応が促進される。この結果、前記鋼管
に、水素誘起割れ(HIC)、硫化物応力腐食割れ
(SSC)、あるいはブリスターと呼ばれる欠陥が発
生することはよく知られている。 上記した諸欠陥は、表面腐食反応により鋼中に
侵入した原子状水素が、伸展もしくは密集する硫
化物、酸化物等の介在物とマトリツクス界面でガ
ス化して水素ガスとなり、内圧が上昇して介在物
周辺のマトリツクスにミクロ割れを誘起し、この
ミクロ割れが連結成長して、マクロ的割れに発展
することにより生ずる。このような欠陥の発生
は、遂には鋼管を破損させて、油の漏洩に至る重
大事故となる。 上記した欠陥の発生を防止するために、従来よ
り材料面および操業面から種々の改良研究が行な
われているが、特に昭和48年末に始まつた石油シ
ヨツク以来、前記重大事故につながる諸欠陥の発
生することがない鋼材を要求するニーズは急速に
高まり、研究も飛躍的に進歩して例えば次のよう
な技術が開発された。 (1) 鋼材表面の腐食反応およびこれに伴なう水素
の侵入拡散を防止するために、鋼中にCuを添
加する。(特開昭54−80226) (2) 鋼中の硫化物、酸化物等の形態、大きさ、量
およびその熱間圧延時の変形抵抗性を制御する
ために、低硫化処理、および/あるいは、清浄
化処理した鋼に、例えばCa、REM等の活性元
素を添加する。(特開昭54−31019、特開昭54−
110119) (3) 素材中の特にMn、Pのマクロ偏析にもとづ
く鋼材板厚中央部の異常組織即ち割れ感受性の
高い低温変態組織を防止するために、鋼中合金
成分の設定範囲を制限する。(特公昭54−
38568) 上記方法によれば、60Kg/mm2未満の低強度鋼に
関しては、ライトサワーあるいはサワーガス環境
下における前記欠陥の発生を防止することができ
る。 しかしながら、サワーあるいはヘビーサワーガ
ス環境下における60Kg/mm2以上の高強度高靭性鋼
に関しては、上記の方法によつても、水素誘起割
れ、硫化物応力腐食割れの優れた鋼を得るには不
十分であつた。その最大の理由は、溶接性の観点
から、上記の高強度高靭性鋼は、C含有量に上限
が設けられているため、高強度高靭性を確保する
には、MnまたはNb、Ti等の如きサイトライド
形成能の大きい合金元素を、鋼中に所定量含有さ
せなければならない。 即ち、上記の成分系で低硫、清浄化処理を施し
た溶鋼に対し、Ca、REMの活性元素を含む合金
剤で形態制御を施し、造塊あるいは連続鋳造を行
なうと、その凝固過程において、最終凝固部であ
る鋳片の軸心部に、凝固時の成分元素の再分配に
伴なう濃化残溶鋼が局所的に集積凝固する。 従つて、鋼中にC、Mn、Nb、Tiおよび不純
物元素のP、N等の偏析度の大きいマクロ偏析帯
が残留し、この残留箇所にMn、Pの濃化に起因
する異常組織(周辺の健全凝固部に比較して硬度
が異常に高い低温二次変態組織)、およびNb、
Ti、C、Nの濃化に起因する巨大な炭窒化物が
生成する。その結果、圧延後の製品に、上記B系
の巨大炭窒化物を起点として、異常組織中を伝播
した水素誘起割れ、硫化物応力腐食割れが多数発
生する。 本発明者等は、上記した連続鋳造工程における
鋳片軸心部のマクロ偏析帯の発生を防止すべく、
各種の試験を実施した。前記マクロ偏析帯は、一
般に連続鋳造鋳片の中心偏析と呼称されており、
その軽減防止対策としては、例えば次の如き方法
が知られている。 (1) 鋳造温度および鋳造速度を低温、低速側で行
なう。 (2) 鋳片の未凝固部分を電磁攪拌する。(例えば
特開昭47−33025) (3) クレーターエンド部の未凝固部分を軽圧下す
る。(例えば特公昭54−38978) (4) 鋳片の引抜きロール間隔を順次狭め、広範囲
の鋳片絞り込み鋳造を行なう。(例えば特公昭
54−34690) 上記の方法によれば、鋳片の中心偏析帯を分散
低減化することはできるが、鋳片の軸心、あるい
は軸心とその近傍の等軸晶帯中に生成する、数
100μ乃至数mmの大きさの、目視で島状あるいは
V状に観察されるスポツト状セミミクロ偏析部の
生成まで防止することは不可能であつた。 即ち、前記スポツト状セミミクロ偏析部には、
中心偏析帯と同様に、Mn、Pの偏析、再分配に
伴なう異常組織、更にはスポツト状偏析部と全体
で同程度の大きさを有するNbあるいはTi、また
はこれら元素の複合炭窒化物が、巨大にかつリン
グ状に残留する。その結果、製品の耐水素誘起割
れ、硫化物応力腐食割れ特性を、問題のないレベ
ルまで改善するには至らなかつた。 本発明者等は、上記の試験結果および実態に基
づき鋭意研究を重ねた結果、必要に応じ、脱硫、
清浄化、更には活性元素の添加により介在物形態
制御処理を行なつた溶鋼を連続鋳造するに際し、
凝固しつつストランド内を移動する未凝固鋳片の
軸心部における所定範囲の鋳造組織を等軸晶化
し、かつ引抜かれる鋳片の長手方向所定範囲を、
鋳片の厚さ方向に圧下して、前記鋳片の熱収縮お
よび溶鋼の凝固収縮に伴なうストランド内残溶鋼
のクレーターエンド側への移動を防止することに
より、前記した異常の組織およびNb−Ti系巨大
炭窒化物が皆無の健全な鋳片を、安定して製造し
得ることを知見した。 この発明は、上記知見に基づいてなされたもの
で、未凝固鋳片の断面積における軸心部を含む20
%以上の領域の鋳造組織を等軸晶、望ましくは粒
状の等方的等軸晶に変換させて、結晶粒相互が凝
固過程で互いに凝着合体しにくい条件を冶金的に
維持すると共に、これら等軸晶生成域に相当する
ストランド内の所定範囲、即ちモールドメニスカ
スからクレーターエンドに至るストランド長手方
向の30〜100%に相当する領域であつて、且つ、
V偏析開始位置から凝固完了までの範囲におい
て、鋳片をその厚さ方向に圧下することにより、
前記鋳片の熱収縮および溶鋼の凝固収縮に伴なう
ストランド内残溶鋼のクレーターエンド側への移
動を防止し、V状セミミクロ偏析パターンのない
鋳片を得ることを特徴とするものである。 残溶鋼の凝固収縮に対応させ、鋳片案内ロール
を用いて鋳片を圧下する手段としては、例えば前
述した特公昭54−34690の如く、鋳片支持ロール
間隔を、引抜方向で凝固収縮速度に見合うように
狭めてゆく方法がある。この特公昭54−34690の
方法の意図するところは、鋳片凝固シエルの生成
割合が40〜80%に相当するストランド内の所定区
域で、鋳片支持ロールの間隔を、鋳片の凝固収縮
に対応させて段階的に縮少し、凝固シエルの生成
割合が80%相当の位置で、鋳片の総圧下率を1.5
〜3.0%とすることにあり、このような数値限定
を設けた根拠として、圧下に伴なう付随的トラブ
ル、即ちブレークアウトおよび内部割れを防止
し、かつ効率のよい軸心マクロ偏析の改善効果が
得られることをあげている。 また、特公昭54−38978の如く、クレーターエ
ンド近傍の2対以上の圧下ロールにより鋳片を圧
下するに当り、その圧下率を、例えば0.1〜2.0
%/rollとすることにより、最終凝固位置におけ
る軸心部残溶鋼の移動を軽減防止し、軸心マクロ
偏析を改善する方法も知られている。 上記方法の目的は、何れも凝固途上あるいは最
終凝固部のクレーターエンド近傍において、鋳片
の凝固収縮に伴なう不純物濃化残溶鋼のクレータ
ーエンド側への移動と軸心部への濃化偏析の結果
生じる軸心マクロ偏析の軽減防止にある。 これに対し、本発明において、鋳片を圧下する
のは、ストランド内における未凝固鋳片の冷却凝
固過程において、必然的に生ずるバルク残溶鋼の
移動により、凝固界面で凝固しつつある等軸晶粒
およびその結晶間の濃化残溶鋼の二次的な流動の
結果、軸心部を含む等軸晶凝固形態を有する鋳片
内所定範囲全域に、大なり小なりあらわれるV状
のセミミクロスポツト偏析をも防止することにあ
る。 本発明者等は、等軸晶凝固しつつある鋳片に関
し、前述した中心偏析の防止技術をもとに各種の
実機試験を重ねた。その結果、低温鋳造、また
は、鋳型内あるいは/およびこれに引続く二次冷
却帯所定位置に設置した電磁攪拌装置によつて生
成される等軸晶は、最小でモールドメニスカスか
らクレーターエンドに至るストランド長手方向の
10%に相当する鋳片の厚み方向位置から生じ、こ
れに対応してV状凝固パターンの生成が、最小で
ストランド長手方向の30%に相当する鋳片の厚み
方向位置から始まることを見出した。 上記のV状凝固パターンは、凝固の進行に伴な
うバルク溶鋼の移動速度の変化(この変化は、凝
固速度、鋳片冷却速度、支持ロール間隔の寸法に
より決定される)、および、バルク溶鋼の存在割
合即ち液相残存率(バルク溶鋼の移動に伴ない凝
固界面固液共存結晶粒のうける剪断力)と、鋳片
凝固速度との相互作用の結果として、その程度、
流動軌跡が決定される。従つて、その主たる原因
であり、かつ機械的に制御可能なバルク溶鋼の移
動を防止するためには、当然クレーターエンドに
至るまで、前記バルク溶鋼の移動を防止する手段
を継続する必要がある。これから、本発明におい
ては、バルク溶鋼の移動を防止する手段を講じる
範囲を、モールドメニスカスからクレーターエン
ドに至るストランド長手方向の、最小でモールド
メニスカスから30%の位置より、クレーターエン
ドに至るまでの間となした。 前記バルク溶鋼のクレーターエンド側への移
動、即ちサクシヨン速度は、鋳片の熱収縮速度、
凝固収縮速度それぞれの総和で決定され、その寄
与度は第1図の厚さ250mmの鋳片における凝固開
始からの時間と、熱収縮に対する補償圧下速度と
凝固収縮に対する補償圧下速度との比を示す図か
ら明らかなように、凝固の進行に伴つて変化す
る。 V状パターンの原因であるサクシヨンを完全に
防止するために鋳片に与えるべき圧下量V(mm/
min)は、下記(1)式により求めることができる。 但し、 K:凝固速度定数(mm・min−1/2) 凝固速度定数は二次冷却条件および引抜速度の
操業条件により決定されるが、通常の操業条件
下では、24.0≦K≦28.0である。 ρl/ρs:凝固に伴なう体積変化率(−) α:鋼の熱間線膨張率(℃-1) To:鋼の凝固温度(℃) k0:凝固時の鋳片の温度降下速度定数(min)温
度降下速度定数は二次冷却条件および引抜速度
の操業条件により決定されるが、通常の操業条
件下では、0.005≦k0≦0.03である。 t:鋼の凝固開始からの時間(min) A:理論圧下プロフイルに対する、適正圧下範囲
のための補正係数(第4図参照) 上記(1)式は、定常凝固域即ち鋳片の表層両側か
ら凝固が生長している領域のみに適用可能なもの
であり、鋳片軸心部の加速凝固域即ち鋳片の両側
から軸心に向つて生長している凝固面が互いに接
触したときから、鋳片の軸心が完全に凝固するま
での領域に対しては、近似的に下記(2)式が適用さ
れる。 即ち、完全凝固時間をto(min)とすると、 t≧0.85toにおいて、 V=B〔(2at+b)(1−ρl/ρs+2αTo) +2αTo{akot2−(2a−bko)t−(b koc)}exp(−kot)〕 ………(2) (2)式において a=22.2(D−2Kto1/2/to1/2) b=−38.0(D−2Kto1/2/to) c=D/2+15.78(D−2Kto1/2) 但し、 D:鋳片厚み(mm) B:理論圧下プロフイルに対する、適正圧下範囲
のための補正係数(第5図参照) となる。 上記(1)式および(2)式の導出の基本は、メニスカ
ス下所定位置における鋳片内の溶鋼の単位時間当
りの凝固量から求まる凝固収縮量を補うために必
要な鋳片厚さ方向の凝固各面移動速度と、シエル
の温度降下による鋳片厚さ方向の熱収縮速度を補
うために必要な凝固各面移動速度との和に、鋳片
表面圧下に伴なう凝固各面変位への有効圧下伝達
率や鋳片の表面性状その他各種の誤差要因の積と
して表わせる補正係数A、Bをかけ合わせること
からなつている。 本発明は、前記(1)(2)式により算出される圧下速
度で鋳片を圧下することによつて、バルク溶鋼の
クレーターエンド側への吸引即ちサクシヨンによ
り発生するV状パターンを防止するものであり、
これによつてセミミクロ偏析の皆無な健全鋳片を
安定して得ることができる。 次に、この発明を実施例に基づいて説明する。 実施例 1 10.5mR湾曲型スラブ連続鋳造機を用い、厚さ
250mm×巾950〜2100mmの鋳片を、低温鋳造(タン
デイツシユ内過熱度15℃以下)により製造した。
鋳片の引抜速度は、鋳片サイズによつても異なる
が、0.60〜0.80m/minの範囲で選定した。モー
ルドメニスカスからクレーターエンドに至る距離
は14.6〜18.9mであり、この30〜100%に相当す
るクレーターエンドを含む範囲内の位置におい
て、上記(1)式および(2)式により求められる圧下量
により、25〜30回の回数により圧下した。 (1)(2)式中の各種熱定数は、中炭素Si−Alキル
ド鋼を対象としたので、下記のようにほぼ一定で
ある。 ρl/ρs=0.923 α=2・10-5℃-1 To=1480℃ 凝固速度定数(K)および鋼の凝固時における鋳片
の温度降下速度定数(ko)は、二次冷却条件お
よび引抜速度の操業条件により決定されるが、通
常の操業条件下では、 24.0≦K≦28.0 0.005≦ko≦0.03 である。この実施例においては、K=25.7 ko=
0.015となるように操業条件を設定した。 完全凝固時間(to)は、前記操業条件および鋳
片サイズとの相関関係より一義的に決まるが、連
続鋳造プロセスで一般的に可能な制御範囲は、 D2/3600≦to≦D2/2700 である。この実施例においては、t=20.2分とな
るように操業条件を設定した。 この実施例では、予め、粒状等軸晶はクレータ
ーエンドに至るストランド内長手方向10%に相当
する鋳片厚み方向位置より生成し、これに対応し
V状パターンの生成が長手方向30%に相当する鋳
片厚み位置より始つていることを確認した。従つ
て鋳片圧下範囲を、凝固開始からクレーターエン
ドに至るストランド長手方向の30〜100%の範囲
とし、前記(1)(2)式で求まる計算曲線中、補正係数
A、Bの最適範囲を決定した。また鋳片の圧下手
段は、サポート、ガイドロールおよびピンチロー
ルの上下ロール間隔、あるいは/および、セグメ
ント間にデイスタンスピースを挿入して上下ロー
ル間隔を下記(3)式に従い連続的に絞りこむことに
より行なつた。 △Li=Li/Vc×Vi ………(3) 但し、 Li:メニスカス下im位置のロールピツチ(mm) Vc:引抜速度(mm/min) Vi:鋳片圧下速度(mm/min) △Li:メニスカス下im位置の隣接ロール、上下
ロール間隔の減少量(mm/roll) 前記(1)(2)式中、A=B=1.0とした理論計算曲
線を第2図に示す。第2図をもとにAおよびBを
種々振らせた鋳造を行ない、下記の軸心マクロ偏
析およびV状パターン発生度評点をもつて、その
効果を判定した。 軸心マクロ偏析評点:サルフアープリント上で
軸心マクロ偏析の占有長さを100分率で表示。 V状パターン発生度(ε):第3図に示すように、
L断面サルフアープリント上で等軸晶域に対応
して発生するV状フローパターンを、下記に示
す基準で定量化した。 △l/△d=ε ………(4) 但し、 ε>0:V状フローパターン ε<0:逆V状フローパターン 第4図には、前記(1)式における適正圧下範囲の
補正係数Aが、また第5図には、前記(2)式におけ
る適正圧下範囲の補正係数Bが示されている。第
4図においてAが1.4を、また第5図においてB
が1.5を超えると、逆に残溶鋼の絞り出し作用に
よる逆V状偏析が発生し、また、過度の鋳片圧下
による内部割れ(総圧下量で20mm以上)が発生す
るため好ましくなく、一方、A、Bを0.4以下に
するとその効果は小さい。 従つて、A、Bを0.4〜1.4の範囲に設定し、前
記(1)(2)式に従つた圧下プロフイルで鋳片を圧下す
れば、マクロ偏析はもとより、溶鋼流動に伴なう
セミミクロ偏析も安定して防止し得ることが確認
された。なお、第4図と第5図において適正圧下
範囲を規定するεの範囲に差がある理由は、板厚
方向の位置によつて成品材質保証レベルに差があ
り、鋳片軸心部ではεとして1.5〜−1.0が、また
これより離れた表層側ではεとして0.5〜−0.5が
要求されているからである。 実施例 2 10.5mR湾曲型連鋳機を用い、厚さ250mm×巾
950〜2100mmの鋳片を、高温鋳造(タンデイツシ
ユ内過熱度15℃以上)により製造した。鋳片の軸
心相当範囲を等軸晶化するために、鋳型内あるい
は/およびこれに引きつづく二次冷却帯所定位置
に電磁攪拌装置を設置し、ストランド内の溶鋼を
攪拌した。鋼種は中炭素Si−Alキルド鋼をベー
スとし、一部Nb入りハイテン鋼についても実施
した。鋼の物性値、操業条件等は、実施例1と同
様である。 電磁攪拌方式としては、鋳型内については銅板
長辺面の背面側に低周波リニア型コイルを取付
け、凝固界面流速として50cm/sec相当の回転攪
拌を溶鋼に付与するようにした。また、二次冷却
帯については、溶鋼過熱度が消滅するメニスカス
下3m、および、最終凝固部への等軸晶核の輸送
効果が大きく、かつ攪拌により等軸晶の微細化が
期待できるクレーターエンド近傍(クレーター長
Loの80%相当位置)で、横方向攪拌の可能なス
ターラーを、ロール間もしくはロール背面に設置
の上、電源周波数を商用もしくは低周波(2〜30
Hz)に選定し攪拌を行つた。 第1表には、このときの試験条件とその試験結
果が示されている。同表において、従来例1は電
磁攪拌、軽圧下等のような偏析発生防止対策を行
なわなかつた場合、従来例2は明細書第5頁に記
載した従来法(3)のクレーターエンド部の未凝固部
分を軽圧下した場合、従来例3は同じく従来法(2)
の鋳片未凝固部分を電磁攪拌した場合、従来例4
は同じく従来法(4)の鋳片の引抜きロール間隔を順
次狭め、広範囲の鋳片絞り込み鋳造を行なつた場
合(特公昭54−34690号)である。従来例4は、
モールドメニスカスからクレーターエンドに至る
ストランドの長手方向40〜80%に相当する領域内
を、3.0%の圧下量で圧下を加えた例であつて、
偏析評点のεは2.0および2.5であり、本発明のよ
うな効果は得られなかつた。これは、本発明のよ
うにV状のセミマクロ偏析制御が行なわれていな
いことによる当然の帰結である。上記からわかる
ように、電磁攪拌装置と鋳片支持ロールによる鋳
片圧下(絞りこみ)の複合作用により、従来の単
独条件では期待できなかつたセミミクロ偏析の低
減消滅化を、安定して得られることが明らかとな
つた。なお、電磁攪拌条件は、モールド内、二次
冷却帯の単独多段何れでも大きな効果が得られる
から、最終的には電磁攪拌設備、ランニングコス
ト、連鋳機の型式、および操業条件等を総合し
て、その最適条件を決定すればよい。なお、第1
表において、本発明の圧下量は、前述したように
定常凝固域は(1)式に基き、加速凝固域は(2)式に基
き定めた。従来例1〜4は何れも圧下を行なわな
かつた。 実施例 3 あらかじめ、T.O<0.003%、S<0.002%以下
に溶製したNb入りX60、およびNb−V入りX65
クラスの溶接管向け溶鋼に、取鍋内においてCa
もしくはCa合金を添加処理し、引談き連鋳中間
容器内でCa合金を連続添加した上、前記実施例
1、2に従い連続鋳造を行なつた。 得られたスラブを通常方法で熱間圧延し、10.5
〜25.0mmの鋼板とした。この鋼板の連鋳スラブの
巾方向における1/4の位置と、中央位置と、3/4の
位置より試験片を採取し、水素誘起割れ試験を行
なつた。この水素誘起割れ試験は、5%NaCl水
溶液に0.5%CH3COOHを添加し、更にH2Sを飽
和させ、これに試験片を応力無負荷の状態で96時
間浸漬した後取出し、顕微鏡で試料断面の割れを
測定し、第6図および下記に示すように、平均割
れ長さ()と、ステツプ割れ感受性率(CSR)
を測定することにより行なつた。 a=Σai/N(mm)
【表】
【表】
CSR=Σcidi/CD×100(%)
但し、N:試料数
第2表には、上記試験結果が示されている。
第2表から明らかな如く、この発明方法により
製造した鋼板は、極めて優れた耐水素誘起割れ性
能を示した。 以上述べたように、この発明方法によれば、凝
固時の濃化溶鋼成分の再分配によつて発生するい
わゆる異常偏析(マクロ、セミミクロ偏析)は、
ほぼ完全に防止され、圧延材での異常組織、即ち
低温変態組織および巨大炭窒化物の発生を防止す
ることができ、その結果、特に上記欠陥の影響を
受けやすい耐硫化水素割れ、耐硫化物応力腐食割
れ高強度高靭性鋼において、極めて優れた効果を
得ることができる。なお、この発明方法は、上記
用途のみに限られるものではなく、前述の欠陥を
大なり小なり受ける鋼材板厚方向材質特性、例え
ば、板厚方向の靭性ならびにラミネーシヨン、セ
パレーシヨン特性も大幅に改善することができ
る。
製造した鋼板は、極めて優れた耐水素誘起割れ性
能を示した。 以上述べたように、この発明方法によれば、凝
固時の濃化溶鋼成分の再分配によつて発生するい
わゆる異常偏析(マクロ、セミミクロ偏析)は、
ほぼ完全に防止され、圧延材での異常組織、即ち
低温変態組織および巨大炭窒化物の発生を防止す
ることができ、その結果、特に上記欠陥の影響を
受けやすい耐硫化水素割れ、耐硫化物応力腐食割
れ高強度高靭性鋼において、極めて優れた効果を
得ることができる。なお、この発明方法は、上記
用途のみに限られるものではなく、前述の欠陥を
大なり小なり受ける鋼材板厚方向材質特性、例え
ば、板厚方向の靭性ならびにラミネーシヨン、セ
パレーシヨン特性も大幅に改善することができ
る。
【表】
第1図は凝固開始からの時間と、熱収縮に対す
る補償圧下速度と凝固収縮に対する補償圧下速度
との比を示す図、第2図は(1)(2)式中A=B=1.0
とした理論計算曲線を示す図、第3図はV状フロ
ーパターン発生状態を示す図、第4図、第5図は
適正圧下範囲の補正係数A、Bを示す図、第6図
は鋳片の平均割れ長さとステツプ割れ感受性率を
測定する説明図である。
る補償圧下速度と凝固収縮に対する補償圧下速度
との比を示す図、第2図は(1)(2)式中A=B=1.0
とした理論計算曲線を示す図、第3図はV状フロ
ーパターン発生状態を示す図、第4図、第5図は
適正圧下範囲の補正係数A、Bを示す図、第6図
は鋳片の平均割れ長さとステツプ割れ感受性率を
測定する説明図である。
Claims (1)
- 1 鋼の連続鋳造において、未凝固鋳片の断面積
における軸心部を含む20%以上の領域の鋳造組織
を、前記領域内の溶鋼を電磁攪拌することによつ
て等軸晶化し、かつ、モールドメニスカスからク
レーターエンドに至るストランド長手方向の30〜
100%に相当する領域であつて、且つ、V偏析開
始位置から凝固完了までの範囲において、鋳片を
その厚さ方向に圧下することにより、前記鋳片の
熱収縮および溶鋼の凝固収縮に伴なうストランド
内残溶鋼のクレーターエンド側への移動を防止
し、かくして、V状セミミクロ偏析パターンのな
い鋳片を得ることを特徴とする耐サワーガス特性
に優れた鋼材用鋳片の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13533080A JPS5762804A (en) | 1980-09-30 | 1980-09-30 | Continuous casting method for cast steel ingot having excellent sour resisting characteristic |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13533080A JPS5762804A (en) | 1980-09-30 | 1980-09-30 | Continuous casting method for cast steel ingot having excellent sour resisting characteristic |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5762804A JPS5762804A (en) | 1982-04-16 |
| JPS644868B2 true JPS644868B2 (ja) | 1989-01-27 |
Family
ID=15149237
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13533080A Granted JPS5762804A (en) | 1980-09-30 | 1980-09-30 | Continuous casting method for cast steel ingot having excellent sour resisting characteristic |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5762804A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS594943A (ja) * | 1982-06-30 | 1984-01-11 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | セミマクロ偏析のない連鋳々片製造法 |
| JPS5970444A (ja) * | 1982-10-12 | 1984-04-20 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | セミマクロ偏析のない連続鋳造鋳片の製造方法 |
| JPS6233048A (ja) * | 1985-08-03 | 1987-02-13 | Nippon Steel Corp | 連続鋳造法 |
| US6585799B1 (en) | 1999-04-08 | 2003-07-01 | Nippon Steel Corporation | Cast steel piece and steel product excellent in forming characteristics and method for treatment of molted steel therefor and method for production thereof |
-
1980
- 1980-09-30 JP JP13533080A patent/JPS5762804A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5762804A (en) | 1982-04-16 |
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