JPS643577Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、キヤリヤレスタイプの自動半田付
装置に適用されるプリント基板移送爪の洗浄装置
に関する。

周知の如く、この種のキヤリヤレスタイプの自
動半田付装置はいわゆるストレート型の半田付装
置であつて、基板移送経路の両側に沿つてチエー
ンコンベア等に取付けられた所要数のプリント基
板の移送爪を水平方向に旋回駆動可能に設け、こ
の移送爪上に載置保持された部品仮固定後のプリ
ント基板を移送経路の始端から終端に向け搬送す
ることにより、（フラツクスの塗布→予備加熱→
半田デイツピング→強制冷却等の後処理）のよう
に一連の半田付け処理工程を順次シリーズで行う
ようにしたもので、搬送するプリント基板のサイ
ズに応じてその保持幅を任意に調節することが可
能であり、一台の装置により各種サイズの基板を
処理できるため例えば多品種少量生産用の装置と
して広く用いられている。

ところで、このような半田付装置においては、
フラツクスの塗布工程で基板移送爪のプリント基
板載置位置周辺にフラツクスが付着残留するた
め、これを放置しておくと以後の半田付過程で該
載置位置周辺にフラツクスが順次積層固着し、こ
れにプリント基板を載置した場合に固着したフラ
ツクスによつて基板が左右に段違いになつたり、
あるいは位置ズレ状態で支持され、極端な場合は
搬送過程でプリント基板が移送爪から脱落するな
どの不具合が生じ、更には移送爪の数を順次カウ
ントしつつ各部の動作制御を行うような場合に、
フラツクスの付着によつて移送爪のカウントが困
難となり良好な動作制御が行えなくなるといつた
問題が生ずる。そこで、フラツクス塗布工程で移
送爪に付着したフラツクスを常時洗浄除去する操
作が必要となる。

従来のこの種移送爪に適用される洗浄装置は、
例えば第１図に示すように、装置両外側部の移送
爪１…の移動経路の復路下方の所定位置に洗浄液
が充填された槽２を設置するとともに、その上方
に軸筒３の外周面にナイロン等からなるブラシ４
を植設した洗浄体５を該ブラシ４が移送爪１の先
端部６を摺接回転可能となるように枢着し、かつ
ブラシ４の略下半分を槽２の洗浄液中に浸漬し、
洗浄体５の矢印１００方向すなわち移送爪１…の
進行方向と逆向きの回転駆動により槽２内の洗浄
液をブラシ４によつて先端爪部６に供給してこれ
に付着したフラツクスをその間で洗浄操作するよ
うにしたものである。しかしながらこれによると
軸筒３にブラシ４を単純に植設しただけのもので
あるため、ブラシ４に供給された洗浄液が洗浄体
５が先端爪部６に回転する間にそのほとんどが槽
２内に流下散逸してしまい、洗浄液がブラシ４に
十分に行きわたらず先端爪部６…に十分な量の洗
浄液が供給されないことになり、その結果良好か
つ十分な洗浄効果が得られないという欠点があつ
た。

この考案は、キヤリヤレスタイプの半田付装置
において、移送爪による基板移送を停止させるこ
となく、移送爪を連続移動させながらその移動経
路復路上で爪先端部を洗浄液槽内へ順次連続して
確実に浸漬・洗浄することができ、しかも、爪先
端部の洗浄液槽内への浸漬・洗浄動作が移送爪自
体の自重による回動傾斜・その案内復帰のみによ
つて連続移動過程で順次スムーズにかつ確実に行
える洗浄効果の高い洗浄装置を提供することを目
的とするもので、以下この考案の一実施例を第２
図以下の図面を用いて詳細に説明する。

第２図は本考案が適用されるキヤリヤレスタイ
プの半田付装置の一例を示すもので、プリント基
板の移送経路Ａに沿つてその始端から終端に向け
ポストフラツクスの塗布を行うフラクサ１０、プ
リヒートを行う予備加熱装置１１、半田デイツプ
を行う半田槽１２、および冷却フアン等からなる
冷却ユニツト１３がこの順で直列状に配置されて
いる。

移送経路Ａの両側の長手方向両端位置に各一対
のギヤ１４，１４および１５，１５が水平方向に
回転可能に支持されており、このギヤ１４，１５
間にチエーンコンベヤ１６，１６が無端状に巻装
されている。このチエーンコンベヤ１６，１６の
外側部全周に沿つて所要数のプリント基板の移送
爪１７…が長手方向に所定ピツチを有して取付け
られており、図外の駆動用のモータの駆動により
チエーンコンベヤ１６，１６に牽引駆動されて移
送経路Ａの両側に沿い矢印１０１で示す如く水平
方向に無端状に旋回駆動されるようになつてい
る。

この移送爪１７は第３図に示すように、略Ｌ状
に折曲形成されるとともに、その上端部が、一端
がチエーンコンベヤ１６に固定された逆Ｌ状をな
す取付金具１８の下端部にヒンジ１９によつて該
コンベヤ１６の内方にこのヒンジ１９を支点とし
て所要範囲で折曲回動可能となるように支持され
ている。この移送爪１７の先端Ｌ状突出端部には
プリント基板２０が載置保持される段部２１が切
欠形成されており、この段部２１上に載置された
プリント基板２０が移送爪１７…の移動と共に移
送経路Ａに沿つてその始端から終端に向け搬送さ
れその間で一連の半田付け処理工程が順次行われ
るようになつている。移送経路Ａの両側には各一
対のガイド部材２２，２２が、移送爪１７…を両
側から挾むように該経路Ａの始端から終端にわた
つて所定長さを有して配設されている。そして移
送爪１７…はこのガイド部材２２，２２間にガイ
ドされて移送経路Ａに沿い移動案内されるととも
に、その間でそのＬ状先端部がプリント基板２０
を保持した水平状態に保持されるようになつてい
る。

第４図は移送爪１７の詳細およびその動作状態
を例示するもので、この移送爪１７は上記移送経
路Ａの終端位置に移動案内されガイド部材２２，
２２から離脱すると、その自重によつてＬ状先端
部が仮想線で示す水平位置からヒンジ１９を中心
として下方に所定角度θで回動傾斜するようにな
つている。

一方、移送爪１７の上記矢印１０１に沿う移動
経路の復路下方の所定位置には洗浄液が充填され
た槽２３が該移動経路に沿うように設置されると
ともに、この移動経路の槽２３の入口側と出口側
とには夫々移送爪１７の導入用のガイド２４，２
４と導出用のガイド２５，２５とが各一対で配置
されている。

以上の構成において、ガイド部材２２，２２か
ら離脱して矢印１０１で示す如く移動経路の復路
を上記傾斜状態で移動する移送爪１７が槽２３の
近傍に達すると、第５図に示すように、先ずその
基端側が導入用のガイド２４，２４間に挿入ガイ
ドされてそのＬ状先端部が水平となつた第３図に
示す状態に回動復帰して槽２３内に送り込まれ、
次いでガイド２４，２４間を離脱してその自重に
より上述の如く再びヒンジ１９を中心に下方に角
度θで回動傾斜する。これによつてその先端部が
槽２３内の洗浄液中に完全に浸漬される。そして
移送爪１７は、この浸漬状態で槽２３の一方端方
向に移動し、その過程で上記フラツクス塗布工程
で先端部の段部２１周辺に付着残留したフラツク
スが洗浄液の作用により溶化され完全に洗浄除去
される。この槽２３の一方端近傍に達した移送爪
１７は、次いでその基端側が導出用のガイド２
５，２５間を通過ガイドされることにより再び上
記のようにその先端部が水平となるように回動復
帰して槽２３内から移動経路の復路後方に送り出
される。かくして付着したフラツクスが完全に洗
浄除去され清浄化された移送爪１７が、上記基板
移送経路Ａの始端に向け移動され次のプリント基
板の搬送動作に備える。この場合、本例によれ
ば、移送爪１７のＬ状先端部が上記回動傾斜によ
り槽２３内の洗浄液中に完全に浸漬されるため、
従来のような洗浄液の槽中に浸漬されたブラシを
移送爪の先端部等と単純に摺接回転させるのみの
ものに比べてフラツクスによる汚損箇所に洗浄液
が十分な量で完全に行きわたることになり、確実
で良好な洗浄作用が得られる。また本例によれ
ば、傾斜状態で移動する移送爪１７が導入用のガ
イド２４，２４と導出用のガイド２５，２５とに
よつていつたん水平状態に回動復帰した後、槽２
３内に送り込まれ、かつこれより送り出されるた
め、その先端部が槽２３の導入側と導出側との各
周壁等に衝当するといつた不具合もなく、移送爪
１７の槽２３に対する送り込みおよび送り出しが
スムーズに行える。

なお、確実かつ良好な洗浄作用を得るという点
で槽２３の上記移動経路に沿う長さは移送爪の先
端部が洗浄液中に十分な時間で浸漬されるよう、
できるだけ長くすることが望ましい。

また、上記実施例において、導入用のガイド２
４，２４と導出用のガイド２５，２５との各入口
側を移送爪１７の傾斜角度θに応じて所定の角度
で傾斜させておけば、移送爪１７の傾斜状態から
水平状態への回動復帰の動作が該傾斜に沿つて更
にスムーズに行える。

更に、上記実施例においては、両ガイド２４，
２４および２５，２５により移送爪１７を移動案
内して槽２３内に送り込み、又これより送り出す
ように説明したが、これに替えて例えば上記ガイ
ド部材２２，２２の両端を槽２３の上方位置まで
延長し、その延長端部で移送爪１７を槽２３に対
して移動案内するように構成してもよい。

以上のように本案洗浄装置によれば、基板移送
経路の復路移動途中において、移送爪を洗浄液槽
へ導入ガイドし、かつこれより導出ガイドし、そ
の間において爪自体の自重による回動傾斜によつ
て爪先端部のみを洗浄液槽内へ浸漬させるように
しているので、移送爪の移動を停止させることな
く、連続移動の過程でスムーズに槽内へ導入・導
出することができ、その導入から導出の間におけ
る自重による回動傾斜によつて移送爪自体は槽上
方を水平移動しながら爪先端部のみを槽内へ十分
確実に浸漬し洗浄させることができる。また、移
送爪の爪形状を活かした自重による回動傾斜及び
その案内復帰動作のみによつて移送爪の槽内への
導入・導出、ならびに浸漬動作を行わせるように
しているので、移送爪を槽内へ浸漬させるための
昇降機構や回動傾斜機構、あるいはその駆動機構
等の複雑な機構は一切不要であり、簡単な手段に
より確実で十分な浸漬・洗浄工程を行わせること
ができる。さらに、移送爪の爪先端部は洗浄液槽
内へ完全に浸漬されるので、十分な洗浄作用を収
めることができ、洗浄効果をより高めることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の洗浄装置の断面図、第２図はこ
の考案が適用されるキヤリヤレスタイプの半田付
装置の全体構成を示す平面図、第３図は同半田付
装置で用いられるプリント基板移送爪の要部正面
図、第４図は同移送爪の詳細および動作状態を説
明する要部正面図、第５図は本案洗浄装置による
移送爪の洗浄動作を説明する斜視図である。 １７……移送爪、１６……チエーンコンベヤ、
θ……（傾斜）角度、１９……ヒンジ、２３……
（洗浄液の）槽、２１……段部、２４，２４……
導入用のガイド、２５，２５……導出用のガイ
ド、Ａ……（基板の）移送経路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プリント基板を載置移送する略Ｌ状をなす移送
   爪がチエーンコンベアの全長に沿つて所定ピツチ
   で取付けられ基板移送経路に沿い無端状に旋回駆
   動されるキヤリヤレスタイプの半田付装置におい
   て、前記チエーンコンベアに自由状態で自重によ
   り所定角回動傾斜可能に支持された前記移送爪
   と、該移送爪の移動経路の復路に設置された洗浄
   液槽と、この洗浄液槽の前記移動経路入口側と出
   口側とに夫々配置されて前記移送爪を前記回動傾
   斜状態から水平状態に回動復帰させる導入用ガイ
   ドならびに導出用ガイドとを具備し、前記導入用
   ガイドと導出用ガイドとの間で槽上方へ導入され
   た前記移送爪の先端部が前記回動傾斜によつて前
   記洗浄液槽内へ浸漬されるようにしたことを特徴
   とする洗浄装置。