JPS6119815Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両のウオツシヤ液噴射装置の改良に
関するものである。

従来、一台の車両においては、同一のウオツシ
ヤ液を使用しているにもかかわらず、フロントウ
インド用、リヤウインド用およびヘツドランプ用
のウオツシヤポンプが個々に設定されており、こ
のため、部品点数が多くなるとともに、ウオツシ
ヤ液補充時の作業が繁雑になるという欠点があつ
た。

本考案の目的は上述した欠点に鑑みなされたも
ので、部品点数の削減を図るとともにウオツシヤ
液補充時の作業性の向上を計るようにした車両の
ウオツシヤ液噴射装置を提供するにある。

本考案に係る車両のウオツシヤ液噴射装置は、
軸方向に間隔をおいて設けられた第１のアウトレ
ツトポートおよび第２のアウトレツトポートを有
する外筒と、該外筒内に摺動自在に配置されかつ
前記両アウトレツトポートと対面可能な第１のピ
ストンポートおよび第２のピストンポートを有す
る内筒と、該内筒と外筒間に介装されかつ内筒を
常時一定方向へ付勢するスプリングとからなる分
配器を備えた車両のウオツシヤ液噴射装置であつ
て、前記分配器は、内筒の摺動により、第１およ
び第２のアウトレツトポートが同時に閉塞される
噴射停止状態と、低圧ウオツシヤ液が第１のピス
トンポートから第１のアウトレツトポートに導か
れる第１の噴射状態と、高圧ウオツシヤ液が第２
のピストンポートから第２のアウトレツトポート
に導かれる第２の噴射状態とを有してなることを
特徴とするものである。そして本考案によれば、
ウオツシヤ液の液圧に応じ内筒が摺動して流路が
切替わり、この液圧に応じて所定個所にウオツシ
ヤ液が導かれるので、１個のウオツシヤポンプに
よつて複数個所の洗浄が可能となる。また、内筒
の摺動により、第１のアウトレツトポートを閉塞
すると同時に、第２のアウトレツトポートにウオ
ツシヤ液を導くことができ、流路切替えの応答性
をきわめて良好なものにすることができる。さら
に本考案は、第１および第２のアウトレツトポー
トが同時に閉塞されるウオツシヤ液噴射停止状態
を有しており、ポンプ作動時には流路が確実に閉
塞されるので、液漏れのおそれもない。

また、外筒に設けられるアウトレツトポートを
ウオツシヤ液を導く方向に対応させて周方向に所
定間隔をおいて設けるようにすれば、アウトレツ
トポートからウオツシヤ液を導くウオツシヤ液導
出路を屈曲させることなく、導出管路を最短状態
で配設できるので、管路抵抗を最小限に抑えるこ
とができるとともに、導出管路の配置スペースを
小さくすることができる。

以下、図に示す実施例を用いて本考案の詳細を
説明する。

第１図は車両のウオツシヤ液噴射装置の全体系
統図である。モータ１により回転されたウオツシ
ヤポンプ２はウオツシヤタンク９内のウオツシヤ
液を吸引し、さらに該ウオツシヤ液を、ホース
３、分配器４を通つて、ノズル５，６へ圧送する
ように構成されている。なお、前記モータ１の
ON，OFFは、スイツチ７，８により行うように
なつており、該モータ１の回転数は前記スイツチ
７，８により使い分け、ウオツシヤ液の圧力を２
段階にわけている。

第２図ａないしｃは前記分配器４の一実施例を
示す拡大断面図である。同図ａはウオツシヤポン
プが作動していない状態を示し、また同図ｂはノ
ズル５に低圧のウオツシヤ液を圧送している状態
を示す図で、さらに同図ｃはノズル６に高圧のウ
オツシヤ液を圧送している状態を示す図である。
この分配器４は、外筒１０、内筒１１およびスプ
リング１２とから構成されており、外筒１０は、
その周面部において軸方向に間隔をおいて第１、
第２のアウトレツトポート１０ａ，１０ｂが設け
られていると共に、左側端部にはインレツトポー
ト１０ｃが設けられた構造となつている。また、
前記内筒１１は、前記外筒１０内に摺動自在に配
置されており、その周面部には軸方向に間隔をお
いて第１、第２のピストンポート１１ａ，１１ｂ
が設けられている。そして、該第１のピストンポ
ート１１ａが前記第１のアウトレツトポート１０
ａと対面可能に形成されており、また第２のピス
トンポート１１ｂが前記第２のアウトレツトポー
ト１０ｂと対面可能に形成されている。なお、該
第１のピストンポート１１ａと第２のピストンポ
ート１１ｂ間の間隔寸法は、前記第１のアウトレ
ツトポート１０ａと第２のアウトレツトポート１
０ｂ間の間隔寸法と異なるよう設定されており、
したがつて、前記第１のピストンポート１１ａと
第１のアウトレツトポート１０ａ、第２のピスト
ンポート１１ｂと第２のアウトレツトポート１０
ｂとは同時に対面することのないよう構成されて
いる。一方、前記スプリング１２は、外筒１０の
右側端部内面と内筒１１の右側端部外面との間に
介装されており、ウオツシヤポンプ２が作動して
いない状態においては、前記スプリング１２の弾
性力により内筒１１は第２図ａに示すごとく左側
に押しやられ、これによつて該第１のピストンポ
ート１１ａと第１のアウトレツトポート１０ａ、
第２のピストンポート１１ｂと第２のアウトレツ
トポート１０ｂはいずれも対面しないよう構成さ
れている。

次に、作用を説明する。まず、ウオツシヤポン
プ２により圧送されたウオツシヤ液は、外筒１０
のインレツトポート１０ｃ、内筒１１の開口部１
１ｃを通つて、該内筒１１の内部に入る。そし
て、この時のウオツシヤ液の水圧によつて、スプ
リング１２は圧縮され、これによつて内筒１１は
右方へ移動することになる。しかるに、ウオツシ
ヤ液の水圧が低い場合は、スプリング１２の縮ま
る量は少ないため、内筒１１は、同図ｂに示す如
く、その第１のピストンポート１１ａが第１のア
ウトレツトポート１０ａの位置にきたところで停
止することになる。したがつて、この時のウオツ
シヤ液は、第１のピストンポート１１ａおよび第
１のアウトレツトポート１０ａを通つて、ノズル
５へ送られることになる。一方、ウオツシヤ液の
水圧が高い場合は、スプリング１２の縮まる量が
多いため、内筒１１は、同図ｃに示す如く、その
第２のピストンポート１１ｂが第２のアウトレツ
トポート１０ｂの位置にきたところで停止するこ
とになる。したがつて、この時のウオツシヤ液
は、第２のピストンポート１１ｂおよび第２のア
ウトレツトポート１０ｂを通つてノズル６へ送ら
れることになる。

しかるに、分配器４の右室１３内のウオツシヤ
液は、内筒１１が右方へ移動した時に、その容積
減少分だけ第２のアウトレツトポート１０ｂから
排出されるようになつており、また、第２図ｂの
状態から同図ａの状態に戻る時、内筒１１内のウ
オツシヤ液は、第１のアウトレツトポート１０ａ
およびインレツトボート１０ｃから容積減少分だ
け排出されることになる。なお、この排出量はわ
ずかであり、かつ分配器４からノズル５，６間の
ホース内の空気分を満たす程度の量であるため、
ノズル５，６からの不必要なウオツシヤ液の洩れ
はない。

第３図はウオツシヤポンプ回転数と吐出圧との
関係を示した図である。なお、この図において、
S₁はスイツチ７を押した場合を示しており、低圧
のウオツシヤ液が得られる。また、S₂はスイツチ
８を押した場合を示しており、高圧のウオツシヤ
液が得られる。よつて、ウオツシヤポンプ回転数
の違いにより、吐出圧が異なることがわかる。そ
して、このウオツシヤ液の水圧の違いを分配器４
により感知し、ノズル５またはノズル６のいずれ
かにウオツシヤ液を送ることができる。またウオ
ツシヤ液の分配はスイツチにより自動的に行なわ
れるため、使用性が向上することになる。

なお、上述した実施例においては、内筒１１に
２個のピストンポート１１ａ，１１ｂを設けた構
成となつているが、このピストンポートの数は１
個だけであつてもよく、このような構成としても
上述した実施例と同様の効果を期待できる。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、部品点数の削減を図ることができるととも
に、ウオツシヤ液補充時の作業性の向上を図るこ
とができる。また流路切替え時の応答性が非常に
良好であるとともに、液漏れのおそれもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わる車両のウオツシヤ液噴
射装置の全体系統図、第２図ａは分配器の一実施
例を示す拡大断面図、同図ｂ，ｃは動作説明図、
第３図はウオツシヤポンプ回転数と吐出圧との関
係を示す図である。 ４……分配器、１０……外筒、１０ａ……第１
のアウトレツトポート、１０ｂ……第２のアウト
レツトポート、１１……内筒、１１ａ……第１の
ピストンポート、１１ｂ……第２のピストンポー
ト、１２……スプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 軸方向に間隔をおいて設けられた第１のアウ
   トレツトポートおよび第２のアウトレツトポー
   トを有する外筒と、該外筒内に摺動自在に配置
   されかつ前記両アウトレツトポートと対面可能
   な第１のピストンポートおよび第２のピストン
   ポートを有する内筒と、該内筒と外筒間に介装
   されかつ内筒を常時一定方向へ付勢するスプリ
   ングとからなる分配器を備えた車両のウオツシ
   ヤ液噴射装置であつて、前記分配器は、内筒の
   摺動により、第１および第２のアウトレツトポ
   ートが同時に閉塞される噴射停止状態と、低圧
   ウオツシヤ液が第１のピストンポートから第１
   のアウトレツトポートに導かれる第１の噴射状
   態と、高圧ウオツシヤ液が第２のピストンポー
   トから第２のアウトレツトポートに導かれる第
   ２の噴射状態とを有してなることを特徴とする
   車両のウオツシヤ液噴射装置。 (2) 前記外筒に設けられるアウトレツトポート
   は、周方向に間隔をおいて設けられていること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の車両のウオツシヤ液噴射装置。