JPS644024Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、無塵室または無菌室となるクリー
ンルームにおける天井装置に関するものである。

〔従来技術および問題点〕

この種の天井装置は、吊りボルトにより格子状
に支持された取付フレームに、複数のフイルター
パネルを取付支持して構成したものである。そし
て、取付フレームとフイルターパネルとの間は、
確実にシールする必要がある。

そのため従来は、不乾性シール材を使用して取
付フレームとフイルターパネルとの間をシールす
るものが知られている。しかしこの不乾性シール
材は、粘体であるためシール材自体の固定が面倒
であると共に、フイルターパネルの取付作業が面
倒であつた。またフイルターパネルの取替時、移
設・増設時などに、シール材の布き取りおよび打
ち直しが必要であり、この取替・移設・増設作業
に手間がかかる等の問題点があつた。

〔考案の目的〕

この考案は、前述した事情に鑑み創案されたも
ので、その目的はフイルターパネルの取付フレー
ムへの取付けおよび取外し作業が簡単に行なえ、
かつ確実に取付フレームとフイルターパネルとの
間をシールできるクリーンルーム用天井装置を提
供することにある。

〔考案の構成〕

この考案によれば複数並設されている取付フレ
ーム間でかつ長手方向に複数取付けられるフイル
ターパネルと取付フレームとの間のシールは、取
付フレームの支持部に設けられており、フイルタ
ーパネルのパネル枠下端面に当接可能なパツキン
材からなる シール部と、パネル枠の周側端か
ら突出した気密片下面に当接する可塑性磁石から
なる支持部との２個のシール部で行ない。そして
フイルターパネル間のシールは、両パネル枠下端
面に当接するパツキン材が設けられている押縁板
を、フイルターパネルの気密片に螺合するボルト
により締付けてシールする目地シール部で行ない
取付フレームに、設備器具が天井内となるように
取付けられる設備器具収納部を形成したものであ
る。

〔実施例〕

以下この考案を図示する実施例によつて説明す
る。

天井装置１は、建物構造体（図示せず）へ吊り
ボルト２により吊着されて複数並設され、この並
設間でかつ長手方向に複数のフイルターパネル３
が取付けられる長尺材の取付フレーム４と、フイ
ルターパネル３，３間のシールをする目地シール
部５とからなつている。この天井装置１により取
付けられるフイルターパネル３の周縁パネル枠３
ａ下端面には、下方に突出する突条部３ｂを有す
る段差部３ｃが、パネル枠３ａ周側端面には、そ
の端面から突出してスチールアングル３ｄがそれ
ぞれ設けられている。

取付フレーム４は、設備器具６が取付けられる
設備器具収納部７と、この設備器具収納部７の上
端部に形成され吊りボルト２の下端部に設けられ
ている吊着片２ａが挿入される吊着溝８と、設備
器具収納部７を挟んで両側下端に突設されフイル
ターパネル３を支持する支持部９とからなつてい
る。（第２図参照） 設備器具収納部７は、設備器具６が天井内１０
となるように室内１１側へ向つて拡く開口した断
面略ハ字状の溝に形成されている設備器具取付部
１２と、この設備器具取付部１２の上部に形成さ
れた断面略逆凹状の溝で、溝内に設備器具６用の
破線支持部１３および上端部に吊着溝８を有する
配線収納部１４とからなつている。そして設備器
具取付部１２と配線収納部１４との境目突設され
ている両突片１５，１５に、取付けられる取付板
１６により、螢光灯等の設備器具６が取付けられ
る。

この設備器具収納部７の下端部に支持部９が設
けられている。

支持部９は、フイルターパネル３のパネル枠３
ａ、段差部３ｃおよび突条部３ｂに当接可能なシ
ール部１８と、フイルターパネル３のスチールア
ングル３ｄの室内１１側下面に当接可能な支持部
２０とからなつている。そしてシール部１８は設
備器具取付部１２と反対側端部上面に形成されて
いるリツプ溝９ａに嵌着されているゴムパツキン
１７から、また支持部２０はシール部１８のリツ
プ溝９ａと設備器具取付部１２との間に嵌着され
ている可塑性磁石１９からなるものである。

このような取付フレーム４が複数並設され、そ
の両支持部９，９間にフイルターパネル３が載置
される。この時、フイルターパネル３の自重によ
るパネル枠３ａ、段差部３ｃのシール部１８への
押圧力と、パネル枠３ａ側端面のスチールアング
ル３ｄと支持部２０との磁力に吸着力で、取付フ
レーム４とフイルターパネル３とが固定されると
共にシールされる。また、パネル枠３ａの段差部
３ｃによりフイルターパネル３の下端面と取付フ
レーム４の下端面とが同一面となる。

そして取付フレーム４の長手方向に複数のフイ
ルターパネル３が取付けられ、フイルターパネル
３，３間は、目地シール部５によりシールされ
る。

目地シール部５は、相対向した両パネル枠３
ａ，３ａの両段差部３ｃに当接可能なパツキン材
２１が上面に設けられている押縁板２２と、この
押縁板２２およびパツキン材２１を螺通し一方側
パネル枠３ａ側端面に突設されているスチールア
ングル３ｄに螺合するボルト２３とからなつてい
る。（第３図参照） そしてこの目地シール部５によるフイルターパ
ネル３，３間のシールは、ボルト２３で押縁板２
２をパネル枠３ａ下端面側に締付け、パネル枠３
ａ下端面にパツキン材２１を押圧することで行な
う。

このように取付フレーム４へフイルターパネル
３を取付けた後、螢光灯等の設備器具６を取付け
フレーム４の設備器具収納部７に取付ける。

第４図、第５図は、取付フレーム４と目地シー
ル部５との交差部Ｃを示す詳細図である。

この交差部Ｃでは、目地シール部５のパツキン
材２１が両パネル枠３ａの段差部３ｃへ押圧する
と共に、取付フレーム４の支持部９に設けられて
いるシール部１８であるゴムパツキン１７に押圧
することでシールされる。

なおこの天井装置１のモジユール寸法を900mm
とすれば、室サイズ・平面形への対応がしやす
く、壁パネルとの取合も良好となる。

〔考案の効果〕

この考案は、以上のような構成からなり、次に
述べる効果を有する。

フイルターパネルの周縁パネル枠下端面に当
接するパツキン材でなるシール部と、パネル枠
側端面に突設されている気密片に当接する可塑
性磁石でなる支持部とをフイルターパネルの取
付フレームに設けたものである。そのためフイ
ルターパネルをシール部および支持部に載置す
るだけで、フイルターパネルの自重および可塑
性磁石とスチールアングルとの磁力吸着力によ
り簡単に取付けることができ、また逆に簡単に
取外しもできる。さらにフイルターパネルと取
付フレームとの間を確実にシールすることがで
きる。

取付フレームには、設備器具取付部および配
線収納部を有する設備器具収納部が、一体に形
成されている。そのためフイルターパネルを取
付フレームに載置取付後、設備器具を取付フレ
ームやフイルターパネルに何ら影響を与えず
（設備器具取付用および配線用の貫通部を取付
フレームに設ける必要がなく貫通部をシールす
る必要もない等）簡単に取付けおよび取外し作
業を行なえるので、たてえ天井施工業者と設備
業者とが異なる場合でも設備業者は設備器具を
取付けるだけですむので責任施工を行なえる。

ととから移設、増設への対応が簡単にで
きる。

取付フレームの支持部に当接すべき、フイル
ターパネルのパネル枠下端面は、段差部に形成
されているため、取付フレーム下端面とフイル
ターパネル下端面とが同一面となる。このこと
と取付フレームの設備器具収納部は、設備器具
を天井内となるように取付けられることで、フ
イルターパネルの下方に障害物がなくフイルタ
ーパネルからの気流が乱れることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の天井装置を示す平面図、第
２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は第１図
のＢ−Ｂ線断面図、第４図は第１図のＣ部詳細
図、第５図は第４図のＤ−Ｄ線断面図である。 １……天井装置、２……吊りボルト、２ａ……
吊着片、３……フイルターパネル、３ａ……パネ
ル枠、３ｂ……突条部、３ｃ……段差部、３ｄ…
…スチールアングル、４……取付フレーム、５…
…目地シール部、６……設備器具、７……設備器
具収納部、８……吊着溝、９……支持部、９ａ…
…リツプ溝、１０……天井内、１１……室内、１
２……設備器具取付部、１３……配線支持部、１
４……配線収納部、１５……突片、１６……取付
板、１７……ゴムパツキン、１８……シール部、
１９……可塑性磁石、２０……支持部、２１……
パツキン材、２２……押縁板、２３……ボルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) クリーンルームの天井を構成する複数のフイ
   ルターパネルが取付けられる天井装置であり、 設備器具が天井内となるように取付けられる
   設備器具取付部およびこの設備器具取付部の上
   部に形成され設備器具の配線が収納される配線
   収納部とを有する設備器具収納部と、この設備
   器具収納部の上端部に設けられ建物構造体から
   の吊りボルトに吊着される吊着部と、前記設備
   器具収納部を挟んで両側下端部に設けられてお
   り、前記フイルターパネルの周縁パネル枠下端
   面に当接するパツキン材からなるシール部およ
   び前記フイルターパネルのパネル枠周側端から
   突出したスチールアングルの下面に当接する可
   塑性磁石からなる支持部とからなる長尺材の取
   付フレームを複数並設し、この取付フレーム間
   でかつ取付フレーム長手方向に前記複数のフイ
   ルターパネルを取付支持してなることを特徴と
   するクリーンルーム用天井装置。 (2) 取付フレームの長手方向に複数取付けられた
   フイルターパネル間のシールは、両パネル枠下
   端面に当接可能なパツキン材が上面に設けられ
   ている押縁板と、この押縁板およびパツキン材
   を螺通しパネル枠のスチールアングルに螺合す
   るボルトとからなり、前記ボルトを締付けるこ
   とで前記パツキン材が両パネル枠下端面に押圧
   する目地シール部で行うことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のクリーンルー
   ム用天井装置。 (3) フイルターパネルの周縁パネル枠下端面に
   は、取付フレームへの取付け時に、フイルター
   パネルの下端面と取付フレームの下端面とが同
   一面となるように段差部を有することを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載のクリ
   ーンルーム用天井装置。