JPS643401B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、放送衛星等より発信される電波を受
信するのに利用できるパラボラアンテナ装置に関
する。

従来例の構成とその問題点 近年中に実用放送衛星が打ち上げられSHF放
送が本格的に行われることが予定されている。こ
の放送衛星は約35000Kmの上空に設置されるため、
ここから送られてくる電波を受信するためには、
パラボラアンテナの角度を極めて正確に調整して
所定の角度に上記パラボラアンテナを固定する必
要がある。従来、このパラボラアンテナの角度調
整および固定は第１図に示すような手段で行われ
ていた。第１図において１はパラボラアンテナ本
体、２はこのパラボラアンテナ本体１を支持する
ための支持金具で先端部に、パラボラアンテナ本
体１に固定された第１の突片３をボルトとナツト
により取付けており、またこの支持金具２には一
対のナツト４，５によりボルト棒６を所定の位置
で固定するようにしている。このボルト棒６の一
端はパラボラアンテナ本体１に固定された第２の
突片７に回動できるように取付けられている。こ
の支持金具２は４本の直ボルト８，９と２個の取
付金具１０，１１および４個のナツト１２により
支柱１３に固定されている。

ここで、パラボラアンテナ本体１の回転角度を
調整する場合は、直ボルト８，９に螺合する４個
のナツト１２をゆるめ、パラボラアンテナ本体１
をつかんで回転させ、調整が完了すれば再び上記
ナツト１２を締め付ける。また、仰角を調整する
場合は、ボルト棒６に螺合するナツト４，５を一
方はゆるめ、他方は締める方向に回転させること
により行ない、調整が完了すれば両方のナツト
４，５をともに締め付ける。ところがこの場合、
パラボラアンテナ本体１の回転角度の調整は、パ
ラボラアンテナ本体１をもつて回転させるため作
業が行い難く、またパラボラアンテナ本体１の仰
角の調整も２個のナツト４，５を締めたり、ゆる
めたりしなければならず作業性が悪いものであ
り、特にパラボラアンテナ本体１の回転角度の調
整は、パラボラアンテナ本体１を手で保持して回
転させるため微調整ができにくいという欠点も有
している。

発明の目的 本発明は上記欠点に鑑み、パラボラアンテナ本
体の回転角度および仰角の調整操作が容易に行
え、かつそれらの微調整が確実に行えるパラボラ
アンテナ装置を提供することを目的とする。

発明の構成 本発明によるパラボラアンテナ装置は、第１、
第２の側板を裏面に設けたパラボラアンテナ本体
と、Ｕボルトおよびナツトにより支柱に取付けら
れる第１の取付金具と、上記第１の取付金具に近
接してＵボルトおよびナツトにより上記支柱に取
付けられる第２の取付金具とを備え、上記第１の
取付金具に対して第１、第２の側板を回動可能に
取付け、上記第１、第２の側板のいずれか一方に
ねじ孔を有する第１のねじ受け金具を回動可能に
取付け、略Ｕ字状溝あるいは孔を有する調整基準
金具およびねじ孔を有する第２のねじ受け金具を
上記第１の取付金具に固定し、この調整基準金具
のＵ字状溝もしくは孔、上記第２の取付金具にそ
れぞれ第１、第２の調整ボルトを回転可能にかつ
軸方向には移動不可能なごとく取付けるととも
に、上記調整基準金具に取付けられた第１の調整
ボルトの雄ねじ部を第１のねじ受け金具のねじ孔
に螺合し、第２の取付金具に取付けられた第２の
調整ボルトの雄ねじ部を第２のねじ受け金具のね
じ孔に螺合し、上記第１の調整ボルトにてパラボ
ラアンテナ本体の仰角を調整し、第２の調整ボル
トにてパラボラアンテナ本体の回転角度を調整す
るようにしたものであり、これら第１、第２の調
整ボルトを回転させるだけの簡単な操作で微調整
が行えるものである。

実施例の説明 以下本発明の一実施例について第２図〜第７図
を用いて説明する。第２図は本発明の一実施例に
おけるパラボラアンテナ装置の組立てた状態の側
面図を、第３図は分解斜視図を、第４図、第５図
は要部の後面図、側面図を、第６図、第７図は同
装置に用いる部品の詳細な図をそれぞれ示す。

図において、１５はパラボラアンテナ本体、１
６，１７は第１、第２の側板で、上記パラボラア
ンテナ本体１の裏面に複数本のボルトとナツトに
より固定される。第１、第２の側板１６，１７は
互いに相対するように設けられる。そして、第
１、第２の側板１６，１７にはそれぞれ孔１６
ａ，１７ａと、この孔１６ａ，１７ａを中心にし
て円弧状の長孔１６ｂ，１７ｂを設けている。１
８は円柱状をなす金属性支柱、１９は第１の取付
金具で、背面側、両側板、天板および底板よりな
り、両側板に上記孔１６ａ，１７ａ、円弧状長孔
１６ｂ，１７ｂにそれぞれ対応するねじ孔２０，
２１を設け、背面板にＵボルト２２，２３が挿通
する孔２４，２５を設けている。支柱１８にＵボ
ルト２２，２３をかけまわし、その雄ねじ部を第
１の取付金具１９の孔２４，２５に挿入し、この
雄ねじ部にナツト２６を螺合することにより第１
の取付金具１９を支柱１８に取付けることができ
る。このとき、第１の取付金具１９は天板を支柱
１８の上にのせストツパーとして作用させてい
る。また、第５図に示すように、第１の取付金具
１９は支柱１８への取付けを確実にするため背面
板の一部を内側に切り起し、この切起し片２７の
先端を略Ｖ字状に切り欠き、この切り欠き部分を
支柱１８に当てて第１の取付金具１９の固定をは
かつている。また、この第１の取付金具１９のね
じ孔２０，２１に第１、第２の側板１６，１７の
孔１６ａ，１７ａ、円弧状長孔１６ｂ，１７ｂを
合致させ、孔１６ａ，１７ａおよび長孔１６ｂ，
１７ｂを通じてねじ孔２０，２１にねじ２８，２
９を螺合させることによりパラボラアンテナ本体
１５を第１の取付金具１９、さらに支柱１８に取
付けることができる。また、このとき長孔１６
ｂ，１７ｂの範囲内で孔１６ａ，１７ａ，２０を
中心にパラボラアンテナ本体１５を回動させるこ
とができ、その仰角を調整することができる。３
０は第１のねじ受け金具で、Ｌ字状をなし一面に
ねじ孔３１を設けており、他の面をたとえばボル
トとナツトにより第２の側板１７の内側に回動可
能に取付けている。３２は調整基準金具で、略Ｕ
字状の溝３３を設けており、第１の取付金具１９
の背面板の中心より右側に偏心した位置に、溝３
３を設けた先端部が突出するようにたとえばねじ
により固定している。

また３４は第２の取付金具で、Ｕボルト３５お
よびナツト３６により支柱１８に固定される。こ
のとき、第２の取付金具３４のＵボルト３５が挿
通する孔は一方の丸孔３７とし、他の孔３８はＵ
ボルト３５が挿通する孔３８ａとこの孔３８ａに
連接してその短径がＵボルト３５の直径より小さ
い長孔３８ｂより構成している。なお、この長孔
３８ｂの短径とＵ字状溝３３の短径をここでは同
一寸法としている。３９はＬ字状をなす第２のね
じ受け金具で、一面にねじ孔を設けており、他の
面をたとえばボルトとナツトにより第１の取付金
具１９の底面板のその中心より右側に偏心した位
置に固定している。４０，４１はおのおの第１、
第２の調整ボルトで、同一形状に加工しており、
第６図に示すように雄ねじ部の一部の外周を切り
欠いて小径部４２を形成している。この小径部４
２の寸法は調整基準金具３２のＵ字状溝３３の短
径および第２の支持金具３４の長孔３８ｂの短径
と同一にしている。調整基準金具３２の溝３３に
第１の調整ボルト４０の小径部４２を嵌入して調
整基準金具３２に対して第１の調整ボルト４０を
回動可能ではあるが軸方向には移動できないよう
に取付け、その雄ねじ部を第１のねじ受け金具３
０のねじ孔３１に螺合する。また、第２の調整ボ
ルト４１は、第２の取付金具３４の孔３８ａへの
Ｕボルト３５の挿通に先立つて、この孔３８ａを
通して小径部４２を長孔３８ｂに嵌入してやはり
回動可能に、しかし軸方向には移動できないよう
に取付け、かつその雄ねじ部を第２のねじ受け金
具３９のねじ孔に螺合させる。

上記構成において、パラボラアンテナ本体１５
の回転角度を調整する場合は、第２の取付金具３
４をＵボルト３５とナツト３６により支柱１８に
強固に固定しておき、一方、第１の取付金具１９
についてはそのナツト２６をゆるめておくことに
より支柱１８に対して回動できる状態としてお
く。この状態で第２の調整ボルト４１を回動させ
ることにより、第１の取付金具１９を介してパラ
ボラアンテナ本体１５は左あるいは右方向に回転
することになり、回転角度の微調整が可能とな
る。微調整が終了すればナツト２６を締めて第１
の取付金具１９を支柱１８に強固に固定する。一
方、ねじ２８，２９をゆるめた状態で、第１の調
整ボルト４０を回転させることにより孔１６ａ，
１７ａを中心にパラボラアンテナ本体１５を回動
させることができ、仰角の微調整が可能となる。
調整が終了すればねじ２８，２９を締めてパラボ
ラアンテナ本体１５を第１の取付金具１９に強固
に固定する。なお第２図において、４３，４４は
放射器４５を所定の位置に保持するための半円形
ステイおよびホルダーである。

このように本構成によれば、第１の調整ボルト
４０を回転操作するだけでパラボラアンテナ本体
１５の仰角を調整することができ、また第２の調
整ボルト４１を回転操作することによりパラボラ
アンテナ本体１５の回転角度を調整することがで
き、その操作が容易であるとともに微調整が行え
る利点を有する。なお、上記実施例において第１
の取付金具１９に設けた切起し片２７は一体に設
けずともよく、第２の取付金具３４と同様のもの
（ただしこの場合、ボルトが挿通する孔はともに
丸孔でよい）を別個に設けておいて、あらかじめ
直ボルトとナツトで第１の取付金具１９に固定し
ておいてもよい。また、第１の調整ボルト４０に
よる仰角調整手段および第２の調整ボルト４１に
よる回転角度調整手段をともに後方からみて中心
より右側に偏心した位置に設けているが、中心よ
り左側に偏心した位置に設けてもよいものであ
る。さらに第２の取付金具３４においてＵボルト
が挿通する孔３７，３８はともに孔３８のごとき
形状に加工してもよいものである。さらに調整基
準金具３２の溝３３は、第２の取付金具３４の孔
３８と同様な孔形状に加工してもよい。

発明の効果 本発明によれば、第１の調整ボルトを手でもつ
て回転操作するだけでパラボラアンテナ本体の仰
角を調整することができ、また第２の調整ボルト
を回転操作するだけでパラボラアンテナ本体の回
転角度を調整することができ、ともにその操作が
容易であるとともに微調整が行える。又、従来例
のように調整には工具は必要であるが本考案によ
ると工具は必要としないという利点を有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例におけるパラボラアンテナ装置
の側面図、第２図は本発明の一実施例におけるパ
ラボラアンテナ装置の側面図、第３図は同分解斜
視図、第４図、第５図はそれぞれ要部の後面図、
側面図、第６図は同装置で用いる第１、第２の調
整ボルトの側面図、第７図は第２の取付金具の後
面図である。 １５……パラボラアンテナ本体、１６，１７…
…第１、第２の側板、１６ａ，１７ａ……孔、１
６ｂ，１７ｂ……円弧状長孔、１８……支柱、１
９……第１の取付金具、２０，２１，３１……ね
じ孔、２２，２３，３５……Ｕボルト、２６，３
６……ナツト、２８，２９……ねじ、３０……第
１のねじ受け金具、３２……調整基準金具、３３
……Ｕ字状溝、３４……第２の取付金具、３７，
３８……孔、３９……第２のねじ受け金具、４
０，４１……第１、第２の調整ボルト、４２……
小径部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 第１、第２の側板を裏面に設けたパラボラア
   ンテナ本体と、Ｕボルトおよびナツトにより支柱
   に取付けられる第１の取付金具と、上記第１の取
   付金具に近接してＵボルトおよびナツトにより上
   記支柱に取付けられる第２の取付金具とを備え、
   上記第１の取付金具に対して第１、第２の側板を
   介してパラボラアンテナ本体を回動可能に取付
   け、上記第１、第２の側板のいずれか一方にねじ
   孔を有する第１のねじ受け金具を回動可能に取付
   け、略Ｕ字状溝もしくは孔を有する調整基準金具
   およびねじ孔を有する第２のねじ受け金具を上記
   第１の取付金具に固定し、この調整基準金具の略
   Ｕ字状溝もしくは孔、上記第２の取付金具にそれ
   ぞれ第１、第２の調整ボルトを回転可能にかつ軸
   方向には移動不可能なごとく取付けるとともに、
   上記調整基準金具に取付けられた第１の調整ボル
   トの雄ねじ部を第１のねじ受け金具のねじ孔に螺
   合し、第２の取付金具に取付けられた第２の調整
   ボルトの雄ねじ部を第２のねじ受け金具のねじ孔
   に螺合し、上記第１の調整ボルトを回転させるこ
   とによりパラボラアンテナ本体の仰角を微調整
   し、上記第２の調整ボルトを回転させることによ
   りパラボラアンテナ本体の水平角度を微調整する
   ようにしたパラボラアンテナ装置。