JPS644743Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は、デパレタイザーに関するものである。

（従来の技術） 従来、パレツト上に立方体状に積層したクレー
ト群を供給コンベアで中継コンベアまで移送し、
中継コンベア部で先ずパレツトを分離してこれを
パレツト排出コンベアで排出し、次いで最下段の
クレート群から順次上段に向かつてクレート群を
クレート排出コンベアに排出するデパレタイザー
がある。

（考案が解決しようとする課題） かかるデパレタイザーにあつては、最下段のク
レート群から上段のクレート群に向かつて、順次
一段ずつ分離してクレート排出コンベアに排出す
るため、最下段のクレートを挟持開放するキヤツ
チヤーがあり、このキヤツチヤーでクレート群が
挟持されると、クレートとクレートの中間にはさ
まれたクレートが自重によつて落下し、機械の非
常停止が相ついだ。

その落下の原因は、デパレタイザーの両側にあ
るキヤツチアームでささえる力によつてクレート
が変形し、ささえる力を全体に伝えないためであ
る。

又、クレートの側面に凹凸があるものがあり、
この場合、クレートの変形によつてクレートの凹
凸同志が重なり、うまくクレートが分離できなか
つたことにある。

以上の状態は、積載状態が複数列で数段の場合
に生じるものであるが、積載状態が２列複数段の
とき、列毎のクレートの数が少ないので、以上の
ような現象は生じない。

したがつて、本案は、積載状態が例えば３列複
数段のとき、クレートの分離が容易なデパレタイ
ザーを得ると共に、２列複数段のとき、従来と同
様な方法で使用できるデパレタイザーを得ること
を目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本案は、以上の目的を達成するため、デパレタ
イザーを次のように構成するものである。

すなわち、パレツト上に立方体状に積層したク
レート群を供給コンベアで中継コンベアまで移送
し、この中継コンベア部で先ずパレツトを分離
し、次いで最下段のクレート群から上段のクレー
ト群に向かつて一段づつ分離してクレート排出コ
ンベアに向かつてクレートを排出するものにおい
て、中継コンベアの上部に昇降自在で、しかも収
納自在な複数の仕切板を設け、該仕切板は供給コ
ンベアにて移送されてくるクレート群の互いに隣
接する高さ方向のクレート群列間に挿入自在に構
成すると共に、供給コンベアと共に等速で移動
し、かつクレート群の背面を支持する前記仕切板
と直交する方向のプツシユバーを設けたものであ
る。

（実施例） 以下、図面に示す実施例について説明する。

１はパレツトであつて、この上に空クレート２
が立方体状に積層されるもので、かかるパレツト
上の空クレートを供給コンベア３で中継コンベア
４まで移送して、この中継コンベア４部で一段ず
つ空クレートを分離して、クレート排出コンベア
５から空クレート２を排出するようになつてい
る。

中継コンベア４は、リフツター８［図示のもの
では台座の中に隠れている。］で昇降自在であつ
て、下降時にはクレート排出コンベア５に接続さ
れるが、パレツト排出コンベア６にも接続される
ようになつている。

したがつて、中継コンベア４は正逆転可能であ
つて、モーター７によつて駆動されるが、パレツ
ト排出時にはパレツト排出コンベア６側に向かつ
て駆動され、クレート排出時にはクレート排出コ
ンベア５側に向かつて駆動される。

中継コンベア４のある櫓枠９の前後左右にはキ
ヤツチヤーがある。

第２，３図に示す左キヤツチヤー１０のキヤツ
チヤープレート１１は支軸１２で回動自在で、使
用時の直立位置と、これから後退した不使用時の
傾斜収納位置とに切替自在となつていて、縣吊杆
１４′，１４′で櫓枠の天井に枢支懸吊されてい
る。

第１，２，３，４図に示す右キヤツチヤー１３
は懸吊杆１４，１４で櫓枠の天井に枢支懸吊され
た横桁１５に挟持板１６，１６，１６があり、こ
れが第２図に示すバネ１７を介して弾力的に横桁
１５に支持されている。

そして前記懸吊杆１４，１４，１４′，１４′
は、第３図に示すキヤツチヤーシリンダー２７で
左右動するものである。

第１図の如く、前部キヤツチヤー１８はキヤツ
チヤープレート１９を具えたアーム２０が櫓枠９
の上方に枢支されて揺動自在に支持されており、
第１，２図に示すプツシヤーシリンダー２１で前
後動自在である。

後部キヤツチヤー２２は、キヤツチヤープレー
ト２３を具えたアーム２４が櫓枠９の下方に枢支
されて、揺動自在に支持されており、同様に第１
図に示すプツシヤーシリンダー２５で前後動自在
である。

以上のようなキヤツチヤー１０，１３，１８，
２２でクレート群が挟持されるものである。

又、前記した中継コンベア４に向かつて供給コ
ンベア３でクレート群を移送するとき、前記キヤ
ツチヤーに挟持される正しい位置に向かつてパレ
ツトを移動させるために、プツシヤーシリンダー
２６，２６が第２図に示す如く供給コンベア３の
左側にあり、第１図に示す２７はそのプツシヤー
プレートである。

供給コンベア３の下側には、第１図に示す如く
パレツトストツパーシリンダー２８があり、２９
はそのストツパーである。

その他、第１図に示す３０はパレツト排出コン
ベア６の逆流防止ストッパーシリンダーで、３１
はそのストツパー。

ストツパー３１はシリンダーのカムで上下動
し、パレツトが中継コンベア４上に逆流しないよ
うにするためのものである。

又、第２図に示す３２は定位置ストツパーシリ
ンダーであつて、櫓枠９内に移送されたクレート
群を、供給コンベア３を停止させて定位置に停止
させるためのものである。

更に又、第１図に示す３３はクレートストツパ
ーシリンダーであつて、そのストツパー３４でク
レートを１個ずつ分離させるものである。

以上のようなデパレタイザーは、供給コンベア
３の終端部で、プツシヤーシリンダー２６とパレ
ツトストツパーシリンダー２８が作動して、その
プレート２７とストツパー２９でパレツトを正し
い位置に誘導し、しかる後ストツパー２９の下降
で供給コンベア３から櫓枠９内に送り込む。

このとき、すでに中継コンベア４が上昇してい
るので、クレートはパレツト毎、中継コンベア４
上に載る。

載つた位置の規制は、定位置ストパーシリンダ
ー３２で、供給コンベア３の移動を制御して行わ
れる。

かくして中継コンベア４にクレートがパレツト
毎載ると、予め直立位置にある左キヤツチヤー１
０のプレート１１に対向して、キヤツチヤーシリ
ンダー２７が作動して懸吊杆１４，１４，１４′，
１４′を動かし、その挟持板１６，１６，１６で
クレート群の右側を挟持すると共に、第１，２図
のシリンダー２１，２５が作動して、その前後キ
ヤツチヤー２２，１８のキヤツチヤーアーム２
４，２０のプレート２３，１９でクレート群の最
下段の前後を挟持する。かくして、パレツトはフ
リーとなる。

したがつて、中継コンベア４がパレツト１を載
せたまま下降し、パレツト排出コンベア６に対向
すると中継コンベア４が作動して、パレツト１を
パレツト排出コンベア６に向かつて排出せしめる
のである。

パレツトを分離排出した後で、再び中継コンベ
ア４は上昇してクレート群の最下段をうけると、
キヤツチヤー１０，１３，１８，２２が開放し
て、中継コンベア４上に最下段のクレートをフリ
ーとするので、この状態から再びキヤツチヤー１
０，１３，１８，２２が作動して、次の段のクレ
ート群を挟持する。

挟持し終ると、中継コンベア４は下降してクレ
ート排出コンベア５に対向するので、コンベア４
はクレート排出コンベア５側に向かつて作動し
て、クレートをクレート排出コンベア５側に向か
つて排出せしめるのである。

本案は、以上のように作動するデパレタイザー
において、櫓枠９内に昇降する仕切板３５を複数
設け、これと直交する方向にプツシユバー３６を
設けたものである。

なお、キヤツチヤー１８，２２は仕切板が下降
して、それを使用している時は作動しなくてもよ
い。

仕切板３５は前後方向に向き、正面視でＬ字形
をなしている。

そして、その上部のローラ３７，３７は櫓枠９
の前上部に固定されたレール３８に沿つて昇降
し、下部後方の支持金具４７は螺杆３９に螺合
し、モーターＭで駆動されるプリー４０と、歯車
伝動で螺杆３９が駆動されて、不使用時には仕切
板３５を上方に引き上げ、使用時には下降してお
くもので、進行してくるクレート群の高さ方向で
隣接するクレート群間に挿入される。

プツシユバー３６は第１，４図に示す三角形に
配置されたホイール４１，４２，４３、ガイドロ
ーラ４５間に張渡された左右一対のチエーン４
６，４６間に張架されており、モーター４４の作
動でチエーン４６，４６が駆動されるとプツシユ
バー３６は移動するもので、クレートの上部背面
に当接し、クレートの移動に伴つてこれに追従
し、仕切板３５がクレート間に挿入されるに及ん
で、クレートの転倒や荷崩れを防止するようにク
レートを支える。

したがつて、プツシユバー３６の移動は供給コ
ンベア３と同速度で移動するものであり、そのチ
エーンの水平部、つまりホイール４１，４２間に
おいてクレートを支えるもので、クレートが櫓枠
内に入ると、チエーンの斜辺部、つまりホイール
４２，４３間でで引き上げられ、次の直立辺、つ
まりホイール４３，４１間で下降しながら、次の
クレートを待機するようになる。

本案は、以上のように構成されているので、仕
切板によつてクレートは支えられ、クレート同志
で支え合うことがなくなるので、クレートが自重
によつて落下することはない。

したがつて機械の非常停止もなく、仕切板の昇
降によつて多種型式のクレートの分離移送を連続
して行うことができるという特徴がある。

しかも、仕切板３５が必要でないとき、上昇さ
せて収納しておくことができ、従来と同様な方法
でデパレタイザーを使用できる。

（考案の効果） 本案のものによれば、クレート群の互いに隣接
する高さ方向のクレート群列間に仕切板が入るの
で、キヤツチアームでクレート群が挟持されても
クレートが仕切板にさえぎられてクレート同志が
圧縮しあうことはなく、したがつてクレートの分
離をさえぎることはないし、仕切板の挿入時、ク
レート群が動いてもプツシユバーでクレート群の
上部背面を支えるので、クレートの転倒や荷崩れ
は防止される。

何れにしても、仕切板によつてクレート同志で
支え合うことがなくなり、キヤツチアームの力に
よつて変形するやわらかいクレートの処理が可能
である。

又、仕切板を昇降自在として仕切板の使用が必
要でないとき、仕切板を上昇させて収納させてお
くこともでき、従来と同様な方法でもデパレタイ
ザーを使用できるという特徴がある。

具体的には、仕切板は積載状態が３列複数段の
とき、仕切板を列間に挿入してデパレタイズする
ことができるが、仕切板は昇降自在で収納自在で
あるため、積載状態が２列複数段のときは仕切板
を上昇させ収納しておくこともでき、２種の積載
状態に対応可能なデパレタイザーとすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案デパレタイザーの正面図、第２図
は同上平面図、第３図は同上側面図、第４図は本
案デパレタイザーの要部の斜面図である。 ３……供給コンベア、４……中継コンベア、５
……クレート排出コンベア、１０，１３，１８，
２２……キヤツチヤー、３５……仕切板、３６…
…プツシユバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パレツト上に立方体状に積層したクレート群を
   供給コンベアで中継コンベアまで移送し、この中
   継コンベア部で先ずパレツトを分離し、次いで最
   下段のクレート群から上段のクレート群に向かつ
   て一段づつ分離してクレート排出コンベアに向か
   つてクレートを排出するものにおいて、中継コン
   ベアの上部に複数の昇降自在で、しかも収納自在
   な仕切板を設け、該仕切板は供給コンベアで移送
   されてくるクレート群の互いに隣接する高さ方向
   のクレート群列間に挿入自在に構成すると共に、
   供給コンベアと共に等速で移動し、かつクレート
   群の背面を支持する前記仕切板と直交する方向の
   プツシユバーを設けたデパレタイザー。