JPS644417Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は積層型カートリツジフイルター、特
に原液側、液側におけるシール並びに原液流通
路側の積層間に原液スペーサを設けた構造に関す
るものである。

従来の積層型カートリツジフイルターは、第１
図ないし第４図に示す如くであり、第１図、第２
図に示すものはプラスチツクからなる円板状の支
持板１の中央に上下に連通した連通部２を設け、
この支持板１の上下に多孔質薄膜からなる過膜
３を重ね、各過膜３を外周シール部４、内周シ
ール部５により支持板１に溶着等の手段で接着し
てデイスク６を形成し、このデイスク６を積層し
各連通部２の上下を溶着してユニツトを構成して
いた。また最下端のデイスク６の連通部２は閉鎖
し、上端のデイスク６の連通部２はハウジング７
の蓋８の液出口９に接続して形成していた。

そして原液はハウジング７の下部の原液入口１
０からハウジング７内に流入し、各デイスク６の
上下の過膜３を透過して過され、支持板１に
設けた溝や透孔などを経て連通部２に流出し、
液を出口９から出すのである。

なお、第１図中１０′は空気抜孔で過中は閉
鎖しておく。

上記のように、従来のフイルターではあらかじ
め過膜３を接着したデイスク６同志を接着する
必要があるため、デイスク６間に必要以上の間隔
があき、またその接着方法および接着部の構造を
適切にしないとシール部から漏洩をおこす恐れが
あり、そのため必要以上にデイスク同志の連結部
が大きくなつて体積当りの過面積が大きくとれ
ないなどの問題があつた。

また、他の積層型カートリツジフイルタは第３
図の如く、ドーナツ状の過膜３を形成し、過
膜３の外周４′、内周５′を交互に接着したもので
あり、この構成によれば、膜の収縮効率は非常に
良いが原液側の膜同志が接触するため、高粘度の
液体では原液が入りにくく、気泡が抜けにくく、
さらに過膜が内周側におされ破れる危険等があ
るなどの問題があつた。

これらの問題を解決するために改良型として第
４図に示す如く、各デイスク間の原液流通路の内
周側にリングを介在させる構成が提案された。

しかし、この構成においても過膜３の原液流
通路の外周側同志が接触しやすくなり、この接触
を防止するためにリングを大径のものにすれば、
過膜３の原液との接触面積が減少する等多くの
問題があつた。

この考案は上記のような従来の積層型カートリ
ツジフイルターの問題点を解消するためになされ
たものであり、デイスクを構成する支持板の上下
に重ねる過膜を支持板に接着せず、過膜同志
を接着してシールすることにより、上下のデイス
ク間の間隔を狭くして体積当りの過面積を大と
し、更に原液流通路側に第７図ないし第９図に示
すようなスペーサを設けたことを特徴とするもの
である。

以下この考案の積層型カートリツジフイルター
の実施例を第５図ないし第１２図にもとづいて説
明する。

最初に、第５図に示す如く例えば３〜0.01μ孔
径の多孔質四弗化エチレン樹脂（PTFE）のよう
な材料からなる膜で円板状の過膜１１を作り、
その中央に孔１２を設ける。このような過膜１
１の２枚の間に原液スペーサＳを介在してその内
周シール部１３を熱融着により接着して一体とす
る。

上記のような過膜１１、スペーサＳ、過膜
１１の一体物を多数作つておき、第６図に示す如
くプラスチツク製の支持板１４を挾み、第１０図
のように上下の過膜１１の外周シール部１５を
支持板１４を挾んで熱融着により接着する。

前記したスペーサＳは第７図ないし第９図に示
す如く、多数の腕板ａ……を形成し、その外端部
S′をハウジング２１の内壁近くまで延長して形成
したものである。

そのため各腕板ａ……間は大なる空隙部を形成
し、原液の流路抵抗を減少させるものである。

第７図のものは腕板ａを細く形成したもの、第
８図のものは腕板ａをやゝ太く形成したものであ
り、また第９図のものは周縁部を円弧状に切り欠
け部ｂを形成して空隙部としたものである。

なお、スペーサＳの厚み、空隙部等の大きさは
原液の粘度等に応じて自由に変更することができ
るのである。

またスペーサＳの外端部S′をハウジング２１内
壁近くまで形成させるのは、積層したエレメント
がハウジング内での振動等をするのを防止するも
のである。

支持板１４は第１０図、第１１図に示すように
両面に溝１６を有し、この溝１６が中央の連通孔
１８に通じている構造とする。また上下の支持板
１４の中央の連通孔１８は第１１図のように下端
を閉鎖し、周壁に多数の孔１７を有するセンタコ
ア１９に嵌合して重ね、最下端の支持板１４はそ
の下面の過膜１１と共にセンタコア１９の下端
の鍔２０により支持させ、この最下端の過膜１
１の内周は最下端の支持板１４に接着してシール
する。

従つて最下端においてはセンタコア１９と過
膜１１間のシールは完全にする必要がある。

また、上端の過膜の内周も上端の支持板１４
に接着してシールし、かつ上端の支持板１４の中
央の連通孔１８はセンタコア１９に接着してシー
ルを完全にする。

２１はハウジングで、２２はその蓋であり、こ
の蓋２２の中央の孔にセンタコア１９を接着して
その上端を液出口２３とし、ハウジング２１の
下部に原液入口２４を設け、蓋２２に空気抜孔２
５を設ける。

この考案の積層型カートリツジフイルタは上記
の構成であり、ハウジング７の原液入口２４から
ハウジング２１内に流入した原液は各支持板１４
の上下の過膜１１を透過して過され、支持板
１４に設けた溝１６を経て中央の連通孔１８から
センタコア１９の孔１７を通りセンタコア１９内
に入り、上端の出口２３から出ていくのである
が、この考案の積層型カートリツジフイルタは上
述の如くであり、過膜３の外周と内周との交互
に接着するジヤバラ型のカートリツジフイルタの
利点を生かすと共に、過膜３同志が接触するこ
とによる原液流路抵抗を原液スペーサにより減少
するものである。また原液スペーサの各腕板の外
端部をハウジング内壁近くまで延長させているの
で積層せる各エレメントの振動等を防止すること
ができる等の効果を有するのである。

なおこの考案においてスペーサＳ、支持板１
４、ハウジング２１の材質としては、四弗化エチ
レン樹脂（PTFE）、四弗化エチレン−六弗化プ
ロピレン共重合体（FEP）、エチレン−四弗化エ
チレン共重合体（ETFE）、パーフルオロアルコ
キシ樹脂（PFA）等の弗素樹脂が用いられる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は従来の積層型カートリツ
ジフイルターを示すものであり、第１図は縦断面
図、第２図は同上の横断面図、第３図と第４図は
要部側面図である。第５図ないし第１２図はこの
考案の積層型カートリツジフイルターを示すもの
で、第５図と第６図は組立工程を示す要部側面
図、第７図ないし第９図は原液スペーサの平面
図、第１０図は過膜の外周を接着した側面図、
第１１図は組立后の縦断面図、第１２図は同平面
図である。 １１……過膜、１２……孔、１３……内周シ
ール部、１４……支持板、１５……外周シール
部、Ｓ……原液スペーサ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 中央部に連通孔を有する複数の支持板を適当
   間隔で積層すると共に中央の連通部を連通さ
   せ、各支持板の両面を多孔質の濾過膜により被
   覆した構成において、積層両端部を除き内周、
   外周のシール部は全て濾過膜同志の接着により
   シールされている各エレメントの原液流通路側
   の積層間に多数の腕板を形成した原液スペーサ
   を設けたことを特徴とする積層型カートリツジ
   フイルター。 (2) 原液スペーサを弗素樹脂で形成したことを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   積層型カートリツジフイルター。 (3) 原液スペーサの外端部をハウジングの内壁近
   くまで延長したことを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の積層型カートリツジフ
   イルター。