JPS643559Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は滞留溝を削成した皿形の回転デイスクと
傾斜せるウエアリングとの間で回収鋳物砂を流動
化させて該鋳物砂の表面に付着している添加剤等
を剥離して再使用可能なる様にした鋳物砂再生装
置に関するものである。

従来より一度使用した鋳物砂を再生して鋳型造
型に再使用することは経済的見地等より種々実施
されているものである。而してこれらの装置とし
ては、上部にホツパーを設けた円筒体の中央部所
定位置に、上面に開口した周壁及び底板からなる
有底円筒体を回転可能に設けると共に、該円筒体
の内面に環状棚を配設して形成し、ホツパーから
落下する回収鋳物砂を一旦高速回転している有底
円筒体の周壁部に受け止め、該周壁部に滞留した
砂量が所定量を越えるこの周壁部を溢流して円筒
体の内面に配設する環状棚の内面に向つて飛散
し、そしてこの環状棚上に滞留した後その内周縁
部から落下する様にしているものである。従つて
回収鋳物砂はホツパーより有底円筒体上に落下し
た時に第１段階の再生処理がなされ、次いでこの
有底円筒体から環状棚に向つて飛散した時に第２
段階の再生処理が行なわれることとなる。

しかしながらかかる装置においては有底円筒体
の周壁下部に所定量の回収鋳物砂が滞留された後
に初めて第１段階の再生処理が行なわれるのであ
り更に、この有底円筒体の周壁部より溢流して環
状棚の内周に飛散された鋳物砂はこの環状棚の内
周下部に所定量の鋳物砂が滞留した後に第２段階
の再生処理が行なわれてその内周縁部より落下す
るものである。故にこれらの有底円筒体の周壁下
部及び環状棚の内周下部に滞留する比較的多量の
鋳物砂は環状棚の内周に向つて飛散されることは
なく、又この内周縁部より落下することがないの
で充分な再生が行なわれず、しかも決して取り出
し得ないものである。更に第２段階目の再生処理
するに際し環状棚上に飛散された鋳物砂を滞留せ
しめた後再生する様にしているので、必然的に再
生装置全体を大型化しなければならない等の欠点
を有しているものである。

本案はこの様な欠点を是正せんが為に創作され
たものであつて、周縁部を上方に傾斜せしめると
共にその内周部に円弧形の滞留溝を削成した皿形
の回転デイスクを回転可能に設け、更にその回転
デイスクを囲繞し且つ回転デイスクの上面に向け
開口した環状のウエアリングを配設して形成し、
回転デイスク上に落下した回収鋳物砂を該デイス
ク上に多量に滞留させることなく回転デイスクと
ウエアリングとの間を対流せしめてその流動化現
象による相互摩擦により再生するものであり、こ
の再生過程においては従来装置の如く多量の滞留
砂を利用するものではないので極めて効率よく再
生処理を行い、しかも装置全体を小型化出来る利
点をも有しているものである。

本案の一実施例によりこれを説明すれば、機体
１の上面中心に適宜の投入孔を穿設するオリフイ
ス２を配置した投入シユート８を設けると共に該
機体１の下方部には動力伝達機構４により高速回
転する回転軸５を垂設し、該回転軸５の上端部
に、周縁部６を上方に傾斜せしめると共にその内
周部上面に同心円とした円弧形の滞留溝７…，
７′…を複数箇削成して形成した皿形の回転デイ
スク８を軸着し、次いで回転デイスク８の外周端
より一定の間隙９を設けてこれを囲繞し且つ回転
デイスク８の上面に向け下方を開口した傾斜せる
環状のウエアリング１０を配設してなるものであ
つて、図中１１は粉塵吸引口、１２はセンターコ
ーン、１８は再生砂導出板、１４は機体１内の所
要箇所に設けたウエアリング保持矯正板、１５，
１５′は送風翼、１６は再生砂排出口である。

本案は叙上の如き構成によりなるものであつ
て、回転デイスク８の内周部上面に削成する滞留
溝７…，７′…は、第２図に図示する如き同心円
とした２条の円弧形とするも、特にこれらに限定
されるものではなく回転デイスク８の大小により
２条以上の多数列として、鋳砂再生時において該
滞留溝７…，７′…内に鋳砂を帯留して鋳砂の再
生効果を生ぜしめて同一の目的を達成するもので
あればその構成は特に限定されるものではない。
又この回転デイスク８の外周端より一定の間隙９
を設けてこれを囲繞する様に配設するウエアリン
グ１０は、回転デイスク８の周縁部６の傾斜面よ
り飛散される鋳物砂を流動せしめて再度回転デイ
スク８の上面へ戻す様に下方を開口した傾斜形と
して鋳物砂の再生効率の効上を図つているもので
ある。

以上の構成によりなる鋳物砂再生装置の作用を
説明すれば、電動機（図示せず）を作動させるこ
とにより動力伝達機構４で回転デイスク８を所定
回転速度で回転させ、この状態において投入シユ
ート３のオリフイス２により一定量の回収鋳物砂
を回転デイスク８中心のセンターコーン１２に落
下させれば該鋳物砂はこれにより四方にに分散さ
れるが、落下当初の鋳物砂は回転デイスク８の内
周部上面に削成した滞留溝７…，７′…内に滞留
し、後続の鋳物砂は回転デイスク８の上面及び滞
留溝７…，７′…内に滞留した鋳物砂上を滑走し
て遠心方向へ飛散されるものである。而してこの
時溝内の滞留鋳物砂との相互摩擦により砂粒表面
が研摩されて第一次の再生処理が行なわれ、更に
この回転デイスク８周縁部６の傾斜面により斜め
上方に飛散された鋳物砂は環状のウエアリング１
０内で流動せしめられて再度回転デイスク８上に
戻すと、回転デイスク８により四方に飛散される
砂粒同志とが衝突して第二次の再生処理が行なわ
れるものである。この様にして回転デイスク８上
とウエアリング１０との間を対流せしめて砂粒同
志の流動化現象による相互摩擦により再生した後
これらが回転デイスク８の外周端とウエアリング
１０の内周端とに設けた間隙９より落下するので
これを再生砂排出口１６より取り出し再生鋳物砂
として再使用を図る様にしているものである。

本案は滞留溝を削成した皿形の回転デイスク８
と斜め内側下方を開口した傾斜せる環状のウエア
リング１０との間で多量の鋳物砂を滞留させるこ
となく流動化現象により回収鋳物砂を再生すると
共に該鋳物砂自体を破損することなく高効率的に
再生処理を行う極めて有用なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の一実施例を示す縦断正面図、第
２図は回転デイスクの平面図、第３図は第２図Ａ
−Ａ線切断面図である。 図中１……機体、６……周縁部、７…，７′…
……滞留溝、８……回転デイスク、９……間隙、
１０……ウエアリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体の上面中心に適宜の投入孔を穿設するオリ
   フイスを配置した投入シユートを設けると共に、
   該機体の下方部には動力伝達機構により高速回転
   する回転軸を垂設し、該回転軸の上端部に、周縁
   部を上方に傾斜せしめると共に、その内周部上面
   に同心円とした円弧形の滞留溝を複数箇削成して
   形成した皿形の回転デイスクを軸着し、次いで回
   転デイスクの外周端より一定の間隙を設けてこれ
   を囲繞し且つ回転デイスクの上面に向け下方を開
   口した傾斜せる環状のウエアリングを配設してな
   ることを特徴とする鋳砂再生装置。