JPS644444Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、噴霧ノズルに関し、特に噴霧の停止
時にノズルやホースの内部に残つている液体を強
制的に排出するための構造に係る。

１つの噴霧ノズルで複数の液体を交互に噴霧す
る場合で、液体を切り換えるとき、噴霧ノズル内
部やホースの内部の液体を完全に排出する必要が
ある。もしその操作が行われないと、薬液などが
混合状態となり、必要な効能が得られなくなる。
特に噴霧量が微少量であるときに、上記の弊害
は、顕著に現れる。

したがつて本考案の目的は、１つの噴霧ノズル
で複数の液体を別々に噴霧するとき、ある液体に
ついての噴霧を完了した時点で、噴霧ノズルおよ
びそのノズルに接続されたホースなどの内部の薬
液を強制的に排出することである。

上記目的のもとに、本考案は、ある薬液につい
ての噴霧を停止した時点で、噴霧用の圧力空気の
通路を切り換えて、圧力空気を噴霧液の通路に逆
流させ、これによつて噴霧液の通路内の残留液を
外部の容器内に強制的に排出させるようにしてい
る。

以下、本考案の構成および機能を図面に基づい
て具体的に説明する。

まず、第１図は、本考案の噴霧ノズル１によつ
て複数例えば２つの薬液２ａ，２ｂを圧力空気３
によつて噴霧する例を示している。圧力空気３
は、圧力源４によつて発生され、適当な絞り弁５
を経て噴霧ノズル１の供給口８に導かれている。
また上記薬液２ａ，２ｂは、それぞれ容器６ａ，
６ｂの内部に収容されており、それぞれ開閉弁７
ａ，７ｂを経て、共通の取り入れ口９に接続され
ている。

つぎに第２図は、上記噴霧ノズル１の構造を示
している。供給口８および取り入れ口９は、ボデ
イ１０に設けられ、その内部空間に通じている。
このボデイ１０は、内部で弁ケース１１を動き止
め状態で収納しており、また弁ケース１１の小径
部にそつて環状の可動体１２を摺動自在に収納し
ている。上記弁ケース１１は取り入れ口９に通じ
る内部空間でスプリング１３によつて付勢された
弁体１４を摺動自在に保持し、内部のリング１４
ａと対向させている。

一方、ノズル本体１５およびその後端にねじに
より取付けられたキヤツプ１６は、そのキヤツプ
１６の部分で接続ねじ１７により、上記ボデイ１
０に連結される。なお、ボデイ１０と接続ねじ１
７とは、可動体１２に対向するパツキン１８を介
在させた状態でねじ対偶により連結されている。
この連結状態で、可動体１２は、先端でキヤツプ
１６の後端に当たることで、パツキン１８から離
れ、圧力空気３の通過路を開き、また弁体１４
は、筒体１９に当たり、後退することで、薬液２
ａ，２ｂの通路を弁２１内に通じさせている。上
記キヤツプ１６は、その内部に筒体１９をねじに
より固定しており、連通孔２０を噴霧液通路中に
臨ませている。また筒体１９は、内部でパイプ状
の弁２１の後端面と対応する弁シート２２を保持
している。この弁２１は、ノズル本体１５の内部
に達し、ノズル本体１５のシリンダー室３３内で
ピストン２３の中心孔２３ａを貫通し、ピストン
２３および弁２４に固定され、それらと一体化し
ている。なお、ピストン２３は、スプリング２５
によつて図面上左方向つまり前進方向に付勢され
ており、また弁２４は、ノズル本体１５の中心位
置に形成された孔２６に対応し、ピストン２３の
前進時にリング２４ｂでそれを閉じる。

そして、上記パイプ状の弁２１は、ノズル本体
１５の内部に挿入された内筒２７の内部にあつ
て、先端のスリツト２１ａの部分でニードル弁２
８の後端面に当接している。このニードル弁２８
はリング状のパツキン３４を貫通して、内ノズル
３０内に入り、スプリング２９によつて常に右方
向つまり後退方向に付勢されており、先端で内ノ
ズル３０の先端に臨んでいる。また、上記内筒２
７は、外ノズル３１にねじにより固定されてお
り、この外ノズル３１は、内部に内ノズル３０を
収納した状態でノズル本体１５の先端部分にねじ
込みにより固定されている。そして、上記内ノズ
ル３０および外ノズル３１は、ノズル口３２の部
分で同心的に配置されている。

上記組み立て構造により、圧力空気３の通過路
は、点線矢印で示すように、供給口８→ボデイ１
０の内部空間→可動体１２の孔１２ａ→キヤツプ
１６内側と筒体１９の外側との隙間→筒体１９の
孔１９ａ→中心孔２３ａ→孔２６→ボデイ１５の
内側と内筒２７の外側との隙間→孔３１ａ→内ノ
ズル３０と外ノズル３１との隙間の順路でノズル
口３２に通じ得るよう形成される。また、薬液２
ａまたは薬液２ｂは、細線矢印で示すように、噴
霧液通路として、取り入れ口９→弁ケース１１の
内部空間→リング１４ａの中心→連通孔２０→筒
体１９の内部→弁２１の内部→スリツト２１ａ→
内筒２７の内部→内ノズル３０の内部を経てノズ
ル口３２に到達できる状態になる。

つぎに上記噴霧ノズル１の機能を説明する。

圧力空気３が供給口８に供給されていないと
き、ピストン２３は、スプリング２５の押圧力を
受けて、弁２４で孔２６を閉じている。また、弁
２１がニードル弁２８を押し、ニードル弁２８の
テーパ状大径をパツキン３４に接触させて、パツ
キン３４の内部を塞いでいる。

噴霧時に、圧力空気３は供給口８から入り、弁
ケース１１および可動体１２の外周を通つて、筒
体１９の外周の溝を経て、ピストン２３および弁
２４のスリツト２４ａから左側のシリンダー室３
３に入り込み、ピストン２３をスプリング２５の
弾力に抗して後退させる。これによつて弁２４が
孔２６を開放するため、圧力空気３は、その孔２
６から内筒２７の外側を通り、外ノズル３１の孔
３１ａを通過してノズル口３２から噴射される。

このとき、内ノズル３０のノズル口３２の部分
に霧吹きの原理によつて負圧が発生するため、い
ずれかの薬液２ａ，２ｂが取り入れ口９から吸引
されることになる。この状態でパイプ状の弁２１
がピストン２３とともに後退しているため、筒体
１９の内部は、弁２１の内周と弁シート２２との
接触によつて、圧力空気３の通路に開通していな
い。また、ニードル弁２８は、スプリング２９の
力を受けて後退し、小径部分で内ノズル３０内の
パツキン３４に対応しているため、そのパツキン
３４の内部は、開通状態となつている。

この結果、例えば薬液２ａは、取り入れ口９か
ら弁ケース１１の内部に入り、弁体１４の隙間か
ら連通孔２０を通り、パイプ状の弁２１の内部を
経て、内ノズル３０の先端まで導かれ、ノズル口
３２の部分で霧状となつて噴霧される。

必要な量の噴霧が完了し、圧力空気３の供給が
停止させられると、圧力空気３の通過路内で圧力
低下があるため、ピストン２３はスプリング２５
に押されて前進方向に移動し、弁２４のリング２
４ｂで孔２６を閉じる。また、パイプ状の弁２１
は、同じ方向に移動し、後端部分で弁シート２２
から離れるとともに、ニードル弁２８をスプリン
グ２９の弾力に抗して前進させ、大径部分でパツ
キン３４に当たり、その部分を閉じる。したがつ
て、ノズル口３２から液漏れがなくなり、また外
部の空気が入り込むこともなくなる。

ところで、圧力低下後の弱い圧力空気３は、筒
体１９の外側から環状の弁シート２２の内部およ
び連通孔２０の内部を通つて弁体１４の外周壁の
隙間から弁ケース１１の内部に入る過程で、弁ケ
ース１１および取り入れ口９さらに接続パイプの
内部に残留している薬液２ａを逆流させ、容器６
ａの内部に出す。このため、噴霧ノズル１や配管
路中の残留状態の薬液２ａは、完全に容器６ａの
内部に戻される。このような操作の後に、あらた
な薬液２ｂについての噴霧が開始される。

本考案では、噴霧ノズル１の内部の在留薬液が
弱い圧力空気によつて外部に強制的に排出される
から、２以上の薬液が交互に噴霧される場合にお
いても、薬液どうしの混入がなくなり、また残留
薬液がなくなるため、必要な量の薬液の噴霧が正
確に行われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の噴霧ノズルによる噴霧時の配
管図、第２図は本考案の噴霧ノズルの拡大断面図
である。 １…噴霧ノズル、２ａ，２ｂ…薬液、３…圧力
空気、８…供給口、９…取り入れ口、１５…ノズ
ル本体、２１…パイプ状の弁、２２…弁シート、
２３…ピストン、２５…スプリング、２８…ニー
ドル弁、３２…ノズル口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ノズル本体１５のシリンダー室３３の内部にピ
   ストン２３をスプリング２５により進出方向に付
   勢した状態で設け、このシリンダー室３３の前側
   の室を噴霧用の圧力空気３の通過路中に連通さ
   せ、ピストン２３の中心にパイプ状の弁２１を一
   体的に取付けるとともに、圧力空気３の通過路中
   でピストン２３の後方に筒体１９を配置し、この
   筒体１９内の噴霧液通路中に環状の弁シート２２
   を固定し、この弁シート２２にパイプ状の弁２１
   の後端を接離自在に臨ませ、弁シート２２を境と
   して、噴霧液通路と圧力空気３の通過路とを連通
   させてなることを特徴とする噴霧ノズル１。