JPS644612Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、工場ヤード内や建設現場などに設
備される軌道を走行する運搬車あるいは大型クレ
ーン設備、移動式上屋などの走行台車の逸走防止
装置に関するものである。

例えば、第１図で示すような工場建屋Ａの内部
に設けられ、必要に応じ、その工場建屋Ａ内から
引き出して使用するようにした移動式上屋１など
においては、その移動式上屋１の下部に走行台車
２が一体的に組込まれ、この走行台車２を駆動す
ることにより移動式上屋１を移動させるように構
成されているのが一般である。

そして、このような走行台車２は、通常電動機
により駆動され停止制御は、その電動機に連動さ
れるデイスクブレーキ方式などの制動装置により
行うよう構成されている。

ところが、実施例でも紹介したように、移動式
上屋をはじめとし大型の移動式クレーン等の設備
は、それ自体かなりの実量構造物であるため、上
述のように単なるデイスクブレーキなどの制動装
置だけではきわめて不安定である。

ちなみに、上述した移動式上屋１のような場合
は、通常その移動式上屋１内にクレーンなどの吊
荷設備が装備されており、停止位置において吊荷
作業などが行われるものである。

したがつて、停止位置において確実に軌道上で
ロツクされることが必要である。

このような油由で、従来の制動装置のみでは、
きわめて不安定である。

本考案は、このような不安をを解消するため、
より確実な制動装置を組込み、走行台車２すなわ
ち移動式上屋１自体の逸走を防止するように工夫
したものである。

その考案の要旨とするところは、走行台車２の
車輪３の前面で、しかも走行レール４の上面に位
置するところに、クサビ形の逸走防止ブロツク５
を配設するとともに、さらにその逸送防止ブロツ
ク５の上方に、当該逸走防止ブロツク５を吸着す
る電磁石６を固設し、この電磁石６を走行台車２
の走行始動前に附勢し、走行停止直後に附勢を解
除するように構成した制動装置を組込んだもので
ある。

すなわち、走行台車２が走行を停止した場合
は、常にクサビ形の逸走防止ブロツク５が車輪３
の直前に配置され、走行台車２の走行開始直前に
は解除されるように仕組んだものである。

これを、さらに第２図以下に基づいて具体的に
説明すると、次の通りである。

第２図は、逸走防止ブロツク５と、これを吸引
する電磁石６の取り付け位置関係を示すものであ
る。

まず、クサビ形をした逸走防止ブロツク５は、
走行台車２の下面に一体的に取り付けられた車輪
３のケーシング７の前端に設けられたホルダー８
に、支軸９で枢支されている。ホルダー８の側面
には、前記支軸９を枢支する三角形状のガイド孔
１０が穿設され、支軸９は、そのガイド孔１０に
ルーズに枢支されている。

すなわち、逸走防止ブロツク５は、第４図以下
で示すように、ホルダー８に穿設された三角形状
のガイド孔１０の内周縁１０′に沿つて移動でき
るようにして枢支されている。

したがつて、逸走防止ブロツク５が第４図の位
置にあつて、万一走行台車２が前方（図示におい
て左側）に移動すれば、走行台車２の車輪３が第
５図のように逸走防止ブロツク５により制動作用
を受ける。

次に、逸走防止ブロツク５の上方にある電磁石
６を附勢させれば、逸走防止ブロツク５は、第６
図で示すように、走行台車２の走行レール４上面
から電磁石６に吸引されて車輪３の歯止め位置か
ら解除されることになる。

すなわち、走行台車２が走行始動前に、電磁石
６を附勢し、走行台車２の走行停止の直後に、電
磁石６を消勢するようにしておくことにより、走
行台車２の停止時は、車輪３の前に逸走防止ブロ
ツク５が配備され、その停止位置からの逸走を確
実に防止するようにしたものである。

なお、第７図はそのためのシーケンス回路図で
ある。また逸走防止ブロツク５の下面には、走行
レール４の上面に密着するため永久磁石又はゴム
板１１を取り付けてあり、電磁石６の消磁にとも
ない逸走防止ブロツク５が確実に走行レール４上
面に密着配置されるよう工夫されている。

本考案は、以上説明したように、走行台車２が
停止状態にある場合、クサビ形を呈する逸走防止
ブロツク５を、その走行台車２の車輪３の直前、
走行レール４の上面に配設するようにしているた
め確実に停止位置に保持され、走行台車２が逸走
する心配はない。

また、走行台車２をその停止位置から移動し、
前進ないし後進させる場合は、第７図で示すよう
にシーケンス制御に基づき電磁石６を附勢し、走
行レール４上面より、逸走防止ブロツク５を吸引
除去すれば、走行台車２は、自由に走行可能とな
る。

また逸走防止ブロツクは、ボルダーの直角三角
形形状のガイド孔に案内されて動くので、電磁石
を附勢すれば、逸走ブロツクは正の勾配で傾斜し
て上昇するので、極めて短時間に、容易に台車の
ロツクを解除することができる実用的な逸走防止
装置の提供が可能となる。

以上のように、電動機に組込まれたブレーキ装
置以外に、クサビ形の逸走防止ブロツク５を適時
走行台車２の車輪３の前に配置できるような構造
となつているため、冒頭説明したような重量構造
物からなる走行台車２の逸走防止装置としてきわ
めて確実に作動することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は移動式上屋の構造を示す側面図、第２
図は本案逸走防止装置の構造を示す一部破断側面
図、第３図は第２図におけるＸ−Ｘ線縦断正面
図、第４図は本案逸走防止装置における逸走防止
ブロツクが車輪の前方レール上に配置された状態
を示す側面図、第５図は逸走防止として車輪に作
動した状態を示す側面図、第６図は電磁石が附勢
され、逸走防止ブロツクがそれに吸引される状態
を示す側面図、第７図は電磁石に附勢、消勢の制
御を行うシーケンス制御回路図である。 １……移動式上屋、２……走行台車、３……車
輪、４……走行レール、５……逸走防止ブロツ
ク、６……電磁石、７……ケーシング、８……ホ
ルダー、９……支軸、１０……ガイド孔、１１…
…ゴム板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部に支軸９を一体に形成したクサビ形の逸
   走防止ブロツク５と、走行台車２の下面に一体的
   に取り付けられた車輪３のケーシング７と、当該
   ケーシング７に固設された両側面体に支軸９を遊
   嵌する直角三角形状のガイド孔１０を設けたホル
   ダー８と、逸走防止ブロツク５を吸着する電磁石
   ６とを設けてなり、電磁石６の附勢で逸走防止ブ
   ロツク５が車輪３との噛合を外れて走行レール４
   から浮上り、電磁石の消勢で車輪３の前面の走行
   レール４上に載置出来るように形成したことを特
   徴とする走行台車の逸走防止装置。